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第一四半期販売高が前四半期比3.6%増:半導体&巨大ITの業績発表

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜1日午前時点、世界全体で1億5082万人を超え、1週間前から約573万人増と依然拡大が続いている。感染封じ込めについて世界で優劣が鮮明になる中、我が国では我慢の大型連休突入である。週末最後に、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から世界半導体販売高が発表され、3月が$41.05 billionと高水準、1-3月第一四半期が前四半期比3.6%増、前年同期比17.8%増と、年間販売高最高更新を期待させる内容である。巣ごもり需要の追い風に乗る一方、グローバルな不足でsupply chainが乱れる半導体市場の渦中、半導体&巨大IT各社業績発表が行われ、好調ながらそれぞれに事情を孕む内容に注目している。

≪第一四半期の世界半導体販売高≫

米国・SIAからの発表内容が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇第一四半期グローバル半導体販売高が、前四半期比3.6%増−3月の世界販売高が、前月比3.7%増、前年同月比17.8%増 …4月30日付け SIA/Latest News

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2021年第一四半期の世界半導体販売高が$123.1 billionで、前四半期を3.6%、そして2020年第一四半期を17.8%上回った、と発表した。2021年3月のグローバル販売高は$41.0 billionで、前月に比べて3.7%増加した。SIAは、売上げで米国半導体業界の98%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。

「2021年第一四半期の間のグローバル半導体販売高は依然力強く、前四半期の販売高を上回り、昨年の第一四半期総計を大きく凌いでいる。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「3月の販売高が前年比および前月比で、すべての主要地域市場にわたって増加し、製品カテゴリー範囲にわたって需要が伸びている。」

地域別には、前年同月比ですべての市場にわたって、China(25.6%), Asia Pacific/All Other(19.6%), Japan(13.0%), the Americas(9.2%), およびEurope(8.7%)と増加した。前月比でも、Europe(5.8%), China(5.3%), Asia Pacific/All Other(3.4%), Japan(3.1%), およびthe Americas(0.6%)と増加した。

2021年3月地域別販売高増減

Americas
前年同月比  9.2%/
前月比  0.6%
Europe
8.7%/
5.8%
Japan
13.0%/
3.1%
China
25.6%/
5.3%
Asia Pacific/All Other
19.6%/
3.4%

     【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Mar 2020
Feb 2021
Mar 2021
前年同月比
前月比
========
Americas
7.37
8.00
8.05
9.2
0.6
Europe
3.39
3.48
3.68
8.7
5.8
Japan
2.88
3.16
3.26
13.0
3.1
China
11.52
13.74
14.47
25.6
5.3
Asia Pacific/All Other
9.68
11.20
11.58
19.6
3.4
$34.85 B
$39.59 B
$41.05 B
17.8 %
3.7 %

--------------------------------------
市場地域
10-12月平均
1- 3月平均
change
Americas
8.77
8.05
-8.2
Europe
3.39
3.68
8.8
Japan
3.31
3.26
-1.6
China
13.28
14.47
8.9
Asia Pacific/All Other
10.88
11.58
6.5
$39.63 B
$41.05 B
3.6 %

--------------------------------------

※3月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2021/04/March-2021-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

遡って、2016年後半から2年あまり史上最高を更新し続ける勢いの熱い活況が続いた半導体業界であるが、2021年が現下の活況を維持してこれまで最高の2018年の年間販売高の更新となるかどうか、以下の販売高の推移の見方を続けていくことにする。先行き不安定性が漂う中、増勢基調を保てるかどうか、引き続き注目である。2021年の1月から3月は$40 billion台平均を維持して、2018年を上回る出だしであるが、第二四半期から後半に維持あるいは増勢に向かうかどうか、絡み合う情勢推移に目が離せないところである。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月 
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月 
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月 
$37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月 
$37.59 B
20.2 %
1.4 %
2018年 5月 
$38.72 B
21.0 %
3.0 %
2018年 6月 
$39.31 B
20.5 %
1.5 %
2018年 7月 
$39.49 B
17.4 %
0.4 %
2018年 8月 
$40.16 B
14.9 %
1.7 %
2018年 9月 
$40.91 B
13.8 %
2.0 %
2018年10月 
$41.81 B
12.7 %
1.0 %
2018年11月 
$41.37 B
9.8 %
-1.1 %
2018年12月 
$38.22 B
0.6 %
-7.0 %
$468.94 B
 
→史上最高
 
2019年 1月 
$35.47 B
-5.7 %
-7.2 %
2019年 2月 
$32.86 B
10.6 %
-7.3 %
2019年 3月 
$32.28 B
13.0 %
-1.8 %
2019年 4月 
$32.13 B
14.6 %
-0.4 %
2019年 5月 
$33.06 B
14.6 %
1.9 %
2019年 6月 
$32.72 B
16.8 %
-0.9 %
2019年 7月 
$33.37 B
15.5 %
1.7 %
2019年 8月 
$34.20 B
15.9 %
2.5 %
2019年 9月 
$35.57 B
14.6 %
3.4 %
2019年10月 
$36.59 B
13.1 %
2.9 %
2019年11月 
$36.65 B
10.8 %
-0.3 %
2019年12月 
$36.10 B
-5.5 %
-1.7 %
$411.10 B
 
2020年 1月 
$35.39 B
-0.3 %
-2.2 %
2020年 2月 
$34.50 B
5.0 %
-2.4 %
2020年 3月 
$34.85 B
6.9 %
0.9 %
2020年 4月 
$34.43 B
6.1 %
-1.2 %
2020年 5月 
$34.97 B
5.8 %
1.5 %
2020年 6月 
$34.53 B
5.1 %
-0.3 %
2020年 7月 
$35.20 B
4.9 %
2.1 %
2020年 8月 
$36.23 B
4.9 %
3.6 %
2020年 9月 
$37.86 B
5.8 %
4.5 %
2020年10月 
$39.03 B
6.0 %
3.1 %
2020年11月 
$39.41 B
7.0 %
1.1 %
2020年12月 
$39.16 B
8.3 %
-2.0 %
$439.0 B
 
2021年 1月 
$40.01 B
13.2 %
1.0 %
2021年 2月 
$39.59 B
14.7 %
-1.0 %
2021年 3月 
$41.05 B
17.8 %
3.7 %


上記の販売高となっている世界半導体市場であるが、このところ発表されている各社の業績から、以下抜き出して注記コメントを加えている。

先週以前の発表であるが、TSMCおよびインテルについて以下の通りである。

◇TSMC's Q1 profit up 19%, beats market estimates (4月15日付け Reuters)
→Reutersの計算評価。TSMCの1-3月四半期net profitがT$139.7 billion($4.91 billion)、前年同期比19.4%増、high-end半導体需要活況。

◇インテル、第2四半期利益見通しなどが市場予想下回る、株価下落 (4月22日付け ロイター)
→米半導体大手インテルは22日、通期の売上高見通しを引き上げた旨。ただ、第1・四半期のデータセンター向け半導体事業の売上高や第2・四半期の利益見通しがアナリスト予想を下回った旨。インテルは半導体の高速化により競合他社に対し巻き返しを図ろうとしているが、前途の厳しさが示された旨。2021年の調整後売上高見通しは$72.5 billion、リフィニティブのアナリスト予想$72.32 billionを上回った旨。第2・四半期の調整後売上高見通しは$17.8 billionとアナリスト予想の$17.59 billionを上回った旨。これを受け、インテル株価は引け後の取引で2.2%安の61.17ドルとなった旨。

◇Intel PC chip sales rise, but profit forecast falls short on manufacturing costs (4月22日付け Reuters)

今週に入って、まず目についたSEMIからの北米半導体装置メーカーのbillingsデータ。3月も単月最高を更新している。活発な製造意欲を反映している。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts March 2021 Billings, Extending String of Record Highs (4月26日付け SEMI)
→SEMIのMarch Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2021年3月の世界billingsが$3.27 billion(3ヶ月平均ベース)、前月、2021年2月の最終$3.14 billionを4.2%上回り、前年同月、2020年3月の$2.21 billionを48%上回る旨。「先端技術に向けた力強い需要が焚きつけて、北米半導体装置メーカーのbillingsは3月もじりじりと上昇、市場最高を更新している。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。ここ6ヶ月の推移(金額:USM$):
                  Billings    Year-Over-Year
October 2020        $2,648.2      27.3%
November 2020 $2,611.6 23.1%
December 2020 $2,680.8 7.6%
January 2021 $3,038.2 29.8%
February 2021 (final) $3,143.1 32.4%
March 2021 (prelim) $3,273.9 47.9%
[Source: SEMI (www.semi.org), April 2021]

NXP Semiconductorsの第一四半期売上げが、前年同期比27%増。二桁%増が以下続いている。

◇NXP Semiconductors delivers Q1 revenue in line with expectations-NXP posts Q1 revenue of $2.6B, in line with expectations -NXP's Automotive, Industrial & IoT, and Mobile sales all saw double-digit growth in the first quarter. (4月26日付け ZDNet)
→NXP Semiconductorsの第一四半期売上げが、前年同期比27%増の$2.567 billion、net incomeが$364 million。

AMDに至っては、ほぼ倍増となっている。

◇AMD Keeps Building Momentum Through Q1 (4月27日付け EE Times)
→AMDの2021年第一四半期売上げが$3.45 billion、前年同期の$1.78 billionからほぼ倍増。前四半期比では6%増。データセンター市場分野への食い込みが好調に見える旨。

◇AMD sees 93% revenue jump in 1Q, double for data center chips (4月27日付け FierceElectronics)

◇AMD stock jumps as Q1 results crush expectations, forecast goes much higher-AMD exceeds expectations with Q1 results, raises outlook -AMD said its revenue from chips shipping into the data center more than doubled, quarter over quarter. (4月27日付け ZDNet)

Texas Instruments(TI)も大きな飛躍である。

◇TI posts 29% revenue increase for Q1 as capacity bet pays off (4月28日付け FierceElectronics)
→Texas Instruments(TI)の第一四半期売上げが$4.29 billion、前年同期比29%増の飛躍。非常に力強い第一四半期でアナリストに少し驚き、約$4 billionのconsensus評価を上回る旨。

Qualcommも然り、52%増である。

◇Qualcomm's earnings top Wall Street estimates on improving smartphone demand, 5G momentum -Qualcomm posts strong Q2 on rising phone demand (4月28日付け The San Diego Union-Tribune)
→Qualcommの第二四半期が、Wall Streetの予想を上回る売上げ&利益、スマートフォン需要が前年同期比52%増の売上げを焚きつけ、adjusted earningsが倍を上回る旨。同社はグローバルな半導体の不足からの降下を免れて、6月末で退任予定のCEO、Steve Mollenkopf氏は、5G伸長展望に基づく強気の見通しを出している旨。

◇Qualcomm stock surges as fiscal Q2 results top expectations, outlook is even stronger-Qualcomm sees “sustained demand” for smartphones, and success in diversifying into areas such as automotive. (4月28日付け ZDNet)

以下、同様に続いていく。

◇SK hynix reports a 53 percent jump in 1st quarter net profit-SK Hynix posts Q1 net profit of $892M, up 53% on year (4月28日付け JoongAng Daily (South Korea))
→SK Hynixの第一四半期net profitが前年同期比53%増の$892 millionに達する一方、売上げがメモリ半導体の力強い需要で同18%増。SK Hynixのchief financial officer(CFO)、Noh Jong-won氏がアナリストに対し、「SK Hynixは生産立ち上げ在庫消費に備えているが、clientのbuild予測が引き続き我々の当初見通しを上回っている。」とするが、半導体供給は議論されるべき問題点と特に言及の旨。

ソニーの場合、全体では最高益であるが、半導体は米国の対中制裁の影響を受けている。

◇ソニーG、最高益1兆1717億円、ゲームや音楽好調−2021年3月期 (4月28日付け 日経 電子版 20:25)
→ソニーグループが28日発表した2021年3月期の連結決算(米国会計基準)は、最終的なもうけを示す純利益が前の期比2倍の1兆1717億円、初めて1兆円の大台を突破し、2年ぶりに過去最高を更新した旨。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要で、ゲームや音楽などエンタメ事業が牽引した旨。半導体事業の落ち込みを補い、全体の利益を押し上げた旨。半導体の画像センサは米中貿易摩擦の影響で主要顧客だった華為技術(ファーウェイ)への供給が一時止まり苦戦。小米(シャオミ)やOPPO(オッポ)など他の中国メーカー向けでは補えきれず、半導体部門の売上高は5%減の1兆124億円となった旨。

◇台湾半導体メディアテック、今期の売上高見通し4割増−中国「5G」スマホ向け好調 (4月28日付け 日経 電子版 18:09)
→台湾半導体設計大手の聯発科技(メディアテック)は28日、オンラインで記者会見を開き、2021年通期の売上高が過去最高の4割増となる見通しを明らかにした旨。
28日に発表した2021年1〜3月期決算は、純利益が前年同期の4.5倍となる255億台湾(約1000億円)に急伸、売上高も77.5%増の1080億台湾(約4200億円)と大幅に増え、純利益とともに、いずれも四半期ベースで過去最高を記録した旨。

◇ST looks at $12bn revenue year-ST sees $12B revenue in fiscal year after $3B quarter (4月29日付け Electronics Weekly (UK))
→STマイクロの2021年第一四半期net売上げが$3.02 billion、前年同期比35.2%増、net incomeが$364 million。

Samsungは、Austin, Texasのウェーハfab拠点での閉鎖の事態がありながらの以下の内容である。

◇Samsung's profits rose in Q1, but the chip shortage looms over Q2-The Galaxy S21 is selling well and it's shifting to quantum dot TV technology. (4月29日付け Engadget)

◇(3rd LD) Samsung sees chip recovery in Q2 after forecast-beating Q1 results-Samsung's Q1 results sparkle, despite Texas fab woes (4月29日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→Samsung Electronicsが、厳しい冬の嵐を受けてAustin, Texasのウェーハfab拠点の生産が混乱、$270 millionを失った一方、同社はなお第一四半期の間に約$6.4 billionのnet profitとなった旨。しかしながら、microchipの不足が今年第二四半期におけるビジネスを削ぐ可能性の旨。

◇Samsung suffers more than 300 bln-won loss due to monthlong Texas chip shutdown (Yonhap News Agency (4月29日付け South Korea))

次に、巨大IT各社の業績発表が並行しており、最高更新が並ぶほどに非常に好調な内容である。

◇アルファベット純利益2.6倍、1〜3月、ネット広告好調 (4月28日付け 日経 電子版 08:32)
→米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが27日に発表した2021年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比34%増の$55.314 billion(約6兆200億円)、純利益が同2.6倍の$17.93 billion。新型コロナウイルスの流行が追い風となり、主力のインターネット広告事業の収益が拡大した旨。純利益は四半期ベースで過去最高を更新した旨。

◇Microsoft44%増益、CEO「デジタルの導入加速」 (4月28日付け 日経 電子版 07:26)
→米マイクロソフトが27日発表した2021年1〜3月期決算。売上高が前年同期比19%増の$41.706 billion(約4兆5300億円)。リモートワークの浸透でクラウドサービスの利用拡大が続き、17四半期連続の2桁成長を維持した旨。純利益は同44%増の$15.457 billion。ネットワーク経由で演算能力を提供する「Azure(アジュール)」や職場向けアプリ「Teams(チームズ)」など、クラウド関連事業の売上高が同33%増の$17.7 billionになった旨。

◇アップルの売上高1.5倍、1〜3月、5Gスマホ牽引 (4月30日付け 日経)
→米アップルの業績拡大に弾みがついている旨。28日発表した2021年1〜3月期決算は売上高が前年同期に比べ1.5倍の$89.584 billion(約9兆7000億円)、純利益も2.1倍の$23.63 billionに膨らんだ旨。在宅勤務や遠隔学習など生活様式の変化を追い風として、巨大IT企業が収益力を高めている旨。

◇Amazonの1〜3月、売上高44%増、通販好調で利益は3倍 (4月30日付け 日経 電子版 05:58)
→米アマゾン・ドット・コムが29日発表した2021年1〜3月期決算は売上高が前年同期比44%増の$108.518 billion(約11兆8000億円)、最終利益が3.2倍の$8.17 billion。巣ごもり消費の拡大でネット通販事業の拡大が続き、売上高と最終利益はそろって1〜3月期として最高を更新した旨。

半導体関連市場の現下の状況、動きに注目、取り出している。

まずは、グローバルな半導体の不足関連である。

◇Cisco says computer chip shortage to last six months-Cisco CEO: Microchip shortage stops by the end of 2021 (4月25日付け BBC)
→networking大手、Ciscoのchief、Chuck Robbins氏が、computer半導体の不足が今年の大方引き続く見込みの旨。

◇Texas Instruments Gives Inline Second-Quarter Sales Forecast-TI CFO touts strong demand, but warns of chip supply pinch (4月27日付け Bloomberg)
→Texas Instruments(TI)が、供給不足の製品が増え、在庫が低下としている旨。需要が引き続き半導体供給を上回る、とCFO、Lizardi氏。

◇U.S. auto industry to press Congress again on chips shortage-US automakers lobby Congress on auto chip shortages (4月27日付け Reuters)
→主要自動車メーカーおよびサプライヤが火曜27日、世界中で自動車生産を削減しているグローバルな半導体の不足への対応を議会に再び迫っている旨。

◇TSMC、車向け半導体不足解消へ、中国で3100億円投資 (4月27日付け 日経 電子版 05:07)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は26日、中国で28億8700万ドル(約3100億円)を投じ、車向け半導体などを増産すると明らかにした旨。南京市の既存工場に新ラインを設置し、2023年に量産体制を整える旨。中国での大型投資は、2015年の南京工場の設立発表以来。世界中で不足する車向けの半導体の需要に対応する旨。

◇Taiwan chipmaker UMC to spend $3.6 bln to expand capacity-UMC budgets $3.59B to increase capacity over 3 years (4月28日付け Reuters)
→台湾のUMCが水曜28日、capacity拡大に向こう3年にわたってT$100 billion($3.59 billion)を充てて、グローバルな半導体の不足の中でclientsに対し該計画の一環として供給および価格を保証する旨。

◇米フォード、4〜6月生産半減、半導体不足続く、ルネサス工場火災も影響 (4月30日付け 日経)
→米フォード・モーターは28日、半導体不足の影響で2021年4〜6月期の生産が当初計画から約5割減少すると発表、3月に発生したルネサスエレクトロニクスの工場の火災の影響が加わる旨。中国や北米の自動車需要は上向きつつあるが、半導体不足は2022年まで続く可能性があるとしている旨。

◇ホンダ、国内3工場の稼働一時停止、半導体不足 (4月30日付け 日刊工業)
→ホンダは半導体供給不足などを受け、5月に4輪車を生産する国内3工場の稼働を一時停止する旨。埼玉製作所の狭山工場(埼玉県狭山市)と寄居工場(同寄居町)を5月の17―19日、24―26日の計6日間、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)を17―18、24―25、31日の計5日間それぞれ停止する旨。

◇米で半導体不足が深刻化、Appleやフォード、越年も (4月30日付け 日経 電子版 07:52)
→米国で半導体不足による製造業への影響が深刻化している旨。米企業の多くは2021年半ばに状況が好転するとみていたが、3月のルネサスエレクトロニクスの工場の火災なども加わり、サプライチェーン(供給網)の正常化は2022年までずれ込む可能性が出てきた旨。影響は自動車からパソコン、建設機械まで多岐に及び、新型コロナウイルス危機からの経済回復の重荷になるおそれがある旨。

いまや街で聞かれる"半導体の不足"である。

◇Chip Shortage Brings Broad Appreciation of the IC Industry (4月26日付け EE Times India)
→半導体の不足は、今や主流のニュース、街の人々が実際に耳にしているものの旨。

Appleの5ヶ年計画上積みである。

◇Apple pledges billions to US 5G-5G innovation, N.C. expansion part of Apple's $430B plan (4月26日付け Mobile World Live (U.K.))
→Appleが、5Gおよびシリコン革新に重点化する米国operationsに2026年まで$430 billionを上回る約束の計画、2018年に発表された5ヶ年計画から20%増。

◇Apple、5年で米に46兆円投資、従来計画を2割積み増し (4月27日付け 日経 電子版 05:06)
→米アップルは26日、米国における今後5年間の投資を4300億ドル(約46兆円)超に引き上げると発表、社屋の建設や拡張、物流・生産拠点の整備支援に充てる旨。米ITによる独占・寡占などへの批判が高まるなか、経済に貢献する姿勢を強める旨。

干ばつに見舞われている台湾。TSMCの取り組みである。

◇TSMC building huge water treatment plant-TSMC constructs water purification plant during drought (4月26日付け Electronics Weekly (UK))
→台湾の50年ぶりの干ばつに伴う計画。TSMCが、台南に浄水工場を建設しており、年末に操業を始める旨。該工場はTSMC専用であり、fabsに向けて再利用工業水を処理する旨。TSMCによると、該工場は世界初の先端工業廃水処理センターである旨。

◇台湾半導体、水不足が直撃、干ばつ、TSMC、給水車使用 (4月28日付け 日経)
→半導体産業が集積する台湾で、水不足が深刻さを増している旨。半導体は製造工程で大量の水を使うが、昨夏からの少雨で56年ぶりの干ばつが襲っている旨。蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は27日、状況が最も深刻な台中市を視察し「非常に深刻だ」との認識を示し、節水対策の徹底を呼びかけた旨。今後、半導体の生産に支障を来す恐れもあり、危機感が強まっている旨。

巨大IT関連を巡る動き、見方である。

◇Zuckerberg touts e-commerce as Facebook's answer to new Apple rules (4月29日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Appleが消費者がオンラインで他に行っていることの追跡能力を制限、Facebookのsocial networks上での広告主による販売奨励がより重要になってきている旨。

◇米巨大IT、止まらぬ成長、各社が1〜3月の売上高最高、寡占批判も隣り合わせ (4月30日付け 日経)
→米巨大IT企業の成長が加速している旨。暮らしや社会のデジタル化の進展を受け、28日までに2021年1〜3月期決算を発表した4社の売上高は過去最高を更新した旨。ただ各社の事業拡大は新たな摩擦を生み、独占・寡占への批判が高まるリスクもはらんでいる旨。

スマートフォン市場、復活の動きである。

◇Smartphones are back! (after pandemic drag last year) (4月29日付け FierceElectronics)
→IDC発。第一四半期のスマートフォン出荷が、前年同期比25%増、増加の半分は中国および残るアジアからの旨。2年前、2019年の第一四半期と比べてもなお11%増。Huaweiがトップ5から脱落の旨。

現下の逼迫状況を見て、AMDのCEO、Lisa Su氏のコメントである。半導体業界に身を置く立場からの声があらわれている。

◇AMD CEO Lisa Su: 'This is a very unique time in the semiconductor market'-AMD CEO Lisa Su sees challenges, opportunities in chips (4月30日付け Yahoo)
→Advanced Micro Devices(AMD)のCEO、Lisa Su氏が、最近のmicrochips供給不足混乱にも拘らず、世界半導体業界の今後について依然楽観的の旨。「これは半導体市場において非常に独特の時であり、半導体が我々の生活のすべての部分に如何に重要であるか、人々が分かってきている。」とインタビューにおいて同氏。加えて「率直に言って、だからこそ自分はこの事業にいる。」


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□4月27日(火)

コロナ対応、経済再開に向かう米英、感染拡大増大一途のインド、など分かれる世界の状況である。

◇感染封じ込め、世界で優劣鮮明、インドは「三重変異」も−英・イスラエル、集団免疫視野 (日経 電子版 05:07)
→新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、ワクチン接種や行動制限など政策の巧拙が各国の明暗を分けている旨。早期の接種で社会経済活動の正常化に踏み出した国がある一方、インドでは新規感染者数が過去最高になっている旨。感染力の強い変異ウイルスが猛威を振るい、コロナとの闘いは長期に及ぶ恐れもある旨。

景気回復への期待、鈍化への警戒と上下波立つ今週の米国株式市場である。

◇NYダウ反落、61ドル安、原材料高で消費関連株に売り (日経 電子版 06:06)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比61ドル92セント(0.2%)安の3万3981ドル57セントで終えた旨。商品相場の上昇で採算が圧迫されるとの見方から、消費関連株の一角が売られた旨。半面、今週に決算発表を控える主力ハイテク株には先回りの買いが入り、相場を下支えした旨。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2カ月半ぶりに過去最高値を更新した旨。

□4月28日(水)

◇NYダウ横ばい、3ドル高、金利上昇でハイテク株に売り (日経 電子版 05:53)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比3ドル36セント(0.0%)高の3万3984ドル93セントで終えた旨。米長期金利が1.6%台に上昇し、相対的な割高感が意識されるハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄が売られた旨。半面、銀行や資本財など景気敏感株の一角が買われ、相場を支えた旨。

Biden米国大統領の両院議会演説が行われ、米国での半導体製造も含まれる広範な経済計画が展開されている。

◇Biden Pushes Broad Economic Agenda in Speech to Congress -Biden lays out economic vision in joint session speech -President's proposals include an American Families Plan, which calls for $1.8 trillion for child care, education and paid leave (The Wall Street Journal)
→Joe Biden大統領が議会合同会議で演説、米国経済にさらに財政投資を求め、最新$1.8 trillion spending提案, American Families Planを展開の旨。該計画には家族に向けた新しい教育および支援spendingがあり、育児手当および有給休暇などであり、法人および富裕層への課税増で支払われる旨。

□4月29日(木)

◇Big Government Is Back, And 3 Other Takeaways From Biden's Address To Congress (National Public Radio)
→以下の4点:
 1. Era of big government is back, and Biden is all in
 2. Biden framed expanded federal programs as a New Deal for middle class to compete
 3. Biden tied the success of his presidency to reasserting democracy abroad
 4. Marking history

◇NYダウ反落164ドル安、決算受け一部銘柄に売り (日経 電子版 05:41)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比164ドル55セント(0.5%)安の3万3820ドル38セントで終えた旨。バイオ製薬のアムジェンなど前日夕以降に決算を発表した一部銘柄が売られ、ダウ平均を押し下げた旨。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による緩和的な金融政策が長く続くとの観測が支えとなり、午後に下げ幅を縮める場面があった旨。

ニューヨーク市は7月から全面再開、と発表されている。

◇New York City will reopen 100% on July 1, Mayor Bill de Blasio says-Mayor: NYC to fully reopen on July 1 (CNBC)
→New York Cityが7月1日から完全に再開、とBill de Blasio市長が発表の旨。水曜28日時点で6 millionを上回るCovidワクチン接種を行っており、成人人口の約36%の旨。「店オープン、ビジネス開始、オフィス、劇場、勢ぞろい」と市長。

□4月30日(金)

◇NY市、劇場や飲食店を全面再開へ、観光シーズンの7月 (日経 電子版 07:15)
→ニューヨークのデブラシオ市長は29日、市内の経済活動を7月1日に全面的に再開する方針を発表、ニューヨーク市内で少なくとも1回のワクチン接種を終えた成人市民は5割以上に上り、新規感染者数も減っているため。

米国の1〜3月GDP、個人消費が支えて6.4%成長である。

◇米GDP、1〜3月6.4%成長、消費回復に勢い (日経 電子版 01:49)
→米商務省が29日発表した2021年1〜3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は前期比年率換算で6.4%増えた旨。巨額の財政出動と新型コロナウイルスのワクチン普及を背景に個人消費の伸びが2桁に加速した旨。GDP規模はコロナ危機前の2019年10〜12月期の約99%まで回復した旨。

◇NYダウ反発239ドル高、消費に伸び、景気回復に期待 (日経 電子版 05:34)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発、前日比239ドル98セント(0.7%)高の3万4060ドル36セントで終えた旨。米バイデン政権の経済政策などを材料視し、景気敏感株の一角が買われた旨。

□5月1日(土)

◇NYダウ反落185ドル安、世界経済の回復鈍化を警戒 (日経 電子版 05:57)
→4月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比185ドル51セント(0.5%)安の3万3874ドル85セントで終えた旨。新興国での新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などで世界経済の回復が遅れるとの警戒感から、売りが優勢となった旨。


≪市場実態PickUp≫

【EU域内での半導体製造】

米国の半導体製造強化がBiden大統領から打ち上げられたばかりであるが、European Union(EU)からも域内での半導体製造に向けた動きの関連が、以下の通り続いている。

◇Seeking “driving seat” for EU, Breton to meet chipmaker execs-EU commissioner to meet with Intel, TMSC Europe execs (4月23日付け Reuters)
→域内市場および消費者保護、業界、リサーチおよびエネルギーに向けたEuropean Union(EU) commissioner、Thierry Breton氏が今週、IntelのCEO、Pat Gelsinger氏とBrusselsで会う一方、TSMC Europeのpresident、Maria Marced氏とのビデオ会見も行い、半導体supply chainの現状の問題を話し合う旨。

◇Europe Is Trying to Reclaim Its Lost Chipmaking Glory (4月27日付け Bloomberg)
→欧州が、半導体製造powerhouseとしての以前の輝きを取り戻したい、としている旨。来週にもEuropean Union(EU)が、新しい半導体計画についてある詳細をリリースの運び。その志は、産業戦略のより大きな更新の一部として盛り込まれ、non-EU会社に危険なほどに依存している領域に焦点を当てる旨。しかし、米国およびアジアからの半導体製造技術の欧州切り離しで極端に困難であり、自前の生産を高めるために同じ海外のentitiesからの支援を要する可能性の旨。

◇EU planning subsidies to lure investment by TSMC, other chipmakers-EU will offer subsidies to TSMC, Intel, others for fabs (4月27日付け Focus Taiwan)
→グローバルな半導体の不足により露呈のsupply chain脆弱性に対応、European Union(EU)が、IntelおよびTSMCなど半導体メーカーに対し欧州での新工場建設に向けて助成金を出す計画の旨。

台湾からは、最先端は台湾で完結、と過去にもどこかで聞いたような応答が見られている。

◇Taiwan minister plays down chances for chip production in EU-Minister doubts Taiwan chipmakers will set up in EU (4月28日付け Reuters)
→台湾の経済相、Wang Mei-hua(王美花)氏が、TSMCなど現地の半導体メーカーがEuropean Union(EU)で先端プロセスnodes搭載microchipsをつくるとは思わない旨。「TSMCは最先端技術が明確に主に台湾でつくられると繰り返している。」と、記者に対し同氏。

欧州半導体勢の結束が謳われようとしている。

◇EU explores chipmaker alliance as alternative to foreign-funded megafab - sources-Report: EU favors native IC alliance over foreign fabs (4月29日付け Reuters)
→4人のEU officials発。European Union(EU)が、グローバルsupply chain不足の中、海外半導体メーカーへの依存削減に向けてSTMicroelectronics, NXP, InfineonおよびASMLなどの半導体アライアンスを検討の旨。

【米国・SIA関連】

米国での半導体製造強化に向けての法案の遂行&実施について、米国・SIAが督促、念を押す動きの関連が以下の通りである。先だってのWhite Houseでの半導体サミットにおけるBiden大統領の弁もあらわされている。

◇Endless Frontier Act will keep US chip market competitive-Senators propose Endless Frontier Act for US chipmakers (4月23日付け Electronics360)
→米国上院が今週、Endless Frontier Actを提出、半導体など重要技術を開発する米国のcapabilities強化に向けて、科学&技術initiativesへの$100 billionを上回る投資を求めている法案の旨。

◇SIA Echoes National Security Leaders' Call for Federal Investments in Chip Technology (4月26日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、国家セキュリティトップleadersからのBiden大統領に宛てた最近の手紙を支持、ステートメントをリリースの旨。CHIPS for America ActおよびEndless Frontier Actの中で求められている国内半導体製造およびリサーチへの連邦出資など、アメリカの科学技術的edgeを強化する法制化の施行を督促の旨。

◇SIA Echoes National Security Leaders' Call for Federal Investments in Chip Technology (4月26日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇‘This is Infrastructure’: Momentum and Urgency Build for Federal Investments in Chip Manufacturing and Research (4月26日付け SIA Blog)
→SIAのPresident and CEO、John Neuffer氏記事。4月12日にWhite Houseにて、引き続くグローバルな半導体の不足およびsupply chains確保を議論するために半導体、自動車などの分野からトップCEOsがteleconference参加、Biden大統領は半導体で詰まったシリコンウェーハをかざして言った。“This is infrastructure.”。

【ファブレスサプライヤの比率】

2020年のIC市場でのサプライヤ比率をIC Insightsがあらわしており、ファブレスが販売高を24%伸ばして32.8%と最高の比率を記録している。IDMsは販売高8%増止まりである。

◇Fabless Suppliers Held a Record 33% of the 2020 IC Market (4月28日付け IC Insights)
→IC InsightsのApril Update to the 2021 McClean Report。ファブレスICサプライヤの2020年販売高が力強く24%増、一方、IDMsは8%増止まりの旨。

◇Fabless suppliers hold record-high 33% of 2020 IC market-IC Insights: Fabless firms held one-third of 2020 sales 4月29日付け DIGITIMES)
→IC Insights発。2020年のファブレスICサプライヤ販売高合計が力強い24%増、一方、IDMsは8%増止まり。昨年のファブレス会社IC販売高が、世界IC販売高の32.8%を占め最高を記録の旨。

【GlobalFoundriesの本社移転】

あまりにも高くつくことで、シリコンバレーからTexas州に本社を移す動きが続いたが、こんどはGlobalFoundriesが、シリコンバレーに拠点は残すものの本社機能をNew York州に移している。

◇GlobalFoundries has joined the exodus, moving its headquarters from Santa Clara to upstate New York (4月26日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→GlobalFoundriesが、New Yorkで$15 billion半導体工場を建設、すでに本社operationsのほとんどを移行の旨。Santa Claraはそのままある旨。

◇GloFo HQ moves to semiconductor manufacturing facility-Moving to Malta -- GloFo relocates HQ to fab in N.Y. (4月27日付け New Electronics)
→GlobalFoundriesが、本社をSanta Clara, Calif.からMalta, N.Y.の同社Fab 8 siteに移転、あるスタッフはSilicon Valleyに残る旨。同社は、ここ10年でFab 8 facilityに$15 billionを上回る投資、今年さらに$500 million予算化の旨。

◇GlobalFoundries moving headquarters from California to Malta site (4月27日付け WRGB-TV (Albany, N.Y.))
→半導体製造革新に重点化、増大するグローバル半導体需要に対応するGlobalFoundriesのcommitmentの一環となる動きの旨。

◇GLOBALFOUNDRIES Moves Corporate Headquarters to its Most Advanced Semiconductor Manufacturing Facility in New York (4月30日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

【DDR5メモリ関連】

DDR5 PC DRAMが本格的に普及するのは早くても2022年になるとの見方があらわされているが、DDR5メモリモジュールの市場投入に向けた動きが以下の通り見られている。

◇First DDR5 memory modules now in mass production-DDR5 memory modules go into volume production-Lightning-fast DDR5 memory coming soon? (4月26日付け TechRadar)
→Netac Technology(深セン)およびJiahe Jinwei(深セン)などが、DDR5メモリモジュールの量産を最初に開始、Intelの第12世代Core(Alder Lake)プロセッサコンパチに設計されている旨。該モジュールは、16 gigabytesのrandom-access memory(RAM) capacityがあり、32GBモデルが後に続く様相の旨。

◇Crucial's DDR5 RAM Is Ready For Retail-Crucial offers DDR5 memory module for retail sales-The future is near. (4月28日付け Tom's Hardware)
→Micron TechnologyのCrucialブランドが、DDR5メモリモジュールの流通販売間近の旨。最初のモジュールはDDR5-4800仕様、一方、今後のモジュールは6,400 megahertz to 10,000 MHzの可能性の旨。


≪グローバル雑学王−669≫

富裕層の文化、生活ぶりについて、衣食住の新展開 ビジネス化する「見せびらかし文化」を、

『スーパーリッチ――世界を支配する新勢力』
 (太田 康夫:ちくま新書 1524) …2020年10月25日 第2刷発行

より、5回に分けて示していく2回目である。一部に限られていた富裕層ビジネスが、多くの人に見せびらかして、次の富裕層を取り込もうとするビジネス戦略が展開されている認識に立って、次に、衣食住のうち食べるもの、飲むものである。貴族の美食文化が花開いていったのが原点にあって、いまや奮発するときに馴染みあるミシュランの三つ星。我が国版もときおり目にするところである。飲む方はワイン、格好の投資の対象にもなるとのこと。ワインはいくらでも高いものがある、と一時認識したことでもある。ここでも時代の情勢変化による変遷を改めて感じている。

第三章 作られる新貴族文化 …6分の3

(2)衣食住の新展開 ビジネス化する「見せびらかし文化」

2.食

◇伝統の三つ星文化が国際化

〇オート・キュイジーヌからレストランへ
・食は、古くから富裕層の重大関心事
・14世紀、力のある王族・貴族がお城で晩餐会を開くように
 →現在、パリの高級フランス料理店、タイユバン(Taillevent)
  →実は14世紀のシャルル五世の料理長の名前
・貴族の美食文化が花開く18世紀から19世紀
 →オートキュイジーヌ(仏: haute cuisine)の時代
 →フォン(仏: fond または fonds)(出し汁)が生み出され、現代フレンチのベースに
・腕のいい美食の職人がレストランで一流の食事を提供、富裕層などが通う食文化のスタイルは19世紀に確立

〇食文化を拓いたタイヤメーカー、ミシュランの新サービス
・美食文化を担うミシュラン(仏: Michelin)は、フランスの世界的なタイヤメーカー
 →自動車の普及策の一環として1900年からガイドブックを発行
  →表紙が赤のレストランガイド、特に秀逸なものについて星マーク、三つ星が最高級レストラン
・ミシュランの三つ星は、覆面の調査員が訪れ、その評価に基づき評点
 →訪れて食事を楽しむ価値がどれくらいあるかを表わしている
・ミシュランは2007年秋に東京版を発行、その後、京都・大阪版も
 →東京の三つ星店の数が、本場のパリを上回っている

〇「トゥール ダルジャン」、「ラセール」
 ――パリを彩る爛熟の三つ星文化
・最初に三つ星をつけた1933年に三つ星を獲得、その後、長くその地位を維持
 →「トゥール ダルジャン(La Tour d'argent)」
  →パリのセーヌ川沿い、ノートルダム寺院を望むロケーション、カモ料理が有名」
・フランスの三つ星を世界に知らしめたレストランに「ラセール(Lasserre)」
 →1962年から1983年まで三つ星を維持
 →貴族の館を利用した富裕層好みの作り
・料理人でミシュランの星を最も多くとっているのはアラン・デュカス(Alain Ducasse)だと言われる
 →1987年にモンテカルロの高級ホテル、「ロテル・ドゥ・パリ」のレストラン、「ルイ・キャーンズ」を率い、1990年に33才のとき最年少で三つ星を獲得
 →筆者は1993年に訪れたが、重厚な伝統的フランス料理とは一線を画し、料理の新時代を予感させるもの
 →アラン・デュカスは三つ星の評価を生み出す自らの料理をレシピ化、有力なシェフがそれを用いて料理を作れば三つ星を狙えるレベルにまで高めることに成功
 →2020年現在でもモナコ、パリ、ロンドンに自らの名前を冠するレストランを展開

〇美食のグローバリゼーション――「エル・ブジ」の衝撃
・フランス以外でも食文化を牽引する超高級店が増えている
・欧州の富裕層の間で一世を風靡した三つ星レストラン
 →カタルーニャの高級リゾートが点在、コスタ・プラバ(Costa Brava)のロザス(Roses)近郊、「エル・ブジ(El Bulli)」
  →フェラン・アドリア(Ferran Adria i Acosta)が生み出す独創的な料理
  →世界一予約が取りにくいレストランとも
  →超一流の素材に恵まれているこの地
   …高級豚や猪、地中海の魚介、プリオラート(Priorat)のワイン
   →素材を、亜酸化窒素を使ってムース状にする調理法(エスプーマ[ESPUMA])を開発
  →醤油など日本の調味料を使うなど、極めて挑戦的
・「エル・ブジ」が2011年に休業した後、欧州で最も予約が取りにくいと言われているのは
 →2003年にコペンハーゲンに開店した「ノーマ」(前出)
・グローバリゼーションが進む中、美食を求めて訪れる人が増え、それにつれて価格も上昇
 →いまや三つ星は、美味なものを適切な価格で純粋に楽しむ文化から離れてしまった印象

◇ワインは投資対象に

〇ワインづくりは富豪のあかし――ロートシルト(ロスチャイルド)のワイン
・王族や貴族など富裕層にとって、ブドウ畑を所有、ワインを醸造することは権力の象徴とみなされるように
・1960年に米カリフォルニア州で作り出された「オーパス・ワン(Opus One)」
 →グローバル時代に対応した、新しい最高級ワインの形
・ブドウ畑を持ち、ワインを作るのは、今も超富裕層の権威の象徴
 →LVMH(Moet Hennessy ‐ Louis Vuitton SE)は以下など経営
  …クリュッグ(Krug)、ドンペリニョン(DOM PERIGNON)、モエ・シャンドン(Moet & Chandon)、シャトー・ディケム(Chateau d'Yquem)

〇王のワインは一本1800万円
・1987年に、1本16万ドルの値段で取引されたワイン
 →1787年に生産されたボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルト(Chateau Lafite-Rothschild)
 →歴史の証人としての価値
・直近で1本当たり一番高いと言われているのが、ロマネコンティ(Romanee-conti)
 →1945年ヴィンテージ、55万8000ドルで落札
 →フランス・ワインはフィロキセラ禍と呼ばれる病害で壊滅的被害を被ったが、45年物はそれを逃れた自らの畑のブドウを使った最後の年のワイン

〇ワインに投資、この30年では株や金より高利回り
・投資対象としてのワインがより広く注目され始めたのは、1980年代後半ごろから
・欧米にはワインに投資するワインファンドもあり、事実上ワイン投資と同じ効果を期待できる
 →決して悪くないワイン投資のリターン
 →押し上げた要因は、中国の富裕層の購入
  →購入量が半端でなく、そのため価格が高騰
 →ただ中国は近年経済成長が減速、この10年のようなバブル的なワイン価格の高騰は続かないと見られている

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