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日本の半導体製造市場、4月は受注が再び下落、B/Bレシオも0.43に低下

日本半導体製造装置協会(SEAJ)が本日発表した、日本市場における半導体製造装置の受注額が4月になって落ちた。受注額はこの1月の102億5700万円を底にして、2月、3月と回復する様子を見せていたが、4月になって87億8600万円とここ数年の最低を記録した。これは3ヵ月の移動平均、すなわち4月分なら2,3,4月の平均をとった数字である。

半導体製造装置 日本市場 受注高合計


4月におけるこの受注額は、対前年同期比で-89.1%と、前年の803億2600万円の1割しかない。

一方、販売額も同様にここ数年の最低である119億2600万円にとどまった。これも前年同期比で-82.5%という極めて小さな数字になっている。販売額は3ヵ月の移動平均ではなく単月の数字である。受注額と同様3ヵ月の移動平均で表わすB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は3月の0.66から4月には0.43と再び落ち込んでいる。


半導体製造装置 日本市場 販売高合計

半導体製造装置 日本市場


これらの数字をどう見るか。世界市場における販売額は、対前年同期比で見る限り、2月を底に3月、4月と回復基調にあり、前年同期比は-76%、-71%、-68%という数字を示していた。考えられうることは、日本だけが回復が遅れている、世界市場では底が2月であったのに対して日本市場は1月であったことから世界市場はむしろ1ヵ月遅れて5月にもう一度下がる、という2つのシナリオが考えられる。今の時点でどちらのシナリオが正しいのかまだ結論は出せない。5月の時点での世界と日本の市場を比べてみるしかない。いずれにしても要注意であり、手放しで景気が回復してきたとはとても言えない。


(2009/06/15 セミコンポータル編集室)

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