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続く業界再編/市場実態PickUp/グローバル雑学王−41

ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合についての第1報には、本当に驚かされたところがある。一寸先は闇、と政界ではよく表わされるが、半導体業界も土壇場にきてどう転ぶか、昨今のDRAM業界、そして今回となかなか分からないところを感じている。

≪続く業界再編≫

両社の経営統合の報は、以下の順に受け止めている。    

◇NEC Electronics, Renesas in talks to merge (4月15日付け EE Times)
→2つの筋からの非公式情報。NEC Electronics社とRenesas Technology社が、operations合併について協議最終段階にある旨。
※ この時点では未確認の情報であり、目を疑うという感も。

◇ルネサスとNECエレ統合、半導体世界3位。(4月16日付け NIKKEI NET)
→半導体国内2位のルネサステクノロジと、同3位のNECエレクトロニクスが経営統合する方向で最終交渉に入った旨。新会社の売上高は1兆2000億円を超え、東芝を抜いて日本最大の半導体メーカーとなり、世界でも第3位に浮上する旨。世界同時不況で半導体各社の業績が悪化する中、両社は統合により生き残りを図る旨。日本の半導体トップが入れ替わる経営統合により、業界再編は新たな局面に入る旨。

◇NEC's volte-face in chip merger talks(4月16日付け ElectronicsWeekly)
→RenesasとNEC Electronicsの提携協議はNECにとっては大転換、ほんの最近までNECは東芝といっしょになると見られていた旨。
Matsushita-Sanyo-Renesas-NEC Electronicsというグループ形成、世界第3位の半導体メーカーに。
※ これが海外というか、一般的な感じ方ではないか。

◇Does Renesas-NEC Electronics merger make sense?(4月17日付け EE Times)
→iSuppli社発で以下の両社データ:
                Renesas        NEC Electronics
  2008年販売高     $7.017B(第6位)   $5.826B(第11位)  
  2008年MCUシェア    20.1%          9.7%
「30ベンダーの最大でもやっと二桁シェアであったMCU市場、この2社がいっしょになれば1社で前代未聞の30%シェアに」(Objective Analysisのアナリスト、Tom Starnes氏)
※ 上手く成り立っていくのか、いくつかのbarriers分析。

この大規模な統合を契機に、またぞろ半導体業界の淘汰と再編の動きが加速しそう、とこの4月16日付け朝日新聞・夕刊は解説している。小生の家の本棚から、ちょうど20年前の半導体データ集がたまたま出てきて、1988年の世界ランキングが次の通りとなっている。

○ 1988年 世界半導体出荷ランキング     [出典:Dataquest]
       【単位 M$】   1987年  1988年   1988/1987(%)
  1 NEC     日    3,368    4,534     34.6
  2 東芝     日    3,029    4,302     42.0
  3 日立     日    2,618    3,506     33.9
  4 モトローラ  米    2,431    3,035     24.8
  5 TI       米    2,127    2,741     28.9
  6 富士通   日    1,801     2,359     31.0
  7 インテル   米   1,491     2,350     57.6
  8 三菱     日    1,492    2,278     52.7
  9 松下     日    1,457    1,836     29.4
  10 フィリップス  欧  1,602    1,764     10.1
  11 NS     米    1,506    1,700     12.9
  12 AMD    米     986    1,106     12.2
  13 三洋    日     851    1,086     27.5
  14 SGSトムソン  欧  859    1,083     26.1
  15 シャープ  日    590    1,037     75.8
  16 沖      日    651     947     45.5
  17 ソニー   日     574    924     61.0
  18 三星    韓     327    905    176.8
  19 AT&T   米     802    859      7.1
  20 ジーメンス  欧    657    784     19.3

このときのトピックスは、以下の表し方である。

・約$50Bの全体規模
・インテルが、MPU(80386)好調で高成長
・三星が18位にランキング入り

時あたかも日米半導体摩擦の真っ只中、先端コンピュータ技術を巡って覇権を競い合った当時の状況が、伸び率に如実に表れているし、盛り返しを図るインテル、そして必死に参入を図る三星の意気込みが否応なく伝わってくる。

そして、20年後の今日、小生にはあっという間の感じ方が強いが、同じデータ表現が次のような変貌を遂げている。何といっても、パソコン、携帯電話、consumer electronicsと、経緯はいろいろあるにせよ半導体市場は急拡大してほとんどあらゆる産業分野に応用範囲が浸透している。全体規模が20年前からは5倍以上、30兆円に迫るという事実が、半導体業界の巨艦ぶりを如実に物語っていると感じている。

○ 2008年 世界半導体メーカーランキング  
                     [出典:ガートナー(2008年12月、速報値)]
            【単位 M$】  2007年  2008年  2008/2007(%)
  1 Intel             米 33,800   34,187    1.1
  2 Samsung Electronics 韓  20,464   17,900   -12.5
  3 東芝             日 11,820   10,510  -11.1
  4 TI               米 11,768   9,792   -16.8
  5 STMicroelectronics   欧  9,966   9,652   -3.2
  6 Infineon Technologies 欧  10,194   8,078   -20.8
  7 ルネサステクノロジ   日   8,001   7,849   -1.9
  8 Qualcomm        米   5,619   6,463   15.0
  9 Hynix Semiconductor 韓   9,100   6,400  -29.7
  10 NECエレクトロニクス 日   5,593   5,889   5.3

   総計               273,911   261,900  -4.4

(注)Infineon Technologiesの数値は、Qimondaを含む。

上記の2007年が半導体市場のこれまで最高規模であって、2008年は後半の金融危機の影響を受けて比較的長かったプラス基調に歯止めがかかったという状況である。そして経済危機の深刻な余波ということであるが、これだけのそれぞれのプレーヤーの規模になると、絡み合いがそう簡単にはいかないということなのだろうか。今は落ち込んでいるが伸びの飽和とここまでの規模の拡大の中、新陳代謝を如何に図るかということと思う。


≪市場実態PickUp≫

今回は上記の再編劇が目立ってしまったが、今までのアイテムもなかなか目が離せない。ここでもなかなか一気にはいかないところが、半導体業界のインパクトというものに比例しているという感じ方がある。

【DRAM業界再編】

◇Japan prepares support for Elpida, eyes public funds(4月15日付け EE Times)
→政府筋、水曜15日発。日本政府は、Elpida Memoryに対し、たぶん公的資金注入など支援を見据えているが、決定するにはまだ至っていない旨。

◇Taiwan Memory to submit application for national budget with Micron-Nanya camp to follow suit (4月15日付け DIGITIMES)
→台湾政府筋発。Taiwan Memory Company(TMC)が、National Development Fund(NDF)からの$891Mほどの予算の申請を政府に提出する計画、ライバルのMicron-Nanya陣営は同等の政府出資を求めてそれに習う見込みの旨。

◇エルピーダとTMC提携、日台で支援確認、政府、具体策検討へ。(4月15日付け NIKKEI NET)
→日本政府は、半導体大手のエルピーダメモリと台湾当局が出資し設立する「台湾メモリー(TMC)」の両社による提携を支援していくことで台湾当局と一致した旨。エルピーダは今国会で審議中の改正産業活力再生特別措置法による資本増強の活用も検討しており、政府も法案成立後に具体的な支援策の検討に入る見通しの旨。

【底を打った?】

◇SEMI book-to-bill climbs amid slump (4月16日付け EE Times)
→SEMI発。3月の北米半導体装置メーカーBB比0.61、2月の0.49から上昇、依然ひどい状況の旨。

◇Japan's equipment book-to-bill sets all-time low(4月17日付け EE Times)
→SEAJ発。3月の日本半導体製造装置メーカーBB比、最低記録の0.30、3月受注は約$136.6M、前月比約1%減、前年同月比約88%減。

◇SEMI: Sharp decline in North America equipment bookings abated -As the book-to-bill ratio for North America-based equipment manufacturers shows improvement in March, SEMI CEO Stanley T Myers cautions that the improvement is primarily due to reduced billings and says semiconductor equipment bookings remain at levels below that needed to support a healthy supply chain.(4月17日付け Electronics Design, Strategy, News)
→半導体製造装置市場状況は改善してきているが、該業界はまだ危機を乗り越えてはいない、とSEMIが警告の旨。

※ 落ち込み、そして回復とどうしても時差が出てくる製造装置業界ということと思う。

◇インテルの1-3月期、純利益55%減、CEOは「底入れ」見通し。(4月15日付け NIKKEI NET)
→米インテルが14日発表した2009年1-3月期決算、純利益が前年同期比55%減の$647M、MPUの苦戦が続いたが、決算内容は市場予想を上回った旨。ポール・オッテリーニ社長兼最高経営責任者(CEO)は同日、「パソコン市場は底入れしたと信じている」と述べ、インテルとしては最悪期を脱しつつあるとの見方を示した旨。

◇Intel calls 'bottom' but market says hold on(4月15日付け EE Times)
→Intelのpresident and CEO、Paul Otellini氏の底入れ楽観論が、market placeで懐疑論の壁に当たっている旨。

※ パソコンは底打ち、と言っても、市場はホント?、という反応のよう。

【今後の市場如何?】

◇NAND spot prices surge on tight supply (4月13日付け EE Times)
→Gartner社発。NANDフラッシュのスポット価格が、市場でほとんどの容量について供給が制約されて引き続き価格を押し上げ、先週急騰の旨。

◇Analyst: DRAM capex set to fall 56% in '09 (4月15日付け EE Times)
→DRAMeXchange(台北)発。2009年のグローバルDRAMメーカー設備投資が$5.4B、昨年2008年の$12.2Bから56%減少する見通しの旨。

◇PC shipments plunge in Q1, say analysts-HP displaces Dell as top vendor in declining market(4月16日付け EE Times)
→第一四半期世界PC出荷、IDCは7.1%減の一方、Gartner社は6.5%減の旨。

◇Mentor exec: Seeds of IC recovery being sown(4月17日付け EE Times)
→India Semiconductor Association(ISA)にて、Mentor Graphics社VP for Europe and India、Hanns Windele氏。
 *半導体は来年始めにも回復
 *過剰在庫はなく、現在の不況は半導体業界には以前の不況よりは穏やか
 *不況インパクトは、ニッチサプライヤの方が大手より比較的少
 *統合が起きれば、pricingは安定化へ

※ 兆しから確信に至るまで、まだしばらくはこのような実態把握、模様眺めを続ける必要がありそうである。


≪グローバル雑学王−41≫

一概に決めつけることはできまいが、確かにそうも見れる、という感じ方がますます強くなるところがある今回のシリーズである。

『「血液型」の世界地図』
(著者 能見 俊賢氏:青春新書INTELLIGENCE PI-144)

から、普段最も目に耳にする"芸能・スポーツ界"について以下に続く。新記録達成のイチローもピッタリ当てはまっている印象が強まってくる。所詮血液型、されど血液型、と難しい受け止めである。

6章 「芸能・スポーツ界」で活躍する血液型の傾向
    〜いま、グラビアアイドルにA型が増えている背景〜

[初めて物語と最年少記録に共通する血液型とは]
・プレッシャーが気分の高揚につながるというB型の便利な習性
→最年少記録とか、日本人初の国際舞台での快挙など、B型から生まれやすい
  プロ野球     長嶋茂雄
  メジャーリーグ  野茂英雄、イチロー
  テニス       伊達公子、杉山愛
  ゴルフ       青木功、丸山茂樹
             岡本綾子、宮里藍
  フィギュア     浅田真央
             ※因みに、荒川(O型)、村主(AB型)、安藤(O型)

[スピードと駆け引きのマラソンに求められる性質]
・代表の選考がもめにもめたアテネ五輪(2004年)の女子マラソン
→O型の高橋尚子、まさかの失速で選ばれず
→選ばれた野口みずき、坂本直子、土佐礼子、ともにO型
 ⇒目標をコレ! と定めた時の頑張りと勝負強さは天下一品
・ひと昔前の日本のマラソンランナー 
→特に男子において、圧倒的に厚いA型の層
・O型の瀬古利彦が新しい時代を切り開いて以後は、男女ともにO型ランナーの活躍が際立つ

["教え好き"が親愛の証になるO型性]
・O型の人 →自分の知らない分野に関しては、学習意欲が旺盛で、素直に人の話に耳を傾ける
        →自分の知っていること、得意ジャンルに関しては、逆に相手から言い出されるのは嫌
・確かにO型は教え上手が多い。:A型ほど理屈っぽくならない
                    :B型ほど感覚的でもない
                    :AB型みたいに理詰めにはならない
→ゴルフ・レッスンプロの小松原三夫さん
 日本プロゴルフ界の重鎮、林由郎さん
 プロ野球解説の江川卓氏
・よき生徒のようになって、素直に教えを乞う者には、O型は実にいい先生に
・O型の工藤公康投手が、当時新人の城島健司捕手に身をもって教えたエピソード

["質問攻め"俳優をスターダムに押し上げたA型的向上心]
・その並外れた向上心と、体当たりの演技で人気抜群のハリウッドスター、トム・クルーズ
→『ラストサムライ』で、共演の真田広之(A型)との相当に密接なコミュニケーション
→A型と見ているが如何?
→超一流の監督に起用され、臆することなく質問しまくった
・おとなになっても、飽くなき"質問攻め"に明け暮れるA型も、確かに存在

[視聴率を稼ぐイケメン俳優にO型が多いワケ]
・芸能界を見ても、実力派、あるいはその分野の親分的存在、姉御的ムードを持った人にO型が目立つ
→歌手   美空ひばり、北島三郎、和田アキ子、松任谷由美
 タレント  タモリ、ビートたけし、所ジョージ
・日本のトレンディドラマの主役 →O型の層が厚い
     :木村拓哉、竹野内豊、妻夫木聡、・・・
・(初期の)"韓流四天王"(ペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、ウォン・ビン、イ・ビョンホン)も全員がO型
・O型の自己演出力は際立っており、その魅力を打ち出していくポイントは外さない

[韓流ドラマに見るAB型の「正義感」と「合理性」]
・韓国の高視聴率ドラマ『大長今(デチャングム)』(NHKでは「宮廷女官 チャングムの誓い」)
→韓国の血液型分布こそが、このドラマのストーリー、役柄の個性を引き立て、女優さんたちまでもが、生き生きと、それぞれの人間性を演じることができた"秘密"なのでは?
  ※ 韓国の血液型比率:  O型   A型  B型   AB型
                   27.2% 31.4% 30.1% 11.3%
     →こんなにもOとAとBが接近している分布は珍しい
     →国別のAB型比率はトップ
・イ・ヨンエは、血液型も役柄ピッタリのAB型
 :人の良すぎるAB型性が勝手に背負い込む波瀾と苦難 

[時代風潮の変化でA型のマジメ度も変わる]
・その時代の常識や世間の評価基準に合わせ行動表現する傾向が強いA型気質
・現在の日本 戦後のアメリカナイズされた風潮や教育が、前世代の影響さえも凌駕して、社会に定着、浸透
 (一例) 30年前の男性週刊誌ピンナップガール
       O型  A型  B型  AB型
       38%  23% 30%  9%
       →日本人の平均分布と比較、O型とB型が10%近く上回る
      最近の週刊誌、アダルト誌のアイドル
       O型  A型  B型  AB型
       26%  43% 23%  8%
       →A型は特に集団帰属が強い性質

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