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福岡県に実装とシステムの二大開発センターを設置、ワンストップでICが完成

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福岡県の麻生渡知事は、福岡市で開かれた「シリコンシーベルトサミット福岡2010」において、新たに2つの開発センターを作ることを発表した。福岡にはすでに福岡システムLSI総合開発センターがあるが、さらに実装関係と、ICの実証に関係したセンターを2011年3月に福岡県糸島市に設立する。

シリコンシーベルトサミット福岡2010で挨拶する麻生知事

シリコンシーベルトサミット福岡2010で挨拶する麻生知事


これまでは小規模なファブレス半導体メーカーやシステムメーカーが設計に利用しインキュベーションセンターとして機能してきたシステムLSIセンターでは、ICを設計しRTLからネットリストを通じGDS-IIフォーマットまで出力できる。その中でさまざまなシミュレーションも含んだ環境にはある。この後、TSMCなど台湾のファウンドリに製造を任せ、回路になったシリコンウェーハができてくる。

これまではそれを大手半導体メーカーの九州における子会社などに依頼し組み立てていた。それを自分で試験し評価していたわけだが、SoCのようなシステムチップはハードウエアだけではなくソフトウエアのチェックも必要だ。

まだ仮称だが、実装を受け持つ半導体先端実装研究評価センターでは完成したウェーハから裏面研磨やダイシング、マウント、ダイボンディング、ワイヤーボンディングなどの後工程すべてができるような設備をおき、サービスを行う。このセンターでパッケージングずみのICを簡単に試作できる。完成したICのテスターも揃える予定だ。これからの3次元実装に備えた設備も当然導入する。

やはり仮称の先端社会システム研究センターは、ICを実際にフィールドで使ってみるための評価試験を行う。ICをボードに組み込み、機能が設計どおりに果たしているか、組み込みソフトを修正して別の機能を埋め込むとか、ICを商品に近づける作業を行う。

実装センターの総事業費は30億円、うち建屋が10億、設備は20億円を予定している。システム実証センターは総事業費14億円、うち建屋は9億円、設備が5億円となっている。延床面積は実装センターが3100平方メートル、システム実証センターは2460平方メートルである。2010年8月に着工に入り、完成は来春の予定。

(2010/02/24)

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