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サムスンが大きく躍進する2012年の世界ファウンドリ半導体ランキング

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米市場調査会社のICインサイツ(Insights)は、2012年における世界のファウンドリ企業のトップ12社ランキング(見込み)を発表した。最も顕著な動きはサムスンの大躍進だ。アップルのアプリケーションプロセッサを製造するファウンドリの売り上げが大幅に伸びるとの予測に基づいている。

表 2012年の世界ファウンドリ半導体ランキング(見込み) 出典:IC Insights

表 2012年の世界ファウンドリ半導体ランキング(見込み) 出典:IC Insights

サムスンは米国テキサス州オースチンにファウンドリの工場があり、その技術について2年前にレポートした(参考資料1)。ここでアップルのスマートフォンやタブレットの心臓部に当たるA4、A5のアプリケーションプロセッサを生産しているとみられる。サムスンは韓国本土でもファウンドリの設備投資を強化している。サムスンの製造能力増強から2013年にはUMCを抜き第3位にランクインされるとICインサイツは見ている。

その根拠をこう見る。これまでの設備投資などから2012年中頃には300mmウェーハで月産13万枚の生産能力に達する。サムスンのロジックウェーハ1枚当たりの平均価格を2500ドルとすると、年間売り上げは39億ドルになるというもの。

この読みは、サムスンが世界一のスマホメーカーに躍り出たこととも関係する。全世界のスマホ市場の内、サムスンとアップルの2強が約半数を占める。2012年の第2四半期には世界のスマホ出荷台数は1億6800万台であり、そのうちサムスンが5400万台、アップルは2600万台出荷し、その合計は8000万台にも達する。サムスンが製造するアプリケーションプロセッサは、アップルとサムスンという上位2社に供給されている。

一方で、サムスンはアップルと法廷論争を続けている。アップルとしてはサムスン以外にファウンドリのセカンドソースを求めようとしても、残念ながらTSMCにはアップルに供給する余力はない。現在の稼働率が100%を超えているからだ。ICインサイツはTSMCがセカンドソースとして機能するためには数年かかると見ている。当分、ファウンドリビジネスは需要が旺盛なためだ。ファブレス半導体だけではなく、ルネサスやTI、STマイクロのような大手IDMでさえも続々ファブライトに向かっている。ファウンドリ企業にとって当分追い風が吹く。

サムスンがファウンドリビジネスを推進するメリットはメモリも製造するIDMでもあることだ。スマホや携帯電話、タブレットなどにはDRAMとNANDフラッシュ等も搭載する。サムスンにとってアップルはメモリユーザーでもある。サムスンは、アプリケーションプロセッサとDRAM、フラッシュをセットにしてまとめ売りができる。メモリはセカンドソースが可能で東芝からも購入できるが、アップルとしては、セット買いは部品調達が楽になるため、サムスンを外すわけにはいかない。

もう一つファウンドリビジネスの大きな動きは、寡占化が進んでいることだ。例えば第1位のTSMCの売り上げは第2位のグローバルファウンドリーズの4倍もあり、第2位のグローバルファウンドリーズの売り上げでさえ、第5位のSMICの2.6倍以上もある。IDMながらファウンドリビジネスも手掛けている企業では、第1位のサムスンの売り上げは、第2位IBMの8倍もある。また、表の上位12社のファウンドリビジネスの売り上げは2012年にはファウンドリ全体の89%も占めることになる。2009年は81%だったから寡占化が進んでいるといえる。

参考資料
1. サムスンがロジック向け32nmファウンドリ戦略をセミコンポータルに語る (2010/05/06)

(2012/08/21)

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