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世界を揺らす半導体、White House meetingはじめ関連総ざらい

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜25日午前時点、世界全体で2億3104万人に達し、1週間前から約354万人増と鈍り加減ながらなお増勢である。我が国内では、緊急事態宣言解除に向かう気運が高まる中での緩められない警戒感である。「半導体 世界を揺らす」と日本経済新聞のシリーズ記事に注目、世界的な半導体の不足の最前線の現状がよくあらわされている。時を同じくして、Biden政権が半導体、自動車の業界関係トップとのvirtualWhite House meetingを開催、Gina Raimondo商務長官が不足の状況について45日以内の情報提供を求めるなど「心配で夜も眠れない」取り組みがうかがえている。現時点の関連する各方面の動きを以下取り出していく。

≪第2波の現状、来年を覆う先行き≫

日本経済新聞の電子版記事の以下現時点4回にわたる「半導体 世界を揺らす」に注目させられている。現下の世界的な半導体の不足のインパクトの実態がいくつかの切り口であらわされている。

まずは、ルネサスエレクトロニクスの火災による影響直撃を受けたTeslaのElon Musk氏のコメントである。

◇半導体は「コメ」ではない「心臓」だ、供給網に地殻変動 −半導体 世界を揺らす(1) (9月19日付け 日経 電子版 23:00)
→「我々は極端なサプライチェーン制約下で操業している」。8月12日、米テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクは、半導体調達のボトルネックとして2つの企業を名指しした。その1社に挙げられたルネサスエレクトロニクス。火災で主力工場が一時停止した3月以来、必死の復旧作業に追われた。・・・・・

そして、White House meetingを控えるBiden政権および議会の状況、米国半導体メーカーの本音もあらわれている。

◇「心配で夜も眠れない」、米、半導体生産増強へ官民総力−半導体 世界を揺らす(2) (9月21日付け 日経 電子版 05:00)
→「速やかに可決するか(心配で)夜も眠れない」。米商務長官のジーナ・レモンド(Gina Raimondo)は7月中旬、首都ワシントンのホテルで開かれた会議で心の内を明かした。気をもむのは、半導体工場を誘致する補助金などに計520億ドル(約5兆7000億円)を投じる「CHIPS法」予算案の行方だ。9月13日に再開した議会。上院で与党・民主党を率いるチャック・シューマー(Chuck Schumer)は「半導体不足で米国は苦しい。外国メーカーには頼れない」と繰り返す。対立する与野党も「半導体は一枚岩」(ロビイスト)だが、他の法案との取引材料になり、決着に時間がかかっている。・・・・・政府、議会、産業界の思惑は微妙にすれ違う。「ゾンビ工場が生まれる可能性がある」。米ケイトー研究所のスコット・リンシカムは補助金が逆に供給過剰を招くリスクを指摘する。足元の需給逼迫に政策的な特効薬は乏しく「政府は介入しないでほしい」(米半導体メーカー)との声も漏れる。

TSMCに対応する部材サプライヤの大変な状況である。

◇台湾半導体「このままではパンク」、綱渡りの生産現場−半導体 世界を揺らす(3) (9月22日付け 日経 電子版 05:15)
→「TSMC(台湾積体電路製造)に部材を供給する我々サプライヤーに今、気が休まる時はない。毎日50ページにわたる資料を書き上げ、毎晩午後10時からTSMCとの会議で報告している。それを見て、歩留まりや装置の状況などの改善策を先方から詰められる。もうたまらない」
半導体産業の集積地、台湾北部・新竹地区。関連企業が軒を連ねるこの街 で、日系企業に勤める30代の台湾人男性、Aは連日の疲労で眠そう...
・・・・・

半導体の各国・地域の半導体支援策の概要が、以下の通りである。
 米国…5.7兆円の投資を含む「米国イノベーション・競争法案」
 中国…関連技術への5兆円を超える大規模投資
 欧州…半導体はじめデジタル移行に約17.5兆円投資
この状況を受けた我が国の対応について、以下の内容である。

◇「国で兆円規模の予算を」、半導体供給網の再構築探る−半導体 世界を揺らす(4) (9月23日付け 日経 電子版 05:17)
→「何がネックなのか」。9日、経済産業省の幹部は半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)とのオンライン会議に臨んでいた。日本に半導体工場を誘致しようと月2回ほど30分程度かけて課題を議論するが、TSMCの態度ははっきりしない。
経産省は国内メーカーだけでは日本の半導体サプライチェーン(供給網)の立て直しは難しいとみる。ただ、TSMCが日本に設けると2月に発表したのは開発拠点だけだった。工場建設の補助金などを誘い水に巻き返しを狙う。・・・・・

改めていろいろの問題意識であるが、現下の関連の動きを追っていく。

White House meetingが、9月23日に以下の通り開催されている。米国の政府および業界関係に、SamsungおよびTSMCが入っている。

◇White House seeks to address semiconductor chips crisis harming automakers-White House hosts conference on auto chip shortages (9月23日付け Reuters)
→White Houseが、世界的な車載用半導体の不足に向けた解決策を話し合う会議を本日召集、大手自動車メーカーおよびApple, Intel, Micron TechnologyおよびSamsungなどいろいろなハイテク各社からのexecutivesを招いている旨。IHS Markitは、IC不足で軽車両の世界生産が今年5 million台低下と予測の旨。

◇Intel, Apple, carmakers to attend White House meeting on chip shortage (9月23日付け Reuters)
→本件事情通発。Intel社のChief Executive、Pat Gelsinger氏が木曜23日、グローバルな半導体の不足についてのvirtual White House meetingに出席予定、Apple, Microsoft, Samsung Electronics, GM, FordおよびStellantisなど各社代表とともに。

◇Supply-Chain Crunch, Chip Shortage Focus of White House Meeting -Biden administration hosts gathering expected to include Apple, Ford, GM and Intel as it seeks information on bottlenecks (9月23日付け The Wall Street Journal)

◇Taiwan's TSMC to attend White House semiconductor meeting-Virtual gathering will discuss impact of Delta variant on chip supply chain among other issues (9月23日付け Taiwan News)
→TSMCが、引き続く半導体の不足を議論するために半導体supply chainに関わる各社とともに、木曜23日開催のvirtual White House meetingに参加予定の旨。TSMCは、Intel, Apple, Microsoft, Samsung Electronics, Ford, GM, およびBMWなどとともに参加、半導体供給に対するDelta変異株のインパクトおよび半導体メーカーおよびconsumersの間の調整改善など半導体業界内の問題を話し合うためにWhite House officialsと顔を合わせる、とReuters発。

Biden政権の前面に立ったGina Raimondo商務長官より、各社にこの不足の問題についての情報提供が45日以内に求められている。

◇White House prods companies on chips information request-White House calls for ideas to end the chip shortages (9月23日付け Reuters)
→Biden政権officialsが、自動車などの製品のグローバルな生産を制限している世界的な半導体の不足を如何に打開するかアドバイスの提示を自動車メーカー、microchipベンダーなどbig tech各社に嘆願の旨。
Gina Raimondo商務長官が、該不足状況について45日以内に情報を要求、"このbottlenecksの詳細を得て、究極には事が起きる前に課題を予想する"ようにしたいとしている旨。

◇White House Weighs Invoking Defense Law to Get Chip Data (9月23日付け Bloomberg)

半導体の不足に関連する現下の動き&内容を、以下に示す。

シリコンウェーハについて見られるさらなる不足である。

◇More Shortages Seen For Silicon Wafers-Vendors are responding with new capacity. (9月16日付け Semiconductor Engineering)
→2021年前半におけるシリコンウェーハ出荷が、熱く記録破りのペース、需要が引き続き供給を上回る旨。2021年残り以降にはウェーハの買い手に何が起ころうとしているか?

自動車における半導体の安価が謳われている。

◇Chipmakers to carmakers: Time to get out of the semiconductor Stone Age-Viewpoint: Auto chips should be like the chips in iPhones (9月17日付け Fortune)
→我々の日常生活を動かすelectronic回路となると、自動車は世界で最も高価な消費財であると同時に、考えられる最も安価な半導体で動くものである旨。

半導体の製造に伴う水、廃棄物の問題意識が喚起されている。

◇The computer chip industry has a dirty climate secret-The semiconductor industry has a large carbon footprint-As demand for chips surges, the semicondutor industry is trying to grapple with its huge carbon foot print (9月18日付け The Guardian (London))
→電気自動車、solar arraysおよび風力タービンすべて、多くのintegrated circuits(ICs)で動作、より持続可能な経済&環境を推進する一方、該microchipsはウェーハfab拠点でつくられ、半導体製造に向けて大量の水を必要とし、有害な廃棄物も生み出す旨。「最近、我々の環境への影響が完全に前面に見え始めている。」と、ON Semiconductorのprincipal design engineer、Sohini Dasgupta氏。

半導体の品種による過不足の実態の1つである。

◇No one can really say when the chip shortage will end - here's why-A closer look at the chip shortage issue -We're not all talking about the same chip shortage (9月20日付け TechRadar)
→車載用半導体のグローバルな不足が、該業界におけるなかなか解決しない問題を照らしており、ある型のコンポーネントが不足、他の半導体はsupply chainにたくさんというときがある旨。「ある半導体は手に入る一方、必要な他の半導体が使えない。」「例えば、CPUsにはpower management半導体が必要だが、CPUsは不足してない一方、power management半導体が不足である。」と、GartnerのAlan Priestley氏。

Huaweiおよび関連に対する米国の現状のスタンスについて。

◇US agencies reportedly split over blacklisting Huawei hardware spinoff-Report: Huawei's Honor spinoff may or may not be blacklisted in US -The government can't decide whether to ban Honor (9月20日付け The Verge)
→Washington Post、日曜19日発。国防総省および商務省など連邦当局が、前Huaweiにスマートフォン会社, Honorを米国の輸出blacklistに載せるかどうか、決められない旨。

◇Biden nominee for key China export post expects Huawei to remain blacklisted -Biden nominee: Huawei is a threat to US national security (9月21日付け Reuters)
→Joe Biden米国大統領の対中国輸出政策監督の指名者が火曜21日、Huaweiを国家安全の脅威と見ており、"事態変化"がなければ同社の貿易blacklist維持を見込んでいる旨。

インテルについて、GPU製品のTSMCへの製造委託、一方、Arizona州での新しい半導体fabsの起工である。

◇Raja Koduri Explains Why Intel Outsourced GPU Manufacturing to TSMC (Updated)-Intel would have had trouble producing discrete-class GPUs with its current manufacturing capacity. (9月21日付け Tom's Hardware)

◇Taiwan's TSMC tapped by Intel to produce GPUs-TSMC will fabricate Intel GPUs with a 6nm process-TSMC will manufacture Intel's new GPUs using its 6nm process technology (9月22日付け Taiwan News)
→TSMCが、6-nanometerプロセス技術を用いてIntelのARC Alchemist graphics processing units(GPUs)を生産する計画の旨。「設計のスタートで仮定できるプロセスをまず決定することが必要」と、IntelのSenior Vice President and General Manager of the Accelerated Computing Systems and Graphics(AXG) Group、Raja Koduri氏。

◇Intel to break ground on $20bn chip fabs this week (9月21日付け Capacity Media)
→Intelがこの金曜、Arizonaにおける$20 billion規模の2つの新しい半導体fabsを起工、PC, サーバ, モバイルおよびデータセンター業界のニーズ増大に対応の旨。同社は以前、Chandler, Arizonaの同社Ocotillo campusにて該fabsを建設する計画を発表の旨。

半導体が不足すると、模造品が蔓延る。またまたの繰り返しである。

◇Unconventional suppliers adding to fake chip problem-Counterfeit ICs increase during global chip shortages-With the shortages, desperate OEMs are looking to unconventional suppliers and that raises another problem - fakes. (9月21日付け Electronics Weekly (UK))
→世界的な半導体の不足が、有り難くない展開を引っ張っており、模造microchip市場が該状況を利用している旨。Oki Engineeringが6月にIC検証サービスを開始、とNikkei発。該検証サービスに出された半導体の30%が偽物と分かった旨。

台湾における第1波から東南アジア震源の第2波へ、不足危機の移行があらわされている。

◇半導体危機、第2波到来、東南アジア震源地、コロナ拡大響く (9月21日付け 日刊工業)
→半導体クライシス(危機)の“第2波”がやって来た旨。2020年末に顕在化した第1波は半導体製造の前工程が集中する台湾起点だったが、今回の第2波は後工程の一大拠点である東南アジアが中心。新型コロナウイルスの感染再拡大がサプライチェーン(供給網)の構造的脆弱性を図らずもあぶり出した格好。構造的ゆえに第2波の解消にはより時間を要する可能性があり、自動車メーカーなど顧客を悩ます供給不安は長引きそう。

値上げと納期大幅遅延、不足下の実態である。

◇電子部品、値上げ顕在化、需要急回復、納期2倍 (9月21日付け 日刊工業)
→需給逼迫と価格上昇――。DRAM旧世代品などの半導体で見られてきた現象が電子部品にも広がってきた旨。抵抗器やコネクター、センサなどで納期がこれまでの約2倍に延び、海外品から国産品へと値上げの動きが波及しつつある旨。

自動車業界における今年の非常に大きな損失があらわされている。

◇Chip shortage expected to cost auto industry $210 billion in revenue in 2021-Auto sector estimated to lose $210B this year from chip shortage (9月23日付け CNBC)
→*半導体の不足がグローバルな自動車業界に2021年売上げで$210 billionの損失となる見込み、とconsulting会社、AlixPartners
 *該新予測は5月に見通した$110 billionの約2倍
 *AlixPartnersはこのほど、2021年で7.7 million台の生産が失われると予測、5月時点の3.9 million台から増加

まだまだ悪化の状況が、以下の通りである。

◇Semiconductor shortage that has hobbled manufacturing worldwide is getting worse-After nearly a year, automakers are still cutting back on production and losing sales in a supply crisis that is also hitting other business sectors. (9月23日付け The Washington Post)

◇Semiconductor firms report shortage of workers, prolonging chip woes to 2022-Chip shortages made worse by a lack of available talent -Nothing good to report on the semiconductor front (9月23日付け TechRadar)
→IPC Internationalのレポート。引き続く半導体の不足は緩和の兆しがなく、各社大方が2022年後半に及ぶとしている旨。サプライヤからの在庫が増えているとしたのは、調査した会社の10%止まりの旨。

いままでの熱い増加一途の基調から8月の関連市場データに低下の兆しが指摘されているが、まず、北米半導体装置メーカーの8月の世界billingsについてである。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts August 2021 Billings (9月20日付け SEMI)
→SEMIのAugust Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2021年8月の世界billingsが$3.65 billion(3ヶ月平均ベース)、前月、2021年7月の最終値、$3.86 billionを5.4%下回り、前年同月、2020年8月の$2.65 billionを37.6%上回る旨。「記録破りの結果が8ヶ月続いた後、北米半導体装置メーカーのbillingsは予想通り7月に比べて8月は軟化している。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。「それにも関わらず、billingsは引き続き半導体装置の力強い需要および堅調な前年比の伸びを映し出している。」

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
March 2021
$3,273.9
47.9%
April 2021
$3,428.9
50.3%
May 2021
$3,588.5
53.1%
June 2021
$3,690.2
59.2%
July 2021 (final)
$3,857.4
49.8%
August 2021 (prelim)
$3,650.0
37.6%
[Source: SEMI (www.semi.org), September 2021]


◇Semiconductor equipment billings drop in August-SEMI: IC gear billings dropped 5.4% on month in August (9月23日付け DIGITIMES)

我が国内のPC出荷も、大きな落ち込みである。

◇PC国内出荷4割減、8月、教育向け需要の反動 (9月22日付け 日経)
→電子情報技術産業協会(JEITA)は21日、2021年8月のパソコン(PC)の国内出荷台数が前年同月比44%減の49万7千台だったと発表、前年割れは5カ月連続で、減少率は7月の4%から拡大した旨。国の政策などで2020年の夏ごろから拡大したオンライン教育向けの需要急増の反動が響いた旨。メーカー各社は今後、在宅勤務向けを中心とした高機能品に注力する旨。

DRAM価格の低下が真っ先に言われたが、10-12月についてさらに低下の見込みがあらわされている。

◇Q4 DRAM ASPs head down-The Q4 DRAM ASP will likely drop 3-8% q-o-q, says TrendForce. (9月23日付け Electronics Weekly (UK))

◇DRAM contract prices to see larger-than-expected drop in 4Q21-Sources: DRAM contract prices to go lower in Q4 (9月23日付け DIGITIMES)
→市場筋発。DRAM半導体の契約価格が第四四半期の間に以前の予想より早く下がる一方、DRAMspot価格が変動していく旨。TrendForceは、第四四半期におけるDRAM average selling prices(ASPs)が今四半期のASPsに対して3% to 8%低下、と予測の旨。

◇DRAM selling price could drop 8%, TrendForce says (9月23日付け Taipei Times)

半導体の不足の渦中の市場の生の実態に、引き続き注目である。

コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□9月21日(火)

中国の不動産大手、中国恒大集団の問題から大幅に下げた出だしから、懸念材料への警戒が当面緩んで後半取り戻した今週の米国株式市場である。

◇NYダウ614ドル安、中国恒大不安、リスク回避広がる (日経 電子版 08:04)
→20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比614ドル41セント(1.8%)安の3万3970ドル47セントで終えた旨。米景気の先行き不安や米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小の見通しで様子見ムードが強まっていた旨。中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り懸念が広がったことで、投資家のリスク回避姿勢に拍車をかけた旨。

□9月22日(水)

◇NYダウ4日続落、50ドル安、中国恒大問題やFOMCを警戒 (日経 電子版 08:13)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比50ドル63セント(0.1%)安の3万3919ドル84セントと3カ月ぶりの安値で終えた旨。前日に下げた香港や欧州株相場が21日は反発し米株も買いが先行した旨。ただ、中国の不動産大手、中国恒大集団の経営問題への懸念はくすぶったままで、買いの勢いは続かなかった旨。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、様子見ムードも広がった旨。

その中国の恒大についての状況である。

◇中国、金融危機回避に一歩、恒大の前途なお多難−恒大、23日の元建て債は利払い実施へ (日経 電子版 18:00)
→中国の不動産大手、中国恒大集団は22日、期日を23日に控える人民元建て債の利払いを実施すると発表、同じく23日に予定するドル建て債には30日の猶予期間があり、この日に債務不履行に陥る可能性は低くなった旨。中国政府は金融危機を阻止する姿勢を鮮明にしており、混乱回避をいったん優先する旨。だが恒大の年内の利払いは社債だけで700億円を超え、2022年からは多額の満期償還を控える旨。

米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和縮小(テーパリング)の開始時期が注目されていたが、11月にもとなっている。

◇Fed signals bond-buying taper coming 'soon,' rate hike next year-Fed signals approaching taper, 2022 rate increase (Reuters)
→Federal Reserve(FRB)が、11月にpandemic資産買い入れの削減を始め、2022年に利上げを行う可能性を示唆の旨。policymakersは該削減のペースについて正式に決めていないが、大方は"来年半ばあたりの結論づけが適当な様相"と、Fed Chair、Jerome Powell氏。

□9月23日(木)

◇FRB、量的緩和縮小11月にも決定、利上げも前倒し示唆 (日経 電子版 05:27)
→米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、量的緩和縮小(テーパリング)の開始を次回会合がある11月にも決定する見通しを表明した旨。FOMCは景気減速と高インフレが同時に進むなか、ゼロ金利の解除時期を2022年に前倒しする可能性を示した旨。

◇NYダウ反発、338ドル高、FOMC想定内で安心感 (日経 電子版 06:07)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比338ドル48セント(1.0%)高の3万4258ドル32セントで終えた旨。中国の不動産大手、中国恒大集団の経営不安が和らぎ、買いが入った旨。午後に結果が発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、テーパリング(量的緩和の縮小)の年内開始が示唆されるなどほぼ想定通りの結果となり、買い安心感が広がった旨。

中国のTPP加盟申請が伝えられたのが先週末であるが、こんどは台湾が発表、即座に中国の強烈な反発である。我が国の対応が問われるところである。

◇台湾、TPP加盟申請を発表、中国反発でも加入に強い意欲 (日経 電子版 11:32)
→台湾当局は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟に向け、正式に申請手続きを行ったと発表、同日午前、記者会見を開き、行政院(内閣)の報道官が明らかにした旨。加盟申請は22日午後に行った旨。中国の強い反発が予想されるなか、TPP加盟に強い意欲をみせた旨。

◇中国、台湾防空圏に24機が大量侵入、TPP加盟申請に反発 (日経 電子版 21:06)
→台湾の国防部(国防省)は23日、中国の戦闘機など24機が防空識別圏(ADIZ)に大量侵入したと発表、台湾が同日、環太平洋経済連携協定(TPP)加盟に向け、正式に申請手続きを行ったと発表し、中国が強く反発したものとみられる旨。

□9月24日(金)

◇試される対中包囲網、TPPが覇権争いの場に−日本は台湾申請「歓迎」 (日経 電子版 05:34)
→環太平洋経済連携協定(TPP)は中国に加えて台湾も加盟を申請したことで、自由主義と権威主義の覇権争いの舞台の様相を呈してきた旨。茂木敏充外相は23日、台湾の申請を「歓迎したい」と表明したが、加盟国の対応には温度差がにじむ旨。本来は対中包囲網を期待されたTPPにとって試練となる旨。離脱した米国が身動きをとれない中、自由主義陣営の一角として日本は重責を担う旨。

◇NYダウ続伸、506ドル高、中国恒大への不安和らぐ (日経 電子版 06:01)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸、前日比506ドル50セント(1.5%)高の3万4764ドル82セントで終えた旨。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)がほぼ想定通りで、様子見姿勢を強めていた投資家の買いが幅広い銘柄に入った旨。中国不動産大手の中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らいだことも投資家心理を上向けた旨。過去2日間の上げ幅は844ドルとなった旨。

□9月25日(土)

◇NYダウ続伸、33ドル高、売り先行も金融・消費株に買い (日経 電子版 05:50)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸、前日比33ドル18セント(0.1%)高の3万4798ドル00セントで終えた旨。ダウ平均は前日までの2日間で800ドル超上昇しており、短期的な過熱感を意識した売りが先行した旨。売り一巡後は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の通過まで様子見姿勢を強めていた投資家から金融や消費関連株に買いが入った旨。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが上昇したことも、ダウ平均を押し上げた旨。

カナダで拘束されて約3年、Huaweiの孟晩舟副会長が、やっとのこと、司法取引で中国への帰国が認められ、中国へ出国している。中国側もカナダ人2人を釈放している。米中摩擦の懸案の1つの解消である。

◇米、ファーウェイ副会長の中国帰国を容認、司法取引で (日経 電子版 08:01)
→カナダで拘束された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡り、米司法省は24日、中国帰国を容認することで同氏と合意した旨。司法取引が成立し、即日釈放された旨。米中対立の懸案が1つ解消する旨。
孟氏は24日、米東部ニューヨーク州の裁判所にオンラインで出廷した旨。
米司法省によると、同氏は米国の制裁対象であるイランとファーウェイの
取引を続けるため、金融機関に誤った説明をしたことを認めた旨。同省は代わりに起訴を猶予し、米国への身柄引き渡し要請を取り下げる旨。同氏はカナダ西部バンクーバーで即日釈放された旨。

◇ファーウェイ副会長、中国へ出国、中国はカナダ人解放 (日経 電子版 10:39)
→カナダメディアによると、孟氏は即日釈放され、バンクーバーの空港から出国し中国に向かった旨。
カナダのトルドー首相は24日、中国当局に拘束されていたカナダ人で元外交官のマイケル・コブリグ氏と企業家のマイケル・スパバ氏の2人が解放されたと発表、2人は25日朝にカナダに到着する旨。


≪市場実態PickUp≫

【TSMCおよびSamsung関連】

TSMCについて、carbon neutralへの対応があらわされている。

◇World's largest chip foundry TSMC sets 2050 deadline to go carbon neutral-TSMC will go carbon neutral by 2050-World's third-largest chipmaker emits more carbon than many countries (9月20日付け Ars Technica)
→売上げで世界最大のシリコンファウンドリー、TSMCが、microchips製造に非常に重要な水の使用を減らしており、このほど2050年までにnet-zero carbonとする計画の旨。「世界をリードする半導体会社として、TSMCは気候変動の課題に直面するcorporate責任を背負わなければならない。」
と、同社Chairman、Mark Liu氏がステートメントにて。

◇TSMC touts water saving efforts and emissions goals (9月21日付け The Taipei Times (Taiwan))

TSMC社内機密侵害への対応措置である。

◇TSMC fires seven employees over conduct-‘CORE VALUES’: The contract chipmaker did not specify why the employees were dismissed, but media reports said they had leaked information about customer orders (9月23日付け Taipei Times)
→TSMCが昨日、同社の“core values”を侵害として、同社従業員7人を解雇の旨。

Samsungについては、Teslaより自動運転用半導体の製造委託先に選ばれている。

◇[Exclusive] Samsung to make Tesla's HW 4.0 self-driving auto chip-Report: Tesla selects Samsung for self-driving auto chips-The Korean tech giant has apparently outrivaled top foundry player TSMC to win the transaction, sources say (9月23日付け Korea Economic Daily)
→複数の業界筋発。Teslaが、同社の完全自動運転技術に非常に重要な次世代ハードウェアの4つの半導体の製造に向けてTSMCを越してSamsung Foundryを選んだ旨。Samsungは、7-nanometerプロセス技術を用いて韓国のHwasungウェーハfab拠点で該半導体を量産化していく旨。

【市場データ関連】

熱い増勢基調の本年これまでの半導体関連市場であるが、今年の世界半導体販売高についてIDCの見方である。

◇Semiconductor Market to Grow By 17.3% in 2021 and Reach Potential Overcapacity by 2023, IDC Reports (9月20日付け IDC)
→IDCは、半導体市場が2020年の10.8%増に対して2021年には17.3%伸びる、と見ている旨。該業界は、2022年半ばまでに正常化、需給バランスとなり、capacity大規模拡大化が2022年末に向けて稼働し始めて、2023年にはcapacity過剰の可能性がある旨。

◇Worldwide semiconductor market to grow by 17.3% in 2021: IDC -IDC: Global chip market will increase 17.3% in 2021 (9月22日付け The Economic Times (India)/Press Trust of India)
→IDCの予測。今年の世界半導体販売高が、2020年の10.8%増に対して17.3%伸びるペースにあり、車載半導体, gaming, 携帯電話, notebooks, サーバ, wearable gadgetsおよびWi-Fi access pointsに向けた需要増大による旨。

◇Semi market to grow 17.3% this year, says IDC-IDC expects the semiconductor market to grow by 17.3% this year after a 10.8% rise last year. (9月22日付け Electronics Weekly (UK))

今年のファウンドリー販売高について、IC Insightsの見方である。

◇Foundry sales set for 23% increase-IC Insights: Foundry sales hit $107.2B in 2021, up 23% on year (9月22日付け Electronics Weekly (UK))
→IC Insightsが、2021年のファウンドリー販売高総計を$107.2 billionと予測、2017年の伸び率の最高記録に匹敵する23%増となる旨。networkingおよびデータセンターcomputers, 新しい5Gスマートフォンで用いられる先端プロセッサ、およびrobotics, 自動運転車およびADAS, AI, MLおよび画像認識システムなど高成長市場応用向けICsの力強い需要による旨。

◇Foundry Market Tracking Toward Record-Tying 23% Growth in 2021 (9月22日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

自動車用半導体の先行きについて、Yole Developpementのあらわし方である。

◇Chips are changing the car market, says Yole-Yole: The auto industry is being transformed by ICs-In 2035, C.A.S.E.(Connectivity, ADAS, Sharing, Electrification) will be a $318 billion market, says Yole Developpement. (9月20日付け Electronics Weekly (UK))
→Yole Developpementの予測。自動車における半導体の規模が2026年に$78.5 billionに高まり、14.75%のcompound annual growth rate(CAGR)となる旨。1台平均では、現在の$450に対して5年で$700規模のmicrochipsである旨。

【NANDフラッシュ関連】

来年を見据えたNANDフラッシュの価格、需給の予想である。

◇NAND supply likely to turn tight in 2H22, says Silicon Motion-Silicon Motion president: NAND flash to see 2022 changes (9月22日付け DIGITIMES)
→台湾のNANDコントローラベンダー、Silicon Motion Technologyのpresident、Wallace Kou氏。NANDフラッシュの価格は2022年において安定のままの見込み、しかし該半導体の供給が来年後半に逼迫してくる様相の旨。

中国のメモリを引っ張るYangtze Memory Technologies(YMTC)の先端NANDフラッシュ量産化である。

◇YMTC ready to volume produce 128-layer QLC NAND flash-YMTC puts 128-layer QLC NAND flash into mass production (9月22日付け DIGITIMES)
→Yangtze Memory Technologiesが、300 million個の64-層3D NANDフラッシュメモリ半導体の出荷後、128-層quad-level cell(QLC) NANDフラッシュメモリデバイスの量産を開始の旨。YMTCのchief operating officer(COO)、Cheng Weihua氏は、該model X2-6070メモリはまずconsumer solid-state drives(SSDs)向けを狙い、enterprise-levelサーバなどデータセンター応用が続く、としている旨。

【SiC関連】

電力損失を大幅に削減可能として期待のパワー半導体のSiCであるが、中国の取り組み、そして応用の広がりについて、以下の通りである。

◇China stepping up deployments in homegrown car-use SiC modules-Sources: China's chip firms craft SiC chips, modules for EVs (9月17日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国の自動車および半導体メーカーが、国産のEV応用向けSiC半導体&モジュールの開発&生産を踏み上げている旨。

◇The Silicon Carbide Race Begins-Silicon carbide chip technology comes to the fore -As SiC moves to higher voltages, BEV users get faster charging, extended range, and lower system costs (9月20日付け Semiconductor Engineering)
→silicon carbide(SiC)半導体が、より高電圧が使えるようになって、electric vehicles(EVs)などの応用で使用が広がっている旨。歩留まり、欠陥およびいろいろな製造プロセスの点から新材料には支払うべき代価があるが、SiCには自動車メーカーにとってEVにおけるいろいろなコンポーネントにつくり込んでいくに十分な利点がある旨。

【AI半導体の取り組み】

startup各社のさまざまな取り組みが続けられているAI半導体関連の現下の動きから、以下取り出している。

◇Cerebras Engine Shifts to the Cloud-The Cerebras wafer-scale engine moves to the cloud-The partnership with AI cloud provider Cirrascale will allow access to world's biggest AI chip (9月20日付け EE Times)
→大規模AI workloads加速に向けてつくられたCerebrasからの第2世代wafer scaleエンジンが、このほどspecialist AI cloudプロバイダー、Cirrascaleによるcloudにおいて一般用に利用可能の旨。該第2世代wafer scaleエンジンを収容するACS-2システムは、CirrascaleのSanta Clara, Calif., locationに据えつけの旨。

◇Neural decision processor for vision edge AI applications-Syntiant debuts neural decision chip for vision edge AI (9月23日付け New Electronics)
→Syntiant(Irvine, CA)が、NDP200 Neural Decision Processor(NDP)を披露、1mW以下で高度に正確な推論が得られるvision処理向けに設計された同社初の半導体の旨。該プロセッサは。同社のCore 2アーキテクチャーと対になる旨。

◇AI Chip Startup Axelera Launches with $12M Seed Round (9月23日付け EE Times India)
→AI半導体startup、Axelera AIが、$12 millionのseed投資roundを成功裏に完了、該資金は、AIのedge応用を動かす同社のindustry-defining製品の開発をサポートする旨。


≪グローバル雑学王−690≫

各国の中国に対する視点、それもマイナーな顔ぶれからのそれに、ルポライターの著者の目を通して迫っていく書、

『中国vs.世界  呑まれる国、抗う国』
 (安田 峰俊 著:PHP新書 1260) …2021年5月27日 第一版第一刷

より、今回はセントビンセント及びグレナディーン諸島である。オリンピックでの開会式、各国入場でこれはどこの国?という範疇に入るが、地図ではなかなか追いきれないカリブ海東部の島国の1つで、メインのセントビンセント島と30以上に及ぶサンゴ礁のグレナディーン諸島から成り、熊本市や山形市と同程度の面積、人口が約11万人とのこと。独立2年後の1981年に台湾と国交樹立、以来中国が経済力を高めていわゆる小国の大方がなびいていく経緯の中、一貫して台湾との関係を保ち、2019年8月には台北にセントビンセント大使館が開設されている。台湾総統が中南米の友好国に外遊する際、飛行機の「乗り換え」の名目でアメリカに降機、米台双方の政府関係者の接触が非公式に行われるつながりもある。中国の巻き返し工作のターゲットになるのは必至、今後にも注目である。


第六章 vs.セントビンセント及びグレナディーン諸島
 「市議会」レベルの国会をめぐる中台対立

◇人口11万人の小国
・セントビンセント及びグレナディーン諸島、という国
 …Saint Vincent and the Grenadines
 →カリブ海東部に浮かぶ小アンティル諸島(Lesser Antilles)を構成する島国の1つ
 →主島、セントビンセント島と、30以上に及ぶサンゴ礁の島々、グレナディーン諸島
・以下、「セントビンセント」とあらわす
 →ミニ国家、約390m2の面積(熊本市や山形市と同程度)、人口が約11万人
 →現在もエリザベス二世を形式的な元首として戴く英連邦の構成国
・地域統合組織を作って通貨(東カリブ・ドル)や裁判所(東カリブ最高裁)を共有
 →アメリカの軍事的影響下で地域安全保障システムを構築
 →主要産業はバナナ生産と観光業
 →1人当たりGDPは中進国水準
 →日本との縁も薄く、トリニダード・トバゴの日本大使館がセントビンセントの大使館業務を兼務

◇台湾が「乗り換え」のため必要な国々
・中華圏の視点から見た場合、セントビンセントはかなり興味深い国
 →主要輸出入相手国のリスト上位に「中国」が入っておらず、輸入の第4位に台湾(シェア6.8%)
 →セントビンセントは台湾を正式に国家承認しているという、世界でも非常に珍しい国
・台湾はセントビンセントの首都、キングスタウンに中華民国大使館を堂々と開設
 →セントビンセント側も、2019年8月8日に東アジアで最初の在外大使館を台北市内に開設
・カリブ海諸国では他にも、台湾を国家承認
 →セントクリストファーネイビス(Saint Christopher and Nevis)、セントルシア(Saint Lucia)、ハイチ(Haiti)
 →これらのカリブの小国たちは、日本よりも台湾との外交関係を重視
・台湾にとっても、中南米の国家群は他の地域にも増して重要な政治的意味
 →「乗り換え」
  …中華民国総統がセントビンセントのような中南米の友好国に外遊する際に、飛行機の「乗り換え」をする(トランジット)という名目で、アメリカで降機
 →アメリカに、台湾の指導者が短期訪問することが可能に
 →アメリカ当局は、「私的な滞在」であると説明するのが通例
 →実際は米台双方の政府関係者の接触が非公式に行われている
・2019年7月にも、総統再選を控えた蔡英文が、カリブ外遊に出発、往路と復路でそれぞれ2泊ずつアメリカに滞在
 →翌月、アメリカは台湾に対して66機の戦闘機F-16の売却を承認
・台湾と国交を持つ中南米の小国たちは、米台接触の口実を作るうえで重要な役割を担っている
 →セントビンセントは、2019年6月に国連安保理の非常任理事国に選出(任期は2年間)

◇中国が「札束外交」を批判した時代
・1969年の時点、全世界で中国を承認する国はわずか47ヵ国
 →対して台湾を承認する国は70ヵ国
・1971年の中国の国連加盟(台湾の国連脱退)や翌年のニクソン訪中・日中国交正常化など、風向きは大きく変わる
 →米中間に国交が結ばれた1979年、121ヵ国が中国を承認
 →台湾を承認する国は22ヵ国と、圧倒的な差に
 →1990年代、台湾を承認する主要国は存在しなくなった
・台湾は1980〜1990年代、自国と外交関係を結んでくれる国家を活発に新規開拓
 →セントビンセントも、独立からわずか2年後の1981年に台湾と国交
 →動きの背景にあったのは、当時の台湾の強力な経済力
 →李登輝政権下の1990年代の台湾は、最多で30ヵ国もの承認国を獲得
 →この時代の中国は、政治的混乱から抜け切れず、資金力にも限り、しばしば台湾の後塵を拝した
・もっとも、中台間の力関係はほどなく逆転
 →民進党政権(2000〜2008年)、中国の巻き返し、各国が台湾から離反
 →中台両岸が札束を積み合う陣取り合戦
  →断交と国交樹立を繰り返して小銭を稼ぐ不届きな国も少なからず
・国民党の馬英九政権(2008〜2016年)、「活路外交」が提唱、強引な国交剥奪作戦は停止されることに
 →2016年に民進党の蔡英文政権が成立、中国の攻勢は再び活発化
 →中台間の経済力は完全に逆転、台湾は防戦一方に

◇4年の間に起きた「断交ドミノ」
・蔡英文政権成立の2016年時点では22ヵ国あった台湾を承認する国家
 →わずか4年間で15ヵ国に激減
・以下、「断交ドミノ」が続いた7ヵ国
≪サントメ・プリンシペ(Sao Tome and Principe)≫
 →人口21万人の西アフリカの島国
 →サントメ側から資金援助の要求、蔡英文は台湾が中国を相手に援助マネーレースを行う必要はないと判断、拒否
≪パナマ(Panama)≫
 →清朝の時代から100年以上も中華民国(台湾)との外交関係を保持していた重要な国家だったが、2017年6月に断交
≪ドミニカ共和国(Republic Dominican)≫
 →2018年5月、台湾に一方的な国交断絶通告 
 →中国からインフラ開発に30億ドル規模の支援を約束されていたとも
≪ブルキナファソ(Burkina Faso)≫
 →ドミニカ共和国の断交から23日後に突然の断交
≪エルサルバドル(El Salvador)≫
 →港湾開発や政権与党の選挙の資金として巨額の援助を要求、台湾側が受け入れなかった
≪ソロモン諸島(Solomon Islands)≫
 →中国が外交関係の切り替えの見返りに5億ドルの資金援助を提案していたことが理由との説も
≪キリバス(Kiribati)≫
 →2019年9月、ソロモン諸島の断交発表からほどなく、台湾との外交関係を終了

◇理由は習近平の嫌がらせ
・蔡英文の総統就任後の断交ラッシュ
→台湾アイデンティティが強い民進党の蔡政権に対する揺さぶり、トランプ政権下でのアメリカと台湾の接近を牽制する目的から、中国が仕掛けた嫌がらせ
 →習近平政権下、アメリカの「縄張り」に対しても情け容赦のない切り取り工作が行われるように
・中国は2015年1月、北京でイベント、「第1回 中国ーラテンアメリカ・カリブ共同体フォーラム」を開催
 →中国と正式な国交を持たない諸国の参加も歓迎
 →一気に中南米諸国に食い込み
・中国による台湾の友好国の切り崩しが特に活発化したのは2018年5月から
 →米中両国の対立が激化し始めた時期とほぼ一致

◇断交工作ターゲットの最有力候補か
・セントビンセントは、国連の場でもしばしば台湾を擁護する発言
 →2019年5月、世界保健総会(WHA)の席上、台湾のオブザーバー参加を強く要求
 →「台湾は中華人民共和国の一部ではなく、独立した全く異なる政府」と踏み込んだ演説
・セントビンセントと台湾の関係は、今後はかなり不安含み
 →蔡英文が総統に就任した直後の2016年8月、セントビンセントの野党が特別に開いた記者会見の場で「自分たちが政権を奪還すれば中国と国交を結ぶ」と発言
 →セントビンセントの国会での選出議員の定数は15議席、騒動があった時期の与野党の議席差はたった1議席
 →その後、セントビンセントでは2020年11月に総選挙、与党が定数15議席のうちで9議席を獲得、ひとまず台湾との断交の可能性は遠のいた
・「国会」議員が15人しかいない小さな島国が、台湾を動揺させ続けているのはなんとも皮肉

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