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世界の半導体製造装置、10月に2年ぶりに前年同月販売額を超える

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2009年10月における世界の半導体製造装置の販売がようやく昨年同月比を超えた。2008年10月の16億9634万ドルからこの10月は17億3506万ドルに上昇した。実に2007年9月以来の前年超えになった。丸2年間前年割れを続けてきたことになる。ただし、9月の数字19億2607万ドルよりは少ない。

世界の半導体製造装置販売額

世界の半導体製造装置販売額


世界の半導体製造装置販売額には、従来「3ヵ月周期法則」が成り立っていた。これは3月、6月、9月、12月をピークとして次の月、さらにその次の月とも販売額は低下し、次の3ヶ月目にまた上昇するという周期性である。しかし、2008年9月のリーマンショック後からの急速な景気の冷え込みによって、しばらくの間は3ヵ月周期則が維持されていたが、この6月にピークが来ず、6-7-8月の1周期では7月にピークが来るという変則事態を迎えた。今回も9月にピーク、10月に少し落ちるという状態になっている。この先11月も落ちて12月にふたたびピークを迎えるという従来の周期にのることができれば健全な状態に戻るのではないだろうか。


半導体製造装置販売統計〔世界規模〕/ 市場別合計


半導体製造装置 月別売上推移


国別に販売額をみると、台湾が突出しており、4月〜10月の累積販売額で見ても対前年同期比で16.2%増と急速に増やしている。これはTSMCの投資が最も大きく、TSMCは設備投資の拡大を続け圧倒的に巨大なファウンドリを目指している。あたかも1社独占の、パソコンの世界におけるマイクロソフトになろうとしている。となると価格はTSMCが左右することになり、もはやUMCやチャータードは勝負にならなくなる、とある業界関係者は見る。

回復が最も遅いのが日本。4〜10月の対前年同期比はいまだに73.7%減と1/4しかない。ファブレス半導体メーカーが群雄割拠する北米市場でさえ、昨年同期の半分は超えている。日本のファブライトとは何か。微細化せずに競争力は何で付けようとするのか、アナログか、ミクストシグナルか、はたまた化合物半導体か、パワーデバイスか。微細化せずにファブライトに行くというアナウンスはするものの、どのような技術で勝負するのか、その成長戦略はまだどこからもアナウンスされていない。

(2009/12/15)

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