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EUVリソが量産に向け進歩、TSMCが1000枚/日、ギガフォトン140W

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EUVが着実に進歩している。台湾のTSMCがASMLのNXE:3300B EUVリソグラフィ装置を使って、1日に1000枚以上、露光できたことを、オランダのASMLが発表した。また日本のギガフォトン(小松製作所の100%子会社)は半導体量産レベルに近い140W、デューティ比50%で連続運転を達成したと発表した。

共に、米国サンノゼで開催されたSPIE Advanced Lithography Symposiumにおいて発表した。TSMCのR&DディレクタであるAnthony Yen氏は、「NXE:3300B EUVシステムを使って最近テストランをしたところ、光源出力90W以上を保ちながら、24時間で1022枚のウェーハを露光した」と述べている。さらに「EUVシステムの可能性を示した結果に満足している」と続ける。

ASMLによると、このNXE:3300Bシステムは、現在TSMCにある2台の装置の内の1台で、新製品のNXE:3350Bシステムも2台TSMCへ出荷が予定されている。TSMCは生産ラインでEUVを使いたいと述べている。

ASMLのEUVサービスおよび製品マーケティング部門のVPであるHans Meiling氏によると、「TSMCでのテストランは、NXE:3300Bスキャナーシステムの能力を示した。当社は、2015年に1日当たり1000枚以上のウェーハプロセスを目標としていた。今後は、光源のパワーをさら増加させ、システムの(availability)を改善し、数日以上に渡り複数の顧客が安定して使えることを追求する」と述べている。

一方、ギガフォトンはEUVスキャナー用のレーザー生成プラズマ(LPP)光源のプロトタイプ機で、これまで最高出力の140W、デューティ50%の連続運転を達成した。2014年6月末に発表した時は92Wであったから(参考資料1)、ほぼ予定通りのレベルに達したことになる。出力が向上した理由は、ドロプレットを微小化し安定供給したこと、固体レーザーによるプリパルスとCO2レーザーによるメインパルスの組み合わせ、磁場を利用したデブリ除去技術などによるという。

ギガフォトンは、2015年末までにプロトタイプLPP光源で250Wを目指す。この出力はメモリーなどへの量産対応が可能になるレベルである。

参考資料
1. EUVリソグラフィ光源、100Wが射程内に (2014/07/01)

(2015/02/27)

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