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VLSIシンポ、プロセスと回路を一体化

2017 Symposia on VLSI Technology and Circuits(いわゆるVLSIシンポジウム)が2017年6月5日から8日にかけて京都で開催される。最近の傾向は、大学からの発表が多い、日米以外の発表が増えている、ということに尽きる。今年は、プロセス(Technology)と回路(Circuits)が開催される日が全く同じに重なっている。

図1 採択論文はグローバルになってきた 出典:2017 Symposium on VLSI Circuits

図1 採択論文はグローバルになってきた 出典:2017 Symposium on VLSI Circuits


図2 テクノロジーシンポジウムでの日米の論文は合計でも64件中25件しかない 出典:2017 Symposium on VLSI Technology

図2 テクノロジーシンポジウムでの日米の論文は合計でも64件中25件しかない 出典:2017 Symposium on VLSI Technology


VLSIシンポジウムは、毎年京都とハワイを交互に開催される国際会議で、今年は京都の番。元々1980年代後半の日米半導体戦争を和らげようとの思いから出発した会議であるから日米の参加論文は多いが、日米以外の参加論文も増えている。回路シンポジウムの全採択論文数115件における日米の割合は合計49%で、非日米が51%になっている(図1)。プロセスのシンポジウムでは64件の採択論文のうち、米国と日本は合計で25件しかない(図2)。39件はそれ以外の地域からであり、より国際的になってきた。

これまで、最初の3日間がプロセス、1〜2日間のダブりを入れて後半の3日間で回路シンポジウムを開催していた。しかし、VLSIはプロセスと回路を一体化して初めて実現されるデバイスであるから、開催日を重ね専門が異なる研究者が互いの分野を知ることができるように、との配慮でこの日程になった。

2017年の回路シンポジウムの論文投稿数は320件、採択数が115件となり、採択率は36%とやや上がっている(図3)。ただし、長期的に投稿論文数は減っている。


図3 VLSI回路シンポジウムの採択率、件数など 出典:2017 Symposium on VLSI Circuits

図3 VLSI回路シンポジウムの採択率、件数など 出典:2017 Symposium on VLSI Circuits


今回のシンポジウムでは、一般講演が6月5日(月)〜8日(木)の4日間開催され、その間にいろいろなイベントを計画している。5日にチュートリアルのショートコース、実際の試作品を展示するデモセッション、6日はプレナリーセッション(基調講演)、6〜8日は特別セッションが開催される。特別セッションでは、回路だけの回路フォーカスセッションとプロセスだけのテクノロジーフォーカスセッション、また回路とプロセスが一体化したジョイントセッション、さらにそれぞれのパネルディスカッションとジョイントのパネルディスカッションが予定されている。

プロセスのプレナリーセッションでは、ソフトバンクの常務執行役員・チーフサイエンティストの筒井多圭志氏による「5G and it’s surrounding situations until 2020(5G通信と2020年までにそれを取り巻く環境)」とNXP Semiconductor社CTOのFari Assaderaghi氏による「Internet of Thing (IoT) Technology with Special Focus on Security and Privacy(セキュリティとプライバシに焦点を当てたIoT技術)」の2件が発表される。回路のプレナリーセッションでは、パナソニック コネクテッドソリューションズ社の行武剛氏による「AI/ロボティクス/IoTとVLSI」、GoogleのDan Rosenband氏による「自動運転技術とトランジスタ」の2件が発表される。

一般講演では、プロセスでは、Samsungの低電力・高性能応用に向けた7nm Si FinFET技術が最高の評価点だったという。この講演では、EUVを使ったCMOS FinFET技術で作ったトランジスタがArFリソグラフィよりも優れていることを実証している。さらに14nm FinFET上で形成するReRAMや10nmプロセス、化合物半導体やFDSOIなどの集積化技術などの発表がある。

回路では、デジタル、通信、メモリ、アナログを多岐にわたる分野の技術が登場し、採点しづらいのかもしれない。注目論文としてはAIやIoT、高速通信などの応用を意識した回路技術の発表が多い。セキュリティでもカスタマイズ可能な暗号処理プロセッサや生体認証プロセッサなども登場する。

VLSIシンポの案内は、ウェブサイトで見ることができる。

(2017/04/25)

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