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インテルの組織改編、先端開発はじめ各社の今後に向けた動き&展開

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜26日午前時点、世界全体で1億8026万人を超え、1週間前から約268万人増と下げ止まっている。まん延防止措置に移行したばかりの東京都、"第5波につながる可能性"の兆しが指摘されている。半導体製造の強化に向けて国家事業として取り組む打ち上げが続いたが、着実な段階を踏んで歩留まり&信頼性品質の向上を図らなければならない半導体ということで、改めて足元を固めて今後に備えていく各社の動き&取り組みが見られている。半導体最大手のインテルは、今年2月に復帰就任したCEO、Pat Gelsinger氏が新体制を発表、そして5Gなど先端の取り組みの打ち上げが続いている。並行する各社の動きと合わせ、注目である。

≪改めてねじまき直し、各社の動き≫

半導体業界を引っ張るインテルの動きにやはり注目。ドイツでの半導体工場の話が浮上している。

◇German state of Bavaria in talks with Intel on chip megafactory-Bavaria negotiates with Intel for an IC megafab (6月18日付け Reuters)
→現地経済相、金曜18日発。ドイツ・バイエルン州が、欧州半導体工場の建設に向けてIntelと協議中、車載分野における生産を妨げている供給bottlenecksに対抗の旨。

5G優位を謳う打ち上げが、以下の通りである。

◇Intel busts out networking gear, software pre-MWC (6月21日付け FierceElectronics)
→Intelが、2020年に20%増の$6 billion、networkingハードウェア&ソフトウェア・プロバイダーとして世界を主導と思い起こさせたい動き。月曜21日のpre-MWC virtualイベント、Edge of Wonderful | Unleashing the Possibilities of 5Gにて、同社のnetworkingおよび5Gの優位性をプレゼンの旨。MWCは6月28日スタート。

◇Intel launches more silicon and software for 5G wireless networks (6月21日付け VentureBeat)

◇Intel expands 5G portfolio-Intel unveils 5G wireless network silicon and software (6月22日付け Mobile World Live (U.K.))
→Intelが、virtual radio access networks(vRAN)など5G cellular通信技術用にさらに多くのmicrochipsおよび関連ソフトウェアを投入の旨。同社は、ネットワークedgeでのcomputingに向けてdrivers, ソフトウェアbuilding blocksおよびsystem-level referenceアーキテクチャを盛り込んだIntel Network Platformを披露の旨。

SiFiveの半導体IP搭載ICsをインテルのファウンドリー部門が7-nmプロセスにより製造するという連携である。ArmそしてはたまたTSMCへの対抗をうかがわせている。

◇Intel Licenses SiFive’s Portfolio for Intel Foundry Services on 7nm-Intel to use SiFive's RISC-V designs for IFS clients (6月22日付け AnandTech)
→Intelが、open-source RISC-V instruction-set architecture(ISA)を用いるmicrochip coresに特化するSiFiveからP550およびP270プロセッサ設計のライセンス供与を受けることに合意の旨。新しいIntel Foundry Services(IFS)部門が、7-nanometerプロセスを用いてSiFive半導体intellectual property(IP)搭載のICsを製造する旨。

◇SiFive chip design challenges Arm and leads to Intel alliance-The startup uses open RISC-V technology that competes with Arm and Intel, but Intel will build a test chip using SiFive's P550 design. (6月22日付け CNET)

そして、インテルのCEO、Pat Gelsinger氏が、新体制、組織再構築を以下の通り発表している。最先端技術重点化、ネットワーキンググループ再編がポイントの受け取りである。

◇Intel CEO reorg creates new software and HPC units (6月22日付け FierceElectronics)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が火曜22日、reorganizationを発表、senior technologistsをleadershipの役割に動かし、2つの新しい事業部門、ソフトウェアおよびhigh performance computing(HPC) & graphicsを設けた旨。

◇Intel restructures data center group, announces new execs and one exit (6月22日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intelの新しいCEO, Pat Gelsinger氏が、引き続き同社の作り直し、いくつかのexecutive変更および重要ビジネスunitの再構築を発表の旨。

◇Intel Shuffles Networking Groups, Product Mix (6月24日付け EE Times)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、同社の広範囲に及ぶnetworking部門に検印を押し、データセンターインフラおよび途上のAIを標的の旨。Intel社での組織shakeupおよび関連技術発表が、networkingコンポーネント&システムに向けたグローバル市場におけるより大きなプレイヤーになる動きを示している旨。そのためにIntelが今週、現状のnetworkプラットフォーム事業, Internet of Things(IoT) initiativesおよび同社の有力なConnectivity Groupを組み合わせるnetwork and edgeグループを設けている旨。

このようなインテルの動きと並行する各社、業界はどうか。まず、TSMCの5-nmのArizona工場、来年の今頃にも装置搬入の様相である。

◇TSMC to start equipment move-in at Arizona fab as early as mid-2022-Sources: TSMC to start Ariz. fab IC gear move-in next year (6月21日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、来年の今頃にもArizonaの新しいウェーハfab拠点にて半導体製造装置の搬入を始める可能性の旨。該新fabは、5-nanometer features搭載microchipsを生産する旨。

TSMCの最先端のこの先、そして今である。

◇TSMC 2nm wafer plant location selection remains unchanged (6月23日付け Focus Taiwan)
→TSMCが水曜23日、先端2 nanometerプロセスウェーハ工場を新竹(Hsinchu)に建設、それから台中(Taichung)に生産を拡げる計画は変更なしのままの旨。

◇TSMC 6nm process attracts orders for 5G APs-Sources: 5G AP design firms flock to TSMC's 6nm process (6月24日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Qualcomm, MediaTekおよびUnisocがすべて、6-nmプロセス製造を求めてTSMCに次期5Gモバイルapplicationプロセッサの製造を発注の旨。

米国の国内半導体製造を政府主導で活性化する法案であるが、最先端のR&Dに重点化すべきという以下の論調である。"二兎を追う者は一兎をも得ず"の雰囲気を感じている。

◇CHIPs funding should feed the future, not the corporate trough-Viewpoint: US funding for microchips should focus on R&D (6月22日付け The Hill)
→アメリカ経済はmicroelectronicsで築かれるが、自動車からゲーム機まで業界を乱している半導体の不足およびセキュリティ機能不全は、米国半導体供給が弾力性がないし安心させられないことを示している。しかしながら、新しい米国の半導体製造あるいは実装工場は、強力な顧客関係、より低い労働コスト、そしてそれぞれの政府から税額控除、補助金および法制的救済がある台湾のTSMCあるいは韓国のSamsungなどの熟達した海外のライバルと競うよう追い詰められていく。
ハンディをなくすために、議会は今年CHIPs Actを通して米国半導体生産への連邦投資を行った。現在lawmakersは、U.S. Innovation and Competition Act of 2021によりCHIPs出資を検討しており、現世代の半導体の製造および実装工場の建設&装備に向けて$50 billionのうち約4分の3を充てていく。不運なことに、このアプローチでは競争力のある米国microelectronicsはつくられず、corporateなど民間資本の利用がなく、そして米国microelectronics業界は長期にわたって不利に置かれる。
・・・・・

GlobalFoundriesのグローバルな展開の取り組みである。

◇Chipmaker GlobalFoundries plans $6 billion expansion in Singapore, U.S., Germany-GF budgets $6B for wafer fabs in Germany, Singapore, US (6月22日付け Reuters)
→GlobalFoundriesが火曜22日、グローバルに自動車メーカーおよびelectronics会社を損なっている半導体の不足の渦中、シンガポール、ドイツおよび米国における工場でのcapacity拡大に$6 billionを充てる旨。

◇GlobalFoundries Expands Manufacturing to Singapore (6月23日付け EE Times)
→Globalfoundriesが、Singapore Economic Development Boardおよび未確認顧客投資と連携、シンガポールで新しい$4 billion拠点を建設、海外半導体製造を拡大の旨。現状の半導体の不足に対応、該新拠点はウェーハ450,000枚/年を加える旨。

韓国では、SK Hynixのファウンドリーへの入り込みである。

◇伏兵SK、受託生産に活路、不足の半導体、旧装置でニッチ品 (6月22日付け 日経産業)
→韓国SKハイニックスが半導体の受託生産分野を開拓する旨。足元で同社の事業規模は限定的だが、半導体不足の長期化で商機が確実とみるため。旧世代の半導体メモリ製造装置を活用し、ディスプレー駆動用や電源管理用といったニッチ半導体の需要を取り込む旨。M&A(合併・買収)も検討する旨。サムスン電子の影で目立たぬ「伏兵」SKがしたたかに収益事業を育てている旨。

国家事業の打ち上げの波及とともに各社の取り組みの動き&進捗に引き続き注目である。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□6月20日(日)

経済の回復から前年比で大幅改善の経済指標が続いている。

◇世界のM&A2.3倍に、1〜6月2兆ドル超、脱炭素など軸 (日経 電子版 21:00)
→世界のM&A(合併・買収)が再始動している旨。2021年のM&Aの実行額は6月中旬時点で2兆ドルを超え、2020年1〜6月の2.3倍に達した旨。企業は新型コロナウイルス禍からの経済再開を見据え、さらに加速するデジタル化や世界的な投資テーマである脱炭素分野を中心に事業を組み替えている旨。これまでの金融緩和であふれたマネーが流入している旨。金融情報会社のリフィニティブ(Refinitiv)が6月17日までのデータを集計した旨。

□6月21日(月)

◇設備投資回復、2021年度10.8%増、需給逼迫やデジタル対応−本社調査 コロナ後成長へ布石 (日経 電子版 00:30)
→日本経済新聞社がまとめた2021年度の設備投資動向調査で、全産業の計画額は前年度実績比10.8%増える見通し。2年ぶりに増加に転じ、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に並ぶ旨。需給が逼迫する電子部品への対応やデジタル投資を増やし、成長に備える動きが目立つ旨。コロナ後を見据えて運輸などでも投資を増やす動きが出てきた旨。ただ半導体不足や世界の感染状況次第の面もあり先行きには不透明感も残る旨。

□6月22日(火)

8ヶ月ぶりの下落率を記録した先週からの反動から、概ね上昇基調の今週の米国株式市場である。

◇NYダウ急反発、586ドル高、不安定な相場予想の声多く (日経 電子版 07:19)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は先週末比586ドル高の3万3876ドルと急反発、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ前倒し観測で前週のダウ平均は週間で今年最大の下げ幅となった旨。ただ、前週の売りは過剰反応との見方が出たうえ、米景気への期待も根強く、幅広い銘柄に買いが入った旨。米金融政策への思惑は交錯しており、不安定な相場が続きやすいとの声も多い旨。

□6月23日(水)

◇NYダウ続伸68ドル高、パウエル議長の議会証言で安心感 (日経 電子版 06:49)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比68ドル61セント(0.2%)高の3万3945ドル58セントで終えた旨。22日午後の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言で早期利上げを懸念させる発言がなく、株の買い安心感につながった旨。主力ハイテク株が買われ、ナスダック総合株価指数は過去最高値を更新した旨。

□6月24日(木)

Biden大統領が大規模インフラ投資の超党派合意を発表、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が進捗を逐一歓迎するパターンが続いている。

◇Biden announces bipartisan deal on infrastructure-Biden announces deal on $1.2T infrastructure package (The Hill)
→White Houseと共和党&民主党のlawmakersの間の数週間の交渉を経て、Joe Biden大統領がインフラspending packageについて合意に達した旨。
該$1.2 trillion, 8年packageには、$579 billionの新しい出資があり、道路, 橋, 空港, electric-vehicle(EV)インフラ, 水&電力インフラ, broadband, および環境改善関連の旨。

◇SIA lauds Senate FABS Act introduction (Just Auto)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が、Facilitating American-Built Semiconductors(FABS) Actの議会上程を称賛、米国での半導体製造をより大きく推進する投資税額控除を設ける超党派の法制化の旨。

◇NYダウ反落、71ドル安、ナスダックは最高値 (日経 電子版 06:27)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比71ドル34セント(0.2%)安の3万3874ドル24セントで終えた旨。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて早期の利上げ観測が後退し、買いが先行した旨。ただ、今週に入って上昇が目立っていた景気敏感株の一角に利益確定売りが出て相場の重荷になった旨。

□6月25日(金)

◇SIA Applauds Bipartisan Agreement on Infrastructure Plan (SIA Latest News)

我が国との対比を感じる世界の人流の急回復である。

◇世界の人流が急回復、接種進む米欧先行、アジアは遅れ (日経 電子版 05:24)
→米国や欧州で新型コロナウイルスのワクチン接種が広がり、人の流れが急回復している旨。旅行やビジネス需要で航空機のフライト数は増え、飲食店の予約率もコロナ禍前の水準を回復しつつある旨。ワクチン接種で出遅れたアジアの回復は鈍いが、米欧は「ワクチン後の世界」を示す先行事例になる旨。

◇NYダウ反発、322ドル高、インフラ投資への期待で (日経 電子版 05:32)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比322ドル58セント(1.0%)高の3万4196ドル82セントで終えた旨。バイデン大統領が上院の超党派議員グループとインフラ投資法案で合意したと表明し、インフラ支出拡大への期待が強まった旨。22日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言以降、米利上げ前倒しへの懸念が薄れたことも買い安心感につながった旨。

□6月26日(土)

◇4月の世界貿易、前年比25%増、経済再開で過去最多 (日経 電子版 05:30)
→世界貿易の増加が続いている旨。オランダ経済政策分析局が25日発表した4月の貿易量は前年同月比25%増えた旨。1年前に新型コロナウイルスの流行で急減した反動もあるが、今年1月にコロナ流行前のピークを上回り、4月も過去最多を更新した旨。欧米などで経済再開が進み、荷動きが活発化している旨。

◇NYダウ続伸237ドル高、好決算のナイキが上昇牽引 (日経 電子版 06:02)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比237ドル02セント(0.7%)高の3万4433ドル84セントで終えた旨。前日夕に好決算を発表したスポーツ用品のナイキが急伸し、ダウ平均を牽引した旨。株主還元策の強化への期待から金融株が買われたのも相場を押し上げた旨。


≪市場実態PickUp≫

【我が国の取り組み関連】

政府、経済産業省による半導体の活性化、復活を図るいくつかの動きが、並行して以下の通りである。

◇先端技術・供給網確保で1000億円基金、政府、米欧と協力 (6月21日付け 日経 電子版 00:30)
→政府は先端技術の研究開発を推進するため、2022年にも1千億円規模の基金を新設する旨。半導体や蓄電池、人工知能(AI)、量子技術といった経済安全保障に直結する重要技術を後押しする旨。米欧と協力して対中国を念頭にしたサプライチェーン(供給網)をつくる狙い。

◇Japan Needs Billions Now to Stem Chip Decline, Top Advisor Warns-TEL chairman emeritus: Japan should spend $9B on IC R&D (6月21日付け Bloomberg)
→出資は2021年補正予算で開始すべき、world class業界構築には10年かかる、とTEL chairman emeritus、Higashi氏。

◇先端半導体開発、経産省が100億円、「ポスト5G」向け (6月21日付け 日経)
→経済産業省は高速通信規格「5G」の性能をさらに高めた「ポスト5G」向けの半導体開発のため、キオクシアとソシオネクスト(横浜市)に計100億円を拠出する旨。工場のセンサなどから集めた膨大なデータを記憶する大容量の半導体メモリの開発を後押しする旨。政府は重要性が高まる先端半導体を国内で製造する体制づくりを急いでいる旨。

◇AIチップ開発、中小企業を支援――「日の丸半導体」復活掲げる(プロジェクト最前線) (6月21日付け 日経)
→日本の半導体産業の凋落がいわれて久しいが、人工知能(AI)に適したチップの開発競争が激しくなっている旨。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業」は、中小・スタートアップのAIチップ開発を支援し、「日の丸半導体」復活につなげようという試み。

【SEMI関連】

恒例の月次発表、北米半導体装置メーカーの5月世界billingsが5ヶ月連続の最高更新である。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts May 2021 Billings, Extends Record Streak (6月21日付け SEMI)
→SEMIのMay Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2021年5月世界billingsが$3.59 billion(3ヶ月平均ベース)、5ヶ月連続最高更新、4月の改定billingsレベル、$3.43 billionを4.7%、2020年5月の$2.34 billionを53.1%、それぞれ上回る旨。「北米半導体装置メーカーの5月billingsは、引き続き著しい伸びの軌道」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。「業界が短期的な製造capacityの制約に対応する方策をとっており、半導体装置投資は引き続き最高を更新している。」
ここ6ヶ月の推移(単位:USM$):

BillingsYear-Over-Year
(3ヶ月平均)
December 2020
$2,680.8
7.6%
January 2021
$3,038.2
29.8%
February 2021
$3,143.1
32.4%
March 2021
$3,273.9
47.9%
April 2021 (final)
$3,428.9
50.3%
May 2021 (prelim)
$3,588.4
53.1%

[Source: SEMI (www.semi.org), June 2021]

◇Semiconductor equipment billings hit another record high (6月22日付け DIGITIMES)

世界中でのウェーハfab建設見込みがあらわされている。来年にかけて起工が続く活況である。

◇New IC fabs to spur surge in equipment spending, says SEMI-SEMI: A wave of new wafer fabs will boost IC gear sales (6月23日付け DIGITIMES)
→SEMIが特に言及、世界中で19のウェーハfab拠点が今年建設を始めており、さらに10のfabsが来年に起工の旨。「該業界はグローバルな半導体の不足への対応を推進、これら29のfabsに向けた装置投資が向こう数年にわたって$140 billionを上回る見込み。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。

感染拡大の台湾、SEMICON Taiwan開催が延期されている。

◇SEMICON Taiwan 2021 put off due to COVID-19-COVID-19 outbreak postpones SEMICON Taiwan 2021 show (6月23日付け Taiwan News)
→台湾が現地でのCOVID-19感染拡大対応に追われて、SEMICON Taiwan 2021が今年後半あるいは来年始めに延期の旨。

【中国関連】

中国資本による韓国・Magnachip Semiconductor社買収案件について、米国政府当局が阻止する措置である。

◇U.S. Blocks Chinese Deal for Magnachip-CFIUS won't allow Chinese PE fund to acquire Magnachip (6月22日付け EE Times)
→Committee on Foreign Investment in the United States(CFIUS)が、中国のprivate equity fund、Wise Road CapitalによるMagnachip Semiconductor社(Seoul, South Korea)買収を阻止する暫定命令を6月15日に出した旨。該切り出しは、中国とのハイテク貿易戦争の新たな前線と見られる旨。

国家セキュリティへの脅威という指定取り払いを求めるHuaweiに対し、米国の裁判所が否決の判断である。

◇Huawei loses court appeal to remove FCC designation-Court denies Huawei's appeal regarding FCC designation -Chinese telecoms filed appeal with court in February (6月22日付け Taiwan News)
→New Orleansの第五巡回区控訴裁が、Federal Communications Commission(FCC)が国家セキュリティに対する脅威の可能性としての指名を解くよう求めるHuawei Technologiesによる動議を否決の旨。FCCは、米国の国家セキュリティを危険にさらすと考えられる海外の会社に対するUniversal Service Fund助成の否決を票決の旨。

そのHuaweiが、中国国内でファウンドリー事業に取り組む話が浮上している。

◇Huawei to run foundry biz-Sources: Huawei will set up a foundry fab in China (6月25日付け DIGITIMES)
→業界筋発。アメリカの半導体ベンダーとのビジネス遂行を米国により禁じられているHuawei Technologiesが、Wuhan, China(湖北省武漢市)にウェーハfab拠点を設けており、来年稼働となる旨。該Huawei fabは、光コンポーネント&モジュールに特化、と特に言及の旨。

中国のメモリ半導体を引っ張るYMTCであるが、歩留まり低迷が取り上げられている。

◇YMTC 128-layer 3D NAND process yield rates lower-than-expected-YMTC's 128-layer 3D NAND process said to yield poor rates (6月25日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国・Yangtze Memory Technologies(YMTC)の128-層3D NANDフラッシュプロセス技術の歩留まり率が、商用生産には依然不十分の旨。

【巨大IT】

GAFAが代表的キーワードとなるが、巨大IT各社に規制で縛りをかける動きがいろいろ活発化、以下の通りである。

◇Tech giants, fearful of proposals to curb them, blitz Washington with lobbying (6月22日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→全部で6つの法案があり、通過すればregulatorsに権限を与えて、巨大ITがstartupsを買収、および彼らの強みを発揮してしっかりつかむ一つの領域から他にもっていくのが難しくなる旨。

◇米フェイスブック、インド政府と激突、新IT規制巡り−司法の場で論議、ツイッターにも圧力 (6月23日付け 日経 電子版 02:00)
→フェイスブックとツイッターがインド政府との確執を深めている旨。争点はインド政府が2月25日に突然発表し、5月26日に発効させた新しい「2021年IT規則(媒介業者ガイドラインおよびデジタルメディア倫理規則)」。同規則は、SNS(交流サイト)などオンラインプラットフォームへの第三者による投稿の内容について、政府が「違法」と認定すれば裁判抜きに削除を命令できるとした旨。

◇Google、ブラウザーの閲覧履歴利用制限を2023年に延期 (6月25日付け 日経 電子版 05:06)
→米グーグルは24日、インターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」で外部企業による閲覧履歴などの利用を制限する時期を2023年後半に延期すると発表、当初は2022年初めをメドとしていた旨。英国で競争当局による調査が続いていることなどに対応する旨。

【Windows 11】

PC/テクノロジーの総合情報サイト、PC Watchより、米Microsoftが日本時間6月25日午前0時より、「What's next for Windows」と題したオンライン発表会を開催、「Windows 11」が正式発表されている。ユーザインタフェースを刷新するとともに、新機能も追加、Windows 10に次ぐ新しいブランド名が与えられることになったとのこと。年内に搭載機の販売や、Windows 10からのアップグレードが開始される予定。

◇Microsoftが「Windows 11」、ゲーム強化やAndroidアプリ (6月25日付け 日経 電子版 05:23)
→米マイクロソフトは24日、パソコン用基本ソフト(OS)の「Windows 11」を発表、現行OSの提供開始から約6年ぶりの刷新で、ゲームを遊ぶための性能を高めたり「アンドロイド」向けのアプリを動かせるようにしたりした旨。2021年の年末商戦から一般提供を始める旨。オンライン発表会で「11」の概要を披露、目立ったのは仕事の効率向上につながる機能やゲーム愛好家向けの性能改良、アプリストアの刷新。

◇Windows 11はクラウドの玄関、Microsoft、新OS発表 (6月25日付け 日経 電子版 10:56)
→米マイクロソフトが6年ぶりにパソコン向け基本ソフト(OS)を刷新、24日に発表した「Windows 11」はクラウドコンピューティングへの玄関口という位置づけを明確にした旨。2021年後半に一般提供を始める「11」の成否はOSにとどまらず、クラウド覇権の行方も左右する旨。


≪グローバル雑学王−677≫

世界中が基本遵守の対応を余儀なくされているコロナ禍であるが、それ以後の時代をどう見るか。グローバルにあちこち行き来した、ついこの前の世界の先にある今後について、

『つながり過ぎた世界の先に』
 (マルクス・ガブリエル 著:PHP新書 1251) …2021年3月30日 第一版第一刷

より考えていく。本書は、1年前時点の記述であることに留意である。米ソ首脳により冷戦終結が 宣言された1989年から30年、グローバリゼーションは自由と民主主義をもたらすと考えたが、それが間違いだった、としている。各地で戦争が起き、中国やロシアが台頭、ウイルスが発生。新自由主義経済がもたらした富は、パンデミックとの闘いですっかりなくなってしまった。これからは、倫理、すなわち文化圏によって異なることのない、普遍的な価値に基づく正しい行動を取った結果として、お金が儲かるような経済体制を作れれば良い、と説く。多様性に富むとされるアメリカ人は実際には差別主義、一方、中国人は明らかに差別主義者。これでは米中摩擦、取り付く島もないと改めて。どうすべきか、著者からは、米中以外の他の国々が協力体制をつくって推進、哲学とビジネスと政治の間の友愛も含む、グローバルな「友愛のポリティクス」が提案されている。


第I章 人とウイルスのつながり

3 ポスト・パンデミックの資本主義

◇危機は倫理的進歩をもたらす
・私は「危機は倫理的進歩をもたらす」と考えている
 →危機に直面して、人類は倫理的に行動してきた
・何かをする倫理的な理由とは、人間であるが故に存在する理由のこと
 →人間として、他の人間にしてはいけないこと、相手が誰であっても
 →これが倫理
 →つまり倫理とは、文化圏によって異なることのない、普遍的な価値のこと
 →倫理は人類を結びつけるもの

◇人類がウイルスから得た教訓
・我々のウイルスに対する反応
 →ウイルスに人体が脅かされるのを防ぐという意味において、倫理的な働きだと思う
 →ウイルスと関わる大問題で、誰も言及したがらないのは環境危機と経済危機
・今私たちの目前には、史上最大の金融危機が迫っている
 →アメリカの失業率上昇は異常、ドイツでも2021年半ばまでには700万人が失業するかも
・今真剣に議論しなければならないのは、環境危機と経済危機にどう倫理的に対処するか
 →ウイルスは皮肉にも、倫理的行動こそが問題の解決策であることを教えてくれた
・世間では、倫理的に正しい行動をとることは自己の利益にはならないという認識の広まり
  →これは非常に有害な考えで、否定する必要

◇倫理的価値と経済的価値はまったく同じである
・経済的価値体系を、倫理的価値体系と一致させればよいのでは
 →私はこれを「善の収益化」と呼んでいる
・今起きていることはすべて、市場経済は労働をアウトソーシング(外部委託)して、人を搾取することによって成立するという間違った考えに基づいている
 →現在ドイツが直面している経済危機は、過去の非倫理的な行動がもたらした結果
・倫理的に正しい行動を取った結果、お金が儲かるような経済体制を作れれば良い
 →それは十分可能であり、ぜひ作るべき

◇多くの不道徳な決断をしたスペイン
・ドイツは他国と比べて、パンデミック危機の最中にありながら経済的にはうまくやっている方
 →例えばスペインは子供を含むすべての国民を自宅待機
  →公園に行くことすら禁じたが、これは不道徳
  →結果として、経済の破綻に陥った
・ドイツは、概ね倫理的に正しい決断を行ってきたと思う
 →ドイツのロックダウンは非常に緩やかなもの
 →ドイツではジョギングも買い物も、森で友達に会うこともできた
・日本は経済的には打撃を受けたが、倫理的に正しい決断を多く行った
 →日本はブラジルなど多くの国が辿った道(感染爆発)は辿らないと思う

◇人類の相互尊重に基づいたビジネスモデル
・世界の経済秩序を考え直して人類の相互尊重に基づいたビジネスモデルを構築
 →有形・無形の財の交換が実現できると思う
・私は例えば任天堂がアフリカの貧しい子供たちにゲーム機器を無償で提供するようなビジネスモデルを想像
 →余分の収益を使って、一体何人のアフリカの子供たちに任天堂のゲーム機器を無償で提供できるか?
 →毎年アフリカで40万人の子供を死に至らしめているとされるロタウイルスのワクチンの無料配布も
・真に倫理的な企業というもの
 →ポスト・パンデミックの世界において、それは持続可能なビジネスモデルで、大成功を収めると思う
 →私がウイルスから得た最大の気づきの1つ

 ◇枢軸時代以来の意識革命
・2021年、2022年には、人類はすっかり変わっているのではないかと思う
 →枢軸時代以来最大の、画期的な意識革命が起こると思う
・枢軸時代とは
 →およそ3000年前、人類がグローバルな意識を持って、ある種の文明をもたらした
・その次の画期的な意識の変化は近代に
 →民主的な法の支配の実現のための闘い
・今、3つ目の意識革命が起きていると思う
 →引き金を引いたのは、ウイルス
・世界中の人がこのパンデミックの真っ只中にいるという意識
 →同時に、世界が減速しているという不思議な感覚
・自然はウイルスを通して我々にメッセージを送っている
 →立ち止まらなければならない
 →人間が複雑な生態系をどんどん破壊するので、生態系が反撃している
・そして今、自然が主体であるという考えを復活させなければならないと思う
 →人類は今、岐路に立っている
 →倫理的な行動をとらなければ、現代文明は絶滅する

◇ネオリベラリズムの終焉
・グローバリゼーションは主権国家の上、つまり法制度の上に流通市場が存在するという考え
 →新自由主義経済論に基づいた市場経済のこと
  …ネオリベラリズム(Neoliberalism)
 →人間は基本的に利益に関心があり、可能な限りの利益を手に入れようとするのが合理的
・新自由主義経済論の数学モデルは、1989年以降、グローバリゼーションのいわばソフトウェアに
 →1989年、新自由主義経済が冷戦に打ち勝ったと考えられた
・それから30年間、グローバリゼーションは自由と民主主義をもたらすと考えた
 →それが間違いだった
 →各地で戦争が起き、中国やロシアが台頭、ウイルスが発生
 →新自由主義経済がもたらした富は、パンデミックとの闘いですっかりなくなってしまった
 →世界史はネオリベラリズムを否定した
・人類はもっと連携する必要
 →グローバリゼーションを実現、世界規模で意見を交換、人と人が交流できる
  →これらはとても大事なこと
 →ただ、このプロセスの速度を落とす必要はある
・グローバリゼーションが必要であることは否定しないが、グローバリゼーションの捉え方を変える必要
 →今起きているグローバリゼーションのあり方に批判的

4 ポストモダニズムの克服

◇アメリカ人は、多様性に非常に弱い
・普遍的な倫理に基づいて行動するために、人類はもっと連携すべき
 →残念ながら現在、人類は連携が不十分、多くの分断が生まれている
・米中問題にはいくつもの側面
 →異なる文化や異なる価値観による分断は、倫理的な問題の解決を生まない
 →アメリカも中国も、普遍的な倫理的価値にだけ基づいて行動しているわけではないため、対立する
・米中がすべきこと、いや人類がすべきことは、交渉
 →アメリカ人は自分たちの政治システムが普遍的価値に基づいていると勘違い
 →自分たちの国には文化的多様性があると考えているが、実際には存在しない
 →アメリカ人は文化的に異質なものを理解していると思っているが、多様性に非常に弱い
・一方、中国人は異なる文化を支配するために、文化的に異質なものを研究することが非常に得意
 →中国は人種差別的な思想の上に成り立っている
  →漢民族という概念は非常に人種差別的で、非倫理的な概念
・アメリカ人は実際には差別主義、一方、中国人は明らかに差別主義者
 →このような二国が接触するとき、激しく対立する

◇「新しい実在論」とポストモダニズム
・今のギリシャとトルコの状況
 →トルコがイスラム国家であるというのはまったくのファンタジー
 →ギリシャもまったく異なる背景
・今我々が目撃しているのは、普遍的価値が存在するという考えに対する抵抗
 →「新しい実在論」の反対であるポストモダニズム(Postmodernism)
・米中の今起きている対立は、アメリカが戦ったことのないレベル、つまり思想のレベルで起きている
 →純粋に経済的な対立ではない

◇グローバルな「友愛のポリティクス」
・人類はどのようにしてグローバルな協力体制を築き上げればよいか
 →米中関係については、他の国々が協力体制を作らなければ、グローバルな協力が必要だと米中を説得することはできない
・EUと日本が、アフリカ諸国に中国よりもずっと良い協力モデルを提示
 →アフリカにおける中国の影響力を排除できるかも
・私が提案しているのは、哲学とビジネスと政治の間の友愛も含む、グローバルな「友愛のポリティクス」

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