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2011年第1四半期の世界半導体ランキングをICインサイツが発表

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米市場調査会社のICインサイツ(Insights)社は、2011年第1四半期の世界の半導体ランキングを発表した。これによると、トップのインテル、2位サムスンはこのところずっと変わっていない。その差はこの数年、じわじわと縮まってきていたが、今回はインテルがサムスンを引き離した格好となった。

表1 2011年第1四半期における世界半導体ランキング 出典: IC Insights

表1 2011年第1四半期における世界半導体ランキング 出典: IC Insights


2010年全体では、インテルはサムスンの1.24倍多い売り上げまで迫られてきたが、2011年第1四半期では1.44倍と再び引き離した(参考資料1)。

ランキングの第20位に入ったエヌビディア(Nvidia)は、対前年同期比で6%下がったものの、同9%を下げたパナソニックと入れ替わった。トップ20位に入っているファウンドリ2社(TSMCとUMC)を除くと、マーベル(Marvell)とオンセミコンダクタ(ON Semiconductor)がランキング入りすることになる。特にオンセミは三洋半導体を買収したことで売り上げが急増した。2010年第1四半期の5億5500万ドルから2011年第1四半期には8億7100万ドルになった。ここでファウンドリを除くのは、ファウンドリの売り上げと半導体メーカーの売り上げとダブルカウントすることになるからである。にもかかわらずファウンドリをランキングに加えるのは、ファウンドリの売り上げ規模を認識しておく必要があるためだ。

昨年と比べ大きく違うことはメモリメーカーが落ち、非メモリメーカーが伸びたことだ。特にエルピーダメモリは31%も低下した。伸び率が著しいのはブロードコムとインテルの25%、次がクアルコムの22%、TSMCの18%、富士通、フリースケールの17%が続く。これらはロジックとMPUサプライヤおよびファウンドリであった。

半導体市場全体では対前年同期比は11%増という形になった。2010年全体では1ドルは87〜88円平均だったが、2011年第1四半期における平均は81~83円程度なので、日本企業は6.7%程度上ぶれしている。このため日本企業が6〜7%増よりも小さい売り上げであれば円換算でマイナス成長ということになる。もちろん、3月分は東日本大震災の売り上げ低下分を含んでいることから、それ以上の売り上げの日本企業は健闘しているといえるだろう。

参考資料
1. 2010年世界の半導体ランキング、メモリー企業とファウンドリが大躍進 (2010/11/10)

(2011/05/20)

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