Semiconductor Portal

HOME » ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

マレーシア・ペナン島とんぼ返り/グローバル雑学王-4

仕事の打ち合わせで訪れたペナン島とその行き帰りで感じたことを取り上げている。今回は実地体験も含めて、全編が"グローバル雑学"という雰囲気の内容となってしまっていること、致し方なさをご容赦願いたい。

≪マレーシア・ペナン島とんぼ返り≫

エレクトロニクス機器メーカーとの打ち合わせがあって、マレーシアのペナン島を訪れた。マレーシアは、10数年前にプライベートの旅でシンガポールから日帰りでジョホール・バルJohor Bahruに行ったことがあるだけの今までである。半導体およびデバイス業界をじっと見る視点からは大分逸れてしまうが、二泊のとんぼ返りの行程で感じた諸点である。

・行きと帰りとも乗り継ぎとなった香港国際空港。新装なってすぐ訪れて以来であり、もう7-8年になるか。やはり広く、ゲート乗換えがたまたま遠い両端となったということで、改めて広さを実感である。日差しがあったのが、急に黒い雲が広がって一雨、辺りの山沿いの雰囲気を感じるところがある。

・香港からペナンPenangまで約3時間の機中、到着少し前に乗務員がキンチョウみたいなものを両手に天井に向かってシュッシュッのひと歩き。消毒のためか、大分前に聞いていた話を思い起こす風情になる。

・座席に付いている画面で見る航路地図で、改めて難しいと思うのが地名の中国語表記である。デバイス業界に関係が深いと思う地名の対応リスト、次の通りである。
 ペナン     Penang       檳城
 クアラ・ルンプール Kuala Lumpur 吉隆坡
 シンガポール   Singapore     新加坡
 イポ       Ipo        怡保
 バンコック    Bangkok 曼谷
 マニラ      Manila       馬尼拉
 セブ       Cebu        宿霧
 ジャカルタ    Jakarta   雅加達
 ホーチミン    Ho Chi Minn City 胡志明市
 ムンバイ     Mumbai   孟買
 チェンナイ    Chennai   欽奈
 デリー      Delhi   徳里
 ドバイ      Dubai        迪拜
 ソウル      Seoul        首爾
 マラッカ海峡  Strait of Malacca 麻六甲海峡
ペナン島で乗った観光タクシーの運転手さん、日本語の勉強ノートを見せてくれたが、いろいろな接客場面のスムースな表現が書き込まれている。
日英中、そしてマレー語、ここでもグローバルな交流の必要条件のようである。

ペナン州はマレーシア西海岸の北部に位置し、ペナン島は南北約24km、東西15kmのインド洋に浮かぶ島である。島の南端にペナン国際空港があり、その回りに工場地帯が地図の表記で見られる。

少し古いが、2006年時点のデータでPenangに工場を置く半導体メーカーは次のようになっている。
 AMD  後工程
 Fairchild Semiconductor   後工程
 Integrated Device Technology(IDT)  後工程
 Intel   後工程
 Linear Technology   後工程
 ルネサステクノロジ  後工程
 Spansion LLC  後工程
世界の部品、材料メーカー各社が"工場地帯"一帯にオフィスを構える状況が、移動の車中から窺える。

・機中で見聞きする映画や音楽に、「昭和のエネルギー」というナレーションが入っている。我が身に置き換えれば、1970年代後半から1980年代に欧米への出張の行き帰りで耳にした同じメロディーが、今や「懐かしのあの頃の曲の数々」と題して流れていて、時間や場所の経過とともに現在のグローバルな交流の舞台でのエネルギーの再燃は如何にと考えるところがある。


≪グローバル雑学王-4≫

上記のマレーシア行きから触発されたわけでもないが、今までにもっとも出かけている国、アメリカの地名についてその由来を自分なりに辿っている。
講師は『地名の世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 147)であり、第7章 アメリカ−−−新しい国の古い地名から以下の抽出である。歴史と当時の列強の進出・パワーバランスという、今や世界をリードする米国に至るさまざまな経過が滲み出る様相をこの中に感じている。

・ニューヨーク →1609年、オランダ西インド会社のハドソンが探検。ハドソン川の名の由来。

・state「州」は、「立つ」という意味のラテン語に由来。独立戦争が起こる1775年以前の東海岸にあった13州がFederal Union(連邦)にまとまり、やがてUnited States of America(アメリカ合衆国)へ。

・コロンブスのアメリカ大陸発見という史実がありながら、前後して同大陸に辿り着いた探検家アメリゴ・ベスプッチの名前が、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカと、西半球の広大な地域を指すことに。

・首都ワシントン、Washington D.C.。初代大統領George Washingtonの名に因むとともに、D.C.は太平洋岸のワシントン州と区別する「コロンビア特別区」District of Columbiaの略。

・Philadelphiaは、ギリシャ語のphilo(愛)とadelphi(兄弟)にラテン語の地名接尾辞-ia、"兄弟愛の地"。

・1791年、Maryland州とVirginia州が、Potomac川に沿った16km四方の正方形の土地を合衆国政府に提供。Potomacは、この地に居住していたインディアンの部族名パトウオメックに由来するとのこと。

・ロシアから土地を購入したAlaska州。先住の海洋民族アレウトが、アランシャクAlanshak(本土)と呼んでいたことに由来。

・Oklahoma州は、白人たちがインディアンから土地を奪って1907年、46番目に独立した州。土地のインディアンの言葉、オクラ(人びと)とホマ(赤)で「赤い人びと」、つまり白人が呼ぶ「赤い奴ら(the Red People)」をインディアンの言葉に置き換えた名。

・Illinois州の名の起源は、インディアンが自分たちを呼んだIliniwekに、フランス語「〜族」というときの-oisをつけたもの。Chicagoもインディアンの言葉、chigagou(野生のタマネギがある場所)に由来。

・Virginia州は、最も早くに植民地が置かれた地域。Virginia「処女地」は、新天地のイメージに合う名ということも。

・1803年、フランスからの購入によってアメリカ領となったLouisiana、1812年に18番目の州に。フランス語表記とスペイン語表記をそれぞれ取り入れた形。フランス語の影響が大きな地名に、フランス語の「町」を意味する接尾辞「-ville」。英語名の末尾をフランス風に変更したものも、Jacksonvilleなど。

・州名の起源分類

インディアンのグループ名…川や湖の地名が最も多く、文字を持たないインディアンの言葉をヨーロッパ人が聞き取り、アルファベット表記したという歴史。
 Alabama       Alaska        Arizona 
 Arkansas       Connecticut  Idaho
 Illinois  Iowa  Kansas 
 Kentucky  Massachusetts  Michigan 
 Minnesota  Mississippi  Missouri 
 Nebraska  New Mexico  North Dakota
 Ohio  Oklahoma  Oregon 
 South Dakota  Tennessee  Texas 
 Utah  Wisconsin  Wyoming

英語の地名…イギリス国王の許可のもとで植民が行われたという歴史。
 Delaware  Georgia  Indiana 
 Maine  Maryland  New Hampshire 
 New Jersey  New York  North Carolina
 Rhode Island  South Carolina  Virginia 
 Washington  West Virginia

スペイン語地名
 California  Colorado  Florida 
 Nevada

フランス語地名
 Louisiana      Vermont

ラテン語地名
 Montana       Pennsylvania

ハワイ・ポリネシア語名
 Hawaii

ご意見・ご感想