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各国・地域の半導体製造の現状および強まる様々な地政学インパクト

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜17日午前時点、世界全体で1億8933万人を超え、1週間前から約347万人増と約60万人の増加である。デルタ型の感染拡大で、ワクチン接種が進む国でも行動制限の動きが見られている。台湾そして韓国が半導体製造を引っ張る現状のもと、各国・地域における半導体を巡る政治的、軍事的、社会的な緊張を受けた様々な動き、反応が相次いでいる。米国では、インテルがGlobalFoundries買収の話し合いの報道が見られる一方、インテルはTSMCへの米国政府の補助金に異議を唱える主張である。TSMCの創業者、Morris Chang氏は、各国の半導体自給自足への動きに警鐘を鳴らすなど、なんとも収拾のつかない応酬に以下注目である。

≪各国・地域での半導体製造を巡る動き≫

世界の半導体製造の現状について、IC Insightsより昨年12月時点の国・地域別ウェーハcapacityがあらわされている。

◇Taiwan Maintains Edge as Largest Base for IC Wafer Capacity-As a percent of worldwide total, China achieves largest increase in fab capacity at expense of all other regions, but still trails Taiwan, South Korea, and Japan in installed capacity. (7月13日付け IC Insights)
→IC InsightsのGlobal Wafer Capacity 2021-2025レポートが、世界の月次ウェーハcapacityを地政学的地域(あるいは国)別に分解の旨。2020年12月時点でのデータ、次の通り:

地域
installed capacity(K枚/月)
世界比率
台湾
4,448
21.4 %
韓国
4,253
20.4
日本
,281
15.8
中国
3,184
15.3
北米
2,623
12.6
欧州
1,177
5.7
ROW
1,847
8.9
総計
20,814
100

 [Source: IC Insights]
*台湾は、2011年に日本を、2015年に韓国を抜いて首位になり、2025年まで維持する見込み

◇Taiwan and Korea host 40% of worldwide wafer capacity-IC Insights: 40% of global wafer capacity in Korea, Taiwan (7月14日付け Electronics Weekly (UK))
→IC InsightsのGlobal Wafer Capacity Report発。韓国および台湾で、世界の半導体製造capacityの占める比率が40%を上回る旨。台湾が200-millimeterウェーハ換算で月次installed capacityの21.4%を占める一方、韓国は20.4%の旨。

◇Korea ranks 2nd in monthly capacity of 200mm wafers in 2020: report (7月14日付け The Korea Times (Seoul))
→300mmとなると、IC Insightsのデータは、韓国が首位、すぐに台湾が続く、としている旨。

台湾および韓国で世界の40%を占めるとともに、それぞれ最先端のロジックおよびメモリ半導体を圧倒的に牽引している内訳がある。

半導体の不足から生産に追われる業況を受けて、半導体製造装置のグローバル販売高の見通しがSEMIによるあらわされている。来年、2022年にはここでも$100 billionの大台突破が予測されている。

◇Semiconductor Equipment Forecast to Post Industry High of $100 Billion in 2022, SEMI Reports (7月13日付け SEMI)
→SEMIが本日、Innovation for a Transforming World virtual conferenceにて、Mid-Year Total Semiconductor Equipment Forecast - OEM Perspectiveをリリースする中で発表、original equipment manufacturers(OEMs)による半導体製造装置のグローバル販売高が、次の推移で来年$100 billionの大台を上回る、と予測の旨。

2020年
2021年
2022年
$71.1 billion
$95.3 billion
>$100 billion
34%増

デバイスメーカーによる成長driversへの投資が継続、front-endおよびback-end両方の半導体装置分野の拡大を焚きつけている旨。

製造への投資がどう行われるか、各国・地域による現下の地政学的要因が大きく左右するとの見方である。

◇Geopolitics now a top factor in fab investment: SEMI (7月14日付け FierceElectronics)
→SEMIのdirector of industry research、Clark Tseng氏。半導体製造への投資が向こう数年どこで行われるか、地政学がそれに影響するトップ要因の可能性の旨。今週のSEMIのInnovation for a Transforming World virtual conferenceにて同氏は、地政学がfab投資を引っ張る新しい要因になるとは決して予想しなかったが、世界中の半導体製造投資を引っ張っている旨。

◇Semiconductor Equipment Forecast to Post Industry High of $100 Billion in 2022, SEMI Reports (7月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇Semiconductor equipment sales to hit US$100bn -SEMI: IC gear revenue to reach $100B in 2022 (7月15日付け The Taipei Times (Taiwan))
→SEMIの予測、世界半導体装置市場が来年$100 billionに伸びて、今年の$95.3 billionから約5%増。ウェーハfab装置がこの伸びを引っ張って、2022年に$81.7 billionに増大、前年比34%増は業界新記録となる旨。

◇半導体製造装置、世界市場11兆円、2022年予測を上方修正 (7月15日付け 日経)
→半導体業界の国際団体、SEMIは14日、2022年に半導体製造装置の世界販売額が1013億ドル(約11兆2000億円)以上になるとの予測を発表、2020年12月時点の予想を252億ドル(33%)上方修正した旨。半導体不足の解消には時間がかかる見通しで、増産に向けた設備投資が続く旨。米中摩擦を背景に、半導体の自国内での生産に向けた供給網の構築も追い風になりそう。

現状日々強まる様々な地政学インパクトを受けての各国・地域の関連する動き&内容を以下分けて取り出している。

≪米国≫

グーグルの前CEO、Eric Schmidt氏による最先端半導体の米国の取り組みについての率直な見方である。ロジックでTSMCを追うSamsungへの期待である。

◇最先端半導体、韓国に期待(NIKKEIAsia)(7月10日付け 日経)
→台湾積体電路製造(TSMC)が先行する半導体生産技術については「米国が巨費を費やしてもすぐに台湾のようにはなれない」と米半導体産業の遅れを認めた。TSMCは米国内に半導体工場を建設することを明らかにしているが「台湾にあるような最先端の工場にはならない」と述べ、当面は「米中ともに台湾への依存が続く」との見通しを示した。
その一方で、米国は「中国に対して(半導体製造技術で)2世代分のリードを保たなければならない」とし、「米国などで(台湾の半導体生産を)代替できるようにする必要がある」と中長期での投資や産業育成の重要性にも言及した。
現状、各国が最先端半導体の供給で依存する台湾は中国との地政学的な緊張を抱える。シュミット氏は半導体製造技術では「韓国サムスン電子が過小評価されている」と指摘した。現行の最先端技術である5-nmの半導体製品は「TSMCとサムスンの2社から供給を受けられるようになるだろう」と述べ、サムスンにはTSMCに偏っている半導体製造の一部を代替する能力があるとの見方を示した。・・・・・

TSMCの米国工場建設への米国政府補助金について、インテルが異議を唱えている。容易でない先行きである。

◇台湾TSMCへの米政府補助金、インテルが異議-宙に浮く5.7兆円の行方 (7月15日付け 日経 電子版 13:00)
→台湾積体電路製造(TSMC)が米国で建設を進める半導体新工場への補助金を巡り、ライバルの米インテルが異議を唱えている旨。米政府が予定するTSMCへの補助金は、米国の競争力をかえって損なうとの主張。ただ米政府は半導体の過度なアジア依存から脱し、中国に対抗しようとTSMCを国内に誘致した旨。かみ合わない両者。米台の半導体連携も容易ではない旨。

そのインテルが、GlobalFoundriesを買収する話し合いに入っているというThe Wall Street Journalの報道に端を発して各紙の取り上げである。ファウンドリー事業が強化されるが、最先端微細化の取り組みは断念した経緯があるGlobalFoundriesであり、進展するかどうか訝る見方もあらわれている。

◇Intel Is in Talks to Buy GlobalFoundries for About $30 Billion-Intel reportedly negotiating to buy GlobalFoundries for $30B -Move comes as Intel is launching a major push to become a chip manufacturer for others (7月15日付け The Wall Street Journal)

◇Intel in talks to buy GlobalFoundries for about $30 billion - WSJ (7月15日付け Reuters)

◇Report: Intel in $30B talks to buy GlobalFoundries (7月16日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→該取引は他社向け半導体をより多くつくるIntelの活動を加速、同社史上最大の買収となる旨。

◇米インテル、半導体受託生産4位を買収へ交渉、米紙報道 (7月16日付け 日経 電子版 12:42)
→米インテルが半導体受託生産世界4位の米グローバルファウンドリーズの買収に向け交渉していることが15日、明らかになった旨。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として報じた旨。買収額は約300億ドル(約3兆3000億円)といい、インテルのM&A(合併・買収)では過去最大となる可能性がある旨。

◇Intel GF buyout unlikely, sources say-Will Intel buy GlobalFoundries for $30B? (7月16日付け DIGITIMES)
→ある業界筋は、GlobalFoundriesが成熟したプロセス技術およびspecialtyプロセス搭載の半導体をつくるとすれば、該買収提案は前進しそうにない旨。

≪台湾≫

いまや世界の半導体生産を引っ張る台湾。我が国の防衛白書にも初めて台湾情勢の重みが明記されている。

◇「台湾情勢の安定重要」、防衛白書に初明記−米中競争、安保への影響記述 (7月13日付け 日経 電子版 10:26)
→岸信夫防衛相は13日の閣議で2021年版の防衛白書を報告、中国の台湾周辺での軍事活動を挙げ「台湾をめぐる情勢の安定はわが国の安全保障にとって重要だ」と初めて明記した旨。米中の競争激化が「インド太平洋地域の平和と安定に影響を与えうる」と警鐘を鳴らした旨。
防衛省は白書を毎年作成し、日本を取り巻く安全保障環境や自衛隊の体制などを公表、2021年版は初めて米中関係を分析する項目を設けた旨。

TSMCより、今後の需給見込み、そして我が国を含めた海外の工場展開について以下の言及である。

◇TSMC mulls 28nm, 12/16nm process capacity expansion overseas-TSMC plans 28nm, 12/16nm expansions, sources say (7月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、28-nanometerおよび12/16nm features搭載半導体をつくる海外のウェーハfabラインの拡張を検討している一方、Nanjing, China(南京)のウェーハfabでの生産capacityも増やしている旨。

◇Chip Shortages May Persist Until 2023, Analysts Say (7月15日付け EE Times)
→TSMCのchairman、Mark Liu氏が、CBSのjournalist、Leslie Stahl氏に対し、グローバルな半導体の不足が2022年まで伸びる可能性を示唆、Liu氏のコメントは、現状の需要対応に向けた新しいcapacityの急峻な立ち上げを巡る問題、半導体価格の上昇および結果として起こる過剰供給の可能性を引き上げている旨。

中国の脅威についてのコメントがあらわれている。

◇TSMC eyes expansion in U.S., Japan to meet sustained chip demand-TSMC: IC shortages easing; chip demand still high (7月15日付け Reuters)
→TSMCが、空前のmicrochips需要対応に向けて日本および米国での新しいウェーハfab拠点を推進していく一方、車載コンポーネントがより入手できるようになっていく旨。TSMCのChairman、Mark Liu氏曰く、「中国による侵略に関しては、誰もが平和な台湾海峡を望んでいると言わせてほしい。」加えて、「それはすべての国の利益に対してであるが、台湾の半導体supply chainのためでも。誰もその混乱を望まない。」

◇TSMC chairman says nobody wants war over Taiwan as chip supplies too valuable (7月15日付け Reuters)

TSMCの創業者、Morris Chang氏による、各国の半導体自給自足の取り組みの実現は困難、とのコメント記事を見い出したばかりである。遡ってTSMCの初期の頃、米国で相手にされなかった同氏の思いのくだりを思い出している。

◇TSMC創業者、半導体「自給自足」目指す動きに警鐘−実現難しい (7月17日付け ブルームバーグ)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏は16日、世界各国が取り組む自国内で半導体サプライチェーンを再構築する動きについて、コストが膨らみ、自給自足の達成もおぼつかなくなると警鐘を鳴らした旨。
世界的な半導体不足を背景に、日本や米国、中国などでは国内メーカーの自給率を高めるよう求める声が強まっており、半導体産業における台湾の圧倒的な地位に暗雲が漂い始めた旨。こうした中、張氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)が非公式で開催したオンラインでの臨時首脳会議に台湾の代表として参加した旨。

≪シンガポール≫

米中貿易摩擦は、シンガポールの半導体業界には有利に働くとの見方が展開されている。

◇Why US-China Rivalry Might Be Good for Singapore's Semiconductor Industry -Singapore's chip industry benefits from US-China woes -Global chip-makers are diversifying their supply chains to hedge against the risks of growing geopolitical competition. (7月13日付け The Diplomat)
→中国と米国の間の貿易の敵対が続く一方、シンガポールの半導体業界には生産capacityが加えられており、GlobalFoundriesは先月、シンガポールでの半導体製造拠点の$4 billion拡大を発表の旨。今後このようなグローバルsupply chainsのさらなる刷新が行われて、正当なインフラ、法制アーキテクチャーなどの要因を具えるシンガポールのような国々が大きく利益を被る、と見る旨。

≪日本≫

TSMCに工場建設の誘致を行っている我が国であるが、検討&評価段階とのTSMCからの表明である。

◇日本に新工場「検討段階」、台湾TSMC、CEOが表明−4〜6月純利益11%増、売上高は過去最高 (7月15日付け 日経 電子版 19:24)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(C.C.Wei)・最高経営責任者(CEO)は15日、オンラインで開いた決算発表会見で、日本で初となる新工場建設の可能性について「現在検討している段階だ」と述べた旨。今後、顧客の需要に基づいて最終判断する旨。世界的に需給が逼迫する半導体不足は「年末まで続き、2022年にも影響が及ぶ」との見方を示した旨。
同日発表した2021年4〜6月期決算は、純利益が前年同期比11%増の1343億台湾ドル(約5300億円)。売上高は同20%増の3721億台湾ドルとなり、四半期ベースで過去最高となった旨。

◇TSMC in ‘Due Diligence’ on Possibility of Japan Fab (7月15日付け EE Times)
→TSMCが、世界中の国々が安全確実なelectronics supply chainsに向けて同社の支援を求めている中、日本での半導体工場の建設如何を評価している旨。一方、TSMCのArizona fabに向けて採用されたエンジニアが5-nm技術について訓練を受けている旨。

≪中国≫

米国の制裁を受ける中国。厳しい一面として、Tsinghua Unigroup(清華紫光集団)の破産に触れる記事である。

◇China chip giant Tsinghua Unigroup says creditor seeks bankruptcy-Move comes after state-backed group misses string of bond payment deadlines (7月10日付け Nikkei Asia)

◇‘Insolvent’ Tsinghua Unigroup Aims to Restructure-Tsinghua Unigroup is insolvent, will restructure (7月11日付け EE Times)
→負債が資産を越えて、Tsinghua Unigroupが、破産の事実を認めている旨。Yangtze Memory Technologies Co.(YMTC)および半導体設計のUnisoc (Shanghai) Technologies Co.など半導体メーカーを抱える該中国holding companyは再建を試みる旨。

Huaweiも、先端分野への投資に活路を見い出そうとしている。

◇米国の制裁でスマホ・通信機器事業が急減、ファーウェイ、先端投資に活路(NIKKEIAsia) (7月11日付け 日経)
→中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が、米国による制裁に屈服したと考えてはいないだろうか。ならば同社がドイツで半導体技術者、トルコでソフトウエア技術者、カナダで人工知能(AI)研究者を採用しようとしていることに驚くかもしれない。
ファーウェイの採用サイトを調べたところ、欧州やカナダでAI、自動運転、ソフト、ハード、半導体、量子コンピュータなどの分野で、数百人規模の募集をしていた。台湾経済研究院のアナリスト、チュー・シーファン氏は「これらの分野で競争するには、国内のみでは難しい。多くの国で大量に直接雇用する必要がある」と指摘する。・・・・・

プラスの側面として、半導体の国産化が加速する現状である。

◇中国、半導体の国産化が加速、1年間で534社が約2兆6000億円を調達 (7月11日付け 36KrJapan)
→半導体関連の投資案件を多く手がけてきた「雲岫資本(WINSOUL CAPITAL)」のデータによると、2020年7月から2021年6月までの約1年間に資金調達を行った中国の半導体企業は、全部で534社に上ることがわかった旨。調達額は合計で1526億元(約2兆6258億円)に達した旨。
しかし、資金調達を行った企業は多いものの、多額の資金を調達できた企業はごく少数だった旨。データによると、5億元(約86億円)を上回る大型投資案件はわずか46件で、全案件の8.6%に過ぎないが、その投資額は全体の64.6%に相当する合計992億元(約1兆7068億円)に上っており、明確な先導的効果を伺うことができる旨。

来年の14-nm量産化に非常に大きな期待である。

◇China set to achieve 14 nm breakthrough in 2022 (7月13日付け Total Telecom)
→中国はグローバル半導体生産の約70%を消費、しかし、来年国内で14-nm半導体を量産する同国の計画で世界最大の半導体サプライヤとなりそうな旨。

◇Mass Production of 14nm Chips in China Will Spur Future Growth of Its Chip Industry (7月13日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

現下の半導体輸入の高水準である。

◇China's chip imports soar in June as manufacturers build up supply amid global shortage (7月13日付け South China Morning Post)
→*中国の6月の半導体デバイス輸入が51.9 billion個、単月で3月および4月に続く第3位の数量
 *中国の6月の半導体輸入は全体で$38 billion

≪欧州≫

英国の半導体工場(Newport Wafer Fab)の中国資本による買収の1件が、尾を引いている。

◇U.K. Sold Off $42 Billion of Semiconductor Firms Before Review-Analysis: UK sold chip firms for $42B prior to review (7月11日付け Bloomberg)
→*Newport Wafer Fabが中国メーカーに売却されようとしている旨。
 *英国首相が介入、該取引見直しの旨。

◇China is buying up chip firms in a push for semiconductor supremacy, says UK lawmaker (7月16日付け CNBC)
→*英国下院議員で保守党の前leader、Iain Duncan Smith氏が木曜15日英国議会に対し、中国が半導体技術をグローバルに支配したいとする重要領域としている旨。
 *半導体は、車の駐車センサから洗練されたミサイルシステムまであらゆるものに用いられるが、現在は供給が不足、各国が十分に確保する対策をとっている旨。
 *中国は"せっせと技術を盗み、他人のintellectual property rights(IPRs)を獲得、そして会社買収を行っている"、とDuncan Smith氏。

インテルの欧州での半導体製造工場建設の取り組みが以下の通り見え始めている。今後の展開に引き続き注目である。

◇As Europe hopes to double its share of global chip production, Intel comes along with $20bn, plans for fabs-France, Germany, Belgium, and the Netherlands ... but not Brexit Britain? (7月12日付け The Register)
→Intelが、欧州での2-3の半導体製造工場建設に$20bnほど充てる計画、さらに準備中がある旨。同社CEO、Pat Gelsingerが訪欧、Emmanuel Macronフランス大統領、Angela Merkelドイツ首相、およびMario Draghiイタリア首相と会って、グローバルな半導体の不足が続く中、コンポーネントsupply-chain問題を議論の旨。

◇Intel's EU Fab Plan: $100 Billion, 8 Fab Phases, Vertical Supply Chain-Intel will spend $100B on new fabs, including EU plant -Pat's European plan? A very complex one. (7月12日付け Tom's Hardware)
→Intelがこの4月に全般のIDM 2.0戦略および特に欧州での拡大を発表したとき、該計画の多くの詳細を披露しなかった旨。しかしながらこのほど詳細が知れるところとなり、本当に意欲的な取り組みの様相、複数の国に最大$100 billionの投資および複数の拠点に及ぶ展開の旨。

米中摩擦の狭間で、世界で唯一、極紫外線(EUV)を使ったリソグラフィ装置を製造する企業、ASMLを擁するベルギーの位置づけ、重みである。

◇The U.S.-China Tech Conflict Front Line Goes Through Belgium (7月13日付け Bloomberg)
→imec半導体リサーチセンターは業界関連以外では大方知られていないが、半導体が政治問題化、空前のグローバルな需要となっている旨。

半導体がメディアに引き続き取り上げられており、NHK朝のニュース番組で以下の概要である。一体となった着実な前進を期待するものである。

◎半導体なくして日本の成長なし−政府の半導体戦略を考える (7月15日付け NHK NEWS おはよう日本)

・なぜ半導体が日本経済の成長に不可欠なのか?どのような戦略で臨むのか? 3つのポイント:
→(1)デジタル社会に欠かせない半導体
 …パソコンやスマホをはじめ、1台に約1000個の半導体を搭載する自動車など、デジタル社会実現のうえで、半導体が重要なカギ
→(2)米中対立の中の経済安全保障
 …半導体などの技術について、経済安全保障の確保、すなわち安定的に確保することの重要性
 …日本としても国内で必要な半導体を調達できる態勢の整備
→(3)どうなる日の丸半導体の行方
 …最先端の分野でとても追いつけないほどが開いてしまった外国企業との差
 …先端技術を持つ「サムスン」、「インテル」、「TSMC」などの外国企業の日本への誘致
 …日本企業の競争力を維持するためにも、先端技術を持つ半導体メーカーとともに装置や素材の研究開発
 …財政事情もひっ迫する中でどこまで予算が出せるかは不透明
 …巨額の予算を使ってでも半導体を確保することが、日本の成長にとって必要だということを、国民に広く理解してもらえるかどうか


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□7月13日(火)

最高値からスタート、上下しながら新型コロナ再拡大警戒で下げて締めた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸126ドル高、最高値更新、金融株に買い (日経 電子版 06:13)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比126ドル02セント(0.4%)高の3万4996ドル18セントと連日で過去最高値を更新した旨。
今週から2021年4〜6月期決算の発表シーズンが始まる旨。先陣を切る大手金融株を中心に決算発表に先回りした買いが入った旨。米長期金利の低下に一服感が広がったことも、市場心理の改善につながった旨。

□7月14日(水)

◇NYダウ107ドル安、CPI大幅上昇、利益確定の売りも (日経 電子版 05:53)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比107ドル39セント(0.3%)安の3万4888ドル79セントで終えた旨。航空機のボーイングが大幅安となった旨。4〜6月期決算を発表した大手金融株の下落も投資家心理の悪化につながった旨。13日朝発表の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を大きく上回り、金融緩和の修正が早まるとの思惑から利益確定売りを招いた面もあった旨。

□7月15日(木)

◇NYダウ反発44ドル高、FRB議長証言受け緩和長期化観測 (日経 電子版 05:35)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比44ドル44セント(0.1%)高の3万4933ドル23セントで終えた旨。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて金融緩和の長期化観測が強まり、株式市場に資金が流入するとの期待が高まった旨。ただ、石油株と金融株が売られたのが重荷となり、相場の上値は重かった旨。

中国の4〜6月GDPが以下の通りあらわされている。

◇中国、4〜6月7.9%成長、生産堅調でも資源高に懸念 (日経 電子版 11:18)
→中国国家統計局が15日発表した2021年4〜6月期の国内総生産(GDP)は物価の変動を調整した実質で前年同期比7.9%増、企業部門による堅調な工業生産が支えた旨。懸念は資源高で、企業収益が伸び悩めば、2021年後半の設備投資や個人消費の重荷になる可能性がある旨。

□7月16日(金)

米欧に比べた我が国の財政支出、半導体およびIT関連の盛り返しにひたすら期待である。

◇米欧の財政支出、脱炭素・ITに集中、日本は10分の1以下 (日経 電子版 05:12)
→米国や欧州が新型コロナウイルス危機の出口を見据え、環境やデジタルの分野で数十兆円規模の巨額の財政支出に動き始めた旨。税財源の計画も打ち出し、数年単位の持続的な成長戦略と位置づける旨。明らかになっているメニューの比較で日本は支出が実質的に10分の1に及ばず、メリハリも効いていない旨。長期構想に基づいて予算を無駄なく戦略的に配分する仕組みを整えなければ国際競争で劣後する恐れがある旨。

◇NYダウ小幅続伸53ドル高、ハイテク株売りで上値重く (日経 電子版 05:38)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比53ドル79セント(0.2%)高の3万4987ドル02セントで終えた旨。好材料が出たり、市場予想を上回る決算を発表したりした一部の銘柄が買われ、ダウ平均を押し上げた旨。足元で上昇が目立っていた主要ハイテク株は利益確定売りで下げ、相場の重荷となった旨。

デルタ変異株の拡大で、米国西海岸でもマスク着用が改めて訴えられている。

◇Seven Bay Area counties recommend masking indoors regardless of vaccination status (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→特にワクチン未接種に危険な伝染力の高いDelta変異株の広がりで、当局の該発表を急がせている旨。

□7月17日(土)

◇NYダウ反落、299ドル安、新型コロナ再拡大を警戒 (日経 電子版 05:44)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比299ドル17セント(0.9%)安の3万4687ドル85セントで終えた旨。新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感から投資家心理が悪化し、幅広い銘柄に売りが出た旨。ダウ平均は取引終了にかけ下げ幅を広げる展開だった旨。


≪市場実態PickUp≫

【TSMC関連】

最高の文字が並ぶTSMCの6月および4-6月四半期業績である。

◇Taiwan's TSMC posts record revenues for June and Q2-3rd quarter looking even better for chipmaker, analysts say (7月9日付け Taiwan News)
→TSMCの6月売上げが、$5.3 billionで最高を記録、今年第二四半期についても最高達成の旨。

◇TSMC sales hit new high in June (7月9日付け Focus Taiwan)

on-chip水冷技術のプレゼンが見られている。

◇TSMC Exploring On-Chip, Semiconductor-Integrated Watercooling-Future chips may feature watercooling integrated into the silicon (7月12日付け Tom's Hardware)
→TSMCが、VLSIシンポジウムにて、microchipsの過熱を防ぐon-chip water-cooling技術開発の詳細をプレゼンの旨。

2022年第三四半期に量産が始まるとされる先端プロセス、N5Aの現下の状況である。

◇TSMC gearing up for advanced process leadership for automotive-Sources: TSMC's N5A process seen drawing auto clients (7月12日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが同社のN5Aプロセスについて第三四半期にApple, NvidiaおよびTeslaから受注を得る見込み、特に車載用microchipsに向けたTSMCの顧客基盤を強めている旨。

【Samsung関連】

2018年のメモリが引っ張るスーパーサイクルの再現期待のSamsungと思われるが、現下の状況が以下の通りである。

◇Samsung Elec's Q1 DRAM market share rebounds in 5 quarters (7月9日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→半導体業界がsuper cycleに突入、第一四半期のグローバルメモリ半導体市場においてSamsung Electronics Co.がリードを広げている旨。

◇Samsung supplies 49% of smartphone memory market-Samsung makes up nearly half of Q1 phone memory (7月12日付け Electronics Weekly (UK))
→Strategy Analytics発。5G装置の導入が販売高を高めて、今年第一四半期の間のスマートフォン用メモリが$11.4 billionの市場であった旨。Samsungがアナリストによって41%から49%のシェアを占める一方、SK Hynixが割合離れた2位であった旨。

車載用CMOSイメージセンサへの本格的取り組みがあらわされている。

◇サムスン電子、車載イメージセンサでソニー追撃へ (7月13日付け 韓国・朝鮮日報)
→韓国のサムスン電子が13日、車載カメラ向けのCMOSイメージセンサを発売すると発表、これまではスマートフォン用のイメージセンサに注力してきたが、車載用市場にも本格進出し、システムLSI事業の拡大を図る旨。
この「ISOCELL Auto 4AC」は、サムスン電子の車載用イメージセンサのブランド「ISOCELL Auto」の初製品となる旨。

車載関連の顧客対応にも弾みが加わっている。

◇Samsung Elec supplying automotive chips to Volkswagen-Volkswagen taps Samsung Electronics for auto chips (7月15日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→韓国・Samsung Electronics Co.が、Audi carsの上にもう1つの主要グローバル完成車ブランド、Volkswagenを車載半導体顧客リストに加えて、車載半導体市場でのプレゼンスを急速に拡大の旨。

【BroadcomのM&A】

Broadcomが、analyticsソフトウェア大手、SAS Institute(Cary, North Carolina)を買収する話し合い、と以下の取り上げであるが、最後にあるように相手先のCEOは何も起きてはいないとの反応である。

◇Broadcom in Talks to Buy Software Firm SAS-Is Broadcom looking to buy SAS Institute? -A deal by the chip maker would value closely held SAS in the range of $15 billion to $20 billion (7月12日付け The Wall Street Journal)
→本件事情通引用、The Wall Street Journal発。いろいろなソフトウェアベンダーを持つBroadcomが、SAS Instituteを$15 billion to $20 billionで買収する交渉に入っている旨。同社は株式時価総額が約$200 billion、株価がここ12ヶ月で約50%上がっている旨。

◇Broadcom is reportedly in talks to pay as much as $20B to buy SAS Institute (7月12日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→CEOのHock Tan氏率いるBroadcomが、analytics大手、SAS Institute(Cary, North Carolina)を$20 billionほどで買収する話し合いにある旨。

◇Broadcom may buy SAS for up to $20B (7月13日付け FierceElectronics)

◇Broadcom was reportedly in talks to buy SAS Institute, but the latter's CEO just said it isn't for sale (7月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→BroadcomがNorth CarolinaのSAS Instituteを買収する話し合いにあるとの報道の1日後、SAS InstituteのCEOが従業員に対し、取引は起こってはいないと話した旨。

【SK Hynixの最先端DRAM】

SK Hynixが、EUV(極端紫外線)露光装置を使用した初めてのDRAM量産開始、と10-nmクラスプロセス品の発表である。

◇SK hynix Starts Mass Production of 1anm DRAM Using EUV Equipment (7月12日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇SK hynix rolls out first Gen.4 10-nm mobile DRAMs with EUV -SK Hynix uses EUV tech to make 10nm mobile DRAMs-SK hynix advances Samsung in development of new generation DRAM chips (7月12日付け The Korea Herald (Seoul))
→SK Hynixが、DRAM製造で初めてextreme ultraviolet(EUV) lithography技術を使用、8GB LPPDR4モバイルDRAMsの生産を開始の旨。該第4世代メモリ半導体は、10-nanometerプロセスで製造されている旨。

◇SK hynix begins mass production of 1anm DRAM with EUV tech (7月12日付け Yonhap News Agency)

【COVID-19関連】

デルタ変異株の感染拡大の猛威に世界が覆われているが、マレーシア、台湾のTSMC、そしてタイでの半導体関連の影響である。

◇Malaysia lockdown could worsen global IC shortage-Malaysia's COVID-19 lockdown may exacerbate IC shortages (7月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。マレーシアでの国家規模のCOVID-19封鎖で、主にPCsなどmass-market応用向けentry-levelおよびmid-rangeロジックICs, およびpower diodesなどpowerコンポーネントの受注対応を遂行する現地半導体工場からのoutputに混乱をきたしている旨。

◇CORONAVIRUS/TSMC encouraging remote work amid COVID-19 (7月13日付け Focus Taiwan)
→TSMCが月曜12日、3人のCOVID-19感染を確認、しかし1日後、該突発の間従業員の安全を保つために広範な対策をとっているとしている旨。その予防策を詳説する火曜13日のステートメントで、TSMCは1つのステップとして2,000人を上回る生産ラインではない従業員にdigital transformation(DX)加速の一環として在宅勤務するよう奨励している旨。

◇HDD makers to see supply constrained in 2H21-Thailand's COVID-19 outbreak may hinder HDD shipments (7月15日付け DIGITIMES)
→業界筋発。タイでのCOVID-19再拡大が、ある半導体&コンポーネントの不足と合わさって、consumer electronics市場にはpeak seasonである期間にも拘らず、2021年後半におけるhard disc drives(HDD)の出荷を混乱させる可能性の旨。

【DRAM価格関連】

値上がり基調が続いたDRAM価格であるが、ここにきて鈍化、一服傾向が以下の通りあらわされている。

◇Nanya expects DRAM prices to continue rally-Nanya sees DRAM contract prices still rising in Q3 (7月12日付け DIGITIMES)
→Nanya Technology発。2021年第二四半期に相当に上がったDRAM契約価格が、引き続き第三四半期も上昇すると見る旨。

◇Upward trend for DRAM ASP continuing but slowing-TrendForce: ASPs for DRAMs are still on the rise (7月14日付け Electronics Weekly (UK))
→TrendForce発。DRAM契約価格の前四半期比上昇が、2021年第二四半期の18-23%から第三四半期には3-8%に狭まる見込み、第四四半期にはさらに上昇の旨。

◇DRAM上昇一服、主流品6月大口、7ヵ月ぶり (7月15日付け 日経)
→DRAMの値上がりが一服、6月の大口取引価格はおおむね前月から据え置きで決まった旨。在宅勤務によるパソコン需要の強さが価格の下支えとなっている一方、年初からパソコン・家電業界などの需要家が前倒しで調達したことで在庫水準が高まり、値上げが浸透しにくくなっている旨。
主流品で指標となるDDR4型の4ギガビット品は、6月の大口需要家向け価格が1個3.2ドル前後と、前月比横ばいだった旨。DRAM価格は2020年12月から6カ月連続で上昇が続いていたが、7カ月ぶりに一服した旨。


≪グローバル雑学王−680≫

世界中が基本遵守の対応を余儀なくされているコロナ禍であるが、それ以後の時代をどう見るか。グローバルにあちこち行き来した、ついこの前の世界の先にある今後について、

『つながり過ぎた世界の先に』
 (マルクス・ガブリエル 著:PHP新書 1251) …2021年3月30日 第一版第一刷

より考えていく。「国と国のつながり」の2回目、若き哲学者の敏感な視点がまず、倫理的に向かうための我々の大きな障壁が語られる。多くの人に浸透している先入観、思い込み、認識、固定観念、レッテル、偏見、差別などの類型化された観念に基づくステレオタイプ思考がまず。そして、主に社会的不公正の犠牲になっているジェンダー、人種、民族、性的指向、障害などの特定のアイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動、アイデンティティ・ポリティクスが挙げられている。次に、EUの失敗と中国問題である。EUは経済が関心事、文化遺産はじめヨーロッパの価値がなおざりに。中国とは、毛嫌いせずとことんパートナーシップを築く重みである。つながり過ぎた世界の先、コロナ禍をくぐり抜けた後の世界でのあるべきスタンスが提唱されていく。


第II章 国と国のつながり

3 ステレオタイプ思考とアイデンティティ・ポリティクス

◇パンデミックによる新たな人種差別
・トランプの就任とほぼ同時期から、世界中で分極化が起きている
 →私は今ほど世界中の人間が人種差別主義者になっている時代はないと述べている
・人種差別主義は、倫理的価値の存在を否定する根本的に間違った考え
 →一部の人間に対して、他の人間に対する場合とは違う倫理的態度を取ること
・さらに、パンデミックが起きたことで、それに関連した差別的な偏見もたくさん
 →どの国にも、独自の「コロナ・ナショナリズム」
・EUでは、一国が別の国を高度な危険地域と宣言することによって諍いが起きている
 →差別的なステレオタイプに根ざした、危険地域を巡る論争
・アジアには違う形態の人種差別主義
 →日本には異人種と認識されている人たちに対する日本特有の差別
 →中国には中国の人種主義
  →中国人はヨーロッパ人に対して差別的、ヨーロッパ人は中国人に対してやはり差別的

◇人種問題の本質はステレオタイプ思考
・どんな形態であれ、人種差別は間違っている
 →問題の本質はステレオタイプ思考
  →一つひとつの行動を個別にきちんと説明する代わりに、固定観念ですべて片付けようとするもの
・ステレオタイプ思考とは、あなた方の行動を個人の行動と捉えずに、日本人一般に共通の行動として捉えること
 →常に倫理的に間違った考え方
 →「典型的日本人」などというものは存在しない

◇アイデンティティ・ポリティクスは非倫理的
・ステレオタイプ思考は本当に問題
 →私はいかなるアイデンティティ・ポリティクスにも反対
  →非倫理的だから
・人種差別主義の例
 →オバマにノーベル平和賞を授賞するのは人種差別主義
 →オバマがアフリカ系アメリカ人だから進歩的だと思うのは人種差別
  →ただのアメリカ人であって、特別な人間ではない
・実際にどうかはわからないのに、そうだと想像している
 →これがステレオタイプ思考であり、重大な問題
・ドイツについても、緑の党は環境保護を訴えているが、やはりアイデンティティ・ポリティクスを利用、ワクチンにも反対
 →これらは深刻な倫理的問題

4 EUの失敗と中国問題

◇EUの最大の過ち
・EUはヨーロッパの価値観に基づいて運営されているわけではない
 →EUの関心事は経済だけ
・EUの深刻な欠陥は、文化遺産とは何の関係もない点
 →EUは単に経済交渉の場でしかない
 →本来、文化遺産はヨーロッパを団結させるために非常に有効なはず
・トルコをEUに加盟させなかったのは大変な間違い
 →EU最大の失敗だと思う
 →なぜEUはトルコを加盟させなかったのか?
  →難民危機もシリア問題も解決できていたかも
・EUはキリスト教国の集まりだという認識があった
 →これもまた危険なステレオタイプ
 →トルコ排除の決定もまた人種差別主義、あるいはステレオタイプ思考の産物だった
・地政学的には、トルコを入れるのは素晴らしい戦略だったのだが、もう遅い
 →エルドアンが何度も加盟を試みた12年前に迎え入れるべきだった

◇EUにアフリカの国を加盟させよ
・今後EUはアフリカの国を加盟させてはどうか
 →EUが経済だけでなく、思想もその存在基盤としていることを象徴する動きに
・ドイツは、ギリシャやイタリア、スペインに屈辱を与えてはいけない
 →ここにEUの倫理的、精神的な欠陥があると思う

◇中国とどうパートナーシップを築くか
・中国の統治の仕方を我々が変えられると考えるのは甘いだろう
 →我々が中国を変えることなど不可能
・では我々はどうすれば中国と持続的なパートナーシップを築くことができるのか
 →我々は中国と対話を始め、中国がもはや発展途上国ではないことを認めなければならない
・中国は有史以来、100年ほどの期間を除いて、常に強力な国家
 →この100年の間に、中国は近代に移行する準備を進めていた
・中国は40、50年前に近代化
 →あくまでも「中国流の近代化」
 →今我々に必要なことは、中国と対話をし、彼らをパートナーとして受け入れること
・地政学的には当然中国の影響力を抑制すべき
 →でもまずは中国と対話し、相手に敬意を示さなければ
 →中国にとっては、尊敬されることが非常に重要、それが最初の一歩
・中国とパートナーシップを築く唯一の方法は、対話を通して相手を理解すること

◇中国は危機にうまく対応できていない
・実は中国は危機にうまく対応できていない
 →第一、ウイルス危機は中国のせいで起きた
・中国にはもともとパンデミックを生み出す可能性が十分あった
 →中国で何が起きているか誰にもわからないという状態こそが、中国にとっては非常に重要

◇対話の努力をしなければ、中国はより攻撃的になる
・香港は今後5年間に中国の他の都市と変わらない街に
 →遅くとも20年以内には台湾も支配するだろう
・中国を敵視せず、人類のコミュニティの一員として接することが必要なのでは
 →我々は対話を通して、中国と協力する新しい方法を模索すべき

◇日本も「普通の国」になるべきだ
・トランプの登場の結果、ドイツも日本も成長せざるを得なくなった
 →ドイツと日本は、戦時中の体験に基づき、自分たちは平和の象徴になるべきだという意識
・ドイツと日本は人類史上最悪の戦争の影響を被った
 →この文化的記憶があるために、平和運動を先導するのにふさわしい立場にある
 →アメリカには、このような体験がないのでその立場にない
・日本とドイツはアメリカの外交政策の唯一の成功例
 →自分たちの社会モデルを根付かせることができたのは、日本とドイツだけ
 →今や独り立ちする時期

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