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半導体販売高、5ヶ月連続$50 billion台維持、警戒の中の強気の読み

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜10日午後時点、世界全体で5億3421万人に達し、7日前の午後から333万人増、前週比29万人増である。
米国での入国時コロナ陰性証明不要はじめ、制限緩和が続いている。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から4月の世界半導体販売高が発表され、$50.9 billionで、前月比0.7%増、前年同月比21.1%増である。月次最高となる$50 billion台がこれで5ヶ月連続、$51 billionには届かないフラットな推移である。World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)およびIDCより$600 billion台半ばの強気な年間販売高の予測があらわされている一方、パソコン需要鈍化への警戒がインテル、AMDから出ている現時点でもある。

≪4月の世界半導体販売高≫

米国・SIAからの今回の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇4月のグローバル半導体販売高が、前年同月比21.1%増、前月比0.7%増‐Americas地域販売高が前年同月比40.9%増、全地域市場を牽引 …6月6日付け SIA/Latest News

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2022年4月のグローバル半導体業界販売高が$50.9 billionで、前年同月、2021年4月の$42.0 billionに対し21.1%増、そして前月、2022年3月の$50.6 billionより0.7%増、と発表した。月次販売高はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、売上げで米国半導体業界の99%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。

「グローバル半導体販売高は、13ヶ月連続で前年同月比20%を上回る増加であり、重要分野範囲にわたっての一貫して伸び行く需要を示している。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「世界的な半導体需要の高まりにより、今後数年間でより多くの半導体の研究、設計、および製造が必要になり、ワシントンのリーダーには、この半導体の生産とイノベーションが米国国内でより多く生じることを保証するイノベーションと競争力の法制化を督促する。」

4月販売高は、昨年の4月に対して、Americas(40.9%), Europe(19.2%), Japan(18.5%), Asia Pacific/All Other(18.1%), およびChina(13.3%)と全地域で増加した。前月比では、Americas(3.1%), Japan(1.6%), およびAsia Pacific/All Other(1.2%)では増加したが、China(-0.6%), およびEurope(-3.3%)では減少した。

                         【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Apr 2021
Mar 2022
Apr 2022
前年同月比
前月比
========
Americas
8.41
11.50
11.86
40.9
3.1
Europe
3.75
4.63
4.48
19.2
-3.3
Japan
3.36
3.91
3.98
18.5
1.6
China
14.77
16.83
16.73
13.3
-0.6
Asia Pacific/All Other
11.76
13.71
13.88
18.1
1.2
$42.05 B
$50.58 B
$50.92 B
21.1 %
0.7 %

--------------------------------------
市場地域
11- 1月平均
2- 4月平均
change
Americas
12.00
11.86
-1.2
Europe
4.44
4.48
0.7
Japan
3.89
3.98
2.3
China
17.04
16.73
-1.8
Asia Pacific/All Other
13.37
13.88
3.8
$50.74 B
$50.92 B
0.4 %

--------------------------------------

※4月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2022/06/April-2022-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界紙の取り上げである。

◇Global semiconductor sales increase in April, SIA says‐SIA: Global chip sales reached $50.9B in April, up 21% on year (6月7日付け DIGITIMES)

2022年の世界半導体販売高は、年間史上最高を大きく更新した2021年を上回れるかどうか、2021年と対比しての以下の見方を行っている。月次最高の2021年12月を若干下回った2022年1月であったが、2月はさらに減ったものの$50 billionを辛うじて上回り、以降3月、4月と$51 billionには及ばないものの伸ばして、4月は月次最高を更新、高水準でフラットな1−4月の推移となっている。

2021年 1月 
$40.01 B
13.2 %
1.0 %
2021年 2月 
$39.59 B
14.7 %
-1.0 %
2021年 3月 
$41.05 B
17.8 %
3.7 %
2021年 4月 
$41.85 B
21.7 %
1.9 %
2021年 5月 
$43.61 B
26.2 %
4.1 %
2021年 6月 
$44.53 B
29.2 %
2.1 %
2021年 7月 
$45.44 B
29.0 %
2.1 %
2021年 8月 
$47.18 B
29.7 %
3.3 %
2021年 9月 
$48.28 B
27.6 %
2.2 %
2021年10月 
$48.79 B
24.0 %
1.1 %
2021年11月 
$49.69 B
23.5 %
1.5 %
2021年12月 
$50.85 B
28.3 %
1.5 %
$540.87 B
 
→史上最高更新
 
2022年 1月 
$50.74 B
26.8 %
-0.2 %
2022年 2月 
$50.04 B
26.1 %
-1.4 %
2022年 3月 
$50.58 B
23.0 %
1.1 %
2022年 4月 
$50.92 B
21.1 %
0.7 %

このような販売高の流れのもと、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)は、本年、2022年の年間半導体販売高が16.3%増の$646 billionと、以下のように予測している。

◇WSTS Semiconductor Market Forecast Spring 2022 (6月7日付け WSTS)
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)が、2022年5月につくられた新しい半導体市場予測を発表、COVID-19の状況により予測会議を開くことができず、この予測は、WSTSメンバー企業によるオンライン予測ツールを使用して作成された旨。
世界の半導体市場は2022年に16.3%増加し、2023年には5.1%成長を続けると予想されている旨。WSTSは、2021年に26.2%の力強い成長を遂げた後、2022年には16.3%増の$646 billionの予測で、世界の半導体市場がさらに2桁成長すると予測している旨。

◇世界の半導体市場、来年5%増 (6月8日付け 日経)
→主要な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)が7日、2023年の半導体市場が2022年比5%増の$679.6 billion(約90兆円)になる見通しだと発表、伸び率は鈍化するものの4年連続で前年を上回る旨。中国のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ危機の影響で個人消費に減速感があるが、自動車や産業・インフラ向けが堅調で需要を補うとみられる旨。2022年の世界市場予想は$646.4 billionで、前回予想から$45 billion上方修正された旨。

もう1つ、International Data Corporation(IDC)も、それぞれの評価ベースのもと、13.7%増の$661 billionとの見方である。

◇Worldwide Semiconductor Revenue to Grow 13.7%, but Supply Chain Remains Selectively Challenging amidst Global Economic Volatility, according to IDC (6月8日付け IDC)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Semiconductor Technology and Supply Chain Intelligenceサービス発。2022年の世界半導体売上げが、2021年の$582 billionに達した力強い結果に続いて、13.7%増の$661 billionに達する見込みの旨。

IDCは、別の切り口、パソコンの需要については、現下の不安定要因から本年8%減と予測している。半導体の今後について、そのインパクトに注視を要するところである。

◇PCs to be down 8% for 2022 on pandemic, war and inflation (6月9日付け FierceElectronics)
→IDCの最新の予測によると、パンデミックの都市封鎖、戦争およびインフレによりPCの需要は鈍化しており、2022年には8%減少する旨。ただし、出荷は依然としてパンデミック前のレベルを上回っている旨。2022年の減少により、3億2100万台のPCが出荷されるが、2026年までの年平均成長率は-0.6%のマイナスになる旨。

半導体販売高の先行きを大きく左右する関連の動きに注目させられている。

米中摩擦の狭間で揺れるリスクを孕んだ台湾について、経済安全保障の要としての半導体への圧倒的な傾注が以下にあらわされている。

◇半導体投資、台湾全土が沸騰 全20工場16兆円の衝撃‐膨張する地政学的リスク (6月7日付け 日経 電子版 11:31)
→中国からの統一圧力に揺れる台湾。軍事侵攻リスクも懸念されるなかで、未曽有の半導体の投資ラッシュが起きている。総額16兆円に及ぶ世界でも例を見ない巨額投資だ。昨年来、世界から台湾の地政学的リスクが何度も指摘されてきたが、それでも台湾は域内で巨額投資に突き進んでいる。なぜか。全土を縦断し、各地で建設が進む全20工場の映像とともに検証した。・・・・・

◇To Ensure National Security‐Over 20 Semiconductor Plants Under Construction in Taiwan (6月8日付け Business Korea)

台湾を代表するTSMCは、今年は売上高30%増、来年の設備投資(capex)が$40 billion以上、ととどまることを知らない勢いを示している。

◇TSMC、2022年売上高30%増へ、欧州工場「計画ない」 (6月8日付け 日経 電子版 17:33)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は8日に開いた定時株主総会で、2022年12月期の売上高が前期比30%増えるとの予想を示した旨。世界的なインフレなどが懸念されるが、TSMCが手掛ける先端半導体は底堅い需要が続く見通し。半導体工場の誘致を進める欧州への進出については、現時点で具体的な計画はないとした旨。

◇TSMC again plans to spend more than US$40bn‐SPEND TO PROFIT: The contract chipmaker's chairman said that it is entering a high-growth phase, forecasting that revenue this year would increase 30 percent annually (6月9日付け Taipei Times)
→世界最大の契約半導体メーカー、台湾積体電路(TSMC、台積電路)が昨日、生産能力を拡大し、顧客の需要に応え、売上げの成長を促進するために、来年も$40 billion以上の設備投資(capex)を予算化すると発表した旨。

半導体製造装置の1−3月は、次の見え方であり、今後に注目である。

◇半導体装置、世界売上高5%増 (6月7日付け 日経産業)
→半導体の国際団体、SEMIが、2022年1〜3月期の製造装置の世界売上高が前年同期比5%増の$24.7 billion(約3兆2000億円)だったと発表、韓国や台湾向けは前年同期を下回り全体の伸び率は鈍化したものの、北米は前年同期比96%増の$2.62 billion、欧州は2.2倍の$1.28 billionだった旨。

上記のパソコン需要の見方とタイミングが合っているが、インテルでは、パソコン部門での雇用を停止する動きである。

◇Intel tightens belt, freezes hiring at its biggest revenue-generating unit (6月9日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intel社が、同社の売上高で最大のユニットであるPCデスクトップおよびラップトップ半導体部門での雇用を停止した旨。ロイター通信によると、同社は、水曜8日に発表されたメモでこの動きを発表、一部の採用はわずか2週間で再開される可能性があり、現在のすべての求人が尊重されるとのこと。

AMDも、すぐ続いてパソコン需要鈍化の見方である。

◇AMD chief Lisa Su sees demand slowing in PC market (6月10日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→AMDのCEO、Lisa Su氏のこの発言は、Intel社のPCデスクトップおよびラップトップチップ部門での採用凍結のニュースが表面化したのと同じ日に出てきた旨。

今年も二桁%増の伸びの半導体販売高が予想される一方で、先行き何がどのように起こるか、警戒を促す論調が見られる現時点である。

◇Semiconductor industry growth to slow in 2022, warns IDC‐IDC sees chip industry growth starting to lag this year ‐Chip price hikes keeping sector healthy but new fabs could lead to 'overcapacity' (6月9日付け The Register (UK))
→IDCは、半導体業界が2022年に世界の売上高を2021年の$582 billionから13.7%増加させて$661 billionにすると予測しているが、該市場調査会社は、近い将来、microchipsの供給過剰になる可能性があると警告している旨。
「金融およびシステム市場は、サプライチェーンの特定のセクターにわたる不足に焦点を絞ったままだが、強調すべきより重要なのは、今後5〜7年間衰えることのないすべての主要なシステムカテゴリおよび半導体コンテンツの成長にとって半導体がいかに重要であるかである。 」と、IDCグループvice president of semiconductors、Mario Morales氏。

◇Intel joins a rush of tech companies putting a freeze on hiring, as the chip industry faces a reset (6月9日付け Fortune)
→2021年の半導体クランチは、消費者や電子機器メーカーにとっては苛立たしいものだったかもしれないが、半導体メーカーにとっては恩恵であり、その多くが年間の記録的な売上げを報告し、Fortune 500のランキングを上げた旨。しかし、この分野は現在、経済の悪化、消費者需要の減少、および中国の封鎖による混乱の継続によって引き起こされたリセットに備えている旨。

今後の日々刻刻の動き、推移に一層の注目である。


コロナ対応のなかなか完全には収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□6月7日(火)

現下の情勢から、世界銀行がスタグフレーションに陥る危険を以下の通り警告している。

◇World Bank slashes global growth forecast to 2.9%, warns of 1970s-style stagflation‐World Bank expects global GDP growth to slide to 2.9%   (Reuters)
→世界銀行が、今年の世界経済成長の予測を4.1%から2.9%に引き下げ、多くの経済がインフレと成長の鈍化を同時に経験するため、1970年代に経験したようなスタグフレーションに陥ると述べている旨。世界銀行によると、2023年から2024年にかけて、成長率は2.9%近くで変動し、ほとんどの経済は中央銀行の目標よりも高いインフレを経験するとしている旨。「世界的な景気後退が回避されたとしても、大幅な供給の増加が動き出さない限り、スタグフレーションの痛みは数年間続く可能性がある。」とDavid Malpass総裁。

前半小幅に上げたものの、景気およびインフレ加速の懸念から後半大きく下げた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ小反発、16ドル高、長期金利上昇で伸び悩む (日経 電子版 05:52)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前週末比16ドル08セント(0.04%)高の3万2915ドル78セントで終えた旨。中国の経済正常化の期待や同国当局による企業規制の懸念が和らぎ、午前中には上げ幅は一時300ドルを超えた旨。だが、米長期金利が3%台に乗せると嫌気した売りでダウ平均は伸び悩み、午後には下げに転じる場面もあった旨。

□6月8日(水)

◇NYダウ続伸264ドル高、金利上昇一服でハイテク株に買い (日経 電子版 05:53)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比264ドル36セント(0.8%)高の3万3180ドル14セントで終えた旨。米長期金利の上昇が一服し、ハイテク株への買い直しが優勢となった旨。企業収益への懸念から朝方には270ドルあまり下げる場面もあったが、午後にかけて水準を切り上げる展開で、この日の最高値圏で終えた旨。

ロックダウンを解除した上海の状況、まだ回復途上とあらわされている。

◇上海の人流、回復途上、封鎖解除1週間なお地下鉄乗客6割 (日経 電子版 20:11)
→中国・上海市の都市封鎖(ロックダウン)解除から1週間が過ぎ、経済活動が回復の兆しを見せている旨。日本経済新聞が7日までの各種データを分析すると、地下鉄の乗客数が封鎖前の水準を取り戻すなど、人の往来は回復途上にある旨。ただ1年前の同時期と比べれば乗客数は6割弱の水準で足踏みしており、正常化には時間がかかりそう。

□6月9日(木)

◇NYダウ反落、269ドル安、企業収益と景気に懸念 (日経 電子版 06:40)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比269ドル24セント(0.8%)安の3万2910ドル90セントで終えた旨。欧州の金融大手、クレディ・スイスが同日、2022年4〜6月期に赤字に転落すると発表し、銀行株を中心に企業収益への警戒が広がった旨。経済協力開発機構(OECD)は8日、世界の経済成長率見通しを下方修正し、景気懸念も株売りを誘った旨。

□6月10日(金)

欧州のインフレ抑制の対応である。

◇ECBが11年ぶり利上げ、7月に0.25%、量的緩和も終了 (日経 電子版 04:34)
→欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、7月1日に量的緩和政策を終了すると決めた旨。同月中には0.25%の利上げに踏み切る方針も声明文に明記した旨。利上げは11年ぶり。ロシアのウクライナ侵攻による資源高などでユーロ圏の消費者物価の伸び率は8%を超えており、インフレ抑制へ金融政策の正常化を急ぐ旨。

◇NYダウ続落、638ドル安、米CPI発表控え売り加速 (日経 電子版 05:54)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日比638ドル11セント(1.9%)安の3万2272ドル79セントで終えた旨。欧州中央銀行(ECB)が9日、7月に量的緩和を終了すると決め、同月中には0.25%の利上げに踏み切る方針を示した旨。9月には追加利上げの可能性も示唆し、金融政策の正常化による欧州景気の減速が世界景気を下押しするとの警戒が強まった旨。

米国の消費者物価指数上昇、そして進む円安の現状である。

◇Inflation rose 8.6% in May, highest since 1981‐Inflation hits four-decade high as CPI rises 8.6% (CNBC)
→*5月の消費者物価指数(CPI)は1年前から8.6%上昇、1981年12月以来の最高値となった。食料とエネルギーを除いたコアインフレ率は6%上昇した。どちらも予想より高かった。
 *食料、ガス、エネルギー価格の高騰がすべて上昇に貢献、燃料油は過去1年間で106.7%上昇した。
 *消費者物価指数の約3分の1を占めるshelter costsは、31年間で最も速い12か月のペースで上昇した。
 *インフレ率の上昇は、労働者が5月により多くの地盤を失ったことを意味し、実質賃金は4月から0.6%、12か月ベースで3%低下した。
ベンチマーク消費者物価指数は5月に予想以上に上昇し、1981年以来の最速の上昇で前年比8.6%上昇したが、食品とエネルギーの価格を除いたコアCPIは前年比6%上昇した旨。月次ベースでは、CPIは4月から1%上昇し、コアCPIは0.6%上昇、どちらも予想を上回っている旨。

□6月11日(土)

◇対ドル一時134円、米2年債利回りは14年ぶり3%台 (日経 電子版 02:31)
→円の下落圧力が強まっている旨。円相場は10日、1ドル=134円台を付け、約20年ぶりの安値圏での推移が続いた旨。欧州中央銀行(ECB)が11年ぶりの利上げを決めた旨。10日の米債券市場では政策金利の変動に敏感な2年物国債利回りが一時、14年ぶりとなる3%台に上昇(価格は下落)し、米連邦準備理事会(FRB)の急ピッチな利上げが続くとの見方が再燃する旨。

◇米消費者物価、5月8.6%上昇、約40年ぶり水準更新 (日経 電子版 06:27)
→米労働省が10日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が8.6%となった旨。3月の8.5%をさらに上回り、40年5カ月ぶりの水準となった旨。新型コロナウイルス禍で控えていた旅行などの「リベンジ消費」も夏にかけて物価を押し上げ、インフレは高止まりしそう。米連邦準備理事会(FRB)による急ピッチの利上げが長引く可能性もある旨。

◇NYダウ続落、880ドル安、インフレ加速でリスク回避 (日経 電子版 07:09)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比880ドル(2.7%)安の3万1392ドル79セントで取引を終えた旨。同日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が大幅利上げを続けるとの見方が強まった旨。ダウ平均の週間下落幅は約5カ月ぶりの大きさだった旨。


≪市場実態PickUp≫

【米国半導体法】

米国内の半導体製造およびサプライチェーン強化を図る米国半導体法は、上院と下院の間の調整待ちで停滞感を色濃く帯びる中、苛立ちの様相が随所にあらわれる以下の内容である。中間選挙を控える中でのそれぞれの動きである。

◇U.S. senator to convene classified briefing on semiconductors amid chip shortage -sources‐Sources: Senator to hold classified briefing to talk chips (6月8日付け Reuters)
→Maria Cantwell上院議員(D-Wash.)は、米国国防総省当局およびインテルのCEO、Pat Gelsinger氏と、米国での半導体製造のサポートに関する法律を進めるために分類されたブリーフィングを行っている旨。Gina Raimondo商務長官は4月の上院通商委員会の公聴会で、「最近、ウクライナの補充問題で残業しているすべての国防請負業者と話をした。彼らの最大の問題点は半導体だ」と述べた旨。

◇The Billionaires Behind a Push to Reinvigorate U.S. Chip-Making‐US chip manufacturing is pushed by billionaires‐A group that includes Eric Schmidt and Peter Thiel isn't simply funding the effort itself: It wants American taxpayers to help foot the bill. (6月9日付け The New York Times)
→Eric Schmidt氏およびPeter Thiel氏が、米国の半導体製造を支援することを目的とした非営利のベンチャーキャピタルファンド、America's Frontier Fundを設立した旨。議会は半導体関連の法案の調整について交渉することができていないが、Schmidt氏は声明の中で次のように述べている旨。「私たちの国家安全保障委員会のすべてが示しているように、自由で開かれた社会がすべての人の利益のためにこの次の革新の波をリードすることを望むなら、政府、産業界、学界および慈善活動が協力しなければならない。」

◇Biden's $52 Billion Chips Plan Stuck; Lawmakers Eye Election‐Senators frustrated with White House for lack of engagement‐Pelosi is ‘clear-eyed’ on compromise bill, Raimondo says (6月9日付け Bloomberg)
→米国の半導体製造を後押しし、中国に対する競争力を強化するための長期にわたる法律は議会で崩壊するリスクがあり、中間選挙が近づくにつれて共和党はこの措置に懐疑的になり、民主党は代わりに銃による暴力に焦点を合わせている旨。

◇Editor's Corner: Congress should act now to approve $52B for chip manufacturing (6月9日付け FierceElectronics)
→収益性の高い米国の半導体産業は、国内の半導体製造を支援するために議会に$52 billionの支出を承認させることをますます必死に感じ始めている旨。半導体業界は議会に、8月の休み前に該資金を承認するよう求めている旨。

【アップル関連】

年次Worldwide Developer Conference(WWDC)が開催され、アップルの新製品とともに同社の設計したカスタム半導体、Apple Siliconの第2世代、「M2」があらわされている。関連の動きとともに、以下に示す。

◇We sat through Apple's product launch disguised as a dev event so you don't have to‐M2 chip teased plus MacBooks, iOS 16, macOS 13, watchOS 9 and more (6月6日付け The Register (UK))
→Appleが月曜6日に第33回年次Worldwide Developer Conferenceを開き、今後のハードウェアおよびモバイル、デスクトップ、およびリストアクセサリのオペレーティングシステム(OS)の計画された変更のプレビューを行った旨。

◇Apple Announces M2 SoC: Apple Silicon for Macs Updated For 2022‐Apple debuts M2 chip, a SoC for 2022 Macs (6月6日付け AnandTech)
→Appleが、今後のMacBookAirやその他のMacで使用するためにAppleが設計したカスタム半導体、Apple Siliconの第2世代であるM2 system-on-a-chip(SoC)デバイスを発表、該M2は、24GBのunifiedメモリを搭載、M1半導体は16GB。

◇Apple's M2 chip will make Macs even more efficient‐It'll offer more performance without drawing more power. (6月6日付け Engadget)

◇Apple、車14社と連携強化、車載画面がiPhone風に (6月7日付け 日経 電子版 12:40)
→米アップルが自動車分野での存在感を増している旨。6日に始まった年次開発者会議「WWDC」では日産自動車やホンダ、米フォード・モーターなど世界の14社・ブランドと車連携機能「カープレー(CarPlay)」を強化すると発表、車各社は運転席周りのすべてのディスプレーを「iPhone」のようなユーザーインターフェース(UI)に変えられる新型車を2023年後半に発表する旨。

◇AppleのMacBook、相次ぐ値上がり、旧型は1割超上昇 (6月7日付け 日経 電子版 11:30)
→米アップルの新型ノートパソコンの発表に合わせ、既存製品の日本向け価格が上昇している旨。旧タイプの半導体「M1」を搭載した「MacBook Air」の場合、同社サイトの最低価格が13万4800円と約2万円(約17%)値上がりした旨。為替相場の円安進行や原材料価格の高騰を受けた対応とみられる旨。

◇Apple、7月に新型MacBook Air、独自半導体「M2」搭載 (6月7日付け 日経 電子版 07:37)
→米アップルは6日、年次開発者会議「WWDC」にて、ノートパソコン「MacBook Air」の新機種を7月に発売すると発表、改良した自社設計の半導体「M2」を搭載し、映像の描写性能を高めつつ消費電力を抑えた旨。売れ筋のシリーズに新製品を加え、パソコン市場でのシェア拡大に弾みを付ける旨。

【インテル関連】

上記にもあらわれているが、TSMCが欧州での半導体工場建設の計画はないとしている一方、インテルのドイツでの工場に向けて、現地の助成金が以下の通りあらわされている。

◇Intel to get $7.3b for Germany fab site as TSMC dismisses Europe plans‐x86 giant giddy about making chips on the continent, its foundry rival not so much (6月8日付け The Register (UK))

◇Intel to get German fab subsidies worth $7.3bn‐Germany offers subsidies of $7.3B for Intel wafer fabs‐Intel will receive $7.3 billion in subsidies representing 40% of the $19 billion cost of building two fabs in Magdeburg, Germany. (6月9日付け Electronics Weekly (UK))
→Intelは、同社がMagdeburg, Germanyで計画しているウェーハ製造コンプレックスに対して$7.3 billionの助成金を受け取ることが約束されている旨。このプロジェクトは、2つのウェーハファブの建設と装備に合計$19 billionの費用がかかるとの見通しの旨。

【SamsungとASML】

Samsung Electronicsの実質トップ、李在鎔(Lee Jae-yong)副会長のオランダのASML社訪問が、以下の通り取り沙汰されている。最先端微細化に向けてリソ装置の確保が課題となる。

◇Samsung's Lee expected to visit ASML this month for chip equipment procurement (6月3日付け Yonhap News Agency)
→サムスン電子の李在鎔(Lee Jae-yong)副会長が、オランダの半導体装置メーカー、ASMLによる高度な先端半導体製造装置を確保することが広く期待されている出張で、来週オランダに向けて出発する旨。

◇Samsung falters in semiconductor progress despite earlier switch to EUV tech‐Samsung grapples with bottlenecks in chip tech (6月7日付け DIGITIMES)
→Samsung Electronicsは、ファウンドリ、メモリ、およびシステムLSIビジネスでいくつかの技術的な問題に取り組んでいる旨。Lee Jae-yong(李在鎔)副会長は今週オランダを訪れており、この旅には、Samsungが先端microchipsを製造するために使用するextreme ultraviolet(EUV) lithographyシステムを製造しているASMLの幹部との会談が含まれる可能性が高い旨。

◇Samsung's de facto leader Lee leaves for Europe for chip biz (6月7日付け Yonhap News Agency (South Korea))

そのASMLであるが、中国法人での人員増強が一方では以下の通りである。

◇Chip-making tools firm ASML to hire 200 staff in China as Covid restrictions ease, including sanctions compliance role (6月8日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*極紫外線(EUV)リソグラフィーで使用する重要な半導体製造ツールで知られるASMLが、今年、中国の労働力を14%拡大している旨。
 *ワシントンからの制裁は、該オランダ企業の取引パートナーを制限する可能性があるが、中国最大の半導体メーカー、SMICと取引を行っている旨。

◇半導体露光装置ASML、中国での事業拡大に向け約200人採用へ (6月9日付け 36KrJapan)
→半導体露光装置の世界最大手、オランダASMLの中国法人は6月7日、上海市政府が6月1日から通常の生産と生活秩序を全面的に回復すると発表したことを受け、全面的な操業再開に向け、徹底した感染症予防・管理を前提に業務を着実に進めていくと明らかにした旨。
ASMLは現在、中国におけるプロジェクトを全て計画通り推進している旨。
また、中国事業の成長を後押しするため、今年も引き続き中国法人の人員拡充を図り、従業員200名余りを採用する方針の旨。

【TSMC関連】

TSMCの2025年からの生産に向けた2-nm対応が、以下の通りである。

◇TSMC Commits to Nanosheet Technology at 2 nm Node (6月6日付け EE Times)
→台湾積体電路(TSMC)が、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)システムのエネルギー消費量を削減するために、2025年からの次の2nmノードの生産に向けてnanosheet技術を選択した旨。同社は、ライバルのサムスンとインテルに続き、今年にも独自のnanosheetデバイスを展開する予定の旨。

上記にも示したが、欧州では当面工場建設の計画はないと同社chairman、Mark Liu氏である。

◇Taiwan's TSMC says no concrete plans to build Europe factories for now‐TSMC ices idea of building wafer fabs in Europe for now (6月7日付け Reuters)
→台湾積体電路(TSMC)は現在、ヨーロッパに工場を建設する具体的な計画を持っていない、と水曜8日、同社chairman、Mark Liu氏。その地域の顧客は世界の他の地域より少ないと付け加えた旨。

TSMCが米国に工場を建設、そして米国がさらなる制裁となれば、黙ってられないと強圧の提言が、中国政府系エコノミストにより行われている。

◇TSMCを手中に、米が制裁強化なら−中国政府系エコノミスト提言 (6月7日付け ブルームバーグ 日本語版)
→*対ロ制裁のように中国に破壊的制裁なら台湾取り戻す必要−陳文玲氏
 *TSMCは米に6工場建設のため移転加速、阻止する必要と主張中国政府系の研究グループに所属するチーフエコノミストは、米国が対ロシア並みの制裁を中国に科すなら、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を手中に収めるよう中国当局に提言した旨。
中国の経済政策全般の立案を担う国家発展改革委員会(発改委)が所管する中国国際経済交流センターの陳文玲チーフエコノミストは、「米国や西側が対ロシア制裁のように中国に対して破壊的制裁を発動するなら、われわれは台湾を取り戻さなければならない」と主張した旨。

◇Chinese action on TSMC advocated by economist (6月8日付け Taipei Times)

【東芝およびWestern Digital】

非公開化を含む再編そして事業分割と、ともに今後の対応が注目されている両社の動き関連、以下現時点である。

◇東芝社外取締役の綿引氏「取締役の構成、バランス欠く」 (6月6日付け 日経 電子版 16:00)
→東芝が28日の株主総会に諮る取締役選任議案について、社外取締役の綿引万里子氏(元名古屋高裁長官、弁護士)が大株主の米投資ファンド幹部2人を候補にすることに反対していることが明らかになった旨。綿引氏は日本経済新聞社の取材に応じ、13人の取締役候補のうち、大株主の推薦者と幹部で少なくとも6人を占めることになり「市場からバランスを欠くと見られてしまう」と反対した理由を明かした旨。

◇東芝、再編の提案者と協議、「エレベーター事業売らず」 (6月8日付け 日経 電子版 05:08)
→東芝の社長兼最高経営責任者(CEO)の島田太郎氏と、社外取締役で再編案を検討する特別委員会委員長のジェリー・ブラック氏が日本経済新聞社の取材に応じた旨。非公開化を含む再編策は5月末までに10件の応募があった旨。2日にデータサービス事業拡大を柱とする新たな事業計画を公表した島田氏は「(再編案を提出した)スポンサーとも意見交換して企業価値を高めていきたい」と今後、提案の絞り込みに向けて応募者と協議していく意向を示した旨。

◇Western Digital reviewing alternatives after Elliott's push to split‐Western Digital will review its strategic alternatives (6月8日付け Reuters)
→Western Digitalが、おそらくフラッシュメモリとhard-disk drive(HDD)事業の分割を含む、戦略的代替案を検討の旨。アクティビスト投資家であるElliott Managementは、WDの約6%の株式を保有しており、そのような動きがあれば、同社により大きな投資を行うことを約束している旨。

◇Western Digital may split into two units in settlement with activist investor (6月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

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