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米政府、国内強化に舵、31地域に技術ハブ、一方、AI半導体規制の波紋継続

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米国政府が、10月17日により高度な人工知能(AI)半導体の中国への販売を抑制する計画を発表したのに続く動き、10月23日にCHIPS and Science Actのもと、米国32州とプエルトリコに及ぶ31の地域技術ハブを指定している。半導体製造について、西海岸を中心とする今までから、米国全土にわたって強化を図る取り組みである。
雇用の創出、そして国家安全保障と経済押し上げ効果が期待されている。先のAI半導体規制について、関係方面への様々な波紋が引き続いている。Nvidiaは予定よりも早く中国への販売を止められた様相であり、中国ではNvidiaのGPU製品の購入駆け込みに躍起の状況が伝えられている。非常に敏感な最先端の部分の抑制を図る米国のスタンスが一層浮き彫りになる中の米中摩擦下の半導体に、当面注目である。

長見晃の海外トピックス

≪最先端確保から製造基盤強化へ≫

米国全土に及ぶ31の地域技術ハブ(regional Tech Hubs)の指定について、業界各紙の取り上げである。

◇Biden aims to boost investment in clean energy, biotech, semiconductors with tech hubs―Biden creates regional tech hubs to boost jobs, innovation (10月23日付け CNBC)
→1)バイデン政権は、CHIPS and Science Actで認められた32州とプエルトリコの31の地域技術ハブを指名した旨。このプログラムは、$500 million の助成金を分配し、民間投資を誘致して雇用を増やすことを目的としている旨。
 2)*バイデン政権は月曜23日、32の州とプエルトリコにまたがる31の地域をテクノロジー・ハブに指定、民間投資を促進し、雇用を創出するためのホワイトハウスによる動きである旨。
  *ジョー・バイデン大統領は、ジーナ・ライモンド商務長官とともにこの動きを発表した旨。
  *テクノロジー・ハブの設立は、CHIPS and Science Actによって認可された旨。

◇US picks 31 regional hubs to spur tech innovation (10月23日付け Reuters)

◇米政府、半導体やAIなど32州に拠点;技術革新全土に (10月23日付け 日経 電子版 18:00)
→米政府は23日、半導体や人工知能(AI)、先端医療などの研究開発に関連し、32州に31の技術拠点を設けると発表、米政府は補助金を拠出して企業の進出を後押しし、大学と連携する旨。西海岸に偏重しがちな米国の技術革新を全土に広げる構想。

◇White House selects regional Tech Hubs for funding via Chips Act (10月23日付け FierceElectronics)
→米中貿易摩擦の激化により、米国の半導体企業がどのような影響を受けるかについて懸念を募らせている中、バイデン政権は今週、政府補助金や雇用プログラムなどの恩恵を受ける地域イノベーション・テクノロジー・ハブとして全米31の地域を指定し、彼らの関心を国内に引き戻そうとしている旨。

◇US unveils list of 31 technology hubs to push innovation under CHIPS act (10月24日付け Taipei Times)
→米国は昨日、ジョー・バイデン米大統領が再選を果たすために期待している巨額の投資計画の一環として、31のテクノロジー・ハブのリストを発表した旨。ジーナ・ライモンド米商務長官は、これらの拠点は雇用を創出し、国家安全保障と経済を押し上げるだろうと述べた旨。

中国との摩擦への対応に追われるばかりでなく、米国全土での半導体技術&製造の基盤強化を図って雇用の創出し、および国家安全保障と経済の押し上げを図っていくという意図があらわされている。

次には、先のAI半導体規制の波紋が継続する現下の実態関連である。

中国は、ますます自分たちで賄うスタンスで取り組む必要との論調である。

◇US sanctions accelerating China chip self-sufficiency―Chinese chip makers advance at expense of US and other tech exporters while Commerce Department doubles down on national security narrative (10月21日付け Asia Times)
→米国の技術制裁が強化されれば、中国の半導体産業はより困難になるだろうが、自給自足が長期的な唯一の解決策であることは、中国にとってますます明確になるはずである旨。

◇Analysis: US chip curbs give Huawei a chance to fill the Nvidia void in China (10月22日付け Reuters)

今回の規制はむしろ「素晴らしいニュース」との表わし方である。

◇U.S. chip export ban is ‘great news,’ says partner at Chinese tech investment fund ―US chip limits may give China an opening, analysts say (10月23日付け CNBC)
→1)AI半導体に対するアメリカの輸出規制は、中国が国内市場を拡大し、Nvidiaが残した空白を埋めるために必要なものなのかもしれない、とアナリストは言う旨。半導体企業に投資するYang Cheng FundのChloe Wang氏は、この禁止令を中国国内の半導体産業を刺激する「素晴らしいニュース」と呼んでいる旨。
 2)*広州に本社を置くYang Cheng Fundのパートナー兼副社長であるChloe Wang氏は、米国が特定の種類の人工知能(AI)半導体の中国への輸出を禁止するというニュースを歓迎した旨。
  *米国商務省は、NvidiaのA800とH800半導体の輸出を制限すると火曜17日に発表した旨。
  *Yang Cheng Fundは、AIトレーニングや自律走行車分野などに向けて半導体を製造する半導体企業に投資している旨。

◇US sanctions boot Nvidia from China will give Huawei a leg up (10月24日付け DIGITIMES)
→米国の半導体制裁強化は、ハイエンドAI GPU輸出市場に衝撃を与え、中国のAIおよび大規模言語モデル(LLM)産業に短期的な供給不足とコスト上昇をもたらす可能性がある旨。しかし、長期的な影響は中国の半導体産業の発展に有利に働く可能性があり、Huaweiのような中国のAI半導体メーカーが国内の技術革新を通じて輸入代替に努めるよう促している旨。

中国のNvidiaと呼ばれるCambriconの株価が急伸している。

◇「中国版エヌビディア」株急伸;米の半導体規制で国産脚光 (10月23日付け 日経 電子版 10:59)
→中国産半導体への需要が増えるとの見方から、中国本土や香港の株式市場でいわば「自前テック」とも呼べる企業が脚光を浴びている旨。米国政府が17日に発表した対中の半導体輸出規制をきっかけに、人工知能(AI)向け半導体メーカーで「中国版エヌビディア」とも呼ばれる中科寒武紀科技(カンブリコン:Cambricon Technologies)などの株価は前週後半に急伸した旨。

Nvidiaは、米国政府のAI半導体への規制が当初予定より早く行われたとしている。

◇Nvidia says U.S. speeded up new export curbs on AI chips (10月24日付け Reuters)

◇Nvidia said the U.S.'s new AI chip restrictions have already taken effect (10月24日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→中国への販売を制限する連邦政府の輸出規制の更新は、予定より数週間早く発効したとNvidiaは述べた旨。

◇US orders immediate halt to some AI chip exports to China, Nvidia says―Nvidia: Feds immediately halting AI chip exports to China (10月25日付け BBC)
→Nvidiaは、米国政府から中国への高度なAI半導体の輸出を直ちに停止するよう指示されたと発表、当初は10月17日以降の30日間としていたスケジュールを変更の旨。問題の半導体は、中国市場向けに特別に設計されたもので、政府が以前から課していた制限に合致するものだった旨。

米中摩擦の半導体関連でも早くから動きを引っ張っている米民主党の上院トップ、シューマー院内総務が、AI規制についての表明である。

◇米国でAI規制「全ての主要企業が同意」;民主トップ表明 (10月25日付け 日経 電子版 07:29)
→米与党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は24日、人工知能(AI)の規制導入を巡り、全ての主要企業から同意を得たと明らかにした旨。偽情報の拡散を防ぐなどの安全性を確保する法整備で、米国は議会と企業が足並みをそろえた旨。
シューマー氏が同日、連邦議会で開いた「AIインサイトフォーラム」と題する第2回の特別会議の場で表明した旨。

先端技術摩擦関連として、米国はSMICを止められない、と台湾からの論調である。また、米中摩擦は世界の半導体の進展を鈍らせる、とMorris Chang氏が語っている。

◇US Can’t Halt SMIC, Huawei’s Chip Advances, Industry Guru Says―TSMC veterans chime in on US-China technology tensions (10月26日付け BNN Bloomberg (Canada))
→台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)でリソグラフィ技術を推進したBurn Lin(バーン・リン)氏は、ファーウェイ・テクノロジーズとセミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル・コープ(SMIC)は、半導体技術を進歩させるために米国の規制を克服する方法を見つけるだろうと語る旨。TSMCの創業者であるMorris Chang(モリス・チャン)氏は、米中間の緊張は最終的に世界の半導体産業を減速させると述べている旨。

◇US-China tensions will slow global chip industry, TSMC founder says (10月26日付け Reuters)

Huaweiの注目のスマホが中国でAppleより伸びている、と次の状況である。

◇Huawei’s surprise 5G smartphone helped it grow quicker than Apple in China―Report: Huawei's Mate 60 Pro with 5G lifts its market share (10月26日付け CNBC)
→1)華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は、5G接続と高度な半導体技術を搭載したスマートフォン「Mate 60 Pro」で中国で成功を収め、売上は前年比37%増となった、とCounterpoint Researchは報告している旨。同社の市場シェアは昨年の9.1%から12.9%に上昇し、Apple, OppoおよびVivoは2桁台の減少を記録した、とカウンターポイント・リサーチは述べている旨。
 2)*ファーウェイは、先進的な半導体と5G接続を搭載したMate 60 Proという携帯電話を中国で発売した旨。
  *Counterpoint Researchのレポートによると、このデバイスの成功により、ファーウェイの中国でのスマートフォン売上は前年比37%増となった旨。
  *市場シェアで最大のスマートフォンメーカーであるHonorの売上高は、前年比わずか3%増だった旨。カウンターポイント・リサーチ社によると、Vivo、OppoおよびAppleはすべて2桁の減少となった旨。

中国では、Nvidiaの半導体確保に躍起の事態である。

◇Chinese tech firms scramble to secure Nvidia’s AI chips before US ban cuts off supply (10月26日付け South China Morning Post)
→米国が主要なグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)の供給をさらに制限し、中国の人工知能(AI)の野心に新たな打撃を与えたため、中国企業はNvidiaの半導体を確保しようと躍起になっている旨。

SMICがHuaweiスマホのプロセッサ半導体製造にASMLのDUVマシンを使用、と中国発である。

◇Advanced chip in Huawei Mate 60 Pro smartphone produced on ASML DUV machines: sources (10月26日付け South China Morning Post)
→中国のセミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル社(SMIC)は、ファーウェイ・テクノロジーズの新型5Gスマートフォン用の先進プロセッサの製造にASMLホールディング社の装置を使用し、米国を驚かせた、と関係者が語った旨。

米中両国の先端半導体を巡る動き&対応、およびそれぞれ国内のサプライチェーン強化を図る動き&進展に、引き続き注目である。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□10月23日(月)

米中摩擦関連が主題を占める中、米中両政府の接触が行われ、11月首脳会談への地ならしへと以下続いている。

◇US-China Economic Talks Start With First Working Group Meeting―US and China working group holds talks on macroeconomic issues (Bloomberg)
→米国と中国の高官は月曜23日、実質的なバーチャル会議を開き、国内および世界のマクロ経済情勢について話し合った旨。米財務省と中国財務省は、二国間の経済政策に関する進展を促進することを目的とした一連の会議の第一回目を主導した旨。別の作業部会では、金融関連の議題について話し合う予定。

◇China, US officials discuss macroeconomic developments in meeting (Reuters)

□10月24日(火)

半導体はじめ補助金支給についての日米欧での共通基準づくりを、日本政府が主導している。

◇補助金支給、日米欧で共通基準づくり;EVや半導体念頭 (日経 電子版 05:30)
→政府は電気自動車(EV)や半導体などへの補助金について米欧と共通の基準づくりを目指す旨。脱炭素や経済安全保障の観点から各国で補助金競争が過熱し、自国優先のルールづくりが相次ぎかねない状況に対応する旨。新たな枠組みの創設を視野に年内にも日米欧で議論を始める旨。

◇Japan eyes joint EV, chip subsidy rules with U.S., Europe: official―Japan wants chip, EV subsidy standards with US, Europe―Economy minister Yasutoshi Nishimura urges cooperation to avoid protectionism (Nikkei Asian Review (Japan))
→西村康稔経済産業相によれば、日本は半導体と電気自動車(EVs)に対する補助金について、アメリカやヨーロッパとの共通基準を求めている旨。この基準は公正な競争を促進し、保護主義的なルールを抑止するだろうと同氏。

◇Japan seeks to build common standards on semiconductor and EV subsidies with the US and Europe (DIGITIMES)

好決算、割安感から1日上げたものの、あと4日はテック株売り、リスク回避から下げて、3月以来の安値で締めた今週の米国株式市場である。 

◇NYダウ続落、190ドル安;医療製薬・石油株に売り (日経 電子版 06:04)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落、前週末比190ドル87セント(0.57%)安の3万2936ドル41セントとおよそ5カ月ぶりの安値で終えた旨。米長期金利が朝方に5%を超えた後、低下(長期債価格は上昇)に転じた旨。ハイテク株が買い直される半面、ディフェンシブ株の一部に売りが出て指数を押し下げた旨。

テレビでドイツからの訪日観光客が日本の物価の安さに驚いていたが、以下のGDPの状況である。

◇日本のGDP、ドイツに抜かれ世界4位に;IMF予測 (日経 電子版 10:10)
→日本の名目国内総生産(GDP)が2023年にドイツを下回って4位に転落する見通しであることが国際通貨基金(IMF)の予測で分かった旨。円安やドイツの高インフレによる影響も大きいが、長期的には日本経済の低迷を反映している旨。

□10月25日(水)

◇NYダウ反発、204ドル高;好決算と割安感が追い風 (日経 電子版 05:54)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比204ドル97セント(0.62%)高の3万3141ドル38セントで終えた旨。市場予想を上回る四半期決算を発表した銘柄を中心に買いが入った旨。ダウ平均は前日に約5カ月ぶり安値を付けており、自律反発を期待した買いも相場を支えた旨。

□10月26日(木)

◇NYダウ反落、105ドル安;アルファベット株は10%安 (日経 電子版 08:10)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比105ドル45セント安の3万3035ドル93セントで終えた旨。前日夕に決算を発表したネット検索のアルファベットを中心に、ハイテク株に売りが広がった旨。米長期金利が上昇したのも株式相場の重荷となった旨。

米国のGDP、利上げでも衰えない強い個人消費が引っ張る状況である。

◇U.S. GDP grew at a 4.9% annual pace in the third quarter, better than expected (CNBC)
→*第三四半期の国内総生産(GDP)は、年率換算で4.9%増となり、予想の4.7%増を上回った旨。
 *個人消費、在庫の増加、輸出、住宅投資および政府支出などが寄与し、大幅な伸びとなった旨。
 *この報告書はFRBに政策引き締めの弾みを与える可能性はあるものの、トレーダーは来週開かれる中央銀行の会合で利上げが実施される可能性はないと見ている旨。

◇米GDP、7〜9月4.9%増に加速;利上げでも消費衰えず (日経 電子版 21:56)
→米商務省が26日発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は前期比の年率換算で4.9%増。4〜6月期の2.1%増から大幅に加速した旨。利上げでも衰えない個人消費が強い米経済を牽引している旨。

□10月27日(金)

◇NYダウ続落で251ドル安;メタ4%安、テック株売り波及 (日経 電子版 05:27)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比251ドル63セント安の3万2784ドル30セント(速報値)で終えた旨。ダウ平均の構成銘柄ではないが、25日夕発表の四半期決算を材料に交流サイトのメタが前日比で4%安と下落した旨。大型ハイテク株全般に割高感が意識され、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなどに売りが波及した旨。

□10月28日(土)

◇NYダウ続落、366ドル安;中東情勢にらみリスク回避 (日経 電子版 06:02)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比366ドル71セント(1.11%)安の3万2417ドル59セントと3月以来の安値で終えた旨。中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が高まり、投資家のリスク回避目的の売りが出た旨。市場予想を下回る決算など悪材料が出た個別株の下げがきつく、指数を押し下げた旨。ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった旨。

◇米高官、11月米中首脳会談へ「協力で合意」;中国外相と (日経 電子版 07:07)
→米政府高官は27日、11月中旬に米国で開く国際会議に合わせた米中首脳会談の実現へ協力することで中国と合意したと明らかにした旨。偶発的な軍事衝突の回避に向けた首脳間の意思疎通で米中関係の安定をめざし、2022年11月以来となる対面会談へ議題などを最終調整する旨。


≪市場実態PickUp≫

【ASML関連】

SMICがHuaweiスマホのプロセッサ半導体製造にASMLのDUVマシンを使用、と中国発の記事を上に示したが、さらに関連する内容を取り出している。

◇ASML CEO: one more tool hit by US export rules, China demand seen strong (10月19日付け South China Morning Post)
→*ASMLは、米国およびオランダ政府による輸出規制が強化される中、中国の半導体メーカーからの需要は引き続き堅調に推移すると見込んでいる旨。
 *第三四半期の中国向け売上高はASMLの総売上高の46%を占めたが、これは他地域からの需要が弱く、中国の顧客による駆け込み需要があったためである旨。

販売規制でいろいろ縛られる状況があらわされている。

◇US ban targets ASML after Huawei’s chip advance―Dutch chip-making equipment giant says new US rules will dent sales to China by 10-15%, driving investors to ditch its Nasdaq-listed shares (10月20日付け Asia Times)
→世界最大の半導体製造装置メーカーであるASMLは、ある種の深紫外(DUV)リソグラフィ装置を中国のバイヤーがミドルエンドの半導体ではなくハイエンドの半導体の製造に使おうとする場合、その出荷を禁じられる旨。

ASMLの元従業員が、次の通り告発されている。

◇Employee of chip equipment giant ASML accused of stealing company secrets went to Huawei: report (10月24日付け South China Morning Post)
→オランダメディアの報道によると、世界最先端の半導体製造装置メーカーであるASMLホールディングから企業秘密を盗んだとして告発されたASMLホールディングの元従業員が、その後ファーウェイ・テクノロジーで働いていた旨。

Huawei新型スマホ搭載のプロセッサ半導体製造でのASMLの旧型露光装置の使用が、改めて示されている。

◇ファーウェイ新型スマホ、半導体製造にASMLの装置 (10月26日付け 日経 電子版 15:38)
→中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の新型スマートフォンの半導体製造に、オランダの半導体製造装置大手、ASMLの旧型装置が使われていることが分かった旨。米国が主導する対中輸出規制の包囲網を突破した格好で、規制強化の動きが加速する可能性がある旨。
米ブルームバーグ通信が25日に伝えた旨。複数の関係者によると半導体の製造に使われたのは、従来主流だった「深紫外線(DUV)」露光装置などとみられる旨。


【NvidiaのPC半導体の取り組み】

AI半導体を席巻するNvidiaが、インテルに対抗、PC半導体に取り組む動きが、以下の通りである。

◇Exclusive: Nvidia to make Arm-based PC chips in major new challenge to Intel―Report: Nvidia, Arm taking on Intel with CPU for PCs (10月23日付け Reuters)
→ロイター通信によると、エヌビディアは、マイクロソフト・ウィンドウズを搭載したPCsでインテルに対抗できる、アーム社の技術を採用した中央演算処理装置(CPUs)を設計中である旨。情報筋によれば、このPC半導体は早ければ2025年にも利用可能になる旨。

◇Nvidia and AMD to Develop Arm CPUs for Client PCs: Report―A major challenge for Intel? (10月23日付け Tom's Hardware)
→AMDとNvidiaがArmベースのCPUsを提供するという決定は、マイクロソフトがWindows PCs向けにArmベースのプロセッサーを強化するという広範なイニシアティブと連携する戦略的な動きとなり、アップルがマック・コンピューターに使用しているアームベースのシステムオンチップ(SoCs)に対して、より効果的に対抗することを狙っている旨。

◇Intel faces new personal computer chip competition from Nvidia, AMD (10月23日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Nvidia社とAMDは、Intel社の最大の市場であるパーソナル・コンピューティングへの挑戦に照準を合わせている旨。

◇Nvidia to challenge Intel with Arm processors for PCs (10月25日付け Taipei Times)
→Nvidia社は、Arm Holdings PLCの技術を利用して、PCでIntel社のプロセッサに挑戦する半導体を開発し、2つの半導体メーカー間の競争を激化させようとしている、と事情に詳しい関係者が語った旨。
人工知能(AI)アクセラレーター半導体ですでに市場を支配しているNvidiaは、PC用の中央処理装置(CPU)を作ろうとしている旨。


【インテル関連】

インテルが、オレゴン州でのR&D拠点を拡充、最先端を固めていく動きである。

◇Intel announces Hillsboro facility expansion―Intel to expand technology, add employees in Ore. (10月23日付け Hillsboro News-Times (Ore.))
→インテルは、Hillsboro, Ore.(オレゴン州ヒルズボロ)にあるイノベーション・ハブで半導体技術開発を拡大し、より強力で効率的な半導体を製造するためのハイテク・リソグラフィ装置など導入する投資を行う旨。インテル社のAnn Kelleher(アン・ケレハー)副社長は、同社最大の拠点であり、すでに25,000人以上の従業員を雇用している同拠点で、数千人の雇用を増やすつもりと述べた旨。

◇Intel announces massive Oregon expansion, hints at more growth (10月23日付け The Oregonian (Portland))


◇Intelが高NAのEUV露光装置を2023年内に導入、次世代プロセス開発で (10月25日付け 日経XTECH)
→米Intelは2023年10月23日(米国時間)、米国オレゴン州の研究開発施設への新たな設備投資計画を発表、この中で、世界初をうたう高NA(開口数)のEUV(極端紫外線)露光装置を2023年内に導入することを明らかにした旨。

インテルが四半期業績を発表、増収とはいかなかったものの、利益と売上高が予想を上回って、株価が上昇している。上記のNvidiaの対抗する動きについては、却下するコメントが見られている。

◇Intel stock up 9% on stronger-than-expected earnings report (10月26日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→CEO、Pat Gelsinger氏率いるインテルは木曜26日、予想を上回る四半期決算を発表、同半導体メーカーは、2四半期にわたる赤字からの回復を続け、予想外の大幅増益を記録した旨。

◇Intel stock rises on earnings beat and strong revenue guidance―Intel reports strong Q3, downplays Arm PC competition (10月26日付け CNBC)
→1)インテルの第三四半期決算はアナリストの予想を上回り、パット・ゲルシンガーCEOは、今年は約$3 billionのコスト削減を見込んでいると述べた旨。ArmベースのPC用半導体でインテルに対抗する可能性のある半導体メーカーについて、同CEOは、その脅威は "かなり些細なものだ"と述べた旨。
 2)*インテルは木曜26日に第三四半期決算を発表し、売上高は前年同期より減少したものの、利益と売上高は予想を上回った旨。
  *インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は電話会見で、今年中に約$3 billionのコスト削減を行なうとアナリストに語った旨。
  *インテルの従業員数は12万300人で、昨年の13万1500人から減少した旨。

◇Intel CEO Gelsinger dismisses 'pretty insignificant' Arm PC challenge―Chipzilla beats revenue guidance but datacenter biz is still in the dumps (10月27日付け The Register (UK))


【Qualcomm関連】

Qualcommのハイエンドスマホ向け、注目の半導体、Snapdragon 8 Gen 3が発表され、前哨戦含め以下の取り上げである。AI対応に大きく重点化されている。

◇Qualcomm’s next big Snapdragon chip has leaked, and it’s full of AI features―Upcoming Qualcomm Snapdragon chip has an AI focus, leak reveals / The Snapdragon 8 Gen 3 will likely be announced this week and end up in next year’s Galaxy S24 (and a whole lot more). (10月23日付け The Verge)
→Android携帯に搭載される次期大型Snapdragon半導体が今週発表されるようだが、その詳細が早くもリークされ、AIに大きくフォーカスしていることが明らかになった旨。MSPoweruserによると、クアルコムの次期Snapdragon 8 Gen 3は、動画からオブジェクトを削除したり、写真の領域を拡大したり、偽の背景を生成したりする機能など、便利でクリエイティブなAIカメラツールをサポートする旨。

◇Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 ― meet the chip likely to power Samsung Galaxy S24 Ultra―AI features are front and center on the new smartphone silicon (10月24日付け Tom's Guide)
→最近、人工知能(AI)を搭載していることをアピールせずに市場に出回る製品はなく、スマートフォンを駆動するモバイルチップセットは特にそうである旨。その最新の例が、クアルコムが本日(10月24日)ハワイで開催した年次技術サミットで発表した新しいSnapdragon 8 Gen 3システムオンチップ。

◇Qualcomm’s getting in on the AI craze with new chips for phones and PCs (10月24日付け CNBC)
→*クアルコムは、「X Elite」と呼ばれるPCsおよびノートPC向け半導体と、「Snapdragon Series 8 Gen 3」と呼ばれるハイエンドのAndroid携帯電話向け半導体の2つの新型半導体を発表した旨。
 *クアルコムの新しい携帯電話用半導体に搭載されたAI機能の強化は、AIがスマートフォンの機能と売上を左右する新たな戦場になりつつあることを示すもの。

◇Qualcomm unveils new AI-compatible smartphone chip (10月25日付け JoongAng Daily (South Korea))
→クアルコムは、スマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)、Snapdragon 8 Gen 3を展開し、multi-modal生成AIを初めてサポートする旨。一方、SKハイニックスは、最新のDRAMであるLPDDR5Tが新しいSnapdragon 8との互換性が確認され、毎秒9.6ギガバイトのデータを処理できるとしている旨。


【SK hynix関連】

SK hynixの四半期業績発表、赤字幅を減らして、底は打ったとの見方である。

◇SK hynix turns to loss in Q3 (10月26日付け Yonhap News Agency)
→SKハイニックスは木曜26日、第三四半期の純損失が2兆1800億ウォン($1.6 billion)となり、前年同期の1兆1000億ウォンの黒字から転落と発表した旨。

◇SK、赤字1980億円に縮小;7〜9月営業、DRAM回復 (10月27日付け 日経)
→韓国半導体大手のSKハイニックスが26日発表した2023年7〜9月期の連結営業損益は1兆7920億ウォン(約1980億円)の赤字(前年同期は1兆6610億ウォンの黒字)。赤字幅は前四半期比では1兆ウォンほど縮小し、4四半期連続で赤字は続くものの同社業績は底を打った旨。

◇SK hynix cuts losses in Q3 on higher AI memory chip sales (10月27日付け The Korea Times)

今後に向けてHBM(広帯域幅メモリ)などAI対応への期待である。一方、KioxiaとWestern Digitalの統合には反対が表明されている。

◇SK hynix to boost investment in HBM, DDR5 chips―SK Hynix prioritizes DDR5, HDM chips; opposes Kioxia-WD deal (10月26日付け The Korea Herald (Seoul))
→SKハイニックスは、AIへの需要が高まる中、DDR5と広帯域メモリー(HBM)半導体への投資拡大を計画している旨。同半導体メーカーはまた、キオクシアとウエスタンデジタルの合併案への反対を表明した旨。


【統合話し合い打ち切り】

すぐ上から引き続くが、2021年に遡るKioxiaとWestern Digitalの統合の話し合いが、以下の通り打ち切りに至っている。Kioxiaの株主であるSK hynixの反対表明が1つ、至った理由があらわされている。

◇米WD、キオクシアとの統合交渉打ち切り;条件整わず (10月26日付け 日経 電子版 23:15)
→・米WDがキオクシアに対し、統合交渉打ち切りを通知
 ・それぞれが単独で事業立て直しに取り組むことに
 ・統合が白紙になっても提携は続けていく見通し米ウエスタンデジタル(WD)が自社の半導体部門と旧東芝メモリのキオクシアホールディングスとの統合交渉を打ち切ったことが26日、わかった旨。両社は今月末までの合意を目指して交渉を進めていた旨。

◇Kioxia and Western Digital break off merger talks―Report: Western Digital, Kioxia halt merger talks―Western Digital and Kioxia have broken off merger talks after Hynix objected. (10月27日付け Electronics Weekly (UK))
→情報筋によると、Western DigitalとKioxiaは、Kioxiaに投資しているSK Hynixの反対により、計画されていた合併交渉を打ち切った旨。両社はまた、Kioxiaの株主、Bain Capitalが設定した半導体メモリー事業の合併条件についても意見の相違があった旨。

◇Western Digital's stop-start merger talks with Japan's Kioxia stall -sources (10月27日付け Reuters)

◇Western Digital and Kioxia scrap memory chip merger talks―Companies fail to bring SK Hynix and Bain on board with plan (10月27日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇キオクシア・WD、2年越しの交渉白紙;根回しで誤算 (10月27日付け 日経 電子版 12:00)
→米ウエスタンデジタル(WD)が自社の半導体部門と旧東芝メモリのキオクシアホールディングスとの統合交渉を打ち切った旨。2021年に始まった統合交渉は中断期間をへて、2023年10月に合意の秒読み段階まで前進した旨。だが、キオクシアに間接出資する韓国SKハイニックスの説得に失敗し、米中が緊張関係にあるなか中国独禁当局の承認を疑問視する声も払拭できなかった旨。

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