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第三四半期半導体販売高/市場実態PickUp/グローバル雑学王−70

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米SIAから恒例の月次世界半導体販売高の発表、今回は9月、そして7-9月、第三四半期のデータが揃っており、それぞれ前月(8月)比8.2%増、前四半期(4-6月)比19.7%増となっている。そしてこれまた恒例の年次予測の更新も行われており、以下今回はSIA発表が席巻する形であるが、SIA自体の大きな節目も見えてきている。

≪第三四半期半導体販売高≫

まずは、SIAからの第三四半期に主眼を置いた月次発表、次の通りである。

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○第三四半期の半導体販売高は市場状況の改善を反映…11月2日付けSIAプレスリリース

9月30日締め四半期の世界半導体販売高は$61.9 billionで、前四半期販売高の$51.7 billionから19.7%の増加であった、とSemiconductor Industry Association(SIA)が本日発表した。この第三四半期販売高は、昨年2008年同期間に報告されている$68.9 billionよりは10.1%の減少である。2009年9月の販売高は$20.1 billionで、前月8月の$19.1 billionからは8.2%の増加である。月次販売高の数字はすべて、グローバル半導体販売高の3ヶ月移動平均で示している。

「第三四半期のグローバル半導体販売高は予想以上である。」とSIA President、George Scalise氏は言う。「9月の販売高は歴史的なパターンに沿うものであり、holiday seasonに向けて作り込みを始めるということでエンドユーザからの需要増加を映し出している。半導体需要の二大牽引役、パソコンと携帯電話の販売数量は、引き続き前回予測を上回っている。一方、急激に落ち込んでいた分野である産業用半導体の需要は、回復し始めの兆候を示している。世界の地域別にはすべてで販売高は増加している。」

「グローバル経済が回復し始めている兆候の渦中にあって、半導体販売高は引き続き通常の季節的なパターンを反映している。年初に見通した最悪のシナリオを販売高はかなり上回っており、2009年の全体販売高は我々のmid-year予測よりよくなるものと思う。」とScalise氏は締め括った。

※9月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.sia-online.org/galleries/gsrfiles/GSR_0909.pdf
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世界の地域別にすべてで販売高が増加している状況は、次のようになっている。

 市場地域   4- 6月平均   7- 9月平均  change
 Americas   2.91       3.46    18.8
 Europe    2.20       2.62    18.9
 Japan     2.98      3.62     21.5
 Asia Pacific  9.14      10.94     19.7
  計     $17.24 B    $20.64 B   19.7 %

この上記の発表に関連する内容として、以下が見られる。

◇September 'actual' chip sales narrow the gap on 2008(11月2日付け EE Times)
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)からの"actual"データ。
9月のグローバル半導体市場は$23.98B、前年同月の$26.26Bから8.7%減、 前月の8月についてはそれぞれ$19.04B、$21.83B、12.8%減であった旨。

◇Top 20 suppliers show 19% sales growth in Q3-Four of the top 20 companies are expected to register higher sales in 2009 than in 2008, according to IC Insights.(11月6日付け Electronics Design, Strategy, News)
→IC Insightsが今朝発表、今週始めのSIAによる見積もり(→2日1.)を繰り返して、第三四半期半導体販売高が、第二四半期の在庫補充段階に続いて力強い季節的需要を示している旨。第三四半期のトップ20ベンダー、下記参照。2009年売上げが2008年を上回りそうなのは、Samsung, 東芝,QualcommおよびMediaTekの旨。
http://www.reed-electronics.com/articles/images/ENEWS/20091106/6705883_chart.jpg

いずれもここ数ヶ月、月を追うごとの販売高の増加基調を裏付けているが、どこまで本物か、非常に慎重な楽観論が続く現状を感じている。

さて今度は、年に2回の年次予測見直しのSIA発表であるが、上記の月次に引き続いて次の通り簡潔にリリースされている。  

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○2009 - 2011年SIA予測…11月5日付けSIAプレスリリース

Semiconductor industry Association(SIA)が本日、グローバル半導体販売高の年次予測をリリース、2009年の世界販売高は$219.7 billionで、2008年の$248.6 billionから11.6%の減少と見通している。今回の予測では、2010年は10.2%増加の$242.1 billion、2011年は8.4%増加の$262.3 billionとそれぞれ見ている。

「今回の新しい予測は前回の見方より明るくなっており、グローバル経済の改善を反映している。」とSIA President、George Scalise氏は言う。「合わせると半導体需要の約60%を占めるパソコンおよび携帯電話など主要な需要牽引役の販売数量が、以前の予想よりも力強くなってきている。長期的には依然控え目ながら楽観的な見方である。現在の予測は、世界経済が引き続き良くなっていくという見通しに密接につながるものである。」
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今年、2009年については、次のように上方修正する見方となっている。

◇SIA sees smaller chip sales decline for 2009(11月5日付け EE Times)
→2009年の半導体販売高について、前回6月時点では前年比21.3%減としていたが、今回同11.6%減と見ている旨。


≪市場実態PickUp≫

米SIAからは今回、大きな転機とみられる発表も行われている。

【大きな節目の米SIA】

◇Scalise retires from SIA, group moves to D.C.(11月5日付け EE Times)
→米SIA発。1997年からSIA Presidentを務めてきているGeorge Scalise氏が、2010年末で退任する旨。また、後任選びに併せて、SIA headquartersをSilicon ValleyからWashington, D.C.に移転、2010年末までに完了させる予定の旨。

小生がEIAJ(現JEITA)にて業界活動に従事していた頃、
・SIAの前President(専務理事)、Armstrong氏が来訪されたのが、1996年11月7日、
・SIA Presidentに新任挨拶でGeorge Scalise氏が来訪されたのが、1997年9月5日、と当時のメモにある。日米半導体協議を経て、世界半導体会議の第1回(1997年春)開催に奔走した前後のことである。以来の長きにわたり、Scalise氏の発表コメントに注目してきているが、来年末に向けて退任、交代されるとともに、小生も訪れたことがある西海岸から政治の本丸、Washington, D.C.にオフィスを移転するということで、大きな節目というものを感じている。

恒例のNoyce賞、新たな体制、次の発表である。  

◇John Kelly Wins Semiconductor Industry's Top Honor(11月5日付け SIA Press Release)
→半導体業界最高の栄誉、Robert N. Noyce Awardの2009年受賞者に、IBMのsenior VP and director of Research、Dr. John E. Kelly III氏の旨。

◇Altera Chief John Daane Elected SIA Chairman(11月5日付け SIA Press Release)
→Semiconductor Industry Association(SIA)のboard of directors、2010年体制について次の選任の旨。
 chairman →John Daane氏(president, CEO and chairman of the board of Altera Corporation)
 vice chairman → Ray Stata氏(chairman of the board of Analog Devices Incorporated)

インサイダー取引関係の調査が、米国半導体業界に波紋を広げている。

【insider取引調査の波紋】

◇Ruiz resigns as Globalfoundries chairman (11月2日付け EE Times)
→秘密情報を渡したという申し立てに引き続いて、GlobalfoundriesのChairman、Hector Ruiz氏が即刻退任の旨。同氏は以前、2010年1月に辞任すると発表していた旨。

◇Ruiz bows out of SIA awards dinner (11月4日付け EE Times)
→今週始めGlobalfoundries社のchairmanを辞任したHector Ruiz氏が、木曜5日のSemiconductor Industry Association (SIA) awards dinnerを辞退、予定された講演を行わない旨。

◇Atheros exec, others charged in insider trading case(11月5日付け EE Times)
→連邦当局が、hedge fundsおよびstock trading会社で進んでいるinsider trading調査から14人を告発、AMD, IBM, Intel, GlobalFoundriesそして今度はAtherosからの人が関係していることを示唆の旨。

SIA発表を好感してと思うが、予測を上向けるメッセージが続いている。

【好転する予測】

◇Analyst raises chip market forecast on September strength(11月2日付け EE Times)
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)による9月の半導体市場の数字を受けて、Carnegie ASA(Oslo, Norway)のアナリスト、Bruce Diesen氏が、2009年の半導体市場について前回の14%減から今回12%減に上方修正、2010年は11%増を見込む旨。

◇'Perfect calm' to drive 2010 chip sales up 20%, says analyst(11月5日付け EE Times)
→Future Horizons(Sevenoaks, England)のchief executive、Malcolm Penn氏。グローバル半導体市場、2009年10%縮小の後の2010年は力強い伸びを期待の旨。"perfect calm"は、ASPs上昇と販売数量増が合わさる状況の旨。


≪グローバル雑学王−70≫

アフリカの国々を巡る3回目であるが、"アフリカ出身初"という取り上げ方はオバマ大統領に通じると感じる一方、先日のTVニュースで国連での非常に長時間のカダフィ大佐の演説の場面を見たが、リビアの国名も長いという感じ方がある。

『国旗・国歌の世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 645)…2008年7月 第1刷

より、次のフォーマットで表している。

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[国名] …国旗・国歌の一言コメント
≪基本情報≫ ・首都 あるいは 中心地 あるいは 本部
       ・面積
       ・人口
       ・言語
       ・宗教
* 国名、国旗、国歌に纏わるエピソード
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各国・地域の国旗については、例えば以下を参照いただきたく思う。

※世界の国旗 ⇒http://www.mofa.go.jp/Mofaj/world/kokki/index.html


【アフリカの国々 −3/4−】

[赤道ギニア共和国(Republic of Equatorial Guinea)]
 …アフリカでは唯一、スペイン語で歌われる国歌
・マラボ(Malabo)
・≪中央・西≫2万8051km2 →北海道の約3分の1
・50万7000人(2007年推定)
・スペイン語(公用語)、フランス語(第2公用語)、他
・カトリック、伝統宗教
*1778年、ポルトガルによりスペインに割譲、1968年、スペインから独立
*国歌:歌詞はスペイン語のみ、第2公用語のフランス語の歌詞はない

[セネガル共和国(Republic of Senegal)]
 …初代大統領が作詞した個性的な国歌
・ダカール(Dakar)
・≪中央・西≫19万7021km2 →日本の約半分
・1238万人(2007年推定)
・フランス語(公用語)、ウォロフ語、ブル語、他
・イスラーム、他
*パリ・ダカール・ラリー →旧宗主国のフランスはじめ欧米諸国との関係は良好
*作詞のレオポルド・セダール・サンゴールは、アフリカ出身で初のフランス学士院会員

[ソマリア(Somalia)]
 …国旗に込められた統一の願いもむなしく、無政府状態が続く国
・モガディシュ(Muqdisho)
・≪中央・東≫63万7657km2 →日本の約1.7倍
・869万9000人(2007年推定)
・ソマリ語(公用語)、アラビア語、英語、イタリア語
・イスラーム
*インド洋に突き出ているように見え、「アフリカの角」と呼ばれる
*国歌:"Somaliyaay toosoo"「ソマリアよ、目覚めよ」

[大リビア・アラブ社会主義人民ジャマヒリア国(The Great Socialist People's Libyan Arab Jamahuriya)]
 …世界一シンプルな国旗(緑一色)が生まれたわけは?(変更まで時間がなかったという通説)
・トリポリ(Tripoli)
・≪地中海沿い≫175万9540km2 →日本の約4.6倍
・616万人(2007年推定)
・アラビア語(公用語)
・イスラーム
*国名のリビア →「海(地中海)の向こうの国」という意味で呼ばれたことに由来
*国歌:"Allahu Akbar"「アッラーは、偉大なり」

[タンザニア連合共和国(United Republic of Tanzania)]
 …タンガニーカとザンジバルを結びつける国名と国旗
・ドドマ(Dodoma) 事実上の首都:ダルエスサラーム(Dar es Salaam)
・≪中央・東≫94万5087km2 →日本の約2.5倍
・4045万人(2007年推定)
・スワヒリ語、英語(ともに公用語)、他
・イスラーム、キリスト教、伝統宗教
*1996年、首都が法律上の新首都、ドドマに移転
*国歌:賛美歌「神よ、アフリカに祝福を」のメロディー

[チャド共和国(Republic of Chad)]
 …ルーマニア国旗とほとんど見分けのつかない3色旗
・ンジャメナ(N'Djamena)
・≪内陸国≫128万4000km2 →日本の約4倍
・1978万人(2007年推定)
・アラビア語、フランス語(ともに公用語)、他
・イスラーム、キリスト教
*国名:チャド湖に由来。チャドは「湖」の意。
*国歌:"La Tchadienne"「ラ・チャディエンヌ」(チャドの歌)

[中央アフリカ共和国(Central African Republic)]
 …国旗のデザインと国歌の歌詞は独立運動の指導者が手がけた
・バンギ(Bangui)
・≪中央≫62万2984km2 →日本の約1.6倍
・434万3000人(2007年推定)
・サンゴ語(公用語、国語)、フランス語(公用語)、他
・キリスト教、伝統宗教、イスラーム
*政情不安が続き、経済は大きな打撃、相乗的に悪化
*国歌:「ヨナ抜き」(4番目と7番目の音を抜いた音階)に近い、雄大なサバンナを思わせるメロディー

[チュニジア共和国(Republic of Tunisia)]
 …保護領時代の勇ましい愛国歌が国歌に
・チュニス(Tunis)
・≪地中海沿い≫16万3610km2 →北海道の約2倍
・1033万人(2007年推定)
・アラビア語(公用語)、フランス語
・イスラーム(国教。ほとんどがスンナ派)
*国名:「チュニスの国」の意
*国歌:"Himat Al Hima"「国を守る者たち」

[トーゴ共和国(Republic of Togo)]
 …旧フランス領だがなぜか星条旗を思わせるデザインの国旗
・ロメ(Lome)
・≪中央・西≫5万6785km2 →本州の約4分の1
・658万5000人(2007年推定)
・フランス語(公用語)、エウェ語、カビエ語、他
・伝統宗教、キリスト教、イスラーム
*エヤデマ元大統領は2005年に没するまで40年近くも政権を維持、現在政情は安定
*国歌:1960年の独立にあたって行われた公募により採用

[ナイジェリア連邦共和国(Federal Republic of Nigeria)]
 …国旗の公募で採用されたのは学生によるデザイン
・アブジャ(Abuja)
・≪中央・西≫92万3768km2 →日本の約2.5倍
・1億4809万3000人(2007年推定)
・英語(公用語)、ハウサ語、イボ語、ヨルバ語、他
・イスラーム(主に北部)、キリスト教(主に南部)
*国名:国土を流れるニジェール川に由来
*国歌:完全に西洋音楽の様式で書かれた明るい行進曲風のメロディー

[ナミビア共和国(Republic of Namibia)]
 …国旗の説明にある「皆に等しく機会が与えられる未来」は来るか?
・ウィントフック(Windhoek)
・≪南西部≫82万4292km2 →日本の約2.2倍
・207万4000人(2007年推定)
・英語(公用語)、アフリカーンス、ドイツ語
・キリスト教、伝統宗教
*国名:南部に広がるナミブ砂漠に由来。75年に及んだ南アフリカ支配の負の遺産、人種間の貧富の差など多い課題。
*国歌:"Namibia, Land of the Brave"「ナミビア、勇者の地」

[ニジェール共和国(Republic of Niger)]
 …国名のもととなったニジェール川は国歌にもうたわれる
・ニアメ(Niamey)
・≪北部・内陸国≫126万7000km2 →日本の約3.4倍
・1422万6000人(2007年推定)
・フランス語(公用語)、民族諸語
・イスラーム、キリスト教、伝統宗教
*1996年、1999年とクーデター、その後は民主化プロセス
*国歌:"La Nigerienne"「ラ・ニジェリエンヌ」(ニジェールの歌)

[ブルキナファソ(Burkina Faso)]
 …「アフリカのチェ・ゲバラ」の詩才が発揮された国歌
・ワガドゥグー(Ouagadougou)
・≪北部:サハラ砂漠の南西部≫27万4000km2 →日本の約70%
・1478万人(2007年推定)
・フランス語(公用語)、モシ語、他
・伝統宗教、イスラーム、キリスト教
*国名:モシ語で「清廉な国」の意
*1983年のクーデターによりわずか33才で首相の座についたトマス・サンカラ
 →「アフリカのチェ・ゲバラ」→1987年に暗殺される→その歌とともに大衆に愛され続ける

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