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サミット週の動き/iPhoneフィーバー/グローバル雑学王-1

洞爺湖サミットが行われ、史上最多の参加国数、「2050年半減」と明記はできなかったものの温暖化ガス削減の長期目標を世界で共有することまでは一致したとのこと。半導体業界、デバイス業界に深く関わる動きでもあり、これを皮切りに以下"グローバル一色"の取り上げ方である。

≪サミット週の動き≫

今回のサミット、参加の22カ国を整理してみると、次の通りと理解している。南アフリカがダブる形になっている。  

主要8カ国         G8=アメリカ合衆国、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス、ロシア
新興国 中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、韓国、オーストラリア、インドネシア
アフリカ諸国との拡大会合  アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニア

1980年代前半に米国・ウィリアムズバーグを出張で訪れた際、サミットを開催した後だったという覚えがある、当時は主要何カ国だったか、拡大会合もなく、いわゆる先進国首脳会議という色彩に溢れていたものと思うが、時は流れてこればかりはグローバルいっしょに取り組まざるを得ない気候変動はじめ政治、経済、すべての問題意識がグローバルに拡大してきている経過を感じさせられている。

半導体業界のサミットというと、世界半導体会議(WSC:World Semiconductor Council)という会合があり、小生も最初の2回に参画したが、この年次会合も今年で12回を数え、この5月22日、台北で開催されている。当初は、日米欧韓の4者会合であったが、現在は、

日本、欧州、米国、韓国、チャイニーズ台北、中国の6極

となっている。今後、インド、シンガポールなどますますグローバルに拡大していくのではないか、業界動向を追っているとそんな雰囲気を感じている。

半導体業界に絡む2国間の動きとして、以下の2点をホットに受け止めている。

◇Taiwan president MaYing-Jeou says loosening restriction over 12-inch wafer fab investment in China reasonable and necessary(7月11日付け DIGITIMES)
→台湾の馬英九総統が、Intelが海峡の向こう側に置いている最先端をいくウェーハfabを引き合いに、中国でのウェーハfab投資への制限緩和が理に適って必要と繰り返した旨。

◇U.S. panel focuses on China R&D(7月9日付け EE Times)
→米中間の経済およびセキュリティ関係をモニターするU.S.-China Econonomic and Security Commisisonが、7月16日予定の聴聞会にて中国の国内および海外出資R&Dを調査する旨。中国のR&D政策動向に関する問題テーマとして以下の点など。
・中国は応用研究より基礎研究に重きを置いているか?
・北京(政府)は海外の会社が中国で行っているR&Dに影響力を行使できるか?
・北京は中国でのR&Dプロジェクトの"性格および範囲"を規定しようとしているか?
・中国軍はR&Dプロジェクトについて大学および省傘下の事業と協力しているか?


≪iPhoneフィーバー≫

7月11日(金)にApple社のiPhone 3Gが世界各国で販売開始されたが、ここでも驚かされるのがそのグローバル度である。iPhone 3Gは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)/HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)とGSM(Global System for Mobile Communications)に対応するグローバルな携帯電話であり、今回は次の各国で売り出されているとのことである。

アイルランド、イタリア、英国、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ(フランス語)、カナダ(英語)、スイス(ドイツ語)、スイス(フランス語)、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、米国、ベルギー(オランダ語)、ベルギー(フランス語)、ポルトガル、香港

そもそもApple社の携帯参入は次の経過と理解している。

◇米アップル、携帯参入・「iPod」と一体型。(2007年1月10日付け NIKKEI NET)
→米アップルが9日、携帯電話機事業に参入することを正式に発表、6月に米国で携帯音楽プレーヤー「iPod」との複合機「iフォン」を発売、欧州、アジアでも順次売り出す旨。年間10億台の世界需要を持つ巨大市場に進出し、収益機会を拡大する旨。3.5インチの液晶画面とカメラを搭載、キーボードはなく、画面を指でなぞって操作、価格は499―599ドルの旨。

◇Apple says iPhone to go on sale June 29(2007年6月4日付け EE Times)
→Apple社が、6月29日、iPhoneの販売をスタートの旨。

こうして今回かくもグローバルに売り出すと、反響もあっと言う間で凄まじいと、以下の受け止めである。

◇Under the Hood: Intel and TriQuint surprise with iPhone 3G wins(7月10日付け EE Times)
→Apple iPhone 3Gの分解分析。米国からNew Zealandに飛んで真っ先に最初の購入の旨。内部の部品について、TriQuint SemiconductorおよびIntelが目を見張るwinnersである一方、Samsung, ARM, SSTおよびSkyworksが新しい設計で主要な役割を担っている旨。iFixitの提供によるApple 3G insidesイメージ、下記参照。
http://i.cmpnet.com/mobilehandsetdesignline/2008/07/pmiPhone3G_FigBIG.jpg

◇Greenpeace calls out 3G iPhone, suggests toxic chemicals usage(7月10日付け Electronic News)
→環境団体、Greenpeace発。AppleのWebサイト情報に基づいて、iPhone 3Gには有毒と考えられる化学物質、PVC[polyvinyl chloride]やbrominated flame retardants(BFR)が使われている可能性の旨。

◇Video: The long wait for iPhone 3G (7月11日付け EE Times)
→TechOnlineのアナリスト連が、カナダの首都、OTTAWAで販売される最初のiPhone 3Gsの1台を手に入れようと、長らく待ちぼうけ、そしてどしゃ降りに耐えた。現地時間の午前3時半ごろに到着、17人が並んでいた。・・

◇iPhonei発売開始に1500人以上行列…東京・表参道(7月11日付け 読売)

ゲームなど開発ソフトが一気に上記の各国に普及する可能性があるというのは、本当に拡大の熱気を感じるものがある。それでは我が国はどうなのか?
以下の論調が見られている。

◇iPhoneで「ガラパゴス」日本は変わるか (7月11日付け asahi.com)→日本では、NTTドコモの「iモード」のような携帯のネット接続サービスが世界に先駆けて普及し、高速・大容量化もいち早く始まった。だが、携帯電話会社の主導で新機能やサービスを競っても、端末メーカーは海外市場に食い込めなかった。・・・

熱気の今後の推移を見守りたく思う。自分が手にして各種機能をもてあそべる日が来るのかどうか、それすら気になってくる実態ではある。    


≪グローバル雑学王-1≫

最近のテレビ番組で"雑学王"がよく出てきて、関係するキャラが人気を博している。半導体、デバイスの世界ではますますグローバルになっていく研鑽を図っていかなければということで、注目して一通り目を通したのが、文春新書の『・・・の世界地図』という何冊かである。

この際"グローバル雑学王"を目指すというわけでもないが、世界のそれぞれの国・地域でのそもそものいわれを辿るのも意味あることではないか、という手前勝手で、興味を感じた部分をシリーズで抜き出してみたい。

まずは、『人名の世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 154)から、名前に纏わる話題、特に超長〜い名前、それぞれの意味合いに注目している。

・人名は「意味」の宝庫
・「名前」をひとつの鍵として、民族の世紀といわれる時代の扉を開けてみようとしたささやかな試みが本書。
・すさまじく長いピカソのフル・ネーム
 パブロ・     Pablo,     亡き伯父の名、新約聖書のパウロ
 ディエゴ・    Diego,     父方の祖父と最年長の伯父の名、旧約聖書の預言者ヤコブ
 ホセ・ Jose,      父の名、新約聖書のヨセフ
 フランシスコ・ Francisco   
 デ・ de
 パウラ・ Paula,     母方の祖父の名、聖人名パオラのフランチェスコ(海上での守護者)
 ホアン・ Juan      
 ネポムセノ・ Nepomuceno,   代父(洗礼の付添い人)で、父の友人の弁護士の名、14世紀後半のボヘミアの守護聖人ジョン・ネポマック
 マリア・ Maria
 デ・ de
 ロス・ los
 レメディオス・ Remedios,    代母(洗礼の付添い人)、救済のマリア
 クリスピン・ Crispin,    3世紀の殉教聖人クリスピアヌス、ピカソの誕生日10月25日の守護聖人、靴修理の守護者
 クリスピアノ・ Crispiano
 デ・ de
 ラ・ la
 サンティシマ・ Santisima
 トリニダード・ Trinidad    三位一体のクリスピアーノ(クリスピンの愛称)[三位一体名を最後にもってくるのは古い習慣]
 ルイス・ Ruiz
 イ・ y
 ピカソ Picasso     (父方の姓)ルイスと(母方の姓)ピカソ
・中国での1982年の第三回全国人口統計調査:
 多い姓のトップ3は王、李、張。
 そのあとに続くのが、劉、陳、楊、周、黄、趙、呉、孫、徐、林、胡、朱、郭、梁、馬、高、何(か)。
 以上の20の姓だけで人口の半分以上を占めるという。

超長〜い名前とくると、我が国で浮かんでくるのが落語での「じゅげむじゅげむ」。日本一長い名前という解釈であるが、上記のように要素分析するとどうなるのであろうか?

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