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日米の半導体強化:経済安保推進法成立、$52 Billion法案合意待ち

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜13日午後時点、世界全体で5億2011万人に達し、6日前の午後から394万人増である。北京では自宅待機の要請、我が国でも「3密」回避など一人ひとりの感染防止の取り組みが引き続き求められている。1985年に協議が開始され、1996年の協定終結に至る日米半導体摩擦の過去の推移から、今や国内での完結した半導体製造強化が喫緊の課題となって、両国政府がともに法制化を図る動きの最中である。我が国では、戦略的に重要度の高い半導体などの供給網構築、先端技術確保に取り組む経済安全保障推進法が成立、米国では、連邦資金$52 billionを供給する法案の残された上院および下院間の調整合意が急がれている。

≪待ったなしの打開推進に向けて≫

前回の本欄で萩生田経済産業相の米国訪問、半導体戦略に向けた両国間の話し合い&合意を示したが、率直な思いが以下にあらわされている。

◇日米半導体の「奇異な運命」、摩擦30年、今や対中で接近 (5月9日付け 日経 電子版 05:00)
→「米国と半導体で手を握り合うのはいささか奇異な運命を感じる」。大型連休に訪米した萩生田光一経済産業相は4日、こんな本音をのぞかせた。日米間の半導体協力に関する基本原則をまとめた後の記者会見での発言だった。萩生田氏が「奇異」と表現したのは、半導体を巡り日米が対立してきた過去があるからだ。1980年代後半から90年代前半にかけてのいわゆる「日米半導体摩擦」で、日本にとっては苦しい現況のきっかけとなった。
・・・・・

我が国の経済安全保障推進法成立関連の記事が、以下の通りである。

◇経済安保推進法が成立、2023年から施行、供給網を強化 (5月11日付け 日経 電子版 12:51)
→岸田文雄政権が看板政策に掲げる経済安全保障推進法が11日の参院本会議で可決、成立した旨。半導体など戦略的に重要性が増す物資で供給網を強化し、基幹インフラの防護に取り組む体制を整える旨。2023年から段階的に施行する旨。
経済安保法は、
 1)供給網の構築
 2)基幹インフラの安全確保
 3)先端技術の官民研究
 4)特許の非公開
――の4本柱で構成する旨。

自民党の半導体戦略推進議員連盟の取り組みが、以下あらわされている。

◇半導体戦略「政官民の三位一体で」 自民・関芳弘氏永田町政策マップ インタビュー (5月11日付け 日経 電子版 05:00)
→=自民党は経済安全保障で重要な半導体産業の復活にどう取り組むのか。
党の半導体戦略を推進する議連で事務局長を務め、経済安保政策にも精通する関芳弘氏に聞いた。=
日本の半導体産業に問題意識をより持った契機は2021年4月の日米首脳会談での共同声明だった。声明には半導体を含むサプライチェーン(供給網)での日米連携を盛り込んだ。
高速通信規格「5G」をはじめデジタルの基盤である半導体はますます重要な産業になる。半導体が不足する事態も問題になっている。世界でも有数の技術を持つ台湾へ中国が侵攻する可能性も否定できない。・・・・・
1980年代後半に50%ほどあった日本の半導体売り上げの世界シェアは2019年にはおよそ10%まで縮小している。なぜ落ち込んだのか。
議連は徹底的な分析や反省から議論を始め、とるべき戦略を練った。
・・・・・

◇半導体戦略、議連幹部ら閣内に、予算確保、官民の投資促す(永田町政策マップ) (5月11日付け 日経)
→「オールジャパンで産業復活に取り組むので、民間も安心して投資してほしい」。自民党の半導体戦略推進議員連盟が2月に開いた党の経済安全保障対策本部との合同会議。党本部で最も広い会議室が満席になった。合同会議には民間の半導体関連企業のエンジニアも参加した。議連事務局長の関芳弘氏は「政官民が三位一体となって取り組んでいこうというメッセージでもある」と狙いを明かす。・・・・・

韓国発の本件、経済安保法の取り上げである。

◇日本で経済安保法が国会通過…「中国ターゲット」半導体確保・先端技術保護 (5月12日付け 韓国・中央日報)
→岸田文雄首相が看板政策として掲げている「経済安全保障推進法」(経済安保法)が11日、参議院を通過した旨。中国の台頭を狙って半導体供給網(サプライチェーン)を強化し、先端技術の開発および保護のために政府の介入を強化するのが骨子。
特に半導体確保が核心。供給網強化は半導体など戦略物資の調達を海外に依存するリスクを低減して自国内の生産を増やすためのもので、政府は半導体とレアアース(希土類)、バッテリー、医薬品などを「特定重要物資」に指定することができる旨。指定された物資は政府令により大規模な財政支援を受けることができる旨。
同法により財政支援を受ける代表的企業が台湾半導体企業のTSMC。日本政府はTSMCが熊本県に工場を作るためにかかる費用(約86億ドル、約1兆1175億円)のうち半分を支援する旨。

さて、米国では、$52 Billionの連邦資金を供給する法案が、上院ではUnited States Innovation and Competition Act(USICA)、下院ではAmerica COMPETES Actとして通過しているが、両者間の違いの調整を図らなければならない現状にある。下院法案における中国への制裁が1つにある。

◇U.S. lawmakers to open chips, China bill negotiations-Congress sets conference committee meeting on chips (5月6日付け Reuters)
→今週、100人を超える米国連邦議会議員が集まり、下院と上院で可決された半導体関連の法案間の相反する問題を解決する旨。どちらの法案も、米国内のより多くのウェーハ製造拠点に$52 billionの連邦資金を提供していくが、該法制化においてとりわけ下院法案における中国への制裁が解決されなければならない旨。

この調整を図る最初の会議を、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が歓迎している現時点である。

◇SIA Welcomes Kickoff Meeting of Conference Committee on Competition Legislation-Committee aims to reconcile differences between the Senate's United States Innovation and Competition Act(USICA) and the House's America COMPETES Act (5月12日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、米国議会両院で承認され、Biden大統領によって法に署名される最終的な競争力法案の交渉を任務とするcongressional conference committeeの最初の会議を歓迎するステートメントを、SIAのPresident and CEO、John Neuffer氏からリリースの旨。商務・科学・運輸委員会の委員長、Maria Cantwell上院議員(D-Wash.)が、本日午前10時に開催される該会議の議長を務める旨。下院科学・宇宙・技術委員会委員長、Eddie Bernice Johnson(D-Texas)議員が下院代表団を率いる旨。

◇SIA Welcomes Kickoff Meeting of Conference Committee on Competition Legislation (5月12日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

インテルからも、本調整の推進&打開を急ぎ求めている。

◇Intel CEO on CHIPS Act: 'Get that frickin' thing done'-Intel CEO wants Congress to pass the CHIPS Act bill -Intel's Pat Gelsinger hammers home the importance of the US CHIPS Act (5月10日付け TechRadar)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、米国の半導体業界に連邦資金を供給するために下院と上院で可決された法案の調整を進めるよう議会に公に督促している旨。「米国下院と上院がCHIPS法を終了させることは非常に重要」と同氏。

対中国が焦点であり、米国商務長官の以下の証言が見られている。

◇China opposes semiconductor bill because it will give U.S. advantage -U.S. commerce chief-Raimondo: China opposes US chip bill for competition (5月11日付け Reuters)
→Gina Raimondo米国商務長官が今週、キャピトルヒルで、米国の半導体業界への連邦政府の資金提供に対する中国の反対は驚くべきことではないと証言した旨。「中国は私たちがこの法案を可決することを望んでいない」とし、「彼らはこの法案が私たちが彼らを打ち負かすことを可能にすることを知っている」と付け加えた旨。

◇米半導体強化法案、中国の反対は重要性の裏付け=商務長官 (5月12日付け ロイター)
→レモンド米商務長官は11日、上院歳出小委員会の公聴会に出席し、半導体強化法案に中国政府が反対しているのは米国の競争力が強まるためだと述べた旨。議員らは12日、半導体製造に520億ドルの補助金を支給する法案の妥協案について正式な交渉を開始する旨。最終的な合意にはまだ数カ月かかる可能性がある旨。

供給網構築、先端技術確保に向けた各国の関連する動きから。

米国での量子コンピューティング技術についての大統領令である。

◇White House Targets Quantum Computing Cybersecurity Risks-Biden issues executive orders on quantum computing -President Joe Biden signs executive orders to mitigate cyberattack risks from quantum computers (5月6日付け MSSP Alert)
→Joe Biden大統領が、米国より量子コンピューティング技術が優れている外国のライバルによって国家安全保障が危険にさらされるのを防ぐことを目的とした2つの大統領命令を出した旨。該命令の規定の中には、業界、学術機関、および海外のパートナーや同盟国の間の強化された量子コンピューティングパートナーシップを促進することが含まれている旨。

本技術については、我が国もロシアへの輸出禁止措置である。

◇量子コンピューターなどロシアへ輸出禁止、追加制裁 (5月13日付け 日経 電子版 11:11)
→政府は13日、ウクライナに侵攻したロシアへの先端技術を用いた製品を輸出禁止にする外為法の政令改正を閣議決定した旨。量子コンピューターや3Dプリンターなどと、その関連物品・技術が対象になる旨。すでに57のハイテク製品・技術の輸出を止めており、さらに追加する旨。米欧と足並みをそろえて経済制裁を強める旨。

英国政府が、ロシアの半導体メーカーに対し、Armアーキテクチャーへのアクセスを禁じている。

◇UK sanctions Russian microprocessor makers, banning them from ARM-UK bars Russian IC firms from using the Arm architecture (5月7日付け BleepingComputer)
→英国政府が水曜4日、63のロシアの法人を制裁リストに追加、その中には、ロシアで最も重要な2つの半導体メーカー、Baikal ElectronicsおよびMCST(Moscow Center of SPARC Technologies)がある旨。

◇ロシアのチップメーカーがArmアーキテクチャへのアクセスをイギリス政府によって禁止される (5月9日付け gigazine.net/news)
→イギリス政府が2022年5月4日に、新たにロシアの63団体に対する経済制裁措置のリストを発表、その中で、ロシアの半導体企業、Baikal ElectronicsとMCSTが、Armアーキテクチャへのアクセスを禁じられた旨。

中国は、諸々に対抗、政府&国営機関に外国ブランドのパソコンを国内製に置き換えを命じている。

◇China orders government to dump foreign computers (5月7日付け Taipei Times)
→中国が、中央政府機関と国営企業に2年以内に外国ブランドのパソコンを国内の代替品に交換するよう命じている旨。これは、機密性の高い機関内から主要な海外技術を根絶するための北京の最も積極的な取り組みの1つの旨。

GlobalFoundriesと米国国防総省の間の重要半導体供給確保の連携である。

◇GF, DoD Announce $117 Partnership to Secure U.S.-Made Critical Chips (5月10日付け EE Times)
→GlobalFoundries(GF)が先週、米国国防総省(DoD)との$117 millionのパートナーシップを発表、このパートナーシップでは、同社がDoDの国家安全保障システム向けの重要な米国製半導体再供給を支援する旨。

インドでは、同国最初の半導体fab建設の備えが進められている。

◇India Prepares to Build Nation’s First Chip Fab (5月10日付け EE Times)
→インドは、ISMCの最近の発表を受けて、Karnataka州南西部での最初のICファブの建設に向けて準備を進めている旨。


コロナ対応のなかなか完全には収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□5月9日(月)

日米金利差の拡大を受けた円安・ドル高の動きが続いているが、我が国内では、以下続く通り、長くは続かないとの見方が大勢である。

◇円、20年ぶり安値を更新、131円台前半に下落 (日経 電子版 15:55)
→9日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、1ドル=131円台前半と2002年4月以来およそ20年ぶりの円安・ドル高水準を付けた旨。4月28日に付けた1ドル=131円25銭を下回った旨。インフレ抑制を目的に米連邦準備理事会(FRB)が0.5%の大幅な利上げを続ける姿勢を示し、米長期金利の指標となる10年債利回りが2018年以来となる3%台を付けている旨。日米金利差の拡大を受けた円安・ドル高の動きが続いている旨。 

□5月10日(火)

出だしで2ヶ月ぶりの年初来安値を更新、それが4日続いて、最後にいい加減ということで反転した今週の米国株式市場である。

◇NYダウ653ドル安、年初来安値に、中国懸念と金利が重荷 (日経 電子版 05:43)
→9日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が3営業日続落し、3月上旬以来、約2カ月ぶりに年初来安値を更新した旨。米長期金利が一時、2018年11月の水準まで上昇し、アップルやアマゾン・ドット・コムなど大型ハイテク株への売り圧力となった旨。中国の景気減速に対する警戒も強まり、世界中の投資家がリスク回避に動いている旨。

□5月11日(水)

◇企業、円安長期化見込まず、為替想定120円以下が8割 (日経 電子版 05:18)
→上場企業が2023年3月期の為替見通しを実勢より円高に見積もっている旨。想定レートを開示した企業を集計すると、1ドル=120円が4割と最も多く、115円以下は3割あった旨。輸出企業の多くは今の水準が続けば利益を押し上げる要因になる旨。1年を通じた円安の長期化を見込まず利益の上振れ余地を残すのは、ウクライナ情勢や材料高など経営環境の先行きが見通しにくいことも背景にある旨。

注目された米国の4月の消費者物価指数(CPI)についてである。

◇Inflation barreled ahead at 8.3% in April from a year ago, remaining near 40-year highs-Inflation rate eases slightly, still near 40-year high (CNBC)
→4月の消費者物価指数(CPI)は3月の8.5%から8.3%上昇となったが、4月の数値はアナリストが予想していた8.1%の上昇を上回り、40年近くの高値を維持した旨。食料とエネルギーの価格を除いたコア消費者物価指数は6.2%上昇の旨。

米国の金融引き締めの世界の株価へのインパクトの度合いである。

◇世界の株式時価総額、21兆ドル消失、債券は17兆ドル減−米利上げが引き金 (日経 電子版 05:24)
→世界の株式や債券の価値が急速に減少している旨。インフレを背景に米金融引き締めが加速し景気減速の懸念が強まるなか、世界の株式時価総額は100兆ドル(1京3000兆円)を割り、債券を合わせた価値は年初から38兆ドル減った旨。世界の国内総生産(GDP)の半分近い金額が消えた計算になる旨。新型コロナウイルス下の緩和マネーで膨張した金融市場が縮み、企業の資金調達などに影を落とす旨。

◇NYダウ4日続落、連日で年初来安値、ナスダックは反発 (日経 電子版 05:28)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比84ドル96セント(0.3%)安の3万2160ドル74セントと連日で年初来安値を付けた旨。米金融引き締めへの警戒感が強く、11日の4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて買いに慎重な姿勢もみえた旨。ただ、米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株は買い直され、ダウ平均を下支えした旨。

□5月12日(木)

◇米消費者物価、4月8.3%上昇、8カ月ぶり鈍化も高水準 (日経 電子版 05:21)
→米労働省が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が8.3%となった旨。約40年ぶりの水準を更新した3月の8.5%から縮小した旨。上昇率はピークを迎えつつあるとの見方が出ているものの、住居費などの上昇圧力はなお強い旨。米連邦準備理事会(FRB)は通常の2倍となる0.5%の利上げを続ける構えだが、インフレの早期収束は見通せない旨。

◇NYダウ続落326ドル安、年初来安値、予想上回る物価上昇 (日経 電子版 07:58)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比326ドル63セント(1.0%)安の3万1834ドル11セントで終え、連日で年初来安値を更新した旨。11日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを警戒した売りが強まった旨。

□5月13日(金)

◇NYダウ、連日の年初来安値、アップル株一時5%安 (日経 電子版 06:00)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続落し、前日比103ドル81セント(0.3%)安の3万1730ドル30セントで終えた旨。米長期金利の低下にもかかわらず、ハイテク株への売りが続いた旨。今年に入ってからの株価の大幅下落で信用取引の買い主体にはマージンコール(追い証)が発生しているとみられ、投資家の損失覚悟の投げ売りが相場下落につながった旨。

□5月14日(土)

◇NYダウ反発、466ドル高、ハイテク株が買われる (日経 電子版 07:14)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発し、前日比466ドル36セント(1.5%)高の3万2196ドル66セントで終えた旨。前日までの6日続落で2330ドル(6.8%)下げており、短期的な自律反発を期待した買いがハイテク株を中心に優勢だった旨。


≪市場実態PickUp≫

【ロックダウンの影響】

上海の都市封鎖(ロックダウン)、そして北京の自宅待機要請と、中国のゼロコロナ政策措置の影響が広がっている。引き続き目が離せないところである。

◇中国輸出、4月3.9%増に急減速、上海の都市封鎖響く (5月9日付け 日経 電子版 13:24)
→中国税関総署が9日発表した2022年4月の貿易統計(ドル建て)。輸出は前年同月比3.9%増の2736億ドル(約36兆円)。2020年6月以来の低い伸び。最大経済都市の上海市が新型コロナウイルスへの対応で都市封鎖(ロックダウン)に追い込まれ、物流が混乱した影響が出た旨。輸入は3月と同様、前年同月比横ばいにとどまった旨。

◇China's chip import volume falls in first four months amid tech self-sufficiency push, Covid-related manufacturing disruption (5月9日付け South China Morning Post)
→*中国は1月から4月にかけて1,860億個のICを輸入し、前年比11.4%減少した旨。
 *現在の減少傾向は、過去2年間に見られたIC輸入の急増とは対照的の旨。

◇Shanghai's zero-Covid policy weighs on electronics (5月10日付け FierceElectronics)
→中国が最近、上海でのゼロコロナ政策に断固たる態度で対応、そこでは、AppleおよびTexas Instrumentsなど多くの企業の電子製品の組み立てから数十の工場が中断された旨。

◇トヨタ、国内8工場を最長6日間停止、上海の都市封鎖で (5月11日付け 日経 電子版 05:34)
→トヨタ自動車は10日、16日から国内8工場14ラインを最長6日間停止すると発表、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目指した中国・上海市の都市封鎖(ロックダウン)の影響で、サプライチェーン(供給網)の一部が混乱していることが響く旨。同社が上海のロックダウンを理由に国内工場を停止するのは初めてとなる旨。

◇4月の中国新車販売、47%減、感染拡大、新エネ車は44%増 (5月12日付け 日経)
→中国汽車工業協会が11日発表した4月の新車販売台数は、前年同月比47.6%減の118万台。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年2月以来、2年2カ月ぶりの大きな減少幅となった旨。電気自動車(EV)など新エネルギー車は同44.6%増の29万台と高い成長を持続した旨。

◇北京、自宅待機3日間を要請、市中心部でゼロコロナ堅持 (5月13日付け 日経 電子版 06:40)
→北京市政府は12日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため13〜15日は自宅で待機するよう市中心部の市民に要請した旨。上海市のようにロックダウン(都市封鎖)する可能性は否定したが、コロナを徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策を堅持する方針を示した旨。

◇中国都市封鎖、Apple1兆円減収予想も、先行き見えず (5月13日付け 日経 電子版 11:43)
→中国が新型コロナウイルスの感染防止対策で講じた都市封鎖(ロックダウン)の影響が、米アップルの経営を直撃している旨。製品の大半が台湾企業の中国工場で生産されるため。4月からの工場停止で既に新製品の出荷が2カ月遅れる影響が出始めた旨。アップルは4〜6月期に最大1兆円の減収影響を見込む旨。当局の規制は長引いており、中国経済を含めて影響が一段と広がる可能性がある旨。

【半導体の不足インパクト】

世界情勢絡みのインパクトがあれこれの現時点、半導体の不足に関する現下の動きである。

◇Semiconductor Shortage May Be Here To Stay (5月9日付け DevOps.com)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、半導体の不足は2024年まで続くと警告しており、これはメーカー、企業および消費者にとって恐ろしい現実である旨。

TSMCの値上げが、以下の通りである。

◇TSMC to raise product price by 6% next year: clients (5月10日付け Focus Taiwan)

◇TSMC plans 5-9% price hike starting in 2023-Sources: TSMC will increase prices in 2023 (5月11日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、来年初めに価格を5%から9%引き上げる見込みの旨。ここ数ヶ月、同社は、7-nmおよび5-nm features搭載microchipsの製造に使用される最先端のプロセスノードの価格を引き上げている旨。

◇TSMCが半導体再値上げ、顧客に通知、5〜8%か (5月11日付け 日経)
→半導体受託生産の最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が半導体の再値上げを計画していることが10日、関係者への取材でわかった旨。既に顧客に通知を始めた旨。同社は2021年にも最大20%の値上げ通達をした旨。再度の値上げで部品や輸送費などの生産コストが上昇していることに対応するとともに、成長投資の原資を確保するとみられる旨。

半導体設計会社には、値下げ圧力となっている。

◇IC design houses under pressure to drop prices-Sources: IC design firms may trim prices under pressure (5月12日付け DIGITIMES)
→業界筋発。半導体設計会社が、特に携帯電話などマスマーケット機器に搭載されるmicrochipsの価格を下げるという市場の圧力を感じている旨。MediaTekおよびQualcommはそのような圧力に抵抗している旨。

値上げについては、TSMCに同調するSamsungの動きである。

◇Samsung in Talks to Hike Chipmaking Prices by Up to 20%-Report: Samsung may increase foundry prices by 20% (5月13日付け Bloomberg)
→1)*Samsungが上昇する材料費を回し渡すことでライバルのTSMCに加わる旨。
  *Qualcommに供給するSamsungは、TSMCを追い抜くことを目指している旨。
 2)Samsung Electronicsがファウンドリサービスの価格を最大20%引き上げる可能性、とBloomberg発。値上げは今年の後半に始まる可能性の旨。

◇Samsung in talks to hike chipmaking prices by up to 20% - Bloomberg (5月13日付け Reuters)

【最先端微細化関連】

ここでも、SamsungとTSMCの間のしのぎ合いである最先端微細化への対応であるが、以下の通り、TSMCが先行の度合いをますます高める状況がうかがえている。

◇サムスン電子、4ナノ工程スナップドラゴン第2世代は失注か…TSMC製造と報道 (5月11日付け コリア・エレクトロニクス)
→サムスン電子が4ナノファウンドリ(システム半導体委託生産)工程の最大顧客企業だったクアルコムを逃したという外信報道が出た旨。韓国メディア「BUSINESS POST」が報じた旨。
クアルコムがTSMCに移れば、5ナノ以下の先端工程でサムスン電子とTSMCのシェア格差はさらに広がるものと予想される旨。

◇TSMCが年内にも1.4nmプロセスの開発を開始する可能性、台湾メディア報道 (5月11日付け マイナビニュース)
→TSMCが2022年6月にも1.4nmプロセスの開発を台湾南部サイエンスパーク(台南市)にあるFab18で開始する模様であると、同社のサプライチェーン関係者の情報として複数の台湾メディアが報じている旨。

【Google関連】

Googleが、スマート時計そして眼鏡を、以下の通り同社のI/O conferenceにて披露している。リアルタイムでの言語翻訳が眼鏡に、とのこと。

◇Google announces its first smartwatch, a new budget phone and more (5月11日付け CNBC)
→*Googleが水曜11日の同社I/O conferenceで、待望のPixel Watchを発表、Apple Watchと直接対決する旨。
 *秋に出てくる旨。
 *同社はまた、Pixel Buds Pro、Pixel 6aおよびPixel 7を発表の旨。

◇Google teases smart glasses prototype that translates languages in real time (5月11日付け CNBC)
→*GoogleのCEO、Sundar Pichai氏が、同社が取り組んでいる、リアルタイムで言語を翻訳できるスマートグラスのプロトタイプを披露の旨。
 *同社のI/O conferenceにて、Pichai氏は"開発と転写を行い"、ユーザーの視線にそれらを届ける拡張現実(AR)メガネのデモを行った旨。

◇Google、スマートウオッチに参入、Pixel Watch今秋発売 (5月12日付け 日経 電子版 07:49)
→米グーグルは11日、スマートウオッチなどと呼ぶ腕時計型端末の販売に乗り出すと発表、「Google Pixel Watch」を今秋に発売する旨。同市場では2015年に「Apple Watch」を発売した米アップルが先行しているが、強みを持つ人工知能(AI)などを活用してコンピューターの新たな使い方を提案する旨。同日に開いた開発者会議「グーグルI/O」で発表した旨。

そして、Googleは、欧州メディアと記事使用料支払いで合意している。

◇Google、欧州メディア300社と記事使用料支払い合意 (5月12日付け 日経 電子版 09:54)
→米グーグルは11日、ドイツやフランスなど欧州の約300の報道機関と記事使用料の支払いで合意したと発表の旨。欧州連合(EU)の閣僚理事会は2019年、IT大手に適切な著作権の使用料を支払うことを義務付ける著作権法の改正案を採択していた旨。

【RISC-V関連】

使用料のかからないオープンソースライセンスで提供されているRISC-Vについて、現下の注目の動き、2件である。

◇RISC-V CEO seeks 'world domination' by winning over the likes of Intel-RISC-V CEO plays nicely with Intel, boosting the ISA-We speak to the head of ISA's governing body on industry adoption, timelines, and more (5月7日付け The Register (UK))
→RISC-V InternationalのCEO、Calista Redmond氏が、独自のアーキテクチャーを備えたIntelなど半導体企業と協力、半導体設計におけるオープンソースのRISC-V命令セットアーキテクチャー(ISA)の支持者を増やしている旨。「私たちのこの特別なrodeoを運営および管理するには、ある程度の資金が必要」とRedmond氏。

◇MIPS discloses first RISC-V chips coming in Q4 2022-MIPS reveals eVocore RISC-V processor debut plan (5月11日付け The Register (UK))
→現在のMIPSが、最初に2つのマルチプロセッサIPコア、eVocore P8700とI8500で構成される新しいeVocoreプロセッサラインの最初の製品のプレビューで、RISC-V市場への参入を宣言した旨。該eVocoreプロセッサラインは、高性能のリアルタイムコンピューティングアプリケーションを対象としている旨。

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