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ICインサイツも2011年世界半導体トップ25社のランキング確定値を発表

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IHSアイサプライに続き(参考資料1)、同じ米国市場調査会社のIC インサイツ(IC Insights)も2011年世界半導体のトップ25社ランキング(確定値)を発表した。アイサプライとの違いはファウンドリも含めていること。アイサプライは、生産金額のダブルカウントになることからこれを含めてはいない。

表 ファウンドリも含めた世界半導体ランキング 出典:IC Insights

表 ファウンドリも含めた世界半導体ランキング 出典:IC Insights


ICインサイツのトップ25社ランキングでは、ファウンドリメーカーのグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries:GF)やUMCの位置付けがよくわかる。TSMCは10%伸び、UMCとGFは伸び悩んだ。

伸びが最も顕著だったのは、オン・セミコンダクタだ。オン・セミはかつてモトローラからディスクリート部門がスピンオフして生まれた会社で、ICを中心に誕生したのがフリースケール・セミコンダクタである。昨年オン・セミは三洋半導体を買収したことで49%の伸びを示した。三洋半導体はパワーICや昇圧IC、CD-ROMドライブ用ICなどニッチ市場に強い。ディスクリートからパワーICを中心としたオン・セミと三洋半導体と製品が少し重なることはあるが、マイコンやプロセッサ製品とは違い、アーキテクチャに依存しないため、完全にバッティングする製品は極めて少ない。むしろ製品ポートフォリオを拡充できるため、ユーザーには提案しやすいというメリットがある。

次に伸びの大きいクアルコムやインテルも買収による伸びであることは、アイサプライと同様に見ている(参考資料1)。ICインサイトは、インフィニオンを高く評価し、インテルに売却した部門以外の事業継続部門は29%も伸びた。ただし、米ドル安の影響を受けているため、ユーロ扱いでは23%の伸びになる。また台湾のTSMCでさえ、台湾元の上昇を考慮に入れた現地通貨では2%しか伸びていない。ICインサイトは通貨レートを明らかにしていないが、日本円のレートはドルに対して5%ほどしか見ていない。逆に言えば日本のメーカーが円高を不調の理由にすることは適当ではない。台湾や欧州の企業はもっと高いレートの影響を受けているからだ。

全体的に伸びなかった企業にはDRAMメーカーが多く、サムスンの3%を除き、ハイニックス-10%、マイクロン-6%と沈んだが、エルピーダは-40%と最も大きく沈んだ。DRAM価格の低迷が続いたためだが、エルピーダ以外のメモリメーカーはDRAM以外の製品も手がけているため傷が浅かった。

参考資料
1. 2011年の世界半導体ランキングの確定値をiSuppliが発表、日亜がランクイン (2012/03/27)

(2012/04/06)

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