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厳しい市況下での注目2点推移:AppleのiPhone15発表、ArmのNASDAQ上場

前月比では僅かずつ戻しているものの、前年比の大きなマイナスをなかなか取り戻せない現状の半導体市場のもと、2つの大きな注目の動きである。1つは、9月12日のAppleのiPhone15発表であり、起爆剤となるかどうか、上位機種搭載の新プロセッサ、A17 Proのトランジスタ数が190億個とのこと。搭載カメラも4800万画素に達している。
性能、機能そして価格など戦略的取り組みへの市場の反応が待たれるところである。そしてもう1つ、9月14日の英国の半導体設計、Armの米Nasdaq上場である。取引初日の終値が25%高、時価総額9兆円強にも達して、新規株式公開(IPO)活況機運を呼び起こしている。大きな比率の中国市場で地政学的問題も抱え、半導体IPの中立性に向けた対応、そして人工知能(AI)はじめ新市場開拓の取り組みが問われている。

長見晃の海外トピックス

≪情勢推移、目が離せない今後≫

9月12日に行われたAppleのiPhone15発表そのものの記事から以下の通りである。

◇Appleが「iPhone 15」発表、4800万画素カメラ搭載で日本価格は5000円アップ (9月13日付け 日経XTECH)
→米Apple(アップル)は米国時間2023年9月12日、スマートフォン「iPhone」の新機種である「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」を発表した旨。いずれも4800万画素のカメラを搭載。上位機種であるProとPro Maxは最新の自社開発の半導体を搭載したほか、ボディーにチタン合金を初めて採用した旨。

◇iPhone15、最上位機種は19万円弱に;Apple発表―充電端子「タイプC」に統一 (9月13日付け 日経 電子版 07:49)
→米アップルは12日、新型スマートフォン「iPhone15」シリーズ4機種を22日に発売すると発表した旨。4800万画素のカメラ機能を搭載し、充電端子は「USBタイプC」に全面移行した旨。最上位機種の最低価格は100ドル上げて収益性を高める狙いだが、スマホ市場の成熟や中国におけるiPhone使用制限など逆風も吹く旨。

同社株価には厳しい反応、現下の市況&情勢、致し方ないところか。

◇Apple、iPhone15も株価も「割高感」;米中対立が影 (9月13日付け 日経 電子版 14:31)
→米アップルは12日、新型スマートフォン「iPhone15」シリーズを22日に発売すると発表した旨。スマホの世界市場が成熟するなか、最上位機種の価格を5年ぶりに100ドル上げて1199ドル(日本では18万9800円)からとした旨。高級化によって販売単価と収益性を高める戦略だが、足元では米中対立が影を落とす旨。12日の米国市場で同社株は前日比1.7%下落した旨。

搭載半導体関連はじめ技術的内容が、あらわされている。

◇Apple unveils new 3nm chip in latest iPhones and S9 chip in Apple Watch (9月12日付け FierceElectronics)
→アップルは、最新のApple Watch Series 9とiPhone 15 ProおよびPro Maxに新しいシリコンを導入し、様々なセンサーからの入力に基づいて時計の新しいダブルタップジェスチャーなどの機能を実現した。
新型iPhoneの最上位機種は、「A17 Pro」と呼ばれる3nmプロセッサと、再設計されたGPUを搭載しており、スマートフォンで初めて一部のコンソールゲームタイトルをプレイできるようになった旨。
Apple Watch Series 9は、パワフルな新しいS9プロセッサーとニューラルエンジンを搭載し、加速度センサー、ジャイロスコープ、光学式ハートセンサーからのデータをMLアルゴリズムで処理し、指と親指のダブルタップで電話に出たりアプリを開いたりする機能を実現する旨。

◇One of the biggest advances in this year’s iPhones are the new Apple-made chips ―Apple-designed A17 Pro chip featured in latest iPhone (9月12日付け CNBC)
→1)iPhone15は、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)の3ナノメートルプロセスで製造されたアップルのA17 Proプロセッサーを搭載している旨。この半導体の中央演算処理装置(CPU)とグラフィック処理装置(GPU)はともに6コアで、GPUはA16より1つ多い旨。
 2)*アップルが内部設計した新しいA17 Pro半導体は、6コアの中央演算処理装置(CPU)と6コアのグラフィック処理装置(GPU)を搭載する旨。
  *追加されたGPUコアはグラフィック性能を強化し、ray tracingのような新しいゲーム機能を可能にする旨。
  *強化されたグラフィックにより、一部のゲームメーカーは人気タイトルのiPhoneネイティブ版を初めて制作することになった旨。

◇Apple A17 Pro: The New Chip Brain in the iPhone 15 Pro, Pro Max―Plus: The A16 Bionic, found in the iPhone 14 Pro and Pro Max, trickles down to the new iPhone 15 and 15 Plus, so there are faster cores for everyone. (9月12日付け CNET)
→昨年の2層アプローチに引き続き、アップルは最速の新プロセッサA17 Pro BionicをiPhone 15 ProとPro Maxに搭載する旨。新しいiPhone 15と15 Plusは、A16 Bionicが昨年のiPhone 14 Proモデルからメインストリームの携帯電話へとトリクルダウンするようにアップグレードされる旨。
トランジスタ数の推移、次の通り:
 A17 Pro  190億個
 A16    160億個
 A15    150億個
 A14    118億個
 A13    85億個

Apple関連の製造面についての記事内容である。

◇Apple chips made in the US still require assembly in Taiwan, report suggests―Report: US-made chips still require packaging in Taiwan ―The Information says TSMC can only package advanced chips in Taiwan. (9月12日付け Engadget)
→アップルや、半導体製造を米国に移そうとしている他の半導体メーカーは、報道によれば、高度なパッケージングの最終段階はまだ台湾で行う必要があることに気づいている旨。台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)のフェニックス工場は、バイデン政権によってCHIPS Actの勝利として宣伝されていた旨。

◇Foxconn plant, known as world’s largest iPhone factory, ramps up hiring efforts in China ahead of Apple’s handset launch (9月12日付け South China Morning Post)
→*フォックスコン鄭州は、昨年の労働力不足と混乱を受けて、従業員数を維持する努力の一環として、従業員にボーナスを支給した旨。
 *アップルのiPhone 15は、世界最大級の携帯電話市場における新たな挑戦課題の中で市場に投入される旨。

Huaweiの注目の5Gスマホ、Mate 60 Proについては、後にも示しているが、iPhone 15には厳しい局面という論調である。

◇Tech war: Huawei ups smartphone sales target amid Mate 60 Pro popularity, as it maintains silence on chip details (9月13日付け South China Morning Post)
→*ファーウェイは、5G対応のMate 60 Proをリリースして以来、愛国的熱狂の波に乗っている旨。
 *ファーウェイのMate 60 Proは、米ハイテク大手、アップルが新型iPhone 15をリリースする中、アップルにとって中国での厳しい挑戦となることが予想される旨。

中国政府のiPhone使用対応について、以下の言及が見られている。

◇中国「iPhoneの使用禁止ない」;安全性は警戒 (9月13日付け 日経 電子版 18:36)
→中国外務省の毛寧副報道局長は13日、米アップルのスマートフォン「iPhone」の公務における使用制限の報道について言及した旨。政府や国有企業などがiPhoneの公務での使用を制限しているが、「iPhoneなど外国ブランド製品の購入や使用を禁じる法律や文書を出していない」と述べた旨。

iPhone15の予約が始まる我が国での状況である。

◇iPhone15予約開始、携帯4社は楽天が最安値 (9月15日付け 日経 電子版 22:07)
→米アップルの新型スマートフォン「iPhone15」シリーズの予約が15日に始まり、携帯大手4社の端末価格が出そろった旨。普及モデルとされる「15」の128ギガバイトの場合、楽天モバイルは14万800円で最安値だった旨。各社は割引策をそろえて顧客獲得を狙う旨。

次に、英Armの米NASDAQ上場について、間近に控える状況から以下取り出している。

◇Arm to close IPO orders a day early because of strong demand (9月11日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→アーム・ホールディングスの新規株式公開(IPO)に興味のある機関投資家にとって、行動するための窓口が厳しくなったと報じられている旨。

◇Strong demand pushes Arm to close IPO order book early―Underwriters reportedly close Arm IPO book early (9月11日付け Financial Times)
→英国の半導体メーカー、アーム社の新規株式公開(IPO)は申し込みが殺到しているため、引受銀行は予定通り水曜13日ではなく、本日12日中に上場の帳簿を締め切る予定である、と情報筋は述べている旨。株価は水曜日に値付けされ、当初のレンジである$47 to $51を上回る可能性があると伝えられている旨。

◇Arm’s IPO Orders Are Already Oversubscribed by 10 Times―Arm will close its order book a day early on Tuesday―The IPO could be oversubscribed by up to 15 times by Wednesday (9月11日付け Bloomberg)

親会社のソフトバンクは、Armの株式90.6%を保有し続ける予定とのこと。

◇Exclusive: SoftBank's Arm eyes pricing IPO at top of range or above―Sources: Arm nears $54.5B IPO valuation, may top it (9月11日付け Reuters)
→情報筋によると、ソフトバンクのアームは、新規株式公開(IPO)の評価額目標である$54.5 billionを達成するために必要な投資家の支持を得ていると言われており、今週のデビューに先立ち、評価額の引き上げを求める可能性がある旨。ソフトバンクはアームの株式90.6%を保有し続ける予定で、これ以上の株式提供は考えていない旨。

単なる半導体IPではなく、より完全なシステムを提供できるように取り組みアプローチが、Armにより謳われている。

◇Arm Develops Full Chip Designs for Multiple Markets: Report―Arm targeting high-growth markets with SoC designs―Arm hopes to boost profitability by developing reference solutions for high-growth markets. (9月12日付け Tom's Hardware)
→アーム社は、様々な市場向けのシステムオンチップ(SoC)デザインを開発することで、来るべき株式公開(IPO)に向けて企業価値を高めようとしている旨。同社は「設計に対する全体的でソリューションに焦点を当てたアプローチに投資し、個々の設計IP要素にとどまらず、より完全なシステムを提供できるように拡張している」とアーム社は声明で述べている旨。

◇Arm CEO Pitches IPO Investors on Shift to Higher-Margin Chips (9月12日付け BNN Bloomberg (Canada))

TSMCのArmへの投資が、発表されている。

◇Taiwan chip giant TSMC to invest up to $100 million in Arm IPO (9月12日付け CNBC)
→*世界最大の契約半導体メーカーであるTSMCは火曜12日、英国の半導体設計会社、アームが株式公開する際に、同社に最大$100 millionの投資を行うことを承認したと発表した旨。
 *TSMCは世界最大かつ最先端の半導体メーカーである旨。台湾のTSMCは、アップルからNvidiaまで、多くの企業向けに半導体を製造しており、その半導体はしばしばArmアーキテクチャをベースにしている旨。
 *アームは目論見書の中で、Nvidia、Apple、TSMCなどのテクノロジー企業がIPOで最大$735 million相当の株式を購入することに興味を持っていると述べている旨。

ArmはNvidiaとは異なる、と以下の見方である。

◇After Nvidia’s 200% rally this year, investors look to the Arm IPO ― but the two are very different (9月12日付け CNBC)
→*多くの投資家は、アームが今年200%上昇した次のNvidiaになり得るかどうかに注目しているが、この2社は全く異なる提案である旨。
 *アナリストによると、アームがAIによって収益を大きく押し上げることは当面なさそうだが、スマートフォンなどのデバイスでAIアプリケーションがますます実行されるようになれば、その恩恵を受けられる可能性がある旨。
 *Radio Free Mobileの創設者であるRichard Windsor氏は、CNBCの取材に対し、「アームは、少なくとも3年から5年は、AIからの恩恵が収益に反映されることはないだろう」と語った旨。

IPOの価格が決定されている、など前日の水曜13日の記事内容である。。

◇Arm prices IPO at $51 per share, valuing company at over $54 billion (9月13日付け CNBC)
→*半導体設計会社のアームが水曜13日、待望の新規株式公開(IPO)の価格を決定した旨。
 *孫正義社長のソフトバンクは株式公開後、同社の約90%を所有することになる旨。
 *アップル、グーグル、エヌビディアおよびサムスンを含むアームの顧客は、IPOで株式を購入すると述べている旨。

◇Arm touts strategic shift in IPO pitch―TAIWAN INTEREST: TSMC is backing Arm’s IPO, with its board of directors approving an investment of up to US$100 million, while MediaTek’s name is on the IPO prospectus (9月13日付け Taipei Times)
→アーム・ホールディングスPLCのCEO、Rene Haas(レネ・ハース)氏は、今年最大の新規株式公開(IPO)に向けて、投資家たちにピボット(軸足)を説いている旨。
同氏の潜在株主へのメッセージは、アームがより大きく、より収益性の高いビジネスになる用意があるということ。それは、クラウド・コンピューティングと人工知能(AI)の業界全体のブームによるものだけでなく、その運営方法の大きな変化によるものでもある旨。

◇英アーム上場、主幹事射止めたみずほ;にじむSBG独自色 (9月13日付け 日経 電子版 08:55)
→ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手、アームの上場が14日に迫る旨。上場時の時価総額が2023年で世界最大となる大型案件の幹事団は国内外の金融機関28社の大所帯で構成した旨。上場を取り仕切る主幹事4社には米国みずほ証券が食い込んだ旨。

◇アーム上場手法、ソフトバンク流;想定時価最大7.7兆円;主幹事に「親密」みずほ/引受手数料は均等分配 (9月14日付け 日経)
→ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手、アームが14日、上場する旨。今年最大の新規株式公開(IPO)案件の幹事団は国内外の金融機関28社で構成した旨。仕切り役の主幹事4社には米国みずほ証券が食い込んだ旨。
売り出し価格の仮条件は1株あたり47〜51ドル(約6900〜7500円)。上限の場合、時価総額は約$52 billion(約7兆7000億円)。投資家の事前申し込みは募集の10倍を超えている旨。

◇英アーム、売り出し価格上限51ドル;時価総額7.7兆円 (9月14日付け 日経 電子版 07:19)
→米証券取引所ナスダックに新規上場する、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計、アームは13日、売り出し価格を51ドル(約7500円)に決めたと発表、47〜51ドルとした仮条件の上限となった旨。売り出し価格を基にした発行済み株式数ベースの時価総額は約$52 billion(約7兆7000億円)となる旨。投資家の需要の強さを映した旨。

中国におけるリスク懸念が警告されている。

◇Arm's business in China raises investor concerns (9月14日付け CNN)
→新規株式公開(IPO)を今週に控え、ソフトバンク傘下のアームは、半導体技術に関する中国へのエクスポージャーとリスクを投資家に警告した旨。アーム株は水曜13日、51ドルの売り出し価格で評価された旨。

そして当日、米国Nasdaq市場のオープニング・ベルが鳴らされて、取引が始まっている。

◇Arm Begins 2nd Term on Nasdaq, at $54.5 Billion Valuation―EE Times Interviews Paul Williamson, Arm’s senior VP and general manager for the IoT business (9月14日付け EE Times)
→アームのCEOは本日、ナスダックのオープニング・ベルを鳴らし、該英国の半導体設計会社は$54.5 billionの評価額を確保し、証券取引所での2度目の活動を開始した旨。IPOに向けた動きはハイテク業界だけでなく、世界の金融界でも話題となり、今年最大のIPOとなり、ソフトバンクはアームの米国預託株式9550万株を1株51ドルで売り出し、$4.87 billionを調達した旨。

初日の初日終値は25%高、時価総額9兆円強、と以下の通りである。

◇Arm soars nearly 25% as Nasdaq closes on first day of trading (9月14日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→サンノゼに米国本社を置く英国の半導体設計会社、Armは、IPO価格を1株51ドルに設定、初取引日の終値は63.59ドルだった旨。
2023年9月14日木曜日、ニューヨークのタイムズスクエアにあるナスダック・マーケット会場にて、同社株の取引が開始される中、ソフトバンクが所有する英国の半導体設計会社、アームのCEO、Rene Haas氏の写真が映されている旨。

◇アームが米上場、初日終値25%高;時価総額9兆円強に (9月15日付け 日経 電子版 07:55)
→ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計、アームは14日、米証券取引所ナスダックに新規上場し、63.59ドルで初日の取引を終えた旨。売り出し価格51ドルを25%上回った旨。時価総額は$65.2 billion(約9兆6100億円)となった旨。人工知能(AI)関連の需要拡大に対する期待が買いを誘った旨。

◇What a crop of upcoming IPOs from Birkenstock to Instacart tells us about the economy―Arm's share price jumps more than 25% in positive sign for IPOs (9月14日付け National Public Radio)
→アーム・ホールディングスの新規株式公開(IPO)の成功と、Instacart, Birkenstockなどの株式公開計画は、株式市場と米国経済への信頼が高まっていることを示している旨。半導体メーカーであるアームの株価は51ドルで、取引開始は56ドルだったが、その後25%以上急騰し、終値は63ドルを上回って、低迷していたIPO市場が息を吹き返すかもしれないという楽観的な見方を幾分生じさせている旨。

◇Arm Soars 25% in the Year’s Biggest Initial Public Offering―The performance of the British chip designer’s shares signals that the I.P.O. market may revive after a very quiet year (9月14日付け The New York Times)

◇Arm debut will help jump-start IPO market, early Airbnb investor Rick Heitzmann suggests (9月14日付け CNBC)

◇ソフトバンクG、虎の子アームで攻勢;上場資産8兆円増 (9月15日付け 日経 電子版 20:24)
→傘下の英半導体設計アームの新規上場で、ソフトバンクグループ(SBG)は人工知能(AI)戦略を加速させる旨。SBGは上場後もアーム株の約9割を保有し、事業と財務の両面で重要な戦略子会社と位置づける旨。SBGの保有株の上場株比率も少なくとも5割超に高まる見通しで、信用格付けの上方見直しの余地が生まれる旨。

中国関連についての言及である。

◇Arm China ‘doing well,’ CEO says, even as SoftBank’s Masayoshi Son reduces China exposure (9月14日付け CNBC)
→*アーム・ホールディングスのCEO、Rene Haas氏によると、アームの中国子会社は、ここ数年の地政学的な混乱にもかかわらず、データセンターと自動車用アプリケーションで大きな可能性を秘め、「うまくいっている」旨。
 *しかし、ソフトバンクのCEO、孫正義氏は、ソフトバンクは「中国でのエクスポージャー」を大幅に減らしたと述べた旨。
 *ソフトバンクは2016年に$32 billionでアームを買収した旨。

取引2日目、週末の記事内容である。

◇Arm’s second trading day is more subdued, but valuation still tops $60 billion (9月15日付け CNBC)
→*アーム・ホールディングスは金曜15日のマーケットオープンでさらに6%上昇した旨。
 *アームは木曜14日、超大型IPO株の価格を1株51ドル、約$54.5 billionの同社評価価値として取引を開始した。
 *今週は、中国へのエクスポージャーやいくつかはArmの最大手顧客であるライバル半導体アーキテクチャとの競争激化など、同社を取り巻くリスクに注目が集まっている旨。

◇SoftBank's chip designer Arm extends gains after $65 billion Nasdaq debut―Arm sees gains, buoys IPO market after $65B debut (9月15日付け Reuters)
→ソフトバンクのアームはナスダック市場に$65 billionの価値で登場し、株価は51ドルの公開価格から上昇した旨。この半導体設計会社は、ライセンシーの時間を節約するために検証され最適化された「より完全なコンピュート・ソリューション」と呼ぶものを提供する計画。

◇Post-IPO, Arm to push purpose-built almost-processors―British chip design biz plans to satisfy investors by seeking new customers, while RISC-V and China are already challenges (9月15日付け The Register (UK))
→木曜14日にナスダックに上場したアームは、ソフトバンクが2016年に非公開化したものとは全く異なる事業である旨。なぜなら、該英国の半導体設計メーカーは、アーキテクチャとコア設計のライセンス供与から、事前検証済みのほぼ完全なプロセッサ設計図の開発へと進化し、カスタム・シリコンを開発するための迅速かつ安価なルートを提供していくから。

以上、AppleのiPhone15発表、そしてArmのNASDAQ上場、とともに目が離せない今後である。


コロナ「5類」移行とはいえ、用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□9月10日(日)

中国のプレゼンスの低下を感じさせる内容&動きが、以下続いている。

◇グローバルサウス、G20の主役狙う;印首相「声強める」 (日経 電子版 17:34)
→10日に閉幕した20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を舞台にグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の首脳がG20での地位固めに向けた言動を強めた旨。国際社会に自分たちの声をより強く反映させるのが狙い。
「これでG20は強くなりグローバルサウスの声も強くなる」。議長国のインドのモディ首相は9日、X(旧ツイッター)に投稿した旨。

◇イタリア首相「一帯一路」離脱意向を伝達 中国首相に (日経 電子版 21:16)
→中国の李強(リー・チャン)首相は9日、訪問先のインドでイタリアのメローニ首相と会談した旨。メローニ氏は中国の広域経済圏構想「一帯一路」から離脱する意向を伝えた旨。ロイター通信がイタリア紙の報道をもとに伝えた旨。
イタリアは主要7カ国(G7)で唯一、一帯一路に協力する覚書を結んだ旨。「恩恵が少ない」として離脱論が強まり、メローニ氏は年内に結論を出す方針を示していた旨。

◇ベトナム、米国との外交関係「最上位」に;中国と同格 (日経 電子版 22:55)
→ベトナムは米国との外交関係を最上位に引き上げる旨。ベトナム共産党の最高指導者チョン書記長(79)が10日、バイデン米大統領(80)との会談で合意した旨。ベトナムは米国との外交関係を中国と同格とみなすことになる旨。南シナ海問題などを巡り、米国の影響力拡大を嫌う中国の反発を招く可能性がある旨。

□9月12日(火)

Arm上場による市場心理改善も見られたが、インフレ懸念、半導体需要減警戒からの反応が混在した今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸、87ドル高;利上げ警戒和らぐ (日経 電子版 06:00)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日続伸し、前週末比87ドル13セント(0.25%)高の3万4663ドル72セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げへの警戒感が和らいだのが買いを誘った旨。大手ハイテク銘柄の一部が大幅に上昇したことも投資家心理の支えとなった旨。

□9月13日(水)

◇「中国の時代は終焉」;習近平不在を突く米情報戦の吉凶―編集委員 中沢克二 (日経 電子版 00:00)
→中国の時代は終わりつつある――。米大統領のバイデンが、中国国家主席、習近平(シー・ジンピン)の不在を突いて、勢いあるインドから吹く強烈な「南風」を利用し始めた。新型コロナウイルス感染症に苦しんでいた西側世界をよそに、習が「勢いは我々、中国にある」と東昇西降を訴えていたのは、たった2年前。局面は転換し、既に別世界である。・・・・・

◇NYダウ反落、17ドル安;原油高でインフレ懸念 (日経 電子版 05:55)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比17ドル73セント(0.05%)安の3万4645ドル99セントで終えた旨。原油先物相場の上昇を受け、インフレ懸念が強まった旨。金利上昇への警戒からハイテク株を中心に売りが広がった旨。

米国での消費者物価指数のインフレ模様である。

◇August core inflation, excluding food and energy, rose 0.3%, hotter than expected―Inflation up 3.7% annually in Aug. (CNBC)
→1)米国労働省によると、8月の消費者物価指数は前年同月比3.7%上昇し、7月の3.2%から上昇した旨。これは2ヶ月連続の上昇であり、2023年に入って最大の上昇率。
 2)*8月の消費者物価指数は0.6%上昇し、月間では2023年最大の上昇率となった旨。インフレ率は前年同月比で3.7%上昇した旨。
  *コアCPIはそれぞれ0.3%、4.3%上昇、FRBはコアCPIを重視している旨。コアCPIは長期的なインフレの方向性を示す指標となるから。
  *エネルギー価格が上昇の大きな要因となり、前月比5.6%上昇した旨。
  *ヘッドラインインフレの急上昇は労働者の給与を直撃した旨。実質平均時給は前月比0.5%減少した旨。

□9月14日(木)

◇FRB、年内利上げ議論継続へ;物価沈静化の見極め難しく (日経 電子版 05:04)
→米連邦準備理事会(FRB)が利上げの終結時期を見通せずにいる旨。13日に公表された8月の消費者物価上昇率は2カ月連続で加速した旨。市場は19〜20日に開く次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での見送りを確実視しているが、その後も追加利上げの議論がくすぶりそう。

◇NYダウ続落、70ドル安;インフレ沈静化になお時間の声 (日経 電子版 05:53)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比70ドル46セント(0.20%)安の3万4575ドル53セントで終えた旨。朝方発表の8月の米消費者物価指数(CPI)は強弱両面の材料があったものの、インフレの沈静化にはなお時間がかかるとの受け止めが次第に広がり、株式相場の重荷となった旨。景気敏感株を中心に売りが出たことも指数を押し下げた旨。

□9月15日(金)

◇NYダウ反発、331ドル高;アーム上場受け市場心理が改善 (日経 電子版 05:52)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比331ドル58セント(0.95%)高の3万4907ドル11セントで終えた旨。14日の英半導体設計のアーム・ホールディングスの上場が好調な滑り出しとなり、投資家心理の改善につながった旨。朝方発表の米経済指標を受けた買いも入り、景気敏感株を中心に買いが広がった旨。ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面もあった旨。

□9月16日(土)

◇NYダウ反落、288ドル安;金利上昇や半導体需要減を警戒 (日経 電子版 05:50)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比288ドル87セント(0.8%)安の3万4618ドル24セントで終えた旨。米長期金利の上昇が続き、株式の相対的な割高感が意識された旨。半導体需要が想定以上に落ち込むとの懸念が浮上したのも、ハイテク株全般に重荷となった旨。


≪市場実態PickUp≫

【Huaweiの5Gスマホ関連】

波乱を呼んでいる中国・HuaweiのMate60 Proについて、余波が以下の通り続いてあらわされている。

◇New Huawei Phone Made With ‘50% More Homegrown Chip Parts’ (9月8日付け Asia Financial)
→*「重要なのは、中国が世界最高の半導体企業から2〜2.5ノードの後れをとっているとを示していることだ。」と、TechInsightsのアナリスト、Dan Hutcheson氏。
 *調査会社、TechInsightsの調べによると、中国の大手テクノロジー企業、Huawei Technologiesが製造した新しい5G対応スマートフォンは、これまでのどの機種よりも50%近く多くの国産チップ部品を使っている旨。

◇US probes chip made in China as tensions flare―SECURITY REASSESSING: The US probe into Huawei has sparked a debate as to whether US export controls of key materials, tools and knowhow need tightening (9月9日付け Taipei Times)
→米国政府は、ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)の最新スマートフォンに搭載された高度な中国製半導体に関する公式調査を開始、地政学的ライバルを封じ込めることを目的とした制裁の有効性について、ワシントンで議論が巻き起こっている旨。

◇ファーウェイが新スマホ;最新機種も5G相当か;米が半導体検証中 (9月9日付け 日経)
→中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は8日、新型スマートフォンの「Mate60」シリーズで最上位機種「Pro+」の予約販売を始めた旨。同シリーズの機種は高速通信規格「5G」に相当する通信に対応しているとみられる旨。米政府が検証に乗り出しており、一段と波紋を広げそう。
ファーウェイは8月29日、Mate60シリーズの高機能版「Pro」の販売を中国の一部店舗やネットで始め、30日にはMate60の通常版の限定販売も開始。これに続き、9月8日には最上位機種「Pro+」と折り畳み型の「MateX5」もオンラインで予約販売を始めた旨。

◇Analysts watch Huawei for signs of a comeback (9月11日付け DIGITIMES)
→ファーウェイがセミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル・コープ(SMIC)のシステム・オン・ア・チップ(SoC)を搭載したスマートフォン「Mate 60 Pro」を発表したことで、一部のアナリストは同社の米国制裁の挫折からの復帰が始まったと見ている旨。ファーウェイはMate 60 Pro+とMate X5の折りたたみ式携帯電話もウェブサイトで発表しているが、該SoCsの詳細は明らかにしていない旨。

◇Korean chips deflate Huawei phone’s purity bubble―Self-sufficiency myth exploded by concern production may be disrupted if Huawei can’t use SK Hynix memory chips (9月12日付け Asia Times)
→ファーウェイ・テクノロジーズはMate60 Proを発表し、米国の制裁を回避する能力を証明したが、その成果の一部は2つの韓国製半導体の使用によって可能になったことが判明したため、中国のコメンテーターは、同社の成功を誇張すべきではないと、カラフルな用語を用いて注意を促している旨。

特許係争を収めるべく、HuaweiとXiaomi、中国同士でのクロスライセンス契約がこのタイミングで結ばれている。

◇China's Huawei says it has reached global patent licensing deal with Xiaomi―Huawei, Xiaomi sign global patent cross-licensing deal (9月13日付け Reuters)
→中国のファーウェイの声明によると、中国のファーウェイ・テクノロジーズは水曜13日、シャオミとグローバル特許クロスライセンス契約を締結した旨。この契約は5Gを含む通信技術をカバーするもので、両社間の特許ライセンス紛争を解決するものの旨。
中国の地元メディアは3月、ファーウェイがシャオミを、主に無線通信技術、スマートフォンの写真撮影、画面ロック技術に関連する4つの登録特許を侵害した疑いで提訴していると報じた旨。

中国発の記事、iPhone 15リリースも言及されている。

◇Tech war: Huawei ups smartphone sales target amid Mate 60 Pro popularity, as it maintains silence on chip details (9月13日付け South China Morning Post)
→*ファーウェイは、5G対応のMate 60 Proをリリースして以来、愛国的熱狂の波に乗っている旨。
 *ファーウェイのMate 60 Proは、米ハイテク大手、アップルが新型iPhone 15をリリースする中、アップルにとって中国での厳しい挑戦となることが予想される旨。

米国の今後の対中国制裁強化に注目せざるを得ないところである。

◇In light of Huawei's 5G smartphone launch, US could pose even stricter sanctions, said DIGITIMES Research―Analyst: US could consider more bans after Huawei launch (9月14日付け DIGITIMES)
→DIGITIMES Researchのseniorアナリスト、Luke Lin(ルーク・リン)氏は、ファーウェイの5Gスマートフォン「Mate 60 Pro」が秘密裏に発表された後、米国の輸出制裁はファーウェイへの販売にとどまらず、中国に入るすべての半導体製造装置を対象とする可能性があると述べた旨。林氏は、アメリカは「制裁を発動するのが遅すぎ、甘すぎる」と主張している旨。

◇House Republicans Demand Full Huawei Sanctions After Chip Breakthrough―Republicans want stricter limits on Huawei, SMIC (9月14日付け BNN Bloomberg (Canada))
→共和党議員は、ファーウェイがSMICの半導体を搭載したPro Mate 60を発売した後、米国のサプライヤーとファーウェイ・テクノロジーズおよびセミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル・コープ(SMIC)の間に完全制裁の障壁を設けようとしている旨。両中国企業はすでに部分的制裁を受けている旨。

◇GOP lawmakers call for heavier sanctions against China’s Huawei, SMIC―The two companies displayed a domestically manufactured advanced smartphone chip, circumventing U.S. export controls and triggering Washington’s ire (9月14日付け The Washington Post)


【Apple関連】

5Gモデム半導体について、Appleに向けてQualcommがiPhone用に供給を2026年まで続ける契約が両社間で結ばれている。Appleの自社開発はどうなっているのか、関心が向かうところである。

◇Qualcomm keeps its hold on Apple iPhone launches through 2026 (9月11日付け FierceElectronics)

◇Qualcomm Inks Deal With Apple to Supply iPhone Chips Through 2026―Qualcomm, Apple sign multiyear iPhone chip agreement ―Agreement comes as Apple has been trying to build its own modem chips to stop using Qualcomm’s (9月11日付け The Wall Street Journal)
→クアルコムは、アップルが自社製半導体の製造に向けた取り組みを続けるなかでも、2026年までiPhone向けに5Gモデム半導体を供給する契約をアップルと結んだ旨。
UBSの推定では、クアルコムのアップルに対する昨年度のモデム売上は$7.26 billionで、総売上の約16%にあたる旨。

◇Qualcomm says it will supply Apple with 5G modems for iPhones through 2026 (9月12日付け CNBC)
→*クアルコムは月曜11日、2026年までアップルにスマートフォン用5Gモデムを供給する、と発表した旨。
 *ウォール街のアナリストやクアルコム関係者は以前、Appleが2024年から自社開発の5Gモデムを使用するとの見通しを示していた旨。

◇Apple、クアルコムの通信半導体調達契約を3年延長 (9月12日付け 日経 電子版 07:55)
→米アップルは米半導体大手クアルコムからの通信用半導体の調達契約を2026年まで3年延長する旨。調達契約は2023年で終了し、アップルは自社開発する半導体に切り替えるとみられていたが、開発に時間がかかっている可能性がある旨。

◇Apple partners with Qualcomm for 3-year chip supply deal―The tech company has a four-building campus in Boulder. (9月15日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→半導体大手のクアルコム・テクノロジーズは、アップル社にスマートフォン向け5G半導体を供給するための新たなパートナーシップを結んだ旨。

AppleがTSMCアリゾナ工場で先端半導体をつくるとしても、組み立ては依然台湾という喚起があらわされている。

◇The Flaw in Apple’s Plan to Make Chips in Arizona―No matter what happens with TSMC's high-profile facility in Phoenix, many cutting-edge chips it produces for Apple, Nvidia, AMD and Tesla will still require assembly in Taiwan (9月11日付け The Information)


【TSMC関連】

8月売上高、熊本工場、そしてドイツ工場と多岐に及ぶ動き&内容である。

◇TSMC reports highest level of revenue due to demand (9月9日付け Taipei Times)
→台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC、台積電)は昨日、先月8月の売上高が過去7カ月で最高水準に達したと発表、アップルのiPhone 15発売を来週に控え、先進的な3ナノメートル技術への旺盛な需要と、旺盛な人工知能(AI)半導体需要に支えられている旨。
売上高は前月比6.2%増の1,886億9,000万台湾ドル(US$5.89 billion)で、7月は1,776億2,000万台湾ドルだった旨。前年比では、売上高は2,181億3,000万台湾ドルから13.5%減少した旨。

◇TSMC Rumored to Partner With Nvidia and Broadcom on Silicon Photonics Tech―Sources: TSMC eyes tech partners for silicon photonics―TSMC reportedly assembled a team to explore silicon photonics. (9月11日付け Tom's Hardware)
→台湾積体電路製造股份有限公司(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.:TSMC)が、Nvidia社およびBroadcom社と提携し、データ伝送速度を向上させるシリコンフォトニクスの研究開発(R&D)を進めているとの情報がある旨。TSMCはこの報道を確認していないが、Douglas Yu(ダグラス・ユー)副社長はこの技術が性能とエネルギー効率にとって極めて重要であると宣伝している旨。

◇TSMC Buys 10% Stake in IMS Nano from Intel―TSMC grabs 10% stake in IMS Nano, earmarks $100M for Arm IPO (9月12日付け AnandTech)
→台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、インテルからIMS Nanofabricationの株式10%を$430 millionで購入する旨。TSMCはまた、アームの新規株式公開(IPO)に$100 millionも投資する旨。

◇Intel sells IMS stake to competitor to make it more competitive (9月14日付け FierceElectronics)
→インテルは今週、極端紫外線露光(EUV)製造プロセスに必要なマルチビームマスク描画ツールを製造する子会社、IMSナノファブリケーションの10%をTSMCに売却すると発表、IMSの価値を現金化すると同時に、同部門を顧客により魅力的なものにする旨。

◇TSMC prizes Japan's chips skills after US stumbles -sources (9月12日付け Reuters)
→台湾のTSMCは、海外での半導体製造に前例のないほど力を入れているが、アリゾナの新工場では問題が続いているため、生産拠点としての日本にますます傾いている、と2人の業界関係者が語った旨。

◇Fund Managers See Water Risk in Semiconductor Bets Being Mispriced―Water shortage concerns weigh on semiconductor stocks (9月12日付け BNN Bloomberg (Canada))
→アナリストによれば、水管理や水不足への懸念は、半導体業界にとって見過ごされがちなリスクである旨。台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、水消費量の削減に取り組んでいる企業のひとつである旨。

◇TSMC熊本工場、立ち上げ人材集結;台湾での訓練完了へ―シリコンアイランド 動き出す「1兆円工場」(上) (9月12日付け 日経 電子版 05:00)
→半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)がおよそ1兆円を投じ、急ピッチで建設を進めてきた熊本県菊陽町の新工場。建屋はほぼ完成し、まもなく生産設備の搬入が始まる見通し。2024年末を予定する本格出荷開始まで1年あまり。「シリコンアイランド」復活のカギを握る巨大工場がいよいよ動き出す旨。

◇TSMC、熊本で目指すグリーン工場;地下水使用は3割削減―シリコンアイランド 動き出す「1兆円工場」(下) (9月14日付け 日経 電子版 05:00)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は熊本県菊陽町の新工場で使用する地下水の量を、当初計画の1日1万2000トンから8500トンに3割削減する方針を明らかにした旨。工場内に高度な水処理設備を設置し、工場内の水リサイクル率を75%に高める計画。

◇Driving Europe’s Chip Renaissance: TSMC’s Vision with ESMC―The joint venture aims to change the game for semiconductor manufacturing. (9月15日付け EE Times)
→TSMCは、ボッシュ、インフィニオンおよびNXPと共同で、ドイツのドレスデンを拠点とするEuropean Semiconductor Manufacturing Company(ESMC)への出資を計画している旨。この戦略的な動きは、特に自動車や産業分野での高度な半導体製造サービスに対する急増する需要に対応することを目的としている旨。


【独禁訴訟およびAI議論】

米国での話であるが、Googleの検索席巻についての独占禁止法訴訟、および人工知能(AI)を巡る議論の関連が、以下の通りである。

◇Google、検索独禁訴訟12日から公判;業界構図に影響 (9月12日付け 日経 電子版 03:10)
→米司法省が米グーグルを反トラスト法(独占禁止法)違反で訴えた裁判の公判が米東部時間12日朝(日本時間同日夜)に始まる旨。米国で独禁当局とテクノロジー大手の幹部が法廷で対峙するのは、同省が米マイクロソフトを訴えた1998年以来25年ぶり。大型訴訟はグーグルに加え、テック業界の競争の構図に影響を及ぼすとの見方が出ている旨。

◇Apple raises objection on second day of government's Google anti-trust trial (9月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→米国政府による歴史的なグーグル反トラスト法裁判の2日目は、シリコンバレーのもうひとつのハイテク企業であるアップル社の弁護士たちによって始まった旨。アップル社は、初日に言及された2つの数字に抗議した旨。
アップル社は、グーグル社に対する独占禁止法裁判で、同社のビジネスに関する機密情報が共有されることを懸念している旨。

◇Google、独禁訴訟で公判 ;当局「年1.5兆円で検索独占」 (9月13日付け 日経 電子版 04:34)
→米司法省が米グーグルを反トラスト法(独占禁止法)違反で訴えた裁判の公判が12日に始まった旨。原告側はグーグルが検索サービスの独占を維持するために年間$10 billion(約1兆5000億円)を支払っていると指摘した旨。グーグルが独占を保つために不当な行為に及んでいたかが焦点となる旨。

◇「AI製」明示の自主ルール、米IBMなど8社合意 (9月13日付け 日経)
→米政府は12日、人工知能(AI)の安全性を確保する自主規制で関連企業8社と合意したと発表、7月にオープンAIやグーグルなどの7社と約束をしたのに続く旨。新たに米国のIBMやエヌビディアなどの大手が参加する旨。
アドビやセールスフォースなども加わる旨。AIの透明性や安全性を高めるためのルールで、AIシステムで作成した文章や映像などのコンテンツは「AI製」と分かるようにする旨。

◇Elon Musk, Mark Zuckerberg, Bill Gates and other tech leaders in closed Senate session about AI (9月13日付け CNBC)
→*テック企業のCEOsたちが水曜13日に国会議事堂に集まり、人工知能(AI)について上院議員たちと意見を交わした旨。
 *ニューヨーク州選出のChuck Schumer(D-N.Y.)上院院内総務は、上院の第1回"AI Insight Forum"の一環として、ハイテク企業経営者、労働者、公民権運動のリーダーたちによるパネルを主催した旨。
 *テスラとスペースXのイーロン・マスクCEO、グーグルのスンダル・ピチャイCEO、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOおよびOpenAIのサム・アルトマンCEOらが出席した旨。


【半導体市場の動き関連】

ベトナムを巡る出だし、難しい状況をうかがわせている。

◇ベトナムにサムスン・ショック;スマホ販売不振で遠のく半導体工場建設(NIKKEIAsia) (9月10日付け 日経)
→スマートフォン市場で世界最大手の韓国サムスン電子の事業不振と韓国企業による投資減少が、同社に大きく依存するベトナムの経済に影を落としている旨。
韓国貿易協会によると、今年1〜5月の韓国からベトナムへの直接投資は前年同期よりも67.6%減の$670 million(約980億円)にとどまった旨。ベトナム側の統計をみても、韓国からの直接投資が低迷している旨。

◇Vietnam Thriving Semiconductor Industry Fuels Economic Resilience Amidst Global Challenges (9月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→ベトナムの半導体業界は、サムスンやインテルのような業界大手からの多額の投資と、中国からの主要メーカーの移転によって強化され、世界的な景気後退の中でベトナムを輝かせる一因となっている旨。

SEMIのデータである。

◇2024 GLOBAL FAB EQUIPMENT SPENDING RECOVERY EXPECTED AFTER 2023 SLOWDOWN, SEMI REPORTS (9月12日付け SEMI)
→SEMIは本日、最新の四半期世界ファブ予測報告書において、2023年の世界の前工程設備投資額は前年比15%減の$84 billionとなり、過去最高だった2022年の$99.5 billionから2024年には前年比15%増の$97 billionに回復する見込みであると発表、2023年の落ち込みは、半導体需要の軟化と民生機器およびモバイル機器の在庫増が要因である旨。

◇Taiwan to be top chip gear buyer: SEMI―SEMI: Taiwan to top fab equipment spending in 2024 ―WORLD RANKING: Domestic chipmakers would spend US$23bn on fab equipment next year, a 4% annual increase, while South Korea would raise its spending 41% to US$22bn (9月14日付け The Taipei Times (Taiwan))
→SEMIは、台湾が来年$23 billionで最大の半導体製造装置買い手になると予測している旨。韓国は$22 billionで2位、中国は$20 billionで3位、そして米国は$14 billionで4位である旨。

Samsungの動きから、NAND生産削減の一方、DRAM契約価格の値上げである。一層注視を要するところである。

◇Samsung halves NAND production―Report: Samsung cuts NAND production by 50%, others likely to follow (9月12日付け Electronics Weekly (UK))
→TrendForceによれば、サムスンは9月からNANDの生産を50%削減し、主に128層以下のプロセスに重点を置いている旨。

◇Samsung hikes memory chip prices on depleting client inventories―Mobile chip sales rise on higher demand from smartphone makers while PC chips remain weak (9月12日付け The Korea Economic Daily)
→半導体メーカーや業界アナリストによると、パソコン用半導体の需要は依然として弱いものの、特にモバイル用DRAM半導体分野でメモリー半導体市場回復の兆しが見られる旨。
世界最大のメモリー半導体メーカーであるサムスン電子は最近、シャオミ、オッポ、グーグルなどの顧客と、DRAMやNAND半導体の既存契約より10〜20%高い価格でメモリー半導体の供給契約を結んだと、業界関係者が火曜12日に語った旨。

台湾IT大手は、依然低迷の様相である。

◇台湾IT主要19社、8月11.2%減収;7カ月連続マイナス (9月13日付け 日経)
→台湾経済を牽引するIT大手の不振が鮮明。日本経済新聞が主要IT企業19社の8月の売上高を調べたところ、合計額は前年同月比で11.2%減と、7カ月連続で前年実績を下回った旨。
米中の需要が回復せず、台湾積体電路製造(TSMC)が6カ月連続、鴻海(ホンハイ)精密工業も7カ月連続で、それぞれ減収となった旨。

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