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Intel、3D-XpointメモリボードをPC向けに発売

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Intelが3D-Xpointメモリを使ったメモリボード(図1)を発売すると発表した。3D-Xpointメモリは、3D-NANDフラッシュの次のメモリ製品(参考資料1)で、2015年に発表された。メモリマトリクスをトランジスタより上の配線領域に形成し、集積密度を上げるというメモリチップだ。

図1 3D-Xpointメモリを搭載したIntel Optaneメモリボード 出典:Intel

図1 3D-Xpointメモリを搭載したIntel Optaneメモリボード 出典:Intel


3D-Xpoint(スリーディ・クロスポイント)メモリを使ったメモリボードなどの製品はブランド名Optane(オプテイン)として販売される。これまで、Optaneブランドは、データセンター用SSDストレージを最初にOptane SSD DC P4800Xという名称で製品化した。今回のメモリボードはPC用として初めての製品となる。

IntelはこのOptaneメモリボード製品を同社の64ビットマイクロプロセッサCore iシリーズの第7世代版(Core i7-7700KからCore i3-7100まで)と共に使うと、高速応答に優れた性能を示すように設計されている。HDDの容量や価格を犠牲にすることなく、性能が発揮できるとしている。すなわち、プロセッサとのセット売りを推奨する。

Optaneメモリボードを使ってウェブブラウザを立ち上げると、従来のHDDを使う場合と比べ、5倍以上高速になるとしている。ゲームの立ち上げでは、67%高速になるという。電子メールのクライアント・アプリケーションの立ち上げは、ほぼ5.8倍高速だとしている。

Optaneメモリの位置づけは、DRAMよりも安く、NANDフラッシュよりも速い、ということになる。ストレージといってもHDDの近くに置くよりはCPUの近くに置きたいメモリであり、マザーボードにOptaneメモリボードをドーターボードとして差し込む格好をとる。

Optaneメモリはインテリジェントでアダプタブルな特性を持つため、インテリジェントなソフトウエアと共に使えばユーザーの履歴や習性に合うようにコンピュータを調整してくれる。つまり、このソフトウエアがこのコンピューティングの履歴や行動パターンを学習することで、ユーザーが使うべき情報をより速くスムーズに簡単に取り出すことができる。

Optaneブランドの製品は、3D-Xpointメモリだけではなく、メモリおよびストレージのコントローラ、配線接続IP、ソフトウエアからなる。これらの詳細に関する情報はまだない。

メモリモジュールには16GB(メーカーの参考価格44米ドル)と32GB(同77ドル)の容量がある。Optaneを搭載したOEMのシステムは、今年後半には市販されるとみている。今後は、PC向けのOptane SSDも提供していく予定である。


参考資料
1. IntelとMicron、クロスポイント型不揮発性メモリをサンプル出荷へ (2015/07/30)
2. Intel/Micronの新型メモリの正体は? (2015/08/21)
3. インテルの“3D Xpoint技術”を使った試作SSD披露への反応 (2015/08/24)

(2017/04/26)

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