データセンターを公開、物理的なインフラを提供するMCデジタル・リアルティ
三菱商事と米Digital Realty社との合弁企業であるMCデジタル・リアルティは、千葉県印西市にあるNRTキャンパスに3棟目となるデータセンター(図1)と、ITインフラの実証実験を行うDRIL(MCデジタル・リアルティ イノベーションラボ)を開業、発表した。Digital Realtyは、クラウドサービス業者やオンプレミスなどに向け、サーバーを設置するための土地やデータセンターなど物理的なインフラを提供する。

図1 データセンターの外観 出典:Digital Realty
Digital Realtyは、世界30カ国以上、55都市以上に300カ所以上のデータセンターを持ち、データセンターを所望するクラウド業者や企業ユーザーに物理的にサーバーなどを貸し出すサービスを提供している。Alibaba CloudやAWS、Microsoft Azure、Google、Oracle、IBM共パートナーシップを組んでいる。
今回、日本で9棟目のデータセンターを稼働させた。MCデジタル・リアルティは大阪地区に4棟、関東地区では東京都三鷹市に2棟と千葉県印西市に3棟のデータセンタービルがある。日本で9棟目のデータセンターNRT14では最先端のNvidiaの GPUを備え、Nvidiaの仕様に沿ってコンピュータサーバーを設置した。従来の空冷に加え液冷も使いラック当たり最大150kWのコロケーションサービスを提供する。

図2 MCデジタル・リアルティの主要メンバー 左から日本法人代表取締役の山下康平社長、Digital Realtyのマネージングディレクタ兼アジア太平洋地区ヘッドのSerene Nah氏、同CTO(Chief Technology Officer)のChris Sharp氏 撮影筆者
日本でデータセンターを増強した理由は、日本の得意なモノづくりやロボティクスなどにAIを搭載するフィジカルAIが次のAIのフェーズとして期待できるからだ。また、「印西市の工業団地では、さまざまなイノベーションラボがあり、協力しやすい環境にあるため、ここに3棟目のデータセンターを置いた」とDigital Realtyのマネージングディレクタ兼アジア太平洋地区のヘッドであるSerene Nah氏(図2中央)は語っている。
データセンターの見学会では、コンピュータラックが密に詰まっているという状況ではなく、稼働させるテストが始まったというレベルだ(図3)。白い仕切りでホットな領域とコールド領域を分け、ホットな領域はコンピュータラックからの発熱を熱風発生器でシミュレーションする。

図3 データセンター内部のコンピュータはまばらに 撮影筆者
データセンターと共に公開したのが、DRILである。ここでは、本番環境に準じた検証環境を提供し、パートナーや顧客が実環境に近い条件下でAIやハイブリッドクラウドのアーキテクチャを検証し、性能や電力密度、冷却戦略などを評価・検証できる。

図4 300mmウェーハから巨大な1個のチップを切り出したAIチップを搭載したCerebrasのAIコンピュータCS-3 撮影筆者
サーバー内には多数のGPUやAIアクセラレータを搭載したコンピュータだけではなく、電源や、多数のサーバーのデータ整理を行うスイッチが置かれている。Broadcomのチップを使ったスイッチボードに冷却水を流す仕組みや、ウェーハスケールインテグレーションICを使ったCerebrasのAIコンピュータCS-3などが置いてある。これに対して、同社CTOのChris Sharp氏は「いろいろなタイプの半導体がこれから必要になるASICもLPU(Language Processing Unit)も、ArmのCPUも必要になるため、フレキシブルでスケーラブルな設計手法を使っている」と述べている。
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