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隆盛の宴の後/市場実態PickUp/グローバル雑学王−40

原油価格高騰、新興国市場の急拡大、と昨年の今頃にワンパターンで表わし続けたのが、今となっては懐かしい感じすら湧いてくる。昨秋の金融危機以降のあまりにも大きな様変わりで、なにやら本欄を記すのも凝り固まってしまって、何か明るさの見える糸口はないものか、と逆転のこれまたワンパターンが続いている。

≪隆盛の宴の後≫

少し前、3月終りのNHKテレビで、この大き過ぎる様変わりを生々しく目にした。NHKのホームページから辿って、以下の概要である。

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○NHK総合テレビ「沸騰都市のそれから」
 放送日 :2009年 3月29日(日)
 放送時間 :午後9:00〜午後9:59(59分)

ドバイ、ロンドン、ダッカ、イスタンブール。1年前、繁栄を謳歌していた4つの都市もアメリカ発の金融危機の荒波を逃れ切れなかった。沸騰都市のその後を追う。

ドバイ、ロンドン、ダッカ、イスタンブール。2008年春に放送したシリーズ「沸騰都市」では、グローバリズムの波に乗り、世界経済の主役の座に躍り出た新興国の煮えたぎるパワーを伝えた。しかし、2008年秋以降、世界に連鎖した金融危機の暴風雨からは、この4つの都市も逃れ切れなかった。各都市を再び取材し、この1年の変貌を伝える。
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天を突く、1000mという高さのビルと壮麗な計画都市のドバイ。まさにアラビアンナイトの別世界の印象を強烈にもたされた一方で、ところでよくよく考えると、あの暑そうな所でどう機能する都市なのか、と考えさせられもした1年前である。現在はどうなっているかというと、マンションなど不動産価格は半減、しかも売買取引がなかなか動かない様子。半導体のオアシス・プロジェクトの現在も気になるところである。

ロンドンは、今回はじめて知ったが、市長が先頭に立って、石油で潤うロシア資本の誘致を積極的に進めたとのこと。ロシアの富裕層がロンドンの繁華街で豪華なパーティに明け暮れた様子が映し出されたのが1年前のこと。金融危機以降は推して知るべし。本当にひっそりとした"宴の後"の雰囲気が画面から伝わってくる。やり方は間違っていないという当時のその市長のコメントだけは今も健在である。

母国バングラデシュに学校を建てようと、シンガポールに仕事を求めて出向いた1人の男性を追っている。昨年のこの番組は見ていて記憶にあるが、シンガポールでは順調に仕事が見つからなかったようである。今回は、グローバル経済不況を受けて、故郷に戻ったその後の男性のさらに深刻な状況が映し出されている。

奢る平家は久しからず、確かに隆盛はいつまでも続くものではないのがこの世の中であろうが、なにやら最近はもろくて短いという感じ方がある。これは気のせいかもということで取り直して、現時点のグローバル経済の落ち込み具合、今後の見方に関する内容を以下拾い出している。

◇No recovery yet, Gartner says (4月6日付け EE Times)
→Gartner社発。電子機器市場が戻し始めるのは2009年最終四半期、マクロ経済の回復および政府景気刺激策の実効性如何に依然かかる旨。市場分野別の回復の見方、下記参照。
http://i.cmpnet.com/eetimes/eedesign/2009/chart1_040609.gif

◇Handset industry Q1 very weak, eyes on outlook(4月8日付け EE Times)
→Reuters調査発。第一四半期の携帯電話販売が、18%、すなわち50M台以上の減少、世界No.1のNokiaがここ7年で最悪の業績結果となる見込みの旨。

◇中国の輸出、3月は17.1%減、5カ月連続でマイナス。(4月10日付け NIKKEI NET)
→中国税関総署、10日発。3月の貿易統計によると、輸出は前年同月比17.1%減、5カ月連続のマイナス、減少率は統計データがそろう1980年代以降で最大だった2月の25.7%より縮小した旨。3月の輸入は同25.1%減少、減少率は2月の24.1%より拡大した旨。


≪市場実態PickUp≫

デバイス、半導体市場の実態その後ということで、シリーズタイトルとしてしばらく定着しそうであるが、だいぶ目鼻立ちが見えてきたという風情もそれぞれに感じるところがある。

【DRAM業界再編】

◇Micron and Nanya pull out of Taiwan Memory (4月9日付け DIGITIMES)
→本日午後のpress conferenceにて、Micron TechnologyとNanya Technologyが、両社合弁、Inotera Memoriesとともに、Taiwan Memory Company(TMC)の設立には参画しないことを発表、Micron, NanyaおよびInoteraの間のパートナーシップを展開、改善して、新たなTMCとの競合直面に備える旨。

◇Micron seeks aid as it rejects Taiwan Memory (4月9日付け EE Times)
→Micron Technology社とそのDRAMパートナー、Nanya Technology社が、台湾政府主導のメモリventure、Taiwan Memory Corp.(TMC)に参画する計画を却下、新たなやり方での台湾政府からの援助を求めている旨。

◇Micron-Nanya camp to build IP for Taiwan DRAM, asking support from government (4月10日付け DIGITIMES)
→Nanya Technologyのchairman、CJ Wu氏。技術パートナー、Micron Technologyからの支援を得て、Nanyaは自前のDRAM IP開発に専心する意向、今度はTaiwan Memory Company(TMC)に出されているのと同様の台湾政府からの配慮と支援を求める旨。

※Micron - Nanya陣営が、TMCと一線を画して競合するというスタンスが、明確に見えてきている。それにしても政府の資金頼みの様相は何処も見られるところである。

【底を打った?】

◇Packaging firm SPIL revenues up 29% in March, likely to siwng to profits in 1Q09 (4月6日付け DIGITIMES)
→Siliconware Precision Industries(SPIL)(台湾)の3月売上げ$117M(NT$3.87B)、前月比28.9%増、しかしながら2009年1-3月総計は前四半期比26%減。

◇February chips sales showed signs of rebound (4月7日付け EE Times)
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)からの実際の(単月)販売高データ。2月のグローバル半導体市場は$13.47B、前年同月比27.2%減。1月については同31.1%減であったから、大きな落ち込みながらも半導体市場が安定化し始めていることを示している旨。

◇TSMC's Q1 sales fall 55%, beat forecast (4月10日付け EE Times)
→TSMCの3月連結販売高約$420M、前月比16.6%増、前年同月比47.7%減。
 2009年第一四半期では約$1.17B、前年同期比54.8%減。
 事前の予想は上回った旨。

※2月、3月と、前月比増のデータが確実に埋まってきている。減り過ぎた在庫を補うためだけなのか、はたまた本当に需要が盛り返しているのか、まだまだ見極めが要る情勢に思われる。

【今後の市場如何?】

◇Foundries see rally, but will it last? (4月7日付け EE Times)
→不況の渦中、Siファウンドリー業界は第二四半期に、そしてたぶんそれ以降、大きく回復が見られる見込み、しかし現実の問題としてその勢いが続くか、ということ。

◇Intel's Barrett in the dark about timing of semiconductor recovery(4月8日付け EE Times)
→Intel Developer Forum(北京)の前日にて、Intelのchairman、Craig Barrett氏。グローバルに各国政府により展開されている景気対策が向こう6ヶ月から18ヶ月にわたってインパクトを与えようが、半導体市場がいつ回復するかに言及するのは困難な旨。

◇Cowan predicts chip market to fall 26 percent in 2009(4月8日付け EE Times)
→独立に半導体市場統計を出しているMike Cowan氏。2009年半導体市場が26.8%減の$182.1Bと改定の旨。当面の5四半期について、次の見方:
          Q1 2009 Q2 2009 Q3 2009 Q4 2009 Q1 2010
          $43.55B $44.13B $47.46B  $46.95B $47.57B
 前年同期比  -30.7%  -31.8%  -31.1%  -10.1%   9.2%

◇Analyst: Strong IC rebound to start in second half(4月9日付け EE Times)
→IC Insights社(Scottsdale, Ariz.)のIC市場の見方、1月時点と大方同じの旨。
  2009年  2010年  2011年
  17%減   15%増  19%増
今年後半から回復し始めると見る旨。

※見極めがなかなか難しい局面がここにも表れていると思う。各国・地域の景気刺激策を軸にした今後の経済動向の推移をしっかり把握して、自らの活動に活かすということと思う。


≪グローバル雑学王−40≫

政治面、経済面から見た血液型による性格分析、

『「血液型」の世界地図』
(著者 能見 俊賢氏:青春新書INTELLIGENCE PI-144)

から、以下の思い当たるところ多々と感じる内容ではある。上記の新書の発行は、2006年5月であり、その時点での以下記述内容となっている。

5章 現代の「政治・経済」を血液型から見てみる
    〜なぜ日本・韓国でB型社長が増えてきたのか〜

[平成維新! A型小泉首相の脱派閥路線]
・政界の実力者、いわゆる派閥のボス
 …これまでO型が圧倒的、高度成長期の自民党単独政権の頃などは60%近く
・小泉第一次内閣の発足 →このお決まりパターンが崩壊
 ⇒A型大臣  7人
  B、AB   6人
  O型大臣  2人
 ⇒第二次内閣では、B型が8人、50%に
 ⇒第三次内閣(2005年10月)では、O型はたったの3人、残りA型8人、B型6人
・小泉首相 →生粋のA型
 小泉さん的A型 →やけにB型好きの人が多い
・松下幸之助、本田宗一郎という偉大なるA型
 →B型を引き立て、その才能を存分に引っ張り出し、徹底してバックアップ
 ⇒幸せなB型:当時の山下俊彦社長、河島喜好社長

[AB型に見る"御意見番"気質]
・評論家タイプだとか、批判分析が鋭い、といわれるAB型
 …塩川正十郎 元財務大臣
 …青島幸男、石原新太郎 東京都知事
 …田中真紀子 議員
・プロ野球界  大沢啓二
 落語界    立川談志
 政治評論   三宅久之
 作家     猪瀬直樹、C・W・ニコル、遠藤周作
 ⇒いずれも批判精神旺盛なAB型の論客
・飄々とした物言いや鋭い批判で、私利私欲の無いイメージを醸すAB型
 →まさに"物申すAB"
・真っ向から合理性のナタを振るう姿勢 
 →歯切れがいい物事の"つっこみ手" 

[いまをときめく起業家に多い血液型とは]
・2004年秋、(本著者が)韓国の財界誌『CEO』のインタビュー
 →前年の売上高上位100社を対象に、CEOの血液型を調査
・              O型  A型  B型  AB型
 2004年現在の韓国代表100社のCEO
               24% 25%  39%  13%
 高度成長期の日本企業(1部、2部上場)社長
               36% 34%  17%  14%
 オイルショック以後、低成長時代の社長
               28% 39%  22%  11%
 ⇒韓国の今回調査、B型の多さは突出
・日本では、社会全体の安定志向と、慎重な変革を望む民族性
 →B型社長の比率は平均分布並みに底上げされた程度
・韓国の結果データは、行き詰まりを打開する素早い行動力と、アイデアの果敢な取り組みが、日本よりもずっと受け入れられやすいことを示すのでは。
・世界で最もB型率の高いインド →IT関連の急成長に注目すべき点
⇒韓国でも、電気、電子分野の企業CEOは、今以上にB型率が高くなるハズ

[暴走しないために手綱を締めて欲しいB型トップ]
・西武の堤元会長はB型 …逮捕の件で、事の経過の全てを潔く認めている
・堤元会長は、B型らしい根回し能力の高さと、物事への集中性で、思い切りのいい行動と発言が真骨頂
・ルールや秩序に固執するA型的な日本社会
 →独自の感性で動き、実質を優先しがちなB型が、"掟破り"としてヤリ玉に挙げられることが多い

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