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米中最前線、中国市場の最先端node品の実態関連:CHIPS法の動き更新

半導体製品分解調査のTechInsightsによる中国・HuaweiのAscend 910Bの評価において、TSMC製のチップが見つかり、米国の対中国輸出規制に抵触する可能性があるとして、TSMCが米国政府に通知している。並行して中国のスマホメーカー、Xiaomiの3-nmプロセッサが浮上し、Mediatekとの協業とされているが、TSMCが製造との憶測があらわされている。いずれにしても、TSMCの製造管理のあり方が問われるのは必至の状況に見えており、直近には顧客への出荷停止の記事が見られている。米国大統領選挙を控えて米中関係の敏感な時期であり、今後の推移に注目である。米国国内の半導体製造強化に向けたCHIPS法関連の動きも引き続いており、以下に更新している。

≪規制の線引きの限界≫

米中の狭間で腐心する状況から。

◇Why Apple’s not decoupling from China―Apple opens new R&D center in Shenzhen in bid to boost iPhone’s position amid government bans and resurgent Huawei competition (10月18日付け Asia Times)
→アップルは深センに新たな研究開発センターを開設し、iPhoneメーカーとしては復活したファーウェイに対抗し、世界最大のスマートフォン市場での地位を強化するための最新の試みとなった。アップルにとって、中国で5番目の研究開発施設となる。
この動きは、アップルが反中国的な米国の政治家の声よりも株主の利益を優先し続けていることを示している。

◇Tech war: ASML CEO sees US pressure building for more China semiconductor restrictions―The Dutch firm has a monopoly on making the lithography machines that help the world’s largest semiconductor foundries produce advanced chips (10月22日付け South China Morning Post)
→ASMLホールディングのChristophe Fouquet CEOは、オランダのチップ製造装置メーカーにとって最大の市場である中国への半導体技術販売をさらに制限するよう、米国からの圧力が強まると予想している。

Huaweiの製品においてTSMC製チップが見つかって、米国の輸出規則に違反か、と先週末から以下の通り続いている。

◇TSMC says it complies with laws, export controls―US PROBE: The Information reported that the US Department of Commerce is investigating whether the firm made advanced chips for China’s Huawei (10月19日付け Taipei Times)
→世界最大の先端チップ受託製造企業であるTSMCは昨日、同社は遵法企業であり、輸出規制を含むすべての適用法令を遵守することを約束すると述べた。
新竹に本社を置く大手チップメーカーは、米ニュースサイト「The Information」が、米商務省がTSMCに対し、中国の華為技術向けにスマートフォンやAIチップを製造し、輸出規則に違反したかどうかの調査を開始したとの記事を掲載したことを受け、声明を発表した。

◇Exclusive: TSMC told US of chip in Huawei product after TechInsights finding, source says―Source: TSMC alerts US about chip found in Huawei's Ascend 910B product (10月22日付け Reuters)
→TSMCは、技術調査会社、TechInsightsが製品を分解した結果、同社のチップの1つがファーウェイ製品から見つかった、と米国に通知した、とこの問題に詳しい人物は、該中国企業に対する輸出規制違反の可能性を明らかにした。別の情報筋によれば、分解されたのはファーウェイのAscend 910Bだという。910Bは、中国企業による最先端のAIチップと見られている。最初の情報筋は品目を特定しなかったが、TSMCのチップはマルチチップシステム内の1つだと述べた。

◇TSMC says it has alerted US of potential China AI chip curbs violation (10月22日付け Reuters)
→TSMCは火曜22日、ファーウェイが中国企業向けにAIチップを製造することを禁止する米国の輸出規制を回避しようとする可能性があることを米国に通知したと発表した。
米国政府は2年前、中国軍の能力を制限する必要があるとして、中国へのハイエンドAIチップの輸出を制限した。

◇TSMC「ファーウェイ似」AI半導体の製造依頼 米に報告 (10月23日付け 日経 電子版 04:54)
→英フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日、TSMCが米政府に対し、中国通信機器大手である華為技術の開発品に似たAI半導体の製造依頼があったと報告したと報じた。米政府による対中輸出規制に違反しないために当局に説明した。

◇TSMC notifies US about use of its chip by Huawei (10月24日付け Taipei Times)
→*違反の可能性:米政府高官は、商務省がワシントンの制限に違反する可能性があるとの報告を承知していると述べた。
 *TSMCは昨日、同社のチップの1つが華為技術の製品から発見されたと報じられ、米国の輸出規制違反の可能性があることを米国政府に通知したと発表した。
  海外メディアの報道によると、カナダを拠点とする調査会社、TechInsightsは最近、ファーウェイの最高級AIアクセラレーターを分解している際に、TSMCが製造したAscend 910Bチップを発見したという。Ascend 910Bチップは該中国企業の最先端AIチップとされている。
  ロイター通信によると、TechInsights社は報告書(まだ公表されていない)に発表する前にTSMC社に調査結果を報告し、TSMC社は米商務省に通知したという。

◇TSMC「ファーウェイへの出荷停止」 20年以降、規制順守を強調 (10月24日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCは23日の声明で、中国通信機器大手の華為技術との取引を巡り「2020年9月中旬以降、出荷を停止している」とコメントした。米国の輸出規制の順守を改めて強調した。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日、TSMCが米政府に対して、ファーウェイの開発品に似たAI半導体の製造依頼があったと報告したと報じた。米政府による対中輸出規制に違反しないために当局に説明したという。
TSMCは声明で米商務省と積極的なコミュニケーションをとっていると明かしたうえで「TSMCは現時点で(米政府の)調査対象になっていない」との認識を示した。

並行して、Xiaomiの3-nmプロセッサが、以下の通り浮上してきている。

◇Tech war: Chinese official praises Xiaomi’s chip design as smartphone giant keeps mum (10月21日付け South China Morning Post)
→*北京市当局がシャオミの3ナノメートル・プロセッサーの設計を高く評価するも、該スマートフォン・メーカーはまだコメントせず
 *中国のハイテク企業シャオミは、国内初の3ナノメートルのスマートフォンチップを設計したと評価されているが、同社はこの件について沈黙を守っている。
  北京のハイテク産業を担当する市経済情報技術局のチーフエコノミスト、Tang Jianguo氏は、国営放送の北京ラジオテレビ局が日曜20日に放送したニュースの中で、シャオミは中国初の3ナノメートル級モバイルチップの「テープアウト」に成功したと述べた。詳細は明らかにされていない。

◇China's first 3nm SoC by Xiaomi marks a seven-year gap since its last launch, likely manufactured by TSMC (10月22日付け DigiTimes)
→シャオミが自社開発した3nmチップのtaping outが開始され、中国企業初の3nmモバイルSoCが登場、TSMCが製造と予想される。しかし、シャオミもTSMCもこの情報を確認しておらず、このニュースが流れた直後、関連動画報道は削除された。
Beijing Radio & Television Stationによると、北京市経済情報局チーフエコノミストのJianguo Tang氏は、シャオミは中国初の3nmモバイルSoCの生産に成功し、シャオミの前製品「Pinecore Surge S1」の発売から約7年、と述べている。

◇Xiaomi is said to have designed its own 3nm chip―Reports: Xiaomi designs its first 3nm chip―A big ‘tapeout’ for a firm that once had given up on designing its own smartphone processors after failed attempts (10月23日付け Asia Times)
→シャオミは、同社初の3ナノメーター・システムオンチップ(SoC)・プロセッサーの設計を完了し、来年前半に量産を開始すると報じられた。このチップはMediaTekとの協業によるもので、TSMCが製造している。

中国へのAI半導体投資規制が米国で最終段階を迎えている折りでもある。

◇U.S. proposals to curb AI, semiconductor investment into China under final review (10月22日付け CNBC)
→*機密技術に関する米国の対中投資を抑制することを目的とした措置が、検討の最終段階にあることが米国政府の最新情報で明らかになった。
 *この一連の規則の下で、財務省はAIを含む機微技術の中国への対外投資の届け出を義務付ける。

Huaweiの件で、TSMCはチェック管理の是正を求められ、顧客への出荷を停止するに至っている模様である。

◇Huawei uses TSMC loophole to bypass US chip ban―TSMC is supposedly familiar with Huawei’s Ascend chips but it didn’t raise red flags when seeing related orders (10月25日付け Asia Times)
→世界最大の受託チップメーカーであるTSMCは、同社が製造した7ナノメートルのAIチップが、大きな制裁を受けている華為技術の製品に搭載されていたことが判明したことを受け、エンドユーザーのチェックを改善するよう求められている。
米国の共和党議員で、中国共産党に関する下院委員会の委員長を務めるJohn Moolenaar氏は、ファーウェイのAIアクセラレータにTSMC製のチップが搭載されていたことを、「輸出管理政策の破滅的な失敗 」と表現した。

◇TSMC halts shipments to a client (10月25日付け Taipei Times)
→TSMCは今月、同社の半導体が中国のファーウェイに送られ、米国の制裁に抵触する可能性があるとして、顧客への出荷を停止した。米国は2019年にファーウェイに制裁を科し、翌年には制裁を拡大し、その技術が北京のスパイ活動に利用される恐れを巡ってである。この制限により、TSMCはファーウェイに半導体を販売することができない。

米中、そしてTSMCと、波乱要因となる可能性があり、引き続き注目するところである。

次に、米国の国内半導体製造強化に向けたCHIPS法の動き関連が引き続いており、以下取り出している。

CHIPS and Science Actによる先端実装分野への資金割り当てが行われようとしている。

◇Biden-Harris Administration Opens Funding Competition for Up to $1.6 Billion to Accelerate U.S. Semiconductor Advanced Packaging Technologies―Program will drive U.S. leadership in semiconductors as well as provide the critical technology and skilled workforce needed for U.S. semiconductor packaging (10月18日付け NIST)
→本日、バイデン-ハリス政権は、米国半導体産業が半導体技術に革新的な新しいアドバンスト・パッケージングフローを採用できるようにするため、CHIPSおよび科学法(CHIPS and Science Act)による資金提供の機会告知(NOFO:Notice of Funding Opportunity)を発表した。この投資は、米国大統領の包括的なアジェンダであるInvesting in Americaの一環として行われるもので、米国の競争力を高め、将来の産業における製造業を後押しするものである。

◇White House opens $1.6B CHIPS advanced packaging competition―$1.6B competition aims to boost US chip packaging tech―Applicants can receive up to $150 million and have until Dec. 20 to submit their concept papers. (10月23日付け Manufacturing Dive)
→バイデン-ハリス政権は、CHIPS and Science Actの下、国内パッケージング技術を促進するための$1.6 billionの資金コンペを開始した。この取り組みは、$10 millionから$150 millionの資金授与で技術格差に対処することにより、国内半導体能力を強化することを目指している。

CHIPS法の資金提供を受ける予定の1社、Samsungは、テキサスの工場へのASML製半導体製造装置の納入を延期している。

◇Samsung delays taking deliveries of ASML chip gear for its new US factory, sources say (10月18日付け The Korea Times)
→サムスン電子は、テキサスに建設予定の工場向けにASML製チップ製造装置の納入を延期しており、この問題に詳しい3人の関係者によると、同社はまだこのプロジェクトで主要な顧客を獲得していないという。
サムスンはまた、$17 billionを投じてテイラー市に建設される工場のために、他のサプライヤーへの発注を控えていて、他の顧客を探し、現場に派遣されているスタッフを帰国させるよう促している、とこの件に詳しい他の3人が語った。

◇Samsung delays ASML chip gear deliveries in US (10月19日付け Taipei Times)

現下のCHIPS法支援の動きとして、まず、Polar Semiconductorである。

◇Polar Aims to Lead as First Power Chip Foundry―Polar Semiconductor aims to be first foundry dedicated to power chips ―The chipmaker still needs to reach milestones to keep its funding. (10月21日付け EE Times)
→Polar Semiconductor社は、CHIPS and Science Actから資金援助を受けた最初の企業である。Surya Iyer CEOは、この資金により、同社をパワー半導体の製造に特化した世界初のファウンドリーへと変貌させることを目指している。
9月、CHIPS法を監督する商務省(DoC)は、ポラール社に最高$123 millionの直接資金を初めて支給した。しかし、このチップメーカーが該資金を維持するには、プロジェクトのマイルストーンを完了する必要がある。

次に、Hemlock Semiconductorである。

◇SIA Applauds CHIPS Incentives for Hemlock Manufacturing Expansion in Michigan (10月21日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA:半導体産業協会)は本日、米国商務省とHemlock Semiconductor(HSC)が発表した半導体製造奨励策を称賛するSIAのPresident and CEO、John Neuffer氏の声明を発表した。
本日発表されたインセンティブは、HSCがミシガン州に新しい超高純度半導体グレードのポリシリコン施設を建設するのを支援するためのものである。

◇Hemlock Semi gets $325m Chips Act funding―Hemlock Semi to build polysilicon plant with CHIPS Act aid (10月22日付け Electronics Weekly (UK))
→Hemlock Semiconductorは、半導体グレードのポリシリコン生産における米国の能力を強化するため、米国Chips and Science Actに基づき、最大$325 millionの資金を獲得した。

◇Hemlock Semiconductor to Significantly Expand U.S. Production Capacity of Semiconductor-Grade Polysilicon (10月22日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→本日、バイデン-ハリス政権は、米国商務省とヘムロック・セミコンダクター(HSC)が、半導体グレードのポリシリコン生産における米国のリーダーシップを確固たるものにするため、CHIPS and Science Actの下で提案された直接資金として最大$325 millionを提供するための拘束力のない予備的条件覚書(PMT:preliminary memorandum of terms)に署名したと発表した。

CHIPS法の特に新興企業に向けた効用を説く評論記事である。

◇This Startup Shows Why the U.S. CHIPS Act Is Needed―From lab to fab, Ideal Semiconductor’s journey would have been quicker (10月21日付け IEEE Spectrum)
→Ideal Semiconductorの共同設立者でありCEOのMark Granahan氏は、Benny Kite-and-Keyと静かな時を過ごしたことを認めているが、賢いアイデアを価値ある半導体企業に変えるには、母国の創業者からのインスピレーション以上のものが必要だ。電球の瞬間から実験室でのデモ、そして最終的には製造された現実へとナビゲートすることは、ハードウェア新興企業にとって常に決定的な闘いである。しかし、Idealの道のりは、今日の米国半導体業界における発明の状況、特に、新興企業の創業者が個人的に徹底的に提唱した法律であるCHIPS and Science Actが事態をより良い方向に変えるかもしれないことを特に物語っている。

SIAが、CHIPS法の一部として制定された税額控除を歓迎する以下の内容である。

◇SIA Welcomes Final Regulations for the Advanced Manufacturing Investment Tax Credit (10月22日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Associationは本日、SIAのPresident and CEO、John Neuffer氏より、国内でのチップ生産を奨励する画期的なCHIPS and Science Actの一部として制定された税額控除である「Advanced Manufacturing Investment Credit」を実施する最終規則の公表を歓迎する声明を発表した。米国財務省およびInternal Revenue Service(IRS:内国歳入庁)は本日、最終規則を発表した。SIAは政府指導者と緊密に協力し、最終規則に業界の優先事項が盛り込まれるよう働きかけた。

◇米国、半導体国内工場の減税策決定 投資の25%税額控除 (10月23日付け 日経 電子版 05:23)
→米バイデン政権は22日、米国内での半導体製造に対する「CHIPS・科学法」に基づく税優遇策の最終案を公表した。投資額の25%について税額控除を受けられる内容だ。太陽光パネル材料の生産も今回、税優遇の対象とすることを決め、国内生産を促す。手厚い内容となった分、当初想定よりも財政負担が膨らむ可能性が高い。

◇New Tax Rules Provide Manufacturers a Clear Path Forward in Revitalizing U.S. Chip Production (10月25日付け SIA Blog)
→火曜22日、米国財務省と内国歳入庁(IRS)は、CHIPS and Science Act (CHIPS Act)で制定された25%の投資税額控除であるAdvanced Manufacturing Investment Credit (AMIC)に関する待望の最終規則を発表した。税法第48D条に体系化されたこの控除は、この画期的な法律の中核をなすものであり、米国半導体エコシステムへの民間投資の強力な原動力となることがすでに証明されている。SIA は最終規則の発行を歓迎し、この新たな優遇措置についてメーカーに明確な道筋を示した財務省とIRSを称賛する。

CHIPS法の今までの受付状況がまとめられている。

◇Americas Chip Funding Energizes Industry―US chip funding process detailed by Commerce official―Massive government infusions aim to improve security and supply chain robustness. (10月23日付け Semiconductor Engineering)
→米国商務省は、国内半導体製造を支援するためにCHIPS and Science Actから$53 billionを割り当てるプロセスの概要を発表、すでにIntel社やTaiwan Semiconductor Manufacturing Co.(TSMC)などに認められている。商務省高官によると、500件以上の関心表明書と100件以上の本申請書が提出されている。

具体的な進捗について、引き続き注目するところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□10月18日(金)

米国のAIへの対処の動きが、以下にも続いている。

◇Congressional leaders negotiating potential lame-duck deal to address AI concerns―AI concerns drive bipartisan talks in Congress―The discussions between the top four Hill leaders are centered on hopes to pass legislation before January. (Politico)
→米連邦議会は、AIをめぐる懸念に対処するための立法パッケージに取り組んでいる。民主党ニューヨーク州選出のChuck Schumer上院院内総務が主導する超党派の交渉は、臨時国会期間中にAI関連法案を可決することを目的としている。民主党と共和党はいくつかの共通点を共有しているが、AIが誤情報、国家安全保障および選挙に果たす役割などのテーマが難題に発展する可能性がある。

□10月22日(火)

連日の最高値更新から一転、底堅い景気の中の長期金利の上昇が重荷、連日の下げとなった今週の米国株式市場である。

◇NYダウ344ドル安 利益確定売り、決算本格化ひかえ (日経 電子版 06:04)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比344ドル31セント(0.79%)安の4万2931ドル60セントで終えた。連日で最高値を更新した後で主力株の一角に利益確定目的の売りが出た。米債券市場で長期金利が上昇したことも株式相場の重荷となり、ダウ平均の下げ幅は一時400ドルに迫った。

トランプ・インパクトが、以下にも続く見え方である。

◇Tariff surge would damage global growth, IMF warns ―IMF warns of global growth risks amid tariff threats (Financial Times)
→国際通貨基金(IMF)は、ドナルド・トランプ氏が選挙で勝利した場合、米国で高関税が導入される可能性があるとして、世界的な保護主義の高まりに警鐘を鳴らし、世界経済の成長見通しを妨げると警告した。IMFは、今年と来年の世界経済が3.2%拡大すると予想しているが、関税引き上げが実施されれば、2025年には0.8%、2026年には1.3%減少することになる。

□10月23日(水)

◇NYダウ小幅続落、6ドル安 長期金利の高止まりが重荷に (日経 電子版 06:51)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比6ドル71セント(0.01%)安の4万2924ドル89セントで終えた。米長期金利の高止まりが株式相場の重荷となった。半面、ダウ平均は高く推移する場面があった。
米経済が底堅さを維持するとの見方に加え、主要企業が発表する2024年7〜9月期決算への期待が相場を支えた。

□10月24日(木)

◇NYダウ3日続落、409ドル安 金利上昇が重荷 (日経 電子版 06:48)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比409ドル94セント(1%)安の4万2514ドル95セントで終えた。3日続落した。底堅い米景気を背景に、長期金利が3カ月ぶりの高水準に上昇。相対的な割高感が意識され、大型テック株を中心に売りが広がった。

◇円一時153円台に下落 強まる「もしトラ」、インフレ警戒 (日経 電子版 07:22)
→23日の米金融市場で米金利上昇をきっかけにした円売りが進んでいる。長期金利が4.2%台と7月下旬以来の高水準をつけ、日米金利差が広がるとの思惑から円相場は一時1ドル=153円台と円安・ドル高が加速した。米景気が予想以上に堅調で利下げペースが減速するほか、2週間後の米大統領選でトランプ氏が優勢との見方が拡大。インフレ再燃への警戒が金利上昇につながっている。

□10月25日(金)

◇米国、安保分野のAI活用で初の国家戦略策定 中国に対抗 (日経 電子版 05:28)
→バイデン米政権は24日、安全保障分野でのAI活用に向けた国家戦略の覚書をまとめた。安保分野のAI利用を巡る戦略は初めて。安全保障に関わる全省庁で内部システムの構成を見直す内容だ。中国などの情報機関がAI関連情報を取得することを防ぐ手立ても取る。

◇NYダウ続落140ドル安 IBM下落が重荷、テスラは2割高 (日経 電子版 07:29)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比140ドル59セント(0.3%)安の4万2374ドル36セントで終えた。4日続落した。米景気が堅調に推移し、米長期金利が高止まりしていることや、IBMなど7〜9月期決算を発表した一部の企業業績が市場予想を下回ったことが株価への重荷となった。

□10月26日(土)

◇ナスダック一時最高値、大型テックに買い ダウ5日続落 (日経 電子版 07:58)
→25日の米株式市場でナスダック総合株価指数は前日比103.12ポイント(0.6%)高の1万8518.61と、2日続伸した。取引時間中に7月10日に付けた最高値(1万8647、終値)を一時上回る場面があった。翌週から本格化する大手テック企業の決算を前に、好決算を期待した買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダックが上昇した一方で、ダウ工業株30種平均は0.6%安と5日続落し、多くの機関投資家が運用の物差しとするS&P500種株価指数は0.02%安で引けた。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

事業再構築に向けた動きはじめ、以下いずれもそれぞれ今後ともに注目である。

◇Intel seeks billions for minority stake in Altera business, sources say―Sources: Intel seeks investors for Altera (10月18日付け CNBC)
→1)情報筋によると、インテルはアルテラ部門の少数株主持分の売却を検討しており、アルテラの評価額は約$17 billionになるという。この動きは、株価の大幅な下落と市場シェアの低下に対処するインテルの戦略の一環であり、2026年までに新規株式公開(IPO)を計画している可能性があると言われている。
 2)*この件に詳しい情報筋によると、インテルはアルテラ子会社に対して、少なくとも数十億ドル相当の少数株式を取得する投資家を探しているという。
  *インテルはアルテラを約$17 billionで評価する取引を求めているという。
  *インテルがこの事業の過半数の買収者を探す可能性はある。

◇Intel to Sell Minority Stake in Altera for $17 Billion, Report Says. It’s Part of a Bigger Turnaround Plan. (10月18日付け Barron's)

◇Intel seeks foundry alliance with Samsung to challenge TSMC's market dominance―Reports: Intel proposes foundry partnership with Samsung (10月22日付け DigiTimes)
→1)インテルがサムスン電子の幹部に、市場を支配するTSMCに対抗する「ファウンドリー連合」を結成する提案を持ちかけたと報じられている。この動きは、インテルとサムスンが両社のファウンドリー事業で問題を起こしたことを受けてのものだ。この2大企業間の提携の可能性は、韓国産業界の関心の的となっている。
 2)インテルは、Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.(TSMC)の席捲に挑戦するためにサムスン電子とのファウンドリー提携を提案していると伝えられている。この提携には、プロセス技術の交換、共同研究開発(R&D、および生産設備の共有が含まれる可能性がある。インテルもサムスンもこの報道についてコメントしていない。

◇Europe's top court rules for Intel to end long-running antitrust case―Intel's antitrust battle ends after EU court ruling (10月24日付け Reuters)
→欧州の最高裁判所であるEU司法裁判所は木曜24日、インテルを支持する判決を下し、該米国のチップメーカーと、ライバルの妨害を試みたとするEU規制当局との、20年近くに及ぶ戦いに終止符が打たれた。
「司法裁判所は、欧州委員会の上訴を棄却し、一般裁判所の判決を支持する」と述べた。
欧州委員会は、インテルがコンピューターメーカーのデル、ヒューレット・パッカード, NECおよびレノボに対して、Advanced Micro Devicesを阻止する狙いで、チップの大半をインテルから購入し、リベートを与えているして罰金を科していた。

◇Intel Core Ultra 9 285K Review: Intel Throws a Lateral with Arrow Lake―Review: Intel Core Ultra 9 285K offers mixed bag for gaming―Some good, some not so good. (10月24日付け Tom's Hardware)
→インテルのCore Ultra 9 285Kプロセッサーは、Core i9-14900Kと比較して、ゲーム以外のタスクではより低温でわずかに高速に動作するものの、ゲームのテストでは物足りないという複雑な性能を示した。AIタスク用のニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を搭載し、新しいマザーボードが必要なこのプロセッサは、消費電力と発熱が少ないが、「Forza Motorsport 」などのゲームではフレームレートが遅れる。

◇Intel’s Core Ultra 9 285K CPU is one step forward, one step back for PC gaming―Intel’s flagship Core Ultra 200S-series processor runs more efficiently, but PC gaming performance is disappointing. (10月24日付け The Verge)

◇ルネサス、米インテルとAIパソコン向けICを共同開発 (10月25日付け 日刊工業)
→ルネサスエレクトロニクスは24日、米インテルとAIパソコン向けのパワーマネジメントICを共同開発したと発表した。インテルのAIパソコン向けプロセッサーに対応する。AIアプリケーションは電力消費量が多い。今回のパワーマネジメントICはAIアプリケーションが実行する際の電力消費を最適化する。


【Arm関連】

Armが、Qualcommに対してライセンス契約解消を通知、一波乱となっている、以下今週の記事推移である。

◇As Arm rivals cook up custom silicon, Mediatek sticks to tried-and-true Cortex recipe―MediaTek continues to use Arm Cortex even as custom silicon trend grows ―Exec Chris Bergey tells us what the chip designer is doing to stay competitive (10月22日付け The Register (UK))
→Armホールディングスは、近代のスマートフォンが登場して以来、モバイルチップの主要なアーキテクチャとして長い間君臨してきた。同社のCortexは、思いつく回りほとんどすべての携帯電話やタブレットの内部で静かに音を立てている。しかし、アップルやクアルコムが独自のカスタム・シリコン・デザインを製造しているため、Armの市場支配力は安全ではなくなってきているようだ。

◇Arm to Scrap Qualcomm Chip Design License in Feud Escalation―Source: Arm to cancel Qualcomm's chip design licenseーArm sued its longtime partner for breach of contract in 2022ーThe company gave Qualcomm a 60-day notice of cancellation (10月23日付け Bloomberg)
→Bloombergの報道によると、アーム・ホールディングスは、クアルコムが同社の知的財産をチップ設計に使用することを認めている重要なライセンスを解除し、現在進行中の法的対立を激化させるようだという。
アームは、クアルコムに対し、アームの標準規格に基づくチップを製造するために必要なアーキテクチャ・ライセンス契約の終了について、60日間の通知を出したとみられている。

◇Qualcomm x Arm beef escalates. (10月23日付け The Verge)
→Armは、クアルコムが自社チップの設計にArmのIPを使用できるようにしているアーキテクチャー・ライセンスを取り消すと60日前に通告した。
これは、クアルコムがNuviaを買収した後、新たなライセンス交渉に失敗した2022年まで遡る確執の激化である。クアルコムはその必要はないと主張している。

◇アーム、クアルコムにライセンス契約解消を通知 米報道 (10月23日付け 日経 電子版 15:39)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが米クアルコムに対し、半導体設計のライセンス契約を解消すると伝えたことが22日わかった。複数の米欧メディアが報じた。両社は2022年から契約を巡って法廷闘争を続けており、対立が事業面にも影響し始めた。

◇ライセンス契約解消 アーム、クアルコムに通知 米欧報道 (10月24日付け 日経)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが米クアルコムに対し、半導体設計のライセンス契約を解消すると伝えたことが22日わかった。複数の米欧メディアが報じた。両社の契約を巡る法廷闘争が事業面にも影響し始めた。

◇アーム「違反是正か契約解消」 クアルコムとの係争巡り (10月24日付け 日経 電子版 09:07)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは23日、米半導体大手クアルコムとのライセンス契約を巡り、「違反を是正するか、契約を解消するよう求める正式な措置を取らざるを得なくなった」とコメントした。両社はライセンス契約で係争を抱えており、12月の審理で争う見通しだ。
アームは2022年にクアルコムを契約違反と商標権侵害で提訴した。クアルコムが買収した半導体新興の米ヌビア(Nuvia)が持つアームのライセンスについて、同社の許可を得ずにクアルコムに移転しようとしたと主張している。

◇How Qualcomm's feud with Arm could be a major blow to Copilot+ laptops-Qualcomm-Arm legal battle threatens future of Copilot+ program ―The future of Copilot+ looks bleak (10月24日付け Laptop Mag)
→クアルコムとチップ・アーキテクチャー企業アームとの法廷闘争が続く中、Copilot+ PCsの将来はこれまで以上に不透明なものとなっている。
現在進行中の法的紛争が最近エスカレートしており、Arm Holdings社は、クアルコムがARMアーキテクチャを採用したチップセットを製造・販売するライセンスを60日以内に取り消すよう通告している。

◇アーム「違反是正か契約解消」 クアルコムとの係争巡り (10月25日付け 日経)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは23日、米半導体大手クアルコムとのライセンス契約を巡り、「違反を是正するか、契約を解消するよう求める正式な措置を取らざるを得なくなった」とコメントした。両社はライセンス契約で係争を抱えており、12月の審理で争う見通しだ。

◇Arm CEO Sees AI Transforming the World Much Faster Than the Internet―Arm CEO strives to lead AI innovation after successful IPO (10月25日付け Bloomberg)
→1)アーム・ホールディングスのCEO、Rene Haas(レネ・ハース)氏は、AIのインパクトは「かなり、かなり劇的」になり、スマートカーを抑えることはできないと語る。
 2)アームCEOのレネ・ハース氏は、同社を新規株式公開(IPO)の成功に導き、$4.87 billionを調達し、株価を倍増させた。ハース氏はアームをAIの最前線に位置づけることを目指しているが、同社はクアルコムとの知的財産をめぐる法的紛争に直面している。

◇アーム、半導体盟友クアルコムに強硬姿勢 AI巡り危機感 (10月26日付け 日経 電子版 05:00)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームがライセンス契約の係争を巡り、米半導体大手クアルコムに対して強硬姿勢に出た。クアルコムがアームの技術を不当に利用していると主張し、契約解消を通知した。背景にはクアルコムが注力するAI分野で機会損失を招きかねないという危機感がある。


【Nvidia関連】

懸念要因を孕みながら拡大を続けるAI半導体を大きく引っ張るNvidiaについて、Appleを一時抜く勢いの時価総額、タイそしてインドと新興市場進出の動き、そして注目のBlackwell AI半導体、と以下の通りである。

◇Nvidia to win the race to $4 trillion market cap, experts say―Nvidia expected to reach $4T market cap (10月21日付け Yahoo)
→エヌビディアは、グラフィック・プロセッシング・ユニット・チップとAIに対する旺盛な需要に牽引され、時価総額$4 trillionに達する最初のBig Tech企業になる準備が整っている、と専門家は言う。同社の株価は先週、輸出規制への懸念やASMLの見通しの低迷にもかかわらず、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)の前向きな見通しに後押しされ、史上最高値を更新した。

◇Nvidia's design flaw with Blackwell AI chips now fixed, CEO says―CEO: Nvidia resolves design flaw in Blackwell AI chips (10月23日付け Reuters)
→1)エヌビディアのジェンセン・フアン CEOは20日、生産に影響を与えた最新のAIチップ「ブラックウェル」の設計上の欠陥が、長年の台湾製造パートナーであるTSMCの協力を得て修正されたと発表した。
AIチップ大手の株価は取引開始直後に約2%下落した。
Nvidiaは3月にBlackwellチップを発表し、第2四半期に出荷すると発表していたが、遅れたため、Meta Platforms、アルファベット、グーグルおよびマイクロソフトなどの顧客に影響を与える可能性があった。
 2)エヌビディアのJensen Huang CEOは、同社のAIチップ「ブラックウェル」の設計上の欠陥が、TSMCの協力を得て修正されたと発表した。この欠陥は生産歩留まりに影響し、出荷を遅らせた。Blackwellチップは、以前のモデルよりも著しく高速で、第4四半期に出荷される予定だ。

◇Nvidia is planning to invest in Thailand: Thai minister (10月23日付け Taipei Times)
→Nvidia社は、東南アジアがAIデータセンターの建設とそれを支える部品の製造のホットスポットとなる中、Alphabet社やMicrosoft社に続き、タイへの投資計画を発表する予定だ。
タイのPichai Naripthaphan商務相は月曜21日、該米国のチップ設計会社は、Jensen Huang CEOが12月にバンコクを訪問する際に投資を発表すると述べた。

◇Nvidia to supply chips to Reliance, other Indian companies in AI push (10月24日付け Reuters)
→・Huang(ホアン)氏とAmbani(アンバニ)氏、インドのAI野望について議論
 ・リライアンス、グジャラート州のデータセンターにNvidiaのチップを採用へ
 ・エヌビディアが、Infosys, Wipro, TCSとの関係を拡大
米チップ大手、エヌビディアは24日、Mukesh Ambani氏が率いるReliance Industriesなどのインド企業にAIプロセッサーを供給すると発表した。リライアンスが西部のグジャラート州に建設する1ギガワットのデータセンター向けに、該米国企業のBlackwell AIプロセッサーを供給すると、CEOのJensen Huang氏とAmbani氏は、ビジネスの中心地、Mumbai(ムンバイ)で開催されたAIサミットで語った。

◇Nvidia announces partnerships with Indian tech firms, corporates around Jensen Huang's visit―Nvidia to supply AI processors to Indian companies (10月24日付け MSN/The Economic Times (India))
→Nvidiaは、急成長する市場開拓の一環として、Reliance Industriesを含むインド企業にAIプロセッサを供給するとしている。リライアンスはインドのGujarat州にあるデータセンターにNvidiaのBlackwell AIプロセッサを使用する。エヌビディアはまた、Infosys, Tech Mahindra, Tata Consultancy ServicesおよびWiproとも提携し、データセンターの建設や開発者の育成に取り組んでいる。

◇Nvidia doubles down on India with Hindi language model and major partnerships (10月24日付け CNBC)
→*Nvidiaは木曜24日、インドの大手企業との提携を発表し、ヒンディー語モデルを発表した。
 *Mukesh Ambani氏のReliance IndustriesとNvidiaは、インドでAIインフラを構築する計画を説明した。
 *Nvidiaはまた、インドで最も使用されているヒンディー語の小型言語モデル、Nemotron-4-Mini-Hindi 4Bを発表した。

◇NVIDIA、インド財閥にAI半導体 中国輸出制限うけ開拓 (10月25日付け 日経 電子版 05:49)
→米半導体大手のエヌビディアがインド市場の開拓に乗り出している。同社のジェンスン・ファン CEOは24日、インド財閥大手のリライアンス・インダストリーズなどにAI半導体を供給すると表明した。中国事業が米政府の規制で先行きが厳しいため、その分、インド市場開拓に力を注ぐ事情がありそうだ。

◇NVIDIA、時価総額再び世界首位に 一時アップル超え (10月26日付け 日経 電子版 05:44)
→米半導体大手エヌビディアの時価総額が一時、約$3.53 Trillion(約537兆円)で米アップルを上回り世界首位になった。ロイター通信が報じた。エヌビディアは生成AIのデータ処理に使う次世代半導体の本格生産を控えており、収益拡大への期待が再び高まっている。
アップルはその後エヌビディアを抜き返し、終値ベースではアップルが世界首位となった。


【SK Hynixの業績】

AI需要に向けた高帯域幅メモリー(HBM)半導体が非常に好調なSK Hynixの第三四半期の業績が、以下の通り発表されている。前年から黒字転換とともに、過去最高の売上高・営業益である。

◇SK hynix leads AI memory market with record Q3 earnings―SK Hynix reports record Q3 earnings on HBM demand (10月24日付け The Korea Times (Seoul))
→SKハイニックスは、高帯域幅メモリー(HBM)・チップの需要に牽引され、売上高が$12.72 billionに達し、第3四半期の業績が過去最高を記録したと発表した。同社は、HBMが第3四半期の30%から第4四半期には売上高の40%を占めると予想している。

◇韓国SK、営業益7800億円 7〜9月、生成AI向け好調 (10月25日付け 日経)
→韓国半導体大手のSKハイニックスが24日発表した2024年7〜9月期の連結営業利益は7兆300億ウォン(約7800億円)と黒字に転換した。前年同期は1兆7920億ウォンの赤字だった。生成AI向け高性能半導体の需要が強い。営業利益率は4〜6月期を7ポイント上回り、6年ぶりに40%台となった。
売上高は94%増の17兆5731億ウォン。営業益は4四半期連続で前年同期を上回った。売上高・営業益ともに四半期ベースでは過去最高だった。


【中国の半導体特許出願】

米国の輸出規制を受ける中、中国の半導体特許出願の急増が、以下の通り注目される。

◇China semiconductor patent applications skyrocket amid US export restrictions − country sees a 42% increase in patent filings―And amid a declining number of chip companies. (10月23日付け Tom’s Hardware)
→知的財産権法律事務所、Mathys & Squireの報告によると、2023年から2024年にかけて中国での半導体関連特許出願件数が急増し、Tianxia(天下)は出願件数で米国を大きく引き離している。これは、中国における半導体企業の数が減少し、米国とその同盟国の一部が中国のマイクロエレクトロニクス部門に大きな制限を課している中での出来事である。

◇China ramps up semiconductor patents amid US export restrictions―AI innovation and geopolitical tensions push Middle Kingdom filings up 42% (10月23日付け MSN)
→知的財産の専門家の調査によると、中国の半導体産業は、米国の輸出規制を受けて加速しているという。
知的財産事務所Mathys & Squireによると、世界の半導体特許出願は22%急増し、2022-23年の66,416件から2023-24年には80,892件に急増した。
その先頭を走るのは中国で、出願件数は32,840件から46,591件へと42%急増し、他の地域を圧倒している。


【市場データ関連】

2025年の展望関連もあらわれ始めているが、現下のいろいろな半導体関連から取り出している。

◇Global Silicon Wafer Shipments to Remain Soft in 2024 Before Strong Expected Rebound in 2025, SEMI Reports (10月21日付け SEMI)
→SEMIは本日、シリコンウェーハの世界出荷予測を発表し、2024年には2%減の12,174 million square inches(MSI)となり、ウェーハ需要がダウンサイクルから回復を続ける中、10%の力強い回復が2025年まで遅れて13,328MSIに達すると予測した。

◇Gartner Identifies the Top 10 Strategic Technology Trends for 2025 (10月21日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→ガートナー社は本日、2025年に企業が取り組むべき戦略的テクノロジー・トレンドのトップ10を発表した。木曜日まで開催されているGartner IT Symposium/Xpoでアナリストが発表した。
 Agentic AI
 AI Governance Platforms
 Disinformation Security
 Postquantum Cryptography
 Ambient Invisible Intelligence
 Energy-Efficient Computing
 Hybrid Computing
 Spatial Computing
 Polyfunctional Robots
 Neurological Enhancement

◇DRAM1年半ぶり下落、9月大口価格 パソコン・スマホ不振 (10月22日付け 日経)
→半導体メモリーの一つ、DRAMの9月の大口取引価格が、1年5カ月ぶりに下落した。国内外でパソコンやスマートフォンの実需の鈍さが意識された。中国のDRAM大手が大型投資を検討しているとの観測もあり、先安観を警戒する声もある。生成AI向けの需要は引き続き強いものの、業界内では「潮目が変わった」との声も聞かれ始めた。

◇Chip sector to grow 16.5% in 2025: ITRI―HIGH DEMAND: The Industrial Technology Research Institute projected the foundry industry would grow by 27.5 percent and chip designers by 16.5 percent this year (10月24日付け Taipei Times)
→工業技術研究院(ITRI、工研院)が昨日発表したところによると、台湾の半導体産業は来年、AIおよびサーバーやデータセンターなどの高性能コンピューティング(HPC)機器に対する持続的な需要に後押しされ、生産額が16.5%成長し、初めて6兆1700億台湾ドル($192.28 billion)を突破する見込みである。

◇9月の半導体装置販売、23%増 生成AI向け伸長 (10月25日付け 日刊工業)
→日本半導体製造装置協会(SEAJ)が24日発表した日本製半導体製造装置の9月の販売高(速報値、7―9月の3カ月移動平均ベース、輸出含む)は、前年同月比23・4%増の3695億9800万円で、9カ月連続のプラスだった。生成AIで使われる広帯域メモリー(HBM)の伸びや、中国の装置需要が寄与した。

◇The prospects for AI as an IC growth driver―Report: AI IC market poised for rapid growth (10月25日付け Electronics Weekly (UK))
→1)AIは、半導体を含むハイテク業界の成長ドライバーとして広く挙げられているが、Semiconductor Intelligence(SI)によると、AIは初期段階にあるものの、今後数年で一般的になるかどうかについては意見が分かれている。
 2)Semiconductor Intelligenceによると、今年の世界のAI IC市場は$110 billion、半導体市場の18%に達すると予測されている。SIはAI ICsの長期的な成長を予測しており、2029年には$273 billion、市場全体の31.9%に達するとしている。

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