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米欧の貿易・技術協議会(TTC)初会合および米国の情報提供要求の波紋

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新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜2日午前時点、世界全体で2億3415万人に達し、1週間前から約311万人増と43万人の減り幅である。我が国では、引き続きの警戒感の中で緊急事態宣言が解除されている。前回本欄で示したWhite House meetingに続いて、この6月に半導体供給強化に向けて米国と欧州連合(EU)の間で設けられた貿易・技術協議会(TTC)の初会合が、9月29日に米国・Pittsburghで開催されている。半導体の不足の問題も取り上げられ、"半導体におけるグローバルsupply chainsのバランス再調整連携の構築"のコミットが共同ステートメントで確認されている。先のWhite Houseでの米国の半導体各社への情報提供要求が、波紋を呼んできている。

≪米国の強硬なスタンスの見え隠れ≫

米国とEUの間の貿易・技術協議会(TTC)が、この6月に次の通り設立されている。

◇米とEU、半導体供給強化で協議会設立 対中国で協調へ (6月16日付け 毎日新聞)
→米国と欧州連合(EU)は15日の首脳会談で、産業協力の強化に向けて「貿易・技術協議会(TTC)」を設立することで合意した旨。米国の鉄鋼・アルミニウム関税を巡る貿易紛争についても年内の解決を目指すことで一致した旨。先端技術やデジタル分野で存在感を高める中国に対抗するため、米欧の連携を強める旨。
ブリュッセルを訪問したバイデン米大統領が、EUのミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)、フォンデアライエン欧州委員長と会談して合意した旨。

9月23日に開催されたWhite House meetingにて、米国のGina Raimondo商務長官が、出席各社に半導体の不足に絡む情報を45日以内に求めているが、これへの対応が以下に示すように波紋を広げていく。

◇White House prods companies on chips information request-White House calls for ideas to end the chip shortages (9月23日付け Reuters)
→Biden政権officialsが、自動車などの製品のグローバルな生産を制限している世界的な半導体の不足を如何に打開するかアドバイスの提示を自動車メーカー、microchipベンダーなどbig tech各社に嘆願の旨。
Gina Raimondo商務長官が、該不足状況について45日以内に情報を要求、"このbottlenecksの詳細を得て、究極には事が起きる前に課題を予想する"ようにしたいとしている旨。

同長官のコメントが続いている。

◇Biden official reveals the failure behind America's epic chip shortage-Raimondo: US needs to invest more in wafer fabs (9月24日付け CNN)
→Gina Raimondo米国商務長官が、米国半導体メーカーがあまりに長くウェーハfab拠点への投資を行っておらず、自動車製造などの業界における半導体の不足を主導する原因である旨。「我々はかつて半導体製造で世界を引っ張ったが、今はそうではない。」と、Raimondo氏。

貿易・技術協議会(TTC:Trade and Tech Council meeting)の第1回会合に向けた記事である。

◇Competition, chips, AI on table at first U.S.-EU trade and tech meet-EU, US to meet to discuss AI, chips, tech competition (9月27日付け Reuters)
→European Union(EU)と米国の代表が今週、第1回Trade and Tech Council meeting打ち合わせ、artificial intelligence(AI)技術、世界的な半導体の不足およびハイテク市場の競争が議題の旨。該meetingは、水曜29日にPittsburgh, Pa.で始まり、幾人かのEUおよび米国政府officialsが出席予定の旨。

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)からは、先週のWhite House meetingを受けてのレポートがリリースされている。

◇New Report Highlights Strength of U.S. Semiconductor Industry and Continued Challenges-2021 State of the Industry Report calls for ambitious competitiveness and innovation policy agenda (9月27日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、annual State of the Industry Reportをリリース、米国半導体業界の現在のグローバルな位置づけ、並びに業界の伸長&革新への課題およびopportunitiesを調べている旨。これは、議会が国内の半導体製造、設計およびリサーチに投資する非常に重要な法制化を検討していることから出てきており、継続するグローバルな半導体の不足を議論する先週の業界leadersとのWhite House meetingに従っている旨。

White Houseが半導体supply chainの透明性を求める中、インテルはArizonaでの2つの新工場起工である。

◇Intel breaks ground on new Arizona fabs as White House seeks supply chain transparency (9月27日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、Arizonaでの2つの新工場起工式の際、半導体supply chainへの透明性を高めるよう求めるBiden政権の最近の圧力を如何に扱うか、Business Journalに語った旨。

このタイミング、中国では次世代半導体技術対応を強調する5カ年計画の記事である。

◇China stepping up development of homegrown 3rd-gen semiconductor supply chain-China's 14th 5-Year Plan to emphasize next-gen chip tech (9月27日付け DIGITIMES)
→業界観測筋発。中国が第14次5カ年計画で、同国自前の第3世代半導体業界supply chainの展開を踏み上げていく旨。

米国商務省の技術情報提供の要求に対する韓国での受け止め、そして改めて競争力向上に努める動きである。

◇米商務省、サムスン・ハイニックスなどに情報提出要求 (9月27日付け KOREA ECONOMIC DAILY)
→米商務省が、サムスン電子、SKハイニックス、台湾TSMC、インテルなど半導体企業に対し、11月初めまで、ここ3年間の売り上げと原材料および装備購買現況、顧客情報、在庫、リードタイム(生産周期)などの情報提出を要求したことが26日、明らかになった旨。米国は半導体供給網のボトルネック現象の解決を大義名分にしているが、ややもすると韓国半導体企業の情報が、ライバル企業に流出する可能性もあり、懸念が高まっている旨。

◇半導体の競争力向上へ、協議体発足 (9月28日付け 韓国・聯合ニュース)
→半導体の重要性が世界的に高まる中、韓国で「半導体連帯・協力協議体」が発足した旨。協議体はサムスン電子やSKハイニックスなどのメーカーや素材・部品・装備(装置や設備)企業、受託生産会社(ファウンドリー)のほか、学界や研究機関などの代表計約30人からなる旨。半導体産業の競争力向上を目指し、企業間協力や産学連携などを強化していく旨。

貿易・技術協議会(TTC)開催を翌日に控えて、米国・SIAのスタンスが以下の通りあらわされている。

◇Actions the U.S. and EU Can Take Together to Strengthen Both Regions' Semiconductor Supply Chain Resilience (9月28日付け SIA Blog)
→U.S.-EU Trade and Technology Council(TTC)の最初の会合に向けて、WashingtonおよびBrusselsからの高レベル政府officialsが明日、Pittsburghに集まる運び、貿易および大西洋をはさんだ間の投資連携を拡大、深める狙いの旨。該TTCには、10のworking groupsがあり、supply chainセキュリティ, 輸出管理, グローバルな通商課題などの問題に対応する旨。該2つの政府にとって我々の集合的なsupply chain弾力性を強化、業界の伸長&革新を焚きつける健全な半導体政策を調整&推進するのに非常に重要な場が得られる旨。
SIAは、半導体supply chainの弾力性を強化、業界の伸長&革新を焚きつけるために米国とEUが協働できる4つの特定領域を同定の旨。
 1.The U.S. and EU should maintain close coordination and exchange of information on semiconductor policy and strategy.
 2.The U.S. and EU should deepen collaboration on transatlantic research and development.
 3.The U.S. and EU should strengthen rules for state-owned enterprises(SOEs) and distortive industrial subsidies.
 4.The U.S. and EU should ensure a coordinated and targeted export control policy.

そして迎える貿易・技術協議会(TTC)について、概要が次の通りである。

◇米EU貿易技術協議会、半導体不足や競争問題が議題に=米当局者 (9月28日付け ロイター)
→米政府当局者は27日、米国と欧州連合(EU)が今週開催する貿易・技術協議会(TTC)の初会合について、半導体不足や人工知能(AI)、ハイテク分野の競争問題などが議題になるとの見方を示した旨。会合は29日に米ペンシルベニア州ピッツバーグで開催する旨。米国側からはブリンケン国務長官、レモンド商務長官、タイ通商代表部(USTR)代表が、EU側からはドムブロフスキス欧州委員(通商担当)、ベステアー欧州委員(競争政策担当)がそれぞれ出席する予定。

該協議の概要、そして共同ステートメントが以下の通りの確認である。

◇U.S., EU agree to work on chip supplies, tech rules, China trade-China, chips, trade all part of new EU-US collaboration (9月29日付け Reuters)
→US-EU Trade and Technology Council(TTC)が今週初めて会合、半導体の不足、ハイテク会社の法制および中国との貿易の対応での協力で合意の旨。両者による共同ステートメントは中国には触れていないが、「我々は、不公正な貿易慣行、特に世界貿易体制を傷つけている非市場経済(Non Market Economy:NME)によるものから我々のビジネス、消費者、およびworkersを引き続き保護するよう結束する。」と特に言及の旨。

◇米EU、中国対抗で貿易技術協力へ−評議会初会合後に共同声明−名指し避けるも非市場経済の不公正貿易慣行から企業を守ると表明 −半導体サプライチェーンの安全確保やAI開発・導入でも協力 (9月30日付け ブルームバーグ)
→米国と欧州連合(EU)は29日、米ペンシルベニア州ピッツバーグで貿易技術評議会(TTC)の初会合を開き、重要技術を巡るルールや基準づくりで協力するとともに、主要な通商問題へのアプローチで協調することで一致した旨。会合後の共同声明では中国を直接名指ししなかったものの、「われわれは一致団結して、特に世界の通商システムを弱体化させている非市場経済による不公正貿易慣行から引き続き企業や消費者、勤労者を守る」とし、議題の多くが中国への対抗姿勢をうかがわせるものとなっている旨。具体的には、対米および対EU外国投資に絡むリスクの審査、重要技術に関連した輸出規制、半導体サプライチェーンの安全確保、民主主義的価値を反映し普遍的人権を尊重する形での人工知能(AI)開発・導入などの分野でどのように協力するかを打ち出した旨。

EUの現状が持ち込まれた以下の内容である。

◇The U.S. and EU discuss ways to solve the global chip shortage: Here's what you need to know (9月30日付け CNBC)
→*フランスの苛立ちが、水曜29日夕方の該meetingの終わりで米欧両者が出したステートメントの効果を弱めた旨。
 *共同ステートメントの中で、"半導体におけるグローバルsupply chainsのバランス再調整連携の構築"コミットが加えられた旨。
 *しかしながら、関税の前線では何らbreakthroughはない旨。

◇European IC Effort Doubles Down on Tech Sovereignty (10月1日付け EE Times)
→Chips ActのEU版は、新しい‘mega fabs’を巡る半導体ecosystemを案出する米国の活動を繰り返している旨。

さて、米国政府による情報提供の要求の1件であるが、強硬なスタンスが垣間見える以下の内容である。

◇半導体不足巡る米政府の情報提供要請、台湾は米国の法律尊重 (9月30日付け ロイター)
→米政府が、国内自動車業界を減産に追い込んでいる半導体危機について、自動車メーカーや半導体企業などに情報提供を求めている問題で、台湾経済部(経済省に相当)は30日、米国の商法・規制を尊重するが、米国が「理不尽な要求」をした場合は、台湾企業を支援すると表明した旨。
レモンド米商務長官は、45日以内に半導体危機に関する情報を提供するよう任意ベースで要請したとした上で、企業が任意の要請に応じない場合については「われわれには彼らにデータを求める別の手段がある。これを行使する事態にならないことを願うが、必要になれば断固実行する」と警告した旨。

これに対する韓国の状況を上に示したが、台湾では"不当な要求"であれば、反発するスタンスであり、TSMCは顧客関連の秘密部類の情報は開示しない、とはっきり以下の通りあらわしている。

◇Taiwan, on chip information request, says respects US laws-Economic minister: Taiwan will follow US laws on calls for chip information (9月30日付け Reuters)
→台湾は、米国商法&規則を尊重するが、台湾の会社が"不当な要求"を受ければ、彼らを助ける、と台湾政府が木曜30日、米国が半導体危機についての情報提供を強く求めた後で。

◇Taiwan's TSMC says it won't disclose client info to US-Concerns grow as chipmakers including TSMC, Samsung asked to offer confidential data (9月30日付け Taiwan News)
→1)TSMCが木曜30日、同社は米国政府に自分たちの情報を明かさない、とclientsを安心させている旨。米国商務省がTSMC, Samsung, Intelなど関係各社に販売高、在庫状況、およびclientsの詳細に関するデータ提供を求めているという韓国メディア報道を受けて、この点が注目されている旨。Business Koreaによると、該要求は、世界の半導体供給難をより良くつかむよう9月23日のWhite Houseでの半導体summitの間に行われた旨。
 2)米国政府が、今週のPittsburghでのUS-EU Trade and Technology Council meetingの結果として、Intel, Samsung Electronics, Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.(TSMC)など半導体ベンダーの顧客についての情報を要求の旨。多くのmicrochipベンダーとつながりを持つ世界最大のファウンドリー、TSMCは、在庫状況および販売高などclientsのconfidentialデータの供給に進もうとしていない旨。

◇TSMC would not reveal confidential customer information to the US: NDC (10月1日付け Taipei Times)
→世界のトップ半導体メーカー、TSMCは、米国商務省に秘密の顧客情報を与えない、とmajority stakeholder、National Development Fund(國發基金)が昨日30日述べた旨。

かつての日米半導体摩擦の応酬の雰囲気を思い起こすところがあるが、今後の推移、成り行きに注目である。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□9月27日(月)

米国の本年GDP予測下方修正、以下に続く連邦政府の債務上限問題、そして中国はというと、不動産バブルそして以下に示す電力不足、と好材料を探しあぐねるところがある。

◇Economists slash their forecasts for America's growth-Economists downgrade 2021 GDP growth forecast to 5.6% (CNN)
→National Association for Business Economists発。今年の米国GDP伸長をこのほど5.6%と予想、5月時点の6.7%から下方修正。第三四半期の伸びについても、5月の6.6%から4%としている旨。

◇中国、不動産バブル懸念、民間債務かつての日本超す−マンション価格、年収の57倍 (日経 電子版 02:00)
→中国恒大集団の過剰債務問題をきっかけに、中国の不動産バブルへの懸念が高まっている旨。格差是正を掲げる習近平(シー・ジンピン)指導部にとって不動産価格の高騰を容認しにくくなっているため。経済規模に対する民間債務比率などの指標はバブル期の日本を超えており、軟着陸は容易ではない旨。対応次第では、中国経済が低迷期に入る可能性がある旨。

□9月28日(火)

債務問題そしてコロナ治療薬への期待と、大きく上げ下げがあった今週の米国株式市場である。

◇NYダウ4日続伸、71ドル高、景気敏感株に買い (日経 電子版 05:55)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比71ドル37セント(0.2%)高の3万4869ドル37セントで終えた旨。米国で新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあるなか、景気減速の懸念が薄れた旨。米長期金利や原油価格の上昇などを受け、グロース(成長)株から景気敏感株に資金を移す流れが強まった旨。

我が国の緊急事態宣言が全面解除、段階的な経済再開である。

◇緊急事態宣言・まん延防止の全面解除、政府が決定 (日経 電子版 17:23)
→政府は28日、新型コロナウイルス対策で発令中の緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」を期限の30日で全面解除すると決めた旨。宣言地域で禁止していた飲食店での酒類提供を全国で解禁する旨。1カ月ほど行動制限を残し段階的な緩和を探る旨。経済再開に向け新型コロナとの共存が試される旨。

□9月29日(水)

◇債務不履行なら「壊滅的事態」、米財務長官が議会で証言 (日経 電子版 05:35)
→イエレン米財務長官とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は28日、そろって上院で議会証言に臨んだ旨。イエレン氏は連邦政府の債務上限問題への対応が遅れると10月18日以降に資金が尽きると指摘。デフォルト(債務不履行)に陥れば「経済の壊滅的な事態」になると警告し、議会に早急な対応を訴えた旨。

◇NYダウ反落569ドル安、ナスダックは今年3番目の下落率 (日経 電子版 05:36)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比569ドル38セント(1.6%)安の3万4299ドル99セントで終えた旨。米長期金利が一時、6月中旬以来の水準に上昇し、金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄が売られた旨。米連邦債務の上限問題への懸念も投資家心理を冷やした旨。

□9月30日(木)

◇NYダウ反発、90ドル高、長期金利の上昇一服 (日経 電子版 06:03)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比90ドル73セント(0.3%)高の3万4390ドル72セントで終えた旨。米長期金利の上昇が一服し、製薬のメルクや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株中心に買い直された旨。前日は金利上昇を嫌気してダウ平均は569ドル下げており、値ごろ感からの買いも入ったよう。

◇中国景況感が一段の悪化、節目の50割れ、電力不足影響も (日経 電子版 10:59)
→中国国家統計局が30日発表した2021年9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.6と、前月より0.5ポイント低下、好不調の境目である50を下回るのは、新型コロナウイルスが直撃した2020年2月以来、1年7カ月ぶり。国内各地で広がった電力供給の制限で工場の稼働率が落ち、景況感が一段と悪化している旨。今年3月をピークに6カ月連続で前月の水準を下回った旨。

□10月1日(金)

◇NYダウ反落546ドル安、債務問題や供給網混乱が重荷 (日経 電子版 06:02)
→30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比546ドル80セント(1.6%)安の3万3843ドル92セントで終えた旨。買い先行で始まったがほどなく売りに押され、午後にかけて下げ幅を拡大した旨。米連邦債務の上限問題やサプライチェーン(供給網)の混乱、インフレ加速など悪材料がくすぶっており、市場心理の重荷となった旨。四半期末とあって、手じまい売りも出やすかった旨。

中国では国慶節の休暇入り、コロナ・インパクトが依然残る中、今後の経済指数の動向に注目である。

◇中国、国慶節休暇始まる、コロナで消費停滞か−国内旅行者数、2019年比で8割の予測 (日経 電子版 12:48)
→中国の国慶節(建国記念日)を祝う大型連休が1日に始まった旨。直前に新型コロナウイルスの感染が一部地域で発生し、省や市をまたぐ移動を控える動きがある旨。期間中の国内旅行者数は新型コロナ前の2019年と比べて8割程度にとどまり、個人消費の停滞が鮮明となりそう。

□10月2日(土)

◇NYダウ反発、482ドル高、コロナ治療薬への期待で (日経 電子版 05:41)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前日比482ドル54セント(1.4%)高の3万4326ドル46セントで終えた旨。製薬のメルクが1日、開発中の新型コロナウイルス経口治療薬の有効性を確認し、早急に緊急使用許可を申請すると発表、治療薬が普及すれば、経済活動が正常化に向かうとの見方から、経済再開の恩恵を受ける銘柄に買いが集まった旨。


≪市場実態PickUp≫

【中国の電力不足問題】

環境対策、CO2放出削減に向けて火力の発電の抑制に動いたのが要因とのこと。中国における米国はじめ世界各社の生産へのインパクトが以下の通りあらわされている。

◇Apple, Intel, and Nvidia Suppliers Halt Production in China Due to Mandated Power Shutdowns-Some manufacturing facilities will keep operating. (9月27日付け Tom's Hardware)

◇中国、深刻な電力不足、アップル・テスラ向け工場停止、環境対策で石炭火力抑制、日系にも影響 (9月28日付け 日経)
→中国で深刻な電力不足が起きている旨。当局が環境対策として石炭を主燃料とする火力発電所の発電抑制に動いたことが要因で、同国メディアは全国の約3分の2の地域で電力供給を制限したと報じた旨。米アップルや米テスラ向け部品を生産しているとされる工場が操業を停止し、日系企業にも影響が出始めている旨。

◇China power cuts unlikely to impact foundry sector-What China's power cutting plans mean for suppliers (9月28日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国が、carbon dioxide(CO2)放出を減らすべく、事業向け電力を制限する計画、Apple, IntelおよびNvidia向けのサプライヤのoperationsに影響を与えそうな動きの旨。TSMCおよびUMCは、microchipsの24時間ぶっ通しの生産維持が認められる旨。

【インテル関連】

Arizonaでの2つの半導体fabs建設開始に絡む以下の内容である。

◇Intel to announce new US site for eight fabs-Intel is picking a US site for a cluster of 8 new fabs (9月27日付け Electronics Weekly (UK))
→Intelは今年後半、8つの新しいfabsを持つ新しい米国拠点を発表する、と同社CEO、Pat Gelsinger氏が2つの新しい$20 billion Arizonaファウンドリーfabsの起工式にて。

◇Intel's $20 billion in new fabs won't end chip shortage-Intel spends $20B for Ariz. fabs; chip shortages will continue -The Arizona fabs will boost Intel's new foundry business -- as it tries yet again to diversify from general purpose microprocessors. (9月29日付け ZDNet)
→Intelが、完全に装備されるとそれぞれ$10 billionのArizonaでの2つの広大な半導体fabsの建設を開始の旨。しかし、これらでは自動車メーカーなど多くの産業を損なっている慢性的な半導体の不足を終わらせるのに間に合って生産に入らない旨。

インテルが、第2世代neuromorphic computing半導体の取り組みを以下の通り披露している。

◇Intel intros Loihi 2 research chip and open Lava software for neuromorphic work (9月30日付け FierceElectronics)
→Intelのneuromorphic computingにおけるリサーチの取り組みが、第2世代半導体、Loihi 2に進んでおり、驚くべき発見の期待をもたらしている旨。同社のNeuromorphic Computing Labのdirector、Mike Davies氏の木曜30日のステートメントによると、Loihi 2は、速度、プログラムおよびneuromorphic処理推進能力を改善の旨。

◇Intel unveils second-generation neuromorphic computing chip-Intel debuts Gen2 neuromorphic computing IC, framework (9月30日付け VentureBeat)
→Intelが、neuromorphic computing向け第2世代Loihi 2半導体およびLava open-source frameworkを投入、neuro-inspired応用作成向け。"Oheo Gulch"および"Kapoho Point" neuromorphicシステムが、Intel Neuromorphic Research CommunityおよびLava frameworkのメンバーにGitHubを通して無料で提示されている旨。

◇Intel Rolls Out New Loihi 2 Neuromorphic Chip: Built on Early Intel 4 Process (9月30日付け AnandTech)
→「Intel 4」は、Intelとして初めてEUV技術を採用する7nmプロセス製品。

【アップル関連】

来年の話であるが、iPhone 14がTSMCの3D Fabric実装プラットフォームに乗っかる可能性があるとのこと。三次元実装技術が如何に駆使されていくかどうか。

◇iPhone 14 could be first smartphone to use TSMC's new packaging platform-Apple may adopt TSMC's 3D Fabric for iPhone 14 chips -TSMC pledges to cut emissions while manufacturing new components (9月25日付け Taiwan News)
→Appleの来年のiPhone 14モデルに向けた計画には、TSMCの3D Fabric実装プラットフォームが含まれる可能性の旨。該プラットフォームにより、chipletsのstackingが可能になる旨。

TSMCが価格対応でアップルを優遇、Samsung乗り換えがあるのでは、と韓国発。

◇アップルの偏愛に不満のTSMC顧客各社…サムスンにはチャンス到来か (9月27日付け コリア・エレクトロニクス)
→台湾のファウンドリ(委託生産)企業のTSMCが最大20%の値上げを通知した旨。しかし、アップルには3%のみの引き上げを伝えるなど、価格差別政策を展開しており、他の顧客企業各社から反発を買っている旨。今回の価格差別を巡る議論を受け、TSMCに不満を持っている顧客各社が、グローバルファウンドリ2位ののサムスン電子に乗り換える可能性も持ち上がっている旨。韓国sporbiz社が報じた旨。

コロナ・インパクトがなおここにも、新型「iPhone13」の納期遅れである。

◇「iPhone13」納期遅れ、日本では最大5週間待ちも−ベトナムのコロナ拡大、カメラ部品生産に影響 (9月29日付け 日経 電子版 17:43)
→米アップルの新型スマートフォン「iPhone13」シリーズの日本などでの納期が、カメラ部品の供給不足で最大5週間程度まで長期化していることが分かった旨。部品工場が立地するベトナムの新型コロナウイルス感染拡大が響く旨。

【Samsung関連】

インテルのファウンドリー対応でまず打撃を受けるのはSamsungでは、との見方である。

◇Samsung: Real foundry competitor could be Intel (9月27日付け DIGITIMES)
→IntelはTSMCをターゲットにしているように思われるが、Intelがウェーハファウンドリー事業で進展していけば、最初の犠牲者はTSMCではなくSamsungである可能性の旨。

8月の市場データに変調の兆しとささやかれているが、2018年の再来、いな遥かに越える期待の本年の「スーパーサイクル」の鈍化が取り沙汰されている。

◇半導体スーパーサイクル鈍化の可能性…サムスン・SKは「状況を注視」 (9月27日付け コリア・エレクトロニクス)
→サムスン電子とSKハイニックスの主力製品であるメモリ半導体の価格が、早ければ来月から下落に転じる可能性があるという見通しが出ている旨。スマートフォンやノートパソコン、テレビなど、消費者向け電子製品の需要が減少し、メモリ価格の下落が発生しかねない旨。
これを受け、半導体のスーパーサイクル(超好況)の上昇の勢いが弱まる可能性があるという分析が持ち上がる中、各企業が先制対応に乗り出すかどうかが注目される旨。韓国ヘラルド経済が報じた旨。

SamsungのTexas州での新工場の立地場所が決まりそうとのこと。

◇Samsung Electronics close to finalising $17 billion Texas chip plant -sources-Sources: Samsung is close to picking US fab site (9月28日付け Reuters)
→Samsung Electronicsが、すでにウェーハfabを持つAustinの北であるWilliamson County, Texasにおいて$17 billionウェーハfab拠点を建設する方向に傾いている旨。Samsungは以前、約1,800 jobsを生み出すこの提案の拠点でロジックmicrochipsを生産すると明らかにしている旨。

【Micron関連】

Micronからの半導体の不足緩和の見通しである。

◇Micron sees supply-chain shortages 'easing throughout 2022'-Micron: IC supply chain woes should recede next year (9月28日付け ZDNet)
→Micronが、業界にわたる半導体についての制約は、メモリ半導体業界に対する"需要の伸びをサポート、2022年を通じて"緩和する、としている旨。

先端メモリの取り組みの業界における先行性があらわされている。

◇Micron 1α DRAM, 176-layer NAND process yields reach maturity-Micron's DRAM, 176-layer NAND process yields are mature (9月30日付け DIGITIMES)
→Micron Technologyが、同社の1-alpha DRAMおよび176-層NANDフラッシュメモリプロセスnodesが現在完全に成熟、としている旨。「これらプロセス技術の運用において我々は数四半期業界に先行していると思う。」と、Micronのpresident and CEO、Sanjay Mehrotra氏。


≪グローバル雑学王−691≫

各国の中国に対する視点、それもマイナーな顔ぶれからのそれに、ルポライターの著者の目を通して迫っていく書、

『中国vs.世界 呑まれる国、抗う国』
 (安田 峰俊 著:PHP新書 1260) …2021年5月27日 第一版第一刷

より、今回はセルビアである。チトー大統領がまとめ上げていると遥か昔に習ったユーゴスラビアであるが、彼の死後に独立運動、民族間対立や所得格差による対立が繰り返され、今はどうなっているか、ネットの地図で改めての確認である。ユーゴスラビアの首都と習ったベオグラードが、いまはセルビア共和国の首都である。チトーの時代は疎遠であった中国との関係が接近に向かったのが、1999年、ベオグラード市内の米軍による中国大使館誤爆事件。米中関係は最悪の危機を迎えるが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件でいつの間にかウヤムヤという経緯とのこと。EUから仲間外れのセルビアに中国が接近、中欧・東欧圏への基盤拡大を図っている現状があらわされている。セルビアといまなお対立し続ける南に隣接するコソヴォは台湾が国家承認、東アジアの両岸対立構造がバルカンの民族紛争に持ち込まれる構図を認識させられている。


第七章 vs.セルビア
 類は友を呼ぶ? 相互補完関係が成立

◇「習兄さん、ありがとうございます」
・2020年3月15日、セルビアのアレクサンダー・ブチッチ(Александар Вучи?)大統領が新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言を行った記者会見での発言
 →「ヨーロッパの連帯は存在しない」
 →「私たちを助けることができる唯一の国は中国」
・2020年4月はじめからは、首都ベオグラードのあちこちに奇妙な看板
 →「感謝習大哥(習兄さん、ありがとうございます)」
 →ブチッチがかねてから習への親近感を示すため、「兄弟」という表現

◇旧ユーゴ時代は疎遠だった
・セルビアは、バルカン半島に位置する内陸国
 →もとはチトー率いるユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部
 →1992年、セルビアとモンテネグロなど旧連邦の残存部がユーゴスラビア連邦共和国を結成
 →2006年、モンテネグロが独立、現在のセルビア共和国が出来上がった
・1991年から始まった旧ユーゴ連邦の解体期、連邦構成国のセルビア共和国大統領、ミロシェビッチは、近隣の独立運動にしばしば軍事介入
 →NATOに対して公然と対立姿勢を示したことで、国際社会から経済制裁
 →1999年のコソヴォ紛争のときにはNATOの激しい空爆
 →2000年、ミロシェビッチ政権が崩壊、セルビアは国際社会に復帰
 →2008年に独立を宣言した南隣のコソヴォ共和国を自国領だとする主張を現在も、潜在的な火種はいまも残る
・チトー時代の旧ユーゴ連邦は、中国の外交や国内問題の大部分に反対する立場
 →両国はしばしば非難合戦を展開
 →中国との関係は、ユーゴ側の社会主義体制が崩壊するまで一貫して疎遠

◇中国大使館誤爆事件で接近
・対中関係が大きく変わった契機は、皮肉にもセルビアの国際的な孤立
 →1998年、コソヴォ解放軍(KLA)の軍事行動に対して、ミロシェビッチ率いるセルビア人主体のユーゴ連合軍が激しく反撃
 →クリントン政権下のアメリカからのセルビアへの圧力も強まった
・対して、ロシアと中国はアメリカの一極支配の強まりを警戒、ユーゴ情勢への介入に激しく反対
 →抵抗の甲斐なく、1999年3月からNATOによる空爆が開始
 →中国だけはセルビアでの人員を増派
  →米軍の動向を徹底して分析、ユーゴ政府を政治的・外交的に支援
  →引き換えに、ユーゴ連邦軍が得たアメリカの軍事情報の提供を求めていたとされる
・こうした中国の暗躍の中で大事件
 →1999年5月7日深夜(北京時間:同8日早朝)、米軍のB-2爆撃機が、ベオグラード市内にある駐ユーゴ中国大使館を5発のミサイルで「誤爆」(五八事件)
 →中国国内の各地では対米抗議デモが発生
 →後年の反日デモの雛形ともいえそうな事件が頻発
・この五八事件で悪化した米中関係は、2001年4月、海南島の上空、人民解放軍の空軍機と米軍偵察機の衝突事件で最悪の事態に
 →同年9月11日にアメリカ同時多発テロが発生、米中両国は協調方針を取るようになり、ユーゴの1件はいつの間にかウヤムヤに
・中国とセルビアは五八事件を契機に、ユーゴ内戦をめぐるアメリカの「不当」な介入の被害者同士という結びつきを持つことに
 →破壊された中国大使館の跡地には、後年にセルビア政府により記念碑も建てられた
 →2016年6月17日、初めてセルビアを訪問した習近平が、真っ先にこの跡地を訪れて献花、犠牲者の追悼式典を行った
 →五八事件は、中国の国力がまだ不十分だった時期の、自国の弱腰外交の屈辱とアメリカに対する遺恨の象徴
・五八事件の見直しは、かつての被害者仲間だったセルビアへの親近感にもつながっていく

◇EUから仲間外れのセルビアに近づく中国
・中国とセルビアの関係は、過去10年間で一気に緊密化
 →2016年には両国間で包括的戦略的パートナーシップ締結
・近年の中国は中欧・東欧地域を、欧州における自国の橋頭堡として位置づけ
 →2012年からは同地域の16ヵ国を対象とした中国-中・東欧諸国首脳会議(「16+1」協力システム)も開催
 →西欧社会からは、中国が欧州の新たな枠組みを作ることで従来のEUの基盤が揺らぎかねないとする懸念も
・2013年秋、この「16+1」の第2回会議で中国側が提案
 →ハンガリーのブダペストからセルビアのベオグラードまでを結ぶ高速鉄道の建設計画
 →債務危機によって買収したギリシャのピレウス(Piraeus)港とこの高速鉄道を接続、中欧・東欧圏への中国製品の輸出をより容易にさせる計画
  →ただし、ハンガリー国内での反発もあって実際の工事は遅れているよう
・EU未加盟国のセルビアでは、インフラの整備にあたって欧州からの支援が充分に期待できない分野が多い
 →その隙間を中国が埋める構図が生まれているよう

◇セルビア-コソヴォ関係と中台関係
・現在のセルビアは、政治・軍事面でも中国との距離が近い
 →国際的に強い批判が起こっている政策すらも中国の立場を公然と支持
 →新型コロナウイルス問題について中国の責任を問うようなことはない
 →国家安全維持法についても、ブチッチ大統領が支持を明言
・また、セルビアは中国企業、ファーウェイとブロードバンドインターネットの開発についての戦略的パートナーシップや、スマートシティ・プロジェクトについての協定も締結
 →西側諸国は中国系ITインフラを排除しつつあるが、その方針に従う様子はない
・セルビアが中国に接近する理由は他にも
 →セルビアの元自治州、コソヴォの問題
 →2008年にコソヴォ共和国が独立を宣言した後も、セルビアはコソヴォの主権を認めず、「自国の自治州」だとする姿勢を崩していない
・中国がセルビア側に立っていることから、なんとコソヴォに対しては台湾(中華民国)が国家承認を行っている
 →東アジアの両岸対立構造がバルカンの民族紛争に持ち込まれるという興味深い構図
・20年前にアメリカによって「世界の敵」にされてしまった欧州の異端児・セルビア
 →過去の因縁ゆえにあえて中国に接近
 →欧州の火薬庫、バルカン世界は、中国の登場によって再び流動化の時代を迎えつつある

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