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インテルの分割取引の可能性を巡る波紋;中国半導体関連の盛り返し

政治経済そして半導体業界と、いろいろ揺れ動きが見られ、週の前半で受け止めた2つを取り上げている。業界各紙の報道より、トランプ政権の要請があってTSMCがインテルの米国工場への運営参画を検討しているとまず伝えられ、それが進むのであれば、Broadcomがインテルのチップ設計・販売事業への入札について非公式な協議を行っているとされている。長年の半導体業界トップリーダー、インテルを巡る動きに、一層目が離せないところである。
一方、中国では、Huaweiの三つ折りスマホ発表、そしてメモリ事業の台頭など、盛り返す動きに注目させられている。その他、マイクロソフトの量子コンピュータ用半導体、Appleの自社製5Gモデム、と相次ぐ注目である。

≪相次ぐ波紋&波乱含みの動き≫

確定した内容ではなくあくまで可能性という前提であるが、インテルを巡る動きについて、以下業界各紙の取り上げ、あらわし方である。

◇Broadcom, TSMC Weigh Possible Intel Deals That Would Split Storied Chip Maker―Broadcom has interest in Intel’s chip-design business, while TSMC is looking at the company’s factories (2月15日付け The Wall Street Journal)
→インテルのライバルであるTSMCとブロードコムは、それぞれアメリカのチップ製造の象徴を二つに割るような取引の可能性を狙っている。
この問題に詳しい関係者によると、ブロードコムはインテルのチップ設計とマーケティング事業を綿密に調査している。ブロードコムはアドバイザーと非公式に入札を検討しているが、インテルの製造事業のパートナーを見つけた場合にのみ入札を行う可能性が高い、と関係者は述べている。

◇TSMC Considers Running Intel’s US Factories After Trump Team Request (2月15日付け Yahoo! Finance)
→TSMCは、トランプ政権の要請を受け、インテル社の工場への出資を検討しており、大統領はアメリカの製造業を強化し、重要な技術におけるアメリカのリーダーシップを維持しようとしている、と、この問題に詳しい関係者が語った。

◇TSMC、インテル米工場の運営参画を検討 米報道 (2月15日付け 日本経済新聞 夕刊)
→米ブルームバーグ通信は14日、半導体受託生産のTSMCが米インテルの米国工場の運営に参画することを検討していると報じた。インテルが先端半導体の製造で苦戦するなか、半導体の国内生産をめざすトランプ米政権が要請した。協議は初期段階で、詳細は決まっていないという。
TSMCがインテルの米工場を持つ企業に過半出資し、運営を主導する案が浮上している。トランプ米政権の関係者がTSMC側との最近の会合で提案したという。TSMCやインテルの意向は明らかになっていない。

◇Trump Administration’s Made In America Push Could See Intel Sell 20% Of Foundry Business To TSMC - Report (2月16日付け Wccftech)
→インテルとTSMCの間で、インテルのファブでアメリカの最先端チップを製造できるようにするための取引の可能性が噂される中、TSMCがインテルのインテル・ファウンドリー事業の株式20%を取得する可能性がある、と台湾の報道機関が報じている。独占禁止法では通常、ある市場の大手企業が一緒になることを禁じており、20%の株式を取得すれば、TSMCは規制当局の監視を避けながらインテルと協力することができる。インテルの株価は絶好調で、パリでのJD Vance(JDバンス)副大統領の、米国で最先端の半導体を製造することを強調する発言に端を発したサイクルで、過去5日間で22.5%、年初来で16.7%上昇している。

◇Broadcom, TSMC eye possible Intel deals to split storied chipmaker, WSJ reports (2月16日付け CNBC)
→インテルのライバルのTSMCとブロードコムはそれぞれ、米国のチップメーカーを二分するような取引の可能性を視野に入れている、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が土曜15日に関係者の話として報じた。

以下は、今後の見方の1つである。

◇TSMC Will Not Take Over Intel Operations, Observers Say―Analysts: TSMC unlikely to buy Intel's foundry operations (2月17日付け EE Times)
→1)業界アナリストによると、TSMCは経営難に陥っている米ライバルのインテルのチップ製造事業を買収することはないという。
  本件に通じた1人を引用した先週のBloombergの報道によると、TSMCは、ドナルド・トランプ米大統領の政権から要請された通り、インテル・ファウンドリーの支配的株式を取得することを検討しているという。その数日後、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、投資家候補がインテル・ファウンドリーを買収した場合、ブロードコムがインテル・プロダクツの買収に興味を示していると報じた。
 2)アナリストによると、トランプ政権やブロードコムが関心を示しているという報道にもかかわらず、TSMCがインテルのファウンドリー事業を買収する可能性は低い。TSMCがインテルに協力する理由はほとんどないとアナリストは断言し、インテル・ファウンドリーを買収すればTSMCは財政的に打撃を受ける可能性があると指摘している。

◇Intel: The disintegration of a semiconductor giant? (2月17日付け EDN)
→米国のチップ製造オンショア化の最大の受益者であるインテルに何が起きているのか?TSMCがトランプ政権の要請を受け、Intel Foundryの支配的株式取得に向けた交渉に入ったというBloombergの報道に半導体業界がまだ動揺している間に、Wall Street Journalは、BroadcomがIntelのCPU事業への入札を検討しているという新たな驚きを投げかけている。

◇Broadcom mulls bid for Intel’s chip-design unit (2月17日付け Taipei Times)
→*A TAIWAN DEAL:TSMCは、インテルの米国半導体工場を完全に運営するために、トランプ当局によって最初に提起された取引で初期の協議を行っているが、インテルの関心は不確かである。
 *Broadcom Inc.は、Intel Corp.のチップ設計・販売事業への入札について、アドバイザーと非公式な協議を行ったと、Wall Street Journal紙が関係者の話を引用して報じた。
Journal によると、Intel にはまだ何も提出されておらず、Broadcomが取引を追求しないことを決定する可能性もあるという。

◇Broadcom, TSMC eye possible Intel deals to split storied chipmaker, WSJ reports (2月17日付け The Korea Times (Seoul)/Reuters)
→インテルのライバルであるTSMCとブロードコムが、それぞれ米国のチップ製造の象徴を二分するような取引の可能性を検討していると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が土曜15日に関係者の話として報じた。
ブロードコムは、インテルのチップ設計とマーケティング事業を綿密に調査しており、同社はアドバイザーと入札の可能性について話し合ったが、インテルの製造事業のパートナーが見つかった場合にのみ進めるだろう、と付け加えた。
世界最大の契約チップメーカーであるTSMCは、Intelのチップ工場の一部または全部を、投資家コンソーシアムやその他の構造の一部として支配する可能性を別途検討しているという。
ブロードコムとTSMCは協力しておらず、これまでの協議はすべて予備的なもので、大部分が非公式なものである、と該ジャーナル紙は付け加えている。

◇ブロードコム、インテル設計部門の買収検討 米報道 (2月17日付け 日経 電子版 08:09)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは16日までに、米半導体大手ブロードコムが米インテルの設計部門の買収を検討していると報じた。TSMCはインテル製造部門への参画を検討しているとされる。インテルを事業ごとに分割するという観測が浮上している。

インテルの株価の反応である。

◇Intel pops 16% for best day since March 2020 on potential breakup (2月18日付け CNBC)
→*ブロードコムとTSMCは、経営難に陥っているチップメーカー、インテルの分割を視野に入れた独立取引を検討している可能性がある、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。
 *インテルは、幅広い半導体セクターを席巻しているAIの追い風に乗り遅れ、数十億ドルの市場価値を失った。
 *火曜18日の上昇で、株価は2024年の60%の低迷を経て今年29%上昇している。

◇Intel stock surges 10% because TSMC and Broadcom both might buy a piece of it―Reports: Broadcom, TSMC consider splitting Intel―Other companies could also get in on the action, including Qualcomm (2月18日付け Quartz)
→ブロードコムとTSMCは、Broadcomはインテルのチップ設計とマーケティング事業に興味を持ち、TSMCはインテルのチップ工場の支配を狙っている。この協議は予備的なもので、インテルのFrank Yeary暫定会長は、潜在的な提訴者や、インテルの米国工場に対する外国企業の支配に懸念を表明しているトランプ政権との協議を主導している。また、クアルコムの名前も売却先候補として浮上している。これらの企業は今回の報道についてコメントしていない。

23日に総選挙を控えるドイツについて、以下の通りである。

◇「欧州の病人」ドイツむしばむ産業空洞化 落日の工業大国―盟主の誤算〜ドイツ総選挙(下) (2月20日付け 日経 電子版 02:00)
→「悪い知らせだ。我々は眠れる森の美女のように、まどろみながら(いつやって来るとも分からぬ)米インテルという王子様を待つしかないのか」
2024年9月、インテルが旧東ドイツ地域の中部ザクセン・アンハルト州で計画していた半導体工場の建設延期を明らかにすると、地元政治家のリュデマン氏はX(旧ツイッター)で悲嘆をあらわにした。巨大産業の誘致に伴う経済効果への期待が地元にあった。

インテルを巡る今後の推移に目が離せないところである。

次に、中国半導体関連の現下の動きから、まずはHuaweiについて、三つ折りスマホの発表である。

◇Huawei launches Mate XT in Malaysia to kick off trifold smartphone’s overseas roll-out (2月18日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*この国際展開は、中国でiPhone 16と同じ日に発売されたMate XTに対するファーウェイの自信を反映している。
 *ファーウェイ・テクノロジーズは火曜18日、世界初の三つ折りスマートフォンであるMate XTをマレーシアで発表し、5Gデバイスの国際展開を開始、米国の制裁を受ける同社は、かつては中国以外で利益を上げていた携帯電話事業の再建に動いている。

◇Huawei's tri-foldable phone hits global markets in a show of defiance amid US curbs (2月18日付け The Korea Times (Seoul))
→ファーウェイは火曜18日、業界初の3つ折り携帯電話の世界的な発表会を開催した。アナリストは、米国の技術規制の中で中国の巨大ハイテク企業にとって象徴的な勝利であると述べた。しかし、価格、寿命、供給およびアプリの制約をめぐる課題は、その成功を制限するかもしれない。

◇ファーウェイ「包囲網」突破 米制裁後4割増収、最高迫る (2月18日付け 日経 電子版 18:55)
→中国通信機器大手、華為技術が米国の制裁を回避し、世界市場に再攻勢をかけ始めた。世界初の三つ折りの折り畳み型スマートフォンを東南アジアなどで発売する。制裁で調達を断たれた半導体を独自開発品に切り替え、販路をグローバルサウス(新興・途上国)に求める。
米中対立下でもしたたかに成長路線の回帰を狙う。

◇Huawei takes Mate XT global, yet premium price and GMS absence could hinder adoption―Huawei goes global with tri-fold Mate XT with in-house chip (2月19日付け DigiTimes)
→ファーウェイは、初の3つ折りスマートフォン「Mate XT」を、世界展開の計画で、マレーシアで発表した。この端末はKirin 9010チップセット、16GBのRAMおよび10.2インチに拡大するディスプレイを搭載している。アナリストによると、Google Mobile Servicesがないことと、価格が高いことが欧米市場での普及を妨げる可能性があるという。

Huaweiの創業者トップも、車載半導体に踏み込むスタンスである。

◇Huawei CEO hints at 'Backup Plan 2.0'; HiSilicon launches new automotive chip―CEO: Huawei is looking beyond mobile with HiSilicon auto chip (2月21日付け DigiTimes)
→中国の業界筋によると、HiSiliconはチップ事業を携帯電話やコンピューティングだけでなく、自動車産業にも拡大させたいと考えている。

中国の半導体企業、Loongsonのインテルに迫る性能のプロセッサーである。

◇Chinese chipmaker claims new Loongson 3B6600 CPU could hit 13th-Gen Intel performance―Loongson's 3B6600 CPU targets older Intel chips ―Loongson has lofty targets for its next-generation CPU. (2月19日付け Tom's Hardware)
→中国のチップメーカー、Loongsonは最近、投資家向け電話会議で、2024年4月にデビューした3A6000プロセッサーの後継となるであろう3B6600 CPUを発表した。Fast Technology(機械翻訳)によると、この新しいデスクトップ用チップは8コアを搭載し、GPUも統合されるという。しかし、より重要なのは、Loongson 3B6600は、Alder LakeおよびRaptor Lakeプロセッサー・ファミリーのインテルCore i5およびi7チップと競争力があるということだ。これらのプロセッサーは2021年11月に発売され、すでに4年が経過しているが、それでも2014年から2021年初めまで生産されていた14nmチップと比較される3A6000よりは進歩している。

米中分断の中、台頭する中国の半導体メモリがあらわされている。

◇サムスンに「赤い半導体メモリー」の逆風 米中分断が拍車―点検・半導体株(中) (2月20日付け 日経 電子版 11:00)
→半導体メモリー株が振るわない。中国勢の「赤いメモリー」の台頭という逆風が強まり、汎用品の市況が軟化し始めたためだ。特に市場をけん引してきた韓国サムスン電子の株価は低迷している。地殻変動がメモリー分野でも起き始めている。

激動の世界情勢を受けて、波紋&波乱含みの動きが以下にも続くが、それぞれに引き続き注目である。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□2月19日(水)

半導体への関税について、トランプ大統領が言及している。今後の取引やりとりにかかってくる。

◇Trump says semiconductor tariffs will start at 25%, keep rising over the year―“When they come into the United States, and they have their plant or factory here, there is no tariff,” the President said (Data Center Dynamics)
→ドナルド・トランプ米大統領は、今後数週間以内に半導体に関税を課すと述べた。
関税率について質問されたトランプ大統領は、次のように答えた:「25%以上となり、1年かけてかなり高くなるだろう。」
さらに、「彼らが米国に入ってきて、ここに工場や工場を持つ場合、関税はかからない」と付け加えた。

関税&インフレに対する米国景気悪化懸念から、後半大きく下げて締めた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ、前日比10.26ドル高の44,556.34ドル

□2月20日(木)

◇NYダウ小幅続伸、71ドル高 関税政策への警戒根強く (日経 電子版 07:02)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比71ドル(0.2%)高の4万4627ドルで終えた。ディフェンシブ株の一角に買いが入ったもののトランプ米政権の関税政策への警戒感が相場の重荷となり、方向感に欠ける値動きが続いた。

□2月21日(金)

◇トランプ関税、アルミ使う123品目対象 半導体関連も (日経 電子版 02:00)
→米政府が3月12日から発動するアルミニウムへの追加関税の品目に半導体製造装置の部品や製造時に使う材料、航空機部品が含まれることがわかった。これまでの蓄電池などに使われるアルミ箔や塊に加え、アルミを使用する123品目を追加する。日本企業が輸出する製品もあり、米国での競争力が低下する懸念がある。
トランプ米大統領は10日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。

ドイツを巡る波乱の動きである。

◇ドイツ総選挙、ロシア発偽情報が拡散 AIが極右に誘導も (日経 電子版 05:21)
→23日に迫ったドイツ総選挙でロシア発の偽情報が深刻な問題になっている。フェイクニュースの投稿が増殖し、ドイツ政府は米グーグルなどテック大手と不正対策に乗り出した。生成AIを使って極右政党に誘導する巧妙な投稿も目立ち、民主主義の根幹を揺さぶっている。

◇NYダウ反落、450ドル安 ウォルマート急落が足引っ張る (日経 電子版 06:35)
→20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比450ドル(1%)安の4万4176ドルで終えた。約6週間ぶりの下げ幅となった。米小売り最大手ウォルマートが慎重な収益見通しを発表して投資家心理を冷やした上、追加関税が消費者に負担となるとの見方から株売りが広がった。一時670ドル以上下げる場面もあった。

□2月22日(土)

円相場の上昇が見られている。

◇円上昇、2カ月半ぶり148円台 米景気悪化懸念で (日経 電子版 03:31)
→21日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場は一時1ドル=148円台に上昇した。2024年12月3日以来およそ2カ月半ぶりの円高・ドル安水準をつけた。同日発表の米景気指標が想定以上に悪化し、利下げ再開への思惑から米金利が低下した。日米金利差の縮小が意識され、ドル売りが強まった。

◇米景気不安、市場揺らす ダウ748ドル安・円高も加速 (日経 電子版 06:29)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比748ドル(2%)安の4万3428ドルで終えた。下げ幅は2024年12月中旬以来、約2カ月ぶりの大きさとなった。同日発表の米景気指標が想定以上に悪化し、リスク回避の株売りと安全資産とされる米国債への買いが広がった。米金利の低下で日米金利差の縮小が意識され、円買い・ドル売りも加速した。


≪市場実態PickUp≫

【マイクロソフトの量子コンピューター半導体】

「Majorana 1」なるものについて、業界各紙がそれぞれに大きく反応、以下の取り上げである。今後の進展、そして評価に注目するところである。

◇Microsoft shows off novel quantum chip that can scale to 'a million qubits'. So far: Eight―Not just a matter of time but a matter of Majorana fermions, too(2月19日付け The Register (UK))
→マイクロソフトは、新しい材料を使った量子コンピューター・チップを開発したと発表した。このチップを使えば、数十年ではなく数年以内に、意味のある実世界での応用に向けた量子コンピューターの開発が可能になると期待されている。
1月にNvidiaのJensen Huang CEOが量子コンピューターの実用化はあと20年先だと示唆したことで、株価が急落した量子コンピューター企業は、少なくともマイクロソフトの予測を歓迎すべきだろう。それ以外の企業は、健全な懐疑心を持ち続けることができる。

◇Microsoft's Majorana 1 quantum computing chip uses a new kind of superconductor―But it needs more time to release a product that can power a quantum computer that can solve industrial-scale problems. (2月19日付け Engadget)
→マイクロソフトは、量子コンピューティング用チップ「Majorana 1(マジョラナ1)」を発表した。このチップにより、コンピューターは現在のマシンが必要とする数十年ではなく、わずか数年で産業スケールのとてつもなく難しい問題を解決できるようになるという。同社は、Majorana 1がTopological Coreアーキテクチャを採用した初の量子コンピューティング用チップであると説明している。具体的には、topoconductor(トポロジカル超伝導体)と呼ばれる新しいタイプの材料を使用し、固体でも液体でも気体でもない物質の状態であるMajoranas(マヨラナス)を作り出すことができる。

◇Microsoft deploys new state of matter in its first quantum computing chip (2月19日付け CNBC)
→*マイクロソフトのMajorana 1チップには8個のトポロジカル量子ビットが含まれている。
 *マイクロソフトは、同社初の量子コンピューター・チップを作るには、トポロジカル状態と呼ばれる新しい物質の状態を作り出す必要があったと主張している。
 *Majorana 1はマイクロソフトのAzureクラウドでは利用できないが、将来的にはより大容量のモデルが登場する可能性がある、と幹部はCNBCに語っている。

◇Microsoft’s Majorana 1 chip carves new path for quantum computing (2月19日付け Microsoft)
→マイクロソフトは本日、新しいTopological Coreアーキテクチャを搭載した世界初の量子チップであるMajorana 1を発表、数十年ではなく、数年で意味深い産業規模の問題を解決することができる量子コンピュータを実現する期待である。
Majorana 1は、Majorana粒子を観測・制御できる画期的な材料である世界初のtopoconductorを活用し、量子コンピュータのbuilding blocks(構成要素)である量子ビットを、より信頼性が高くスケーラブルに生成する。

◇A new Microsoft chip could lead to more stable quantum computers―The company says it is on track to build a new kind of machine based on topological qubits. (2月19日付け MIT Technology Review)
→マイクロソフトは本日、量子コンピュータをより安定させ、より簡単に拡張できるようにするための特別なアプローチであるトポロジカル量子ビット(qubits)を作るという20年にわたる探求において、重要な進展を遂げたと発表した。
研究者や企業は、複雑な物質のシミュレーションや新物質の発見など、さまざまな応用に向けた劇的な新しい能力を解き放つ可能性のある量子コンピュータの構築に何年も取り組んできた。

◇Why a Microsoft report admitted that AI is making people dumb (2月19日付け Taipei Times)
→マイクロソフト社は今年、AIに$80 billionを投じ、リーディングベンダーとしての地位を強化する計画だ。ではなぜ、ChatGPTのような生成型AIツールを使う労働者の間で批判的思考スキルが低下しているという研究論文を発表したのだろうか?気前よく言えば、純粋な科学的調査だと言えるかもしれない。より可能性が高いのは、AIが特定の仕事を破壊する中で先手を打ち、そのツールが企業にとって有用であり続けるようにしたいのだろう。大手ハイテク企業がAIモデルをより大きくしようと躍起になっている今、これは業界のビジネスモデルとその社会的成果に対する爽やかで思慮深いアプローチである。

◇New Quantum Computing Breakthrough by Microsoft―Microsoft launches Majorana 1 quantum computing chip―Microsoft Enters the Quantum Race with Majorana 1 using Topological Qubits (2月20日付け EE Times)
→マイクロソフトは、付箋大のハードウェアに8個の量子ビットを搭載した初の量子コンピューティング・チップ「Majorana 1」を発表した。このチップ・アーキテクチャは安定したマジョラナ量子ビットの生成を可能にし、マイクロソフトはこれを100万量子ビットのマシンにスケールアップすることを目指しており、材料科学と環境持続可能性におけるブレークスルーにつながる可能性がある。

◇Microsoft Unveils Majorana 1, The World’s First Quantum Processor Powered by Topological Qubits (2月20日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→量子コンピュータは、科学と社会を大きく変えると期待されているが、それは、かつては遠い存在で実現不可能と思われていたスケールを達成し、量子エラー訂正によってその信頼性が確保された後に限られる。今日、我々は有用な量子コンピューターへの道筋における急速な進歩を発表する:
 ・マジョラナ1:Topological Coreを搭載した世界初の量子プロセッシング
 ・ユニット(QPU)。単一チップ上で100万量子ビットに拡張できるように設計されている。
 ・ハードウェアで保護されたトポロジカル量子ビット:本日『ネイチャー』誌に発表された研究は、Station Q meetingで共有されたデータとともに、新しいタイプの材料を利用し、小型で高速、そしてデジタル制御可能な根本的に異なるタイプの量子ビットを設計する我々の能力を実証している。:信頼性の高い量子計算へのロードマップ:単一量子ビットデバイスから量子エラー訂正を可能にするアレイへの道筋。
 ・トポロジカル量子ビットに基づく世界初のfault-tolerant prototype(FTP)の構築: マイクロソフトは、Defense Advanced Research Projects Agency(DARPA:国防高等研究計画局)の実用規模量子コンピューティングのための未踏システム(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing:US2QC)プログラムの最終段階の一環として、スケーラブルな量子コンピュータのFTPを数十年ではなく数年で構築する予定である。

◇Microsoft unveils first quantum chip that uses Majorana particles instead of electrons―The field of quantum computing has seen a flurry of recent announcements indicating that the machines may be nearing practical utility (2月20日付け South China Morning Post (Hong Kong)/Bloomberg)
→マイクロソフトは水曜19日、同社初の量子コンピューティング・チップを発表した。これは、現代のコンピューターでは解決できないような問題を解決するデバイスを開発するための、同社の取り組みにおける大きな一歩である。
同社によれば、このMajorana 1チップは、量子コンピューティングの構成要素である8個の量子ビットを、付箋大のハードウェアに搭載したもので、最終的には100万個の量子ビットを搭載できるという。現在のところ、このチップは制御可能であることを証明する数学の問題を解くことくらいしかできないが、マイクロソフト社のエンジニアは、将来の量子マシンの基礎となるには十分なものだと述べた。

◇Microsoft、量子コンピューター用チップ開発 ミス削減 (2月20日付け 日経 電子版 05:05)
→米マイクロソフトは19日、次世代の計算機として期待される量子コンピューターに使うチップを開発したと発表した。量子コンピューターは様々な計算を桁違いの速さで解くが、計算時に出るエラーの訂正が最大の課題となっている。エラーを防ぎ動作の安定性を高めるチップの開発で実用化が近づく。
量子コンピューターは量子力学と呼ぶ物理学の理論を応用した新しい原理で動く計算機。

◇マイクロソフト、量子計算機チップ開発 エラー防ぎ動作安定 (2月21日付け 日経)
→米マイクロソフトは19日、次世代の計算機として期待される量子コンピューターに使うチップを開発したと発表した。量子コンピューターは様々な計算を桁違いの速さで解くが、計算時に出るエラーの訂正が最大の課題となっている。エラーを防ぎ動作の安定性を高めるチップの開発で実用化が近づく。
量子コンピューターは量子力学と呼ぶ物理学の理論を応用した新しい原理で動く計算機。スーパーコンピューターをしのぐ「夢の計算機」として、米中を中心に各国のテクノロジー企業や研究機関が開発競争を繰り広げている。

◇Microsoft joins quantum race with breakthrough chip (2月21日付け Taipei Times)
→マイクロソフト社は水曜19日、新しいコンピューター・チップを発表した。このチップは、公害対策から新薬の開発まで、あらゆることを変革する可能性があるとしており、グーグルやIBM社に加わって、量子コンピューティングの約束は現実に近づいていると主張している。
Majorana 1と呼ばれるこの米国製チップは、手のひらに収まる大きさだが、革新的な設計が施されている。マイクロソフト社は、量子コンピューティングにおける最大の課題のひとつである、この超強力なマシンを実世界で使用するのに十分な信頼性を持たせるという課題を解決できると考えている。


【Apple関連】

以下、Appleを巡るいろいろな内容を示しているが、今週発表iPhone 16eにおける同社初の自社設計セルラーモデム「C1」に特に注目、Qualcommへの影響である。

◇Apple might drop a new iPhone today. Here's what to know―Apple expected to unveil updated iPhone SE with A18 chip (2月19日付け Quartz)
→1)アップルのTim Cook(ティム・クック)CEO、「ファミリーの最新メンバー」の発表を予告
 2)アップルは、iPhone 16で使用されているのと同じプロセッサであるA18チップを搭載した新バージョンのiPhone SEを発表する見込みだ。アップルはまた、中国でのApple Intelligenceの展開をサポートするために a(アリババ)と提携している。

◇Apple’s first in-house iPhone modem is the C1―The iPhone 16E will be the C1’s proving ground. (2月19日付け The Verge)
→アップルは、iPhone SEの精神的後継機種であるiPhone 16Eを発表したが、この機種には重要な最初の特徴があり、アップル待望の自社製5Gモデム「C1」を導入している。アップルによれば、このチップは携帯電話の中で最も電力効率の高いモデムであり、クアルコムの5Gチップへの依存を終わらせるためのアップルの試みである。

◇Tech war: ex-Apple engineer returns to China to teach about semiconductors at alma mater (2月19日付け South China Morning Post)
→アップル社で半導体の開発に携わっていた中国人エンジニアが帰国し、湖北省の省都である武漢の母校で教鞭をとることになった。
米国を離れ帰国する中国人科学者の波に加わったWang Huanyu氏。

◇Apple’s Transition to M5 Macs Set to Begin This Fall―Apple to start move to M5 chip with MacBook Pro (2月20日付け Engadget)
→アップルはM4 MacBook Airをリリースした後、MacBook Proを皮切りに今秋からM5チップへの移行を開始する。M5の展開には、2026年初頭までにMac Mini、iMac、そして場合によってはiPad Proへのアップデートも含まれる予定で、エネルギー効率の向上と高速化を実現する新チップによるMacのパフォーマンス強化にアップルが注力していることを強調している。

◇Apple rolls out its C1 modem six years after buying in the technology from Intel―TSMC's 4nm tech used in Apple's in-house C1 modem―Features in the new iPhone 16e mainstream handset. (2月20日付け Tom's Hardware)
→アップルは、6年前にインテルのモデム部門を買収した後、クアルコムへの依存を減らす努力の一環として、初の自社製5GモデムをiPhone 16eに導入した。TSMCの4nm技術を用いて製造された該C1は、iPhone向けの最も電力効率の高いモデムとして注目されており、さまざまな4Gおよび5G技術をサポートしている。しかし、iPhone 16eでは、コストと消費電力を削減するためか、mmWave 5GやWi-Fi 7といった一部の機能が欠落している。

◇AppleがiPhone 16e発売 SEの「後継」、9万9800円から (2月20日付け 日経 電子版 04:43)
→米アップルは19日、新型スマートフォン「iPhone 16e」を28日に発売すると発表した。価格は599ドル(日本での価格は9万9800円)から。自社の生成AIに対応した中では低価格に抑え、新興国を中心に需要の掘り起こしを狙う。新機種の画面サイズは6.1インチで、最新の「iPhone16」と同じだ。

◇Apple、iPhone入門モデルも10万円 外せなかったAI機能 (2月20日付け 日経 電子版 13:00)
→米アップルがスマートフォンの入門モデルの価格を上げる。19日に発表した新機種「iPhone 16e」の価格は生成AIなどを搭載した結果、$599(日本での価格は9万9800円)からとなった。2022年に発売した低価格モデル「SE」より4割高い。世界シェアが低下するなか、同業他社より出遅れていた生成AI対応を優先した。

◇This Week: Apple Gets Its Own Cellular Modem to Market―Apple's iPhone 16e features its first self-designed modem, the C1, enhancing performance and battery life. (2月21日付け EE Times)
→今週は、アップルが初の自社設計セルラーモデム「C1」を搭載したiPhone 16eを発表したことが大きなニュースとなった。その他、Ambient IoT Allianceの立ち上げや、元インテルCPUアーキテクトのRISC-Vスタートアップ、AheadComputingへの$21.5 millionの資金提供など、紹介しきれなかったニュースもある。

◇Apple's C1 chip highlights progress in autonomy, threatens Qualcomm's market share (2月21日付け DigiTimes)
→アップルがこのほどエントリーモデルのiPhone 16eを発表したことは、技術的な自給自足に向けた同社の歩みにおいて重要なマイルストーンとなる。


【Nvidia関連】

第2のHBM規格をまとめる動き、AIプロセッサのウェーハ消費、そして供給不足と、現下の同社関連の状況について、以下の通りである。

◇NVIDIA in Confidential Talks with Samsung and SK Hynix to Commercialize '2nd HBM'―Report: Nvidia in talks to commercialize memory standard―CEO Jensen Huang Champions Accessible AI, Highlighting SOCAMM's Role in Democratizing Technology (2月17日付け BusinessKorea (South Korea))
→1)NVIDIAは、「第2の広帯域メモリー(HBM)」と称される「SOCAMM(System On Chip Advanced Memory Module)」として知られる新しいメモリー規格を商品化するため、サムスン電子やSKハイニックスを含む主要メモリー半導体企業と極秘協議を行っていると報じられている。この進展は、2月16日に業界関係者によって確認されており、B2Bサーバー市場および急成長中のon-device AI分野の両方に潜在的な影響を及ぼす、メモリ半導体の展望における重要な転換を示すものである。
 2)Nvidiaは、サムスン電子およびSKハイニックスと、「第2の広帯域メモリ」と呼ばれる新しいメモリ規格であるSOCAMMの商品化に向けて極秘協議を行っているという。SOCAMMはDRAMモジュールで、優れたコストパフォーマンスとコンパクトな設計により、個人向けAIスーパーコンピューターの性能を向上させる。

◇PhysX quietly retired on RTX 50 series GPUs: Nvidia ends 32-bit CUDA app support―Nvidia retires 32-bit PhysX with RTX 50 series ―With no 64-bit games using PhysX (that we are aware of), the technology is now end-of-life. (2月18日付け Tom's Hardware)
→Nvidiaは、RTX 50シリーズGPUsの32ビットPhysXサポートを静かに終了、2000年代から2010年代初頭にかけて大々的に宣伝されたゲーム特化型グラフィックス技術である。NvidiaはNvidiaフォーラムで、RTX 50シリーズから32ビットCUDAアプリケーションのサポートが非推奨となった結果、この技術(少なくとも32ビット版)が終了したことを確認した。

◇Nvidia to consume 77% of wafers used for AI processors in 2025: Report―Report: Nvidia to dominate AI wafer consumption in 2025―AWS, AMD, and Google lose wafer share. (2月19日付け Tom's Hardware)
→Morgan Stanleyのレポートによると、Nvidiaは今年、AIプロセッサーのウェハー消費量の大半を占め、2024年の51%から77%に増加するという。NvidiaのB200GPUが主要な牽引役となり、22万枚のウェハーを必要とする。一方、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のシェアは9%から3%に、グーグルのシェアは19%から10%に低下する。AIウエハーの総市場は68万8000枚、$14.57 billion規模と予測される。

◇Nvidia's RTX 5000 GPUs continue to face severe supply issues, with RTX 5070 Ti reportedly being even worse for launch stock than the RTX 5080―Nvidia's RTX 5070 Ti faces critical supply shortages―Some US retailers purportedly had fewer than 10 units of the RTX 5070 Ti on launch day (2月21日付け TechRadar)
→NvidiaのRTX 5070 Tiの発売は供給不足に直面しており、その状況はRTX 5080よりも悪いとの報告がある。この状況は、AMDのRadeon RX 9000シリーズが間もなく発売されるため、AMDにとって好機となるかもしれない。


【TSMC関連】

TSMCの米国での動き&現状について、以下の通りである。

◇TSMC weighs first US advanced packaging fab as leadership shift looms―TSMC considers US advanced packaging facility (2月17日付け DigiTimes)
→TSMCは、米国での半導体生産を強化する圧力の高まりに直面し、米国初の先端パッケージング施設の設立を検討している。この動きは、先端パッケージング技術における業界のリーダーシップを再構築する可能性がある。

◇Arizona fab investments on schedule, TSMC says (2月18日付け Taipei Times)
→TSMCは昨日、同社が6月に米国で3つ目のウェーハ工場を着工する予定であるとする地元メディアの報道を受けて。アリゾナ州への投資計画は予定通り進んでいると発表した。TSMCは声明で、市場の憶測についてはコメントしないが、アリゾナでの投資は順調に進んでいると述べた。


【韓国関連】

SEMICON Korea 2025(2月19−21日:ソウルCOEX)での動き、DeepSeekの配信中止など、以下それぞれに注目する内容である。

◇Imec chief urges S. Korea to expand global R&D cooperation to strengthen tech influence (2月18日付け Yonhap News Agency)
→欧州最大の半導体研究開発センターであるimecの責任者は、韓国に対し、半導体R&Dにおける国際協力を拡大することにより、世界的な技術的影響力を強化するよう促した。
「この産業は、世界全体で非常に結合している。多くの依存関係がある。」と、ベルギーに拠点を置くナノエレクトロニクスとデジタル技術の独立研究センターであるimecのCEO、Luc Van den hove氏は、ソウルでの記者会見で述べた。

◇韓国政府、DeepSeekの国内アプリストア配信中止 (2月18日付け 日経 電子版 17:11)
→韓国政府は18日までに、中国の生成AIスタートアップ、DeepSeekが開発したアプリについて、新規のダウンロードを遮断した。データの不正利用疑惑や個人情報保護の不備などが指摘されていることを踏まえた。
韓国の個人情報保護委員会によると遮断は15日から。同委員会は「個人データの取り扱いについて徹底的に調査する」としている。

◇韓国、ディープシーク配信中止 「徹底的に調査」 個人データ、中国に転送か (2月19日付け 日経)

◇Merck highlights materials solutions for new chip architectures at SEMICON Korea―Merck showcases AI-driven materials for memory, packaging (2月20日付け The Korea Times (Seoul))
→science & technologyの世界的リーダーであるMerckは、ハイテク見本市セミコン・コリア2025で、同社の材料インテリジェンス・プラットフォームを通じてAI主導の材料ソリューションとデジタル化能力を紹介した。同社は包括的な製品ポートフォリオを強調し、先端ロジック、メモリーおよびパッケージング向けの次世代材料に焦点を当てた。

◇Silicon Valley company to build world largest AI data center―Silicon Valley company to build massive AI data center outside US (2月20日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*クラウド・コンピューティングとAIをサポートするためのデータセンター建設とそのエネルギー需要が、全米で話題になっている。Palo Altoの投資会社は、韓国でのデータセンター建設を主導している。
 *センターを建設しているのは、LGグループ創業者一族の後継者であるBrian Koo氏が共同経営する会社だ。


【DeepSeek関連】

韓国での配信中止を上にも示しているが、DeepSeekに関連する内容を、以下取り出している。

◇テンセント、DeepSeekのAIを試験導入 中国勢で拡大 (2月17日付け 日経 電子版 18:08)
→中国ネットサービス大手のテンセントは17日までに、運営するSNS「微信(ウィーチャット)」に、中国・DeepSeekのAIモデルを試験導入した。中国企業で導入の動きが拡大している。
テンセントによると、「微信」の中国版でテストを始めた。

◇習近平氏、アリババ馬氏らと座談会 民間企業支援表明か (2月17日付け 日経 電子版 16:47)
→中国の習近平国家主席は17日、北京市内で大手民間企業トップとの座談会に出席した。中国ネット通販最大手、アリババ集団創業者の馬雲氏や自動車大手のBYDの王伝福董事長が参加した。
中国国営中央テレビが伝えた。中国メディアによると、習氏が民間企業との座談会を開くのはおよそ6年ぶり。

◇AIサービス進む「分断」 DeepSeek中国で普及、欧米制限も (2月21日付け 日経 電子版 16:00)
→中国新興DeepSeekの生成AIが、米国の「チャットGPT」を上回る速さで当初普及したことが分かった。中国の企業や行政で採用が相次ぐ一方、イタリアや韓国などは利用を制限した。世界のAIサービスは今後米国式と中国式に色分けされ、産業や社会のあり方にも影響する恐れがある。


【トランプ政権関連】

トランプ政権のリストラを巡る動き、トランプ大統領の台湾半導体に対する主張について、以下の通りである。

◇Trump Team Plans Mass Firings at Key Agency for AI and Chips (2月20日付け Bloomberg)
→米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)は、ドナルド・トランプ大統領による連邦政府の大幅削減の一環として、およそ500人もの試用期間中の職員を解雇する準備を進めている。個人情報を話すため匿名を条件に話したこの件に詳しい人物によると、この機関の一部の試用期間中の職員は、水曜19日に今後の解雇について口頭で通告を受けたという。解雇の範囲についての最終決定はまだなされていないと、一部の関係者は語った。

◇Trump’s ‘stolen’ chip business claim incorrect: adviser―MISUNDERSTANDING: The nation’s semiconductor technology was developed with US assistance, but it surpassed competitors through its own innovations (2月21日付け Taipei Times)
→大統領上級顧問は、台湾が米国のチップ事業を「盗んだ」というドナルド・トランプ米大統領の主張は誤解であると述べ、台湾の半導体の成功は、米国が技術的優位性を維持する上で極めて重要な要素であると強調した。

◇米政府7万人退職へ 効率化省、歳出抑制は目標遠く (2月22日付け 日経 電子版 05:00)
→米連邦政府の職員7万人超が早期退職に応じる見通しになった。トランプ米政権が進めるリストラ策の一環だ。起業家のイーロン・マスク氏が率いる米政府効率化省(DOGE)は強硬な改革で歳出抑制を目指すが、同氏が掲げた目標との乖離は大きい。

◇米科学研究、「トランプ流」で揺らぐ 司令塔に専門家不在 (2月22日付け 日経 電子版 05:20)
→米国で科学技術の基礎研究の土台が揺らいでいる。トランプ政権の発足から1カ月余りで政府科学機関の職員数千人が解雇され、研究費の削減も決まった。政権は研究機関のトップに投資家や起業家を充て、従来の科学者は登用しなかった。「ビジネス優先」の方針は、短期では成果が出にくい基礎研究の力をそぎかねない。

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