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米国の対中国・ロシア輸出規制 & 台湾との関係強化:韓国のジレンマ

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜2日午後時点、世界全体で6億371万人と大台越え、7日前の午後から434万人増、前週比85万人減である。中国では、成都の大規模な都市封鎖(ロックダウン)、深センでの中心部2日間封鎖の措置である。米国が、対中国、そして対ロシアへの警戒から、NvidiaおよびAMDのハイエンドgraphics processing units(GPUs)の販売を制限、両国の顧客向け輸出には米国当局の承認を要するとして、軍事転用を避けるよう規制を強めている。一方、米国は台湾には半導体関連をはじめ政府・自治体から相次ぐ訪問、関係強化を図っている。米国主導のChip 4参加を巡って、中国との狭間で揺れる韓国は、ジレンマ状態が続いている。

≪譲れない米国の強力な立ち位置≫

半導体についての中国そしてロシアについての動き&見方から。

◇Republican Rubio slams U.S. approval of chip deal with China ties‐Sen. Rubio opposes sale of OpenFive (8月29日付け Reuters)
→共和党のMarco Rubio上院議員が月曜29日、半導体知的財産(IP)会社、Alphawaveによる、米国に本拠を置くOpenFiveの買収への入札に対する米国の規制当局の承認を非難、該買い手と中国のWise Road Capitalとの関係によってもたらされる国家安全保障上のリスクの懸念がある旨。

◇ロシア製ドローン、隠せぬ技術劣位、半導体は中国頼みに編集委員 太田 泰彦 (8月29日付け 日経 電子版 05:00)
→・ロシア製ドローンは米欧との技術格差が明確
 ・特に半導体は中国からの供給に頼らざるを得ない
 ・中国がロシアへの発言力を強めるための戦略的手段に

軍事転用を避けるために、輸出制限措置が繰り返される経緯があるが、今回は、NvidiaおよびAMDのハイエンドgraphics processing units(GPUs)について中国およびロシアの顧客への輸出を、米国当局の事前承認を求める形としている。業界各紙それぞれの取り上げ、あらわし方である。

◇Nvidia stock falls after U.S. government restricts chip sales to China‐Nvidia told to stop selling chips in China (8月31日付け CNBC)
→Nvidiaの中国への輸出が、同社の製品が軍事用途に使用されるのを防ぐために米国が導入した新しいライセンス要件によって妨げられる旨。Nvidiaは、中国への一部の輸出を許可するライセンスを申請する予定であり、この規則により$400 millionの売上げが失われる可能性があると推定されている旨。

◇U.S. Restricts Sales of Sophisticated Chips to China and Russia‐US won't allow Nvidia, AMD to sell high-end GPUs to China, Russia ‐Limits were placed on high-end GPUs that power supercomputers and artificial intelligence, said Nvidia and AMD, two Silicon Valley chip makers. (9月1日付け The New York Times)
→Biden政権が、Advanced Micro Devices(AMD)とNvidiaがハイエンドgraphics processing units(GPUs)を中国とロシアの顧客に販売することを禁止している旨。これらのマイクロチップは、人工知能(AI)技術とスーパーコンピューターの開発に使用されているからの旨。中国商務省のスポークスマン、Shu Jueting氏は記者団に対し、この動きは世界的な産業およびサプライ チェーンの規範に反するものであると語った旨。

◇US orders Nvidia and AMD to stop selling AI chips to China (9月1日付け CNN)

◇China opposes U.S. move barring Nvidia from selling it high-end chips (9月1日付け Reuters)

◇米、エヌビディアなどのAIチップに対中輸出規制 (9月1日付け ロイター 日本語版)
→米半導体大手、エヌビディアは31日、人工知能(AI)向けの主力半導体2種について、中国への輸出を停止するよう米当局から通知があったと明らかにした旨。
機械学習を高速化する半導体「A100」と「H100」が対象で、今年発表した旗艦製品、H100の開発完了に影響する可能性がある旨。エヌビディアによると、米当局は新ルールについて、対象製品が中国の「軍事最終用途」や「軍事最終使用者」に利用・転用されるリスクに対処するものと説明した旨。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の広報担当者も、輸出許可に関する新たな要件の通知があり、AIチップ「MI250」の対中輸出が停止されるとロイターに明らかにした旨。「MI100」は影響を受けないとの見方を示し、新ルールが事業に重大な影響を及ぼすとはみていないとした旨。

◇米国、NVIDIAに輸出規制、中国・ロシア向け半導体で (9月1日付け 日経 電子版 21:57)
→米半導体大手、エヌビディアは1日までに、米政府から一部GPU(画像処理半導体)製品の中国、ロシア輸出について政府承認を課したという通知があったと明らかにした旨。GPUは人工知能(AI)の演算用途などに使われる半導体。米政府は軍事用途に使用されたり、転用されたりするリスクに対応するとしている旨。

中国発の見方である。

◇Tech war: US tightens export rules with ban on Nvidia, AMD selling advanced AI chips to China (9月1日付け South China Morning Post)
→*Nvidiaは、強力なA100およびH100 GPU半導体を中国に販売することを禁止したが、AMDはMI250 AI半導体を中国に出荷することもできない旨。
 *十分な在庫がない中国企業は、代替品を見つけるのに苦労し、効率の低いバージョンを使用する必要がある旨。

株式市場も、即刻の反応である。

◇エヌビディア株一時5.1%急落、GPUの対中輸出に米承認必要と通知‐規制・監督当局への届け出で開示−米当局は軍事転用の可能性を懸念‐アドバンスト・マイクロ・デバイセズにも同様の通知 (9月1日付け ブルームバーグ 日本語版)
→8月31日の米株市場の時間外取引で、3Dグラフィックスプロセッサーなどを手掛ける米半導体メーカー、エヌビディアの株価が一時5.1%急落した旨。

◇Nvidia says U.S. government allows A.I. chip development in China‐Nvidia get a green light from US to continue AI chip development in China (9月1日付け CNBC)
→*Nvidiaが木曜1日、米国政府が同社に対し、同社のH100人工知能(AI)半導体を中国で開発し続けることができる、と伝えたと述べた。
 *Nvidiaの株価は、木曜1日の取引中に9%近く下落した旨。

実際にはどんな範囲の規制措置となるのか、現時点の動き、そしてインパクトの見方が続いている。

◇米、エヌビディアの輸出認可、主力AI半導体の開発完了に向け (9月2日付け ロイター 日本語版)
→米半導体大手、エヌビディアが1日、同社の人工知能(AI)向け主力半導体の開発完了に必要とされる輸出が米政府に認可されたと発表した旨。
エヌビディアは前日、機械学習を高速化する半導体「A100」と「H100」について、中国への輸出を停止するよう米当局から通知があったと明らかにし、今年発表した旗艦製品、H100の開発完了に影響する可能性があるという見方を示していた旨。
エヌビディアによると、2023年3月1日まで、A100の米顧客へのサポート提供に必要な輸入が許可された旨。さらに2023年9月1日まで、香港の施設を通じA100の受注処理も認可された旨。

◇New U.S. Rule Could ‘Impair’ China’s AI Progress (9月2日付け EE Times)
→Nvidia GPUsの販売に対する米国政府の新たな制限により、あるアナリストは世界をリードしているとする中国のAIの進歩が鈍化すると見込まれる旨。

◇米の一部半導体の対中輸出停止、大半のハイテク大手に影響=専門家 (9月2日付け ロイター 日本語版)
→米半導体大手のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が先月末、人工知能(AI)向けの一部半導体の対中輸出を事実上停止するよう米政府から通知されたと発表したことで、専門家からは中国でクラウドコンピューティングや言語などの最先端AI学習処理を手がける大手ハイテク企業の大半に打撃が出る可能性が高いとの見方が出ている旨。

8月始めのペロシ下院議長から、上院議員と、米国からの台湾訪問が続いているが、今週は、TSMCが新工場建設を進めているアリゾナ州の州知事が訪問、以下関連記事である。

◇米アリゾナ州知事も訪台、半導体協力を促進 (8月30日付け JIJI.COM)
→台湾外交部(外務省)は30日、米アリゾナ州のデュシー(Douglas Anthony Ducey)知事が台湾を訪問したと発表、蔡英文総統と会談するほか、半導体の産学関係者と交流を予定している旨。外交部は「台米のパートナー関係がさらに深化する」と歓迎した旨。
8月に訪台した米国の州知事はインディアナ州に続き2人目。

◇TSMC making 'excellent' progress with Arizona chip plant, state governor says‐Gov. Ducey says TSMC's Arizona fab is on schedule (8月31日付け Reuters)
→台湾の半導体メーカー、TSMCは、アリゾナ州に新工場を建設するにあたり"素晴らしい"進展を遂げている、と米国同州Doug Ducey知事は水曜31日に述べ、台湾の戦闘機パイロットの訓練における同氏の州の役割を称賛し続けた旨。

中国発の見方である。

◇Taiwan's TSMC making ‘excellent progress’ on Arizona plant, governor says (8月31日付け South China Morning Post)
→*Arizona州知事、Doug Ducey氏が、台北で開催された投資会議で講演、主要半導体拠点の建設が完了している旨。
 *同氏はまた、戦闘機パイロットを訓練することによって「台湾が防衛を強化し、国民を保護するのを助ける」という同州の役割を称賛している旨。

台湾の蔡英文総統からは、"democracy chips"というあらわし方である。

◇Taiwan president says she looks forward to producing 'democracy chips' with U.S.‐President of Taiwan "seeks to bolster cooperation" with the US for chips (9月1日付け Reuters)
→台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統が木曜1日、訪台中の米国アリゾナ州知事、Doug Ducey氏に、台湾が米国と"democracy chips"を生み出すことを楽しみにしていると語った旨。

米中の狭間の韓国であるが、Chip 4へのスタンス表明の8月末の期限が過ぎるとのこと。Samsungの李在鎔(Lee Jae-yong)副会長の韓国のお盆休みのタイミングでの米国訪問が検討されるなど、当面の推移に注目である。韓国と中国について、1990年代後半の半導体業界活動にて、該両国間の業界交流がそれ以前にすでに行われていたことを韓国の方々から聞いている。米中の間でのバランスの取り方が問われている。

◇Will Samsung chief visit US to strengthen semiconductor ties?‐Report: Samsung's top exec may travel to the US (8月26日付け The Korea Times (Seoul))
→業界関係者発。サムスン電子の李在鎔(Lee Jae-yong)副会長が来月、日本、韓国、台湾および米国の"チップ4"半導体同盟について話し合うために"Chuseok" autumn harvest holidays(2022年9月9−12日)に米国を訪問することを検討している旨。該Chip 4アライアンスは、microchipsのグローバル サプライ チェーンにおける中国の実質的な役割に挑む目的。

◇South Korea to Issue Semiconductor Alliance Decision (8月31日付け Foreign Brief)
→韓国が米国主導の世界的な半導体同盟である"チップ4"に参加するかどうかを宣言する期限が今日過ぎる旨。
この同盟には、米国、日本、台湾が含まれ、半導体バリュー チェーンのすべての主要分野をカバーする旨。米国は、4つの国が協力して半導体生産をより効率的に運営できることを強調している旨。しかし、韓国は中国の怒りを恐れて参加を躊躇しており、サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体企業は中国関連のリスクにさらされている旨。

激動の世界政治&経済情勢の中での半導体関連の各国・地域の動きに、一層注目するところである。


コロナ対応の完全には収まりきらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□8月30日(火)

デジタル庁が発足1年、懸念打開に向けて事業集約が検討されるとのこと。

◇デジタル庁1年、追いつかぬ専門人材、事業集約を検討へ (日経 電子版 00:00)
→デジタル庁が9月1日に発足から1年を迎える旨。官僚と民間人材の融合による新たな中央省庁をうたったものの、担当業務の広がりに専門人材の確保が追いつかない状況への懸念が出る旨。10日に就任した河野太郎デジタル相のもとで拡大が続いた事業を集約できないか検討を始める旨。

金融引き締めの長期化懸念でほぼ下げ基調の今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続落、184ドル安、金融引き締めの長期化懸念で (日経 電子版 05:48)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落、前週末比184ドル41セント(0.6%)安の3万2098ドル99セントと、約1カ月ぶりの安値で終えた旨。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の26日の講演で金融引き締めの長期化観測が強まり、米景気の一段の悪化を懸念した売りが続いた旨。

□8月31日(水)

共産党大会を控える中国、新型コロナのインパクトがいまなお、猛暑とともに経済への影響が見られている。

◇中国共産党大会、10月16日開幕、新体制の布陣が焦点 (日経 電子版 05:34)
→中国共産党は30日、党中央政治局会議を開き、党幹部の人事を決める第20回党大会を10月16日から北京市で開くと決めた旨。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)が異例の3期目を目指しており、新体制の布陣が焦点となる旨。

◇NYダウ続落、308ドル安、金融引き締めの長期化を警戒 (日経 電子版 05:36)
→30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比308ドル12セント(1.0%)安の3万1790ドル87セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化し、米景気を冷やすとの懸念が強まった旨。景気敏感株を中心に幅広い銘柄で売りが優勢となった旨。

◇中国景況感、8月も50割れ、電力不足響く (日経 電子版 11:04)
→中国国家統計局が31日発表した2022年8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4、7月より0.4ポイント改善したが、好調・不調の境目である50を2カ月連続で下回った旨。猛暑による電力不足が響いた旨。一部都市で新型コロナウイルスの感染が再拡大し移動制限が厳しくなったことも、企業の先行き不安を強めた旨。

□9月1日(木)

◇NYダウ4日続落、280ドル安、金融引き締めの長期化警戒 (日経 電子版 05:43)
→31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比280ドル44セント(0.9%)安の3万1510ドル43セントで終えた旨。前週末の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を受け、米株市場では金融引き締めの予想以上の長期化が警戒された旨。31日もFRB高官からタカ派寄りの発言が聞かれ、株売りが止まらなかった旨。

◇中国、コロナ再燃で封鎖相次ぐ、成都は2100万人対象 (日経 電子版 20:56)
→中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、地域の封鎖が相次いでいる旨。成都市が2100万人を対象に事実上の大規模な都市封鎖(ロックダウン)に踏み切り、北京市周辺や東北部、南部なども移動を厳しく制限し始めた旨。中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針。

□9月2日(金)

円の対ドル140円台落ち込みが見られている。

◇円140円台、24年ぶり安値 衰える景気浮揚力 (日経 電子版 02:24)
→・外国為替市場で、円が対ドルで一時24年ぶりに140円台に下落した
 ・日米金利差拡大で今年の下落率は約18%。変動相場制移行後2番目に大きい
 ・海外移転で、日本は円安でも輸出や企業収益が拡大しにくい構造に変わった

◇NYダウ5日ぶり反発、145ドル高、持ち高調整の買い (日経 電子版 06:05)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比145ドル99セント(0.5%)高の3万1656ドル42セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化への警戒感から売りが先行した旨。FRBが金融政策の判断材料にする米雇用統計の発表を2日に控える旨。前週末から大幅に下げた後とあって、午後は持ち高調整の買いが優勢になった旨。

□9月3日(土)

◇NYダウ反落、337ドル安、金融引き締め長期化を警戒 (日経 電子版 07:20)
→2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比337ドル98セント(1.1%)安の3万1318ドル44セントで終えた旨。朝方発表の8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想の範囲内にとどまり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速の懸念が和らいで買いが先行した旨。だが、金融引き締めの長期化が景気を冷やすとの観測自体は変わらず。買い一巡後は売りが優勢になり、午後に下げに転じた旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

中国から見た米中ハイテク戦争、香港で発行されている日刊英字新聞、South China Morning Postが以下の連載である。

◇Tech war: Beijing, local governments pressed to raise support for Chinese chip research and development amid US expansion (8月26日付け South China Morning Post)
→*中国半導体産業協会(CSIA)の上級職員、Wei Shaojun氏は、現在の政府による該分野への支援は不十分であると述べた旨。
 *同氏の明快な呼びかけは、新たな技術輸出規制を含むワシントンによる最近の動きを受けて、中国の半導体業界の切迫感を反映している旨。

◇US-China tech war: Beijing forges ahead with all-in chip effort, brushing aside asset bubbles and graft probes (8月27日付け South China Morning Post)
→*中国には高度な半導体のためのソフトウェア、機器および対応能力が不足しており、ワシントンと北京の間のハイテク戦争によって弱点が露呈した旨。
 *自給自足を求める政治的要求に直面して、国家資金の絶え間ない流れの中で無駄、詐欺およびバブルを避けるのは難しいと専門家は言う旨。

◇Tech war: China's attacks on US Chips Act continue, although Beijing has few countermeasures, analysts say (8月30日付け South China Morning Post)
→*Chips Actは、中国と米国の間の半導体協力と投資を混乱させ、世界の半導体企業の利益を損なうだろう、とChina Council for the Promotion of International Trade(CCPIT)。
 *中国は半導体の設計と製造を輸入技術に大きく依存しており、自国で技術的なブレークスルーを達成することは困難である旨。

中国の半導体業界における"ビッグファンド"での問題があらわされている。

◇What's Driving China's Chip Sector Crackdown?‐The recent investigations come amid rising geostrategic competition, a domestic political transition, and broader regulatory tightening. (8月29日付け The Diplomat)
→中国の政治にとって静かな夏の間、政治機構の一部が目立って活発であり、Central Commission for Discipline Inspection(CCDI:中央規律検査委員会)の旨。7月中旬以降、中国共産党(CCP)の該反汚職機関は、中国の半導体業界の少なくとも8人の上級幹部を調査しており、その全員が"ビッグファンド"と呼ばれる中国国家集積回路産業投資基金に関係している旨。

台湾では、Hon Haiの中国への投資を中止させるよう求める動きである。米中摩擦が波及する前線の一端である。

◇Halt Hon Hai's China purchase: group‐‘FINE NEEDED’: Hon Hai did not gain approval before investing in Tsinghua Unigroup, which competes with Taiwan's chip industry, the Economic Democracy Union said (8月30日付け Taipei Times)
→Economic Democracy Union(経済民主主義同盟)が昨日、経済部に対し、鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry Co)に罰金を科し、中国政府が支援する半導体企業への投資を拒否するよう求めた旨。

【SMIC関連】

中国の半導体大手、SMICが、$7.5 billionを投じ天津に半導体工場を新設する動き、以下の通りである。

◇Chinese chip foundry SMIC to invest $7.5 bln in new fab in Tianjin‐SMIC will build a new wafer fab in Tianjin with $7.5B investment (8月27日付け Reuters)

◇Chinese chip maker SMIC boosts expansion with US$7.5 billion investment in new Tianjin plant amid concerns of US sanctions (8月27日付け South China Morning Post)
→*SMICの天津の新しいファブは、28-nanometre以上の旧い半導体プロセスノードをカバーする12インチ ウエハーを月に100,000枚生産する能力がある旨。
 *この新しい製造ラインでつくられる製品は、電気通信、自動車、consumer electronicsなどのアプリケーション向けになる旨。

◇中国SMIC、$7.5 billion投じて天津に半導体工場新設 (8月29日付け ロイター 日本語版)
→中国の半導体大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が26日、$7.5 billionを投じて天津市に半導体工場を新設すると明らかにした旨。
当局への提出資料によると、新工場は直径12インチのシリコンウエハーを月10万枚生産する能力を持つ旨。天津市の西青区政府と協力してSMICの子会社として運営され、当初の登録資本金は$5 billionになる予定。稼働開始時期は明らかにしていない旨。

どうやってつくったのか、注目を集めるSMICの7 nm半導体について、中国発の記事である。

◇China's top chip maker SMIC achieves 7-nm tech breakthrough on par with Intel, TSMC and Samsung, analysts say (8月29日付け South China Morning Post)
→*TechInsightsによると、SMICは14nmから7 nmへの飛躍を達成するのに2年かかり、TSMCやSamsungよりも高速の旨。
 *専門家は、最先端の製造設備がなくても、SMICが7 nm半導体を製造することは技術的に可能であると述べている旨。

好調に推移しながら直近四半期では減益のSMIC。中国市場が苦戦で、海外比率を上げていく方針である。

◇半導体のSMIC、海外比率上げへ、中国市場が苦戦 (8月31日付け 日経産業)
→中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が、中国市場に依存する経営体質を見直す方針を示した旨。世界の半導体市場が停滞期に入ったうえ、中国政府による新型コロナウイルスの感染対策も響き、2022年4〜6月期の純利益は3年ぶりに前年同期実績を下回った旨。海外比率の引き上げで成長持続を目指す旨。
趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)が業績説明会で明らかにした旨。2022年4〜6月期の純利益は前年同期比25%減の$514 million(約680億円)。新型コロナウイルスの感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策などの影響で設備の稼働率が低下し、減益は2019年4〜6月期以来となった旨。売上高は42%増の$1.9 billion。

【米国国内半導体製造】

バージニア州上院議員のマイクロンへの熱い期待である。

◇Sen. Warner 'aggressively' seeks Micron fab billions for Virginia (8月26日付け FierceElectronics)
→$52 billionの大口の一部を獲得しようとするゴールド ラッシュが続いており、特に同法の主要な作成者の1人であるMark Warner上院議員の本拠地、バージニア州において。
「我々はまだMicronを積極的に追求している。」同氏は、Manassas, Virginiaのファブで生産を拡大するという以前の計画に加えて、今後10年間でメモリ生産に$40 billionを費やすというマイクロンの最近の発表に言及して、記者団に語った旨。

現時点の米国での新しい半導体生産拠点の取り組みが、まとめて示してある。CHIPS actによる資金供給への期待である。

◇U.S. Semiconductor Renaissance: All the Upcoming Fabs‐Spotlight on new fabs coming from GF, Intel, Samsung, TSMC and TI ‐Everything we know about new chip manufacturing facilities in America. (8月29日付け Tom's Hardware)
→今日、GlobalFoundries, Intel, Samsung Foundry, TSMC, およびTexas Instruments(TI)の5つの主要な半導体メーカーが、米国に新しい半導体生産拠点を建設している旨。これらの取り組みは、新たに承認されたCHIPS actによって供給される新たな資金の波によって必然的に強化される旨。
現状概要:
 Intel: Spending Over $40 Billion on Chip Facilities in the U.S.
  Arizona Ohio New Mexico
 TSMC: 5nm Coming to the U.S.
 GlobalFoundries: New Facilities for Specialty Chips
 Samsung Foundry: SF's Leading-Edge Nodes Return to the U.S.
 Texas Instruments: $30 Billion for Specialty and Trailing Nodes

インテルの資金調達の取り組みが改めて次の通りである。

◇Is It Time to Treat U.S.-Made Chips as Critical Infrastructure?‐Funding of new wafer fabrication facilities gets advanced‐Intel struck a $30 billion partnership with Brookfield Asset Management to help fund its factory build-out. (8月31日付け Electronic Design)
→Intelが、Brookfield Asset Managementと提携、アリゾナ州チャンドラー(Chandler, Ariz.)にある2つの新しいウェーハ ファブの資金を調達、$30 billionのプロジェクト。"IDM 2.0"戦略の一環として、Intelはヨーロッパと米国の多くのファブに資金を提供することを計画している旨。

マイクロンが、Idaho州Boiseの本社近くに先端メモリfabを建設する計画を発表している。米国でのメモリ新fabは20年ぶりとのこと。

◇Micron to Invest $15 Billion in New Idaho Fab (9月1日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→米国を本拠地とする唯一のメモリ メーカー、Micron Technology社が本日、先端メモリ製造に向けた新しいfabをBoise, Idahoに建設するためにこの10年末までに約$15 billionを投資する計画を発表した旨。これは、20年ぶりに米国で建設される新しいメモリ製造fabになる旨。

◇Micron to build $15B memory fab near its Boise HQ (9月1日付け FierceElectronics)

◇Micron's $15 Billion Memory Fab in Idaho to Come Online by 2030‐Micron budgets $15B for Idaho wafer fab making memories ‐Micron to spend $15 billion on leading-edge fab in Idaho. (9月1日付け Tom's Hardware)

◇$15 Billion Micron Fab to Improve U.S. DRAM Supply (9月2日付け EE Times)
→Micron Technologyが、米国で20年ぶりにメモリ ファブを建設する計画を発表し、ほぼすべての電子製品で使用される半導体の国内供給を確保するために$15 billionを投資する予定の旨。

【TSMC関連】

TSMCが、新竹で技術シンポジウムを開催、同社CEO、C.C. Wei(魏哲家)氏の説明はじめ、以下の概要である。高雄、日本および米国の3つの新工場が2024年に生産を開始する、と明らかにされている。

◇Shortage of 50-Cent Chips Holds Up $50,000 Cars, TSMC Chief Says‐TSMC CEO: Cheap chips are holding up auto production ‐Legacy chip shortages are slowing production on cutting edge‐Company is building new factories to relieve demand pressure (8月30日付け Bloomberg)
→TSMCのCEO、CC Wei氏が、自動車用電子機器に使用されるローエンドの半導体が不足していると述べている旨。業界をリードするシリコン ファウンドリーの同社は、サプライ チェーンの問題と格闘し続けているにもかかわらず、3-nanometerプロセスが間もなく大量生産に移行するとしている旨。

◇TSMC touts its 2nm process as best technology in world (8月30日付け Focus Taiwan)
→台湾積体電路製造有限公司(TSMC)が火曜30日、2025年の大量生産に使用されるようになった後、業界で最高かつ最も効率的な技術として、高度な2ナノメートル プロセスを宣伝した旨。
TSMCのCEO、C.C. Wei(魏哲家)氏は、新竹で開催された同社の技術シンポジウムで、同社の2nmプロセスを使用した大量生産が2025年に開始されることを確認した旨。

◇TSMC says 3-nm chip production to start soon amid supply chain woes‐CEO says building plants is getting more expensive amid onshoring rush (8月30日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇TSMC says three fabs to start production in 2024‐ADVANCED PROCESSES: The company expects to start producing 3-nanometer chips in Tainan in the second half and 2-nanometer chips at new factories in Hsinchu (8月31日付け Taipei Times)
→台湾積体電路製造有限公司(TSMC, 台積電)が30日、高雄、日本および米国の3つの新工場が2024年に生産を開始すると発表した旨。

◇TSMC、2ナノ品「最高性能の技術に」、半導体2025年に量産 (8月31日付け 日経)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が30日、本社のある台湾北部の新竹市で顧客向けの技術説明会を開いた旨。魏哲家・最高経営責任者(CEO)は2025年の量産を予定する超先端半導体"2ナノメートル品"について「最高の性能を持つ技術になる」と述べ、開発の進捗をアピールした旨。

【Qualcomm関連】

Qualcommの次期ローエンド〜ミドルレンジスマホ向けプロセッサ、「Snapdragon 6 Gen 1」の詳細がリークされている。ハイエンド向け「Snapdragon 8+ Gen 1」およびミドルレンジ向け「Snapdragon 7 Gen 1」はすでに発表されている。

◇Snapdragon 6 Gen 1 leak spills the beans on Qualcomm's midrange rebrand‐Qualcomm's Snapdragon 6 Gen 1 targets cheaper phones ‐Qualcomm's next rebranded chip is for cheaper phones (8月30日付け Android Police)
→Qualcommから、Snapdragon 6 Gen 1プロセッサに関する詳細がリークされた旨。このmicrochipは、ローエンドのスマートフォンでの使用を目的としており、5Gセルラー通信をサポートする旨。

もう1つ、ArmによりQualcommが訴えられており、発端は、Apple出身者によるCPU設計のNuviaをQualcommが買収したこと。Armの商標侵害との主張であり、今後に注目するところである。

◇Arm sues Qualcomm over custom Nuvia CPU cores, wants designs destroyed‐British chip designer unhappy key customer is using lucrative blueprints (8月31日付け The Register (UK))

◇Arm sues Qualcomm‐Arm files lawsuit against Qualcomm over Nuvia chip tech‐Yesterday, Arm said it is suing Qualcomm for breach of contract. (9月1日付け Electronics Weekly (UK))
→Armは、QualcommがAppleのスピンオフであるNuviaを買収し、Armの法的許可なしにNuvia半導体設計を譲渡した際に、Armの半導体設計を使用する契約に違反したと主張している旨。Qualcommは、"QualcommまたはNuviaのイノベーションを妨害しようとする"Arm の権利に異議を唱えている旨。

◇Why Arm's lawsuit against Qualcomm is a big deal (9月1日付け CNBC)
→*ArmはQualcommを訴えており、両社のパートナーシップの将来に疑問が投げかけられている旨。
 *この訴訟は、自社のプロセッサ設計と競合する可能性のあるプロセッサ作成に向けて、基礎となる知的財産をライセンス供与するArmのビジネスの間での緊張を浮き彫りにしている旨。

◇Arm Sues Qualcomm Over Nuvia Licenses (9月2日付け EE Times)
→Armが水曜31日、QualcommとNuviaに対して訴訟を起こし、QualcommとNuviaがライセンス契約を破り、その結果、Armの商標を無許可の製品と組み合わせて使用することで、Armの商標を侵害したと主張した旨。

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