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2010年の半導体製造装置市場、70.8%増の1兆6077億円、半年で急に強気に

2010年の半導体およびFPD製造装置の販売額は、1兆6077億円になりそう、という見通しを日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した。同時に2011年、2012年までの販売見通しも発表し、2012年には1兆8660億円と予測した。

図1 上ブレする半導体・FPD製造装置の予測

図1 上ブレする半導体・FPD製造装置の予測


この予測はSEAJの理事・監事会社18社がまとめ、SEAJの総意としたもの。半導体製造装置は2009年4〜6月期を底としてV字回復に転じ、2010年度は対前年比70.8%増になると予想した。しかし、今年1月に行った予測と比べると回復力はかなり大きい。今年の1月の時点では、2009年のV字回復に対して慎重で、2010年には2008年レベルには戻らない、という予測だった。

しかし、最近になってようやくポジティブな予測をするようになり、70.8%増という予測を行うようになった。ただし、半導体デバイスは2009年の落ち込み、半導体製造装置は2008年、2009年の落ち込みが大きく、2010年に70.8%増としても十分な回復には至っていない。

これらは日本製半導体製造装置の世界における販売額だが、日本市場向けの販売額は回復がさらに遅れている。


図2 日本市場向けの半導体製造装置販売額は回復がイマイチ

図2 日本市場向けの半導体製造装置販売額は回復がイマイチ


2010年に半導体をけん引する電子機器は、企業のIT投資によるコンピュータの買い替え需要が高まり、さらにコンシューマ用途ではスマートフォンがけん引する形になっているようだ。企業向けのIT投資はこれまで2〜3年抑えられてきたことから一気に新しいパソコンとの買い替えが起こるだろう。サーバーはパワーエフィシェントな製品が最近続出してきているため、データセンターなどでの買い替えが進むと見られている。コンシューマ向けは先進国ではスマートフォン、発展途上国ではネットブックがけん引しているようだ。

(2010/07/09)

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