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実態&打開を図る動き/米国景気対策への反応/グローバル雑学王−33

米国では経済刺激対策法案にObama大統領が署名して、実効の成否がこれから問われることになり、エレクトロニクス業界でも早速、様々な反応が表われている。そうは言っても、足もとの落ち込みを埋めて存続に向けてどう打開を図るか、当面まずは緊急対策そして効果の程をきめ細かく見つめていくことと思う。

≪実態&打開を図る動き≫

半導体製造装置業界の1月の実態が、次のように定例発表に表れている。

◇Fab tool book-to-bill ratios fall like a rock(2月19日付け EE Times)
→SEMI発。北米半導体装置メーカーの1月BB比0.48、12月の0.86から低下の旨。

◇Equipment bookings at lowest levels since 1991, SEMI reports-"Sales of semiconductor manufacturing equipment continue to decline, exacerbated by the diminished demand for consumer electronics, and the global economic turmoil," Stanley T Myers,president and CEO of SEMI, said.(2月20日付け Electronics Design, Strategy, News)
→1991年以降最低の受注レベル、そしてSEMIのMyersさんのコメントが実態を裏付けている。

日本の半導体製造装置業界の方も次の状況となっている。

◇Japan's January chip equipment orders fell 80.1% on year, say reports(2月18日付け EE Times)
→Dow Jones発、Semiconductor Equipment Association of Japan(SEAJ)引 用。1月の日本製半導体製造装置受注が約$275M、前年同月比80.1%減。BB比は0.55、12月の0.70から低下の旨。

FPD製造装置業界については次の見方がある。

◇LCD equipment market to fall 41%(2月18日付け EE Times)
→The Information Network(New Tripoli, Penn.)発。flat-panel display(FPD)装置市場は2008年に30%伸びたが、2009年は41%落ち込むと見る旨。

このような事態の打開を図るには、なにしろパソコン、携帯電話をはじめとする市場需要に魅力的な新風を注ぎ込むことと思うが、スペイン・Barcelonaで開催されたMobile World Congressから、関わると感じる動きを取り出すと次の通りである。

◇携帯電話の充電システム、共通化で合意、ノキアなど17社。(2月18日付け NIKKEI NET)
→フィンランドのノキア、英ボーダフォンなど携帯電話関連17社は17日、携帯電話の充電システムを2012年をめどに共通化することで合意、電池や充電器の仕様を統一することで、買い替えで大量に発生する廃棄物を大幅に削減できるほか、効率のいい充電方式の採用で現行より約50%のエネルギー削減になる旨。

◇新型携帯「タッチ式」主役、バルセロナで見本市。(2月17日付け NIKKEI NET)
→世界最大の携帯電話ショーの「世界携帯電話会議」がスペイン・バルセロナで16日に開幕、韓国のサムスン電子や英ソニー・エリクソンなどが液晶画面を指でなぞって操作するタッチパネル機能付きの新型携帯電話機を発表、最大手のノキアは音楽などをダウンロードする総合サービスの「オビ・ストア」を開始した旨。景気低迷で携帯市場は縮小傾向にあるが、成長が見込める高機能機種を投入する動きが目立つ旨。
2008年の出荷台数が前年比22%増と最も躍進したサムスン電子は、今年を「タッチパネルの年」と位置づけ、計20機種のタッチパネル搭載機を市場に投入する旨。

◇Nokia CEO sees opportunities in downturn  (2月16日付け EE Times)
→NokiaのCEO、Olli-Pekka Kallasvuo氏。魅力的なsmartphonesラインアップ追加および期待大のOvi Storeコンセプトが目玉、モバイル通信分野がグローバル不況で確かにインパクトを受けるが、特にサービス分野においてチャンスもあると強調の旨。

一方、非常に混沌としているDRAM業界について、台湾での具体的な動きが次のように伝えられている。

◇Taiwan government planning to set up new DRAM company, say sources(2月20日付け DIGITIMES)
→業界筋発。台湾政府が、新しいDRAM会社を設立する計画、社名はTaiwan Memory Company(TMC)またはTaiwan Memory Inc.(TMI)、経済部(Ministry of Economic Affairs[MOEA])が現在、新会社のマネジメントチームを構築の旨。この新会社および体制が、2月28日に発表される見込みの旨。

この記事によると、今後の体制に向けて1990年代後半にデバイス業界活動でお会いした台湾・工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute[ITRI])の馴染みの方のお名前も見えている。打開を図る動きに今後とも逐一注目である。


≪米国景気対策への反応≫

落ち込みの実態と言えば、我が国のGDP発表がなにより厳しさの度合いを物語っていると思う。

◇10-12月GDP、年率12.7%減 35年ぶり急減。(2月16日付け NIKKEI NET)
→内閣府が16日発表した2008年10-12月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前期比3.3%減、年率換算で12.7%減となった旨。3四半期連続のマイナス成長、減少率は第1次石油危機時1974年1-3月期の年率13.1%減に続く2番目の大きさの旨。世界的な金融危機の影響で輸出が過去最大の落ち込みとなり、個人消費、設備投資も大きく減少、日本経済は内外需が総崩れの状態で、深刻な景気後退に入った旨。

今回の事態の震源である米国では、やっと景気対策法が成立に漕ぎ着けている。

◇米景気対策法が成立、オバマ大統領署名、350万人雇用創出へ。(2月18日付け NIKKEI NET)
→オバマ米大統領が17日(日本時間18日)、コロラド州デンバーで約7870億ドル(約72兆円)の景気対策法案に署名、同法が成立した旨。大統領が公約に掲げてきた景気対策が政権発足から約1カ月で正式に動き出す旨。向こう2年で350万人の雇用創出を目指す景気対策は金額ベースで世界最大規模、グローバルな景気動向にも大きな影響を与えそうな旨。

これに対する米国エレクトロニクス関連各界の反応として、以下の内容が見られる。

◇Stimulus: DoE readies $4.3 billion for smart grid-Stimulus bill sets 60-day target to craft bidding process(2月17日付け EE Times)
→米国エネルギー省の国家electric gridを格上げする$4.3Bプロジェクト、Barack Obama大統領が火曜17日署名した$787B景気対策のトップクリーン技術provisionsの1つである旨。

◇Stimulus breakdown: $43 billion for energy technology(2月17日付け EE Times)
→Obama大統領が火曜17日法制化署名した景気対策、American Recovery and Reinvestment Actについて、エネルギーなど技術spending provisionsの内訳から:
smart power grid、先端電池技術およびエネルギー効率化活動  →$30B
向こう10年にわたる再生可能エネルギーおよびエネルギー効率化に対する優遇税制 →$20B

◇IBM eyes stimulus funds for broadband over power lines(2月17日付け EE Times)
→IBMが、さらにいなかの消費者に向けたInternet services over power linesを提示、米国景気対策の利用を図っている旨。

◇NSF to detail $3B in stimulus spending(2月19日付け EE Times)
→米国政府から基礎R&D資金を供給する主要機関の1つ、National Science Foundation(NSF)、研究者連は特にcomputer scienceはじめある分野範囲にわたる基礎R&Dへの低い連邦出資に長らく不満がある旨。

◇Counterpoint: Stimulus package faces technology headwind(2月19日付け EE Times)
→技術が経済において演じる今日の問題および中枢の役割を理解するために、歴史をさっと振り返る必要がある旨。

◇Stimulus: Is $19 billion right Rx for health IT?(2月20日付け EE Times)
→ヘルスケア専門家連が、景気対策の一環として該分野のinformation technology(IT)に$19B出資する米国政府の計画を称賛の旨。

まだまだこれから続く、反応、動きと思うが、効果の程の見定めと必要な転換を探る各方面のせめぎ合いの様相を予感している。


≪グローバル雑学王−33≫

この土曜の晩のNHKテレビ、「探検ロマン世界遺産:ノアの箱舟がどこに漂着したかご存じですか 聖夜帰らぬ弟に姉の涙:アルメニア」を見て、世界で初めてキリスト教が国教と定められたアルメニアのエチミアツィン(Echmiatsin)の大聖堂と、1月5日というクリスマスイブを過ごすアルメニアの人々の思いにわずかながらも触れたところである。

『イスラームの世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 224)

から今回は、ムハンマドによるイスラーム誕生から、7世紀から20世紀にわたって繰り広げられるイスラーム王朝の歴史に沿って民族と宗教の衝突を、以下の通り物凄いテキストMPEG圧縮(?)で表している。

イスラーム王朝の歴史が如何に広範囲に及ぶか、マシュリク(アラビア語の「日が昇るところ」を原義とし、「東方」を意味する語)からマグリブ(同じく「西方」)まで、次のように表され、アルメニアも様々な強大勢力に翻弄される歴史を辿らざるを得なかった一国ということと思う。
 ・北インド・中央アジア
  イラン
  イラク
  シリア
  ヒジャーズ(アラビア半島)
  エジプト・北東アフリカ
  北西アフリカ
  イベリア半島

◎民族と宗教の衝突

[預言者ムハンマド]
・アラブという名称 →アッカド帝国のナラム・シン(紀元前23世紀)が、マガンというアラブ人の町を征服したという記述。
           →シバの女王はアラビア出身とも。
・アラビアは部族社会 
 2つの集団: 「南アラブ族」−「カハターン族」−ハダラ(定着)
         「北アラブ族」−「アドナーン族」−バドゥ(沙漠・遊牧)
 ⇒両者の対立 ⇒イスラーム誕生の胎動
・イスラームの始祖、ムハンマドが生まれた6世紀後半 
 …ハダラとバドゥの激しい対立・抗争の時代
・部族間抗争 →英雄讃歌ともいえる詩の流行 
         ⇒方言を超えた共通アラビア語の誕生
           「アラブ人」という民族意識の萌芽

[布告の夜]
・幼く孤児となったムハンマド →優秀な商人に成長
 →「アル・アミーン(もっとも信頼できる者)」と呼ばれるように
・ムハンマド25才、ハディージャ(メッカの裕福な未亡人)40才のときに二人は結婚。
 →物質的には恵まれても、精神的に苦しむことが相次ぐ。
 →個人の問題から社会に目を向けるように
・610年、不思議な体験: 
天使ジブリール(大天使ガブリエルのアラビア語読み)が神のメッセージをムハンマドにもってきた。
 →「ライラ・アル=カドル(布告の夜)」 ⇒ラマダーン(断食月)の重要な日に
・この夜の月が三日月 →モスクの丸屋根の上にある三日月の形
               →アラブ社会の救急車は赤三日月
・預言者になったムハンマド →ラスゥールッ=ラー(神の使徒)という別称

[偶像破壊と聖戦]
・614年、ムハンマドはメッカで宣教を開始。
 →各方面からの反発と抵抗: メッカの商業利益を独占していたクライシュ族にとっては「裏切り」
・621年、ムハンマドはまたもや不思議な体験: 
「アル=ミアラージュ(ムハンマドの昇天)」
 →イスラームが、ユダヤ教、キリスト教と同根の律法をもち、最後に降された啓示
  ⇒エルサレムが三大宗教の共通の聖地に
・622年の移住(ヒジユラ:聖遷) ⇒イスラーム暦の紀元
・イスラーム共同体(ウンマ)の建設(マディーナにて) 
 →敵対するメッカとの間で戦争に :神のために戦う「聖戦(ジハード)」
・生物の彫像、絵を創作することは、神の行為を真似ることであり、神への冒とくに。
・632年、マディーナからメッカへ別離の巡礼 
 →まもなくムハンマド没 :「メッカ巡礼」

[イスラーム世界の拡大]
≪正統カリフ時代(632〜661年)≫
・クライシュ族タイム家のアブー・バクルがムハンマドの後継者に選出。
・「後継者」はアラビア語でハリーファ、日本では通常、カリフ。
・二代目のカリフ、ウマル一世(ウマル・イブン・ハッターブ)は、領土拡大でイスラームに貢献。
・三代目のカリフ →聖典『コーラン』を完成

[カルバラーの悲劇]
・四代目のカリフ →ウマイヤ家との対立が激化…第一次内乱時代
 ⇒スンナ派とシーア派の二宗派に分裂
≪ウマイヤ朝時代(661〜750年)≫
・五代目のカリフ →ウマイヤ家のムアーウィヤ
・領土の拡大を継続 …東進:インダス河畔
              北進:トルキスタン
              西進:北アフリカ、イベリア半島(スペイン)
 ※ ジブラルタル →アラビア語のジャバル・アル=タリク(タルクの山)が訛ったもの
   マドリード →アラビア語のマジュリート(湧き水の場所、水に恵まれた所)に由来

[ウマイヤ朝からアッバース朝へ]
・ウマイヤ朝は、750年に亡び、アッバース朝が成立。
・ウマイヤ朝の唯一の生き残り、コルドバを首都とする後ウマイヤ朝(756〜1031年)
 →イスラーム帝国の分裂を意味する出来事
・アッバース朝は、スンナ派に転向。ウマイヤ朝で排除されていた非アラブ系のイスラーム教徒も多数登用。
 ⇒「イスラームの同胞」という考え方。ときには民族の枠を超えて結集、連帯する、今日のイスラーム圏の国ぐに。

[すべての道はバグダードへ]
・アッバース朝の二代目のカリフ →新首都をバグダードに制定
・バグダードの正式名=マディーナト・アッサラーム(平安の都)
・バグダードは、幅広い交易活動によって大きく発展。
・第五代目のカリフ →最盛黄金期(786〜809年)
 …『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』の原型もこの頃完成

[カリフとスルタン]
・アッバース朝崩壊の原因は軍人に。カリフの権力の弱体化。
 →唯一人のカリフがイスラーム共同体全体を治めていくという体制は崩壊。
・アッバース朝へとどめをさしたのは、トルコ系スンナ派のセルジューク朝(1038〜1194年)。

[トルコ族の進軍]
・トルコ族 →広大なオスマン帝国を築く。

[宗教の衝突]
・11世紀、エルサレムは、キリスト教徒の攻撃を受けることに。以降1000年、「十字軍との戦い」。
・第一回十字軍

[聖地をめぐる戦い]
・第二回十字軍 ※1187年、イスラーム軍の十字軍に対する聖戦(ジハード)
・第三回十字軍(1189〜1192年)
・第四回十字軍(1202〜1204年)
・第五回十字軍(1219〜1221年)
・第六回十字軍(1248〜1254年)

[軍馬に踏み殺されたカリフ]
・アッバース朝の滅亡 →イスラーム世界の中心からアラブ人の姿が消える。
・1258年、モンゴルのフラグ・ハンが遠征、バグダード陥落。
 →広大なイル・ハン国(1258〜1353年)成立
  ⇒イスラーム世界には、イラン、トルコ、エジプトという三大権力センター

[ヨーロッパ最大の敵]
・イスラーム世界の中心が、オスマン朝の首都、イスタンブール(1453年、オスマン帝国に征服され、コンスタンティノープルからイスタンブールに。ギリシア語の「都へ(行く)」がトルコ語に転訛[なまって変化]。)に。
・第一次世界大戦で亡びるまで、オスマン朝がイスラーム世界の中心に。
・三重構造の社会構成
 政治権力 −スルタン(政治・軍事の長の称号)
 法的権力 −律法学者
 信仰    −イスラーム神秘主義教団

[オスマン帝国の落日]
・15世紀 …オスマン朝がイスラーム世界の中心
      …ヨーロッパは大航海時代
・オスマン帝国の内部が腐敗、国土は減る一方に。

[アラブ民族の自覚]
・19世紀、オスマン帝国の悲惨な状態。
 →真のイスラーム世界を築くことができるのは、自分たちアラブ人しかいない、との思い
  ⇒アラブ独立運動、民族主義的な運動へと発展
・1922年、トルコでは、ケマル・パシャがスルタンの帝政を打倒
 →オスマン帝国の滅亡

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