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ダボス会議より今後の見方関連:米国の対中国輸出規制の引き続く波紋

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜20日夕方時点、世界全体で6億6825万人に達し、7日前から約213万人増と、前週比114万人減である。春節を迎える中国では、入国時にコロナ陰性証明を義務づけて強化の一方、我が国では新型コロナの扱いを季節性インフルエンザと同じ「5類」へ今春に移す動きである。世界経済フォーラム(World Economic Forum、WEF)のスイスのダボスで開催される年次総会、「ダボス会議」が開催され、非常に激動の世界情勢の中、いろいろな切り口で現状&今後の見方があらわされ、半導体が主要テーマの1つと受け止めている。昨年秋の米国の中国に対する半導体輸出規制への米国同盟国の対応を巡って、揺れ動く状況が見られている。

≪地政学&地経学リスク横溢≫

「ダボス会議」関連の記事より、まずは、世界の最高経営責任者を対象の調査結果から、この1年の景気の見方である。ここ10年でもっとも悲観的としている。

◇世界のCEO「今後1年で景気鈍化」7割;PwC調査 (1月17日付け 日経 電子版 05:48)
→スイス東部のダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の記者会見にて、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が16日、世界の最高経営責任者(CEO)を対象(世界105カ国の4410人)とした経営に関する調査結果を発表。ここのところの物価上昇や地政学リスクの高まりを反映し、回答者の8割近くが景気改善を予測した過去2回の調査から一転、73%が今後1年で景気が鈍化すると答え、ここ10年でもっとも悲観的な結果となった旨。

現下の世界情勢の下での「地経学的な断片化」の懸念があらわされている。

◇In Davos, Leaders Fret Over Fragmenting Global Economy‐Business leaders worried about economic fragmentation ‐Officials warn of threat to business and the challenges of regulatory compliance as global powers diverge on trade, industrial policy      (1月18日付け The Wall Street Journal)
→世界経済フォーラムの年次総会に出席したビジネスリーダーは、米国と中国のデカップリング、ロシアとウクライナの戦争によって引き起こされたエネルギー危機および電気自動車補助金をめぐる米国とヨーロッパの間の緊張などの展開を挙げて、世界経済の断片化についてますます懸念していると述べている旨。国際通貨基金(IMF)第一副専務理事のGita Gopinath氏は、「地経学的な断片化を非常に懸念している」と述べた旨。リーダーとの会話で「これはよく出てくること」と同氏。

半導体関連で、インテルのCEO、Pat Gelsinger氏が、半導体サプライチェーンの今後半世紀にわたる重みをあらわしている。

◇Intel CEO: Chip supply chains will shape geopolitics more than oil over the next 50 years‐Intel CEO sees microchips as a crucial commodity (1月17日付け CNN)
→インテルのCEO、Pat Gelsinger氏が、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでインタビューを受け、サプライ チェーンに弾力回復性を構築することの重要性と、半導体が果たす重要な役割について説明した旨。「テクノロジーのサプライチェーンがどこにあり、どこで半導体が作られているかは、今後50年間、"石油埋蔵の場所よりも"重要である。」と、地政学に関して述べるGelsinger氏。

グローバルな半導体の不足は解消していくと、以下の見方である。

◇The worst is over for the global chip shortage, ABB chairman says: ‘I'm quite optimistic’‐ABB chairman asserts that IC shortages are easing (1月17日付け CNBC)
→ABBの会長、Peter Voser氏が、世界経済フォーラムにてCNBCに対し、昨年はmicrochipの不足が一般的であったと語り、「しかし、今日を見れば、それは解決されつつあると思う」と付け加えた旨。Voser氏は、将来を見据えて非常に楽観的であり、中国での予想以上の成長を予測している旨。

以下に示す米国の中国に対する半導体輸出規制が懸案の1つ、米国財務長官と中国副首相の会談が、「ダボス会議」の機会を捉えて行われている。

◇US's Yellen and China's Liu seek to ease concerns over economic tensions‐Yellen, Liu agree to continue talks after candid meeting (1月18日付け Financial Times)
→Janet Yellen米財務長官と中国のLiu He(劉鶴)副首相は水曜18日、チューリッヒで3時間にわたって会談した旨。双方はこの会談を率直なものと呼び、中国は今年のYellen氏の訪問の可能性を歓迎している旨。財務省によると、双方は「世界経済が機能するためには、マクロ経済および金融問題に関するコミュニケーションをさらに強化することが重要である」ことで一致した旨。

◇イエレン米財務長官、中国副首相と会談;対立緩和探る (1月18日付け 日経 電子版 18:30)
→イエレン米財務長官と中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は18日、スイスのチューリヒで会談、バイデン米政権の発足以降、対面では初となる旨。先端半導体の輸出規制など貿易政策を巡って対立が続くなか、新たな関係構築に向けた糸口を探る旨。

中国では、以下に示すようにGDP低落、そして61年ぶりの人口減少の報道が並行するタイミングで行われているが、中国副首相は正常回復に向かうと会議でのプレゼンである。

◇中国経済に回復期待、副首相「2023年正常化」;ダボス会議 1月18日付け 日経 電子版 17:25)
→スイス東部のダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、中国経済の回復に期待する声が出ている旨。中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は17日、2023年の経済成長率が正常なレベルに戻ると自信を示した旨。

次の通り、先行きに楽観論が広がる、という今回の会議での見方があらわされている。望ましい方向に向かうかどうか、今後の推移に目が離せないところである。

◇[FT]ダボス会議、世界経済の先行きに楽観論広がる (1月18日付け 日経 電子版 17:40)
→各国の政財界のリーダーが世界経済について楽観的な見方を示している旨。中国が新型コロナウイルス規制を撤廃し、米国がグリーン投資に乗り出す一方、西欧諸国がロシアのウクライナ侵攻の衝撃に慣れてきたことが背景にある旨。

今回の会議ではないが、米中の狭間の台湾について、米国政府元高官の注目すべき発言である。

◇‘Silicon shield’ not enough: expert‐NO SUCH THING: Lecturers and public officials in China have suggested that Taiwan's chip dominance was even more reason to invade, a former US official said (1月18日付け Taipei Times)
→Matt Pottinger元米国国家安全保障副補佐官が昨日、台湾の"シリコンシールド"は中国の侵略を阻止できないと述べた旨。
同氏は、台北での電話会議で、北京が台湾への本格的な侵略を開始できるようになる可能性のあるタイムラインについて尋ねられたときに、この発言をした旨。

次に、米国の中国に対する半導体輸出規制について、関係同盟国の対応如何の件に移るが、「ダボス会議」でもこの件がパネル討議にあらわれていて、オランダの外務大臣の保護主義に反対するコメントである。

◇Dutch minister says she will fight for open trade in Davos chip panel discussion, as US pressure rises on export controls to China (1月19日付け South China Morning Post)
→*ワシントンは、中国への輸出をさらに制限するよう、世界の半導体サプライチェーンの国々に圧力をかけている旨。
 *オランダのLiesje Schreinemacher外務大臣は、WEFのパネルディスカッションで自由貿易のために戦い、保護主義を阻止すると述べた旨。

米国が、我が国そしてオランダなど同盟国に本輸出規制への対応を求めているとされているが、いまだにこの関係の記事が以下の通り続いている。

◇US talks with Japan, the Netherlands about chip-tool curbs on China to yield no immediate results (1月13日付け South China Morning Post)
→*バイデン政権は10月に一連の抜本的な輸出規制を発表したが、主要な同盟国に同様の制限を設けるようまだ説得していない旨。
 *米国のジョー・バイデン大統領は、日本の岸田文夫首相とオランダのマルク・ルッテ首相と半導体装置の制限について話し合う予定の旨。

中国側からは、当然ながら米国を非難するコメントである。

◇Chip war burns and churns as Biden presses Kishida‐Chinese media blasts Biden's bid to recruit Japan and Netherlands to chip ban while China chip makers claim to be making self-sufficiency progress (1月14日付け Asia Times)
→ワシントンが日本とオランダに、中国に課せられた半導体輸出規制に参加するよう説得しようとしている中、中国政府は米国を"利己的"と呼んでいる旨。
「米国は、覇権と利己的な利益を永続させるために、輸出規制を繰り返し乱用し、技術と貿易の問題を武器として利用して同盟国に経済的強制力を行使してきている。」と中国外務省の王文彬(Wang Wenbin)報道官。

オランダ政府関係者のコメントが以下の通り続いているが、ビジネスとなると複雑な反応になるのは当然である。

◇Dutch trade minister: won't summarily agree to U.S. rules on China exports‐Netherlands still weighing support US export controls for China (1月16日付け Reuters)
→オランダの貿易担当高官が、オランダは半導体製造技術の中国への輸出に関する米国の新たな規制を直ちに受け入れるつもりはないと述べ、欧州やアジアの同盟国と協議している旨。

◇Dutch PM Rutte denies US pressure over chip exportsAs world moves to hobble China's semiconductor business. (1月16日付け IT News)
→オランダのMark Rutte首相は、オランダは、中国への半導体技術の輸出をさらに制限する新しい米国の規則を採用するよう、ワシントンから圧力を受けているとは感じていないと述べた旨。

◇Netherlands won’t summarily agree to US export restrictions on China, trade minister says, despite ‘justified worries’ (1月17日付け South China Morning Post)
→*10月に導入された新しい米国の輸出規則は"競争の場を変える"と、オランダの貿易大臣、Liesje Schreinemacher氏が述べた旨。
 *オランダ政府は、2019年以来、ASMLが最先端の半導体製造装置を中国に出荷することを許可していないが、旧い装置は販売した旨。

本規制に対する中国での取り上げ、そして今後に向けた対応である。

◇Biden administration imposes China chip curbs on Macau (1月18日付け South China Morning Post)
→*米国は10月、中国の軍事近代化を妨害し、人権侵害を罰するために北京に半導体輸出制限を課した旨。
 *最新の動きは、そのような技術がマカオから中国の他の地域に転用されるリスクを強調している旨。

◇米規制で打撃の中国、パワー半導体に「驚きの投資増」 (1月18日付け 日経 電子版 02:00)
→中国に対する米国の半導体輸出規制が厳しさを増している。ロジックやメモリーといった主要技術の成長にストップがかかりそうだ。足元ではパワー半導体など、先端技術を必要としない領域への投資が拡大する。
・・・・・

米国とオランダは本規制についてまだ合意していない現時点があらわされている。

◇US keeps chipping away at Dutch resistance on China‐Export ban discussions get down to questions like: When is a ‘rescue operation’ or a ‘military use’ of technology? (1月19日付け Asia Times)
→米国とオランダ両国の首脳が火曜17日にワシントンで会談したが、両国は、中国への輸出に関する新たな制限についてまだ合意に達していない旨。

本規制対応については、引き続き推移に注目である。


コロナ対応の完全には収まりきらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□1月16日(月)

春節を迎える中国が、同国入国時の水際対策厳格化である。

◇中国、コロナ陰性証明書の携帯義務付け;入国時に紙で (日経 電子版 10:57)
→日本や米国などにある複数の中国大使館は15日、中国入国時に求めている新型コロナウイルスに対するPCR検査の陰性証明書について、電子版ではなく紙に印刷して携帯することを17日から義務づけると発表、2022年12月27日の通知では「報告書のフォーマットは指定しない」としていた旨。入国時の水際対策を厳格にした形。

□1月17日(火)

中国のGDP成長率が昨年3.0%で目標「5.5%前後」に対し大幅未達、そして総人口が昨年末時点で61年ぶりの減少、と大きな節目のはじまりを感じるところである。我が国の1980年代終わりから1990年代はじめを振り返っている。

◇中国、実質2.9%成長に失速;10〜12月コロナで混乱‐通年は3.0%;目標未達 (日経 電子版 11:32)
→中国国家統計局が17日発表した2022年10〜12月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比2.9%増え、7〜9月の3.9%増から減速した旨。新型コロナウイルスの封じ込めを狙った「ゼロコロナ」規制が経済活動の足かせとなり、12月の緩和後は感染の急拡大で消費などが冷え込んだ旨。同時に発表した2022年通年の実質成長率は3.0%で、政府目標の「5.5%前後」を大幅に下回った旨。

◇中国総人口、2022年末61年ぶり減少;止まらぬ出生減 (日経 電子版 12:09)
→中国国家統計局が17日発表した2022年末の総人口は14億1175万人で、2021年末から85万人減った旨。61年ぶりに減少した旨。2022年の出生数は106万人減の956万人となり、2年連続で1949年の建国以来の最少を記録した旨。政府は産児制限を事実上廃止したが少子化に歯止めがかからない旨。

◇中国が人口減;働き手10年で9%減、老いる世界牽引役 (日経 電子版 16:12)
→中国が人口減少時代に入った旨。2022年末の人口は61年ぶりに前年末を下回り、世界最大の人口大国をインドに譲ったもよう。産児制限のツケで少子高齢化が止まらず、2023年からの10年間で生産年齢人口は約9%減る旨。働き手の減少が足かせとなり、世界経済を牽引してきた中国の成長にブレーキがかかる旨。

◇China's population falls in historic shift‐Chinese GDP growth lowest in decades; population shrinks (Financial Times)
→中国経済は昨年3%成長し、2021年の8.1%から低下、1976年以来最も鈍い成長を記録した旨。中国・国立統計局によると、人口は昨年、60年ぶりに85万人減少した旨。

□1月18日(水)

月曜は休日の米国、景気減速への警戒およびインフレ鈍化の間で上げ下げした今週の米国株式市場である。

◇NYダウ反落、391ドル安;ゴールドマンの下げ響く (日経 電子版 07:16)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前営業日の13日に比べ391ドル76セント(1.1%)安の3万3910ドル85セントで終えた旨。朝方に市場予想を下回る決算を発表した金融のゴールドマン・サックスが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった旨。景気敏感株を中心に売りが波及した旨。

インバウンドの回帰、中国の状況もあって、コロナ前の半分を少し越えた結果となっている。

◇訪日客100万人超す;2022年12月、コロナ前比54%に回復 (日経 電子版 17:15)
→新型コロナウイルスの水際対策が2022年10月に本格緩和され、インバウンド(訪日外国人)の回復が鮮明になってきた旨。2022年12月の訪日客数は137万人で、コロナ前の2019年同月の54%に戻った旨。2022年通年では約383万人で2019年の12%とはいえ前年の約16倍。中国人客の動向など不透明要素はあるが、ホテルや百貨店などは関連消費が活気づいている旨。

◇NYダウ反発で始まる;インフレ鈍化が支え (日経 電子版 23:56)
→18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比34ドル42セント高の3万3945ドル27セントで推移している旨。朝方発表の2022年12月の米卸売物価指数(PPI)がインフレ鈍化を示した旨。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを落とすとの観測を強め、株買いが先行した旨。ただ、本格化する米企業決算の発表を見極めたい雰囲気も強く、上値は重い旨。

□1月19日(木)

台湾の2022年10〜12月期のGDPが、半導体需要の失速を反映、マイナス成長に転じている。

◇台湾GDP、0.86%減 10〜12月;7年ぶりマイナス (日経)
→台湾の行政院(内閣)が18日発表した2022年10〜12月期の実質域内総生産(GDP)速報値は、前年同期比0.86%減。マイナス成長は2016年1〜3月期以来、約7年ぶりとなる旨。中国経済の減速や、輸出の約4割を占める半導体の需要減退で、輸出が大きく減少したことが響いた旨。

我が国の昨年の貿易赤字が最高を記録、円安と資源高、そして物価大幅上昇の現在に立ち至っている。

◇貿易赤字最大の19.9兆円;2022年、円安と資源高響く (日経 電子版 11:15)
→財務省が19日発表した2022年の貿易統計速報。輸出額から輸入額を引いた貿易収支は19兆9713億円の赤字、比較可能な1979年以降で最大の赤字となった旨。円安と資源高で輸入額が大幅に増えた旨。

□1月20日(金)

◇NYダウ続落、252ドル安;利上げによる景気減速を警戒 (日経 電子版 06:38)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比252ドル40セント(0.8%)安の3万3044ドル56セントで終えた旨。19日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想に反して減少し、労働市場の強さを示した旨。米景気の減速感が強まるなかでも、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが続くとの警戒感から売りが出た旨。

□1月21日(土)

◇NYダウ反発、330ドル高;ハイテク株に買い広がる (日経 電子版 06:22)
→20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比330ドル93セント(1.0%)高の3万3375ドル49セントで終えた旨。前日夕に2022年10〜12月期決算を発表した動画配信のネットフリックスが急伸。ハイテク株全般への買いに波及し、相場上昇を牽引した旨。


≪市場実態PickUp≫

【2022年半導体販売高&ランキング】

Gartnerからの恒例の速報データが以下の通りである。2022年販売高は、2021年から1.1%増、年間最高を更新する結果である。ベンダーランキングでは、1位のSamsung、2位のインテルは変わらず。メモリ半導体後半急落でSamsungは前年比落としたが、インテルはさらに大きく落とす結果となっている。

◇Gartner Says Worldwide Semiconductor Revenue Grew 1.1% in 2022‐Memory Market Was Worst-Performing Segment, Declining 10% With Continued Challenges in 2023 (1月17日付け Gartner)

◇Gartner Says Worldwide Semiconductor Revenue Grew 1.1% in 2022 (1月18日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Gartner社の暫定速報。2022年の世界の半導体売上高は1.1%増加し、2021年の$595 billionから総計$601.7 billionに増加した旨。上位25社の半導体ベンダーを合わせた売上高は、2022年に2.8%増加し、該市場全体の77.5%を占めた旨。
※2022年世界半導体売上げトップ10ベンダー(金額:USM$)

2022
2021
ベンダー
2022
2022
2021
2021-2022
順位
順位
売上
シェア(%)
売上
伸び率(%)
1
1
Samsung Electronics
65,585
10.9
73,197
-10.4
2
2
Intel
58,373
9.7
72,536
-19.5
3
3
SK Hynix
36,229
6.0
37,192
-2.6
4
5
Qualcomm
34,748
5.8
27,093
28.3
5
4
Micron Technologies
27,566
4.6
28,624
-3.7
6
6
Broadcom
23,811
4.0
18,793
26.7
7
10
AMD
23,285
3.9
16,299
42.9
8
8
Texas Instruments
18,812
3.1
17,272
8.9
9
7
MediaTek
18,233
3.0
17,617
3.5
10
11
Apple
17,551
2.9
14,580
20.4
Others (outside top 10)
277,501
46.1
271,749
2.1
Total Market
601,694
100.0
594,952
1.1

 [Source: Gartner (January 2023)]

2022年のメモリの売上げは10%減、一方、ノンメモリは5%増。ノンメモリはカテゴリーで大きく変わり、次の通り。
 アナログ    19%増
 ディスクリート 15%増


【アップル関連】

次世代のAppleシリコンを内蔵、驚異的なパワーを発揮するという、アップルの新しいパソコン、MacBook ProおよびMac miniが、以下の通り発表されている。新たな半導体、「M2 Pro」および「M2 Max」に注目である。

◇Apple announces new Mac mini, MacBook Pro with M2 Pro and M2 Max chips‐Apple chips power latest MacBook Pros, Mac mini (1月17日付け CNBC)
→Appleが、M2 ProまたはM2 Maxプロセッサを搭載した最新の MacBook ProラップトップとMac miniの幕を開けて中を見せた旨。すでに予約注文が可能な該機器は、1月24日から完全に入手可能になる旨。

◇新型「MacBook Pro」;半導体改良で22時間駆動;アップルが2機種発売へ (1月19日付け 日経)
→米アップルは17日、映像編集や音楽制作向けのノートパソコン「MacBook Pro」シリーズの新製品2機種を24日に発売すると発表、新たに設計した省電力・高性能の半導体「M2 Pro」や「M2 Max」を搭載する旨。上位機種についてはバッテリー駆動時間を同社製パソコンで最も長い22時間に延ばした旨。

2022年第四四半期スマホ市場でのアップルが、以下の通りである。

◇Apple tops fourth-quarter smartphone vendor rankings as 2022 global shipments fall 11 per cent on continued weak consumer demand (1月18日付け South China Morning Post)
→*アップルは中国でのiPhoneサプライ チェーンの混乱を克服し、過去最高の四半期のグローバル スマートフォン市場シェア、25%を達成した旨。
 *Samsungは第四四半期にAppleに遅れをとったが、昨年の全体的な出荷台数では22%のシェアでスマートフォン業界をリードした旨。


【TSMC関連】

TSMCの本年の設備投資縮小について、次の通り。

◇TSMC lowers capital spending budget‐‘SLIGHT GROWTH YEAR’: The chipmaker said it would outperform its peers, even though revenue would drop in the first half before demand is expected to pick up (1月13日付け Taipei Times)
→TSMCが昨日、データセンター、PCsおよびスマートフォン向けの半導体需要が落ち込む中。在庫調整が今年前半に延びる見込みから、今年の設備投資を10%縮小する旨。

熊本県知事のTSMC訪問である。

◇Japanese official makes ‘courtesy call’ to TSMC‐KUMAMOTO GOVERNOR: The visit came as the firm is building a fab in the prefecture and just after its CEO said a second fab in Japan might follow (1月14日付け Taipei Times)
→世界最大の契約チップメーカー、台湾積電電路(TSMC、台積電)が昨日、熊本県の樺島郁夫知事が木曜12日に新竹科學園區にある本社を"表敬訪問"したことを確認した旨。

TSMCの台湾および海外での生産比率の展望であるが、半導体サプライチェーンの確立に要する時間が暗示されている。

◇Why does TSMC's sub-28nm overseas expansion follow a five-year timetable? (1月16日付け DIGITIMES)
→TSMCは、28nm以下の生産能力に関して、5年以内に海外と台湾の生産能力の比率がそれぞれ20%と80%になると決算発表で述べている旨。いわゆる"海外生産能力"をどのように配分すべきか。そして、なぜ5年なのか?
率直に言って、合理的な時間枠内で米国内に完全な半導体サプライ チェーンを確立することはほとんど不可能。より現実的な解決策は、同盟国とパートナー国を団結させること。これが、米国、韓国、日本、台湾からなる「チップ 4」同盟の起源を説明している旨。

TSMCの当面の5-nmライン稼働率の見方があらわされ、厳しい状況である。

◇TSMC may see 5nm capacity utilization drop below 70% in 2Q23‐Report: TSMC's 5nm process capacity may fall under 70% (1月19日付け DIGITIMES)
→業界筋によると、台湾積体電路製造(TSMC)の4/5ナノメートルの稼働率は、第一四半期で約75%に低下し、第二四半期にはさらに70%を下回る可能性がある旨。該巨大ファウンドリの5nmプロセス ノードの最大の顧客はAppleであり、最新のMacBook Proモデルで独自のM2 ProおよびM2 Max半導体を使用する予定の旨。


【巨大ITの人員削減】

景気後退懸念が募る一途の現況から、巨大IT各社、そしてインテルと、人員削減の報道が以下の通り引き続いている。

◇Microsoft is cutting 46 Silicon Valley workers as part of its layoff (1月18日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Microsoft、1万人削減を発表;テックの人員整理続く (1月19日付け 日経 電子版 06:16)
→米マイクロソフトは18日、3月までに世界で従業員1万人を削減すると発表、景気後退への懸念が強まり収益の伸びが鈍るなか、人件費の抑制に動く旨。米アマゾン・ドット・コムなども大規模な雇用調整を進めており、IT企業の間で低成長に備える動きが広がっている旨。

◇Google parent Alphabet to slash 12,000 in its biggest ever job reduction (1月20日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Googleの親会社、AlphabetのCEO、Sundar Pichai氏は、この動きは、マウンテン ビューを拠点とする同社のすべての部門と地域で行われると語った旨。

◇Intel's California job cuts will be more than twice as big as expected (1月20日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→先月、カリフォルニア州で合計201人の労働者を解雇すると予測した後、Intelは現在、その2倍以上の人員削減を行っていると述べている旨。

◇Google, Microsoft, Amazon and other tech companies have laid off more than 70,000 employees in the last year (1月20日付け CNBC)
→*テクノロジー業界では、不確実な経済状況に直面して、一連のレイオフが発生している旨。
 *MicrosoftとAmazonは、水曜18日に新たな人員削減を発表した旨。
 *デジタル広告主が支出を削減し、インフレの上昇が消費者支出を抑制する中で、レイオフが発生している旨。


【2023年半導体関連予測】

メモリ半導体、日本製半導体製造装置、およびファウンドリーについて、現下の厳しい状況を受けたそれぞれの本年の見方である。

◇Memory Industry to Hit Muddy Waters in 2023‐Analysis: Memory market this year will see uncertainty‐Supply chain for memory products in 2023. (1月18日付け EE Times)
→メモリ業界は常に予測可能な好況と不況のサイクルを経てきたが、パンデミックと地政学的な不安定性により、2022年中に市場に新たなねじれがもたらされ、不確実性は2023年も引き続き影響を与えていく旨。

◇日本製半導体装置販売額;2023年度予測、4年ぶり減;設備投資控えが影響 (1月18日付け 日経産業)
→日本半導体製造装置協会(SEAJ)は日本製半導体装置の販売額が2023年度に前年度比5%減の3兆4998億円と4年ぶりに前年割れになるとの予測を発表、スマートフォンなどに使う半導体メモリーの市況低迷が長引いており、半導体製造会社が設備投資を控えていることなどが影響している旨。

◇Foundry Revenue Is Forecasted to Drop by 4% YoY for 2023 (1月19日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→TrendForceは現在、2023年の世界のファウンドリー売上げが前年比で約4%減少すると予測している旨。2023年に予測されるこの減少は、2019年に記録されたものと比較すると、より深刻である旨。

◇2023 foundry to fall 4%‐TrendForce: Foundry revenue will decline 4% this year ‐Foundry revenues will fall 4% in 2023, says Trendforce. (1月20日付け Electronics Weekly (UK))

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