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モバイルで半導体は好調、液晶は不調の製造装置業界

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2013年11月における日本製半導体製造装置の受注額はやや一服というところ。依然として受注額の方が販売額よりも多いという好調を維持している。受注額は1128億6300万円、販売額は813億7300万円、B/Bレシオは1.39であった。

図1 半導体製造装置は好調が続く

図1 半導体製造装置は好調が続く


半導体製造装置の受注額は5月に1000億円/月をわずかに超えたものの、6〜8月はそれを割っていた。しかし9月に再び突破、10月は1200億円も超え、11月は少し落ちたものの、1100億円を超えており、直近で不安要素はまだ聞こえてこない。販売額は800億円前後をキープしており、B/Bレシオは1.0を超えている。

これに対して、FPD製造装置は、11月も依然として1.0を割った0.7というB/Bレシオである(図2)。受注額が伸びなくなっただけではなく販売額も伸びていない。FPD製造装置業界は、モバイルコンピューティングへの大きなトレンドの波を受け、産業構造の立て直しが求められている。PCやテレビの時代では、大画面化へ向かい、そのためのガラス基板、それに伴う製造装置の大型化へとやってきたことの真逆の対応が求められるからだ。今はモバイルデバイスに適したサイズの液晶パネルが求められている。


図2 B/Bレシオが1.0を割る、冬の時代を迎えたFPD製造装置

図2 B/Bレシオが1.0を割る、冬の時代を迎えたFPD製造装置


FPD製造装置業界は、8月27日の記事(参考資料1)で紹介したように、テクノロジドライバがPCからモバイルに移ったことでFPD業界は厳しい時代が当分続くだろう。液晶メーカーには、4〜10インチまでの画面サイズに対応できるフレキシブルな製造ラインが求められる。このような冬の時代こそ、これまでにないイノベーティブな技術を発明できた企業が今後を制するチャンスでもある。

参考資料
1. 景気ドライバがモバイルに移行、対照的になる半導体vs FPDの製造装置 (2013/08/27)

(2013/12/20)

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