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シリコンウェーハ面積は回復基調から史上最高数量達成へ、DRAMの未来も明るい

SEMIによると、2010年第3四半期における半導体シリコンのウェーハ面積の出荷量は対前期比で5%増え、24億8900万平方インチと過去最高の数量になった。四半期ベースのシリコンの出荷面積は、2009年の第1四半期(Q1)を底としてずっと回復基調にある。

図 シリコンウェーハの出荷面積は3Qも増加

図 シリコンウェーハの出荷面積は3Qも増加


8月ころから一部の半導体ビジネスの陰りがちらほら見かけるようになってきてはいるものの、半導体全体でみると第3四半期も着実に成長していることには変わりはない。2007年秋のサブプライムローン問題が発覚した後の揺れ動いた経済状況とは違って、力強い確かな成長路線を行っているといえよう。

DRAMビジネスが8月ごろから価格の下落を受けて業績が低迷し始めていることは確かではあるが、DRAMビジネスにとって福音が訪れてきたことも確かだ。32ビット組み込みシステムでは、4Gバイト以上のメモリーがあってもアドレッシングできないからDRAMの容量をこれ以上増やす意味はないと書いてきた。もちろん、これは事実ではある。しかし、4Gバイト以上のメモリーをアドレッシングできない32ビットシステムを何とか、改良したい。

ここにきて、DRAMメモリーだけはアドレッシングできるようにしようという動きが出てきた。英アームが9月に発表したCortex-A15というハイエンドのプロセッサIPコア(関連資料1)は、1Tバイトという大容量メモリーを搭載しアドレッシングできるようにするため、40ビットのアドレス空間をサポートできるようにした。つまり、組み込みシステムに使うプロセッサでもDRAMの大容量化が求められるようになるのだ。

この動きは、Cortex-A15のアーキテクチャの浸透とともに今後、活発になってくると思われるが、DRAMの大容量化が再び活発になれば、エルピーダをはじめとするDRAMメーカーは潤ってくる。エルピーダなどのDRAMメーカーがCortex-A15のサポートグループに入り、一緒に普及させていくというコラボが出てくるのは時間の問題かもしれない。

関連資料
1) ARMがハイエンドのプロセッサコアCortex-A15を発表、コンピュータ応用も可能に (2010/09/14)

(2010/11/11)
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