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米Chips Act助成、TSMCおよびSamsungへ:embedded world 2024関連

米国CHIPS and Science Actによる助成がインテルに対して3月20日に行われたのに続いて、このほどTSMCに対して資金提供する覚書署名が発表され、さらにSamsungに対して来週に予定と報道されている。それぞれアリゾナ州、テキサス州における工場拠点建設の促進を支援して、最先端半導体技術による米国での製造強化を図る米国の根幹の戦略目標の推進に向けた実質的なステップである。組み込み技術の展示会「embedded world 2024」(4月9−11日:ニュルンベルク)が開催され、エッジAIへの各社のアプローチが披露されている。AIの熱気が引き続いて、インテルのイベントでのAI半導体、そして巨大IT各社のそれぞれの取り組み、と一層の競争激化の様相を呈している。

長見晃の海外トピックス

≪製造強化の進みの一方、AIの熱気≫

米国政府のCHIPS and Science Actによる資金供給の獲得に向けて、米国内外主要プレイヤーの熾烈な争奪戦関連がいろいろ報じられている。Samsungの次の米国での投資倍以上打ち上げもそのプレゼンの一環と思われる。

◇Samsung to more than double semiconductor investment in Texas: WSJ (4月7日付け The Korea Times)
→サムスン電子は、テキサス州への半導体投資総額を2倍以上の約$44 billionにする計画であると、ウォールストリート・ジャーナル紙が金曜5日に報じ、韓国の同社は、米国内半導体生産を強化する米国のイニシアチブの下で補助金を獲得する見込みである。

これまでに、インテル、GlobalFoundries, Microchip Technology, およびBAE Systemsに対する優遇措置が、米国政府から発表されているが、このほどTSMCに対して行われ、以下各紙の取り上げである。

◇TSMC Awarded $6.6B in CHIPS and Science Act Funding for Investments in Arizona Fabs (4月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→本日、バイデン-ハリス政権は、米国商務省と台湾積体電路製造股?有限公司(TSMC)の子会社であるTSMCアリゾナ・コーポレーション(TSMCアリゾナ)が、CHIPS and Science Actに基づき最大$6.6 billionの直接資金を提供するための拘束力のない予備的条件覚書(PMT)に署名したことを発表した。この資金提供案は、TSMCのアリゾナ州フェニックスにある3つのグリーンフィールド最先端工場への$65 billionを超える投資を支援するものであり、世界最先端の半導体を製造するものである。

◇TSMC gets in on CHIPS Act funding with $6.6B agreement (4月8日付け FierceElectronics)
→TSMCは、米国CHIPS and Science Actの下で数十億ドルの資金-TSMCの場合は直接資金で約$6.6 billionを確保するために、米国政府との合意を売り込む半導体企業のリストに加わっている。

◇U.S. offers TSMC up to $6.6 billion for Arizona factories as Biden pushes for chip security (4月8日付け CNBC)
→*この資金調達案は、TSMCのアリゾナ子会社にCHIPS法に基づく最大$6.6 billionの直接資金および$5 billionの融資の可能性を与えるものである。
 *同社は、アリゾナ州の3つの最先端製造工場に$65 billion以上を投資しており、バイデン政権の半導体優先順位と一致している。

◇TSMC wins $6.6 bln US subsidy for Arizona chip production―US awarding TSMC $6.6B for advanced chip production in Phoenix (4月8日付け Reuters)
→米商務省は月曜8日、TSMCの米国法人に対し、アリゾナ州フェニックスでの先端半導体生産のための$6.6 billionの補助金と、$5 billionを上限とする低コストの政府融資を与えると発表した。TSMCは、その投資計画を$25 billion拡大して$65 billionとし、2030年までにArizonaの第3工場を追加することに同意した。台湾のTSMCは、2028年に生産を開始する予定のアリゾナ第2工場で、世界最先端の2ナノメートル技術を生産する予定である。

◇TSMC Awarded $6.6B in CHIPS and Science Act Funding for Investments in Arizona Fabs (4月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→本日、Biden-Harris政権は、米国商務省とTSMCの子会社であるTSMCアリゾナ・コーポレーション(TSMCアリゾナ)が、CHIPS and Science Actの下で最大$6.6 billionの直接資金を提供するための拘束力のない予備的覚(PMT:preliminary memorandum of terms)に署名したことを発表した。

◇米国、TSMCに補助金1兆円;中国依存脱却へ半導体供給網 (4月8日付け 日経 電子版 18:44)
→米商務省は8日、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に建設する新工場に最大$6.6 billion(約1兆円)の補助金を支給すると発表した。TSMCは第3工場を設け、先端半導体を生産する。米国は中国に頼らない半導体供給網の構築をめざす。

◇US unveils some $11.6 bil. in grants, loans to TSMC (4月9日付け The Korea Times)
→米国政府は月曜8日、台湾積体電路製造(TSMC)に$11.6 billionの補助金および融資を供与し、同社がアリゾナ州に建設する3つの製造工場への投資を支援する計画を発表した。

中国発の見方である。

◇US-China tech war: TSMC strikes US$11.6 billion deal to make ‘most advanced semiconductor chips’ in Arizona (4月8日付け South China Morning Post)
→*ワシントンが半導体の優位性を争う中、工場建設支援に向けて、台湾企業TSMCが、$6.6 billionの助成金と$5 billionの融資を獲得へ
 *TSMC Arizonaのような新たな投資により、米国は2030年までに世界の最先端半導体の約20%を製造する目標軌道にある。

米国・SIAが、TSMCへの優遇措置を称賛、声明を出している。

◇SIA Applauds CHIPS Act Incentives for TSMC’s Advanced Manufacturing Operations in Arizona (4月8日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、米国商務省とTSMCが発表した半導体製造奨励策を称賛するSIAのPresident and CEO、John Neuffer氏の声明を発表した。CHIPS and Science Actの一部である該奨励金は、TSMCのアリゾナにおける新しい先端製造operationsを支援する。商務省は以前、Intel, GlobalFoundries, Microchip Technology, およびBAE Systemsに対する優遇措置を発表している。

TSMCの本支援を受けた今後が、改めてあらわされている。

◇TSMC、米国で海外拠点初の2ナノ品製造;第2・第3工場で (4月8日付け 日経 電子版 20:14)
→半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、米国政府の巨額支援を追い風に2ナノメートル品を現地生産する。海外拠点としては最先端の生産技術を扱う。今後は、研究開発など台湾に集中する基幹機能のさらなる拠点分散が求められる可能性がある。
米アリゾナ州に建設中の第2工場と新設する第3工場は、回路線幅が2ナノメートルなどの先端半導体を製造する見通しだ。

TSMCに付随して、米国進出を図る動きである。

◇Chip Materials Maker Soitec May Follow Client TSMC to the US―Soitec considers expansion into the US (4月11日付け BNN Bloomberg (Canada))
→台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)をはじめとする顧客が、アリゾナ州からテキサス州にかけて大幅な拡張を行うための政府優遇措置を獲得したため、フランスの半導体材料会社、ソイテックは米国での工場建設を検討している。

TSMCの次に、Samsungへの優遇措置が予定されている模様であり、同社の米国投資踏み上げとともに以下の通りである。

◇Samsung to get at least $6 billion subsidy for Taylor facility from CHIPS Act (4月8日付け Austin American Statesman)
→ロイター通信が月曜8日に報じたところによると、バイデン政権は来週、サムスンに対して$6 billionから$7 billionを拠出し、オースティンの北東に位置するテイラーでの半導体生産を拡大する予定。
ロイターは、この件に詳しい2人の関係者の話を引用している。この補助金は、商務省のジーナ・ライモンド長官によって発表される予定で、サムスンが2021年に発表した$17 billionの半導体製造工場、もう1つの工場、先端パッケージング拠点および研究開発(R&D)センターの4つの拠点の建設に充てられると、関係者の1人は述べた。

◇US to award Samsung up to $6.6 billion chip subsidy for Texas expansion, sources say―Report: Samsung to get up to $6.6B in US chip subsidies for Texas facilities (4月8日付け Reuters)
→バイデン政権は来週、韓国のサムスンに$6 billion以上の資金を提供し、テキサス州テイラー(Taylor, Texas)での同社の半導体生産を拡大させると発表する予定、同社は米国での半導体製造の立ち上げを図っている、と本件に通じた2人の関係者発。

◇Samsung to double Taylor investment―Samsung set to announce 2nd fab in Texas (4月8日付け Electronics Weekly (UK))
→1)来週(4月15日)、サムスンはテキサス州テイラー(Taylor, Texas)に2つ目の工場を建設し、さらに研究開発(R&D)および実装拠点に資金を提供し、テイラーへの投資総額を$44 billionにすると発表する予定である。
 2)サムスン電子は、テキサス州Taylorに2つ目の工場を建設すると発表する予定であり、これによりテキサス州での投資総額は$44 billionになる。この工場は広帯域メモリ(HBM)に焦点を当てる予定である。

その一方、米国政府の投資が不足として、拠点建設を後退させる事例が見られている。

◇Biden admin funding swap imperils planned multibillion-dollar esearch facility in Silicon Valley―Applied Materials considers dropping $4B R&D site in Calif., report says (4月8日付け San Francisco Chronicle)
→米国最大の半導体製造装置メーカーであるアプライド・マテリアルズ社が、シリコンバレーの中心部に$4 billionの研究開発(R&D)拠点を開設する計画を、政府からの投資不足を理由に縮小または中止する可能性があることが、この協議に詳しい情報筋の話で明らかになった。
バイデン政権は3月29日、半導体研究開発拠点の建設・改修への資金援助を打ち切ると発表した。

表裏のいろいろ推移に注目せざるを得ないところがある。

次に、embedded world 2024について、3日間の開催の概況関連の内容である。

◇Embedded World 2024: Day One Roundup―Day one highlights from the conference include edge AI and RISC-V. (4月9日付け EE Times)
→今週ニュルンベルクで開催のエンベデッド・ワールド(9−11日)の初日の見どころについて

◇Embedded World 2024: Day Two Roundup―Day two highlights from the conference include discussions around Arm, Analog Devices and NXP. (4月10日付け EE Times)
→言及された企業には、Arm、Analog Devices、Autotalks、NXP、Silicon Labs、Rohde & Schwarz、Octavo Systems、Codasip、Valens Semiconductor、Secure IC、Eclipse FoundationおよびMIPI Allianceが含まれる。

◇Embedded World 2024: Sandra Rivera Talks About Altera and AI―embedded world 2024 Coverage (4月10日付け EE Times)
→今週開催されたembedded world 2024で、インテル傘下の最近リブランドして立ち上げられたアルテラのCEOのSandra Rivera(サンドラ・リヴェラ)氏に話を聞いた。同展示会では、AIファブリックを「注入」した同社の新しいエッジ最適化FPGAsが発表された。また、同社の再出発、競合FPGAベンダーとの比較、市場機会および今後の戦略についても触れる。

◇Embedded World 2024: Day Three Closing Thoughts―embedded world 2024 Coverage (4月11日付け EE Times)
→Embedded World 2024の主要テーマは、主要ハードウェアベンダー各社から発表されたように、今回もエッジAIに焦点が当てられているよう、しかし、展示会全体を通じて我々が目にしたさらなる焦点は、持続可能性、特に組み込み機器における消費電力の削減と電力効率の改善であった。ソフトウェア面では、セキュリティと安全性への対応がこれまでと同様に重要だが、システムやコードが複雑化するにつれて、ソフトウェアの品質も重要になっている。

◇Embedded World 2024: AI Remains A Major Theme―embedded world 2024 Coverage (4月11日付け EE Times)
→AIアクセラレーションとTinyMLは、embedded world 2024の主要テーマであり続け、多くのサプライヤーがハードウェアとソフトウェアにおける新しいAI機能を披露した。

各社の発表からの注目である。

◇Intel launches edge-ready FPGAs and Arc GPUs at Embedded World (4月8日付け FierceElectronics)
→インテルはEmbedded Worldで、FGPAsやArc GPUを含む多数のエッジ関連プロセッサを発表した。
インテルは、同社のファウンドリー事業が昨年$7 billionの損失を出したと発表、その後数日で株価が12%下落後、奇妙な数日に耐えている。 一部のアナリストは、インテル・ファウンドリーが劇的に改善するのは2030年以降になるだろうと予測している。

◇Imagination Reveals RISC-V Processor at Embedded World 2024―Embedded World 2024 Coverage (4月9日付け EE Times)
→英国のImagination Technologiesは、2024 Embedded Worldカンファレンスにおいて、RISC-Vアプリケーション・プロセッサIP「Imagination APXM-6200 CPU」を発表した。

◇Embedded World: fast 64bit quad core RISC-V development board for Linux―SiFive unveils quad-core RISC-V development board with 64-bit cores (4月9日付け Electronics Weekly (UK))
→SiFive社はクアッドコアRISC-V開発ボードを発表、HiFive Premier P550は、SiFiveの64ビット3命令、アウトオブオーダーのP550コア、256kバイトのL2キャッシュおよび4MバイトのL3キャッシュを持つEswin EIC7700プロセッサーを搭載している。

◇Qualcomm has launched new, "breakthrough" IoT tech for industry―Qualcomm touts advanced AI for new IoT solutions―Semiconductor giant has some new tech for the future of IoT (4月9日付け TechRadar)
→1)クアルコムは、AIを活用してinternet of things(IoT)接続を強化するWi-Fiソリューションとアップグレードプラットフォームを発表した。クアルコムによると、該「マイクロパワー」QCC730 Wi-Fiは以前のバージョンよりも消費電力が低く、RB3 Gen 2プラットフォームは組み込み製品およびIoT製品向けのソリューションを提供する。
 2)クアルコムは、産業用アプリケーション向けの新しいIoTおよびWi-Fi技術を発表し、IoTの世界における「ブレークスルー」になるとしている。ニュルンベルクで開催された今年のEmbedded World Exhibition & Conferenceで発表されたこの新しい技術は、ロボット工学、製造、自動車ソリューション、およびエッジAIなどの分野における技術革新の加速を約束する。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり、直近ではコロナ新変異型が取り沙汰されて、一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□4月8日(月)

日米首脳会談に向け、偽情報対策での連携である。

◇日米、偽情報対策で連携;AIの公文書偽造を防止へ;首脳会談で文書 (日経)
→日米両政府は10日の首脳会談でAI(人工知能)を使った偽情報への対策強化で一致する。両国のAI関連の政府機関が協力する方針を確認。その上で、政府文書の偽造防止などに取り組むことで合意し、文書にまとめる方向だ。

□4月9日(火)

米消費者物価指数(CPI)の上振れ、中東緊迫などから、終始下げが続いた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ、小幅反落11ドル安;利下げ先送り観測が重荷 (日経 電子版 06:19)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比11ドル24セント(0.02%)安の3万8892ドル80セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが先送りされるとの観測が株価の重荷となった。半面、前週に大きく下げた後で、景気敏感株を中心に押し目買いが入り、指数を支えた。

□4月10日(水)

◇NYダウ小幅続落、9ドル安;ボーイングが2%安 (日経 電子版 05:28)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比9ドル13セント(0.02%)安の3万8883ドル67セントで終えた。米国の物価指標がインフレ圧力を示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げまで時間がかかることへの警戒から、売りが広がった。下げ幅は一時300ドルを超えたものの、大引けにかけては下げ幅を縮めた。

□4月11日(木)

韓国の総選挙、またも与党が厳しい立場、という感じ方がある。

◇韓国与党、大幅議席減は回避;日韓関係くすぶる火種 (日経 電子版 05:45)
→韓国総選挙(一院制の国会議員選)で与党「国民の力」が110議席前後を獲得する見通しになった。過半数は下回ったものの、現有議席の114議席を大幅に下回る事態は回避した。日韓関係への影響は限定的とみられるが、韓国政府が関係改善に取り組む上で火種は残っている。

◇10日の海外市場 米CPI上振れでNYダウ続落 (日経 電子版 07:08)
→10日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比422ドル16セント(1.08%)安の3万8461ドル51セントで終えた。同日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が先送りされるとの見方が強まったことで、不動産関連など幅広い銘柄が売られた。

日米首脳会談、対中国のスタンスがさらに謳われている。

◇日米首脳、同盟「発足以来の刷新」;対中国抑止に重点 (日経 電子版 08:11)
→バイデン米大統領は10日、日米首脳会談後の共同記者会見で日米同盟について「防衛的なものだ」と述べた。軍事力を増強する中国などへの抑止に軸足を置く姿勢を明確にした。防衛協力の体制は日米同盟が発足以来、最重要の刷新になると打ち出した。

さらに円安、金融政策の舵取りが迫られる様相である。

◇円34年ぶり153円台、米株は急落;逃げ水の米利下げ (日経 電子版 08:48)
→米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が逃げ水のように遠のいている。同日は米金利上昇で対ドルの円相場が34年ぶりの安値を付け、米株相場は急落した。インフレ鎮静化が見通せず、市場の楽観論は修正を迫られている。

□4月12日(金)

◇NYダウ小幅続落、2ドル安;アップルなどに押し目買い (日経 電子版 06:04)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に4日続落し、前日比2ドル43セント(0.00%)安の3万8459ドル08セントで終えた。ディフェンシブ株を中心に売りが出て、ダウ平均の重荷となった。一方、朝方発表の3月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想ほど上昇しなかった。インフレへの過度な警戒が後退し、アップルやエヌビディアなどハイテク株の一角を中心に見直し買いが入り、相場を支えた。

□4月13日(土)

◇NYダウ、中東緊迫で475ドル安;原油は半年ぶり高値 (日経 電子版 05:55)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均が急落し、前日比475ドル(1.2%)安の3万7983ドルで引けた。取引時間中の下げ幅は一時581ドルまで広がった。中東情勢の緊迫を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、株式を売る動きが広がった。原油先物は約6カ月ぶりの高値を付けた。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

新製品の発表関連が続いて、以下順次示している。、特にインテルのイベント、Vision 2024での新型AI半導体、ガウディ3(Gaudi 3)に注目している。

◇Intel Core Ultra 5 234V laptop CPU leaks online ― Lunar Lake processor with Xe2-LPG iGPU destined for next-gen systems―Latest Intel Lunar Lake laptop CPU details uncovered in leak (4月5日付け Tom's Hardware)
→*Xe2 Low Power Graphicsと組み合わせた次世代モバイルIntel Core Ultra 5のコア・スペックがリークされる
 *数週間前のLunar Lake MXのような最近のリークに続き、Twitterユーザー、@miktdtは、Open.Intelプラットフォーム上のLunar Lakeベースの「200シリーズ」Intel Core Ultra 5の存在を明らかにした。

◇Intel and Altera unveil AI-optimized edge processors and FPGA chips―Intel, Altera debut FPGA chips, processors for the edge (4月8日付け VentureBeat)
→インテルと アルテラは、エッジ・コンピューティング向けにAIに最適化された新しいプロセッサーとフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)を発表した。
これらの新製品は、小売業やヘルスケアから自動車や航空宇宙まで幅広い業界に高度なAI機能を提供することを約束する。

◇Intel says Lunar Lake will have 100+ TOPS of AI performance ― 45 TOPS from the NPU alone meets requirement for next-gen AI PCs―45 TOPS for next-gen AI PCs? Check. (4月9日付け Tom's Hardware)
→インテルのパット・ゲルシンガーCEOは、同社の次世代ラップトップ半導体であるLunar LakeプロセッサーをVision 2024のイベントで披露し、この半導体はAIワークロードで100TOPS以上の性能を発揮し、そのうち45TOPSはNPUだけによるものだと述べた。

◇Intel over the Moon as Lunar Lake’s NPU performance TOPS Meteor Lake―Intel touts Lunar Lake's NPU AI performance ―Pat Gelsinger claims 3x performance in next-gen silicon for AI PCs (4月10日付け The Register (UK))
→インテルによると、次期Lunar Lakeセントラル・プロセッシング・ユニット(CPUs)は100 Tera Operations Per Second(TOPS)以上の演算を行い、そのうちの45テラはニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)によるものだという。TOPSという数字は、インテルのMeteor LakeのAI性能の3倍にあたる。

◇Intel unveils latest AI chip as Nvidia competition heats up (4月9日付け CNBC)
→*インテルは火曜9日、「Gaudi 3」と呼ばれる最新の人工知能(AI)半導体を発表した。
 *インテルは、AI半導体市場の推定80%を占める現在のリーダー、エヌビディアから市場シェアを奪おうとしている。

◇Intel’s Gaudi 3 Goes After Nvidia ―The company predicts victory over H100 in LLMs (4月9日付け IEEE Spectrum)
→AI企業の巨大な野望を後押しする競争は、エヌビディア一強のように見えるかもしれないが、AIアクセラレーター半導体では本当の競争が起こっている。最新の例として、今週アリゾナ州フェニックスで開催されたインテルのイベント「Vision 2024」で、インテルは第3世代のAIアクセラレーター「Gaudi 3」のアーキテクチャーの詳細を初めて発表した。

◇インテルの新型AI半導体;学習速度、NVIDIA製の1.5倍 (4月10日付け 日経 電子版 05:22)
→米インテルは9日、データセンター向け人工知能(AI)半導体の新製品「ガウディ3(Gaudi 3)」を数カ月以内に投入すると発表した。生成AIを処理する速度やエネルギー効率を高めた。米エヌビディアの主力品の性能を1.5倍上回ると主張しており、最先端のAI半導体で市場をほぼ独占する同社に挑む。

◇Intel Paints Their AI Future with Gaudi 3―Intel Vision 2024 Coverage (4月11日付け EE Times)
→今週アリゾナ州フェニックス(Phoenix, Arizona)で開催されたVisionイベントで、インテルは第3世代のデータセンター向けAIアクセラレーター「Gaudi 3」を発表した。これによりインテルは、自社、AMD、そしてもちろんNvidiaという3つの有力な選択肢で、将来のAIアクセラレーターの競争景観を描いている。

◇Intel chief Gelsinger talks AI PCs, battling Nvidia, and more (4月10日付け FierceElectronics)
→*インテルCEOのパット・ゲルジンガース氏はIntel Vision 2024で講演し、AI PC市場の成長、AIにおけるNvidiaへの対抗、およびよりオープンなAIエコシステムの構築への取り組みについて詳述した。
 *インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は今週、Intel Vision 2024の基調講演で、同社のAI PCへの積極的な取り組みに関する最新情報、NvidiaからAI市場シェアを奪うことを目的とした最新の武器の披露、そしてとりわけオープンな企業AI環境を実現するための誓約を行った。

◇Intel Solidifies Vision For AI―Like many tech companies, Intel is seeing a shift from huge single models to smaller and sometimes specialized models. (4月11日付け EE Times)
→過去2年間、あらゆるテクノロジー企業がAIの流行に乗ってきた。しかし、大手企業は今、自社をend-to-endあるいはtop-to-bottom、見方によってはAIソリューション・プロバイダーとして位置づけようとしている。インテルも同様で、アリゾナ州フェニックスで開催された同社の年次イベント「Vision」で、「AI Everywhere」戦略に関する発表が相次いだ。


【巨大ITの取り組み】

AIそして自前半導体の視点からの注目、各社それぞれ当面目が離せないところである。

[Google]

◇Google announces Axion, its first custom Arm-based data center processor (4月9日付け TechCrunch)
→Google Cloudは火曜9日、AWSとAzureに続き、Axionと名付けられた初のカスタムメイドArmプロセッサを発表した。ArmのNeoverse 2設計をベースにしたAxionインスタンスは、AWSやマイクロソフトなどの競合他社のArmベースのインスタンスよりも30%性能が向上し、X86ベースの同程度のインスタンスよりも最大で50%性能が向上し、60%エネルギー効率が向上するとグーグルは述べている。

◇Google unveils custom Arm-based chips, following similar efforts at rivals Amazon and Microsoft (4月9日付け CNBC)
→*グーグルは、ライバルのアリババ、アマゾンおよびマイクロソフトに続き、特注のArmベースのサーバー半導体でクラウドコンピューティングをより安価にしようとしている。
 *火曜9日にラスベガスで開催されたCloud Nextカンファレンスで同社は、この新しいプロセッサは2024年後半に利用可能になると述べた。
 *同社は、Axion Arm半導体が利用可能になり次第、YouTubeの広告ワークロードをAxion Arm半導体で実行する予定であり、Snapのような顧客も興味を示している。

◇Google Joins Amazon, Microsoft With New Arm-based Data Center CPU, Axion―Google touts Arm-based Axion CPU performance, efficiency (4月10日付け TechNewsWorld)
→Google Cloudは、初のカスタムメイド、Armベースのデータセンター中央処理装置(CPU)を発表し、該Axionラインはエネルギー効率と性能で業界をリードすると述べた。この動きは、クラウド・サービス・プロバイダーのアマゾンとマイクロソフトによる同様の発表に続くもの。

◇Google、動画生成AIを試験提供へ;商品PR用など瞬時に (4月9日付け 日経 電子版 21:00)
→米グーグルは9日、生成AI(人工知能)を使った動画作成サービス「Vids(ビズ)」を開発したと発表した。文章による指示で新製品のプレゼンテーション動画などを瞬時につくれる。企業向けクラウドサービスの機能の一つとして、6月に一部で試験提供を始める。生成AIは文書やイラスト作成が中心だったが、よりリッチなコンテンツに対応する進化が加速している。

[マイクロソフト]

◇Microsoft to Invest $2.9 Billion in Japan Data Centers: Nikkei―Report: Microsoft investing $2.9B in data centers in Japan (4月9日付け BNN Bloomberg (Canada))
→マイクロソフト株式会社は、今後2年間で$2.9 billionを投資し、日本におけるハイパースケールクラウドコンピューティングと人工知能(AI)インフラを強化、日本での最大投資となる。

◇Microsoft、日本にAIデータセンター;4400億円投資 (4月9日付け 日経 電子版 23:32)
→米マイクロソフトが日本でデータセンターを拡充する。2年間で$2.9 billion(約4400億円)を投じる。人工知能(AI)の開発や運用に適した、大量の演算処理ができる最先端の半導体などを組み込む。日本政府でも生成AIの活用が始まるなか、国内で個人データや機密情報を管理できる体制を整える。

◇Microsoft to invest US$2.9bn in Japan data centers: Nikkei (4月10日付け Taipei Times)
→日本経済新聞は、マイクロソフト社のBrad Smith(ブラッド・スミス)社長のインタビューを引用し、同社が来年までに日本のデータセンターに$2.9 billionを投資すると報じた。

[Meta]

◇Meta debuts new generation of AI chip―Meta details its in-house AI accelerator chip (4月10日付け Reuters)
→Meta Platformsは、最新のカスタム・データセンター半導体の詳細を発表した。このMeta Training and Inference Accelerator、通称"Artemis"は社内で開発されており、MetaがNvidiaのAI半導体から脱却することを目的としている。

◇Meta’s new AI chips run faster than before/ The next-generation MTIA chip could be expanded to train generative AI models. (4月10日付け The Verge)
→メタ社は、次世代カスタムAI半導体はより強力で、ランキングモデルをより高速にトレーニングできると約束している。
該Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)は、Metaのランキングモデルやレコメンデーションモデルに最適なように設計されている。この半導体は、トレーニングをより効率的にし、推論(実際の推論作業)をより簡単にするのに役立つ。

◇Meta debuts new AI chip, aiming to decrease reliance on Nvidia (4月11日付け South China Morning Post)
→*この半導体はMeta Training and Inference Accelerator(MTIA)の最新バージョンで、フェイスブックやインスタグラムのコンテンツのランク付けや推薦を支援する。
 *同社は10月、データセンターやハードウェアなど、AIをサポートするためのインフラに$35 billionを投じると発表した。

[アップル]

◇Apple Plans to Overhaul Entire Mac Line With AI-Focused M4 Chips―Apple updating Mac line with M4 chips for AI, sources say (4月11日付け BNN Bloomberg (Canada))
→アップルはM4プロセッサーの生産に近づいており、この自社製半導体でMacラインの徹底的点検を計画している、と情報筋は述べている。Macの販売台数は、M3半導体の投入にもかかわらず、昨年度は27%減少し、年末年始は横ばいとなった。


【TSMC関連】

岸田首相がTSMC熊本工場を視察、第2工場も菊陽町、と明らかにされている。

◇首相「日本全体に波及効果」;TSMC熊本工場視察;CEO「第2も菊陽町に」 (4月7日付け 日経)
→岸田文雄首相は6日、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場(熊本県菊陽町)を視察した。政府は半導体の確保に向け、熊本第1・第2工場に最大1兆2080億円を補助する。同社の魏哲家・最高経営責任者(CEO)は第2工場を第1工場と同じ菊陽町に建設すると明らかにした。

◇TSMC picks Kikuyo for 2nd Japan fab―GROWING PARTNERSHIP: At a meeting with Japan’s prime minister, TSMC’s CEO said he was optimistic about further semiconductor cooperation between Taiwan and Japan (4月8日付け Taipei Times)
→TSMCは土曜6日、日本で2番目の工場を建設する場所として、再び熊本県の菊陽を選んだと発表した。TSMCのC.C.ウェイ(魏哲家)最高経営責任者(CEO)は、日本の岸田文雄首相が同日未明、菊陽にあるTSMCの第1工場を訪問した際にこの発表を行った、と日本のメディアが報じた。

地震の影響の後の本年の業績目標に変更なし、とあらわされている。

◇TSMC is chasing a trillion-transistor AI bonanza―With earthquake damage minimal, Chairman Mark Liu and Chief Scientist Philip Wong see 10 years of growth ahead (4月9日付け Taipei Times)
→TSMCは、4月3日に台湾を襲った地震による混乱から同社の半導体製造事業が急速に回復しており、2024年の売上げ目標に変更はないと発表した。同社の工場は高い耐震性を持って建設されている。
経営陣は状況を総合的に検証しているが、現状ではヘッドラインから一歩引いて、Mark Liu(マーク・リウ)会長とPhilip Wong(フィリップ・ウォン)チーフ・サイエンティストが最近打ち出した10年間の技術開発シナリオが迷走しないようにすべきとしている。

最先端の取り組みも計画通りとされている。

◇TSMC to enter 2nm, A14 process generations on schedule―TSMC preparing 2nm chipsets for next year's iPhone, report says (4月10日付け DIGITIMES)
→ファブ装置メーカーの情報筋によると、TSMCは計画通りA14および2nmプロセス世代への参入に向けて前進している。

1−3月、第一四半期の業績発表が以下の通りであり、該四半期過去最高となっている。

◇TSMC Q1 up 16.5% y-o-y―TSMC's Q1 revenue increased 16.5% to $18.54B―TSMC had Q1 revenue up 16.5% y-o-y at $18.54 billion up from $16.72 billion Q1 2023. (4月10日付け Electronics Weekly (UK))
→TSMCは、第1四半期の売上高が前年同期比16.5%増の$18.54 billionとなり、アナリスト予想を上回った。TSMCによると、3月の売上高は$6.2 billionで、前年同期比34.3%増となった。

◇TSMC's Q1 revenue rise beats market expectations on AI boom (4月10日付け Reuters)

◇TSMC beats out projections, posts record Q1 sales (4月11日付け Taipei Times)
→世界最大の受託半導体メーカーであるTSMCは昨日、第1四半期の売上高が過去最高を記録したと発表、アナリストは、新興技術に対する需要が堅調であったためと述べている。
TSMCの声明によると、1-3月期の連結売上高は5926億4000万台湾ドル($18.51 billion)で、前年同期比16.5%増、しかし前期比では5.26%減となった。

◇TSMC売上高16.5%増 1〜3月、生成AI向け伸びる (4月11日付け 日経)
→半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表した2024年1〜3月期の売上高(速報値)は、前年同期比16.5%増の5926億台湾ドル(約2兆8100億円)だった。生成AI(人工知能)関連など先端半導体の受託生産が好調で、4四半期ぶりに増収となった。1〜3月期としての過去最高を更新した。


【底打ちの兆候】

2月の世界半導体販売高を前回示す中で、市場底打ちの様相とあらわしているが、パソコン、スマートフォンでも然り、と裏付けの期待の以下の内容である。

◇半導体市況「谷底」脱す;1〜3月、AI需要で2割高;サムスン増収増益 (4月6日付け 日経)
→過去最悪ともいわれた半導体市況が谷底を脱した。半導体世界大手の韓国サムスン電子の2024年1〜3月期は約2年ぶりに増収増益となった。各社の減産による在庫減少に加え、生成AI(人工知能)の新たな需要が牽引した。市場回復の勢いの持続には、スマートフォンやパソコンなど個人向け商品の動向を見極める必要がある。

◇Global PC Shipments Return to Growth and Pre-Pandemic Volumes in the First Quarter of 2024, According to IDC Tracker (4月8日付け IDC)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Quarterly Personal Computing Device Trackerの速報結果によると、2年間の減少を経て、2024年第1四半期(1Q24)の世界の従来型PC市場の出荷台数は5,980万台、前年同期比1.5%増となり、再び成長を取り戻した。2023年第1四半期に市場が28.7%減少し、PC史上最低を記録したため、前年同期比での比較は容易であった。さらに、世界のPC出荷台数は、1Q24に6,050万台が出荷された2019年1Qの出荷台数に匹敵する水準となり、ようやく流行前の水準に戻った。

◇世界パソコン出荷、2年ぶり増;物価安定で1〜3月1.5%増 (4月9日付け 日経 電子版 05:46)
→米調査会社IDCは8日、2024年1〜3月の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年同期比1.5%増の5980万台だったと発表した。インフレ鈍化をうけ、欧米市場で家計負担が和らぎ販売が上向いたうえ、前年同期が落ち込んでいたことの反動で約2年ぶりに増加に転じた。
IDCによると、インフレ率が低下傾向にあることなどで、ほとんどの地域で増加した。

◇Global PC Shipments Return to Growth and Pre-Pandemic Volumes in the First Quarter of 2024 (4月11日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Quarterly Personal Computing Device Trackerの速報結果発。2年間減少していた世界の従来型PC市場は、2024年第1四半期(1Q24)に5,980万台を出荷し、前年同期比1.5%増と再び成長を取り戻した。

◇Global smartphone shipments hit 2023 peak in 4Q23, but decelerate in 1Q24 due to seasonality, says DIGITIMES Research (4月9日付け DIGITIMES Research)
→2024年第1四半期の世界スマートフォン出荷台数は、前年同期比2.7%増の2億7,000万台をやや上回ると予測されている。


【中国関連での注目】

米中摩擦関連はじめ、以下それぞれに注目している内容である。

◇US to push Dutch on ASML contracts for chips to China (4月6日付け Taipei Times)
→ジョー・バイデン米大統領の政権は来週、オランダに対し、半導体製造装置のトップメーカーであるASMLホールディングNVが中国で一部の装置を修理するのを止めるよう圧力をかける予定である、とこの問題に詳しい2人の関係者が語った。
Alan Estevez(アラン・エステベス)米商務次官(産業・安全保障担当)は、月曜8日にオランダでオランダ政府およびASMLの関係者と会談し、該サービス契約について話し合う予定だという。

◇US pushes ASML to deny maintenance in China―Netherlands Prime Minister Rutte has recently called China’s support for Russia a top national security threat (4月9日付け Asia Times)
→オランダ政府は、ASMLが中国で特定の露光装置の保守サービスを提供するためのライセンス発行を遅らせ始めたと言われている。
ロイターの報道によると、Alan Estavez(アラン・エスタベス)米商務次官(産業・安全保障担当)は月曜8日にオランダで政府高官やASML幹部と会談し、保守契約問題を提起するという。

◇China to Become World’s Largest Source of IC Wafer Capacity by 2026 (4月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Knometa Researchの「Global Wafer Capacity 2024」レポートによると、IC生産用のウェーハ生産能力は2026年まで毎年平均7.1%成長すると予測されている。
2023年末時点で、世界の月産ウェーハ生産能力に占める中国のシェアは19.1%で、韓国と台湾に数ポイント遅れている。2025年までには、中国の生産能力シェアはほぼ先進国と同等になると予測されている。そして2026年には、中国が首位に立つと予想される。

◇Chinese tech giant Lenovo targets US$16 billion in sales of new AI-powered computers, smartphones via e-commerce partner JD.com (4月8日付け South China Morning Post)
→*2024年から2026年にかけての該2社の販売目標は、エンタープライズ・サーバーを含む、さまざまな次世代AIデバイスをカバーしている。
 *レノボのAIへの注力は、世界のPC業界におけるAI技術を様々な製品やサービスに統合する取り組みを反映している。

Huaweiの動き、特に注目である。

◇Huawei reportedly has a new 5nm Kirin SoC that will be released this year―Huawei releasing 5nm Kirin chip made by SMIC, report says (4月9日付け Phone Arena)
→ファーウェイ・テクノロジーズは、SMIC製の5ナノメートルプロセスノードを採用したKirin半導体をリリースする予定だという。また、ファーウェイは64ビット構造のKirin半導体を開発しているとも報じられている。

◇Where there's a will, there's Huawei to develop one's own chipmaking kit―Sources: Huawei aims to grow fab know-how with R&D site―Export restrictions and sanctions working well, we see (4月11日付け The Register (UK))
→華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が上海に研究開発(R&D)センターを建設し、ウェーハ製造装置対応能力を開発していると報じられている。情報筋によると、このセンターは、海外の最先端ウェーハファブ装置が制限される中、リソグラフィ装置開発に注力している。

◇Huawei builds major tool R&D center in Shanghai to develop lithography and fab equipment, report says―Huawei continues to bolster wafer fab equipment prowess. (4月11日付け Tom's Hardware)
→中国は、アメリカ、ヨーロッパ、および日本のメーカーから最先端のウェーハ製造装置を入手できないため、独自の製造装置を開発しなければならない。ファーウェイは上海近郊に巨大な研究開発(R&D)センターを建設中で、ASML、キヤノン、およびニコンが設計したシステムに対抗できる半導体製造装置の開発を計画している、と日経は報じている。

◇China Tells Telecom Carriers to Phase Out Foreign Chips in Blow to Intel, AMD―Report: China to cut US chipmakers out of its telecoms―Beijing’s move is the latest installment in a U.S.-China technology war that is splintering the global chip industry (4月12日付け The Wall Street Journal)
→情報筋によると、北京は自国の通信キャリアに対し、2027年までに外国製半導体技術の段階的廃止を開始するよう指示したという。このような動きは、インテルとアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)に影響を与えるであろう。

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