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AI市場急騰の中、席巻するNvidiaを軸とする動き、メモリ半導体市場の激変

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AI(人工知能)関連業界の激変模様の余震が当面引き続いていく様相である。直近四半期売上げが前年比3倍超を記録したNvidiaを軸とした動きが焦点となり、Microsoft、Amazon、そして今週はHewlett Packard Enterprise(HPE)が主催するイベントでのプレゼンが行われるとともに、それぞれとの販売拡大に向けた連携が見られている。一方、米国の対中国半導体輸出規制更新が警戒され、Nvidiaの中国向けAI半導体の出荷が遅らされる模様となっている。一方、AIアプリケーション向けのHBM(高帯域幅)メモリーについて、韓国・SK Hynixの伸びが目覚ましく、長らくのメモリー半導体首位の同じ韓国・Samsungに対し、直近四半期シェアで急追する状況が見られている。そのSamsungでは、今後に向けた刷新の動きが目に入っている。

長見晃の海外トピックス

≪熱い活況、いつまで≫

Nvidiaの動きについて、先週から今週にかけてまず注目させられたのは、米国の対中国半導体輸出規制更新への警戒である。

◇Nvidia sees growth in other markets to offset sales slump in China in near term (11月22日付け DIGITIMES)
→エヌビディアは最新の決算で目覚ましい成長を記録し、今四半期も爆発的な成長を見込んでいる旨。ホワイトハウスによる輸出規制の更新は、中国からの売上が急減しても他の市場によって相殺される見込みであるため、近い将来のエヌビディアの業績に影響を与えることはまだない旨。しかし、長期的にはマイナスの影響が迫っている旨。

新しいAI半導体の出荷を2024年の第一四半期まで遅らせる模様である。

◇Exclusive: Nvidia delays launch of new China-focused AI chip -sources (11月23日付け Reuters)

◇EU, Chinese, French regulators seeking info on graphic cards, Nvidia says―Nvidia delays China's access to new AI chip, sources say (11月24日付け Reuters)
→Nvidiaは、新しいAI半導体の中国への出荷を2024年の第一四半期まで遅らせたと報じられており、情報筋によると、中国での競争力を損なう可能性がある旨。
一方、中国、欧州連合(EU)およびフランスの当局者は、エヌビディアの新しいグラフィックカードに関する情報を求めている旨。

NvidiaのAI最適化高性能GPU製品が、最も注目を集めるところであるが、現下の実態が以下あらわされている。

◇GAFAが半導体メーカーに;生成AIが生む新市場に商機 (11月27日付け 日経 電子版 02:00)
→・・・・・
機械学習の大量の計算には、並列演算が得意なGPUが向く。生成AIブームで一気に需給バランスが崩れ、23年春ごろからGPUの不足感が顕在化しはじめた。
特に枯渇しているのが、エヌビディアのAIに最適化した高性能GPU「H100」だ。H100のカタログ価格は500万〜600万円程度。一部では1.5倍の価格で取引されているとの情報もある。
・・・・・

11月は、主要各社のイベントにて、Nvidiaが大忙しの体、以下の通りである。

◇HPE, Nvidia help enterprises go 'AI-native' with new solution (11月30日付け FierceElectronics)
→Nvidiaは11月中、Microsoft、Amazon、そして最近ではHewlett Packard Enterprise(HPE)が主催するイベント(今週のBarcelona, SpainでのHPE Discover)を訪れ、カンファレンスサーキットで大忙しだった旨。これらのイベントに共通するテーマは、大規模な言語モデル(LLMs)やジェネレーティブAIアプリケーションの開発と利用を拡大する企業顧客をいかにサポートするかということである旨。

その中で、AmazonのイベントでのNvidiaのプレゼン、そして両社の連携打ち上げが以下あらわされている。

◇Nvidia, AWS re:Invent partnership with generative AI in mind (11月28日付け FierceElectronics)
→NvidiaとAmazon Web Services(AWS)が今週、AWS re:Invent conference(11月28日〜12月2日)にて、たくさんの発表を行い、generative AIおよびlarge language models(LLMs)の世界に両社間の連携がさらに深まっていく旨。AWSに対し、DGX Cloudに新しいGH200 NVL32プラットフォーム対応能力をもたらす旨。

◇Nvidia が新しい Retriever、DGX Cloud、Project Ceiba スーパーコンピューターを AWS に導入−Nvidia, AWS extend partnership with AI chips, chatbot (11月28日付け VentureBeat)
→NvidiaとAmazon Web Services(AWS)は、両社の継続的なパートナーシップの一環として、AWS re:InventにてAI トレーニング用の新しい半導体と企業向けチャットボットを発表した旨。NvidiaのDGX CloudにはGrace Hopper GH200スーパーチップが含まれており、そのNeMo Retrieverは取得拡張生成を使用し、AWSのAmazon QチャットボットはAWS CodeCatalyst内で動作する旨。

Nvidiaの対中国関連について、自動運転での取り組みである。

◇エヌビディア、自動運転に中国の人材を活用-Nvidia recruiting AV talent in China (11月28日付け TechCrunch)
→Nvidiaは、8月に採用された自動車部門責任者のXinzhou Wu氏の下でポジションを埋める人材を中国で募集することで、自動運転車(AV)チームをさらに強化したいと考えている旨。Nvidiaは昨年、2,000テラフロップスの性能を誇る車載グレードのThor半導体を発表した旨。

四半期売上げ急拡大のNvidiaであるが、米国政府の米国内半導体製造強化の取り組みには距離感があり、米国が東アジアを中心とする海外半導体製造への依存脱却には少なくとも10年、あるいは20年はかかるとの主張である。

◇NVIDIA is the most profitable semiconductor chip brand in the world due to the rise in demand for AI GPUs, with Meta and Microsoft as its A-list clients―Nvidia reigns as most profitable chip brand amid AI demand ―Demand for its AI chips makes NVIDIA the most profitable chipmaker for Q3 2023. (11月29日付け Windows Central)
→エヌビディアの第三四半期の利益は$10.42 billionに達し、AI半導体の世界的な需要に対応、大口顧客のメタとマイクロソフトにサービスを提供した旨。好調な四半期でインテルとサムスンを上回ったが、Jensen Huang(ジェンセン・フアン)最高経営責任者(CEO)は、米国のサプライチェーン独立はまだ20年先だと指摘した旨。

◇Nvidia CEO Says US Will Take Years to Achieve Chip Independence (11月29日付け BNN Bloomberg (Canada))
→半導体業界で最も価値のある企業を経営するNvidia社のジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)は、米国が海外半導体製造への依存を脱するには20年はかかると述べた旨。

◇Nvidia CEO: U.S. chipmakers at least a decade away from China supply chain independence (11月29日付け CNBC)
→*NvidiaのJensen Huang(ジェンセン・フアン)CEOは、米国の半導体メーカーが中国で「サプライチェーンの独立」を果たすには少なくとも10年はかかると考えている旨。
 *フアンCEOは、これは米国の国家安全保障にとって「絶対に」必要な取り組みだと述べた旨。
 *エヌビディアは輸出規制がますます厳しくなっており、最先端の半導体を中国に送ることが制限されている旨。

一方、NvidiaのCEO、Jensen Huang氏は、AIは5年以内に人間と「かなり競争できる」ようになる、と以下の通りである。

◇Nvidia CEO Jensen Huang says AI will be ‘fairly competitive’ with humans in 5 years (11月30日付け CNBC)
→*エヌビディアのジェンセン・フアンCEOは水曜29日、ニューヨーク・タイムズ紙のDealBookサミットで、人工知能は早ければ5年以内に人間と「かなり競争できる」ようになると語った旨。
 *フアンCEOは、半導体設計やソフトウェア開発から創薬や放射線診断に至るまで、企業がニーズに応じて調整できる市販のAIツールが台頭してくると見ている旨。
 *エヌビディアのAI半導体は非常に注目されており、同社の第三四半期の売上高は3倍に増加した旨。

オープンAIからChatGPTが発表されてまる1年の現時点、AIを巡る議論が世界的に続けられている中でのNvidiaを軸とするAI半導体、および関連の動きに引き続き注目である。

次に、AI半導体市場の急伸を受けてのメモリ半導体業界の激変についてである。GPU半導体のNvidiaとともに、特に、韓国・SK Hynixの売上げ急増が目立っている。

◇AI drives chip sector recovery―Report: Industry's revenue up for 2nd straight quarter (11月24日付け TelecomTV (London))
→業界トラッカーのOmdiaによると、半導体業界の第三四半期の売上高は、SK HynixおよびNvidiaが顕著な恩恵を受け、前四半期比8.3%増であった旨。
売上高はAI需要により拍車がかかり、推定$139 billionに達している旨。

これまで大差をつけた首位の座が定着している同じ韓国のSamsungのイメージであるが、次の通り差が急に縮まる直近四半期業績結果となっている。AI用途に向けたHBM(高帯域幅)メモリへの取り組み如何が大きく左右する受け止めである。

◇Memory maker SK hynix booms during AI frenzy ― now controls 35% of the DRAM market―Strong quarter drives SK Hynix to all-time high in DRAM ―AI needs tons of memory. (11月26日付け Tom's Hardware)
→サムスン電子の第三四半期の世界DRAM市場シェアは39.4%で首位をキープし、SKハイニックスは4ポイント上昇し史上最高の35%で2位となった、とOmdiaが報じている旨。同社の第三四半期のDRAM売上高は$4.63 billion。

◇SK hynix narrows gap with Samsung Electronics in DRAM market (11月27日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→SKハイニックスは、人工知能(AI)アプリケーション向けの高帯域幅メモリー(HBM)の伸長成長により、DRAM市場の世界的リーダーであるサムスン電子との差を縮めている旨。日曜26日の市場調査会社Omdiaによると、SK hynixのDRAM売上高は、第二四半期の$3.44 billionに続き、第三四半期には$4.63 billionに達した旨。

AI特需のDRAM市場の現状が、以下あらわされている。

◇DRAMにAI特需;半導体メモリー、NANDは回復遅れ (11月27日付け 日経)
→2023年7〜9月期にパソコンやスマートフォンのデータ記憶保持に使うDRAMの需要量が供給量を約3年ぶりに上回った旨。生成AI(人工知能)向けにデータを高速処理する半導体の需要が急増した旨。データ転送速度が遅いNAND型フラッシュメモリーには追い風が吹かず、キオクシアホールディングスは苦境脱出に時間がかかる旨。

◇Samsung, SK hynix, Micron Set for 'War of Three Kingdoms" Next Year−HBM chip competition expected to grow in the new year (11月29日付け BusinessKorea)
→報道によると、生成AIアプリケーション向けの高帯域幅メモリ(HBM)の需要が高まる中、Samsung Electronics、Micron TechnologyおよびSK Hynixの3社がNvidiaの受注をめぐって競争することになる旨。SK Hynixがリードしているが、Samsungの次期HBM3とMicronのHBM3Eが競合とみなされている旨。

Samsungでは、今後に向けた事業体制刷新の動きが見られている。

◇Samsung Electronics announces executive reshuffle for 2024―Samsung Electronics shuffles execs to focus on the future (11月27日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→サムスン電子は毎年恒例の役員人事で、Jeon Young-hyun(チョン・ヨンヒョン:全英鉉)副会長を将来の事業計画を担当する新部門の責任者に任命した旨。Han Jong-hee(ハン・ジョンヒ:韓正熙)副会長とKyung Kye-hyun(キョン・ギョンヒョン:京桂鉉)社長は留任し、責任の一部を再編成する旨。

◇サムスン、新事業創出へ新組織;次の稼ぎ頭探る (11月29日付け 日経)
→韓国サムスン電子は新事業創出を担う「未来事業企画団」を新設すると発表、半導体や車載電池などに次ぐ将来の稼ぎ頭となる事業を育てる旨。スマートフォンや家電、ディスプレーなど既存分野での中国企業の台頭に危機感を強めている旨。

Samsungのイベントでのメモリのプレゼン状況である。

◇AI, AR Drive Memory Updates―Samsung is targeting AI with latest HBM, GDDR and DDR, while Micron addresses AR. (11月30日付け EE Times)
→サムスン電子は、毎年恒例の「Memory Tech Day」にて最近行ったたくさんの発表の一部として、HBM、GDDRおよびDRAMの新製品を発表し、3つの方法で帯域幅需要に取り組んでいる旨。
サムスンは、2016年に初めて導入された「bolt」の命名規則を維持し、HBM3E DRAMに「Shinebolt」という名称を与えており、これは、次世代AIアプリケーションを強化し、総所有コスト(TCO)を改善し、データセンターにおけるAIモデルのトレーニングと推論を高速化することを目的としている旨。

日々動向のアップデートを要するAI関連、今後の最も有望な市場分野であり、半導体の視点で引き続きの注目である。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□11月28日(火)

利上げ終了の期待の中、年初来高値を記録した今週の米国株式市場であるが、米連邦準備理事会(FRB)議長は利下げ議論は尚早と押さえるスタンスである。

◇NYダウ3日ぶり反落、56ドル安;高値近づき利益確定売り (日経 電子版 07:03)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比56ドル68セント(0.16%)安の3万5333ドル47セントで終えた旨。前週末にかけて大きく上昇し、8月に付けた年初来高値(3万5630ドル)に近づいたことから主力株に利益確定売りが出た旨。半面、米国の消費が底堅さを保っているとの見方は相場を支えた旨。

□11月29日(水)

◇NYダウ反発、83ドル高;利上げ終了に期待高まる (日経 電子版 06:42)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比83ドル51セント(0.23%)高の3万5416ドル98セントと8月上旬以来の高値で終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)高官の金融政策に関する発言を受け、米国の利上げ局面が終了するとの観測が一段と強まった旨。米長期金利が低下し、株買いが優勢だった旨。
ダウ平均の上げ幅は180ドルを超える場面があった旨。

米国の直近四半期GDPは、予想を上回る伸びである。

◇U.S. GDP grew at a 5.2% rate in the third quarter, even stronger than first indicated―US GDP growth hits 5.2% in Q3, consumer prices edge up (CNBC)
→商務省の報告によると、第三四半期の米国経済は、企業による旺盛な投資と政府支出のおかげで、当初の予測を上回り、年率5.2%の成長を遂げた旨。
しかし、改定されたデータでは個人消費支出価格指数が2.8%上昇し、より複雑な経済情勢を示しており、物価に関してはそれほど前向きな状況ではなかった旨。

我が国で半導体への政府補助金について、技術流出防止策が義務として求められている。

◇半導体など重要物資への補助金、技術流出防止策を義務に (日経 電子版 20:36)
→政府は半導体や先端電子部品といった特定重要物資向けの補助金支給に当たり、他国への技術流出を防ぐ取り組みを実施するよう企業に義務付ける旨。29日に成立した2023年度補正予算を財源とする補助金から支援にあたっての要件とする旨。

□11月30日(木)

COP28が開幕、議論の進捗に注目である。

◇COP28、きょう開幕;温暖化対策の進捗など議論へ (日経 電子版 06:05)
→第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向けた温暖化対策の進捗などについて議論する見通し。再生可能エネルギーの導入拡大なども議題となる旨。

FRBの注目する物価動向、10月の関連指標である。

◇Fed’s favorite gauge shows inflation rose 0.2% in October and 3.5% from a year ago, as expected―Inflation rate drops to 3% in Fed-favored gauge (CNBC)
→1)米連邦準備制度理事会(FRB)が推奨するインフレ指標によると、10月の物価は前月比横ばい、前年同月比では3%の上昇となった旨。商務省の個人消費支出物価指数によると、食品とエネルギーを除いたコア物価は前月比0.2%上昇、年間では3.5%上昇した旨。物品価格は0.3%減少したが、サービス価格は海外旅行、ヘルスケア、食品サービスおよび宿泊施設が牽引し0.2%上昇した旨。
 2)*個人消費支出指数(食品・エネルギー価格を除く)は前月比0.2%上昇、前年同月比3.5%上昇と、いずれも予想通りだった旨。
  *個人所得と個人消費はともに前月比0.2%増と予想通りであり、消費者がインフレに歩調を合わせていることを示している旨。
  *継続失業保険申請件数は193万件と8万6,000件増加し、2021年11月27日以来の高水準となった旨。

◇NYダウ小幅続伸、13ドル高;長期金利低下で株買い (日経 電子版 06:52)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比13ドル44セント(0.03%)高の3万5430ドル42セントで終えた旨。8月上旬以来の高値を付けた旨。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終了したとの観測が一段と強まっている旨。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らぎ、株買いを支えた旨。もっとも、取引終了にかけて利益確定売りも出て、上値は重かった旨。

□12月1日(金)

◇気候変動被害の途上国、支援へ新基金;COP28で大枠合意 (日経 電子版 00:41)
→アラブ首長国連邦(UAE)で開幕した第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)は30日の初日の会合で、気候変動による被害を受けた途上国を支援する基金制度の大枠で合意した旨。日本政府は1000万ドル(約15億円)を拠出すると表明した旨。

◇NYダウ520ドル高、年初来高値更新;リスク資産にマネー (日経 電子版 07:07)
→米国が早期に利下げに転換するとの観測が、金利の下押し圧力を強めている旨。11月の米長期金利の低下(債券価格は上昇)幅は0.54%と、2011年8月以来の大きさとなった旨。金利低下を基点にダウ工業株30種平均は30日、前日比520ドル高で年初来高値を更新するなど、リスク資産へのマネー回帰が進む旨。ただ、足元で消費減速の兆しがみえるなど、楽観論への過度な傾倒は危うさもはらむ旨。

□12月2日(土)

◇NYダウ、280ドル高で推移;ナイキやキャタピラーに買い (日経 電子版 05:44)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、午後3時(日本時間2日午前5時)現在は前日比283ドル35セント高の3万6234ドル24セントで推移している旨。午前に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米大学のイベントで発言した旨。FRBによる利上げ局面が終了したとの市場の観測を後押しする内容との受け止めから、米長期金利が低下。株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いが広がった旨。


≪市場実態PickUp≫

【OpenAI関連】

前回激震を取り上げたOpenAIについて、まずは、Microsoft幹部を取締役会に受け入れている。

◇OpenAI、理事会にMicrosoft幹部受け入れ;議決権持たず (11月30日付け 日経 電子版 11:18)
→対話型AI(人工知能)「ChatGPT」を開発した米新興オープンAIは29日、資本・業務提携する米マイクロソフトから理事会(企業の取締役会に相当)に幹部を受け入れると発表、議決権は持たないオブザーバーとして参加する旨。今後マイクロソフトの影響力がさらに増す可能性がある旨。

ChatGPT発表の衝撃からまる1年、次の衝撃的な可能性の取り組みがあらわされている。

◇謎のプロジェクト「Q*」;OpenAI、進む万能AI研究 (11月30日付け 日経 電子版 05:00)
→対話型の生成AI(人工知能)「ChatGPT」の公開から30日で1年を迎えた旨。巧みに言語を操る生成AIの登場は世界に衝撃を与え、巨大市場に成長しつつある旨。開発元の米オープンAIでは人間をしのぐ「万能AI」の実現に向け、謎のプロジェクトが進むとされる旨。急速に進化するテクノロジーを制御するすべは、なお手探りだ。

◇「万能AI」進む研究開発;オープンAIの新計画浮上;自律的に学習、数百万の課題処理;人類脅かす可能性も (12月1日付け 日経)
→対話型の生成AI(人工知能)「ChatGPT」の公開から30日で1年。世界に衝撃を与えた開発元のオープンAIで人間をしのぐ「万能AI」実現に向けたプロジェクトが浮かび上がった旨。数百万の課題を処理する万能AIは人類に大きな恩恵をもたらす一方で、技術の進化に制御が追いつかず、暴走の恐れもある旨。

一方、米国政府の中東を意識した圧力に巻き込まれるOpenAIのCEO、Altman氏である。

◇US Compels Saudi Fund to Exit AI Chip Startup Backed by Altman―Saudi Aramco fund exiting Altman-backed AI startup following US pressure (11月30日付け BNN Bloomberg (Canada))
→バイデン政権は、Saudi Aramco(サウジアラムコ)のベンチャーキャピタルに、OpenAIの共同設立者であるSam Altman(サム・アルトマン)が支援するシリコンバレーのAI半導体新興企業の株式を売却させており、米国テクノロジーへの投資を拡大する中東の国にとって、より広範な意味合いを持つかもしれない出口の旨。


【中国の巻き返し関連】

まずは、Huaweiのスマホでの最先端半導体であるが、米国の制裁を受ける中のSMICの健闘がまたもあらわされている。

◇How Huawei’s Chipmaker Turned US Sanctions into a China Success Story (11月22日付け Yahoo! Finance)

◇How SMIC turned US sanctions into a China success story―The chipmaker’s fabrication of 7-nanometer semiconductors for Huawei has given hope to Beijing’s strategy of building a more self-reliant tech industry (11月25日付け Taipei Times)
→ファーウェイ・テクノロジーズは、中国の半導体技術における急速な進歩を示す900ドルのスマートフォンを発表し、ワシントンから東京までの政治家を驚かせた旨。このエピソードはまた、ファーウェイのために半導体チップを製造したあまり知られていない会社を、地政学的覇権をめぐる米中の戦いの渦中に押し込んだ旨。
セミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル(SMIC)は、長年にわたるアメリカの制裁にもかかわらず、中国の技術進歩を封じ込めることを目的としたアメリカが組織した封鎖を突破する北京の秘密兵器として登場した旨。ファーウェイへの先進的な7ナノメーター・プロセッサーの納入に成功したことで、国内では歓喜の声が上がり、ワシントンでは明らかな失敗をめぐって党派的な非難が巻き起こった旨。

中国のファウンドリーの台頭による成熟半導体の値下がりが予想されている。

◇Taiwan chip foundries to see 10-20% price cuts due to Chinese competition ―32 new Chinese foundries to go online next year, creating glut in mature chips (11月27日付け Taiwan News)
→台湾のチップファウンドリーは、中国や韓国のファウンドリーとの熾烈な競争により、2024年第一四半期に成熟した半導体生産の大幅な値下げが予想されている旨。
中国では来年、推定32の新プロセス・ウェーハ工場が稼動し、大規模な生産能力過剰が生じる、とCommercial Timesは報じている旨。

インテルに匹敵、というプロセッサ半導体が、以下の通りである。

◇新しい中国のLoongson半導体は、液体窒素で14600GHzにオーバークロックされたIPCテストでIntelの3Kに匹敵-Loongson's chip goes head to head with Intel's in IPC test (11月28日付け Tom's Hardware)
→中国の半導体設計のLoongsonが、3A6000シリーズ プロセッサを発表、クロックあたりの命令数のテストでは、2.5 GHzのIntelのRaptor Lake i5-14600Kと同等であることがわかった旨。3A6000デスクトップ プロセッサは、14/12ナノメートル プロセスと4コアと8スレッドの構成を使用している旨。

中国発のDDR5 DRAMが、次の通り発表されている。

◇China makes key progress in closing mobile memory chip gap with South Korea, US as tech war rages (11月29日付け South China Morning Post)
→*CXMT(ChangXin Memory Technologies:長?存儲技術)は水曜29日、スマートフォンなどのモバイル機器に使用される、中国初の低消費電力DRAM半導体、Double Data Rate 5を製造したと発表した旨。
 *中国が半導体開発と製造技術において、遅々としているが着実な進歩を報告している時に、このブレークスルーがもたらされた旨。

Huaweiの「自給自足の半導体ネットワーク」の構築、リソグラフィ装置開発の可能性である。

◇Huawei is allegedly building a self-sufficient chip network using state investment fund―Reports: Huawei eyeing its own chip network amid US ban ―Bloomberg's report suggests a 'symbiotic relationship' between Huawei and these enterprises. (12月1日付け Engadget)
→Huawei Technologiesは、米国の技術輸入規制を回避するため、「自給自足の半導体ネットワーク」を構築していると報じられている旨。ファーウェイはSiCarrier(Shenzhen Sicarrier Technologies Co.,LTD.)に特許を譲渡したとされ、SiCarrierの子会社がリソグラフィ装置を開発する企業へのアクセスをファーウェイに提供する可能性があると報じられている旨。


【市場持ち直し関連】

10月にやっと前年比増加の世界スマホ市場、とあらわされている。

◇Global smartphone sales rebound in October after declining for more than 2 years: Counterpoint (11月23日付け CNBC)
→*Counterpoint Research社によると、世界のスマートフォン市場は27ヶ月間縮小していたが、10月は前年同月比5%増となった旨。
 *この伸びは、新興市場の回復、ファーウェイの中国でのカムバック、アップルの9月のiPhone 15の発売などが牽引した旨。
 *「10月の力強い成長に続き、2023年第四四半期も前年同期比で伸びて、市場は今後数四半期で緩やかな回復に向かうと予測している」と該調査会社は述べている旨。

台湾の上場ITの19社も、持ち直しの気配である。

◇台湾IT、業績持ち直しの兆し;19社10月、スマホ需要で7社増収 (11月28日付け 日経産業)
→世界のIT大手に半導体やデジタル製品を供給する台湾主要メーカーの業績に持ち直しの兆しが見えてきた旨。上場IT、19社の10月の売上高合計は前年同月比1.2%減で、9月(16.2%)に比べ減少率が大きく縮小した旨。iPhoneなどスマートフォンの新製品需要を受け、9月比で2社多い7社が増収となった旨。

世界スマホ出荷台数、ついに局面転換の見出しがあらわされている。

◇Worldwide Smartphone Shipments Finally Turn the Corner with 7.3% Growth Forecast in Q4 2023 and 3.8% in 2024, According to IDC Mobile Phone Tracker (11月29日付け IDC)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Quarterly Mobile Phone Trackerによると、2023年第四四半期(4Q23)の世界のスマートフォン出荷台数は前年同期比7.3%増と予測されている旨。ホリデー・四半期の予測改善は、在庫がこれ以上積み上がることなく3Q23に小幅な改善が見られたことに続くもので、このため一部のチャネルや大手OEMsは数カ月先の事業計画を強化している旨。市場の回復は2024年も続き、3.8%の成長が見込まれ、その後の予測期間は1桁台前半の成長が続き、5年間の年間平均成長率は1.4%となる旨。

世界半導体市場統計(WSTS)の秋季予測があらわされ、落ち込む本年から来年は持ち直す内容である。近々の米国・SIAの月次世界半導体販売高発表に、例年盛り込まれている。

◇世界半導体市場、来年13%拡大 (11月30日付け 日経)
→主要な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)は28日、2024年の半導体市場が前年比13%増の$588.3 billion(約87兆円)になるとの見通しを示した旨。生成AI(人工知能)を活用したサービスが本格化して半導体の需要を牽引する旨。


【台湾発の週間ニュースまとめ】

台湾のDIGITIMESによる週間ニュースのまとめにこのほど注目、特に中国関連のさらなる実態が以下の通りである。今後とも目が届く限りとの思いである。

◇Weekly news roundup: Micron and GlobalFoundries hit by US trade sanction shockwave and other top stories (11月27日付け DIGITIMES)
→・Micron and GlobalFoundries hit by US trade sanction shockwave
  …中国の顧客は装置にプレミアムを支払う意思を表明しており、米国の輸出規制の影響は大きい。最近では、大手装置メーカーの利益の半分以上が中国からの拠出金である。言い換えれば、景気後退期には、中国の顧客が装置メーカーの救世主として浮上している。
 ・Restricting TSMC benefits SMIC, multi-patterning prohibitively costly, said lithography guru
  …液浸露光の革新を行った元TSMCの研究開発担当副社長、Burn Lin氏は、IC Broadcastingの取材に対し、2022年にはすでに、TSMCと同様にSMICもDUV装置で7nmを達成できると予測していたと述べた。
 ・China's aggressive poaching of South Korea's semiconductor talents and resources raises alarm
  …近年、中国の半導体企業は韓国から人材を積極的に採用し、戦略的な買収や投資を行っており、韓国の半導体業界では懸念が広がっている。
 ・Recent activities of SMEE and CIOMP show EUV development efforts progressing in China
  …Shanghai Micro Electronics Equipment (Group) Co., Ltd.(SMEE:上海微電子設備(集団)有限公司)は、新規株式公開(IPO)の計画を発表、中国での人材獲得のため、年俸(ボーナスを除く)を最高48万人民元($66,000)まで引き上げると発表した。
 ・SMIC profit plunges despite Huawei orders: survival heavily dependent on subsidies and external sources
 ・Samsung shifts investment focus to 3-nanometer tech in Taylor TX plant
  …ZDNet Koreaが引用した業界筋の情報によると、サムスンは最近、米国のテイラー工場の装置投資の方向性を変更したという。


【Armの取り組み】

AI(人工知能)とIoT(Internet of Things)を組み合わせた技術、AIoTの応用に向けて、ArmがCortex-M52半導体を発表している。今後の展開に期待である。

◇Arm unleashes edge AI performance in IoT devices with Cortex-M52 (11月22日付け FierceElectronics)
→データセンターのAIが注目を集めている一方で、エッジにもAI機能を押し進める取り組みが続いている旨。その最新の証拠が、Armが発表したばかりのCortex-Mプロセッサ・ポートフォリオに追加されたCortex-M52であり、アクセラレーターを必要とせずにAIと機械学習(ML)処理を高レベルで実現することを目的としている旨。Armの新しいCortex-M52は、エッジAI IoTデバイスに高度な処理、低消費電力およびより高いセキュリティをもたらすことを目指している旨。

◇Arm extends Cortex-M portfolio bringing AI to endpoint devices―Arm touts chip's potential for edge computing (11月27日付け New Electronics (UK))
→1)Armが、Cortex-M52の打ち上げを発表、Cortex-M52は、専用のDSPやMLアクセラレータのコスト・オーバーヘッドなしに、デジタル信号処理(DSP)やMLの性能向上を必要とするAIoTアプリケーション向けに設計されている旨。
 2)アームは、この新しいCortex-M52半導体によって、エッジ・コンピューティングの新しいソリューションが低価格で実現し、AI of thingsの性能が向上すると述べている旨。「AIoTの出荷が増加するためには、開発者のイネーブルメントが不可欠であり、該Cortex-M52によって、今日の最新の開発フローで必要とされる重要な機能と性能を提供する。」と、アームのsenior vice president and general manager, IoT Line of Business、Paul Williamson氏は述べている旨。

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