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ラピダス、2nmノードの研究開発でimecと戦略的技術提携

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ベルギーの半導体研究所Imecと2nm以下のプロセス開発・量産を狙いファウンドリであるラピダス社(参考資料1)が協力の覚書(Memorandum of Cooperation)交わした。これによりラピダスは先端半導体技術で長期的な協力関係をimecと築くことができる。これまで先端半導体技術を捨て、長い間世界の先端半導体競争から取り残されてきた日本が、世界との距離を一歩縮めることができるようになる。

imecとの協力でラピダス社が欲しかった技術はもちろん、EUV(極端紫外線)とDTCO(Design Technology Co-Optimization)だ。微細化といっても実際の線幅・線間隔の微細化は行き詰まっているため、3次元の多層配線やFinFETやGAAなどの3次元トランジスタなどで面積を縮小することで等価的に「微細化」と称している。EUV技術の練習台としてimecとの提携の意味がある。来年にはASMLからEUVマシンを導入することになるが、imecにも数台EUV装置があり、使い慣れた「先生」から扱い方を教えてもらうことができる。研究開発フェーズでimecと2nm技術を共同開発し、2020年代後半に量産できればラピダスがTSMCやSamsungと競争できる状況になる。


imecとラピダスの技術提携式 / imec

図1 ベルギーimecとラピダスの共同技術開発の提携式にフランダース地方政府と経済産業省も調印 出典: imec


imecのプログラムにはおおよそ2種類ある。一つは広い企業との一般的な基礎開発であり、もう一つは1対1の機密守秘を前提とした、共同開発である。これまでもimecはあくまでも中立的な立場で、TSMC、あるいはSamsungと一緒に共同開発してきたようにラピダスとも機密厳守で共同開発を始める。今回は国を挙げての提携となり、imecの研究所があるベルギーのフランダース地方政府と、日本の経済産業省ともサインを交わしている(図1)。

今回の契約はあくまでも研究開発であるため、間もなく発足する日本のLSTC(Leading-edge Semiconductor Technology Center)との共同研究にも適用されるという内容となっている。

ここにきて初めてオールジャパンを解消するという姿勢を政府が見せている。これまでは日本だけで対外国勢力と競うという構造だったが、ここにきて政府は初めて外国の研究所と一緒に研究開発を行うという姿勢に変わった。それでも周回遅れという厳しい見方もあるが、政府がようやくオールジャパンからの脱却に目覚めたことは評価できるだろう。imecが世界的な半導体研究所として成功した理由の一つが、中立性だった。ベルギーには特に強い半導体企業はなく、世界中のどの企業とも共同研究を行うことができた。

同様に欧州でもフランスのLETI やドイツのFraunhofer研究所なども半導体IC研究を行っているが、それらは日本の産業技術総合研究所と同様、各国の研究所であり、世界中の半導体企業に向け門戸を開放しているわけではない(参考資料2)。

今回の提携について、imec CEOのLuc Van den hove氏(図1左から2人目)は、「今回の提携を通して、日本の研究開発エコシステムとのコラボレーションを強化できてうれしい。しかもimecのコアプログラムである微細CMOS技術でラピダスと一緒に研究できる」と提携の喜びを語る。

ラピダスの小池社長(図1中央)も、ラピダスがimec先端技術と300侘婿坤薀ぅ鵑imecと提携できたことを喜んでおり、「ラピダスにとって国際協力は2nm技術の量産化を図るという目標には欠かせない」と語っている。

参考資料
1. 「日本発ファウンドリのラピダス社、最初から2nmノードを目指す」、セミコンポータル (2022/11/14)
2. 「グローバル企業とだけではなく、日本のEIDECともコラボレーションしたい」、セミコンポータル (2011/10/17)

(2022/12/07)

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