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1-3月四半期の世界半導体販売高、前年同期比18.8%増、先行き予測難

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、3月および1−3月四半期のデータがあらわされている。この第一四半期は、前年同期比18.8%増、前四半期比2.8%減、3月については、前年同月比18.8%増、前月比1.8%増となっている。昨年12月から3ヶ月連続で前月比減であった販売高が3月に持ち直す見え方であるとともに、3月としては史上最高の販売高である。米国トランプ政権の関税圧力を受けて各国との交渉が行われていく中、AI(人工知能)半導体の中国に対する米国の輸出規制を巡る動きがいろいろ展開しており、先行きの予測が難しくなっている現時点である。落ち着き具合を引き続き見定める必要がある状況である。

≪第一四半期の世界半導体販売高≫

米国・SIAの今回の半導体販売高の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
○2025年第一四半期のグローバル半導体販売高が、2024年第一四半期に比べて18.8%増;2025年3月の販売高が、前月比1.8%増―3月の販売高として史上最高;2025年第一四半期の世界半導体販売高は、2024年第四四半期に対して2.1%減 …5月5日付け SIA/Latest News

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2025年第一四半期のグローバル半導体販売高が$167.7 billionで、2024年第一四半期と比べて18.8%増、しかし2024年第四四半期を2.8%下回った、と発表した。2025年3月のグローバル販売高は$55.9 billionで、2025年2月総計、$54.9 billionに比べて1.8%増であった。
月次販売高は、WSTS(World Semiconductor Trade Statistics)機関が集計し、3ヶ月移動平均を表している。SIAは、売上高で米国半導体業界の99%を代表し、米国以外のチップ企業のほぼ3分の2を代表している。

「世界の半導体需要は依然高く、第一四半期の販売高は昨年第一四半期を大幅に上回っている。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏。
「前年同月比販売高は11ヶ月連続で17%以上増加し、これは米州の前年同月比売上高が約45%増加したことが引っ張っている。」

地域別では、前年同月比で、the Americas (45.3%), Asia Pacific/All Other (15.4%), China (7.6%), およびJapan (5.8%)で増加したが、Europe (-2.0%)では減少した。3月の販売高前月比では、Europe (5.7%), Asia Pacific/All Other (3.6%), およびChina (2.4%)で増加したが、Americas (-0.4%) およびJapan (-0.4%)では減少した。

                       【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Mar 2024
Feb 2025
Mar 2025
前年同月比
前月比
========
Americas
12.78
18.64
18.57
45.3
-0.4
Europe
4.32
4.01
4.24
-2.0
5.7
Japan
3.56
3.78
3.77
5.8
-0.4
China
14.32
15.06
15.41
7.6
2.4
Asia Pacific/All Other
12.06
13.42
13.91
15.4
3.6
$47.04 B
$54.92 B
$55.90 B
18.8 %
1.8 %

--------------------------------------
市場地域
10-12月平均
1- 3月平均
change
Americas
20.24
18.57
-8.2
Europe
4.15
4.24
2.0
Japan
4.03
3.77
-6.6
China
15.87
15.41
-2.9
Asia Pacific/All Other
13.22
13.91
5.3
$57.52 B
$55.90 B
-2.8 %

-------------------------------------

※3月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2025/05/March-2025-GSR-Table-and-Graph.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた取り上げが、次の通りである。

◇Q1 semi sales up 18.8% y-o-y―SIA: Semiconductor sales soared nearly 19% in Q1 (5月7日付け Electronics Weekly (UK))
→*Q1半導体販売高が前年同期比18.8%増の$167.7 billionであったが、Q4比では2.8%減であった、とSIAが発表している。
 *3月販売高は$55.9 billion、2月の$54.9 billionから1.8%増。

◇Global Semiconductor Sales Increase 18.8% in Q1 2025 Compared to Q1 2024 (5月9日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

2021年、2022年と相次いで年間半導体販売高の最高を更新して、2023年は減少に転じたが、2024年はAI需要が牽引してまたも過去最高を更新するとともに、$600 Billionの大台に初めて載せた経緯となっている。
パソコン、スマホなど従来の主要応用分野の本格回復がいまだ道半ばという見方が優勢な中、AIが大きく引っ張る現下の市場がどう推移するか、今後に注目するところである。照らし合わせの意味合いで、2022年以降の以下の見方を続けることにする。
以下、米国・SIAの月初の発表時点の販売高、そして前年同月比および前月比が示されている。
2024年11月に記録した単月販売高最高の$57.82 Billionから、2ヶ月連続若干落として、この2025年1月は$56.52 Billionとなっている。依然最高水準にあることは以下のデータよりわかるが、今後に向けては現下の市場特性の見極めを要するところである。
2月の販売高としては史上最高を記録しているが、以下に示す通り、前月比で3ヶ月連続減少しており、今後に注目するところである。3月は若干持ち直して、前月比減に歯止めを施す見え方となっている。四半期の締めで集中駆け込みの可能性もあり、引き続き推移に注視を要する。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2022年 1月 
$50.74 B
26.8 %
-0.2 %
2022年 2月 
$50.04 B
26.1 %
-1.4 %
2022年 3月 
$50.58 B
23.0 %
1.1 %
2022年 4月 
$50.92 B
21.1 %
0.7 %
2022年 5月 
$51.82 B
18.0 %
1.8 %
2022年 6月 
$50.82 B
13.3 %
-1.9 %
2022年 7月 
$49.01 B
7.3 %
-2.3 %
2022年 8月 
$47.36 B
0.1 %
-3.4 %
2022年 9月 
$47.00 B
-3.0 %
-0.5 %
2022年10月 
$46.86 B
-4.6 %
-0.3 %
2022年11月 
$45.48 B
-9.2 %
-2.9 %
2022年12月 
$43.40 B
-14.7 %
-4.4 %
$584.03 B
 
2023年 1月 
$41.33 B
-18.5 %
-5.2 %
2023年 2月 
$39.68 B
-20.7 %
-4.0 %
2023年 3月 
$39.83 B
-21.3 %
0.3 %
2023年 4月 
$39.95 B
-21.6 %
0.3 %
2023年 5月 
$40.74 B
-21.1 %
1.7 %
2023年 6月 
$41.51 B
-17.3 %
1.9 %
2023年 7月 
$43.22 B
-11.8 %
2.3 %
2023年 8月 
$44.04 B
-6.8 %
1.9 %
2023年 9月 
$44.89 B
-4.5 %
1.9 %
2023年10月 
$46.62 B
-0.7 %
3.9 %
2023年11月 
$47.98 B
5.3 %
2.9 %
2023年12月 
$48.66 B
11.6 %
1.4 %
$518.45 B
 
2024年 1月 
$47.63 B
15.2 %
-2.1 %
2024年 2月 
$46.17 B
16.3 %
-3.1 %
2024年 3月 
$45.91 B
15.2 %
-0.6 %
2024年 4月 
$46.43 B
15.8 %
1.1 %
2024年 5月 
$49.15 B
19.3 %
4.1 %
2024年 6月 
$49.98 B
18.3 %
1.7 %
2024年 7月 
$51.32 B
18.7 %
2.7 %
2024年 8月 
$53.12 B
20.6 %
3.5 %
2024年 9月 
$55.32 B
23.2 %
4.1 %
2024年10月 
$56.88 B
22.1 %
2.8 %
2024年11月 
$57.82 B
20.7 %
1.6 %
2024年12月 
$56.97 B
17.1 %
-1.2 %
$616.70 B
 
年間最高更新
 
2025年 1月 
$56.52 B
17.9 %
-1.7 %
2025年 2月 
$54.92 B
17.1 %
-2.9 %
2025年 3月 
$55.90 B
18.8 %
1.8 %


関税&規制圧力の渦中で、一層先行きが見通し難い現状であるが、現下の各社業績発表においても、以下の通りその空気が色濃くうかがえている。

[Qualcomm]

◇Qualcomm's quarterly automotive and IoT revenues ramp up (5月1日付け Fierce Electronics)
→クアルコムは、自動車およびIoT市場への多角化により、2025年度第2四半期も配当金を受け取った。しかし、他の多くのチップおよびエレクトロニクスメーカーと同様に、クアルコムも、トランプ大統領の関税が同社の事業に及ぼす短期的な影響を警戒している。

◇Qualcomm Beats Earnings, New U.S. and EU Chip Policies―Qualcomm sees strong Q2 growth in automotive, IoT―Navigating policy shifts and market headwinds in the semiconductor industry. (5月5日付け EE Times)
 →1)世界の半導体業界は、重要な政策イニシアティブ、クアルコムの業績報告、そして厳しいチップサプライチェーンを特徴とするダイナミックな週を経験した。
   各国政府がサプライチェーンの再構築を精力的に試み続ける一方、市場のシグナルは持続的な経済的・地政学的課題を浮き彫りにした。
  2)クアルコムの第2四半期決算は、自動車およびinternet-of-things(IoT)の売上高が好調に伸び、IoTの売上高は27%増の$1.58 billion、自動車の売上高は59%増の$959 millionとなった。全体の売上高は、前年同期比15%増の$10.8 billionに達した。
  3)世界の半導体業界は、米国が国内製造を後押しするBASIC法を提案するなど、政策転換の渦巻く週に直面した。クアルコムは業績予想を上回ったが、慎重なガイダンスを発表。欧州は中国製レガシーチップへの危険な依存を警告。

[ASE]

◇ASE sees double-digit growth in 1Q25 thanks to urgent testing and packaging orders (5月2日付け DigiTimes)
→ASEテクノロジー・ホールディングは、第1四半期の緊急受注を生かし、テストおよびパッケージング業務を高稼働で維持した。OSATのグローバルリーダーである同社は、半導体業界全体の不確実性にもかかわらず、旺盛な需要に支えられ業績を維持した。

[Hon Hai]

◇Hon Hai says revenue surged 25.5% last month (5月6日付け Taipei Times)
→鴻海は、4月の売上高が前年同月比25.5%増となり、AI需要やアップル、レノボからの関税前の受注加速が牽引した。4ヵ月間の売上高は過去最高を記録し、米国の関税の影響が迫っているにもかかわらず、継続的な成長を見込んでいる。

[AMD]

◇AMD revenue jumps as it keeps pushing against the AI narrative (5月6日付け Fierce Electronics)
→AMDはAI市場競争において、多くの人が考えているより少しはうまくやっているのだろうか?
 AMDは、特にデータセンターAIに関しては、Nvidiaの後塵を拝する存在とされてきたが、2025年第1四半期の業績報告と第2四半期の見通しは、衰退しつつある競合企業のそれとは似ても似つかないものだった。それでも、他の半導体企業同様、AMDの将来には関税の不透明感が漂っている。

◇AMD beats on earnings but will take $1.5 billion hit to revenue from chip restrictions to China (5月6日付け CNBC)
→1)*AMDは火曜6日、予想を上回る第1四半期決算を発表し、今四半期の売上げについて強い見通しを示した。
  *同社のデータセンター部門(AIグラフィックスとセントラル・プロセッサーの売上を含む)は予想を上回り、57%増加した。
  *AMDの予想には、米国が同四半期中に同社のAIチップの一部の輸出を制限したために発生する$800 millionの費用も含まれている。
 2)AMDは、好調なデータセンターとクライアント・チップの売上に牽引され、第1四半期の1株当たり利益は96セント、売上高は$7.44 billionで、ウォール街の予想を上回った。輸出規制には$1.5 billionのコストがかかるものの、AIチップの需要は依然として大きな成長エンジンとなっている。

◇AMD Rides AI Wave to Strong Q1, Navigates Headwinds―Semiconductor giant delivers robust Q1 growth, but export controls cast shadow. (5月7日付け EE Times)
→1)AMDの第1四半期決算は2025年に向けて力強いスタートとなり、主にAIアクセラレータ、データセンター、およびクライアント分野の好調に支えられ、前年同期比で大幅な増収となった。
  AIに焦点を当てた同社の戦略は、特にInstinct GPUとEPYC CPU製品ラインを通じて顕著な成長を続けている。しかし、この好調な軌道は、激しい競争と地政学的要因の進化を特徴とする複雑な事業環境、特に米国の輸出規制と中国事業に影響を及ぼす潜在的な関税を背景としている。
 2)AMDは2025年の幕開けを、AIとデータセンターの売上高急増に牽引され、売上高36%増、利益476%増で飾った。しかし、輸出規制、関税、および熾烈な競争は、この勢いを維持するための大きな課題となっている。

◇AMD posts highest Q1 result ever - Strong CPU sales, but GPUs and gaming trail behind―AMD delivers standout Q1 results, keeps an eye on tariffs―AMD warns that the U.S. export tariffs may hit its sales (5月7日付け Tom's Hardware)
→AMDは、クライアント向けおよびデータセンター向け中央演算処理装置(CPUs)、並びにAIアクセラレータ、Instinct MI300の好調な販売に牽引され、第1四半期の売上高は前年同期比36%増の$7.44 billionと過去最高を記録した。
 同社は米国の輸出関税の問題に直面しており、これが今年の業績の重荷となり、売上高が$1.5 billion減少する可能性がある。Lisa Su CEOは、同社は「各国が国内の国家規模のAIインフラを確立するための投資を拡大する中、sovereign AI(国家や組織[企業など]が自国や自社のデータおよび技術を基に、独立して運用・管理するAIシステム)の展開で有意義な進歩を遂げている」と述べている。

◇AMD、米規制で中国売り上げ減 25年に約2100億円分 (5月7日付け 日経 電子版 08:34)
→米AMDは6日、米政府が強化した対中輸出規制の影響で2025年12月期に$1.5 billion(約2100億円)分の売り上げが減る見通しだと明らかにした。好調だったAI半導体の先行きに米規制が影を落としている。

[TSMC]

◇TSMC April revenue up 48% y-o-y―TSMC's revenue hit $11.6B in April (5月9日付け Electronics Weekly (UK))
→1)TSMCの4月売上$11.6 billion、前年同月比48%増、前月比22.2%増。
 2)TSMCの4月の売上高は前年同月比48%増の$11.6 billionだった。TSMCはアリゾナで活況を呈しており、「学んで稼ぐ」プログラムで労働力のパイプラインをテストしている。一方、TSMCは半導体のエンドユーザーに対するコントロールが限定的であることを認めており、輸出規制の有効性についての懸念を高めている。

すぐ上に示すTSMCも、出荷先のコントロールは難しい現状があらわされているが、関税および規制関連の各社&市場の揺れる対応&状況が、以下の通りである。

◇Apple has managed tariffs so far, but Cook lacks long-term answers (5月1日付け CNBC)
→1)*アップルのTim Cook CEOは、6月末までの今四半期について、アップルは関税による追加費用として約$900 millionを見込んでいると述べた。
  *「関税で何が起こるか分からないので、将来の予測はしたくない 」とクック氏は言い、「6月以降を予測するのは非常に難しい 」と付け加えた。
  *アップルの不確実性は、世界トップクラスの事業運営で定評のある企業でさえ、トランプ政権の関税率や日付の変遷という予測不可能な事態に見舞われる可能性があることを浮き彫りにしている。
 2)アップルのティム・クックCEOは、短期的な関税の影響は軽んじたものの、6月以降の不確実性を理由に、今四半期に$900 millionの追加コストが発生すると警告した。好業績にもかかわらず、アップルのあいまいなガイダンスは投資家を動揺させ、株価は時間外取引で4%下落した。

◇Nvidia raises concerns about Huawei’s growing AI chip capabilities with US lawmakers (5月2日付け South China Morning Post)
→1)Nvidiaの中国向けチップに対する米国の輸出規制はファーウェイのチップの競争力を高める可能性がある、とNvidiaのジェンセン・フアンCEO
 2)NvidiaのCEOであるJensen Huang氏は、同社のAIチップに対する規制は、特に中国がライバルモデルの生産を強化する中で、Huaweiの国際競争力を高める可能性があると米国の議員に警告した。同氏はAIの戦略的役割を強調し、米国の技術的利益を支持した。

◇Nvidia chips could face new tracking rules under a bipartisan bill to stop chip smuggling to China―Bill would mandate location tracking of Nvidia AI chips (5月5日付け Fast Company)
→1)チップの密輸は、DeepSeekが中国への販売が禁止されているNvidiaのチップを使用した後、新たな緊急性を帯びた。
 2)米国のある議員は、エヌビディア製のようなAIチップが販売された後、その所在を確認するための法案を数週間以内に提出する予定である。米議員から超党派の支持を得たこの取り組みは、Nvidiaのチップが米国の輸出管理法に違反して中国に広く密輸されているという報告に対処することを目的としている。

◇中国、半導体シェア3.9%に低下 昨年、米輸出規制響く AI向け先端品つくれず (5月5日付け 日経)
→中国メーカーの半導体販売シェアが2024年に2年ぶりに下落した。3.9%と前年より0.2ポイント下がった。米国による半導体製造装置の輸出規制が強まるなか、需要が拡大する生成AI向けの先端半導体をつくれないためだ。先端以外の製造装置へ多額の投資は続けるものの、中国政府の目指す「半導体強国」の実現は遠い。米オムディアが中国に本社を置く半導体メーカーの売上高をドルベースで集計した。SMICなど半導体の受託生産会社は含まない。

◇[News] TSMC Reportedly Asks Suppliers for Revised Quotes, Aiming for 30% Cost Cut Amid TWD Surge (5月6日付け TrendForce)
→TSMCは、台湾ドルの高騰が同社のマージンと収益を脅かしているため、サプライヤーにコスト削減を迫っている。アナリストは、これ以上のドル高が収益性を悪化させる可能性があると警告しており、サプライチェーン全体での緊急のコスト削減計画を促している。

◇AMD CEO Lisa Su calls China a ‘large opportunity’ and warns against strict U.S. chip controls (5月7日付け CNBC)
→1)*アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のLisa Su CEOは、中国を半導体・人工知能産業にとって「大きなチャンス」と呼んだ。
  *「国家安全保障のための輸出規制と、われわれの技術の可能な限り幅広い採用を確保することとの間には、バランスが必要だ」と同氏は述べた。
  *このコメントは、進化する関税政策とチップ輸出規制に取り組む同社の会計年度第1四半期決算を受けて発表された。
 2)AMDのリサ・スーCEOは、米国の輸出規制や関税にもかかわらず、AIや半導体にとって中国が重要であることを強調した。Su氏は、国家安全保障と技術採用の間のバランスを求め、好調な収益および不安定なグローバル市場での継続的な機敏性に特に言及している。

◇Nvidia’s Jensen Huang says losing China would be ‘tremendous loss’ amid US-China AI race―US export controls tighten grip on Nvidia's China business―China’s AI market is likely to grow to US$50 billion in the next two to three years, Huang told US broadcaster CNBC (5月7日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)エヌビディアのJensen Huang CEOは、中国のAI市場を失うことは大きな損失であり、チップ設計の同社がワシントンからの輸出規制強化に直面する中、市場は今後数年で大きく成長する構えだ。と語った。
  中国のAI市場は今後2〜3年で$50 billionにまで成長する可能性があると、フアン氏は火曜6日に米放送局、CNBCとのインタビューで語った。「アメリカ企業としてこれに対処できないのは、とてつもない損失だ」と同氏は語った。
 2)Nvidiaのジェンセン・フアンCEOは、今後数年で$50 billionに達すると予想する中国のAI市場の重要性を強調した。フアン氏は、米国の輸出規制によって同市場へのアクセスが失われることは、Nvidiaと米国にとって「とてつもない損失」であるとし、昨年度のNvidiaの売上高の14%を中国が占めていることを指摘した。

◇Nvidia reportedly halts RTX 5090D deliveries in China - undelivered orders canceled, GPU ban speculated―Reports: Nvidia cancels RTX 5090D orders in China―Is the 5090D also affected by the H20 ban? (5月8日付け Tom's Hardware)
→1)米国は最近、輸出ライセンスが必要なAIチップの基準を引き下げた。つまり、Nvidia H20のような特殊なチップ(驚くべきことに、変質したにもかかわらず、いまだによく売れている)は、中国での販売が合法でなくなったということだ。このため、RTX 5090Dも輸出禁止に含まれるのではないかという憶測が飛び交っている。RTX 5090DのAI性能はfull-fat版から23%低下し、マルチGPU構成などの他の機能も失われている。残念なことに、人気ハードウェアリーカー、HXLが、X(旧Twitter)でWeChatの投稿をシェアし、Nvidiaが5090Dの注文をキャンセルしたと報告していることから、この禁止は事実のようだ。
  2)米国が輸出許可を必要とするAIチップの性能基準を引き下げ、RTX 5090Dの販売が事実上禁止されたことを受け、Nvidiaは中国におけるRTX 5090Dグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPUs)の未納注文をすべてキャンセルしたと報じられた。Nvidiaは、この中止について正式なコメントを発表していない。

◇Bullish AMD sales outlook tempered by China costs (5月8日付け Taipei Times)
→AMDは、米国による中国向けAIチップの輸出規制により、2024年の売上高から$1.5 billionが削減される可能性があると警告し、好調だった第1四半期の業績に陰りが出た。貿易上のハードルにもかかわらず、Lisa Su CEOはAI需要と今後の製品投入に強気の姿勢を崩していない。

特にAI半導体についての規制関連が、以下の通り波乱含みの状況となっている。

◇TSMC Claims It Cannot Guarantee Whether Its AI Chips End Up In China, Raising Questions On Effectiveness of Export Controls (5月7日付け Wccftech)
→台湾の巨大企業、TSMCは、半導体の最終ユーザーに対するコントロールは限られていると主張しており、同社のチップの中国行きが増えることを暗示している。

◇Trump Administration Revokes Controversial AI Diffusion Rule―Trump revokes AI Diffusion rule, aiming to simplify policy. Nvidia applauds move. (5月8日付け EE Times)
→トランプ政権は、5月15日の発効を1週間後に控え、物議を醸していたAI拡散ルールを撤回したと報じられている。報道によれば、同政権は規則をよりシンプルなものに作り直す意向だという。
 AIチップ市場のリーダーであるエヌビディアは、このニュースを確認したようで、次のような声明を発表した:「我々は、AI政策に関する政権のリーダーシップと新たな方向性を歓迎する。AI Diffusion Ruleが撤回されれば、アメリカは次の産業革命をリードして、高賃金の米国雇用を創出し、米国が供給する新しいインフラを構築して、貿易赤字を軽減する、一世代に一度の機会を得ることになる。」

◇Trump administration set to end Biden’s U.S. chip export restrictions (5月8日付け CNBC)
→1)*トランプ政権は水曜7日、「AI拡散ルール」として知られる米国のチップ輸出規制を取り消す準備を整えた。
  *人工知能半導体規制は5月15日に発効する予定であった。
  *NvidiaとAMDを含むチップメーカーは、段階的規制に反対してきた。
 2)トランプ政権がバイデン政権時代の「AI拡散ルール」を取り消し、懸案だったチップ輸出規制を停止する計画を発表した後、Nvidiaの株価は上昇した。NvidiaとAMDが称賛したこの動きは、政策を簡素化し、米国のAIリーダーシップを高めることを目的としている。

◇Beijing pours tens of millions of dollars into fostering Nvidia-free AI ecosystem in China―The Yizhuang Development Zone aims to establish a nationally leading AI industry ecosystem using only Chinese technology (5月8日付け South China Morning Post)
→北京は国内技術のみを使ったAI開発に数百万ドルを投入し、年末までに$11 billionのエコシステムを構築することを目指している。このイニシアティブは、RISC-Vチップ、AIサーバークラスタ、そして技術的な自立を保証するための業界全体の「AIプラス」アプリケーションをサポートしている。

◇Nvidia tweaks H20 chip for China to beat US export controls: sources―Reports: Nvidia to release downgraded H20 chip (5月9日付け Yahoo/Reuters)
→報道によると、Nvidiaは中国市場向けにH20 AIチップのダウングレード版を7月に投入する見込みだという。この報道は、米国が輸出規制を課し、オリジナル・モデルが封じられたことを受けたものだ。

◇Trump to rescind AI chip curbs: source (5月9日付け Taipei Times)
→トランプ政権はバイデン政権時代のAIチップ輸出規制を廃止する計画で、業界の反発の中、規制を簡素化し、米国のイノベーションを促進することを目指している。エヌビディアの株価は上昇したが、アームは弱い売上見通しを発表し、需要の不確実性を警告したため急落した。

◇NVIDIA、中国向け低性能AI半導体を設計 ロイター報道 (5月10日付け 日経 電子版 03:59)
→ロイター通信は9日、米エヌビディアが中国向けに性能を落としたAI半導体を設計していると報じた。米政府は4月に同社の中国向け製品「H20」を対中輸出規制の対象に加えた。規制に適合するように代替品を開発し、中国企業との取引継続を狙う。
 報道によると、エヌビディアは7月に新型のAI半導体の提供を始める。

今後のAI半導体関連の推移に注目、さらには関税&規制関連の落ち着き具合を見定めながら、当面の半導体販売高の分析を行うことになると思われる。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□5月6日(火)

10日ぶりの下げで始まって、前2日は下げ、次の2日は上げて、最後は持ち高調整の下げる推移となった今週の米国株式市場である。

◇NYダウとS&P500、10日ぶり反落 利益確定の売り (日経 電子版 07:11)
→5日の米株式市場でダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数がいずれも10日ぶりに反落した。トランプ米政権の関税政策をめぐる先行き不透明感がくすぶるなか、前週末までの株高で短期的な過熱感が生じていたこともあり、利益確定売りが優勢になった。
 ダウ平均は前週末比98ドル(0.2%)安の4万1218ドルで終えた。

□5月7日(水)

◇NYダウ続落389ドル安 関税への警戒、製薬株に売り (日経 電子版 06:25)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比389ドル83セント(0.94%)安の4万0829ドル00セントで終えた。トランプ米政権の関税政策に対する警戒から製薬株が下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を7日に控え、主力株には持ち高調整や利益確定目的の売りも出た。ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった。

中国では利下げが行われている。

◇中国が0.1%利下げへ 米中貿易摩擦に対応、景気下支え (日経 電子版 11:55)
→中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は7日の記者会見で、商業銀行への資金供給で用いる7日物の短期金利を1.5%から1.4%に0.1%引き下げる方針を明らかにした。市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率も0.5%引き下げる。

米中の関税&貿易交渉が行われようとしている。

◇US, China to hold ice-breaker trade talks in Geneva on Saturday―US, China to hold first trade talks (Reuters)
→米国と中国は、ドナルド・トランプ大統領が貿易戦争を開始して以来、初の正式な貿易協議を開催する予定だ。Scott Bessent財務長官とJamieson Greer米通商代表(USTR)がジュネーブで中国のHe Lifeng副首相と会談する。協議は緊張を緩和し、双方が課した関税に対処することを目的としており、企業は慎重な楽観論を表明している。

□5月8日(木)

米国では、利下げが見送りとなっている。

◇FRB議長、経済先行き「さらに不確実に」 利下げは見送り (日経 電子版 04:34)
→米連邦準備理事会(FRB)は7日開いたFOMCで政策金利の据え置きを決めた。トランプ米政権の高関税政策が景気と物価に与える影響を見極めるため、3会合連続で利下げを見送った。

◇NYダウ反発、284ドル高 FOMC通過で買い安心感 (日経 電子版 06:30)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比284ドル97セント(0.69%)高の4万1113ドル97セントで終えた。米国と中国が週内に貿易問題を巡る閣僚級の協議に入ることが決まり、米中の緊張が一段と高まるとの懸念が薄れたことから主力株に買いが入った。
 FOMCを無難に通過し、買い安心感が広がった。

□5月9日(金)

◇「米国売り」一服か、米英合意を好感 米株続伸・円1カ月ぶり146円台 (日経 電子版 08:55)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比254ドル(0.6%)高の4万1368ドルで終えた。同日に米英両政府が一部品目の関税引き下げを含む貿易協定の締結で合意し、日本など他国との関税協議の進展にも期待感が広がった。外国為替市場ではドルが買われ、対ドルの円相場は一時1ドル=146円台前半と約1カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。

□5月10日(土)

◇トランプ氏、対中関税「80%」で先手 10日から米中協議 (日経 電子版 05:49)
→ベッセント米財務長官と中国で経済政策を担当する何立峰副首相が10〜11日、スイスで初の協議を開く。トランプ米大統領は9日、対中関税を現在の145%から80%まで下げる案を突如示し、駆け引きを始めた。早期に緊張緩和を打ち出せるかが焦点だ。今回の米中協議は、第2次トランプ政権下では初めての貿易に関する閣僚級協議だ。

◇NYダウ反落、119ドル安 米中貿易協議前に持ち高調整 (日経 電子版 06:05)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比119ドル07セント(0.28%)安の4万1249ドル38セントで終えた。米政権の関税交渉を巡る進展期待から前日におよそ1カ月ぶりの高値を付けた後で、主力株の一角に利益確定の売りが出た。米中の貿易協議が始まるのを前に持ち高調整の売りも出やすかった。週間では68ドル安と、3週間ぶりに下落した。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

ファウンドリー・イベントから年次株主総会まで、新製品&新技術の取り組みをはさんで、インテル関連の動きである。

◇5 Takeaways From Intel’s Foundry Event―New processes, packages and alliances were among the hot topics (4月30日付け Substack)
→インテルはサンノゼで開催されたファウンドリー・イベントで、18Aはニッチな高性能用途に限定され、18A-Pはより広範なメインストリーム向けで、2026年に発売される予定であることを明らかにした。インテルはまた、苦境にあるファウンドリ事業を復活させるため、先進的なパッケージング技術とパートナーシップの拡大も発表した。
本イベントからの5つの収穫:
 1-Can Intel turn the foundry business around?
 2-Mature processes
 3-Advanced processes-3nm, 18A
 4-Future processes?14A, 14A-E
 5-New packaging technologies

◇Arrow Lake die shot shows off the details of Intel's chiplet-based design―Intel's Arrow Lake die shots reveal chiplet design―Arrow Lake might be slow in gaming, but the architecture is still a sight to behold under the hood. (5月5日付け Tom's Hardware)
→1)インテルのArrow Lakeアーキテクチャのダイ・ショットが公開され、インテルのチップレット(タイル)設計の全貌が明らかになった。Andreas Schiling氏は、Arrow Lakeを間近で撮影した複数の画像をXで公開し、Arrow Lakeの個々のタイルのレイアウトと、コンピュート・タイル内のコアのレイアウトを明らかにした。
  最初の写真は、インテルのデスクトップ向けCPU「Core Ultra 200S」シリーズのダイ全体を示しており、左上にコンピュート・タイル、下にIOタイル、右にSoCタイルとGPUタイルが配置されている。左下と右上には、構造的な剛性を高めるために設計された2つのフィラーダイがある。
 2)インテルのArrow Lakeアーキテクチャのダイ・ショットは、様々なTSMCノードで製造されたタイルによるチップレットベースの設計であることが、XへのAndreas Schiling氏の投稿によると明らかになった。
  タイルの詳細が示されており、熱的ホットスポットを減少させるための新しいコア構成が強調されている。

◇Three-Way Race To 3D-ICs―Foundries intensify 3D-ICs competition―Intel, TSMC, and Samsung are developing a broad set of technologies and relationships that will be required for the next generation of AI chips. (5月5日付け Semiconductor Engineering)
→1)Intel Foundry, TSMCおよびSamsung Foundryは、3D ICsの開発競争に投資し、最小限の電力使用で性能向上を目指している。3D-ICsの推進は、AIと高度なデータセンターの台頭とともに加速しており、新しい材料、熱管理ソリューションおよび電子設計自動化(EDA)ツールの変更が必要とされている。
 2)インテル、TSMC、およびサムスン・ファウンドリーは、性能と効率の大幅な向上を目標に、フル3D-ICsの実現に向けて競争している。成功の鍵は、新素材、メモリー戦略、相互接続、サーマルソリューション、およびAI搭載設計ツールにある。

◇低迷インテル、新CEO「技術経営に回帰」 後進NVIDIAに学ぶ (5月7日付け 日経 電子版 05:02)
→米インテルは6日、年次株主総会を開いた。新たにCEOに就いたリップブー・タン氏は株主に対し「官僚主義を廃し、技術主体の会社に生まれ変わる」と原点回帰を訴えた。大企業病に苦しむインテルは、後進ながら半導体の盟主となった米エヌビディアの経営から学び、改革に乗り出す。


【米国政府関連】

バイデン政権からトランプ政権に移って100日あまり、関税政策突きつけの市場への影響、そしてCHIPS法の先行きの論評である。

◇First 100 Days of Trump Tempest Hits Supply Chains (5月2日付け EE Times)
→2期目の最初の100日間で、トランプ大統領の積極的な「米国第一主義」の通商アジェンダは徹底的な関税を解き放ち、世界のエレクトロニクスのサプライチェーンを混乱させ、そして米国の製造業者と消費者に報復、市場の変動、そしてコストの上昇を引き起こした。

◇CHIPS Act and R&D - Who Will Pay for Leading Edge? (5月7日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→米国の半導体業界は現在、極めて重要な岐路に立っている。2024年2月、Gina Raimondo米商務長官は、CHIPS and Science Actへの投資により、10年後までに人工知能(AI)、量子コンピューティング、および機械学習(ML)などの先端技術や新興技術に使用される最先端ロジックチップのおよそ20%を米国で製造する軌道に乗せると宣言した。現在、米国の製造業者はこれらのチップを製造していない。CHIPS法の資金がほぼ完全に配分されたことで、米新政権は現在、これらの資金の配分に厳しい目を向けており、CHIPS法自体の有効性に疑問を投げかけ、資金がどこに流れたかを理解することに焦点を移している。半導体企業は、どの取引が実行され、どの取引が変更されるか、不透明なままだ。


【TSMCアリゾナ工場】

TSMCのアリゾナ工場の立ち上がり、そしてアリゾナ州の半導体ハブとしての台頭の関連が、以下の通りあらわされている。

◇Arizona: The Epicenter of Semiconductor Resurgence (5月5日付け 3DInCites)
→アリゾナ州は、強力な官民協力、TSMC、Apple、およびNvidiaからの大規模投資、そしてASUのAdvanced Packaging Centerのような新しい施設のおかげで、北米の半導体ハブとして急速に台頭している。セミコン・ウェストはフェニックスで毎年交互に開催される予定である。

◇Inside TSMC's cultural shift in Arizona (5月6日付け Axios)
→TSMCのアリゾナ・キャンパスは、米国の主要雇用主となるにつれ、台湾と米国の職場文化が融合しつつある。初期の文化的衝突や偏見を主張する訴訟にもかかわらず、現在では多くの現地採用社員が、TSMCの厳しく高いパフォーマンスの期待に応えて活躍している。

◇TSMC is booming in Phoenix - and it needs thousands of new workers (5月6日付け Axios)
→TSMCは今年初め、フェニックス・キャンパスを今後10年以上かけて3倍に拡張し、アリゾナ州最大の雇用者のひとつになると発表した。
 なぜそれが重要なのか: 同社が5年前にアリゾナへの進出を発表した際に約束した、数千人規模の高賃金・ハイテク雇用を確保するため、アリゾナ州は住民を結集させた。

◇TSMC is booming in Phoenix - and it needs thousands of new workers (5月6日付け Axios Phoenix)
→TSMCはPhoenixでの事業拠点を3倍に増やし、数千人を雇用する計画で、あらゆる背景を持つ労働者を訓練するための地域的な後押しに火をつけた。新しい実習制度と大学プログラムは、ハイテク労働力を構築し、米国のチップの独立性を確保することを目的としている。


【中国半導体業界関連】

28-nmファウンドリー生産、SMICの直近四半期業績、そしてHuaweiの先端半導体拠点整備、といずれも注目の内容、以下の通りである。

◇China's 28nm foundry capacity to hit 31% by 2027 as SMIC, HLMC, Nexchip ramp up―China is expected to hold 31% of 28nm foundry capacity by 2027 (5月5日付け DigiTimes)
→中国は、北京(Beijing)、深セン、上海臨港、および西青にあるSMICのファブ、無錫にあるHua Hong Semiconductor(華虹半導体)の第2期12インチ・ファブなど、主要拠点で成熟ノード・チップの生産を急速に拡大している。

◇Chipmaker SMIC reports 161% surge in first quarter profit―SMIC's Q1 profit increased 161% but missed estimates (5月8日付け Yahoo/Reuters)
→中国最大の受託チップ・メーカーであるSMICは木曜8日、第1四半期の利益が前年同期比で161.9%急増したと発表した。
 LSEGのデータによると、SMICのオーナーに帰属する利益は3月期に$188 millionに達したが、アナリスト予想の$222.4 millionを下回った。
 LSEGによると、売上高は市場予想の$2.3 billionに対し28.4%増の$2.2 billionだった。

◇SMIC’s Quarterly Profit Jumps on Robust Chip Demand (5月8日付け MSN)
→SMICの第1四半期純利益は、北京の景気刺激策と米中緊張下での早期受注に牽引され、2倍強の$188 millionとなった。売上げ目標には届かなかったものの、SMICの成熟チップへの注力とローカライゼーションの推進が市場の力強い上昇を後押ししている。

◇ファーウェイ、半導体生産 FT報道、自前で供給網拡大か (5月8日付け 日経)
→中国の通信機器大手、華為技術が中国南部、広東省深セン市にAI用などの先端半導体の生産拠点を整備していることがわかった。チップをはじめ製造設備も生産するとみられ、米半導体大手のエヌビディアなどに対抗する。
 英フィナンシャル・タイムズは衛星写真の分析や関係者の取材から、深センの本部近くに3工場を設けていると報じた。回路線幅7ナノの先端チップをつくる工場をはじめ、同社に関係があるとされる新興企業、新凱来技術(SiCARRIER)の製造設備の工場、昇維旭技術(SwaySure)によるメモリー半導体の工場だ。


【Infineon関連】

CoolSET SiPおよびCoolSiC MOSFETと、Infineonからの発表に注目、以下の通りである。

◇Infineon introduces compact CoolSET System in Package (SiP)―Infineon SiP controller streamlines power delivery―Infineon Technologies has announced the launch of its CoolSET System in Package (SiP). (5月2日付け New Electronics (UK))
→インフィニオン・テクノロジーズは、ユニバーサル電圧範囲で最大60ワットを効率的に供給するコンパクトなパワー・コントローラ、CoolSETシステム・イン・パッケージ(SiP)を発表した。このSiPは、高電圧MOSFET、ゼロ電圧スイッチングflybackコントローラーおよびその他のコンポーネントを統合しており、外付け部品の必要性を減らし、プリント回路基板のスペースを最小限に抑える。

◇Infineon launches CoolSiC MOSFET 750 G2 technology―Infineon's CoolSiC MOSFET 750 V G2 takes on efficiency (5月6日付け Electronics Weekly (UK))
→1)インフィニオンは、車載および産業用電力変換アプリケーションにおけるシステム効率の改善と電力密度の向上を実現するために設計されたCoolSiC MOSFET 750 V G2テクノロジーを発表した。
 2)インフィニオン・テクノロジーズは、産業用および車載用アプリケーションにおけるシステム効率と電力密度の向上を目的としたCoolSiC MOSFET 750 V G2を発表した。この技術は、幅広いR DS(on)値を特徴とし、熱性能とスイッチング損失の低減を実現するという。

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