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米政権交代に向けた半導体関連の動き;過熱問題の中のNvidia業績発表

米国でのバイデン政権から年明けトランプ次期政権への交代を控えて、半導体分野でも様々な動きが見られている。時間がかかって成立したCHIPS法であるが、その助成金の恩恵もこれからということで、現政権のうちに支給に漕ぎ着ける取り組みである。中国では、次期政権の高関税を予想して、米国製半導体の輸入が急増している。ほかいろいろと移行に備える展開に注目である。次に、Nvidiaの次期AI半導体、Blackwellの過熱問題で巨大IT各社への納入遅延が取り沙汰される中、同社の8−10月四半期業績が発表されている。売上高、利益ともに大きく伸びて過去最高ながら、伸びが鈍化して期待を下回ると、AIに対峙する壁同様、諸手を挙げてとはいかない反応である。

≪予期される事態への備え≫

米国での政権交代に向けた政治&経済面での動きから。

◇トランプ関税に怯える日本車 スバルは利益3割押し下げ―トランプ2.0 ビジネス大転換 (11月18日付け 日経 電子版 05:00)
→米国のトランプ前大統領の再選を受けて、日本企業が身構えている。米国への輸出品に対する関税が引き上げられると、自動車業界ではSUBARU(スバル)とマツダの2025年度の営業利益を3割押し下げることが分かった。自動車メーカーは日本から米国生産への移管など、生産体制の見直しを迫られる恐れがある。

半導体で大きく関わる商務長官人事である。

◇Trump Picks Howard Lutnick as Commerce Secretary―Trump taps Lutnick for commerce secretary―Cantor Fitzgerald chief executive has been a key transition adviser to president-elect (11月19日付け The Wall Street Journal)
→ドナルド・トランプ次期大統領は、Cantor Fitzgerald証券のCEO、Howard Lutnick氏を商務長官に指名し、貿易・関税政策で重要な役割を担わせると発表した。関税の強力な支持者であるルトニック氏は、米国通商代表部(USTR)の直接の責任者でもある。

◇トランプ氏、脱炭素60兆円補助削減へ 産業政策を修正 (11月20日付け 日経 電子版 05:41)
→トランプ次期政権のもと、米国で産業育成策の修正が始まる。バイデン政権は政府補助金をてこに電気自動車(EV)や半導体の自国生産を促したが、トランプ氏は高率な輸入関税を軸に国産回帰を進め、補助金拠出は絞る方針だ。脱炭素関連の$400 billion(約60兆円)弱の政府支出は一部削減される公算が大きい。

米連邦準備制度理事会(FRB)の対応である。

◇Regulators to pause major proposals until Trump takes office―US regulators halt rulemaking before Trump inauguration (11月20日付け American Banker)
→米国の金融規制当局は、トランプ次期大統領が1月に就任するまで主要なルール作りを停止し、代わりに既存の提案に焦点を当てることを発表した。Michael Barr米連邦準備制度理事会副議長は、政治的圧力の中で規制当局の独立性を保つことの重要性を強調した。この発表は、バイデン政権が進めてきた金融改革が終わりに近づき、規制の状況が変化していることを示している。

早くも対中国の関税に向けたスタンスである。

◇トランプ対中関税、「24年前」にリセット論 議会で先行 (11月22日付け 日経 電子版 02:56)
→トランプ次期政権の中国に対する関税政策が連邦議会で先行して動き始めた。共和党議員は中国の最恵国待遇(MFN)を剝奪し、関税を大幅に引き上げる法案をまとめた。2001年の中国のWTO加盟の前提とした中国との「正常な通商関係」をリセットする構えを示し、対中圧力を強める。

次に、バイデン政権の巨大ITに対する独占禁止の取り組みが、ここにきてGoogleに対して以下の動きである。

◇Antitrust Enforcers Prepare Final Blitz Against Big Tech―Biden antitrust officials target tech before exit―Justice Department considers divestiture of some Google products while FTC prepares Microsoft probe (11月18日付け The Wall Street Journal)
→バイデン政権の反トラスト当局は、グーグルを中心に大手ハイテク企業に対する取り組みを強化している。最近の反トラスト法違反訴訟での勝利を受けて、司法省はグーグルの事業構造改革を検討している。この動きは、政権の任期が終わる前にハイテク大手に挑戦するという、より広範な戦略の一環である。

◇GoogleにChrome売却要求、米司法省「検索独占」 米報道 (11月19日付け 日経 電子版 11:36)
→米司法省が米グーグルの検索サービスの独占是正策として、ウェブブラウザー「クローム」事業の売却命令を裁判所に求めることが18日、わかった。米ブルームバーグ通信が報じた。様々なネットサービスを組み合わせ肥大化する巨大テクノロジー企業に対し、企業構造の変更を強いる厳しい措置で対抗する。

◇US to call for Google to sell Chrome browser: report (11月20日付け Taipei Times)
→米国は、インターネット大手グーグルに対する独占禁止法違反の取り締まりで、グーグルの親会社であるアルファベット社に、広く使われているクロームブラウザを売却させるよう裁判官に求めると、あるメディアが月曜18日に報じた。
米司法省の反トラスト法担当者は、本日法廷でクロームの売却とグーグルのビジネスの他の側面の揺さぶりを求めるというブルームバーグの報道に対してコメントを避けた。

◇米司法省、Google分割要求 Chrome売却で独占解消迫る (11月21日付け 日経 電子版 15:58)
→米司法省は20日、米グーグルの検索サービスの独占を解消するため、インターネットブラウザー「クローム」事業の売却を含む是正案を米連邦地方裁判所に提出した。裁判所が認めれば、巨大テクノロジー企業の事実上の解体につながる。
広告収入などに直結する検索はネット産業の競争力の要だ。グーグルはウェブ検索で9割、閲覧ソフトで7割の世界シェアをそれぞれ持つ。

半導体関連の現時点の様々な動きである。

◇China’s legacy chip production slows in October as possibility of new US sanctions looms (11月15日付け South China Morning Post)
→*10月の生産伸び率は11.8%に鈍化したが、半導体は今年中国で最も急成長している産業の一つであることに変わりはない。
 *中国の10月の集積回路(IC)生産高は、Joe Biden大統領の任期最後の数ヶ月に予想される米国制裁の強化を前に、国内チップセクターの需要低迷を指し示し、成長ペースが鈍化している。

CHIPS法によるTSMCへの助成支給、そしてTSMCの生産対応上の反応である。

◇US finalizes TSMC CHIPS Act award―TECH SECURITY: The deal assures that ‘some of the most sought-after technology on the planet’ returns to the US, US Secretary of Commerce Gina Raimondo said (11月16日付け Taipei Times)
→米国大統領Joe Biden政権は、TSMCへのCHIPS Act奨励金支給を最終決定、半導体生産を米国内に戻すことを意図したプログラムの大きなマイルストーンとなった。

◇TSMC adjusts CoWoS capacity plans amid Trump 2.0 uncertainty―TSMC revises CoWoS plans amid geopolitical shifts (11月18日付け DigiTimes)
→米国による中国製AIチップへの規制やトランプ次期政権の不確実性など、地政学的な課題により、TSMCはChip-on-Wafer-on-Substrate(CoWoS)パッケージング技術の拡大戦略を調整している。同社は2025年までに生産能力を倍増させる計画は維持しているが、2026年の予測は緩和しており、工場のエンジニアリングと設備発注に影響を与えるだろう。

以下も、半導体に大きく関わる米政権人事である。

◇トランプ氏、米通信当局トップに対ビッグテック強硬派 (11月18日付け 日経 電子版 17:50)
→トランプ次期米大統領は17日、通信・放送業界を監督する米連邦通信委員会(FCC)の委員長に、現委員のブレンダン・カー氏を起用すると発表した。共和党系委員のカー氏は、対ビッグテックと対中国で強硬派として知られている。
FCCは通信や放送の規制を担当し、連邦政府から独立して意思決定をする。

TSMCについての内容が続いている。

◇TSMC’s role in the chip ecosystem (11月19日付け Taipei Times)
→ドナルド・トランプ次期米大統領は今年初め、TSMCが米国のチップ事業を「盗んでいる」と非難した。台湾との交渉で有利な切り札を手に入れるためだ。
2017年から2021年までの1期目の任期中、トランプ氏は欧州の同盟国、特に米軍が駐留するドイツに対して軍事予算の増額を要求し、日本と韓国に対しては米軍駐留経費の負担増を求めた。豊かな国々は、第二次世界大戦後アメリカが提供してきた「保護」を享受するだけで、自国を守るための出費はケチケチしないよう要求したのだ。

◇TSMC’s US$6.6bn subsidy linked to ‘A16’ tech process (11月19日付け Taipei Times)
→米商務省によると、TSMCに対して先週、最大$6.6 billionの補助金を交付したのは、該台湾企業が先進的なA16プロセスを使用したチップを製造すると約束したためだという。
TSMCアリゾナ・コーポレーションは、台湾の該大手半導体メーカーの子会社で、アリゾナ州で事業を展開しており、最先端のチップ製造技術を米国に導入することに同意した後、CHIPSインセンティブ・プログラムの商業製造施設向け資金調達の機会に基づき、米国政府の補助金を確保した。

CHIPS法による助成支給も、以下続いている。

◇GlobalFoundries and U.S. Department of Commerce Announce Award Agreement on CHIPS Act Funding for Essential Chip Manufacturing (11月20日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→GlobalFoundriesと米国商務省は、CHIPS and Science Actを通じて GFに最大$1.5 billionの直接資金を提供することを発表した。今回の資金供与は、2024年2月に発表された予備的覚書に続くもので、これによりGFは米国でのチップ製造と技術開発を拡大し、サプライチェーンを強化するとともに、自動車、スマート・モバイル・デバイス、IoT、データセンター、および航空宇宙・防衛など、さまざまな重要な最終市場の顧客をサポートすることになる。

◇CHIPS for America Announces up to $300M in Funding to Boost U.S. Semiconductor Packaging (11月21日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→本日、バイデン-ハリス政権は、米国商務省(DOC)がジョージア州、カリフォルニア州、およびアリゾナ州の先端パッケージング研究プロジェクトに最大$300 millionを投資し、半導体産業に不可欠な最先端技術の開発を加速するための交渉を開始すると発表した。投資先は、ジョージア州のAbsolics社、カリフォルニア州のアプライドマテリアルズ社、およびアリゾナ州のアリゾナ州立大学が予定されている。

以下、次期政権に向けた率直な反応である。最先端半導体は台湾の中で作るという明確なメッセージがあらわされている。そして、中国の米国製集積回路の輸入が、駆け込みか、急増している。

◇「トランプ2.0」で米EV事業見直し相次ぐ 販売3割減予測 (11月22日付け 日経 電子版 05:51)
→トランプ次期政権による電気自動車(EV)向けの補助金廃止や環境政策転換の可能性を見据え、自動車大手の間で北米事業見直しの動きが広がってきた。補助金が減り、関税で価格も上昇すれば米国のEV販売は3割減るとの試算もある。投資も停滞し、米国は環境車で出遅れる懸念も出てきた。

◇台湾の科学技術当局トップ 次期米政権に協力期待 「半導体、技術移転できる」 (11月22日付け 日経)
→台湾の国家科学及技術委員会(国科会)トップの呉誠文主任委員(閣僚級)は取材に答え、トランプ次期米政権と半導体などの「技術協力を期待している」と語った。最先端の研究開発は台湾にとどめながら連携を探る方針を示した。

◇China races to stockpile US chips before Trump ramps up sanctions (11月22日付け South China Morning Post)
→*トランプ政権2期目には米国の技術規制がさらに強化される可能性があり、中国による米国製集積回路の輸入は60%急増した。
 *中国は、ドナルド・トランプ次期大統領による制裁の波が押し寄せる可能性をヘッジするため、米国産マイクロチップの備蓄に向けた取り組みを加速させている。水曜20日に発表された税関のデータによると、北京の米国半導体への意欲はここ数ヶ月急増しており、10月の購入額は$1.11 billionに達し、前年同期比60%増となっている。

Nvidiaの直近四半期業績に目を転じて、その発表前に取り上げられた次期AI半導体、Blackwellの過熱問題による供給遅れの懸念について、以下の通りである。

◇Nvidia's data center Blackwell GPUs reportedly overheat, requiring rack redesigns and causing delays for customers―Nvidia redesigns NVL72 servers to tackle overheating problems. (11月17日付け Tom's Hardware)
→Nvidiaの次世代Blackwellプロセッサーは、大容量サーバーラックに設置した際の過熱という大きな問題に直面している、とThe Informationが報じている。これらの問題は、設計変更と遅延につながり、グーグル、メタ、およびマイクロソフトなどの顧客の間で、Blackwellサーバーを予定通りに導入できるかどうかの懸念が高まっていると報じられている。

◇Nvidia's Blackwell Revenue in Focus as Sales Growth Slows―LSEG predicts Nvidia's revenue growth will slow (11月17日付け U.S. News & World Report/Reuters)
→LSEGのデータによると、エヌビディアの第3四半期の売上高は$33.13 billionとなり、過去6四半期で最も伸びが鈍化すると予想されている。同社のBlackwellチップは大きな収益源になると予想されているが、サプライチェーンの制約により納品が制限される可能性があり、設計上の欠陥による遅延が売上げ目標の達成に懸念をもたらしている。

◇Blackwell is key to Nvidia's next growth phase. The new AI chip has reportedly hit an overheating snag.―Report: Nvidia deals with Blackwell GPUs overheating (11月18日付け Business Insider)
→NvidiaのBlackwellプロセッサーが、大容量サーバーラックでオーバーヒートする問題があり、Google、MetaおよびMicrosoftなどの主要顧客に設計変更と導入遅延の可能性をもたらしていると報じられた。報道によると、このプロセッサは72個のプロセッサを搭載したサーバーで過熱し、1ラックあたり最大120キロワットを消費するため、Nvidiaはサプライヤーと協力してラックの再設計に取り組んでいるという。

◇NVIDIA、新型AI半導体が過熱で納入遅れ懸念 米報道 (11月18日付け 日経 電子版 11:50)
→米エヌビディアのAIの処理に使う半導体の新製品について、内部が過熱する問題が発生し納入に遅延の懸念が出ていることが17日、わかった。米ネットメディアのジ・インフォメーションが報じた。問題が長引けば生成AIを手がけるIT(情報技術)企業の投資計画に影響が出る可能性もある。
報道によると、エヌビディアのAIに使う画像処理半導体(GPU)新製品の「ブラックウェル」の内部で過熱する問題が発生し、サプライヤーにサーバー関連の設計の変更を依頼したという。

発表直前の記事である。

◇Nvidia must show Blackwell chip can drive growth in earnings report (11月19日付け CNBC)
→*エヌビディアは、同社のGPUチップがテクノロジー業界において、ジェネレーティブAIソフトウェアの開発・導入に最適なツールとなっていることから、歴史的な快進撃を続けている。
 *投資家は、エヌビディアが水曜20日に発表する第3四半期決算で、猛烈な勢いで成長を続けられるかどうかを見極めたいだろう。
 *エヌビディアの第3四半期決算よりも重要なのは、同社が今後発表するBlackwellチップの需要についてどのような見解を示すかだろう。

そして、業績発表が行われ、以下の取り上げである。非常に好調な内容である。

◇Nvidia says its Blackwell AI chip is ‘full steam’ ahead―Nvidia reports solid demand for Blackwell AI chips/ The company didn’t discuss reported cooling issues but says Blackwell is in full production. (11月20日付け The Verge)
→Nvidiaは、同社のBlackwell AIチップの需要が旺盛で、第3四半期に13,000サンプルを出荷し、数十億の売上げを計上していると報告した。同社は投資家に対し、冷却の問題が噂されているにもかかわらず、生産は「フル回転」していると語った。Nvidiaは、AIに牽引されたデータセンターの売上高$30.7 billion、四半期売上げ$35 billionを計上した。

◇Nvidia nearly doubles revenue on strong AI demand (11月20日付け CNBC)
→*エヌビディアが発表した第3四半期決算は、売上高、利益ともに予想を上回るとともに、今四半期の見通しも予想を上回った。
 *エヌビディアの売上高は急増を続けており、10月27日に終了した四半期には年間ベースで94%増加した。
 *マイクロソフト、オラクルおよびOpenAIなど、エヌビディアのエンドカスタマーの多くは、同社の次世代AIチップ「Blackwell」の受け取りを開始している。

NvidiaのCEO、Huang氏が、懸念の火消しのコメントである。

◇Nvidia says it will sell more of its next-generation Blackwell chips than previously anticipated (11月20日付け CNBC)
→*Nvidiaは水曜20日、次世代Blackwellチップの展開が順調であることを強調した。
 *同社はまた、今後数四半期におけるBlackwellの販売は、Nvidiaがどれだけ販売できるかではなく、どれだけチップとシステムを製造できるかによって制限されることを示唆した。
 *「Blackwellの生産はフル回転している。」とHuang氏。「今四半期は、以前の見積もりよりも多くのBlackwellsを納品する予定。」

伸び率の鈍化はじめ、AI分野の限られたプレイヤーのみ急伸という現状だけに、厳しく複雑な反応があらわされている。

◇Nvidia's AI chip demand still booming but slowing sales growth worries investors―Nvidia's shares rise as Q3 results beat expectations (11月21日付け Reuters)
→1)*エヌビディアの売上げ成長率予測、94%から69.5%に減速
 *サプライチェーンの制約がエヌビディアのチップ生産に影響
 *エヌビディアのデータセンター売上高は112%増、AI需要が牽引
 *第3四半期の調整後利益は1株81セントと予想の75セントを上回る
 2)エヌビディアは、アナリストの予想を上回る第3四半期決算を発表し、売上高は前年同期比84%増となり、株価は5%近く上昇した。しかし、成長率は以前の四半期に比べて鈍化しており、投資家は、需要がすでに供給を上回っているエヌビディアのBlackwellチップの今後の発売を注視している。

◇Nvidia shares fluctuate as investors digest third-quarter earnings (11月21日付け CNBC)
→*木曜21日、米チップメーカー、Nvidiaの第3四半期決算報告に対する投資家の反応から、同社株の取引は不安定なものとなった。
 *エヌビディアは、売上高が前年同期比94%増の$35.08 billionとなり、トップ・ボトムラインともに上回る決算を発表した。
 *あるアナリストは、投資家は本日、Nvidiaから「最低限」として「常軌を逸した」GPU需要を毎四半期期待している、と述べた。

◇Nvidia’s boss dismisses fears that AI has hit a wall―Nvidia CEO shoots down concerns about AI development plateau―But it’s “urgent” to get to the next level, Jensen Huang tells The Economist (11月21日付け The Economist)
→OpenAIのボスであるサム・アルトマンが今月、「壁はない」というgnomic(ノミック:格言的)なツイートを投稿したところ、ソーシャルメディアサイト「X」のフォロワーたちは大喜びした。「トランプが作るだろう "と言った人もいた。「ChatGPTにペイウォールはないのか?」と気の利いた言葉の人も。それ以来、この発言はオタクの間の冗談から深刻なビジネス問題へと変化している。

◇NVIDIAが9割増収 8〜10月、AI半導体好調で予想上回る (11月21日付け 日経 電子版 07:47)
→米半導体大手エヌビディアが20日発表した2024年8〜10月期決算は売上高が前年同期と比べ94%増の$35.082 billion(約5兆4500億円)、純利益は約2倍の$19.39 billionだった。主力のAI半導体が好調を維持した。売上高、利益とも市場予想を上回り、四半期ベースで過去最高を更新した。

◇NVIDIA、9割増収も「驚き」なし 米株けん引役不在に懸念 (11月21日付け 日経 電子版 10:54)
→米半導体大手エヌビディアの株価が20日の時間外取引で一時、同日終値比5%程度下落した。2024年8〜10月期決算は市場予想をおおむね上回る成長を示したものの、同銘柄に対する見方を大きく塗り替えるほどの「驚き」はなかった。AI普及期待で米国株相場をけん引してきたエヌビディアの影響力が鈍る懸念がある。

◇NVIDIA、株価は下落 次世代半導体の期待と供給制約 (11月21日付け 日経 電子版 11:27)
→時価総額で世界首位を走るエヌビディアが20日夕に発表した2024年8〜10月期決算で、売上高と純利益が四半期で過去最高を更新した。次世代AI半導体の「ブラックウェル」への移行期間で供給面の問題が見通しを抑えたなか、時間外取引で株価は下落した。一方、新製品の強い需要を背景とする成長期待は強く売り一巡後は下げ渋った。

◇NVIDIA、台湾依存が影 トランプ氏はAIの敵か味方か (11月21日付け 日経 電子版 12:55)
→米エヌビディアが20日発表した2024年8〜10月期決算は売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新した。AI半導体で高成長を維持したが、対中強硬姿勢のトランプ次期米大統領の就任後に事業環境は不確実性が増す。台湾に依存する半導体供給網(サプライチェーン)の地政学リスクの軽減が課題となる。

◇エヌビディア、台湾依存が影 AI半導体好調で9割増収でも 米規制、供給網にリスク (11月22日付け 日経)
→米エヌビディアが20日発表した2024年8〜10月期決算は売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新した。AI半導体で高成長を維持したが、対中強硬姿勢のトランプ次期米大統領の就任後に事業環境は不確実性が増す。台湾に依存する半導体供給網(サプライチェーン)の地政学リスクの軽減が課題となる。

世界の政治経済情勢が密接に絡んでくる半導体そしてAI関連の動きに、引き続き注目である。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□11月19日(火)

追加利下げ後退そしてウクライナ/ロシアの懸念から前2日は下げたが、底堅い米国経済から後3日は上げて、最高値に迫る締めとなった今週の米国株式市場である。

◇NYダウ3日続落、55ドル安 追加利下げ観測の後退が重荷 (日経 電子版 07:09)
→18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比55ドル39セント(0.12%)安の4万3389ドル60セントで終えた。米連邦準備理事会の利下げが市場の想定よりも緩やかになるとの見方が指数の重荷だった。半面、トランプ次期米大統領が政策に掲げる規制緩和に対する期待は一部ハイテク株への買いを誘い、相場を下支えした。

□11月20日(水)

中国に関わる、世界に好ましくない内容が以下続いて見られている。

◇中国関連株、世界で下落 政府の景気対策に失望 欧米と関税合戦警戒 (日経)
→世界の中国関連株が安値に沈んでいる。中国政府の景気対策による消費拡大期待が失望に終わったためだ。市場の目線は欧米との関税引き上げの応酬や中国企業の過剰生産の影響など悪材料に移っている。

◇NYダウ、続落し120ドル安 NVIDIAは逆行高 (日経 電子版 05:55)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比120ドル66セント(0.27%)安の4万3268ドル94セントで終えた。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりがダウ平均の重荷となった。

□11月21日(木)

◇NYダウ反発、139ドル高 ディフェンシブ銘柄に買い (日経 電子版 08:25)
→20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発し、前日比139ドル53セント(0.3%)高の4万3408ドル47セントで終えた。取引終了後の半導体大手エヌビディアの決算発表を前に様子見ムードが出ていたが、医療保険や製薬など景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄への買いが相場を支えた。

◇バルト海の海底ケーブル破損、ロシア出港の中国船関与か (日経 電子版 09:31)
→バルト海で海底ケーブルが相次いで破損したことを巡り、中国籍の貨物船が関与した疑いが浮上した。デンマーク軍は20日、中国船を監視していることを示唆する声明を出した。ロシアを出港したとみられ、北欧諸国やドイツなどが連携して捜査する。
北欧に面するバルト海では17日、リトアニアとスウェーデンのゴットランド島を結ぶインターネットの海底ケーブルが切断された。

□11月22日(金)

◇NYダウ続伸、461ドル高 景気敏感株の物色支え (日経 電子版 07:55)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続伸し、前日比461ドル88セント(1%)高の4万3870ドル35セントで終えた。米半導体大手エヌビディアは荒い値動きを続け、他の主力テック銘柄もさえなかったが、金融株や素材株など幅広い業種に買いが入った。
エヌビディア株は朝高後に下げに転じるなど前日終値を挟んで方向感のない展開を続け、結局0.5%高で引けた。

□11月23日(土)

◇NYダウ続伸で推移、最高値に迫る 米景気の底堅さ好感 (日経 電子版 05:25)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、15時現在は前日比361ドル76セント高の4万4232ドル11セントで推移している。同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示し、景気敏感株や消費関連株などに買いが入っている。ダウ平均の上げ幅は400ドル近くに達し、11日に付けた最高値(4万4293ドル)に迫る場面がある。


≪市場実態PickUp≫

【スパコン関連】

年2回恒例のスーパーコンピューター性能ランキング、TOP500があらわされ、関連含めて以下の通りである。

◇NEC supercomputer combines Intel Xeon and AMD Instinct accelerators to nearly triple performance―720 Intel Xeon 6900Ps, 280 AMD Instinct MI300As, 40.4 PFLOPs. (11月14日付け Tom's Hardware)
→NECは今週、日本の国立量子科学技術研究開発機構(QST)向けに次世代スーパーコンピューターを開発することが決まったと発表した。このマシンは、インテルのXeon 6900PプロセッサーとAMDのInstinct MI300Aアクセラレーターを使用し、約40ペタFLOPSの性能を提供する。このマシンは、主に核融合研究の推進を任務とする。
このシステムは、青森にあるQSTの六ヶ所村核融合エネルギー研究所に設置される予定である。

◇El Capitan achieves top spot, Frontier and Aurora follow behind (11月18日付け TOP500 Supercomputer Sites)
→TOP500の第64版では、El Capitanがトップの座を獲得し、FrontierとAuroraに続くエクサスケール・コンピューティングに到達した3番目のシステムであることが明らかになった。その後、両システムはそれぞれ2位と3位に順位を下げている。さらに、新たなシステムがトップ10入りを果たした。

HPL benchmark
1 El Capitan米国
1.742 Exaflop/s
2 Frontier米国
1.353 Exaflop/s
3 Aurora米国
1.012 Exaflop/s
4 Eagle米国
561 Petaflop/s
5 HPC6イタリア
477.9 Petaflop/s
6 Fugaku日本
442 Petaflop/s
7 Alpsスイス
434.9 Petaflop/s
8 LUMIフィンランド
380 Petaflop/s
9 Leonardoイタリア
241.2 Petaflop/s
10 Tuolumne米国
208.1 Petaflop/s

◇スパコン「富岳」6位後退 計算速度、米国勢優位強まる (11月19日付け 日経 電子版 03:00)
→世界のスーパーコンピューターの計算速度を競う最新のランキングで、米国の「エル・キャピタン」が新たに1位となった。理化学研究所と富士通が開発した「富岳」は前回の4位から6位に下がった。1位から4位までを米国勢が占めた。
専門家の国際会議が米国時間18日、半年ごとに集計するランキングの最新版を公表した。スパコンは先端技術研究におけるインフラの役割を担っている。近年はAIの開発基盤としても重要性が増しており、国の科学技術力を示す指標として注目されている。


【中国半導体関連】

中国向けの比率が大きいながらも米国の規制に悩まされるオランダ・ASMLであるが、先行きの強気の読みである。

◇ASML Believes Global Semiconductor Markets Will Reach $1 Trillion Valuation By 2030, Driven By Huge AI Demand (11月15日付け wccftech)
→オランダのチップ製造装置メーカー、ASML社が、AIハイプを引き合いに、2030年までに世界の半導体売上げが$1 trillionに上昇するとの見方を報じている。
「ASML、更新ポストで 「強気の未来 」を明らかに、チップ装置メーカーが正しい軌道にあると主張」。半導体業界は、AI熱狂に関連するすべてのセグメントの中で、このトレンドに大きく乗じている。現代のチップは、AIアクセラレーターやサーバーの開発において重要な役割を担っており、エヌビディアのような企業がTSMCやその他のチップメーカーに大量の発注を行っているのはそのためだ。

以下、中国半導体市場における現時点の動き&内容を取り出している。

◇Chinese memory makers are dumping DDR4 memory on the market for less than reused chips - undercutting South Korean rivals' pricing by 50%―Reports: Chinese DRAM makers disrupt market with aggressive pricing ―As established players shift to DDR5 and HBM3, CXMT and Fujian Jinhua offer huge discounts. (11月18日付け Tom's Hardware)
→中国のDRAMメーカー、Changxin Memory(CXMT)とFujian Jinhuaが、積極的に生産を拡大し、価格を引き下げている、とDigiTimesが報じている。現在、両メーカーはDDR4コンポーネントを韓国メーカー製の同様のICsと比較して50%引きで販売しており、場合によっては、これらのDRAMsはreballed(リサイクル/再利用)メモリーチップよりも安いことさえある。

◇Huawei and Xiaomi claim over half of China's AI smartphone market (11月18日付け DigiTimes)
→AIスマートフォンが重要な局面を迎えるなか、大手メーカーはハードウェアとAIアプリケーションの開発を強化している。業界ウォッチャーは、アップルのApple Intelligenceが中国で販売されるようになれば、競争が激化すると予想している。
ITSBとSina Finance(新浪金融)の報告によると、ファーウェイとシャオミは中国のAIスマートフォン市場シェアの半分以上を獲得しており、それぞれ34.8%と26.9%を占めている。残りの市場シェアは、Vivo、Honor、Oppo、およびサムスン電子が分け合っている。

◇Huawei's advanced chips are taking a hit from U.S. sanctions―Huawei's next two Ascend processors are reportedly being designed with the old 7-nanometer process (11月19日付け Quartz)
→Bloombergは、ファーウェイの次の2つのAscendプロセッサは、何年も前から存在する7ナノメートルプロセスで設計されていると、この問題に詳しい人々を引用して報じた。この努力の妨げは、ファーウェイの中国のチップ製造パートナーがオランダのASMLから極端紫外線(EUV)露光装置を入手することを認めない米国主導の輸出規制によるものだと言われている。

◇Huawei’s AI Chip Plans Pushed 3 Generations Behind NVIDIA Due To US Sanctions - Report (11月19日付け Wccftech)
→ブルームバーグが引用した情報筋によると、中国のテクノロジー大手、ファーウェイは、米国の制裁により、人工知能のワークロードをサポートし、エヌビディアの旧製品の性能を満たすことができる先進的なチップの製造に苦戦しているという。トランプ政権とバイデン政権下のアメリカの制裁により、台湾のTSMCは最先端のチップを中国に販売できなくなり、中国のチップメーカーがオランダのASMLから最新のチップ製造機を調達するのも制限されている。

◇中国、半導体の自給率拡大 10年で10ポイント増 国策ファンド、SMICなど支援 米の規制で先端品に力 (11月19日付け 日経)
→中国が官民挙げて半導体の国産化を急いでいる。半導体の自給率は直近10年間で10ポイント近く上がり、米中対立が続くなか先端品でも国産代替を目指す動きが広がる。中国企業の技術力の向上が続けば、半導体分野で先行してきた欧米や日本、韓国などの企業にとっても脅威となりそうだ。

◇US sanctions freeze Huawei's Ascend AI chips on older 7nm process node that's eight years behind TSMC, stalling progress until at least 2026―Reports: Huawei AI chip progress stalls amid US sanctions―Purported poor 7nm yields add fuel to the fire. (11月20日付け Tom's Hardware)
→Bloombergの報道によると、ファーウェイのAIチップ市場における進歩は、先進的な極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置へのアクセスを妨げる米国の制裁によって妨げられており、同社のAscend AIチップは7ナノメートルプロセスノードにとどまっている。ファーウェイは、より高度なノードに進んでいるNvidiaやTSMCのような企業に比べて不利な立場にある。

◇BYD-designed, TSMC-made automotive chip rumored to involve MediaTek collaboration―TSMC, MediaTek, BYD reportedly collaborating on automotive chip (11月20日付け DigiTimes)
→中国のEV大手、BYDは、最先端の4nmプロセスで製造された自社開発の最先端車載用チップ、BYD 9000を発表した。業界筋によると、BYD 9000はこれまでで最も洗練された中国製車載チップである。


【我が国関連】

ラピダスおよびキオクシアについて、以下の通りである。

[ラピダス]

◇ラピダスに政府が2000億円出資案 25年度、量産支援 (11月20日付け 日経 電子版 19:30)
→政府は最先端半導体の製造を目指すラピダスの支援策として、2025年度に新たに2000億円を出資する計画だ。これまで合計9200億円の補助金を決めていた。27年の量産開始に向けた準備を後押ししつつ民間による出資や融資の呼び水にする。
経済産業省が与党議員に示した計画案で明らかになった。量産開始には計5兆円の資金が必要とされており、残り4兆円規模の資金確保が焦点になっている。

◇Rapidus looking for cash―Rapidus seeks funding to meet $32B production goal (11月21日付け Electronics Weekly (UK))
→1)日本は、2nmチップ工場、ラピダスの構築費をどうするか考え中だ。
 2)ラピダスは、2027年までに$32 billionの生産目標を達成するための資金問題に直面しており、2ナノメートル工場にはさらに$25.7 billionが必要である。日本政府は$1.3 billionの投資を提案する予定で、すでに$6 billionの補助金を提供している。ラピダスはMUFG銀行、トヨタ自動車およびソフトバンクから$4.7 billionの出資を受けており、大手銀行からはさらなる出資が検討されている。

◇ラピダスに税優遇、出資の負担軽減 25年度改正で政府案 (11月21日付け 日経 電子版 14:21)
→政府が2025年度の税制改正で次世代半導体の量産を目指すラピダスに税優遇策を設ける案を検討していることが21日、分かった。政府は同社への出資を予定しており、資本金の増加に伴ってラピダスの税金の支払いが想定される。この負担を軽減する特例措置を講じる。
経済産業省が与党幹部に政府案を示した。年末にかけて与党税制調査会などでの議論を経て詳細を詰める。

◇嶋田元次官がラピダスに 経産相「経営に必要な人材」 (11月22日付け 日経 電子版 12:38)
→次世代半導体の量産を目指すラピダスが元経済産業次官の嶋田隆氏を特別参与として迎えたことが22日、分かった。武藤容治経産相が同日の閣議後の記者会見で「経営戦略上必要となる人材として、経験や資質を踏まえて選任したと聞いている」と述べた。
同社は2027年に最先端品の量産開始を目指す。北海道千歳市に工場を建設中で、政府はこれまでに9200億円を補助した。

[キオクシア]

◇キオクシアHD、12月中旬上場へ 時価総額7500億円 (11月21日付け 日経 電子版 11:31)
→半導体メモリー大手、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)が12月中旬に上場することが21日分かった。22日に東京証券取引所から上場承認を得る見通しで、想定の時価総額は7500億円規模となる。当初の1兆5000億円以上の目標を下回るが、AI向けのデータセンター需要などで2025年からメモリー市況が上向くと判断した。

◇Bain-Backed Kioxia Sets IPO Price for December Tokyo Debut―Kioxia to debut on Tokyo Stock Exchange next month, has high IPO hopes (11月22日付け Yahoo/Bloomberg)
→Bain Capitalが支援するキオクシア・ホールディングスは、日本の株式市場再活性化の最新の試みとして、IPOの指標価格を1株あたり1,390円に設定している。
同社が大蔵省に提出した書類によると、ベインと東芝が新規株式公開(IPO)の売り出しを計画しており、該メモリメーカーは12月18日に東京証券取引所デビューを予定している。

◇キオクシア上場承認 「独り立ち」後もくすぶる再編の火種 (11月22日付け 日経 電子版 17:45)
→半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)は22日、東京証券取引所から上場を承認されたと発表した。12月18日に東証プライム市場に上場する。上場後は同業の韓国SKハイニックスがキオクシア株を取得できるようになり、再編の火種もくすぶる。経営の主導権を確保するために、早期に成長軌道に乗せられるかが問われる。


【Nvidia関連その他】

量子AI設計でのGoogleとの連携など、以下の通り。

◇Nvidia accelerates Google quantum AI design with quantum physics simulation―Google Quantum AI uses Nvidia for processor design (11月18日付け VentureBeat)
→Google Quantum AIは、Nvidiaと協力して、Nvidia Eosスーパーコンピュータによるシミュレーションを利用した量子コンピューティングデバイスを設計している。この提携は、1,024基のNvidia H100 Tensor Coreグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPUs)を利用して量子プロセッサーの物理シミュレーションを行うことで、量子ハードウェアのノイズ問題に対処することを目的としている。

◇Nvidia Is Helping Google Design Quantum Computing Processors (11月18日付け Bloomberg)
→*プロジェクトでは、NvidiaのEosスーパーコンピュータを使用してシミュレーションを実行する。
 *量子コンピューティングはハイテク産業にとって長期的な賭けであることに変わりはない

◇Nvidia unveils Omniverse real-time physics digital twins―Nvidia's Omniverse Blueprint enables real-time digital twins (11月18日付け VentureBeat)
→Nvidiaは、航空宇宙や自動車などの産業を強化するために、リアルタイムの物理演算によるデジタルツインの作成を可能にする技術、Omniverse Blueprintを発表した。該ブループリントは、NvidiaのCUDA-Xライブラリ、Modulus物理AIフレームワークおよびOmniverse APIsを統合し、より高速なシミュレーションと可視化を可能にする。

◇Nvidia is helping Google’s quantum processor efforts (11月20日付け Taipei Times)
→AI利用ブームの中心にいるチップメーカー、Nvidia Corp.が、量子コンピューティングを追求するためにAlphabet Inc.のGoogleと提携する。
グーグルの量子AI部門は、量子コンポーネントの設計をスピードアップするために、エヌビディアのスーパーコンピューターEosを使用する予定であると、両社は月曜18日の声明で述べた。


【韓国関連】

SK HynixおよびSamsungについて、以下の通りである。

[SK Hynix]

◇Hynix to sample HBM3e 16hi in H1 2025―Hynix initiates sampling of 16hi stack option for HBM3e (11月18日付け Electronics Weekly (UK))
→*ハイニックスは2025年上半期に、1キューブあたり48GBの容量を持つHBM3e 16hiメモリのサンプル出荷を開始する予定である。
 *HBMのサプライヤーは通常、HBM3eでは8hiスタックと12hiスタック、HBM4では12hiスタックと16hiスタックのように、各世代で2つのスタック高オプションを導入する、とTrendForceは述べている。

◇SK hynix begins production of world's first 321-layer NAND flash memory chips (11月21日付け Yonhap News Agency)
→SK hynix Inc.は木曜21日、業界初のトリプルレベルセル(TLC)ベースの321層NANDフラッシュメモリチップの量産を開始したと発表した。
NANDフラッシュ・メモリは不揮発性メモリ記憶媒体で、一般的なデータの保存や転送のためにメモリカード、USBドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ(SSDs)およびスマートフォンなどで広く使用されている。

◇SK Hynix Begins Mass Production of Industry-leading 321-layer NAND Flash Memory―SK Hynix starts mass production of 321-layer NAND (11月21日付けKorea Advanced Institute of Science and Technology (South Korea))
→SKハイニックスは、321層1テラビット・トリプルレベルセル(TLC)4D NANDフラッシュの量産を開始した。同社によると、この製品はデータ転送速度が12%向上、読み出し性能が13%向上し、そして電力効率が10%以上改善されて、データセンターの需要に応えられるという。

[Samsung]

◇Samsung unveils surprise buyback as AI fears persist (11月18日付け Taipei Times)
→*低迷するビジネス:韓国最大の企業で半導体メーカーの自社株買いは、AIブームに乗り遅れるのではないかという懸念を煽る。
 *サムスン電子は、今後1年間で約10兆ウォン(約$7.2 billion)の自社株買いを計画しており、同社史上最大規模の株主還元プログラムを始動させる。
韓国最大の企業は、今後12ヶ月の間に段階的に株式を買い戻すと、金曜15日に規制当局に提出した書類で述べた。

◇Samsung Electronics holds tool-in ceremony for new chip R&D center (11月18日付け Yonhap News Agency)
→世界最大のメモリー・チップ・メーカーであるサムスン電子は月曜18日、ソウル近郊の新しい半導体研究開発複合施設のツールイン式典を開催したと発表した。
この式典は、ソウルの南、龍仁(Yongin)市にあるGiheungキャンパスのNRD-Kコンプレックスに最初のバッチ装置が設置されたことを記念するもので、建設から製造準備への移行における重要なマイルストーンを意味する。

◇Samsung foundry eyes Qualcomm and Nvidia for 2nm and 3nm orders―Samsung targeting Qualcomm, Nvidia for 2nm, 3nm processes (11月19日付け DigiTimes)
→Samsung Electronicsのファウンドリー部門が、Exynos 2600(仮称)の量産を通じて半導体能力を前進させており、モバイル・アプリケーション・プロセッサ(APs)での自給自足に向けた戦略的推進を示している。業界関係者は投資削減の可能性を推測しているが、同社はAP開発へのコミットメントを維持しており、2nmおよび3nmプロセスの潜在的顧客としてQualcommおよびNvidiaを確保する計画である。

◇Samsung Electronics introduces 2nd-generation AI model, Gauss 2 (11月21日付け Yonhap News Agency)
→サムスン電子は木曜21日、年次技術会議で生成型AIモデルの第2世代であるSamsung Gauss2を発表した。
オンラインのSamsung Developer Conference Korea 2024の基調講演で、同社は最新のAIモデルの性能、効率およびさまざまな応用可能性の向上を強調した。


【TSMC関連】

以下それぞれの内容であるが、最後では最先端のロードマップを改めて確認している。

◇TSMC declines to comment on US discriminatory hiring lawsuit (11月15日付け Taipei Times)
→TSMCは昨日、十数人の現・元米国従業員が該チップメーカーの差別的雇用慣行を非難する集団訴訟を起こしたことを受け、係争中の法的措置についてはコメントしないと述べた。当初8月に提訴されたこの訴訟は、先週、13人の原告が名を連ねる集団訴訟として再提出された。

◇TSMC’s move to cut off Chinese chip firms weighs on annual Beijing semiconductor forum (11月20日付け South China Morning Post)
→*第21回中国国際半導体博覧会(China International Semiconductor Expo)にて、業界専門家たちが国内チップ製造の前途の課題と機会について意見を述べた。
 *中国のチップ業界の専門家と投資家は、TSMCが一部の本土顧客向けの高度なファウンドリー・サービスを削減した影響と、米国のドナルド・トランプ新政権下での同国のチップ・セクターの見通しについて議論するため、毎年恒例の最大級のチップ・フォーラムに北京に集まった。
第21回China International Semiconductor Expoに出席の業界関係者によると、米国の制裁強化の脅しにもかかわらず、中国はその巨大市場の可能性から先端半導体および生成artificial intelligence(AI)の発展について強気であるべきである。

◇TSMC's says 1.6nm node to be production ready in late 2026 - roadmap remains on track―TSMC details N2, A16 processes production through 2026―No, A16 is not delayed, says TSMC. (11月22日付け Tom's Hardware)
→TSMCによると、N2(2ナノメートル)技術を用いたチップの量産は来年後半に開始され、次いでA16(1.6ナノメートル)プロセスが2026年後半に開始されるという。裏面電力供給ネットワークを含むA16プロセスはデータセンターのAIプロセッサー向けで、N2PとN2Xプロセスはそれぞれクライアント・デバイスと高性能中央演算処理装置(CPUs)をターゲットにしている。

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