Semiconductor Portal

» ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

IDFに見る最前線模様/市場実態PickUp/グローバル雑学王−64

業界そして各社のこの快適な時節、恒例のイベントが、真っ盛りである。半導体業界トップ、インテル社のIntel Developer Forum(IDF:San Franciscoにて開催)の記事から、小生なり、勝手ながらの注目点を挙げている。同じタイミングでSamsungは、Mobile Solutionについて台北で開催している。肝心の半導体市場については、プラス、マイナス入り混じる見方が大勢であり、当面は模様眺めの様相に感じている。

≪IDFに見る最前線模様≫

まずは活きの良い最先端技術についての抽出である。

【22-nmプラットフォーム】

◇Analysis: How ready is Intel with 22-nm platform?(9月22日付け EE Times)
→昨晩のMark Bohr氏によるbriefing、今度の話題は22-nmプラットフォームであった旨。ほんの2週間足らず前には32-nmについてのbriefingを行ったばかりという経緯。

史上最小という"tiny memories"、22-nm SRAMセルを32-nmから間髪置かない発表となっている。

◇Moore's Law Marches on at Intel; World's First Working Chips Built on 22nm Process Technology Displayed;; First 32nm Microprocessors Set for Fourth Quarter Production;; Next-Generation 32nm "Sandy Bridge" Microarchitecture Demonstrated(9月22日付け Business Wire/ Semiconductor International)
→IntelのPresident and CEO、Paul Otellini氏が本日、世界初、22-nmプロセス技術で作った動作半導体を含むSiウェーハをデモ、該テスト回路には今後のIntel MPUsで用いられるSRAMメモリ並びにロジック回路の両方が含まれる旨。

高速インタフェースについて、"PC接続オール光"が見えてきている。

【高速interconnects】

◇Long, bumpy transition seen for USB 3.0-OEMs fear delays in Intel, Microsoft support(9月21日付け EE Times)
→今週のIntel Developer ForumではSuperSpeed USBを巡る取り沙汰が予想されるが、コスト、電力そしてサポート問題から該5-GHzインタフェースへの移行は多くの期待よりは鈍くてがたつく可能性の旨。

◇Update: Intel debuts optical link for PCs-Light Peak aims to replace future USB, DisplayPort cables(9月23日付け EE Times)
→Intel社は、PC上のすべてのwired connectionsを1つの10 Gbit/second光ケーブル、Light Peakに統合したいとしており、Sony社のVaioグループほかと協働、来年にも該インタフェースを駆動するコントローラを展開する計画の旨。

◇Fast interfaces overlap at IDF-USB3 and its optical replacement both get real in 2010(9月24日付け EE Times)
→高速interconnectsについて、2010年にシステム入り、どこにもあるインタフェースの3.0版、SuperSpeed USBが話題になるが、Intelは次の次の大物としてLight Peak展開を決定の旨。Intelがデモした8-Gbits/sのDisplayPort trafficを運ぶLight Peak、下記参照。
http://i.cmpnet.com/eetimes/eedesign/2009/board800.jpg

10Gビット光interconnectのLight Peakデモを取り囲む記者連の注目度が、次の写真から伝わってくる。
http://i.cmpnet.com/eetimes/galleries/automated/69/14_full.jpg

次に、依然議論を呼んでいるSoCの取り組みである。

【シリコンTV】

◇Intel dials in 45nm for TV chip gambit-Sodaville taps GHz Atom core, Startup shows 3DTV(9月24日付け EE Times)
→Intel社が、同社初の45-nm system-on chip、CE 4100 aka Sodavilleを正式に発表、TVsなどdigital living roomシステム向けデバイスとして昨年のIDFで発表のCanmore半導体に続く2番目の旨。この"Silicon TV"の写真、下記参照。
http://i.cmpnet.com/eetimes/galleries/automated/69/19_full.jpg

【SoCsへの取り組み】

◇Otellini: Intel to ship more SoCs than PC CPUs -- someday(9月22日付け EE Times)
→Intel社chief executive、Paul Otellini氏の基調講演。いつかはPCプロセッサよりもsystem-on-chipデバイスの出荷が多くなる方向、この移行を可能にすべくAtomベース半導体をhandsetsなどの機器にもっていく新しいソフトウェア活動を展開の旨。

◇Analysis: Intel and SoC -- try, try again (9月24日付け EE Times)
→最初のSoC製品、データセンターappliances用Tolapi半導体やdigital TVsおよびset-tops用Canmoreは大方つぶれているが、引き続きSoCsへの投資、牽引力を得ている兆候がある旨。

さて、現下の市場について次の見方である。同じタイミングで出されているHP社の見通しと合わせて、今後に検証である。

【世界PC市場】

◇Intel CEO: PC sales could rise in 2009(9月22日付け Semiconductor International)
→Intel社CEO、Paul Otellini氏が火曜22日、世界PC市場は素早く低迷状態から抜け出しており、今年伸びるという予測が成り立つ可能性の旨。

懸案の問題、以下のやりとりが見られる。

【公正取引侵害】

◇Europe releases report on Intel antitrust investigation(9月21日付け EE Times)
→European Commissionが、5月に$1.45Bの罰金を課したIntel社に対する公正取引侵害の申し立てについて詳述する518ページのレポートをリリース、Intel Developer Forum(San Francisco)開幕1日前のタイミングの旨。

◇Otellini denies antitrust charges in EC's Intel report(9月23日付け EE Times)


≪市場実態PickUp≫

イベントの中で、phase-changeメモリの具体的なプレゼンが見られる。今度こそ発進、加速なるかどうか。

【phase-changeメモリ】

ESC(Embedded System Conference)(9月21日〜24日:ボストンのHynes Convention Center)より:
◇ESC Boston: Phase-change memory alters design boundaries,constraints(9月23日付け EE Times)
→NumonyxのEmbedded Business Group、VP and GM、Glen Hawk氏。メモリ技術の変化が設計者および製品に如何に影響を与えるか、phase-change memoryによりprototyping段階並びに最終製品の両方で設計tradeoffsがまた如何に変わるか、を説明の旨。

Samsung Electronics Mobile Solution summit(台北)より:
◇Samsung moves phase-change memory to production(9月22日付け EE Times)
→Samsung Electronics Co. Ltd.が、512-Mビットphase-change random access memoryの生産を開始、携帯電話handsetsなど電池動作応用を狙っている旨。

この2社が牽引役の様相。

◇Analysis: Samsung leapfrogs Numonyx in phase-change memory(9月22日付け EE Times)
→phase-changeノンボラメモリをIC市場化する競争は40年続いており、2つの大手主役、NumonyxとSamsungがちょうどstarting blocksを駆け出たばかりの旨。

グローバル半導体販売高、8月についての事前速報である。

【半導体販売高】

◇Global semi sales seen falling in August-But analyst still forecasts strong 3-month moving average(9月25日付け EE Times)
→Carnegie Group(Oslo, Norway)発。8月の季節調整されたグローバル半導体販売高は、前月より低下する見込み、しかしながら3ヶ月移動平均では$18.9Bで、前月$18.2Bより増加、前年同期比では17%減の旨。

半導体業界のグローバルな論点、問題を協議する政府=業界間会合が開催されている。

【政府=業界 グローバル会合】

◇CHIP MEETING IN KOREA AIMS TO PREVENT GLUT, IMPROVE COMPETITION(9月23日付け Asia Pulse/ Semiconductor International)
→韓国、米国、日本、European Union、台湾および中国が参加する政府-半導体業界会合、Government-Authorities Meeting on Semiconductors(GAMS)、木曜24日開催の旨。

◇Global co-operation on IC counterfeiting(9月24日付け ElectronicsWeekly.com)
→主要半導体生産地域すべて(中国, 台湾, 欧州, 日本, 韓国および米国)の税関当局および半導体業界代表が初めて、今週始め韓国で会合、模造ICsの問題を話し合いの旨。

いろいろ交錯する当面の市場の見方、一つとして次の通りである。

【IC市場の見方】

◇Four positive, negative signs for the IC recovery(9月21日付け EE Times)
→IC市場は回復してきているが、特に2009年第四四半期において上昇が持続するか、あるいはもう1つの落ち込みがあるのか、市場には両方入り混じった見方がある旨。
[マイナス側]
・Gartner社は、2009年のSiウェーハ需要予測を上方修正しているが、第四四半期は軟化するとの見方。
・FBRによると、Qualcomm社におけるウェーハ生産が、同社の主要ファウンドリー2社でここ1か月悪化している。
[プラス側]
・Asia-PacificのIC市場が上向いてきている。
・Foundry/ODM demand需要に勢いがついている。


≪グローバル雑学王−64≫

欧州の国々について、3回にわたって国旗・国歌をはじめとするエピソードに注目していく。国名だけは知っていてもどこにあるか、分からずじまいでここに至っている数の多さを今回再認識させられている。
 
『国旗・国歌の世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 645) …2008年7月 第1刷

より、次のフォーマットで表している。

=========================
[国名] …国旗・国歌の一言コメント
≪基本情報≫ ・首都 あるいは 中心地 あるいは 本部
       ・面積
       ・人口
       ・言語
       ・宗教
* 国名、国旗、国歌に纏わるエピソード
=========================

各国・地域の国旗については、例えば以下を参照いただきたく思う。

※世界の国旗 ⇒ http://www.mofa.go.jp/Mofaj/world/kokki/index.html


【欧州 −前半−】

[アイスランド共和国(Republic of Iceland)]
 …聖書の詩編をもとに作られた国歌
・レイキャビク(Reykjavik)
・10万3000km2 →日本の約4分の1
・29万5000人(2005年推定)
・アイスランド語
・福音ルーテル教会
*国旗:北欧諸国に共通のデザイン「スカンジナビア十字」
*国歌:"Lofsongur"「賛歌」

[アイルランド(Ireland)]
 …リフレインのみが国歌と指定されている珍しいケース
・ダブリン(Dublin)
・7万273km2 →北海道の約85%
・430万1000人(2007年推定)
・アイルランド語(第一公用語)、英語(第二公用語)
・カトリック
*国歌:"Amhran na bhFiann"「戦士たちの歌」
    →曲の一部、リフレインの部分のみが国歌に。珍しい例、もう一例はギリシア国歌。

[アルバニア共和国(Republic of Albania)]
 …ワシの子孫伝説を生かした由緒あるデザインの国旗
・ティラナ(Tirana)
・2万8748km2 →四国の約1.5倍
・319万人(2007年推定)
・アルバニア語
・イスラーム、ギリシア正教、カトリック
*国名:アルバニアは他称、「白い土地」の意。自称はシュチパリセ、「ワシの国」の意。
*国歌:"Hymni i Flamurit"「国旗への賛歌」

[アンドラ公国(Principality of Andorra)]
 …フランスとスペイン両国に配慮した小国の国旗
・アンドララベラ(Andorra la Vella)
・468km2 →種子島とほぼ同じ
・6万7000人(2005年推定)
・カタルーニャ語(公用語)、スペイン語、ポルトガル語、フランス語
・カトリック
*フランスとスペインの国境、ピレネー山脈の南斜面にある小国
*国歌:全体の曲調、特に冒頭の旋律が、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」に酷似

[イタリア共和国(Republic of Italy)]
 …イタリア統一運動のなかで生まれた国旗と国歌
・ローマ(Comune di Roma)
・30万1318km2 →日本の約80%
・5888万人(2007年推定)
・イタリア語
・カトリック、他
*フランス国旗、トリコロールの青に代わって緑が配されたイタリア国旗
*国歌:「イタリアの同胞よ」…リソルジメント(19世紀のイタリア統一運動)支持者の愛唱歌

[エストニア共和国(Republic of Estonia)]
 …国歌のメロディーはフィンランドと同じ
・タリン(Tallinn)
・4万5227km2 →日本の約9分の1
・134万人(2007年推定)
・エストニア語(公用語)
・プロテスタント(ルター派)、ロシア正教
*国旗:1881年にエストニア学生会のシンボルとされた旗が原型
*国歌:"Mu isamaa, mu onn ja room"「我が祖国よ、我が幸せと喜びよ」

[オーストリア共和国(Republic of Austria)]
 …ハイドンの名曲はナチスに使われモーツアルトの旋律は偽作とか
・ウィーン(Wien)
・8万3858km2 →北海道とほぼ同じ
・836万1000人(2007年推定)
・ドイツ語
・カトリック、プロテスタント
*ゲルマン、ラテン、スラブの主要3民族の文化が接する、欧州の「十字路」、「心臓部」
*国歌:歌詞は、1946年の公募、自然に恵まれた美しい国、数々の試練を超えてきた強い国を讃える

[オランダ王国(Kingdom of Netherlands)]
 …世界最初の3色旗と、折句のしかけの国歌
・アムステルダム(Amsterdam)
・4万1528km2 →九州とほぼ同じ
・1642万人(2007年推定)
・オランダ語
・カトリック、プロテスタント、他
*自称、ネーデルラント(低地の意)。日本語の呼称、オランダは、ホラント地方を指すポルトガル語に由来
*国歌:"Wilhelmus van Nassouwe"「ウィルヘルムス」

[キプロス共和国(Republic of Cyprus)]
 …ギリシア国歌とまったく同じキプロス国歌
・ニコシア(Nicosia)
・9251km2 →全島で四国のほぼ半分
・85万5000人(2007年推定、全島)
・ギリシア語、トルコ語(ともに公用語)
・ギリシア正教、イスラーム(スンナ派)
*2004年5月1日、南部が単独でEUに加盟
*国歌:北キプロスではトルコ国歌が用いられている

[ギリシア共和国(Hellenic Republic)]…国歌のもとの詩は158節の叙事詩
・アテネ(Athena)
・13万1957km2 →日本の約3分の1
・1114万7000人(2007年推定)
・ギリシア語
・ギリシア正教(国教)
*ギリシア、Greeceなどの名称は、ラテン語名のグラエキアGraeciaに由来
*国歌:四行詩158節の「自由への賛歌」、最初の2節が国歌に国歌:

[グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)]
 …世界最古にして各国に借用された国歌
・ロンドン(London)
・24万2514km2 →日本の約3分の2
・6076万9000人(2007年推定)
・英語(公用語)、ウェールズ語、ゲール語
・英国国教会(国教)、メソジスト、バプテスト、カトリック、他
*ユニオン・ジャックの通称でよく知られる連合王国旗
*"God save the King/Queen"「神よ、国王(女王)を護り賜え」
  …国歌を制定しておらず、慣習として国歌に

[クロアチア共和国(Republic of Croatia)]
 …国章はサッカー・ナショナルチームのシンボルにも
・ザグレブ(Zagreb)
・5万6538km2 →九州の約1.5倍
・455万5000人(2007年推定)
・クロアチア語(公用語)、他
・カトリック、他
*国旗:紋章の赤白のチェックが、サッカー・ナショナルチームのユニフォームに
*国歌:"Lijepa nasa Domovino"「麗しき我らがふるさと」

[コソボ共和国(Republic of Kosovo)]
 …国旗・国歌と憲法で体裁は整った新生国歌
・プリシュティナ(Prishtina)
・1万887km2 →岐阜県とほぼ同じ
・212万人(2008年推定)
・アルバニア語、セルビア語(いずれも公用語)、ボスニア語、他
・イスラーム、セルビア正教
*国旗:民族集団を表わす同じ大きさの6つの星を並べる
*国歌:広く公募、「ヨーロッパ」と呼ばれる歌詞のない曲が採用

[サンマリノ共和国(Republic of San Marino)]
 …「イタリアの栄光とともに」の歌詞は非公式
・サンマリノ(San Marino)
・61km2 →八丈島とほぼ同じ
・3万1000人(2007年推定)
・イタリア語
・カトリック(国教)
*国旗:配された国章の下部の帯には「LIBERTAS」(自由)と書かれている
*国歌:歌詞は公式には存在しない

ご意見・ご感想