TSMC関連:$100B米投資波紋、インテル製造部門共同出資、業績、ほか
TSMC関連の動きに注目させられており、まずは、先週月曜3日にホワイトハウスで発表された$100 billionの米国追加投資を巡って引き続く波紋である。次に、トランプ政権からの働きかけともされるが、インテルのファウンドリー製造部門への共同出資の動きであり、TSMCの米国大手顧客に参加の声掛けを行っているとあらわされている。その経営が苦境にあるインテルは、新しいCEOの人選が行われている。そして、TSMCの本年1月および2月の業績が発表され、当月販売高最高更新が続いているが、世界半導体販売高と同様、AI関連需要が大きく引っ張る現下の市況の先行きには目が離せないところがある。以下他にも、関連する動き&内容を取り出している。
≪米国での先端半導体製造に向かって≫
TSMCの$100 billionの米国追加投資について、波紋&反応が引き続いている。
先週末金曜に7日に出された米国・SIAからの本件についての発表が、次の通りである。
◇SIA Applauds TSMC’s Expanded Investment in U.S. Semiconductor Manufacturing (3月7日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA:半導体工業会)は本日、TSMCのC.C. Wei氏およびTrump大統領による今週の発表について、SIAのPresident and CEO、John Neuffer氏の以下の声明を発表した。TSMCは、先端半導体製造への米国投資を$100 billion増加して新たに総額$165 billion-する計画であり、3つの新しいfabs、2つの先端パッケージング施設およびR&Dセンターがある。
「TSMCとトランプ大統領による今週の発表は、米国の経済、サプライチェーンの安全保障、そしてAIやその他多くの未来の変革技術を推進する先端チップの国内生産にとって大きな勝利である。TSMCがトランプ大統領の最初の任期中に発表した最初の米国投資以来、半導体エコシステム全体の企業が米国にhalf-a-trillionドル以上の投資を約束している。我々は、TSMCが米国に果敢に投資したことを称賛し、米国の経済力、国家安全保障、および技術リーダーシップを促進する政策を推進するため、ワシントンの指導者たちと引き続き協力していくことを楽しみにしている。」
◇TSMC15兆円、供給先に接近 アップルやエヌビディア 半導体投資、北米回帰に協調 (3月8日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCが米国生産に大きく踏み込む。15兆円に上る巨額の追加投資の背景には、米トランプ政権による関税リスクの回避に加え、AIなど先端半導体の主要顧客である米アップルや米エヌビディアなどとの関係強化の狙いが透ける。
台湾について"silicon shield"とプレゼンスがよくあらわされるが、本件にも以下の通り引用されている。
◇TSMC’s US$100 billion deal sparks debate about nation’s ‘silicon shield’ (3月9日付け Taipei Times)
→TSMCのC.C.ウェイCEOは月曜3日、ホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領の隣に立って満面の笑みを浮かべた。世界で最も先進的な半導体の大半を製造するTSMCは、既存の$65 billionの米国での事業規模を$100 billion拡大することになる。
TSMCにとってこの取引は、トランプ大統領が世界のチップ産業に対して示唆した大規模な関税を回避できることを意味する。
◇Silicon shield to ‘global TSMC’ (3月10日付け Taipei Times)
→台湾経済の屋台骨を支えるのは中小企業だが、TSMCのような大企業は、台湾の産業構造、経済発展および世界的地位の形成に重要な役割を果たしている。
同社は昨年第4四半期に、前年同期比57%増の3746億8000万台湾ドル(約$11.41 billion)という過去最高の純利益を計上し、売上高は39%増の8684億6000万台湾ドルに達した。
本追加投資のインパクトについて、以下の評論が見られている。
◇Chip partnership ‘positive’: AIT head (3月11日付け Taipei Times)
→*CLOSENESS:TSMCの$100 billion投資発表は、台米パートナーシップと戦略的協力の深化を反映している、とAIT所長のRaymond Greene氏
*半導体分野における台米関係は 「ゼロサム 」ゲームではなく、「プラスサム」ゲームであるとAIT(American Institute in Taiwan)のレイモンド・グリーン所長は述べ、米国と台湾は壊れることのないパートナーシップを築いていると付け加えた。
グリーン所長は、金曜日に行われたLiberty Times(台北タイムズの姉妹紙)の独占インタビューでこのように発言し、昨日の中国語新聞に掲載された。
◇TSMC investment the right move (3月12日付け Taipei Times)
→先週月曜3日、TSMCが米国に$100 billionを追加投資すると発表し、トランプ大統領を大いに喜ばせた後、記者団は再びトランプ大統領に中国が台湾を侵略する問題について質問した。トランプはこれに対し、「台湾で何かが起これば、米国は大きな影響を受けるだろう 」と答えた。つまり、TSMCが米国の生涯のパートナーになることを望んでいる場合、トランプ氏のコミットメントのレベルは高まるようだ。
次に、インテルのファウンドリー製造部門への共同出資について、業界各紙の取り上げが次の通りである。あくまで協議、声掛けの段階であり、どう落ち着くか、今後に注目するところである。
◇TSMC discussing Intel jv, reports Reuters (3月12日付け Electronics Weekly (UK))
→ロイター通信によると、TSMCはインテル・ファウンドリーを買収するために、Nvidia、Broadcom、QualcommおよびAMDとの合弁について協議している。
◇TSMC seeks Intel foundry stake in joint venture with Nvidia, AMD, Broadcom, and Qualcomm―TSMC would run Intel's foundry division operations (3月12日付け TechSpot)
TSMCは、Nvidia、AMD、Broadcom、およびQualcommとともにインテルのファウンドリー事業に出資する合弁事業を提案していると報じられている。我々は、TSMCがインテルの工場の一部または全部に目をつけているという話を数週間前から聞いており、トランプ政権は、該台湾のチップ大手が問題を抱えた米国企業の再建を支援するよう要請している。
◇TSMC has pitched Nvidia, AMD, Broadcom about joint venture to run Intel foundry: sources (3月12日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*情報筋によると、ドナルド・トランプ米大統領は、アメリカの先端製造業を活性化させるため、インテルの復活に意欲を見せている。
*TSMCは、米国のチップ設計会社であるNvidia、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)およびブロードコムに、インテルの工場を運営する合弁会社への出資を持ちかけていると、本件に詳しい4人の情報筋が語った。
◇TSMC reportedly proposes joint venture for Intel's foundry division (3月12日付け DigiTimes)
→TSMCは、Nvidia、AMD、Broadcom、およびQualcommなどの企業を巻き込み、インテルのファウンドリー部門を運営する合弁事業を提案していると報じられている。この計画では、TSMCが50%以上の株式を保有することはなく、同部門が完全な外資系にならないようにするとしている。
最近の動きでは、TSMCとインテルが、インテルの製造部門を中心に協業や投資を行う可能性が注目されている。
◇TSMC pitched Intel foundry joint venture to Nvidia, AMD, Broadcom: sources―Reports: TSMC proposes Intel foundry JV to industry heavyweights (3月12日付け The Korea Times (Seoul))
→1)本件に詳しい4人の情報筋によると、TSMCは米国のチップ設計会社であるNvidia、Advanced Micro Devices(AMD)およびBroadcomに、インテルの工場を運営する合弁会社への出資を持ちかけているという。この提案では、該台湾の大手チップメーカーが、顧客のニーズに合わせてチップを製造するインテルのファウンドリー部門の運営を行うが、50%以上を所有することはないという。情報筋の1人と別の情報筋によると、クアルコムもTSMCから売り込みを受けているという。
2)情報筋によると、TSMCは、インテルのファウンドリー部門との合弁事業を提案し、米国のチップ設計会社であるエヌビディア、AMD、ブロードコムおよびクアルコムを利害関係者として巻き込むと報じられている。情報筋によると、TSMCはファウンドリーを米国所有に保つため、50%以下の株式取得を目指しているという。
◇TSMC、米社にインテル製造部門の共同出資提案 英報道 (3月13日付け 日経)
→英ロイター通信は12日、半導体世界大手のTSMCが複数の米半導体大手に対し、米インテルの工場を運営する会社に共同出資する案を持ちかけたと報じた。米エヌビディア、米AMD、米ブロードコムに申し入れた。
TSMCは、本報道について沈黙を保っている、と次の通りである。最先端は台湾で維持、という同社の基本スタンスを思い起こしている。
◇TSMC mum on Intel link report (3月13日付け Taipei Times)
→*リーク源は?TSMCがインテルの工場を運営する合弁会社を設立した場合、技術流出の可能性が懸念されるとアナリストが述べた。
*TSMCは昨日、インテル社の工場を運営する合弁会社への出資について、チップ設計会社のエヌビディア社、AMD社およびブロードコム社に働きかけているとの報道を受けて、沈黙を守った。
業界筋が中央通信社に語ったところによると、TSMCは常にコアビジネスに集中しているため、同社がインテルのウェハ工場運営を提案する可能性は低いという。
そして、直近この1月〜2月のTSMCの業績が以下の通りあらわされている。
◇TSMC Q1 revenue nears low, AI surges, responds to discrimination claims―TSMC's Q1 revenue dropped amid challenges; AI remains a bright spot (3月10日付け DigiTimes)
→TSMCの2025年2月の連結売上高は約2,600億9,000万台湾ドル($7.93 billion)で、1月から11.3%減少した。しかし、この数字は2024年同期比では43.1%の大幅増となる。1〜2月累計では5,532億9,700万台湾ドルに達し、前年同期比39.2%増となった。TSMCは1月の決算説明会で、第1四半期の売上高(米ドルベース)を$25 billion〜$25.8 billionと予想し、前四半期比4〜7%減とした。
◇Chipmaker TSMC’s sales quicken in first 2 months of 2025 in upbeat note for AI (3月10日付け South China Morning Post)
→*世界最大の受託チップメーカー、1〜2月期の売上高合計は$16.8 billion
*TSMCは、AI開発を後押しする顧客Nvidiaのチップに対する需要が回復していることを示すように、2024年から急速に増加し、今年の最初の2ヶ月で売上高が39%増加した。世界最大の受託チップメーカーであるTSMCの1〜2月の売上高は、合計で5,533億台湾ドル($16.8 billion)だった。これは2024年通年の成長率34%と比較すると高い。アナリストは平均して、今四半期は約41%の成長を予測している。
◇TSMC’s revenue rises 39%, spurred by AI demand (3月11日付け Taipei Times)
→TSMCの1〜2月期の売上高は前年同期比39.2%増となり、AI開発を支えるエヌビディア社のチップに対する需要が回復していることを示す形で、昨年から急速に増加した。TSMCの1〜2月期の売上高は5,533億台湾ドル($16.81 billion)だった。これは昨年通年の34%増と比較すると高い成長率である。
◇TSMC、2月も売上高最高 台湾で8000人採用 (3月11日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCが10日発表した2025年2月の売上高(速報値)は前年同月比43.1%増の2600億台湾ドル(約1兆1600億円)だった。生成AIを動かすサーバー向けなどに先端半導体の販売好調が続き、同月として過去最高となった。売上高が前年同月比でプラスとなるのは14カ月連続。日数が少ないこともあり、前月比では11.3%減だった。8日には25年に台湾で約8000人の人材を採用するとの計画を公表した。
昨年2024年第四四半期でも、TSMCの世界ファウンドリー事業シェアがさらに高まる結果となっている。
◇TSMC remains top chip foundry as sales rise 14% (3月12日付け Taipei Times)
→*LAGGARD:サムスンの前四半期売上高は1.4%減、新規顧客からの受注増が主要顧客からの受注減を相殺できず
*TSMCは、昨年第4四半期に世界のウェーハファウンドリー事業でトップの座を維持し、2位のSamsung Electronics Coに対するリードを広げたと、TrendForceが月曜10日のレポートで発表した。
台北を拠点とする該市場調査会社によると、TSMCの10-12月期の売上高は$26.85 billionで、前四半期から14.1%増加し、市場シェアは前四半期の64.7%から67.1%に上昇した。
先週の本欄では、米国・SIA発表の月次世界半導体販売高を示しているが、AIが大きく引っ張る現下の市場の先行きは見通し難いところがある。TSMCの販売高も、少なからず通ずるところがあるものと思われる。
その他、TSMC関連のいろいろな切り口の内容を以下取り出している。
◇Former TSMC chairman made Micron AI director (3月8日付け Taipei Times)
→台湾セミコンダクタTSMCのMark Liu前会長が、米DRAMチップ・サプライヤー、Micron Technology社の役員会に任命された。
劉氏の役割は、同社のAI開発の強化に注力することである、と同社は述べている。
◇TSMC to launch large-scale talent recruitment drive (3月9日付け Taipei Times)
→世界最大の受託チップメーカーであるTSMCは昨日、今年8,000人の採用を検討していると発表、該ハイテク大手が競合他社に対するリードを維持するために生産能力を拡大しているこの時期に、である。
政府統計によると、TSMCは人材を確保するため、台湾全土のキャンパスで大規模な採用キャンペーンを展開する。修士号を取得した新卒エンジニアの平均給与は220万台湾ドル($60,912)で、2023年の同カテゴリーの全国平均給与70万9000台湾ドルを大幅に上回る。
Meta社の社内AI訓練用半導体の製造も、TSMCと共同とあらわされている。
◇Meta begins testing its first in-house AI training chip―Meta tests in-house chip for AI training with TSMC (3月11日付け Yahoo/Reuters)
→Meta社は、Nvidia社や他の外部サプライヤーへの依存を減らすため、AIシステムのトレーニング用自社製チップのテストを開始した。このチップはMeta Training and Inference Acceleratorシリーズの一部で、TSMCと共同で製造されており、より広範囲に使用できるよう拡張される可能性がある。
◇Meta begins testing its first in-house AI training chip (3月12日付け Taipei Times)
→FacebookのオーナーであるMeta Platforms社は、AIシステムをトレーニングするための初の自社製チップをテストしている。これは、自社製カスタム・シリコンの設計を増やし、エヌビディア・コーポレーションのような外部サプライヤーへの依存を減らすための重要なマイルストーンである、と2人の情報筋がロイターに語った。
◇TSMC and MediaTek demo 1st integrated PMU and PA for wireless connectivity devices on N6RF+―MediaTek, TSMC showcase integrated PMU on N6RF+ process (3月12日付け DigiTimes)
→メディアテックとTSMCは共同で、TSMCのN6RF+プロセス上で、シリコン実証済みのパワー・マネージメント・ユニット(PMU)と統合パワー・アンプ(iPA)を初めて披露した。この成果により、これら2つの重要なコンポーネントをシステム・オン・チップ(SoC)に統合することが可能になった。
TSMCを巡る様々な動きに引き続き注目である。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□3月7日(金)
トランプ政権の関税はじめ経済政策の不透明感が、以下を通して厚く覆う様相となっている。
◇Powell: Fed in wait-and-see mode on White House priorities―Powell: Fed to stay patient amid policy uncertainty (American Banker)
→米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、トランプ政権の通商政策や財政政策に対する不透明感を理由に、金利変更に慎重な姿勢を示した。インフレは緩和しているが、FRBはスタンスを調整する前に、より明確な経済シグナルを待つとパウエル議長は述べた。
□3月9日(日)
特に「過渡期」というトランプ大統領の言い回しが、景気後退の可能性のニュアンスを誘発している模様である。
◇Trump declines to rule out recession amid tariffs’ effects on markets―Trump says US in "transition," doesn't rule out recession (The Washington Post)
1)トランプ大統領の経済的混乱に対する認識は、これまでの同氏の政策に対する喝采から一転するものであり、日曜9日には同氏自身のアドバイザーが安心感を与えているのとは対照的であった。
2)ドナルド・トランプ大統領は、アメリカ経済は「過渡期」にあるとしているが、関税政策や連邦政府の人員削減によって市場が混乱するなか、景気後退の可能性も否定していない。今年の景気後退を予想しているかとの質問に対し、「そういうことを予測するのは嫌いだ。」「われわれがやっていることは非常に大きなことなので、過渡期がある。」
□3月11日(火)
◇NYダウ一時1100ドル安 トランプ氏、景気後退否定せず (日経 電子版 07:37)
→10日の米株式市場で株売りの動きが加速し、ダウ工業株30種平均の前週末比下げ幅は一時1100ドルを超えた。米メディアのインタビューでトランプ米大統領が関税引き上げや政府支出の大幅削減に伴う景気後退の可能性を否定しなかったと受け止められ、市場参加者の不安心理が高まった。マネーは米国債に向かっている。
□3月12日(水)
◇NYダウ続落478ドル安 停戦期待も、関税不透明感が重荷 (日経 電子版 06:36)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比478ドル(1.1%)安の4万1433ドルで終えた。トランプ米大統領による関税政策の不透明感から景気懸念が拡大し、一時1100ドル超下げた10日に続き大きく下がった。ウクライナとロシアの停戦交渉が進むとの期待は相場を一時的に下支えしたが、買いは続かなかった。
□3月13日(木)
米国に対する報復関税の発表が行われている。
◇EU・カナダが対米報復関税 崩せぬ強気、景気失速リスク (日経 電子版 05:06)
→トランプ米政権の関税発動に報復する動きが広がっている。12日、欧州連合(EU)とカナダがそれぞれ、米国に対する報復関税を発表した。各国・地域とも世界経済の中心である米国との全面対決は避けたいのが本音だが、対抗措置は取らざるを得ない。報復の連鎖が続けば、各国とも景気が失速するリスクが高まる。
◇NYダウ3日続落、82ドル安 米関税政策への警戒解けず (日経 電子版 05:56)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比82ドル55セント(0.19%)安の4万1350ドル93セントと昨年9月以来の安値で終えた。
米政権の関税政策や貿易摩擦への警戒感が引き続き相場の重荷だった。半面、値ごろ感から一部のハイテク株に見直し買いが入り、相場を下支えした。
□3月14日(金)
◇米株537ドル安、SP500「調整相場」入り 関税警戒強く (日経 電子版 06:26)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比537ドル(1%)安の4万813ドルで終えた。4日続落し、合計の下げ幅は1988ドルに広がった。
S&P500種株価指数は直近高値の2月19日比で10%下落し、調整相場に入った。トランプ米大統領による関税政策の不透明感から景気懸念が拡大し、株売りが続いている。
□3月15日(土)
2週連続の大幅下落から、自律反発を期待しての反発、上げて締めた米国株式市場である。
◇NYダウ大幅反発、674ドル高 自律反発期待の買い (日経 電子版 06:51)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比674ドル62セント(1.65%)高の4万1488ドル19セントで終えた。ダウ平均は700ドルあまり上昇する場面があった。米国の関税政策による物価の上昇や景気の悪化への警戒から、前日までに米株式相場が大幅に下落したあとで、主力株を中心に自律反発を見込んだ買いが膨らんだ。
週間では2週連続で下落した。下げ幅は1313ドルと、2023年3月上旬以来の大きさとなった。
≪市場実態PickUp≫
【インテルの新CEO】
今後に向けた最高経営責任者(CEO)の人選が待たれていたインテルであるが、今週の水曜12日にLip-Bu Tan氏任命が発表され、以下業界各紙の各様の取り上げである。
◇Intel has a new CEO―Intel taps industry veteran Lip-Bu Tan as CEO―Lip-Bu Tan, formerly CEO of a chip design services company, takes over on March 18th. (3月12日付け The Verge)
→インテルは、Pat Gelsinger氏の退任から3ヶ月後に、Lip-Bu Tan氏をCEOに任命した。タン氏は半導体業界のベテランで、以前はインテルの取締役を務め、ケイデンス・デザイン・システムズ社のCEOを務めていたが、このほど、2024年に$18.8 billionの損失を計上するなど、インテルの財務上の苦境を立て直すという課題に直面していく。
◇Intel's new CEO: Chip world veteran Lip-Bu Tan (3月12日付け The Register (UK))
→*x86の巨人をかつての栄光へ、誰もうらやまない仕事だ
*インテルは、ファウンダリ事業から派生する損失の拡大を克服しようと苦闘している中、元ケイデンスCEOでインテル取締役会メンバーのリップ・ブー・タンを、経営難に陥っているx86チップメーカーのトップに抜擢した。
*水曜12日の午後に発表されたこの発表は、パット・ゲルシンガー氏が後継者不在のまま突然最高経営責任者を解任されてからわずか3ヶ月余り後のことである。
◇Intel appoints Lip-Bu Tan as CEO to orchestrate turnaround at struggling chipmaker, stock jumps 12% (3月12日付け CNBC)
→*インテルは2日、Lip-Bu Tan氏を新CEOに指名したと発表した。
*タン氏は以前、インテル社を含むすべての主要チップ設計者が使用するソフトウェアを製造するケイデンス・デザイン・システムズ社のCEOを務めていた。
*タン氏の就任は、Pat Gelsinger氏がCEOを辞任してから3ヵ月後のことである。
◇Intel appoints new CEO (3月12日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Lip-Bu Tan(リップ=ブー・タン)氏が水曜12日、インテル社のCEOに就任した。
経営難に陥ったチップメーカーが、Pat Gelsinger氏の退任から3ヶ月半後に任命した。
論評がいろいろ続いている。
◇Opinion: A Sigh of Relief as Lip-Bu Tan is Appointed CEO of Intel (3月12日付け EE Times)
→12月にPat Gelsinger CEOを不本意ながら更迭した経営不振のチップメーカー、インテルは、業界のベテランで長年ケイデンス社のCEOを務めてきたLip-Bu Tan氏を新CEOに任命した。
タン氏は、2009年から2021年までケイデンス社のCEOを務めたEDAの世界出身の人物だ。大手EDA企業(3社しかない)は、ファブレス半導体企業とそのチップを製造するファウンドリーを結びつける接着剤であるため、業界ではやや特殊な立場にある。IDMであるインテルは、自社チップの設計と製造の両方を行っており、まもなくファウンドリー、つまり他社向けチップの製造も行うことになる。
◇Intel’s New CEO Called ‘Strong Choice’ to Respin Compan (3月13日付け EE Times)
→*Intelの新CEO、Lip-Bu Tan氏は苦境にあるチップメーカーの再建を目指す。
*EE Timesの取材に応じたアナリストによると、Intelの新CEO、Lip-Bu Tan氏は、苦境にある米チップメーカーを立て直すのに良い選択だという。
業界のベテランであるTan氏は、2024年8月に退任した後、Intelの取締役会に再び参加すると、同社は昨日の発表で述べた。同氏は暫定共同CEOsのDavid Zinsner氏とMichelle Holthaus氏の後任となる。ジンスナー氏はエグゼクティブ・バイスプレジデント兼CFOのポジションを維持し、ホルタウス氏は引き続きインテル・プロダクツのCEOを務める。
◇Lip-Bu Tan is Intel CEO―Lip-Bu Tan is to be the CEO of Intel from March 18th (3月13日付け Electronics Weekly (UK))
→この前取締役は昨年8月、「肥大化した」従業員、「リスク回避の文化」および説得力のあるAI戦略の欠如への不満を理由に辞任した。
◇インテル、新CEOにタン氏 元取締役を再び招く (3月13日付け 日経 電子版 07:29)
→米インテルは12日、不在となっていたCEOに半導体設計支援ソフトの米ケイデンス・デザイン・システムズ元CEOのリップブー・タン氏が就くと発表した。経営が苦況に陥るなか、半導体に精通する人物を経営トップに起用して立て直しを狙う。
タン氏は18日付でインテルCEOに就任する。2022年にもインテルの取締役になったが、24年に退任していた。
◇Intel pops 14% as chipmaker taps new CEO, Wall Street backs turnaround effort (3月13日付け CNBC)
→*Lip-Bu Tan氏の新CEO就任を発表したインテルの株価は14%以上も上昇した。
*ウォール街は、事業再生のためのチップメーカーの試みに喝采を送り、会社にとってプラスになる動きだと評価した。
*このニュースにより、数十億ドルの市場価値を失った、低迷するアメリカのチップメーカーの波乱に終止符が打たれた。
◇インテルCEOに半導体のプロ 設計・製造くすぶる分割論 (3月13日付け 日経 電子版 12:49)
→経営不振の米インテルが、半導体のプロに再建を託す。3カ月不在だったCEOに元取締役のリップブー・タン氏が就くと12日に発表した。長期戦略を判断する環境がようやく整うが単独成長を目指す道は険しく、半導体製造部門を分割する案もくすぶる。
◇Intel reaches 'exciting milestone' for 18A 1.8nm-class wafers with first run at Arizona fab―Intel begins 18A wafer production ahead of schedule ―For now, its only test wafers (3月14日付け Tom's Hardware)
→市場全体がLip-Bu Tan氏のインテル最高経営責任者(CEO)就任に注目している中、今週、同社ではもうひとつ大きな動きがあった: 最初の18A(1.8nmクラス)ウェハーがインテルのアリゾナ工場で稼働しているのだ。アリゾナにあるインテルのFab 52とFab 62は大量生産施設であるため、そこで18Aファブを稼働させることは同社にとって大きなマイルストーンとなる。
◇Intel Appoints Lip-Bu Tan as Chief Executive Officer (3月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→インテル コーポレーションは本日、取締役会において、半導体業界で豊富な経験を持つ優れたテクノロジー・リーダーであるLip-Bu Tan氏を3月18日付でCEOに任命したと発表した。David Zinsner暫定共同CEOとMichelle (MJ) Johnston Holthaus暫定共同CEOの後任となる。タン氏はまた、2024年8月に取締役を退任した後、インテル取締役会に復帰する。
◇Intel names tech industry veteran Lip-Bu Tan CEO (3月14日付け Taipei Times)
→インテル社は水曜12日、ハイテク業界のベテラン、Lip-Bu Tan氏を新CEOとして発表し、AI競争で追い上げを図る米コンピューター・チップ・メーカーの株価を押し上げた。タン氏はインテルのチームに対し、エンジニアリングに重点を置くと述べ、同社が直面する課題を克服するのは「容易ではない」と語った。
マレーシア生まれのタン氏は、来週火曜18日からインテルのチーフに就任するという。
いろいろ期待&見方に包まれる中のスタートに注目である。
【Embedded World 2025】
3月11日〜13日、Nuremberg, Germanyで開催のEmbedded World 2025での以下の内容に注目している。
◇AMD unveils Zen 5c embedded processors, 9005 EPYC series optimized for edge computing―AMD releases 5th-gen Epyc embedded processors―The warranty of EPYC Embedded 9005 series CPUs has also been extended from five to seven years (3月11日付け Tom's Hardware)
→AMDは、Zen 5およびZen 5cアーキテクチャを採用し、AIおよびデータ・ストレージ・アプリケーションのパフォーマンスを向上させる第5世代Epyc Embedded 9005シリーズ・サーバー・グレード・プロセッサーを発表した。SP5ソケットに対応するこのプロセッサは、最大192コア、128 PCIe Gen 5レーン、CXL 2.0およびDDR5-6400メモリを提供する。
◇AMD extends lifetime of 5th generation EPYC embedded processors (3月11日付け EeNews Europe Analog)
→AMDは、動作寿命を延長して第5世代Zenアーキテクチャを採用したEPYC 64ビットx86組込みプロセッサーの製品ラインを発表した。
AMDは、EPYC Embedded 9005シリーズCPUsを5年ではなく、7年間稼働させ、組込みアプリケーション向けに7年間製品を提供することを目指している。
◇Unveiled today at Embedded World, AMD Shakes Up Chip Architecture In New Server-Grade Embedded Processors―Cisco and IBM have already adopted the CPUs with their “Zen 5” architecture, which offers server-grade performance and efficiency. (3月12日付け All About Circuits)
→AMDは本日、Embedded World 2025において、最新の第5世代EPYC組み込みプロセッサ、AMD EPYC Embedded 9005シリーズ(「Embedded Turin」とも呼ばれる)を発表した。これらのプロセッサーは、AMDの先進的な「Zen 5」および「Zen 5c」アーキテクチャを活用し、人工知能(AI)ワークロードやデータ・ストレージの大幅な増加によって高まる需要に対応する。
◇Embedded World: ‘World’s smallest MCU’, and it’s 32bit―TI declares world's smallest 32-bit microcontroller (3月12日付け Electronics Weekly (UK))
→1)テキサス・インスツルメンツ(TI)は、8パッドDSBGA(ダイ・サイズ・ボール・グリッド・アレイ)パッケージで1.6×0.86mm(1.38mm2)の最新MCUについて「世界最小」を謳っている。
2)テキサス・インスツルメンツ(TI)は、8パッドのDSBGAパッケージで1.6×0.86mmという世界最小のマイクロコントローラ(MCU)を発表した。その小さなサイズにもかかわらず、24MHzの32ビットArm Cortex-M0+プロセッサーをサポートし、複数のADCチャンネルとシリアル・インターフェースを備えている。
【ASML関連】
北京での拠点開設、およびimecとの戦略的連携について、半導体製造装置メーカー、ASMLの以下の動きである。
◇ASML will open Beijing facility despite US sanctions on China―ASML to open Beijing facility amid US-China trade tensions ―Center will reuse and recondition systems returned from field (3月10日付け The Register (UK))
→チップ製造装置メーカーのASMLは、米ワシントンと北京の貿易摩擦が高まる中、今年中に中国に新たな施設を開設する予定だ。
先端リソグラフィ装置のサプライヤーであるASMLは、最新の年次報告書で、2025年に北京を拠点とするReuse & Repair Centerの開設を目指していることを明らかにし、台湾と並ぶ最大の市場として中国の重要性を認識している。
◇ASML and imec Sign Strategic Partnership Agreement (3月11日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→ASMLと、ナノエレクトロニクスおよびデジタル技術の研究・イノベーション拠点であるimecは本日、研究と持続可能性に焦点を当てた新たな戦略的パートナーシップ契約を締結したことを発表した。契約期間は5年間で、ASMLとimecのそれぞれの知識と専門性を結集することにより、2つの分野で価値あるソリューションを提供することを目的としている。第一に、半導体産業を発展させるソリューションの開発、第二に、持続可能なイノベーションに焦点を当てたイニシアティブの開発である。
◇ASML teams up with Imec for sub-2nm process technologies with High-NA EUV chipmaking tools―ASML, Imec partner on sub-2nm process tech―Imec will now have its own High-NA EUV tool. (3月12日付け Tom's Hardware)
→ASMLとImecは、2ナノメートル以下のプロセス技術に特化した5年間のパートナーシップを締結し、ImecはHigh-NA極端紫外線(EUV)システムを含むASMLの先進的なリソグラフィ、計測および検査ツールにアクセスできるようになった。この提携は、半導体技術開発を加速させることを目的としている。
◇ASML and imec sign partnership to boost sub-2nm R&D in Europe (3月12日付け DigiTimes)
→ASMLとimecは、半導体研究の推進と持続可能なイノベーションの促進を目的とした5年間の戦略的パートナーシップ契約を締結した。この協業は、両組織の専門知識を結集し、持続可能性に関する主要な課題に取り組みながら、半導体産業に利益をもたらすソリューションを提供するものである。
【中国での動き】
RISC-Vオープンソース半導体設計への国としての取り組み、半導体製造装置メーカー、Nauraの台頭、など中国における半導体関連の現下の動きが以下の通りである。
◇China ‘mass produces’ semiconductor-related papers (3月8日付け Asia Times)
→*中国トップ外交官、米国の輸出規制を非難し、中国はグローバル・サウスと技術を共有すると発言
*中国は半導体研究をリードし、2018年から2023年までに16万以上の論文を発表、これは米国、インド、および日本の合計よりも多い。しかし、引用回数では米国の研究が上位にランクされ、研究成果ではサムスンとインテルが中国企業を上回っている。
◇China all in on RISC-V open-source chip design (3月10日付け Asia Times)
→*オープン・アーキテクチャがハイエンド・チップ市場におけるアーム、インテルおよびNvidiaの牙城を崩すと同時に、米国の輸出規制の有効性を低下させる
*ロイター通信によると、中国政府は、今後数週間以内に発表されるかもしれない新しいガイドラインの下で、オープンソースのRISC-V集積回路(IC)設計標準の全国的な使用を促進する計画だという。ロイターの報道によると、中国のサイバースペース管理局、工業情報化部、科学技術部および国家知識産権局がすべて関与しているという。
◇China Bets on Homegrown Chip Tech With RISC-V Push―Beijing intensifies promotion of open-source architecture amid semiconductor tensions (3月11日付け EE Times)
→北京は、オープンソースのチップアーキテクチャーであるRISC-Vの採用を促進するため、重要な新ガイドラインを導入、中国が欧米の半導体技術への依存を減らすための断固とした動きである。
この戦略的な政策イニシアチブは、中国サイバースペース管理局(Cyberspace Administration of China)や工業情報化部(Ministry of Industry and Information Technology)など、影響力のある8つの政府機関の連合によるものである。
◇China’s Naura climbs the ranks of world’s top chipmaking equipment suppliers (3月12日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*ナウラ、2024年の売上高で世界トップ半導体装置ベンダー中6位、前年の8位から上昇
*中国の大手チップツールメーカーが米国の技術規制強化に備える中、Naura Technology Groupが2024年の世界最大の半導体装置サプライヤーのランキングで順位を上げた。
中国の半導体調査会社、CINNOが先週発表したレポートによると、北京に本社を置くNauraは昨年、世界の半導体製造装置サプライヤーの中で売上高で6位にランクされ、業界のトップ10に初めて入った2023年の8位から上昇した。
◇[News] China’s Chip Equipment Giant Naura Tech Acquires Stake in Kingsemi amid Local Industry Integration (3月13日付け Trend Force)
→ijiweiやEconomic Daily Newsによると、中国の半導体業界は、米国の緊張の中で統合を加速させている。同国のチップ装置大手、Naura Technologyが、地元のフォトリソグラフィ成膜装置メーカー、Kingsemiの株式9.5%を16億9000万人民元($232.8 million)で取得する計画である。
◇GlobalFoundries explores manufacturing partnerships in China―GlobalFoundries eyes China for semiconductor partnerships (3月14日付け DigiTimes)
→モルガン・スタンレーのTech, Media & Telecom 2025にて、グローバルファウンドリーズは中国での製造パートナーシップを模索する計画を発表した。この動きは、特に自動車分野での半導体の現地生産に対する需要の高まりに応えるもの。
【韓国での動き】
Samsungが大半であるが、韓国における半導体関連の現下の動きを以下の通り取り出している。
◇Samsung eyes Exynos 2600 comeback, challenging Qualcomm, Mediatek―Samsung plans Exynos 2600 resurgence (3月12日付け DigiTimes)
→サムスン電子は高度なチップ製造プロセスの歩留まりを安定させ、次世代SoC「Exynos 2600(エクシノス2600)」に対する楽観的な見方を強めていると報じられている。この開発により、Galaxy Sシリーズ・デバイスにおけるクアルコムの支配を打ち破って、新たな形にもっていける。
◇Samsung Electronics, SK hynix's China sales grow in 2024 (3月12日付け Yonhap News Agency)
→韓国の大手チップメーカーであるサムスン電子とSKハイニックスは、米国との貿易摩擦が続く中、北京政府の景気刺激策により、昨年中国での売上が拡大したことが、水曜12日に発表されたデータで明らかになった。サムスン電子の年次財務報告書によると、同社は昨年64兆9000億ウォン($44.8 billion)相当の製品を中国に輸出し、前年の42兆3000億ウォンから53.9%増加した。
◇Samsung pins foundry revival hopes on 4nm―Samsung targets late 2024 for fourth-generation 4nm process (3月13日付け DigiTimes)
→サムスン電子は、2024年後半までに第4世代4nmプロセス(SF4X)を量産することを目標に、先端ファウンドリーの推進を強化している。
◇Chip industry unsatisfied with 6-month exemption from 52-hour workweek law―Employers call for legislation of special law amid labor union's opposition (3月13日付け The Korea Times)
→この国(韓国)のチップメーカーは、現在の3ヶ月免除から増して、現行の週52時間労働法から最大6ヶ月の特別免除を認めるという政府の計画に満足していない。
同国のチップメーカーは、半導体研究者を最大3年間、週52時間労働法から除外できる特別免除を設ける法案をまだ主張している。
◇Samsung reportedly advances development of glass interposers to boost semiconductor performance―Reports: Samsung's glass interposers to target chip performance (3月14日付け DigiTimes)
→サムスン電子が次世代パッケージング素材「ガラス・インターポーザー」の開発に着手したと報じられている。現在半導体製造に使用されている高価なシリコンインターポーザーを置き換えることを狙った動きである。