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4月半導体販売高/海外携帯電話/低価格パソコン/冷却内蔵三次元

米SIAからの4月の世界半導体販売高の発表があったが、これから始まって携帯、パソコン市場について小生なりに最近感じること、そして三次元半導体の最新の技術の取り組みと続く、以下の所感である。

≪4月半導体販売高≫

米SIAからの世界半導体販売高は、1-3月は前年同期比3.8%増、そしてこの4月は同5.9%増と、増加基調が続いている。大方の景況感とはずれた印象がなかなか拭えないが、SIAのScaliseさんの以下のコメントが的を得て重みを増している感じを受けている。米国以外のグローバル需要が下支えしているということと思う。

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○4月の半導体販売高、前年同月比6%増−前月2008年3月からは実質フラット−…6月2日付けSIAプレスリリース

4月の世界半導体販売高は$21.2 billionで、2007年4月の$20.1 billionを5.9%上回った、とSemiconductor Industry Association(SIA)が本日発表した。4月の販売高は、前月2008年3月の$21.2 billionとは実質的にフラットである。年初からの累積販売高$82.9 billionは、2007年の最初4ヶ月の販売高$79.5 billionを4.3%上回っている。4月の結果は歴史的な業界パターンに沿うもの、とSIAは特に言及している。

「消費者の可処分所得を減らしているエネルギーコストの急増にも拘らず、世界半導体販売高は2007年4月に比べて健全にも5.9%の伸びを示している。」とSIA President、George Scalise氏が言う。「メモリ製品の価格消耗が、引き続き業界の全体売上げの伸びをそいでいる。メモリデバイスの販売高を除くと、4月の半導体販売高は前年比12%以上伸びている。DRAMsおよびNANDフラッシュ製品の販売数量は前年比かなり増えているが、価格の消耗でメモリ製品の全体販売高は14%減少している。」

「半導体の2つの最大需要牽引役であるパソコンおよびhandsetsの販売数量は、引き続き予測と一致している。」とScalise氏が続ける。「PCsの販売数量は今年約10%伸びると見込まれる一方、handset販売数量は12%程度の伸びが予測されている。これら2つの重要末端市場の伸びは、米国以外での販売がますます引っ張っている。」

すべての耐久財購入に対する比率として消費者のエレクトロニクス製品への出費が、1980年代の10%以下から今日は約15%にまで引き続き上がっているとのConsumer Electronics Association(CEA)の報告に、SIAは特に言及している。CEAはまた、米国での経済刺激策が消費者のelectronic購買をさらに$5 billion生み出すものと見積もっているが、データではまだこれらの効果は見られていない。

SIAは、2008年から2010年までのグローバル半導体販売高の予測を6月11日に更新することにしている。

※4月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.sia-online.org/downloads/gsr_0804.pdf
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≪海外携帯電話≫

現状のグローバル需要の一翼を担う携帯電話について、海外とのやりとりで使える製品ラインアップを紹介するあるパンフレットを見ている。認識を新たにする以下の点である。

・一般的に携帯電話本体と電話番号の付いたICチップ(SIMカード)が別になっている。最近では日本でも、このICチップを挿して使う方法が主流になりつつある。

・各社の製品を紹介するそれぞれページ数、以下の通り。
 Nokia     11頁
 Motorola   5頁
 Panasonic   1頁
 Sony Ericsson 9頁
 Samsung      3頁
 LG Electronics 3頁

グローバル市場のある意味、縮図であり鳥瞰図かという受け取りである。

≪低価格パソコン(netbooks)≫

この6月3-7日、台北で開催のComputex、注目したのがNetbooksという低価格パソコンである。もう古いということかもしれないが、Webを眺めて回ったり、e-mailを見たりするなどにだけ適した超小型のlaptopsである。要は最低限の機能に絞り込んだ形ということと思う。今回の発表から一例として、次の通りである。

AsustekのEee PC 1000シリーズ  約NT$17,000(US$560)
AcerのAspire one         約299ユーロ(US$466.05).

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○Computex 2008: AcerとAsustekが新netbooks打ち上げ…6月4日付け DIGITIMES

台湾のfirst-tierノートブックPCベンダー、AcerとAsustek Computerがともに6月3日、新しいlow-cost PCs(netbooks)を打ち上げた。新システムはすべてIntelの新Atom N230 CPUが呼び物である。

Asustekは今年Eee PCsの出荷500万台を目指している。

Acer Aspire oneの外観、下記参照。
http://www.digitimes.com/NewsShow/20080603PD222_files/1_r.jpg
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小生に照らしても、考えてみれば使っているのはこの機能でalmost allというところ。機能満載型から究極の絞込みへ、これも現状の大きな流れと改めて感じている。

≪冷却機能内蔵三次元半導体≫

配線技術、Interconnectに関するconferenceでの発表から、印象に残る内容である。いずれもTSVs(through-silicon vias)がキーワードになっている取り組みである。

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○IBM、水で三次元半導体を冷却…6月5日付け Electronic News

greenデータセンターへの道を開いて、IBMのZurich, Switzerlandラボが重ね合わせた回路およびコンポーネントの各層の間に直接水をパイプで運ぶ冷却システムを三次元半導体に統合するプロトタイプをデモしている。

試作設計はFraunhofer Institute(Berlin)とのコラボで作り出され、IBMは、Moore則を向こう10年進め、データセンターが消費するエネルギーを大きく減らせる、と言う。
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○IBM、Georgia工科大が、microchannel冷却の3D dieをデモ…6月5日付け EE Times

IEEE 2008 International Interconnect Technology Conference(IITC)(BURLINGAME, Calif.)での発表。

以下の対比である。
microchanneled cooledプロセッサ@3-GHz   →47℃、83W動作
air cooledプロセッサ@3-GHz         →88℃、102W動作
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また、放熱構造内蔵3Dパッケージとして、以下が見られる。

「Fabrication of Silicon Carriers with TSV Electrical Interconnections and Embedded Thermal Solutions for High Power 3-D Package」
Institute of Microelectronics、Nanyang Technological大(シンガポール)
第58回Electronic Components and Technology Conference(ECTC 2008)
(5月27-30日:Lake Buena Vista, Florida)での発表。

三次元構造に移行する流れが見え始める中、熱の問題というのは半導体に付いてまわる冷めやらぬ内容ということと思う。

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