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米国でのCHIPS and Science Act制定1年、さらなる対中投資規制大統領令

米国議会でのすったもんだを経て、Biden大統領が署名して制定されたCHIPS and Science Actが、8月9日で1年になる。米国国内での半導体製造強化の機運が一気に高まって、米国はじめ世界の主要半導体各社の米国新工場への取り組み、打ち上げが行われてきている。とともに、世界各国・地域での同様の自己完結を図るアプローチが続けられている。この1年になるその日に、対中国の半導体、AI(人工知能)および量子技術への投資を規制する米国の大統領令が発せられ、分断が一層深まる局面を迎えている。CHIPS and Science Actの$52.7 billionの補助金はいつ手に入るのか、当事者の率直な反応が見られるとともに、今後の推移&展開に向けていろいろな切り口の論評が続いている。現下の関連の動き&内容を以下取り出している。

長見晃の海外トピックス

≪深まる分断の中のそれぞれの展開≫

CHIPS and Science Act制定1年を9日に控えて、米国各州の工場誘致、米国新工場の取り組み関連など、以下の通りである。

◇Schumer campaigns to bring chip manufacturing to N.Y. (8月6日付け The New York Times)
→ニューヨーク州選出のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は、米国内の半導体製造を促進するため、数十億ドル規模の補助金を上院に通して、その資金の一部をニューヨーク州にもたらそうとしており、同氏が影響力を持っている可能性の旨。メモリー半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーは、シラキュース(Syracuse)近郊に半導体製造拠点を建設するために$100 billionもの投資を行うという提案を発表している旨。

◇TSMC agrees to stricter oversight for the construction of Arizona chip plant―HIGHER STANDARD: Under an agreement made with the governor of Arizona, the Taiwanese company would meet requirements higher than those at the federal level (8月6日付け Taipei Times)
→台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)は、同社初の米国工場を建設する建設労働者の安全に関して、より厳しい監視を行うことに同意したと、アリゾナ州のKatie Hobbs知事が金曜4日に発表した旨。

◇Indiana Tests if the Heartland Can Transform Into a Chip Hub (8月7日付け The New York Times)
→Indiana州が、半導体製造ハブになり機会をうかがっている旨。

◇Whitmer’s Dream Team to Address Talent Gap, Security―Michigan aims to help the U.S. achieve semiconductor manufacturing superiority. (8月10日付け EE Times)
→Brandon Tucker氏とKerry Ebersole Singh氏は、ミシガン州を世界的な半導体の優位性の達成という目標に導くために、仕事をこなしている旨。タッカー氏はAnn ArborにあるWashtenaw Community College〈WCC〉のチーフ・ワークフォース&コミュニティ・ディベロップメント・オフィサーであり、エバーソレ・シン氏はミシガン州経済開発公社(MEDC)のチーフ・タレント・ソリューション&エンゲージメント・オフィサーである旨。半導体の世界的な優位性は、確かにどの州にとっても高い目標である旨。しかし、ミシガン州知事、Gretchen Whitmer(グレッチェン・ウィットマー)氏が示した国家的リーダーシップのおかげで、タッカー氏とエバーソール・シン氏は有利な立場にある旨。

◇Governor Hochul Announces the Establishment of World-Class AMD Design Centers in New York State (8月10日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Kathy Hochul(キャシー・ホーチュル)ニューヨーク州知事は本日、カリフォルニア州を拠点とする高性能半導体の設計会社、AMD社が、ニューヨーク州での次世代テクノロジー事業の成長を選択したことを発表した旨。同社は、Monroe郡のLinden Oaks Office Parkと、Dutchess郡のFishkill村にあるウエストゲート・ビジネスパークに、最先端の研究・設計拠点を設立した旨。

インテルからは、該補助金の取り分、対中輸出規制の緩和など、以下の要求である。

◇Intel CEO Voices Concerns About CHIPS Funds, Export Controls―Intel seeks bigger piece of CHIPS Act pie, CEO says ―Analyst says the company faces a “major double whammy” if Gelsinger’s efforts do not succeed. (8月7日付け EE Times)
→1)IntelのCEO、Pat Gelsinger氏は、米国が新規半導体工場建設に提供する$52 billionの補助金の大部分を求めてロビー活動を展開し、世界最大の半導体市場である中国への販売を抑制している輸出規制を緩和するよう米国に働きかけている旨。
 あるアナリストがEE Timesに語ったところによると、もしIntelがこうした取り組みに成功しなければ、Intelにとって「大きな二重苦」になる旨。また、別のアナリストは、輸出規制はIntelや他の半導体メーカーを不当に締め付けていると主張している旨。
 2)インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は、$52 billionのCHIPS法補助金について、サムスンや台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)といった海外のライバル企業よりも恩恵を受けるべきだと主張している旨。米国は、中国への厳しい輸出規制を維持する一方で、数十億ドルの国内投資を求めており、Albright Stonebridge Groupの顧問、Paul Triolo氏は、インテルにとって「大きな二重苦」と見ている旨。

該半導体法による米国での投資規模の現状があらわされている。

◇Construction’s manufacturing boom: Mapping the biggest facilities underway in the US―Big manufacturing projects surge after CHIPS Act ―Construction Dive tracks the top projects focused on products such as semiconductors, EV batteries, food, cars and consumer goods. (8月7日付け Construction Dive)
→米国はCHIPS and Science Actを通じて製造業に$52 billionを投資し、その結果、民間企業はクリーンエネルギー、半導体製造、電気自動車(EV)用バッテリー製造およびバイオテクノロジーのための拠点建設に少なくとも$503 billionを注ぎ込むことになっている旨。最大規模のプロジェクトとしては、テキサス州テイラーにあるサムスンの$25 billion規模の半導体製造工場、オハイオ州Licking郡にあるインテルの$20 billion規模の半導体チップ工場、オハイオ州Jersey Township近郊にある$10 billion規模のインテル半導体工場、およびユタ州Lehiにあるテキサス・インスツルメンツの$11 billion規模の半導体工場などがある旨。

◇半導体・EV、米国への投資40兆円;国産育成法から1年―巨額補助金で「生産囲い込み」 (8月10日付け 日経 電子版 06:56)
→米国が製造業の投資を世界から集めている旨。半導体と電気自動車(EV)、再生エネルギー設備を対象に、米国生産を促す補助金の拠出を定めた法律の成立から1年がたち、国内外の企業は計$290 billion(約41兆円)超の米国向け投資を表明した旨。巨額の歳出で自国産業を育てる中国に対抗するが、政府介入が経済の活力を奪う懸念がある旨。

現下のスペインでの取り組みが出だしとなっているが、世界各国・地域の半導体製造への資金提供がまとめて示されている。

◇9 Governments Set to Fund New, Localized Chip Fabs―US, EU among handful of governments seeking chip self-reliance ―The funding aims to reduce reliance on imported semiconductors. (8月8日付け EE Times)
→光電子デバイスメーカーKDPOFのCEO兼共同設立者であるCarlos Pardo氏は、同地域のデジタル自立を促進するために設立された欧州委員会(EC)の基金からの資金で、スペイン初の商業用半導体拠点を建設する計画である、とEE Timesに語った旨。KDPOFは、欧州連合(EU)を含む世界各国の政府が資金を提供し、自立を目指す数多くの取り組みのひとつに過ぎない旨。
各国・地域の政府のウェブサイトやその他の情報源から得たデータによると、以下の9つの政府は、ハイテク・コンピューティングと通信のニーズに対して、より自立した存在になろうと努力している旨。
 China: $143 billion
 European Union: $47 billion
 India: 少なくとも$922 million
 Japan: 少なくとも$6.5 billionの不特定額
 Malaysia: 不特定額
 Singapore: $19 billion
 South Korea: 不特定額
 United Kingdom: $1.5 billion
 United States: $52.7 billion

米国の新工場での人材不足の問題についての見方である。

◇US Chip Plans Hit Speed Bump With Key Jobs Taking Months to Fill―Skilled worker shortage may stall US chip expansion plans (8月8日付け BNN Bloomberg (Canada))
→米国が主要な半導体製造拠点になる計画は、重要なポストに就く資格を持つ労働者の不足によって妨げられており、データ分析会社、Revelio Labsの調査によると、半導体産業が技術者や機械エンジニアを採用するには、米国の他の産業に比べて2倍の時間がかかる旨。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は、2030年までに11万5,000の新規雇用が創出されると推定しているが、5分の3近くが空席になる可能性があると述べている旨。

制定1年を迎えた9日の記事内容である。資金待ちの率直な声である。

◇Semiconductor makers wait for checks one year after Biden signs CHIPS Act (8月9日付け CNBC)
→*ジョー・バイデン大統領がCHIPS and Science Actに署名してから1年、米国半導体業界はまだ授かりの風待ちの状態である旨。
 *この$52.7 billionのパッケージの目的は、米国内の半導体サプライチェーンを再保有することであったが、今のところ、この法案によって確保された資金は授与されていない旨。
 *インテグラ社、インテル社およびスカイウォーター社などの企業はいずれも、米国内での製造拠点の拡張や建設にはこの資金が不可欠だと述べている旨。

米国・SIAからの声明である。

◇One Year After Enactment, CHIPS & Science Act is on Path to Success; Work Remains to Maximize Impact (8月9日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)のPresident and CEO、 John Neuffer氏が本日、半導体製造奨励および研究イニシアチブに$520 billionを提供する画期的な法律、CHIPS and Science Act制定1周年について声明を発表した旨。
「1年前の今日、CHIPS and Science Actの制定は、米国の半導体生産を再活性化し、米国の経済力、国家安全保障、および技術競争力を強化するために、政治spectrumスペクトルを超えて政府指導者を結束させた、最近の米国史における極めて重要な瞬間であった。CHIPS制定1周年を迎え、議会におけるたゆまぬリーダーシップに拍手を送り、政府関係者の揺るぎない決意に敬意を表する。」

該半導体法への関心の規模である。

◇US reports big interest in $52 billion semiconductor chips funding―Commerce Dept.: Interest high in $52.7B chip subsidies (8月9日付け Reuters)
→米国商務省によると、米国が国内生産のために提供する$52.7 billionの半導体補助金に460社以上が関心を示している旨。ジーナ・ライモンド商務長官は、この投資が国家安全保障と経済に与える影響を指摘している旨。

◇CHIPS Act one year in: still steeped in controversy (8月9日付け FierceElectronics)
→*バイデン大統領は1年前、$52BのCHIPS法に署名した旨。商務省には460件以上の米国での半導体製造に対する関心表明が寄せられているが、インテルなどは中国への輸出制限の可能性を懸念しており、CHIPS法のインセンティブが損なわれる可能性がある旨。
 *バイデン大統領が米国CHIPS・科学法に署名してから1年、半導体製造・研究奨励金として$52 billionから支出された金額はゼロである旨。

制定1年の9日その日に、対中投資規制の大統領令が以下の通り発せられている。

◇White House unveils ban on US investment in Chinese tech sectors―Biden signs order restricting investment in Chinese tech (8月9日付け Financial Times)
→ジョー・バイデン大統領は、特定の中国テクノロジー企業への米国の民間投資を制限する大統領令に署名した旨。同大統領令はまた、中国でビジネスを展開する米国人に対し、AIや半導体などの製品への直接投資を米国政府に開示するよう求めている旨。

◇Biden orders ban on certain US tech investments in China (8月10日付け Reuters)

◇米国、対中投資を厳しく制限;半導体・AIで大統領令―資金の流れ分断、軍事転用に歯止め (8月10日付け 日経 電子版 05:48)
→・米国企業や個人の対中投資を広範に制限へ
 ・半導体・量子・AI分野で軍事転用封じる狙い
 ・米国の対中規制一段と。資金の流れにも網
米政府は9日、米国の企業・個人による中国への投資を規制する新制度を導入すると発表した旨。先端半導体や人工知能(AI)、量子技術を対象にする旨。政府に届け出を義務付け、中国の軍事開発などに結びつく案件は禁じる旨。米国の対中規制がモノだけでなく、カネの流れにまで発展した旨。

◇Biden signs order to stop new US investments in China in chips, quantum and AI (8月10日付け FierceElectronics)

米国・SIAから、後での見解含みの声明が次の通りである。

◇SIA Statement on Outbound Investment Proposal (8月9日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、対外投資審査に関する新たな政権の動きについて以下の声明を発表した旨。
「半導体業界は、国家安全保障を守る必要性を認識しており、強力で国際競争力のある米国半導体業界を確保することが、その目標達成に不可欠な部分であると考えている。我々は本日の提案を評価し、パブリックコメント期間として意見を提供する機会を歓迎する。われわれは、最終規則によって米国の半導体企業が対等な競争条件で競争し、中国を含む主要な世界市場にアクセスできるようになり、米国半導体産業の長期的な強さと世界の競合他社を凌駕する技術革新能力を促進することを望んでいる。」

この新たな規制の大統領令について、以下の論評が見られている。今後のインパクトに注視を要するところである。

◇米国の対中規制、新局面に;ヒト・モノから直接投資に (8月10日付け 日経 電子版 18:33)
→米国による対中規制が新たな局面に入った旨。米政府は9日、半導体や人工知能(AI)、量子技術という先端分野で幅広く投資を禁じると発表。規制の網がヒト・モノだけでなく、直接投資というカネにも本格的に広がる旨。
先進国としては異例の規制方針は米中のデカップリング(経済分断)を深め、双方への投資が一段と落ち込みかねない旨。

◇Treasury lays out proposed rules for banned China investments (8月10日付け FierceElectronics)
→バイデン大統領による中国への半導体、AIおよび量子への投資禁止命令は、財務省による一連の規制案とともに出されたもので、高速スーパーコンピューターの販売や先端集積回路の研究は禁止されるが、知的財産のライセンス供与や大学間の研究は依然として認められている旨。この規則は2024年まで発効せず、来る9月28日まで45日間の意見募集期間が設けられている旨。

◇対中規制、米VCの脱中国に拍車;投資参加3分の1に (8月12日付け 日経 電子版 07:24)
→米政府はベンチャーキャピタル〈VC)を含む米投資家が人工知能(AI)や半導体分野で中国に投資するのを規制する旨。米VCが中国のスタートアップ企業への投資に参加する割合は2023年、直近ピークの2021年比で3分の1に下がり、投資額も大きく減った旨。新規制は米中間の資金の流れの分断に拍車をかけそう。

各国・地域での製造強化の取り組み関連の動きが続いている。

インドでは、自国の製造強化に向けて輸入を制限する動きである。また新たな規制要因の出現である。

◇Apple, Samsung could be hit by India laptop and PC import restrictions (8月4日付け CNBC)
→*木曜3日に発表された政府の通達によると、インドに輸入する際にライセンスが必要となる電子機器の中には、ノートパソコンやタブレットが含まれている旨。
 *理論上、アップルやサムスンからHPに至るまで、こうした製品をインドに輸入するにはライセンスが必要となる旨。
 *金曜4日に、インドの情報技術大臣であるRajeev Chandrasekhar氏は、この動きは輸入への依存を減らし、これらの製品の国内製造を増やすためのものであると述べた旨。

◇India's import restrctions on computers and servers signal more measures to come globally (8月7日付け DIGITIMES)
→地域化が進み、保護主義が台頭する中、世界の主要経済国は安全保障を名目に電子機器や技術製品に輸出入制限措置を課すことを厭わなくなっており、インドはその最新の例である旨。
インド対外貿易総局は2023年通達23号および26号を発表し、HSNコード8471のPC製品に輸入制限を課し、発効日を8月3日から11月1日に延期するとしており、10月から11月上旬にかけての祝祭シーズンを混乱させないため、また、ノートPCやタブレット端末のベンダーが対応するための移行期間を確保するためである旨。

中国市場が大きな売上げ比率を占めるインテルは、中国でのビジネスに引き続き邁進と以下の通りである。

◇Intel expands in China despite sanctions―A new innovation center in Shenzhen is just the latest of several initiatives this year (8月4日付け Asia Times)
→インテルは、米国政府による中国半導体産業への制裁という制約の中で、中国でのビジネスを推進し続けている旨。2022年には売上高の27%を占める中国市場を手放すつもりはない旨。可能な限り冷静に、通常通り中国ビジネスを続けるという同社の決意を示すもの。

◇Intel executive emphasises importance of Chinese market in areas such as 5G and EVs: local media report (8月4日付け South China Morning Post)
→*インテル幹部は、車載エンターテインメント・システムや自律走行など、急速に発展する中国のEV産業はチャンスだと語った旨。
 *インテルのパトリック・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は先月、この3カ月で2度目となる中国訪問を控えめに終えた旨。

中国では、否定的な論評を控えるよう指示がある模様である。

◇Chinese economists told not to be negative as rebound falters (8月5日付け Financial Times)
→中国、エコノミストに否定的なコメントを避けるよう指示との報道。

TSMCについて、新竹でのグローバル研究開発センター新設である。

◇Recommitting to Taiwan, chipmaker TSMC eyes R&D lead―New Global Research and Development center in Hsinchu raises the bar in semiconductor technology development (8月7日付け Asia Times)
→半導体業界をリードするメーカーが、トップクラスの研究開発(R&D)機関にもなったことで、競争のハードルが上がり、ハイテク業界の様相が一変している旨。TSMCは7月28日、台湾の新竹に新しいグローバル研究開発センターを開設し、半導体ファウンドリー(受託製造)市場における優位性を強化するとともに、新たなコミットメントを表明した旨。

TSMCの欧州初進出、ドイツ工場が以下の通り決定されている。

◇Germany spends big to win $11 billion TSMC chip plant―TSMC investing $3.8B in Germany-based plant (8月8日付け Reuters)
→・TSMC、2027年開業予定の工場に35億ユーロを拠出
 ・ドイツ、ドレスデン工場に最大50億ユーロ拠出へ
 ・TSMC、アリゾナ工場に最大45億ドル拠出を承認
台湾の半導体メーカー、TSMCは火曜8日、欧州で初となるドイツ工場に35億ユーロ($3.8 billion)を拠出することを決定した旨。欧州大陸がサプライチェーンを圏内に近づけようとするなか、 $11 billio規模の工場に対する莫大な国家支援を活用する旨。

◇TSMC to build fab in Dresden, sources say (8月8日付け Taipei Times)
→台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC、台積電)の取締役会が、ドイツのドレスデン市での工場建設に賛成することを決定したと、昨日付のHandelsblatt紙が政府筋の話を引用して報じた旨。ドイツ政府は50億ユーロ($5.49 billion)を拠出し、工場建設を支援する旨。

◇TSMC to build joint-venture wafer fab in Dresden (8月9日付け Taipei Times)
→台湾積電股分有限公司(TSMC、台積電)は、ドイツのドレスデンに12インチウェーハ工場を建設し、主要顧客と提携して自動車用半導体を製造する計画であると、が昨日発表した旨。
新竹に本社を置く同社は声明で、合弁会社のEuropean Semiconductor Manufacturing Co(ESMC) GmbHはTSMCが70%、顧客のRobert Bosch GmbH、Infineon Technologies AGおよびNXP Semiconductors NVがそれぞれ10%を所有すると述べた旨。

◇TSMC、独に新工場;日米拠点に続き;欧州初、1.5兆円超で (8月9日付け 日経)
→半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は8日、欧州初となる工場をドイツに建設すると発表、総投資額は100億ユーロ(約1兆5700億円)以上で、2027年末の稼働を予定する旨。建設中の米国、日本に続く海外の生産拠点となる旨。

◇TSMC to Build Multi-Billion-Euro Chip Factory in Germany (8月10日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇Taiwan pitches deeper Europe engagement after TSMC Germany investment (8月10日付け Taipei Times)
→台湾の半導体メーカー、TSMCのドイツへの35億ユーロ($3.83 billion)の投資は、台湾とヨーロッパの間のより深い関与を促進すると、台湾の経済相は水曜9日に述べ、ベルリンが二国間の関係にとって肯定的な兆候であると述べた一方で、該取引の政治的利益を売り込んだ旨。

TSMCでは、最先端世代プロセスノードは台湾で製造、続く世代のプロセスノード品を海外で、という取り組みを受け止めている。関連する以下の内容である。

◇半導体、台湾依存なお;TSMC、先端品は分散進まず (8月9日付け 日経)
→半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が欧州初の半導体工場をドイツに建設することを決めた旨。米国・日本に続く海外への工場進出となり、拠点分散が進むが、競争力の鍵を握る先端半導体の開発・生産は引き続き台湾が中心となる旨。世界経済は依然、半導体生産を台湾に依存するリスクを抱えている旨。

◇TSMC global expansion to minimize risks, concerns―HOME TRUTHS: The move would help the firm better manage increasingly tight supply of talent, water and green power in Taiwan, a Taiwan Ratings report said (8月11日付け Taipei Times)
→台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC、台積電)の世界的な生産能力拡大は、資産集中リスクを最小限に抑え、地政学的緊張の中でのサプライチェーンの回復力に関する主要顧客の懸念を長期的に解消するのに役立つ、とTaiwan Ratings Corp(中華信評)が昨日のレポートで述べた旨。

米国・Texas Instruments(TI)が、フィリピンでの投資を発表している。

◇Texas Instruments plans up to $1 billion investment to expand Philippine facilities―Source: TI putting up to $1B in facilities in Philippines (8月10日付け Reuters)
→現地政府当局発。テキサス・インスツルメンツ(TI)が、フィリピンでの事業に$1 billionを投資する予定である旨。大統領広報室によると、該半導体メーカーはマニラ北部の拠点を拡張する予定の旨。

主導する米国、そしてそれぞれに自己完結を図る各国・地域の取り組み&動きに、引き続き注目するところである。


コロナ「5類」移行とはいえ、用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□8月7日(月)

中国経済の低迷が気懸かりななか、世界的な製造業不振があらわされている。

◇製造業、主要国7割で不振;需要不足「リーマン時」並み (日経 電子版 11:53)
→世界的にモノの需要が落ち込んでいる旨。製造業の景気指数をみると主要29カ国・地域の7割で、企業活動が「縮小」した旨。新型コロナウイルス禍の収束で消費の中心がモノからサービスに移行したことに加え、先進国中心とした金融引き締めの影響、中国の内需低迷が響く旨。需要不足で供給制約の解消を追い風にできていない旨。サービス業で経済全体を支えきれるかが焦点になる旨。

□8月8日(火)

追加利上げの動向や中国景気不安などの材料から上げ下げが見られた、今週の米国株式市場である。

◇NYダウ反発、407ドル高;一段の利上げ観測が後退 (日経 電子版 05:49)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前週末比407ドル51セント(1.2%)高の3万5473ドル13セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)高官が一段の利上げに慎重な見方を示し、相場の追い風になった旨。一部銘柄に業績を評価した買いが続いたのも投資家心理を支えた旨。

◇中国輸入7月12%減、5カ月連続;需要不足で素材落ち込み (日経 電子版 16:45)
→中国の輸入が低迷している旨。7月のドル建て輸入額は前年同月を12.4%下回った旨。5カ月連続のマイナスだが、国際価格の影響で振れやすい原油を除くと、2022年3月から減少傾向が続く旨。国内外の需要不足を受け、海外から素材などを調達する動きが滞っている旨。

□8月9日(水)

◇1分で読める海外市場(8日)NYダウ反落 (日経 電子版 07:01)
→ダウ工業株30種平均は反落。前日比158ドル64セント(0.4%)安の3万5314ドル49セントだった旨。一部米地銀の格下げを受けて米銀の経営懸念が再燃し、ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースなど大手銀も含めて幅広く金融株が売られた旨。7月の中国の貿易統計でドル建ての輸出と輸入が大幅に減少し、中国の景気不安も強く意識され、素材や資本財など景気敏感株が下落した旨。

中国の現状を端的に示す以下の内容である。

◇中国、7月消費者物価0.3%下落;2年5カ月ぶり (日経 電子版 12:40)
→中国国家統計局が9日発表した2023年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.3%下落した旨。2021年2月以来、2年5カ月ぶりに低下した旨。雇用などへの先行き不安に伴う消費の弱さから、自動車やスマートフォンなど耐久財が値下がりした旨。

□8月10日(木)

◇NYダウ続落、191ドル安;米消費者物価の伸びを警戒 (日経 電子版 05:48)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比191ドル13セント(0.5%)安の3万5123ドル36セントで終えた旨。あす10日朝の7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に、買い控えムードが広がった旨。主力のハイテク株を中心に売りが優勢となり、下げ幅は一時250ドルを超えた旨。

上記の中国との比較で眺める、以下の米国の消費者物価指数(CPI)である。

◇July CPI report shows inflation gauge rose 3.2%, less than expected (CNBC)
→*7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.2%上昇し、予想をやや下回った旨。コアCPIは4.7%で、これも予想を下回った旨。両指標とも前月比0.2%上昇した旨。
 *月次インフレ率の上昇のほぼ全ては、住居費によるもので、0.4%上昇し、前年同月比で7.7%上昇した。
 *インフレ調整後の実質賃金は前月比0.3%増、前年同月比1.1%増となった旨。
 *インフレ率は2022年半ばに記録した40年ぶりの高水準からはかなり下がったものの、連邦準備制度理事会(FRB)が望む2%の水準はまだかなり上回っている旨。

□8月11日(金)

◇世界の企業、半年ぶり減益;中国不振が素材・化学に波及 (日経 電子版 02:00)
→世界の企業業績が2四半期ぶりに減益となった旨。2023年4〜6月期の純利益は前年同期に比べ3%減った旨。中国経済の不振が世界に波及し素材や化学、電機が利益を減らした旨。一方で米巨大テック企業が復調し、全体の1割を占める規模になった旨。欧米の利上げで銀行など金融も利益を伸ばし下支えしている旨。中国の停滞が続けば、今年後半にかけて企業業績が一段と伸び悩む可能性もある旨。

◇NYダウ反発、52ドル高;FRB追加利上げへの警戒和らぐ (日経 電子版 07:42)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶり反発し、前日比52ドル79セント(0.2%)高の3万5176ドル15セントで終えた旨。朝発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が市場予想を下回った旨。米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げへの警戒が和らぎ、株買いを誘った旨。ダウ平均の上昇幅は一時450ドルを超えたが、午後に上げ幅を縮めた旨。

◇米消費者物価、7月3.2%上昇;13カ月ぶり伸び加速 (日経 電子版 07:48)
→米労働省が10日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が3.2%となり、13カ月ぶりに加速した旨。3.3%の市場予想は下回った旨。物価の鈍化ペースは緩やかになっており、米連邦準備理事会(FRB)は利上げの終結時期を慎重に見定める旨。

□8月12日(土)

◇NYダウ続伸、105ドル高;製薬や石油株に買い (日経 電子版 05:49)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比105ドル25セント(0.3%)高の3万5281ドル40セントで終えた旨。ディフェンシブ株や石油株を中心に買いが入り、ダウ平均を支えた旨。一方、11日朝発表の7月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を上回った旨。米国のインフレ圧力が根強く、米金融引き締めが長引くとの懸念につながった旨。米長期金利が上昇し、ハイテク株には売りが出て、相場の重荷となった旨。


≪市場実態PickUp≫

【ArmのIPO関連】

来月米国での上場を予定していると言われるソフトバンクグループの英国・Armであるが、巨大ITやシリコンバレー大手など、出資に向けた動きはじめ、関連する内容が以下の通りである。

◇The AI Frenzy Resurrects the Old SoftBank―SoftBank taps AI to pull back from losses ―The tech downturn didn’t chasten SoftBank for long. Signs of overexuberance are already reappearing along with the new bull market. (8月8日付け The Wall Street Journal)
→ソフトバンクは、前四半期の新興企業や既存企業への$1.8 billionの投資と人工知能(AI)への注力を強調し、一連の赤字から立ち直りつつあると述べた旨。ソフトバンクは3四半期連続の純損失を計上したが、ソフトバンクの孫正義CEOは、AIへの関心が高まっていることから、2016年に買収した半導体設計企業、アームの評価引き上げを検討していると述べた旨。

◇Reports: Arm lines up Amazon, Apple, Nvidia, others as investors as it prepares to go public (8月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*North San Joseに米国本社を構えるアーム社は、株式公開時にシリコンバレーの大手企業が投資家として参加する見込み。
 *アーム社は、今年9月の半導体設計の同社の株式公開に先立ち、多数の著名なテクノロジー企業を投資家候補としてリストアップしている旨。

◇Exclusive: Amazon in talks to become anchor investor in Arm ahead of IPO―Are tech heavyweights lining up to invest in the Arm IPO? (8月8日付け Reuters)
→アップル、サムスン、インテルおよびNvidiaが、来月上場を予定しているソフトバンクグループのArm部門への出資を準備していると報じられている旨。Amazon Web Servicesの処理半導体、GravitonにArmの半導体設計を採用しているAmazonも、基本出資者になる方向で交渉していると情報筋は述べている旨。

◇Apple and Samsung line up to invest in Arm―The chip design maker plans on selling stakes to some of its biggest customers. (8月8日付け The Verge)

◇Apple, Samsung to invest in Arm as it eyes September IPO―SoftBank chip design unit to debut on Nasdaq, market cap seen topping $60bn (Nikkei Asian Review (Japan) (8月8日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇英アーム、来月米上場;アップル・サムスン出資へ;時価総額8.6兆円、今年世界最大 (8月9日付け 日経)
→ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームは9月に米ナスダック市場に上場する方針を固めた旨。上場と同時に米アップルや韓国サムスン電子など複数の事業会社がアームに出資する旨。上場時の時価総額は$60 billion(約8兆6000億円)超になる見込みで、2023年で世界最大の新規株式公開(IPO)案件になりそう。


【最先端プロセスノード品関連】

3-nm半導体について、AppleとTSMCの間のビジネス契約に注目している。

◇Report: Apple buys every 3 nm chip that TSMC can make for next-gen iPhones and Macs―TSMC is said to eat the cost of defective chips so it can keep Apple's business. (8月8日付け Ars Technica)
→アップルがMac向けのM3シリーズ・プロセッサーや一部の次世代iPhone向けのA17 Bionicを含む次世代半導体に、台湾セミコンダクター(TSMC)の新しい3nm製造プロセスを採用することは、数ヶ月前から噂されている旨。しかし、The Informationの新たな報道は、アップルがコストを抑えるために確保した有利な条件の一部を明らかにしている旨。すなわち、アップルは数十億ドル相当の巨額の半導体を発注し、その見返りとしてTSMCは不良プロセッサーのダイのコストを負担する旨。

Samsungの3-nm、そして注目のTSMCの2-nmについての現時点である。

◇Samsung secures 3nm GAA new orders amid persisting foundry revenue challenges (8月8日付け DIGITIMES)
→Business Koreaによると、サムスン電子のシステムLSI部門を含むファウンドリーが、2023年上半期に最大1兆ウォン(約$780 million)の損失を計上する可能性があるとの噂がある旨。このような噂があるにもかかわらず、サムスン電子のトップは2Q23の決算会見で、この問題に直接言及しなかった旨。異例のことだが、サムスンは現在、粗利益率で大きな課題に直面していることを率直に認めた旨。とはいえ、同社はゲート・オール・アラウンド(GAA)トランジスタ・アーキテクチャを採用した3nm半導体の第3弾の製造を開始した旨。

◇TSMC's planned Kaohsiung plant to produce advanced 2nm chips (8月8日付け Focus Taiwan)
→台湾積体電路製造股分有限公司(TSMC)は火曜8日、高雄に建設中の新工場が2025年までに先進的な2ナノメートル半導体の量産に使用されると発表した旨。

◇TSMC、次世代半導体の戦略;生成AI対応など要点5つ (8月9日付け 日経産業)
→台湾積体電路製造(TSMC)は6月30日、報道機関向けに横浜市で開催した技術説明会で半導体技術のロードマップや注力分野を説明した旨。目玉は、2025年に量産予定の2ナノメートル世代プロセス半導体や、生成AI(人工知能)に対応したパッケージング技術などである旨。
 (1)2ナノメートル世代で消費電力3割削減
 (2)Wi―Fi 7向けのRF半導体技術を開発
 (3)生成AIに3次元実装で対応
 (4)3ナノメートル世代の車載半導体を早期開発へ
 (5)日本の45大学と連携し、人材育成を支援

◇TSMC、新設工場で先端品;「2ナノ」半導体、台湾2拠点に (8月10日付け 日経)
→半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、台湾南部・高雄市に建設中の新工場で次世代半導体「2ナノ品」を生産する旨。現在、北部・新竹県で2025年の量産を予定しており、2カ所目の生産拠点となる旨。人工知能(AI)の普及などで需要拡大が期待される最先端半導体は、台湾での集中生産が続く旨。


【321層NAND】

超高層ビルの高さを競う様相を感じるが、NANDフラッシュの層数がなんと321。世界初のSK hynixによる開発であり、折しも開催のFlash Memory Summit(8月8−10日:Santa Clara)にて披露されている。

◇SK hynix Showcases Samples of World’s First 321-Layer NAND (8月9日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SK hynix社は本日、321層4D NANDのサンプルを展示し、業界初の300層以上のNAND開発の進捗状況を公開した旨。
同社は、8月8日から10日までサンタクララで開催されるフラッシュメモリサミット(FMS)2023で、321層1Tb TLC 4D NANDフラッシュの開発進捗に関するプレゼンテーションを行い、サンプルを展示した旨。

◇SK hynix unveils world’s first 321-layer NAND―With mass production set to start in 2025, Korean chip giant vows to solidify NAND leadership (8月9日付け The Korea Herald)

◇SK hynix begins mass production of world's first 321-layered NAND chips―SK Hynix eyes mass production of 321-layer NAND chip (8月9日付け JoongAng Daily (South Korea))
→SKハイニックスは、世界初と言われる321層NANDフラッシュメモリ半導体の量産開始を2025年に見据えている旨。同社は、今週カリフォルニアで開催されたFlash Memory Summitで、1テラバイトの容量を持つこの半導体をサンプル展示した旨。

◇SKハイニックス、先端メモリー開発;NAND型で321層 (8月10日付け 日経)
→韓国半導体大手のSKハイニックスは9日、データ保存に使うメモリー製品のNAND型フラッシュメモリーで世界最先端となる321層の新製品を開発中だと発表、同社は2023年に238層の量産を始めており、次世代品は2025年上半期に量産する旨。


【半導体設計活動関連】

韓国・LG Electronicsでの設計の取り組みの拡大の一方、対照的に中国での閉鎖の動き、と以下注目させられている。

◇LG Electronics expands chip design for home appliances, EVs―LG recruiting talent to boost chip development, sources say (8月8日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→LG Electronicsは、家電と自動車に焦点を当てた半導体製造と社内設計の取り組みを拡大するため、人材を集めようとしていると情報筋が伝えた旨。LGはシステム・オン・チップ(SoC)用のチップレットの開発を目指している旨。

◇Car giant Geely’s new smartphone venture closes chip unit, underscoring difficulties in China’s self-sufficiency drive (8月9日付け South China Morning Post)
→*中国メディアによると、自動車メーカーの吉利汽車(Geely)が3月に設立した興記美図集団(Xingji Meizu Group)は、半導体研究チームを閉鎖する旨。
 *中国のスマートフォン大手、Oppoが5月に半導体設計子会社のZekuを解散してからわずか数カ月後のことである旨。


【東芝関連】

投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中心とした国内連合の傘下で再生を図る東芝であるが、TOB(株式公開買い付け)の動き、今後に向けた視点が以下あらわされている。

◇Toshiba says tender offer to take it private will launch on Tuesday―Toshiba to launch $14B tender offer this week (8月7日付け Reuters)

◇東芝、国内連合が8日からTOB;約2兆円で非公開化 (8月7日付け 日経 電子版 15:13)
→東芝は7日、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)など国内連合が8日から東芝へのTOB(株式公開買い付け)を始めると発表、TOB価格は4620円で全株取得を目指す旨。成立すれば年内にも上場廃止となり、74年間の上場の歴史に幕を閉じる旨。

◇東芝、TOB開始;ファンド傘下の再生に難しさ (8月8日付け 日経 電子版 07:14)
→東芝は投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中心とした国内連合の傘下で再成長を目指すことになった旨。投資ファンドによる買収は、買収にかかった資金を結果として買収先企業が負うことも多い旨。ファンドと経営陣が二人三脚で現場の稼ぐ力を引き出せるかが成功のカギとなる旨。


【中国市場関連】

中国の半導体業界関連、いろいろな切り口の現況である。IC輸入量の減少は気になるところ、制裁を受ける中での自立化の取り組みに注目している。

◇Shares of China’s second largest chip foundry Hua Hong jump 13% in Shanghai debut (8月7日付け CNBC)
→*Hua Hong(華虹)は、Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)に次ぐ中国第2位のチップファウンドリー。
 *今回の上場は、ワシントンが北京を先端半導体技術から切り離そうとする中、中国が自立を模索する中、中国企業各社が先端半導体技術を強化するための資金調達を目指す中で実現した旨。
 *華虹は2014年に初めて香港に上場した旨。その香港上場株は月曜7日に7.4%急落した旨。

◇China’s chip imports fall 17 per cent by volume in first seven months amid ongoing tech war (8月8日付け South China Morning Post)
→*このIC輸入量の減少は、上半期の輸入量の前年同期比18.5%減との比較。
 *中国、7月単月のIC輸入量は前月比2.6%増の424億個。

◇China's internet giants order $5 bln of Nvidia chips to power AI ambitions -FT―Nvidia gets $5B in AI chips orders from China, report says (8月9日付け Reuters)
→中国のByteDance、Tencent、BaiduおよびAlibabaは、NvidiaにA800プロセッサを今年分として$1 billion、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPUs)を来年分として$4 billion発注した、とFinancial Timesが報じている旨。同報道によれば、これらの半導体はジェネレーティブAIシステム向けのものの旨。

◇China’s chip-making tool industry unites behind self-sufficiency drive but huge challenges remain (8月9日付け South China Morning Post)
→*中国半導体製造装置年次総会2023に数百社の半導体製造装置メーカーが参加
 *米国の厳しい貿易制裁がもたらすギャップを埋めようと、中国の半導体製造装置メーカーと部品メーカーが立ち上がった旨。


【HBM(High-bandwidth memory)】

特にNvidiaのAI半導体が大きな引き金と映るが、HBMによるメモリ市場の熱い高まりを感じるところがある。今後の推移に注目である。

◇NVIDIA Unveils Updated GH200 'Grace Hopper' Superchip with HBM3e Memory, Shipping in Q2' 2024―Nvidia's updated Grace Hopper GPU is first with HBM3e (8月8日付け AnandTech)
→Nvidiaは、HBM3eメモリを提供する初のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)半導体である最新のGH200 Grace Hopperスーパーチップを発表した旨。同社はまた、ジェネレーティブAI用のRTXワークステーション半導体も発表している旨。

◇Nvidia launches RTX workstations chips for content creation in the generative AI era (8月8日付け VentureBeat)

◇AI Boom Sees Memory Makers Ramp Up HBM Memory Production: Report―Report: High-bandwidth memory production seeing a boost from AI demand ―Additional HBM production capacities will only come online in Q2 2024. (8月9日付け Tom's Hardware)
→TrendForceによると、クラウドサービスプロバイダー(CSP)やNvidiaなど人工知能(AI)やハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けプロセッサの開発者からの注文が急増しているため、メモリメーカーは広帯域メモリ(HBM)の生産能力を増強している旨。同市場調査会社は、HBMの年間ビット出荷量は2024年までに105%成長すると予測している旨。

◇Nvidia’s new AI chip to offer boon for Korean chip giants’ HBM business―Samsung, SK hynix dominate nascent but promising advanced memory chip market (8月10日付け The Korea Herald)
→世界初のHBM3eプロセッサーを利用したNvidiaの最新AI半導体は、まだ初期段階のHigh Bandwidth Memory(HBM)市場を席巻している2社、SK hynixとサムスン電子の成長を後押しすると期待されている。
米国に本社を置くGPUの大手メーカーであるNvidiaは、コンピューターグラフィックスに関する年次イベントである今年のSIGGRAPHカンファレンス(8月6−10日:Los Angeles)で、火曜8日に次世代NVIDIA GH200 Grace Hopperプラットフォームを発表した旨。

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