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欧州半導体法はじめ各地域市場強化の動き、一方、需要一巡の兆し

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜18日午前時点、世界全体で2億2750万人に達し、8日前から約447万人増と引き続く増勢である。「3密」(密閉、密集、密接)回避など、一人ひとりの感染防止の取り組みが引き続き求められている。半導体の各地域市場強化を図る動きが続いており、特に欧州の台湾との関係強化および自給体制の構築に向けた「欧州半導体法」の制定を目指す動きなどに注目している。米国では国内の半導体強化に向けた予算化の下院通過を巡る攻防が続くとともに、SamsungやTSMCの米国新工場への支援如何が取り沙汰されている。中国でも、メモリ半導体分野への投資踏み上げの動きである。一方、需要一巡の兆しも。目が離せない状況がある。

≪当面および今後両方を睨んだ戦略的な動き≫

インテルの欧州での2つのfabsの構想打ち上げを前回取り上げたばかりであるが、欧州の域外との半導体および先端技術についての関りを強める、あるいは働きかける動きに注目させられている。

◇EU、台湾との関係強化、「インド太平洋戦略」に明記へ (9月14日付け 日経 電子版 11:00)
→欧州連合(EU)は近くまとめる「インド太平洋協力戦略」で、台湾との関係強化を打ち出す旨。人権や民主主義を巡って中国との関係が悪化するなか、経済面や地政学的観点から台湾の重要性は高いとみて、半導体の供給網(サプライチェーン)や個人データの流通、貿易投資関連の協力を深める方針。

◇EU、日韓などにデジタル協定呼びかけ、AI国家利用に制限 (9月14日付け 日経 電子版 11:00)
→欧州連合(EU)は「インド太平洋協力戦略」で日本と韓国、シンガポールにデジタル協定の締結を呼びかける旨。中国に対抗し、人権や民主主義などのEUが重視する価値観に基づいて、人工知能(AI)など新興技術のルールづくりを主導する考え。
EUがインド太平洋戦略をまとめる狙いは大きく次の3つ:
1.経済成長が見込めるアジアとの関係を深め、EUの経済的な利益を拡大すること。
2.重要な製品・部品のEUへの安定供給を確保するサプライチェーン(供給網)の強化。
3.人権や民主主義といったEUが重視する価値観を同地域で守り、広げること。

その一方、域内での自給力を高めるため、「European Chips Act(欧州半導体法)」の制定に向かう動きが以下の通りである。半導体の世界シェアを現在の10%から20%にもっていく目標も別途あらわされており、非常に積極的なスタンスを受け止めている。

◇EU plans 'Chips Act' to promote semiconductor self-sufficiency-EU aims to be more semiconductor self-sufficient with "Chips Act" (9月15日付け Reuters)
→European Commission(EC)が水曜15日、新しい半導体製造"ecosystem"についての計画を発表、グローバルな半導体の不足がアジアおよび米国サプライヤに頼る危険を露呈、EUの競争力および自己充足力を維持する旨。

◇EUが半導体の自給体制の構築を目指す法律を制定へ (9月16日付け TechCrunch)
→欧州連合(EU)は域内の半導体サプライチェーンを自給の強固なものにすべく、法制化という手段に出る旨。
欧州委員会の委員長は現地時間9月15日、来たる「European Chips Act(欧州半導体法)」を連合演説で予告した旨。委員長のUrsula von der Leyen(ウルズラ・フォン・デア・ライエン)氏は、半導体製造の自主権を得ることはEUの包括的デジタル戦略の鍵を握ると訴えた旨。

米国では、半導体も含まれる大型予算化法案が上院を通過して下院で審議が行われているが、税金による財源捻出を巡って議会と大統領の攻防である。

◇House Democrats eye corporate tax rate hike, surtax on wealthy in spending package - sources-House Dems mull higher corporate, capital gains tax rates (9月12日付け Reuters)
→House Ways and Means Committee(米下院歳入委員会)が議論している税法案は、法人税率を21%から26.5%に上げるよう求めており、Joe Biden大統領提案の28%ではない旨。もう1つの提案として、譲渡益課税率(top capital gains tax rate)を20%から25%に高めており、Biden大統領要求の39.6%には程遠い旨。

◇House Democrats Consider 26.5% Corporate Tax Rate -Lawmakers are expected to propose a smaller capital-gains tax increase than Biden wants (9月12日付け The Wall Street Journal)

TSMCのArizonaにおける新工場建設について、州政府とのコンタクトを担う人選が行われている。

◇Taiwan Semiconductor names head of state government relations amid Phoenix factory construction (9月13日付け The Business Journals/Phoenix)
→TSMCが、$12 billion fabを建設しているArizonaにおける州政府関連directorとしてLaura Franco French氏を指名、同氏は、senior policy adviserとして務めたPhoenix市長、Kate Gallego氏のオフィスを離れ、TSMCに入る旨。

米国の半導体ベンダーが、製造を委託するファウンドリーについて、中国から台湾への移し替えが見られている。

◇US chip vendors increasingly shift orders from China foundries-Sources: US IC firms pull orders from China's foundries (9月14日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国で稼働しているファウンドリーには、アメリカの顧客のビジネス引き下げが見えており、米中貿易戦争が継続、台湾のファウンドリーへのより多くの発注となっている旨。Huahong GroupおよびSemiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)からのウェーハ見積もりは、TSMCなど台湾で稼働しているファウンドリーによる見積もりに近い旨。

米国のRaimondo商務長官が、半導体supply chain meetingを開催予定とのこと。

◇U.S. officials to hold semiconductor supply chain meeting-Raimondo to host meeting on US chip supply chain (9月15日付け Reuters)
→米国商務長官、Gina Raimondo氏が、Washington, D.C.で会合を主催の計画、米国半導体supply chainの状況を議論の旨。White Houseのeconomic adviser、Brian Deese氏も該会議をリード、グローバルな半導体の不足の影響を見ていく旨。

現在下院に仕掛かる半導体強化に向けた補助金の行き先であるが、米国企業限定か、SamsungおよびTSMCも含まれるか、戦々恐々の最前線である。

◇サムスンvsインテルvsTSMC、米半導体の補助金獲得戦争に火がついた (9月16日付け コリア・エレクトロニクス)
→ジョー・バイデン米政府は、自国の半導体産業育成のために5年間で520億ドル(約60兆3000億ウォン、約5兆6943億円)規模の補助金を支給する計画だ。この法案は今年6月に上院で可決された後、現在下院で可決されるのを待っている。法案はすでに莫大な補助金を支給し、自国の半導体産業を育てている中国との先端産業競争で勝利することを最大の目的としている。バイデン大統領は該当法案が上院を通過した後「私たちは21世紀に勝利するために競争中であり、今回の法案通過で出発の銃声を鳴らしたことになる」と述べた。韓国文化日報が報じた。・・・・・
こうした中、半導体補助金支援対象をめぐり議論が起きている。米国企業だけに与えるべきだという見方と、米国に投資した海外企業も対象だという見方が対立している。上院で処理された法案には、米国企業と海外企業を差別する内容がないが、下院の審査過程で、少数の議員が米国に本社を置く企業にのみ資金を支援すべきだと主張しているという。国内の関心は、近く米国でテキサス州オースティンに続き、第2ファウンドリ(半導体委託生産)工場を建設する予定のサムスン電子が、米半導体補助金を受けられるかどうかに集まっている。・・・・・

一方、中国での関連の動き。自国のメモリ分野への投資の踏み上げ、そしてファウンドリー、SMICの生産capacity拡大である。

◇China Big Fund stepping up investment in homegrown memory sector-China's "Big Fund" increases memory chip investments (9月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国のNational IC Industry Investment Fund(Big Fund)が自国のメモリ分野への投資を踏み上げ、中国のより多くのメモリメーカーが政府からのcash注入を受ける旨。

◇SMIC to build additional, considerable 28nm and above process capacity-SMIC to expand 28nm process capacity, sources say (9月14日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国のSemiconductor Manufacturing International(SMIC)が、2024年までに28-nm以降のプロセス技術について生産capacityを拡大していき、全体の生産capacityがかなり高まる旨。

そして我が国、さしたる動きはないが、Kioxia-Western Digital合併提案について、最低限日米両国に同等のoperations基地が必要、と自民党の甘利議員の弁である。

◇Any Kioxia-Western Digital deal should ensure equal hubs in Japan, U.S. - senior lawmaker-Lawmaker: Kioxia-WD merger needs facilities in Japan, US (9月17日付け Reuters)
→自由民主党の甘利明議員が、Kioxia HoldingsのWestern Digitalとの合併提案について日本および米国での拠点維持など条件を置きたいとしている旨。「Kioxiaが外国の会社、特にアメリカの会社と連携するなら、最低限両国に同等のoperations基地が必要になる。」とReutersとのインタビューで甘利氏。

「Memory Winter is coming(メモリ市場に冬の到来)」と、Morgan Stanleyの8月上旬のレポートを受けて、市場に動揺が見られた(9月15日付け 日経産業)が、8月の諸々の市場指標に需要一巡、潮目の変わり目の兆しが以下の通り続いてあらわされている。特にDRAM大口価格の10ヶ月ぶりの下落がインパクトとなっている。

◇台湾IT、19社、売上高明暗、8月、半導体好調、完成品は苦戦 (9月14日付け 日経)
→米アップルなど巨大IT企業に製品や半導体を大量に供給する台湾企業の明暗がくっきりと分かれ始めている旨。半導体企業は依然好調だが、パソコンなど完成品を供給するメーカーの低調が鮮明。日本経済新聞が台湾の主要IT、19社の8月の売上高を調べたところ、合計額は前年同月比0.8%の増収にとどまった旨。

◇DRAM、10カ月ぶり下落、8月大口、パソコン向け伸びず、増産で品薄感後退 (9月14日付け 日経)
→データの一時保存に使う半導体メモリ、DRAMが値下がりに転じた旨。パソコン向けの8月の大口取引価格は指標品が7月に比べ2%ほど安い旨。下落は10カ月ぶり。メモリ各社が増産を進めたうえ、相場を支えていた巣ごもり消費も陰りがみえ品薄感が後退した旨。年末にかけて下落基調が続く見通しで、上昇が続いたメモリ相場は潮目が変わりつつある旨。

◇中国生産、8月5.3%増に減速、コロナ再拡大が重荷 (9月15日付け 日経 電子版 11:05)
→中国国家統計局が15日発表した2021年8月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月比5.3%増。伸び率は7月の6.4%から縮まった旨。セメントなど建材や粗鋼が落ち込んだ旨。新型コロナウイルスの感染再拡大が物流や建設に支障を与えたため。
主要産品の生産量をみると、自動車は前年同月を19.1%下回った旨。半導体不足の影響が長引いており、4カ月連続の減少となった旨。

◇半導体、巣ごもり需要一巡、電子部品・材料価格7〜9月、車の電装向けは調達困難 (9月15日付け 日経産業)
→電子部品の取引価格が半導体メモリを中心に下落に転じる旨。2021年7〜9月の電子部品・材料の取引価格は市況を支えてきたパソコンやテレビなどの巣ごもり消費が一巡したとの見方から需給が緩み、DRAMは約1年ぶりに下落した旨。一部では相場の潮目が変わるが自動車などで部品不足が続いており、関連企業は調達の見直しを迫られる旨。

各国・地域の取り組み、市況の動向に引き続き、目が離せないところである。9月24日に首脳会議が開催される日米豪印4ヵ国の枠組み、「Quad(クアッド)」でも、半導体supply chainが次の通り取り上げられようとしている。

◇日米豪印で半導体供給網、首脳文書案、対中国を念頭に−先端技術の使用に「人権尊重の原則」明記 (日経 電子版 21:45)
→日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国が24日に開く首脳会議でまとめる経済安全保障に関する共同文書の原案がわかった旨。半導体に関する安全なサプライチェーン(供給網)づくりを進める方針と、先端技術の活用は人権尊重のルールに基づくべきだとの共同原則を明記した旨。
科学技術を権威主義体制の維持に利用する中国モデルが世界に広がるのを抑える狙い。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□9月14日(火)

景気動向、長期金利など敏感に反応して上げ下げ、2ヶ月ぶりの安値も見られた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ6日ぶり反発261ドル高、景気敏感株に買い直し (日経 電子版 05:26)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前週末比261ドル91セント(0.8%)高の3万4869ドル63セントで終えた旨。直近の5営業日で836ドル下げた反動で、値ごろ感からの買いが優勢となった旨。原油先物の上昇で石油株が上げたほか、資本財や金融など景気敏感株の一角が買い直された旨。

□9月15日(水)

RCEP、TPPと経済連携に乗り出して、米国への対抗を目指す中国の動きが相次いだ今週である。いずれも一筋縄ではいかない状況が示されている。

◇RCEP「来年1月発効」明示、中国、米牽制の思惑、国内手続き完了は3カ国、時期達成は不透明 (日経)
→日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の経済担当相が地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を2022年1月初旬に発効させる目標に合意した旨。発効に必要な手続きを終えていない国が多く、目標に間に合うかは見通せない旨。アジア太平洋地域で貿易秩序の主導権を握りたい中国の思惑もにじむ旨。

◇NYダウ反落292ドル安、長期金利低下、銀行株などに売り (日経 電子版 05:52)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比292ドル06セント(0.8%)安の3万4577ドル57セントで終えた旨。朝方発表の8月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、緩和的な米金融政策が当面続くとの見方から買いが先行した旨。ただ、米長期金利が低下幅を広げると銀行株を中心に景気敏感株が売られ、ダウ平均も下げに転じた旨。午後にかけ下げ幅をじりじりと広げる展開だった旨。

◇NYダウ2カ月ぶり安値、世界景気への楽観ムード後退 (日経 電子版 13:09)
→株式市場で世界景気の回復鈍化への警戒感が強まっている旨。新型コロナウイルスの新規感染者数が米国などで高止まりし、世界的な物流停滞の解消にもメドがたたない旨。米経済は2021年前半に急回復したが、年後半は見通しを引き下げるエコノミストが増加している旨。外食やレジャー株は世界で低迷し、欧米の株高に変調がみられる旨。

□9月16日(木)

◇NYダウ反発236ドル高、米景気の底堅さを意識 (日経 電子版 05:51)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比236ドル82セント(0.7%)高の3万4814ドル39セントで終えた旨。前日に300ドル近く下げて約2カ月ぶりの安値圏にあったため、最近下げが目立っていた景気敏感株を中心に値ごろ感からの買いが入った旨。米景気の底堅さを示す経済指標の発表も投資家心理の改善につながった旨。

□9月17日(金)

◇中国、TPP加盟を正式申請、アジア貿易主導権狙う (日経 電子版 05:22)
→中国商務省は16日夜、中国が環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式に申請したと発表、王文濤商務相が寄託国ニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興相と電話協議し、申請書類を提出した旨。アジア・太平洋地域の貿易で主導権を握りたい考えだが、加盟に向けたハードルは高い旨。

◇中国のTPP加盟申請、バイデン政権、身動き取れず後手に (日経 電子版 11:15)
→中国が環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式に申請したことで、米国はインド太平洋における通商の主導権争いで戦略の見直しを迫られる旨。中国に対抗するにはTPP復帰が最善の選択肢だが、国内の反対論が根強い旨。バイデン政権は身動きが取れないまま後手に回る旨。

◇NYダウ反落63ドル安、資本財など景気敏感株に売り (日経 電子版 05:40)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比63ドル07セント(0.2%)安の3万4751ドル32セントで終えた旨。朝方発表の8月の小売売上高が市場予想に反して増加したのを好感して消費関連株が買われた旨。ただ、米景気の減速懸念は根強く、資本財など景気敏感株が売られて相場の重荷となった旨。

□9月18日(土)

◇NYダウ続落166ドル安、緩和縮小にらみリスク回避 (日経 電子版 06:04)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落、前日比166ドル44セント(0.5%)安の3万4584ドル88セントで終えた旨。米景気の減速懸念に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、投資家の運用リスクを取る姿勢が後退した旨。景気敏感株の一角や主力のハイテク株に売りが出た旨。


≪市場実態PickUp≫

【iPhone 13お披露目】

Apple社の新製品発表を直前に控えるタイミングで、脆弱性の問題が露呈、以下の内容&対応である。

◇イスラエル拠点企業がiPhone侵入ツール開発=シチズンラボ (9月13日付け ロイター)
→イスラエルに拠点を置くサイバー監視会社「NSO」が、これまでにない技術で米アップルのiPhoneに侵入できるツールを開発したと、カナダ・トロント大学の研究チーム「シチズンラボ」が13日発表した旨。アップルのOS(基本ソフト)である「iOS」「OSX」「ウオッチOS」の全てのバージョンに影響を及ぼす脆弱性を狙ったもので、アップルが近年設計したセキュリティシステムを破る旨。
アップルはシチズンラボの発表を認めた上で、13日にソフトウェアをアップデートして脆弱性を修正したと発表した旨。

◇国の要人狙うスパイウエア、iPhone盗聴の可能性も (9月14日付け 日経 電子版 13:49)
→米アップルは13日、「iPhone」などの自社製品に搭載している対話アプリ「iMessage」にセキュリティ上の重大な脆弱性があったと明らかにした旨。開発元が脆弱性を修正する前に利用者の端末を突く「ゼロデイ攻撃」によりイスラエル企業の開発したスパイウエアに侵入され、盗聴被害を受ける可能性がある旨。国の要人を狙う攻撃が世界的に普及するアップル製品へと及び、対策が一段と求められる旨。

◇Apple、「iMessage」に脆弱性、修正プログラム配布 (9月14日付け 日経 電子版 10:08)
→米アップルは13日、「iPhone」などの自社製品に搭載している対話アプリ「iMessage」にセキュリティ上の重大な脆弱性が見つかったと明らかにした旨。イスラエル企業が開発したスパイウエアを使った攻撃に悪用された場合、利用者が気付かないうちに端末が乗っ取られていたおそれがある旨。iMessageの脆弱性は、スパイウエアに感染したサウジアラビアの活動家のiPhoneを分析したカナダ・トロント大学の研究チーム「シチズンラボ(Citizen Lab)」が発見した旨。アップルは報告を受け、13日に欠陥を修正するプログラムの配布を始めた旨。iPhoneや腕時計型端末「Apple Watch」、パソコン「Mac」などの利用者に対し、基本ソフト(OS)を最新版に更新するよう呼びかけている旨。

そして、最新スマホ「iPhone13」が発表されている。A15 Bionic半導体、カメラ機能の向上、など各業界紙の取り上げが以下の通りである。

◇Apple's iPhone 13 features A15 Bionic processor with 15B transistors-Apple: iPhone 13 has A15 Bionic chip with 15B transistors (9月14日付け VentureBeat)
→iPhone 13およびiPhone 13 Mini handsetsの心臓部に、5-nanometerプロセス技術でつくられたAppleのA15 Bionicプロセッサがある旨。Appleによると、該custom半導体設計には15 billion個のトランジスタが含まれる旨。

◇Apple boasts four iPhone 13 models running A15 Bionic chip (9月14日付け FierceElectronics)
→Appleが火曜14日、iPhone 13, iPhone 13 mini, ProおよびMaxモデルにおける新しいA15 Bionic半導体および5Gなど、iPhone 13シリーズを投入の旨。Pro Maxのストレージcapacityが1 TBで$1,599から、128 GBのbaseモデルで$1,099の価格の旨。4モデルすべて、金曜17日発売、9月24日に入手可能。
A15 Bionicは、5-nm技術でつくられ、高速グラフィックスに向けて5-core GPUを盛り込んで、Appleは競合より50%高速としている旨。Proモデルは6.1-インチ、Maxは6.7-インチの一方、iPhone 13 miniは5.4-インチ、iPhone 13は6.1-インチ画面の旨。
A15 Bionicには、2つの新しい高性能coresおよび4つの新しい高効率coresを擁して6-core CPUもあり、他よりは50%のspeed edge。16-core neural engineは、最大15.8 TOPSで動作、新しいiOS 15におけるLive Text in Cameraなどのfeaturesをサポートの旨。

◇You'll hear a lot about how boring the iPhone 13 is, but Apple is still poised to continue its sales super cycle (9月15日付け CNBC)
→*iPhone 13は、昨年のモデルから小さな改善に留まる
 *しかしながら、顧客は数年スマートフォンにしがみついており、この更新は旧型電話を持つ人々には大きな意味に見える
 *Wedbushのアナリストは、このサイクルで更新の備えのiPhone顧客が250 millionいると予想

◇The iPhone 13 lineup and everything else announced this week (9月15日付け CNET)
→火曜14日のAppleのイベントにて、より多くのストレージおよび新しいCinematic mode搭載の新しいiPhone 13が得られ、加えて、大きなiPad Miniの変更および新しいApple Watch Series 7が見られた旨。

◇カメラで攻めるApple、狙いは「映像プラットフォーム」 (9月15日付け 日経 電子版 06:08)
→米アップルが発表した「iPhone13」シリーズの目玉のひとつはカメラ性能の向上。暗い場所での撮影精度が高まり、背景をぼかして被写体を際立たせる機能は動画にも対応した旨。画像処理での人工知能(AI)活用が進む一方、ソニーグループなど日本企業も中核となるセンサの供給などで黒子役を果たす旨。ソフトとハードを駆使した「映像プラットフォーム」を構築し拡張現実(AR)のような新市場を取り込む狙いが透ける旨。

◇Apple、「iPhone13」4機種発表、カメラ機能を向上 (9月15日付け 日経 電子版 07:20)
→米アップルは14日、スマートフォン「iPhone」の新機種を発表、新開発の半導体などにより動画の撮影機能を高めた旨。最低価格を699ドル(約7万7000円)とするなど価格は据え置く一方、主力機種で記録媒体の容量を増やす旨。収益を支えるスマホで基本性能を着実に高め、買い替え需要を取り込む旨。

◇Apple、2年半ぶり「iPad mini」、「Watch」は画面拡大 (9月15日付け 日経 電子版 10:29)
→米アップルは14日、小型タブレット端末「iPad mini」の新製品を約2年半ぶりに発表、画面サイズを従来の7.9インチから8.3インチに広げたほか、高速通信規格「5G」に対応する機種もそろえる旨。持ち運びやすい端末として日本などで人気の高いminiの刷新で、タブレット需要の底上げを狙う旨。このほか、腕時計型端末「Apple Watch」の新機種「シリーズ7」も発表、文字盤などを表示するディスプレーのサイズを従来機よりも20%近く拡大し、視認性を高めた旨。

iPhoneの価格推移、ますます「高級品」である。

◇iPhone価格、10年で3倍の19万円、日本人平均月収の6割 (9月16日付け 日経 電子版 02:00)
→14日(米国時間)に発表された米アップルの最新スマホ「iPhone13」で、注目されたのは端末の価格。国内向けは8万6800〜19万4800円(税込み)と、2020年発売の「12」シリーズより最も安い機種で約4000円、最も高い機種で約2万9000円高い設定となった旨。高機能化や大型化により、端末の最高価格はこの10年で3倍に上がった旨。日本人の平均月収の約6割に迫る「高級品」だが、日本はiPhoneのシェアが約半分という世界でも特異な市場となっている旨。

【TSMC関連】

TSMCの8月売上げが史上2位、そして生産拡大に向けた社債の販売である。

◇TSMC August sales up over 10% from July to hit 2nd-highest total ever (9月10日付け Focus Taiwan)

◇TSMC to sell US$1 billion bond for production expansion-TSMC offers $1B in bonds for expanding capacity (9月11日付け Focus Taiwan)
→TSMCが、グローバル市場での長引く供給不足の間での生産拡大に向けて$1 billionの無担保社債を販売する旨。

TSMCの次の先端fab拠点に台湾・高雄が選定の方向、と以下の通りである。

◇Taiwan's TSMC expected to build facility in Kaohsiung-Report: TSMC plans a new wafer fab in Kaohsiung -New fab expected to produce 7-nm, 6-nm process chips (9月14日付け Taiwan News)
→Nikkei発。TSMCが、台湾におけるウェーハfab拠点の次の場所として高雄(Kaohsiung)を選択、該fabは7-nanometerおよび6nmプロセス技術を用いて2023年あるいは2024年に稼働の旨。

◇TSMC、新工場建設へ、台湾南部、先端半導体、2025年に量産 (9月14日付け 日経)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、台湾南部の高雄市に先端の新工場を2棟建設する方向で検討していることが、13日分かった旨。回路線幅が6-nmや7-nmを生産する予定。2025年に量産を開始する計画。世界的な半導体不足の解消への対応を急ぐ旨。
台湾の大手経済紙、工商時報などが13日報じた旨。新工場は2棟に分かれる旨。第1期工事として、6-nmと7-nmの半導体を生産する新工場を建設する旨。当初の生産能力はシリコンウエハー換算で月産4万枚程度。工場は2024年にも完成する旨。

TSMCの今年の売上げが24%増、とIC Insightsの見方である。

◇TSMC forecast to post 24% revenue growth in 2021, says IC Insights (9月15日付け DIGITIMES)
→IC Insights発。TSMCの今年後半の売上げが前半から14%増の見込み、2021年全体では24%増と見る旨。

【インテル対AMD】

半導体の歴史を長らく覆う両社のライバル関係であるが、サーバプロセッサの価格を巡る駆け引きが以下の通りである。インテルの値下げがAMDにインパクトを与えているとのこと。

◇Intel offering competitive prices to maintain server market leadership-Sources: Intel cuts server CPU prices amid AMD pressures (9月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Advanced Micro Devices(AMD)がサーバCPUs需要に追いつけず、Intelがサーバプロセッサの価格競争力を高めている旨。
DigiTimes Researchがサーバ用半導体市場における来年のAMDのシェアを10% to 15%に留まると予想する一方、Intelが2022年前半の間にEagle Streamサーバプロセッサんの生産を開始する、と特に言及の旨。

◇インテルCPU値下げでAMD収益性悪化、サムスンのファウンドリに好機 (9月16日付け コリア・エレクトロニクス)
→インテルが中央処理装置(CPU)シェアを回復するため値下げに乗り出し、ライバル会社のAMDの収益性が悪化する見通し。韓国businesspostが伝えた旨。
サムスン電子のファウンドリ事業部(半導体委託生産)事業部は、コスト削減を希望するAMDから半導体の仕事を確保する可能性があると分析された旨。韓国投資証券のイ・ウォンシク研究員は14日、「インテルが攻撃的な価格政策を土台にサーバ用CPU市場でシェアを回復している」とし「これによりAMDのサーバ用CPUを使用した主要データセンター企業が最近インテル陣営に戻っている」と明らかにした旨。

【2022年の半導体装置投資】

SEMIより、2022年の前工程に向けたグローバル半導体装置投資が約$100 billionに達する見通しがあらわされ、3年連続史上最高更新となる。関連の取り上げ、以下の通りである。

◇Global Fab Equipment Spending Projected to Reach New High of Nearly $100 Billion in 2022, SEMI Reports (9月14日付け SEMI)
→SEMIのWorld Fab Forecastレポート。digital transformation(DX)など現状の技術trendsが引っ張って、2022年のfront end fabsに向けたグローバル半導体装置投資が約$100 billionに達する見込み、electronics需要増大に対応、今年の見通し、$90 billionを上回って、ともに最高更新の旨。

◇Spend on new fab equipment to hit $100bn in 2022-SEMI: IC gear spending at $90B in 2021, $100B in 2022 (9月15日付け New Electronics)
→SEMIの予測。今年の半導体装置世界expendituresが総計$90 billionの軌道にあり、来年は約$100 billionの旨。ファウンドリーが来年製造装置に$44 billionを上回る投資、一方、メモリ半導体メーカーの購入が$38 billionを上回ると予測の旨。

◇S. Korea to lead fab equipment spending in 2022: report (9月15日付け Yonhap News Agency)
→SEMIの最新World Fab Forecast。2022年のfab装置投資に向けて、メモリ大手、Samsung Electronics Co.およびSK hynix社を擁する韓国が$30 billionの見込み、台湾の$26 billionおよび中国の約$17 billionを上回る旨。

◇半導体装置投資10.8兆円、来年予測、3年連続最高 (9月16日付け 日経)
→半導体業界の国際団体SEMIは15日、電子回路を形成する前工程向け製造装置の投資額が2022年に$98.4 billion(約10兆8千億円)に拡大すると発表、3年連続で過去最高を更新する旨。通信の高速化やデータ量の増加を受けて、半導体需要が拡大している旨。

【「6G」関連】

早くも次世代高速通信「6G」を巡って、米・日と中国が拮抗する特許の状況、そして特許取得の発破をかけるHuaweiの任正非CEO、と以下の通りである。

◇6G特許、米・日と中国で競う、出願シェア45%対40%【イブニングスクープ】 (9月16日付け 日経 電子版 18:00)
→次世代高速通信「6G」の規格を巡り、中国と米国・日本が特許で覇権争いをしている旨。中核技術の特許出願数を分析したところ、中国が全体の4割とリードするが、35%の米国と1割弱の日本を合わせると拮抗する旨。6Gは自動運転や仮想現実(VR)など活用分野が広がる旨。世界標準に向けて水面下の攻防は激しくなっており、3Gから続く統一規格が崩れるおそれもある旨。

◇ファーウェイCEO、「6G」開発で特許取得を指示 (9月16日付け 日経)
→中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は次世代通信規格「6G」の研究を加速する旨。任正非(レン・ジェンフェイ)最高経営責任者(CEO)が社内で「6Gの成長余地は大きい」と述べ、特許の取得を進めるよう指示した旨。スマートフォンなどの主力事業に米政府の規制による打撃が広がるなか、先端技術への注力で生き残りを図る旨。


≪グローバル雑学王−689≫

各国の中国に対する視点、それもマイナーな顔ぶれからのそれに、ルポライターの著者の目を通して迫っていく書、

『中国vs.世界 呑まれる国、抗う国』
 (安田 峰俊 著:PHP新書 1260) …2021年5月27日 第一版第一刷

より、今回はオーストラリアである。我が国の約20倍の国土を持つが、人口は北朝鮮と同じ程度のオーストラリア。18世紀末の最初のイギリスの植民までの少なくとも4万年の間、およそ250の言語グループに分類される言語話者の先住民が居住してきた歴史。我が国のずっと南にあって、昼夜の時間帯がほぼ同じで季節が逆という国、オーストラリアは、1972年に中国と国交を樹立、そこからの以下の経緯である。石炭や鉄鉱石などを中国に輸出、2020年のコロナ禍まで約30年間にわたる経済成長を続ける大きな力になったという両国関係であるが、複数の中国人富豪からのオーストラリアの上院議員への献金や利益供与が明るみになったのが発端、米中摩擦を受けてファーウェイとZTEからの機器導入を禁止する事態が引き続く。あれこれ西側の正義を貫く姿勢に怒りを爆発させている中国という現状の両国関係の構図。リベラルで開放的な民主主義社会を旨とするオーストラリアが、経済的に中国からのインパクトを受ける中、今後どうなっていくかの視点が求められていく。


第五章 vs.オーストラリア
 スパイとコロナ禍で「蜜月」から「対立」へ

・オーストラリアは1972年に中国と国交を樹立
 →以来、良好な二国間関係を保ってきた
 →諍友(ヂェンヨウ)(諫言を行う友人)のポジションを自認
 →経済交流の恩恵は存分にこうむる「おいしい」状況を享受
・オーストラリアは2020年のコロナ禍までは約30年間にわたり経済成長を続けてきた稀有な先進国
 →中国からの旺盛な石炭や鉄鉱石の需要が後押し
・豪中関係は2017年ごろから少しずつ隙間風
 →2020年春からは最悪に近い状況に

◇中国の激怒、オーストラリアの正義
・2020年6月11日、スコット・モリソン(Scott John Morrison)豪首相、ラジオ番組での発言
 →「オーストラリアが常に行うのは、自国の国益のために行動し、脅威に脅かされないことだ」
 →現在のオーストラリアが貿易や観光などの各方面で中国当局から受け続けている圧力を「強要」というかなり踏み込んだ表現で非難した形
 →対して中国側も、ねちねちとオーストラリアの対米追従を批判し続けている
・悪化している豪中関係の背景
 →2018年から激化した中米間の貿易摩擦と政治的な対立
 →先鋭的な対立が生まれた直接の原因は、新型コロナウイルスのパンデミックにまつわるオーストラリアの対応
・オーストラリアにしてみれば、「諍友」として民主主義や人権の理念を重視する行動をとったにすぎない
 →現代の強大化した中国にとっては「そこかしこで中国と敵対する」許せない行為ということに
・そこで中国が取った報復は露骨
 →2020年4月下旬、ワインの輸入制限や、中国人観光客や留学生の送り出し制限
 →5月12日、オーストラリアの大手食肉4社からの輸入停止発表
 →5月18日、中国に輸出される豪州産の大麦は合計80.5%もの高関税
・コロナ禍による約30年ぶりのリセッション(景気後退局面)に苦しむオーストラリア
 →最大の貿易相手国からの経済的いやがらせは泣きっ面に蜂
・現在の事態に至るまでには、コロナ禍以前に数年間の「助走」期間が存在

◇豪州を食い荒らす中国スパイ
・従来、オーストラリアは積極的に中国の経済発展の果実を得てきた国の1つ
 →こうした両国関係は、中国による露骨な浸透工作とスパイ活動が次々と明らかになることで悪化していく
・発端となったのは2016年8月、複数の中国人富豪から献金や利益供与を受けていた事実が明るみに
 →最大野党、オーストラリア労働党(ALP)のサム・ダスティヤリ(Sam Dastyari)上院議員
  →1983年生まれ、4才のときにイランからオーストラリアにやってきた移民の出身者
  →ダイバーシティ(多様性)を象徴する若手のホープだった
 →ダスティヤリと結びついていたのは、不動産デヴェロッパーや教育系実業家など
・こうした騒動の結果、ダスティヤリは2018年1月に議員を辞職
 →事態を受けた自由党政権は、「中国による内政干渉」として強い不快感を表明
 →オーストラリアは従来の方針を転換していくことに
 →2019年8月には、5Gのインフラ整備にあたって、中国IT機器大手、ファーウェイとZTEの参入を国家安全保障の観点から禁じることを表明
・こうした動きを受けた中国はオーストラリアを激しく非難
 →両国の蜜月関係は終わりを告げる

◇多文化主義が中国の浸透工作を招いた
・オーストラリアは日本の約20倍の国土を持つが、人口は約2500万人と、北朝鮮の人口規模と同じ程度
 →今世紀に入ってからは中国人移民を多数受け入れ、いまや華人系の国民は人口の5%近い約120万人に
・二大政党制のもとで左右の大政党が拮抗するこの国
 →華人票がキャスティングボートを握るケースが多々
・中国はこうしたオーストラリアを、アメリカの主要同盟国の中のウイークポイントとして、熱心に浸透工作を進めてきたとされている
 →ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)を重視、多文化共生主義を肯定するオーストラリアの社会
  →中国の脅威を指摘する言説は、しばしば人種差別的・排外主義的な言動として糾弾されてしまう
・オーストラリアは、経済力や国土の大きさに比して、軍事力や防諜体制が脆弱な国
 →ゆえに平和的な雰囲気が強く、英米両国以上にリベラルで開放的な民主主義社会が成立
 →こうした「ゆるい」魅力それ自体が、中国の介入を容易にする弱みとなっている
・中国に翻弄されるオーストラリアの動向は、日本にとってもかなり気にかかるところ

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