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年末&年初の半導体関連:市場好転の見方、政府補助金支給、AI搭載対応

能登半島地震、航空機衝突事故と非常に多難な新年のスタートとなった我が国である。半導体業界におけるこの年末および年始における動き&見方として、3点に注目している。本格的な市場回復のなるべく早い期待が強まる一途の中、裏づけるデータが引き続き見られるとともに、期待製品の打ち上げが行われようとしている。次に、米国国内の半導体製造強化に向けたCHIPS and Science Actによる米国政府の補助金支給が、Microchip社に対して行われている。米国での半導体工場建設を進めている各社への支給が、早く続いていく期待である。そして、AI(人工知能)については、市場回復を大きく引っ張る期待のもと、各社の活発な取り組みが続けて見られている。

長見晃の海外トピックス

≪半導体市況好転に向けて≫

まずは、市場好転の見方について、パソコン販売の回復、半導体市場の伸び率など、関連する記事を取り出している。

◇AI integration, device upgrades to drive a rebound in PC sales n 2024 (12月26日付け CNBC)
→*市場調査会社によると、消費者が2024年に新しいPCsを購入するようなので、パソコン販売の低迷は終わる可能性がある旨。
 *「顧客がパンデミック時代のPCsのリフレッシュを検討し、新しいAI対応デバイスが登場するため、PC市場は2024年に8%の成長に戻る」とCanalysは述べている旨。
 *ジェネレーティブAIのブームは、消費者がAI機能を搭載したデバイスを求めるため、PCの売上を押し上げると予想されている旨。

◇Eight drivers for 2024 IC market―IDC predicts growth drivers for IC market (12月27日付け Electronics Weekly (UK))
→1.AIおよびHPCの需要が、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、インフラストラクチャの安定した需要が自動車の回復力ある伸びと相まって、半導体業界に新しい成長の波をもたらす見込みである、とIDCは2024年の半導体市場について8つのトレンドを見ている旨。
  #1:半導体販売市場は2024年に年間成長率20%で回復する。
  #2:ADASとインフォテインメントが車載半導体市場の発展を牽引する
  #3:半導体AIアプリケーションはデータセンターからパーソナル機器に広がる
  #4:IC設計在庫の枯渇が徐々に終息、アジア太平洋市場は2024年までに14%成長する見込み
  #5:ファウンドリ業界における先端プロセス需要が急増
  #6:中国の生産能力増強と成熟プロセスの価格競争激化
  #7:2.5/3Dパッケージング市場のCAGRは2023年から22%になる見込み
  #8:CoWoSのサプライチェーン容量が2倍に拡大、AI半導体供給を後押し
 2.IDCは、AIがパーソナル機器に移行し、先進運転支援システム(ADAS)技術が車載半導体市場を押し上げることから、今年の半導体販売市場は改善すると予測している旨。サムスン電子、Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.(TSMC)およびインテルが、世界の半導体ファウンドリー業界の拡大を支える、とIDCは見ている旨。

韓国の半導体業界での大きな盛り返しのデータである。

◇South Korea chip output rises as demand improves (12月29日付け Taipei Times)
→韓国の半導体産業は、生産と出荷においてここ数年で最大の伸びを記録しており、来年の韓国経済の見通しと世界の技術分野にとって良い前兆となる技術の勢いの復活を強調している旨。
韓国統計庁が昨日発表したデータによると、半導体生産は先月、前年同月比42%増と、2017年初め以来最大の伸びを示し、出荷も80%増と、2002年後半以来最大の伸びを記録した旨。

◇Global chip market forecast to grow to record $588 billion in 2024―Forecast: Global chip market may reach $588B this year (12月31日付け The Japan Times)
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationの予測によると、2024年の世界半導体市場は過去最高の$588.36 billion、2023年比13.1%増を達成する見込み。この楽観的な見通しは、ジェネレーティブAIの採用とスマートフォンおよびPCsの販売に後押しされた昨年の回復の兆しに続くものである旨。

SSD(Solid State Drive)価格の急上昇の見方である。

◇SSD Prices To Skyrocket By 50% In 2024 As Manufacturers Implement Large-Scale Price Bumps―SSD prices will go up as much as 50% in 2024, reports say (1月2日付け Wccftech)
→TLC NANDの価格は過去2年間で120%上昇、前の四半期よりも大幅に上昇、SSDの価格は2024年に入って高価になる見込み。

◇Improving chip sales signals tech recovery (1月2日付け The Star)
→AmBank Researchは、半導体産業が回復基調にあると見ており、テクノロジー分野に明るい見方を維持している旨。
同証券会社は、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)を引き合いに出し、2023年3月以降、世界の半導体売上は改善しており、業界内の緩やかな回復を示唆している、と述べた旨。

Samsungの新型スマホの発表予定、AI搭載である。

◇Samsung to announce new phones ‘powered by AI’ on Jan. 17 (1月3日付け CNBC)
→*サムスンは1月17日に開催されるUnpackedイベントで、AIを搭載した新型携帯電話の機能を披露する旨。
 *同社はGalaxy S24、Galaxy S24+およびGalaxy S24 Ultraを発表する模様。
 *クアルコムとグーグルの最近の発表が、サムスンの最新機種に何を期待すべきかのヒントになるかもしれない旨。

◇Korea’s semiconductor industry looks forward to a comeback this year (1月3日付け The Chosun)
→韓国を代表する半導体産業が、長引く不況から立ち直りつつある旨。過去2年間の世界的な景気後退と米中間の緊張がこの分野に打撃を与え、輸出の減少とサムスン電子やSKハイニックスなどの大手半導体メーカーの大幅な損失につながった旨。

半導体は、4−6月四半期に需要好転との見方があらわされている。

◇半導体、4〜6月に需要好転へ;AIやEVが牽引―【イブニングスクープ】 (1月4日付け 日経 電子版 18:31)
→半導体の世界需要が2024年4〜6月期に好転する旨。生成AI(人工知能)向けデータセンターや電気自動車(EV)向け半導体などが需要を牽引し、半導体大手は増産に動く旨。3〜4年で周期的に好不況を繰り返す半導体市況の「シリコンサイクル」の好転で、世界景気全体の底上げにもつながる旨。
日本経済新聞社が2024年の半導体需給について、種類や用途ごとに供給過剰から供給不足まで四半期別に5段階で評価してもらった旨。

次に、2点目の政府補助金支給の動きであるが、まずは、イスラエルにおける政府からインテルに向けて次の通りである。

◇Israel grants Intel $3.2 billion for new $25 billion chip plant, biggest ever company investment in country (12月26日付け CNBC)
→イスラエル政府はインテルに対し、インテルがイスラエル南部に建設予定の$25 billionの半導体工場、イスラエルでの1社による最大の投資に、$3.2 billionの補助金を与えることで合意した旨。

そして、米国政府によるCHIPS and Science Actのもとでの補助金支給第2弾がMicrochip社に対して行われ、これを歓迎する米国・SIAからの声明である。

◇SIA Applauds Announcement of New CHIPS Incentives (1月4日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、米国商務省とMicrochip Technology社が本日発表した半導体製造奨励金に対し、SIAのPresident and CEO、John Neuffer氏による以下の声明を発表した旨。CHIPS and Science Actの一部であるこのインセンティブは、コロラド州とオレゴン州におけるMicrochip社の製造プロジェクトを支援するもの。
「本日の発表は、コロラド州とオレゴン州における半導体製造プロジェクトを後押しし、特に重要な自動車、医療、航空宇宙、および防衛技術など、米国の半導体サプライチェーンを強化するもの。Microchip社がこれらの重要なプロジェクトを推進することを祝福し、Raimondo長官とCHIPSプログラムオフィスチームがCHIPS奨励金の配布を開始したことを称賛する。米国経済、国家安全保障、および重要なサプライチェーンの活性化のために、より多くのプロジェクトがCHIPSの重要な資金を受けられることを期待している。」
CHIPS法の製造インセンティブは、すでに米国への多額の投資を呼び起こしている旨。実際、半導体エコシステムの企業は、CHIPS法が導入されて以来、全米で数十の新規プロジェクトを発表しており、その民間投資総額は$200 billionを超えている旨。発表されたこれらのプロジェクトは、半導体エコシステムにおいて4万人以上の雇用を創出し、米国経済全体でさらに数十万人の米国人の雇用を支えることになる旨。

本件、業界各紙の取り上げである。

◇Microchip Technology awarded $162M to bolster US chip supply (1月4日付け The New York Times)

◇Biden-Harris Administration Announces CHIPS Preliminary Terms with Microchip Technology (1月4日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

最後に、AI搭載対応について、活発な各社の動きがほぼ連日の取り上げとなっている。

◇Samsung, SK hynix Advance in AI-embedded Image Sensors―Samsung, SK Hynix take AI for image sensors to next level (12月29日付け BusinessKorea)
→サムスン電子とSKハイニックスがそれぞれに、AI内蔵イメージセンサーを進めている旨。
サムスンは「ヒューマノイド・センサー」の商品化を計画している一方、SKハイニックスの"On-sensor AI"技術が進展していると言われている旨。

◇生成AIの24年、Apple・Googleが「垂直統合」で台頭狙う (1月1日付け 日経 電子版 02:00)
→文章や画像を自動でつくる生成AI(人工知能)の開発レースで2024年は「垂直統合」に強みを持つ企業が浮上しそう。スマートフォンや半導体を自社で開発するアップル、グーグルといった米テクノロジー大手が代表例となる旨。2023年の「主役」だったChatGPTを手がける米オープンAIに両社が対抗することで、技術やサービスの競争が激しさを増す旨。

インテルは、生成AIソフトウェアに向けた新会社、Articul8 AIを設立している。

◇Intel, DataBridge launch Articul8, a company focused on generative artificial intelligence (1月3日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intel社が水曜3日、企業顧客向けに生成AIプラットフォームを提供することを目的とした新会社を設立した旨。

◇Intel spins out Articul8 AI to offer GenAI stack to enterprises (1月3日付け FierceElectronics)
 →*インテルは、Articul8 AIを独立したスピンアウト・ソフトウェア会社として発表した旨。DigitalBridge社が投資家グループを率いて設立に参加し、Boston Consulting Group社はすでにこのソフトウェアを顧客に使用していると述べた旨。
 *ジェネレーティブAIの爆発的な普及に乗じるため、インテルと投資パートナーであるデジタル・ブリッジ・グループは水曜3日、すでに安全なGenAIソフトウェアを企業に提供している独立企業、Articul8 AIの設立を発表した旨。

◇Intel spins out a new enterprise-focused GenAI software company―Intel launches Articul8 AI entity with DigitalBridge (1月4日付け TechCrunch)
→DigitalBridgeの支援を受けたインテルは、企業向けジェネレーティブAIソフトウェアに特化したプラットフォーム企業、Articul8 AIをスピンアウトさせる旨。この企業は、昨年インテルとボストン・コンサルティング・グループ(BCG)との間で行われた、インテルのAIシステムをBCGのデータセンターに設置してセキュリティを確保するという協業に続くものである旨。

「エッジAI」が新たなキーワードとして台頭している。

◇「エッジ生成AI」時代;開幕なるか;インテル・AMDが半導体開発 (1月5日付け 日経産業)
→2024年のテクノロジー業界は、製品の中に人工知能(AI)を組み込んだ「エッジAI」が大きな話題になりそうだ。サーバーではなくパソコンなどデバイス機器自身がAIを処理することで、チャットボットなど生成AIの機能が使いやすくなる。パソコンやスマートフォンは市場の低迷が続いてきたが、生成AIが救世主となるか。・・・・・

マイクロソフトからは、PCでAIを起動するキー(ボタン)の搭載が発表されている。

◇Microsoft、PCにAI起動ボタン;キーボード刷新30年ぶり (1月5日付け 日経 電子版 06:12)
→米マイクロソフトは4日、最新のOS(基本ソフト)「ウィンドウズ11」を搭載したパソコンのキーボードに、AI(人工知能)による支援機能の起動キー(ボタン)を搭載すると発表、新キーの全面採用は約30年ぶりの旨。
新たに搭載する「コパイロットキー」はウィンドウズのパソコンのキーボードから生成AIを使った支援機能を瞬時に呼び出せる旨。

半導体市場の早期本格回復を願いながら、続けて注目するところである。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり、直近ではコロナ新変異型が取り沙汰されて、一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□1月1日(月)

元旦の記事、昭和99年 ニッポン反転、そして米国はじめ注目の選挙、と改めて思い巡らすところである。

◇今年は昭和99年、サヨナラ古き良き日本;世界32位から逆襲―昭和99年 ニッポン反転(1) (日経 電子版 02:00)
→2024年、日本は停滞から抜け出す好機にある。物価と賃金が上がれば、凝り固まった社会は動き出す。日本を世界第2位の経済大国に成長させた昭和のシステムは、99年目となると時代に合わなくなった。日本を「古き良き」から解き放ち、作り変える。経済の若返りに向け反転する。
「昭和」をやめ、若い力を引きだそう。・・・・・

◇米大統領選に身構える世界;選挙の年、台湾やロシアも (日経 電子版 05:00)
→2024年は世界各国・地域で注目の選挙が相次ぐ旨。1月の台湾総統選をはじめ、インドネシアやロシア、インドなどで選挙が行われ、11月には米大統領選がある旨。
選挙結果は米中関係やウクライナ、中東情勢など世界の構図に大きな影響を及ぼす旨。

□1月3日(水)

新年の取引出だしの米国株式市場、最高値更新でスタート、利益確定の売り、Apple株下落が見られて、軟着陸の期待の中、方向感を欠く動きである。

◇NYダウ、25ドル高で最高値更新;上値重くApple株4%安 (日経 電子版 07:02)
→2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発、前営業日の2023年12月29日に比べ25ドル50セント(0.06%)高の3万7715ドル04セントと、2023年12月28日以来の最高値で終えた旨。このところ出遅れていた、業績が景気に左右されにくい「ディフェンシブ株」が上昇し、相場を押し上げた旨。半面、スマートフォンのアップルが下落し、ハイテク株全般に売りが及んだ旨。

□1月4日(木)

◇NYダウ反落、284ドル安;建機や消費銘柄に利益確定売り (日経 電子版 06:46)
→3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比284ドル85セント(0.75%)安の3万7430ドル19セントで終えた旨。2023年末にかけて急ピッチの上昇が続いたあとで景気敏感株や消費関連株などに利益確定や持ち高調整の売りが出た旨。下げ渋る場面があったが、引けにかけて再び売りの勢いが強まった旨。

米国政府の補助金がここでも。テキサス州の我が国の技術による新幹線である。

◇米テキサス新幹線、連邦政府が補助金;鉄道公社も協力 (日経 電子版 17:33)
→米南部テキサス州の主要都市を高速鉄道で結ぶ構想を巡り連邦政府が補助金の支給を決めた旨。日本の東海道新幹線の技術を使う計画だが、事業費が膨らんで着工が遅れてきた旨。バイデン政権の関与で計画が進むかどうかは日本のインフラ輸出も左右する旨。
「テキサス新幹線」はヒューストンとダラス間の約390キロメートルを90分で結ぶ計画。

□1月5日(金)

◇NYダウ10ドル高;軟着陸期待が支え、Appleは4日続落 (日経 電子版 07:09)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比10ドル15セント(0.02%)高の3万7440ドル34セントで終えた旨。4日発表の経済指標が労働市場の底堅さを示した旨。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が株式相場を支えた旨。一時は2日に付けた過去最高値(3万7715ドル04セント)を上回ったが、次第に利益確定売りが増え、上げ幅を縮めた旨。

□1月6日(土)

◇NYダウ小幅続伸、25ドル高;軟着陸期待も方向感欠く (日経 電子版 07:11)
→5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比25ドル77セント(0.06%)高の3万7466ドル11セントで終えた旨。朝発表の2023年12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想以上に増えた旨。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が強く、相場を支えた旨。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測はやや後退した旨。ダウ平均は下げる場面もあり、方向感を欠く展開だった旨。


≪市場実態PickUp≫

【能登半島地震関連】

元旦に発生した能登半島地震、半導体関連の会社も数多く、以下実情の記事内容を取り出している。

◇Tower Semiconductor Update Following Recent Earthquake in Japan (1月2日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→高付加価値アナログ半導体ソリューションのファウンドリーであるタワー・セミコンダクターは、日本の2つの製造拠点が所在する石川県で発生した地震に関する最新情報を発表した旨。
従業員全員が無事であることを報告し、安堵と感謝の意を表した旨。建物への影響や被害はなく、設備への被害も軽微で、操業への影響はなかった旨。

◇能登半島地震;物流寸断、小売り休業に;ファミマ、一時160店舗で;ヤマト運輸は配送見送り (1月3日付け 日経)
→1日に発生した「能登半島地震」を受けて、小売りやサービスなど産業への影響が広がっている。コンビニエンスストアではファミリーマートが約160店舗で一時的に休業したほか、ヤマト運輸など運輸各社も被災地域への配送を見送った。地震により道路などの交通インフラへの被害も広がっている。製造業などのサプライチェーン(供給網)にも影響が広がる可能性がある。・・・・・

◇能登半島地震 物流寸断、小売り休業に――米テスラ、北陸で急速充電を無料開放;9日まで (1月3日付け 日経)
→米テスラは2日、1日に発生した能登半島地震で被害を受けた北陸エリアにある同社の急速充電器「スーパーチャージャー」を1週間、無料で開放すると発表、対象は新潟県、石川県、富山県、福井県内にある急速充電器で、テスラの電気自動車(EV)であればどこでも充電できる旨。

台湾発の見方である。

◇How can semiconductor industries overcome supply chain challenges following earthquakes? (1月3日付け DIGITIMES)
→突発的、大規模、そして予期せぬ災害は、特に半導体のような産業において、グローバル・サプライチェーンに重大な課題をもたらす旨。半導体の生産には複雑な企業ネットワークが関わっており、日本や台湾を含む主要な生産拠点は台風や地震の影響を受けやすい地域に位置しているため、その脆弱性が懸念される旨。

◇石川・能登で震度7;各社、供給網の点検急ぐ (1月4日付け 日経産業)
→1月1日の午後4時10分ごろ、能登半島の石川県志賀町で震度7を観測するなど、広い範囲で地震が発生した。気象庁は大津波警報を発令し、日本海側の各地に津波が到達した。建物の倒壊などの被害が出ている。3日の正午時点での状況をまとめた。
各社は工場など供給網の状況確認を進めている。米テスラや通信各社などは被災者への支援策を打ち出した。・・・・・

◇能登地震、工場など操業停止相次ぐ;インフラ被害、復旧阻む (1月5日付け 日経)
→能登半島地震の被災エリアに生産や販売拠点を持つ企業では4日、年始の操業を停止する動きが相次いだ旨。各社は工場や店舗の早期再開を目指す旨。電力や水道、物流などインフラにも被害が広がっており、復旧には一定の時間を要すると見込む企業も多い旨。
自動車や白物家電向けのパワー半導体を手がけるサンケン電気は4日、被災した石川県内の工場に、工場の損益や人員の管理担当役員を派遣したと発表した旨。震度7を観測した石川県志賀町、震度6弱だった同県能登町に工場があり、情報収集を急いでいる旨。


【インテル関連】

AI新会社設立について上に示したが、ここではASMLからのEUV装置納入、および株価見通しについて、以下の通りである。

◇ASML ships first parts for high-end machine to Intel (12月23日付け Taipei Times)
→ASMLホールディングNVは、インテル社向け最新半導体製造装置の最初の主要パーツの出荷を始めた旨。
"高NA極端紫外線(EUV)"と呼ばれるこの最新鋭システムは、オレゴン州にあるインテルのD1X工場に出荷されたと、この件に詳しい関係者が匿名を条件に語った旨。インテルとASMLの広報担当者は、システムの出荷先についてはコメントしていない旨。

◇Intel’s Stock Stock Rallied 91% This Year. Here’s What Drives It Higher in 2024. (12月29日付け Barron's)
→インテル、2023年に91%の株価上昇で見通しは力強い、とアナリスト


【世界の半導体生産能力】

SEMIのWorld Fab Forecast レポートより、本年の世界生産能力が月産3000万枚を超えるとの見方である。中国が本年18の新工場生産開始で引っ張るとともに、ここでもAIが牽引する期待である。

◇GLOBAL SEMICONDUCTOR CAPACITY PROJECTED TO REACH RECORD HIGH 30 MILLION WAFERS PER MONTH IN 2024, SEMI REPORTS (1月2日付け SEMI)
→「復活した市場需要と世界的な政府インセンティブの増加が、主要な半導体製造地域における工場投資の急増と2024年の世界生産能力6.4%増の予測に力を与えている。」と、SEMIのPresident and CEO、Ajit Manocha氏。「国家および経済安全保障における半導体製造の戦略的重要性に対する世界的な注目の高まりが、こうしたトレンドの重要な触媒となっている。」

◇Global Semiconductor Capacity Projected to Reach Record High 30 Million Wafers Per Month in 2024, SEMI Reports (1月2日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→世界の半導体生産能力は、2023年に5.5%増の29.6million wafers per month(wpm)となった後、2024年には6.4%増となり、初めて月産30 million wpm台を突破する見込みである、とSEMIが本日、最新の四半期世界Fab予測で発表した旨。

◇China to lead semiconductor industry expansion with 18 new fabs in 2024 ― global chipmaking capacity to reach record heights―Report: China plans to build 18 fabs this year as global capacity surges ―China builds more new fabs than other countries. (1月3日付け Tom's Hardware)
→SEMI World Fab Forecastレポートでは、2024年の生産能力は6.4%増加し、月産3000万枚を超えると予測している旨。非常に真剣な政府資金に牽引され、中国は半導体生産拡大で世界をリードすると予測されており、2024年には合計18の新しいファブが生産を開始する見込みである旨。

◇Global semiconductor capacity set to hit 30m wafers per month in 2024―SEMI: Chip capacity on track for 30M wafers per month (1月3日付け New Electronics (UK))
→1.SEMIの最新四半期World Fab Forecastによると、世界の半導体capacityが、2023年に5.5%増の29.6 million wpmとなった後、2024年には6.4%増、3000万枚/月(wpm)を超えそうな旨。
 2. SEMIが四半期ごとに発表するWorld Fab Forecastによると、世界の半導体capacityは今年、2023年比6.4%増の月産3000万枚を超えそうである旨。同レポートは、high-performance computing(HPC)、generative AIおよび政府インセンティブと結びついた市場需要がこの急増を牽引していると指摘している旨。


【Apple関連】

上にも示したが、国際金融グループ、Barclaysによる需要低迷の懸念からの格下げが影響したApple株の連日の下落の以下関連内容である。

◇Shares of Apple suppliers fall in Asia after Barclays downgrades the iPhone maker (1月2日付け CNBC)
→*水曜3日のアジア市場では、Barclaysが需要低迷の懸念からアップルを格下げしたことで、アップル・サプライヤーの株価が下落した旨。
 *アップル・デバイスの先端プロセッサーを製造するTSMCは、水曜3日の朝に2%以上下落した旨。iPhone組立のフォックスコンは水曜朝、1.33%下落した旨。
 *サムスン電子、SKハイニックスおよびLGエレクトロニクスを含むほとんどのテクノロジー半導体銘柄も下落した旨。

◇NYダウ10ドル高;軟着陸期待が支え、Appleは4日続落 (1月5日付け 日経 電子版 07:09)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比10ドル15セント(0.02%)高の3万7440ドル34セントで終えた旨。4日発表の経済指標が労働市場の底堅さを示した旨。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が株式相場を支えた旨。一時は2日に付けた過去最高値(3万7715ドル04セント)を上回ったが、次第に利益確定売りが増え、上げ幅を縮めた旨。


【中国関連】

実態はどうなっているのか、Huaweiについて以下2つの記事内容である。

◇Huawei's 2023 Revenue Soars Despite US Sanctions―Huawei's revenue close to $100B in '23 even amid US limits (12月29日付け CNET)
→*貿易規制のために一度は瀬戸際に立たされた中国の携帯電話メーカー、Huaweiだが、今年の売上高は$100 billionに迫る勢いである旨。
 *ファーウェイによると、米国の技術規制にもかかわらず、昨年の売上高は$98.7 billion以上となり、2022年比で9%増となった旨。Ken Hu会長は、同社は今年デバイス事業を強化する計画で「軌道に戻った」と述べている旨。

◇Huawei teardown shows 5nm laptop chip made in Taiwan, not China―New Huawei laptop running on 5nm TSMC chip, teardown shows (1月5日付け The Japan Times)
→Huaweiの最新ノートPCはTSMC社製の半導体を搭載していることが、デバイスのティアダウンから判明、一方の中国の技術躍進の話を打ち消す旨。Qingyun L540ノートブックには、2020年に台湾企業が製造した5ナノメートル半導体が搭載されており、これは米国の制裁措置によってHuaweiがこの半導体メーカーにアクセスできなくなった頃であることが、調査会社、TechInsightsがBloomberg Newsのためにデバイスを分解した結果判明した旨。

米国の制裁を受ける中国の半導体業界の実情が、改めてあらわされている。

◇Tech war: China’s semiconductor industry weathers tough year amid tighter US sanctions (12月31日付け South China Morning Post)
→*米国の動きは中国のサプライチェーンの弱点を露呈させたが、同時に自給自足に向けた新たな取り組み努力の動機ともなった旨。
 *中国は一部の半導体製造ツールでは着実に進歩しているものの、先端回路の製造に不可欠なハイエンド・リソグラフィ・システムでは大きく遅れをとっている旨。

中国OSAT(半導体組立・テスト受託サービス)業界最大手のJCETより、今後の市場展望である。

◇JCET: China's OSAT industry to experience a mixed situation in 2024, with upturn expected in 2025-26 (1月2日付け DIGITIMES)
→ムーアの法則が減速する中、半導体産業は変貌を遂げ、課題に直面している旨。ポスト・ムーア時代の重要な技術セグメントとして、パッケージングとテスト技術の役割はますます顕著になっている旨。
12月末に江蘇省で開催されたグローバル・サプライヤー会議において、JCETグループのZheng Li(鄭立)CEOは、パッケージング・テスト業界は2024年にいろいろ混在した状況に陥るが、2025年か2026年頃に顕著な市場の好転が見込まれる、と指摘した旨。

オランダ政府による対中国半導体関連輸出規制の状況である。

◇Netherlands blocks some ASML exports to China (1月3日付け Taipei Times)
→半導体製造装置メーカーのASML Holding NVは月曜1日、米国の輸出規制を受け、オランダ政府が一部の半導体製造装置の中国向け輸出許可を取り消した、と発表した旨。

中国から米国の大学への留学の現状である。

◇米有力大の中国人留学生、米中対立でも3割増―全大学では2割減、有力校に人気集中 (1月5日付け 日経 電子版 07:49)
→米中対立が深まるなか、ハーバード大学をはじめとする米国の有力大学に在籍する中国からの留学生が増え続けていることが分かった旨。米大学で学ぶ中国人留学生の総数が減少する一方、有力大学では4年間で3割以上増えた旨。保護者の所得水準などにより子どもの教育やキャリアに対する考え方の差が大きくなっていることを浮き彫りにしている旨。

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