Semiconductor Portal

HOME » ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

米中、それぞれに規制下でのビジネス打開を探る動き;ベトナムでの半導体関連

米中首脳会談が1年ぶり、11月15日に予定され、衝突を避けるとともに現実的な接点が探られている。半導体ビジネス関連では、米国の対中規制下、中国での拡大に向けて米国メーカーの博覧会出展、規制回避のAI半導体の取り組みが見られる一方、中国では国内完結に向けてユーザとサプライヤが組む動き、政府支援のファンドによる新興メモリメーカーへの支援融資が見られるとともに、中国での販売に制約がかかっているマイクロン社に中国への投資を歓迎する声がかけられている。今後米中それぞれ、そして両国間のビジネス展開に注目である。Biden大統領が訪れて、半導体への取り組みが意思表示されているベトナムにおいて、各国の具体的な投資意欲の一方、インテルが投資計画を白紙に戻す動き、と錯綜の様相が見られている。今後の本格始動に注目である。

長見晃の海外トピックス

≪グローバルな半導体ゆえの障壁打開≫

米国の対中国規制下での半導体ビジネス展開を図る動き、まずは米国側について。

上海での中国国際輸入博覧会に、マイクロンとADIが初出展、そして韓国およびオランダと、それぞれにできる限りの売り込みである。

◇中国輸入博、米半導体が熱視線;マイクロンとADIが初出展;米中対立でも「非先端」取引活況 (11月7日付け 日経)
→上海市で開催中の中国国際輸入博覧会に参加する米国の半導体企業が増えた旨。米マイクロン・テクノロジーと米アナログ・デバイセズ(ADI)が初めて参加した旨。米国による先端半導体の対中輸出規制後も非先端分野では活発な取引が続く旨。参加企業からは米国主導の規制の緩和に期待する声も出ている旨。

◇Micron, ASML and Samsung attract attention at this year’s China International Import Expo amid rising chip tensions (11月8日付け South China Morning Post)
→米国との技術戦争の激化に対応するため、北京が半導体の自給自足を推進する中、上海で開催される今年の中国輸入博覧会では、米国、韓国およびオランダの半導体企業が大きな存在感を示している旨。

AI半導体を引っ張るNvidiaは、対中規制を回避する中国向けのGPUsを投入する以下の動きである。

◇Nvidia plans to release three new chips for China - analysts―Report: Nvidia preparing new chips for China market (11月9日付け Reuters)
→Nvidiaは、HGX H20、L20 PCIeおよびL2 PCIeの3つの半導体を中国市場に投入する予定だと報じられている旨。Nvidiaはこの報道についてコメントしていないが、上海のメディアによれば、早ければ11月中旬にも正式発表がある旨。

◇Nvidia skirts latest US export rules with new GPUs for sale to China (11月9日付け FierceElectronics)
→Semianalysisの業界アナリストが木曜9日に発表したレポートによると、Nvidiaは最新の米国貿易規制を回避する3つの新しいAI半導体を中国向けに製造している旨。該アナリストによると、Nvidiaは現在、12月に量産を開始する新しいH20、L20およびL2 GPUsの製品サンプルを保有している旨。 新しいGPUsの1つは、LLM推論性能において既存のH100よりも20%高速であることが判明した旨。

一方の中国、上記の輸入博覧会にて、中国の商務相が前提条件付きながらマイクロンの中国市場進出を歓迎とのメッセージである。マイクロンは現在、中国での一部販売を禁止されている。

◇US chip maker Micron rekindles ties with China despite Beijing’s sales ban over security concerns (11月3日付け South China Morning Post)
→*商務相は「中国の法規制に従う」ならマイクロン社を歓迎、同社CEOは「投資拡大の意欲を表明」
 *この会談は、米半導体メーカーの同社が来週上海で開催される第6回中国国際輸入博覧会に出席すると発表した後に行われた旨。

◇China warms to Micron, as tensions with US ease (11月4日付け Taipei Times)
→中国のWang Wentao(王文濤)商務相は、マイクロン・テクノロジー社のSanjay Mehrotra(サンジャイ・メロトラ)社長兼CEOに対し、北京は該米国の半導体企業が中国市場に進出することを歓迎すると述べ、世界トップ2の経済国間の関係がさらに雪解けしたことを示唆している旨。

中国政府支援のファンドが中国の新興メモリ半導体メーカーに、以下の融資である。自己完結に向けた能力アップが、さらに図られている。

◇China Invests $5.4 Billion in Two-Year-Old Memory Chipmaker―Startup Changxin Xinqiao nabs $5.4B from Beijing-backed investors (11月6日付け BNN Bloomberg (Canada))
→半導体の新興企業であるChangxin Xinqiao Memory Technologies Inc.(CXMT:Hefei, Anhui[中国東部])は、政府の支援を受けた投資家から390億元(39 billion yuan[$5.4 billion])を調達、北京は技術的自給自足を達成し、アメリカの制裁に対抗する努力を倍増させている旨。

◇China invests US$5.4 billion in 2-year-old memory chip maker as self-sufficiency drive picks up (11月6日付け South China Morning Post)
→*Changxin Xinqiaoは、10月下旬に国家が支援するChina Integrated Circuit Industry Investment Fund Phase IIと他の2つの政府系投資家から資金を確保した旨。
 *米国が中国の最先端半導体技術へのアクセスを制限しようとする中、北京は半導体産業でブレークスルーを起こすことに躍起になっている旨。

◇China invests US$5.4 billion in chipmaker (11月7日付け Taipei Times)
→半導体の新興企業、Changxin Xinqiao Memory Technologies Inc (CXMT)は、政府の支援を受けた投資家から390億元($5.4 billion)を調達、北京が技術的自給自足を達成し、米国の制裁に対抗するための努力を倍増させている印の旨。

Huawei TechnologiesからBaiduに向けて、AI半導体の供給が以下の通り行われようとしている。中国国内での完結対応である。

◇How Huawei plans to rival Nvidia in the AI chip business (11月7日付け Reuters)
→HuaweiのAI半導体ASCEND 910Bは、Nvidiaに性能で至らないものの、中国市場で伸びる期待、7-nm製造。

◇Exclusive: Baidu placed AI chip order from Huawei in shift away from Nvidia―Sources: Baidu orders $61.83M in AI chips from Huawei (11月7日付け Reuters)
→BaiduはHuawei Technologiesに910B Ascend AI半導体を約$61.83 millionで1600個発注し、年内に納品する予定。この半導体は、NvidiaのA100チップの代替品として開発された旨。

次に、ベトナムでの半導体関連の動きについて、現下で目立ったのが、インテルの投資計画を白紙に戻す動きである。

◇Intel shelves planned chip operation expansion in Vietnam - source (11月6日付け Reuters)
→インテルはベトナムでの事業規模をほぼ倍増させる可能性があった投資計画を白紙に戻し、半導体産業で伸びていくベトナムの野心への打撃としてこの計画について説明されたある人物が語った旨。

◇Intel in Lead to Get Billions for Secure Defense-Chip Facilities―Intel's a strong contender for "secure enclave," reports say ―Company has emerged as a potential top winner of Chips Act funding (11月6日付け The Wall Street Journal)
→インテルは、軍事・諜報用途の半導体を製造し、輸入半導体への依存を減らすための「安全な飛び地」拠点に向けて、米国のCHIPS and Science Actから数十億ドルを得る可能性がある、と情報筋は述べている旨。報道によると、インテルはベトナムでの電子機器製造の拡大も中止した旨。

◇Intel calls off planned chip operation expansion in Vietnam, which positions itself as a China alternative: source 11月8日付け South China Morning Post
→インテルは事業規模を倍増させる可能性があったベトナムへの投資計画を白紙に戻した旨。

今回の動きについて、次の一面があらわされている。

◇Intel scrapped a planned Vietnam investment, report says (11月7日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→インテルはベトナムのインフラと官僚主義に懸念を抱いていたと伝えられている旨。

この9月にBiden大統領がベトナムを訪問、半導体関連も脚光を浴びた経緯である。

◇Vietnam Sets Sights on Becoming Semiconductor Hub―Vietnam's chip ambitions include training center, US collaboration ―Vietnam can play a critical role in building resilient semiconductor supply chains. (11月7付け EE Times)
→ベトナムといえば半導体を思い浮かべる人は少ないだろうが、9月にバイデン米大統領がベトナムを訪問し、戦略的パートナーシップを発表したことで、ベトナムは一躍脚光を浴び、同地域における半導体の重要拠点になるという野望に火がついた旨。

◇米半導体、ベトナムに投資;後工程大手は先端工場 (11月9日付け 日経産業)
→米国とベトナムの両政府は2023年9月10日、半導体サプライチェーン(供給網)や安全保障の強化に向けた包括的戦略的パートナーシップを発表、米国の半導体企業が技術者育成や半導体工場設立を通じベトナムの半導体産業振興を支援する旨。ベトナムが豊かな埋蔵量を誇るレアアース(希土類)の安定供給に向けた取り組みも進める旨。

ベトナムでの今後の展開に、期待の目で注目するところである。

◇Vietnam gears up for semiconductor future: nurturing 50,000 engineers by 2030 (11月8日付け DIGITIMES)
→世界のテクノロジー景観が進化を続ける中、ベトナムは半導体産業における有望な未来に向けて自国を位置づけている旨。より多くの国際的な半導体企業がベトナムでプレゼンスを確立し、ローカルな半導体エコシステムの構築を目指しているため、ベトナム当局は現在、この産業のための実質的な人材プールを育成する緊急の必要性に直面している旨。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□11月3日(金)

中国では、新興国との取引が先進国とのそれを2022年に初めて上回ったとのこと。

◇It’s U.S. vs. China in an Increasingly Divided World Economy―US, China main competitors as global economy divides ―Trade and investment flows settle into new patterns around two rival power centers?with major risks (The Wall Street Journal)
→中国は2022年に初めて、アメリカ、ヨーロッパおよび日本の合計よりも、新興国との商業取引が上回った旨。この進展は、中国とアメリカが世界の主要な商業的ライバルとなり、他の国々がその後ろ盾となるよう整列していることを示すもうひとつの兆候と見られている旨。

□11月6日(月)

次も中国関連、投資環境の問題含みの事態である。

◇Foreign Firms Pull Billions in Earnings Out of China―Foreign firms pull profits from China amid concerns―The outflows show interest rates, U.S. tensions and a weak economy are sapping China’s investment appeal (The Wall Street Journal)
→外資系企業が中国から多額の利益を引き出しており、これは世界のビジネス環境に変化が生じていることを示している旨。6四半期で$160 billion以上の資金が流出し、利益を国内に再投資するというこれまでの傾向から一転、中国経済の減速、米中関係の緊張の高まりおよび欧米の金利上昇の魅力に対する懸念を反映している旨。25年ぶりの資金流出は、中国の投資環境が直面している課題を浮き彫りにし、人民元の安定性に影響を与える旨。

□11月7日(火)

先週からの上げが出だし続いたが、過熱感から下げに転じ、最後は買い直し優勢で上げた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ小動き、34ドル高;利益確定売りで上値重く (日経 電子版 07:45)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日続伸し、前週末比34ドル54セント(0.10%)高の3万4095ドル86セントで終えた旨。9月20日以来の高値。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が後退し、株式相場を支えた旨。半面、前週に大幅に上昇した反動で主力銘柄の一部には利益確定の売りも出やすく、指数の上値は重かった旨。

□11月8日(水)

◇NYダウ続伸、56ドル高;金利低下でハイテク株に買い (日経 電子版 06:51)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸、前日比56ドル74セント(0.16%)高の3万4152ドル60セントと、9月20日以来の高値で終えた旨。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らいだ旨。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが優勢だった旨。

米中の対話が続けられて、首脳会談の確定に、以下至っている。

◇米中首脳会談、15日軸に調整;対面で1年ぶり (日経 電子版 10:46)
→米政府高官は7日、バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の1年ぶりとなる首脳会談について15日の開催を軸に調整していると明らかにした旨。日本経済新聞社の取材に答えた旨。

中国のデフレ不安再燃の以下の動きである。

◇China’s Prices Fall Again, Renewing Fears of Deflation (The New York Times)
→消費者物価はこの4ヵ月で2度目の下落、工場やその他大規模生産者の価格は1年以上下落し続けている旨。

□11月9日(木)

◇China’s Consumer Deflation Returns as Recovery Remains Fragile―Deflation hits China's economic rebound in Oct. ―Consumer prices fell 0.2% year-on-year in October, data shows―Weak data supports case for more stimulus, including RRR cut (Bloomberg)
→中国経済の回復は後退に見舞われており、10月にデフレに陥り、消費者物価指数は豚肉価格の大幅下落によって0.2%低下した旨。この傾向は、より広範な不動産セクターが低迷するなか、消費者需要の活性化という北京が直面する課題を浮き彫りにしている旨。

◇NYダウ8日ぶり反落、40ドル安;過熱感から売り優勢 (日経 電子版 06:39)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8営業日ぶり反落し、前日比40ドル33セント(0.11%)安の3万4112ドル27セントで終えた旨。前日までの急ピッチの上昇で過熱感が意識された旨。半面、米国の利上げ観測の後退を背景にハイテクやディフェンシブ株などに物色が入り、相場を下支えた旨。

◇U.S. and China to Meet as Shifting Economic Fortunes Alter Relationship―Economic climate expected to weigh on US-China talks ―Buoyant American growth, struggling Chinese economy are likely to shape this week’s talks (The Wall Street Journal)
→今週サンフランシスコで行われるYellen(イエレン)米財務長官とHe Lifeng(何立峰)中国副首相の会談では、米中経済が注目される旨。中国側は米国の金利が人民元にどのような打撃を与えるかについて懸念を示す可能性があり、米国側は中国の景気減速が安価な輸出品を扱う米国企業にどのような影響を与えるかについて問い合わせる可能性が高い旨。「少なくとも今後数カ月は、両国間の貿易投資を制限するような措置がこれ以上エスカレートしないことが最善の結果だという、やや現実的な見方が北京にはあるようだ」と、国際通貨基金(IMF)の中国部門の元チーフ、Eswar Prasad(エスワール・プラサド)氏は言う旨。

□11月10日(金)

◇NYダウ続落、220ドル安;ナスダックは10日ぶり反落 (日経 電子版 07:30)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比220ドル33セント(0.64%)安の3万3891ドル94セントで終えた旨。米長期金利が再び上昇し、相対的な割高感が強まったとみられた株式に売りが出た旨。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、金融引き締めの長期化観測が改めて意識されたことも、株式相場の重荷となった旨。

□11月11日(土)

◇米中首脳が15日会談;軍事対話再開へ協議、関係安定探る (日経 電子版 00:04)
→米政府は10日、バイデン大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が15日に米西部カリフォルニア州で会談すると発表、両首脳が会うのは1年ぶり。米政府高官によると、途絶えている軍事対話の再開に向けて協議する旨。偶発的な衝突を回避し、両国関係の安定をめざす旨。

◇NYダウ反発、391ドル高;買い直す動きが優勢 (日経 電子版 07:12)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比391ドル16セント(1.15%)高の3万4283ドル10セントと、9月下旬以来の高値で終えた旨。前日の金利上昇を背景にした株売りが落ち着き、買い直す動きが優勢だった旨。週末を控えた持ち高調整の買いも入りやすかった旨。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

インテルのCEO、Pat Gelsinger氏が、台北でのIntel Innovation Dayから日本での日経フォーラム「世界経営者会議」、そして韓国でSamsungとの会合、という一連の以下の内容である。

◇Intel races to catch rivals as AI boom supercharges chip competition―Chipmaker is chasing Samsung and TSMC as Qualcomm and Apple pose fresh challenge (11月7日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→米国半導体グループののインテルは、4年間で5回の先端製造プロセスのアップグレードを行う予定であると、パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)が火曜7日に語り、同社は、PCやサーバーを製造する顧客に対し、同社の技術が競争力を維持することを安心させるプレッシャーに直面している旨。
台北で開催されたIntel Innovation DayでゲルシンガーCEOは、同社の最先端半導体設計である18Aは、2024年の第一四半期までにテスト生産段階に移行すると述べた旨。

◇インテルCEO「演算能力100倍に」;世界経営者会議閉幕 (11月8日付け 日経 電子版 20:13)
→第25回日経フォーラム「世界経営者会議」(主催=日本経済新聞社、IMD)が8日、閉幕、米インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「人工知能(AI)はインターネットの出現と同じぐらいのテクノロジーの進化をもたらす」とし、10年後に半導体の演算処理能力が現状の100倍に急拡大するとの見通しを示した旨。

◇Intel CEO To Visit South Korea for Second Time This Year to Meet with Samsung Executives―Intel CEO's upcoming trip to S. Korean sparks more talk of collaboration (11月9日付け BusinessKorea)
→インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)が再び韓国を訪問することに、6ヶ月で2度目。11月8日、半導体業界関係者によると、ゲルシンガー氏は台湾と日本を訪問した後、11月9日に韓国を訪問する旨。ゲルシンガー氏は、台湾の台北で開催される「インテル・イノベーション2023」に出席するため、東アジア出張に出発した旨。その後、日本と韓国を相次いで訪問し、パートナー企業とのミーティングを行う予定。


【TIのfab起工】

米国・ユタ州にて、史上最大規模の$11 Billion投資、800人の追加雇用と数千人の間接雇用創出というTexas Instruments(TI)の新しい300-mm半導体fabの起工式が行われている。

◇Texas Instruments breaks ground on new 300-mm semiconductor wafer fabrication plant in Utah (11月7日付け Utah Business)

◇TI breaks ground on Utah fab―Texas Instruments begins construction on 300-mm fab in Utah ―TI has broken ground on a 300-mm fab in Lehi, Utah. (11月7日付け Electronics Weekly (UK))
→Utah(ユタ)州知事のSpencer Cox(スペンサー・コックス)氏とともに、TI社のHaviv Ilan(ハビブ・イラン)CEOは、Lehi.(リーハイ)にある既存の300mmウェハ工場に接続するLFAB2の建設に向けて第一歩を踏み出した旨。


【SamsungのAIの取り組み】

「サムスンAIフォーラム」開催、および独自のジェネレーティブAIモデル「サムスン・ガウス(Samsung Gauss)」発表から、以下の通りである。

◇Samsung Electronics Opens Samsung AI Forum 2023 (11月7日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→サムスン電子は本日、「サムスンAIフォーラム」を開催し、人工知能(AI)とコンピュータ・エンジニアリング(CE)の最新の研究成果を共有し、次世代半導体技術の強化に貢献していく旨。

◇Generative AI may help resolve chip industry challenges―Samsung Electronics chief sees generative AI as a chip solution (11月8日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→サムスン電子のKyung Kye-hyun社長は、Samsung AI Forumにて、「半導体業界で最も複雑な問題の解決に役立つ」技術として生成AIを歓迎し、同社がAIエコシステム向けに広帯域メモリ(HBM)半導体に注力していることを指摘した旨。同じイベントで講演したTenstorrentのJim Keller(ジム・ケラー)最高経営責任者(CEO)は、RISC-Vアーキテクチャなど、設計におけるオープンソースのイノベーションを提唱した旨。

◇Samsung Electronics to enter global AI race with its own genAI feature―Samsung's next smartphone will come with AI features (11月9日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→サムスンはGalaxy S24スマートフォンでAI分野に参入し、文書の翻訳と要約、画像の強化およびソフトウェア開発の簡素化を行う旨。Samsung Gauss(数学者 Carl Friedrich Gaussにちなんで命名)というコードネームの生成AIモデルは、来年初頭に発売される予定。

◇Galaxy phones to feature Samsung's own generative AI―Samsung joins AI race, unveiling own generative AI Samsung Gauss (11月9日付け The Korea Times)
→サムスン電子は独自のジェネレーティブAIモデル「サムスン・ガウス」を発表、このモデルは2024年前半にギャラクシーS24シリーズに搭載される予定であり、グローバルIT業界における熾烈な競争のジェネレーティブAI競争に参加する韓国の巨大ハイテク企業の大胆な動きの一環である旨。


【TSMC関連】

三次元実装CoWoSの能力増強、TSMCのドイツ工場への欧州メーカーの出資、アリゾナ工場への中国発の見方、そして建設計画撤回を迫られた台湾での1.4nm fab、とそれれに注目させられる内容である。

◇TSMC Boosts AI Packaging Capacity To 15,000 Wafers Per Month Says Report (11月7日付け wccftech)
→台湾のサプライチェーンの報道によると、台湾積体電路製造(TSMC)は、エヌビディア・コーポレーションからの旺盛な受注を受けて、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)の生産能力を増強した旨。

◇Germany approves stakes by Bosch, Infineon and NXP in TSMC chip plant―Germany OKs joint venture in TSMC plant for 3 companies (11月7日付け Reuters)
→ボッシュ、NXP、インフィニオンの3社は、ドイツ・ドレスデンにある台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)の半導体工場に、同国のカルテル当局が出資を承認した後、出資する旨。この3社はそれぞれ、TSMCのEuropean Semiconductor Manufacturing Co.における10%株式を保有する旨。

◇As TSMC’s Arizona chip foundry setbacks show, geopolitics is a terrible way to run a business (11月8日付け South China Morning Post)
→遅延、コスト上昇および労働者からの不満の中、TSMCのアリゾナでの計画は、米国の機嫌を損ねないための努力以外の何物でもないのだろうか。

◇TSMC to build 1.4nm fab in Taiwan despite aborted Longtan plan: Chair―TSMC seeks new site in Taiwan to produce 1.4nm chips (11月10日付け Focus Taiwan)
→台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、新竹サイエンスパークにウエハー製造拠点を建設する計画を撤回したが、どうやら自国内の別の場所を探すよう。同社の2ナノメートル半導体の生産は2025年に該サイエンスパークで開始される予定だが、該新工場はさらに高度な1.4ナノメートル半導体専用となる旨。


【台湾での工場建設対比】

マイクロンの先端半導体組立・テスト工場がオープンの一方、上にも示したが、TSMCの先端半導体工場計画に反対する抗議活動である。

◇Micron opens Taichung facility―testing and ASSEMBLY: The facility integrates advanced probe, 3D packaging and testing capabilities to make memory for AI, data center, edge and cloud applications (11月7日付け Taipei Times)
→世界第3位のメモリー半導体メーカーであるマイクロン・テクノロジー社は、昨日、台中に新たな先進的なチップ組立・テスト工場を立ち上げ、人工知能(AI)デバイスの需要拡大に対応するため、来年早々に高帯域幅メモリー、HBM3E半導体の量産に向けた道を開く旨。

◇Taiwan’s land squeeze pits advanced chips against ancestral temples―Recent protests halted TSMC’s new plant, laying bare one of the nation’s increasingly fraught ‘five shortages’ (11月9日付け Taipei Times)
→台湾の半導体の中心地、新竹近郊にある先祖代々の寺院の写真を手に、レインポンチョを着た40人の住民が、先月上旬、吹き荒れる風をものともせず、最先端の半導体生産のために農村部の土地を奪う計画に抗議した旨。


【OpenAI関連】

ChatGPTで大きな注目のOpenAIについて、同社イベントでのマイクロソフトCEOのサプライズ登場、そしてChatGPTを動かすための新しい技術基盤、GPT-4ターボの発表についてである。

◇Microsoft CEO Nadella uses surprise appearance at OpenAI event to lure developers to Azure cloud (11月7日付け CNBC)
→*サンフランシスコで開催されたOpenAIの開発者向けイベントで、マイクロソフトのSatya Nadella(サティア・ナデラ)最高経営責任者(CEO)は、自社のクラウドが開発者にとって最高の場所であると聴衆に語った旨。
 *「我々の第一の仕事は、最高のシステムを構築し、最高のモデルを構築できるようにし、そしてそのすべてを開発者が利用できるようにすることだ」と同氏は語った旨。
 *Microsoftは、出席した開発者にGitHub Enterpriseへのアクセスを提供する旨。

◇OpenAI、「GPT-4ターボ」発表;長文処理や画像認識―初の開発者会議を開催 (11月7日付け 日経 電子版 07:16)
→米新興企業のオープンAIは6日、生成AI(人工知能)「ChatGPT」を動かすための新しい技術基盤「GPT-4ターボ」を発表、従来の16倍となる300ページを超える長い文書を扱えるようになり、2023年4月までの情報を反映した旨。外部の企業が同技術を使う場合の利用単価も2分の1から3分の1引き下げ、連携するソフトをつくりやすくする旨。

ご意見・ご感想