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Biden政権の米国半導体生産後押しの動きがもたらす方々での波紋

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜3日午前時点、世界全体で1億3010万人を超え、8日前から約473万人増と拡大が続いている。我が国でも、変異ウイルスの広がりが見られて、「第4波」への警戒懸念が高まる現時点である。米国Biden政権が8年間で2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ投資計画を議会に提案、うち半導体の米国生産を後押しする補助金に500億ドルを充てるということで、業界関連方々に波紋を広げている。米国内半導体製造を盛り立てる気運の中、先立ってIntelが"IDM 2.0"戦略を打ち上げているが、MicronおよびWestern DigitalがKioxia(旧東芝メモリ)買収を探り、台湾・TSMCが先端半導体に$100 billion/3年かける動きなどが続いている。

≪米国内製造強化への反応≫

米国Biden政権のインフラ投資計画および半導体の米国内での製造に対する支援関連が以下の通りである。

◇バイデン政権、8年間で220兆円、インフラ投資提案へ (4月1日付け 日経 電子版 05:25)
→バイデン米政権は31日、8年間で2兆ドル(約220兆円)規模をあてるインフラ投資計画を議会に提案する旨。財源として連邦法人税率を21%から28%に上げるなど企業増税を求める旨。持続的な経済成長や中国への対抗を狙う旨。野党は増税に反対しており、議会審議が紛糾するのは必至。
・・・・・
国を挙げて巨額を投じる中国に対抗するため、サプライチェーン(供給網)の強化など製造業の振興に3000億ドルを投じる旨。このうち半導体の米国生産を後押しする補助金に500億ドルを充てるよう求める旨。人工知能(AI)など研究開発投資にも1800億ドルを見込む旨。

◇Biden's infrastructure plan will bolster the U.S. semiconductor industry, Commerce Secretary says-Raimondo: US chip biz benefits from infrastructure plan (3月31日付け CNBC)
→米国商務長官、Gina Raimondo氏が、Biden政権の$2 trillionインフラ提案を称賛、米国半導体業界に向けて多くの利益を孕んでいる旨。「いま行動すれば、中国と競い合う。」とインタビューにてRaimondo氏。加えて、「再構築、特に半導体での構築に時間はあるが、そうするに値するビジネスに辿り着かねばならない。」

米国・SIAが即刻、歓迎のステートメントである。

◇President Biden's Infrastructure Plan Would Strengthen U.S. Leadership in Semiconductors (3月31日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が、米国内半導体製造、リサーチおよびworkforce開発に出資するBiden大統領のインフラ提案に関し、President and CEO、John Neuffer氏からのステートメントをリリースの旨。

今回引き上げられての500億ドルである。

◇Biden Ups Ante to $50 Billion for CHIPS Act (4月1日付け EE Times)
→Infrastructure ActをもってBiden大統領が、昨年導入された2つの対策、American Foundries Act of 2020(AFA)およびCreating Helpful Incentives to Produce Semiconductors(CHIPS) Actで示された$37 billionから、半導体業界への割り当てを引き上げる旨。


500億ドルをどう使うかが重要、との論調である。

◇Biden's Plan For American Semiconductor Manufacturing Needs To Allocate Funding Carefully-Viewpoint: US must spend wisely to boost chipmaking (4月1日付け Forbes)
→Harvard Business SchoolのWilly Shih氏記事。Joe Biden大統領の政権インフラ計画の一環として米国半導体業界に$50 billionを供給する提案は称賛するに足るが、そのお金が如何に分配されるかが非常に重要の旨。

Biden政権の半導体製造支援に対する各方面の反応、動きであるが、先に"IDM 2.0"戦略を打ち上げたIntelについてはその後の関連する内容が以下の通りである。

◇Podcast: What is Intel up to anyway? (3月27日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→今週のSilicon Insider Podcastは、象徴的ながら悩んでいる会社を巡るIntelのPat Gelsinger氏の大きな動きについて。2021年3月23日のwebcast、“Intel Unleashed: Engineering the Future”にて、同氏は、Intel初のexascale graphics processing unit(GPU)に重点化、leadership製品を製造、設計そして届けて、stakeholdersに長期的価値をつくり出す同社の道筋を説明の旨。

◇Intel 2.0 (3月30日付け EE Times)
→Intel Foundry Services(IFS)の設立などIntelの新CEOが呼びかけるビジネスの機敏性は、新しく健全なreasoningに基づく旨。

台湾のOSATs(Outsourced Semiconductor Assembly and Test:実装からテストまで請け負う製造業者)からは、当然ながらの受け取りである。

◇Taiwan OSATs not expecting much business from Intel new foundry strategy (3月30日付け DIGITIMES)
→台湾のOSATプロバイダーが、Intelの新しい製造戦略, IDM 2.0から多くのビジネスopportunityが出てくると期待していない旨。IntelのIDM 2.0は、自前のfabs増大およびthird-partyファウンドリーcapacity使用拡大を図る旨。

韓国そしてインドからは、自国の半導体製造を高めていく以下の動きである。

◇S. Korea gives final nod to SK hynix's 120 tln-won project-S. Korea greenlights SK Hynix's $106B chip complex (3月29日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→韓国・Ministry of Trade, Industry and Energy(MoTIE)発。韓国政府が月曜29日、SK hynix社の新しい半導体complex(Yongin[京畿道龍仁市:ソウルの南約50km])を建設する120 trillion-won($106 billion)プロジェクトを最終承認、グローバル市場における半導体の不足を緩和する動きの旨。

◇Exclusive: A billion for every chip-maker who 'makes in India,' sources say-Sources: India to offer $1B+ for each new fab (3月31日付け Reuters)
→2つのunidentified officials発。インド政府が、同国にウェーハfab拠点を設けようとするどの半導体メーカーに対しても$1 billionを上回る供給の用意がある旨。該金銭補償へのコメントを控えた該政府は、スマートフォン組み立て工場に留まらず同国electronics supply chainの拡大を求めている旨。

そして、まだこれからどうなるか、米国のMicron TechnologyおよびWestern Digitalが、Kioxia Holdings(旧東芝メモリホールディングス)の買収の可能性を探る動きが伝えられている。米国内の製造強化が我が国内にも波及してくる形であり、今後に注目するところである。

◇Micron, Western Digital Looking at Possible Deals for Chip Maker Kioxia -IPO or sale for Kioxia? Micron, WD may ponder a purchase -A deal could value Kioxia at around $30 billion; Japanese company also considering IPO (3月31日付け The Wall Street Journal)
→本件事情通発。Micron Technology社およびWestern Digital社がそれぞれKioxia Holdings社買収の可能性を模索、約$30 billionの価値づけの可能性、スマートフォンなどの機器で用いられるメモリ半導体のグローバルな争奪が熱気を帯びている旨。private-equity firm、Bain Capitalが制御するKioxiaに対する取引は保証されず、如何に組み立てられるか明らかでない旨。まとまれば、今春遅く確定される可能性がある旨。

◇米マイクロンなどがキオクシア買収検討か、WSJ報道 (4月1日付け 日経 電子版 08:58)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は31日、米半導体大手のマイクロン・テクノロジーやウェスタン・デジタル(WD)が日本の同業キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の買収の可能性を検討していると報じた旨。進展するかは不透明な部分が残るが、キオクシアの企業価値を300億ドル(約3兆3000億円)規模と評価している旨。

◇キオクシアに熱視線、米大手買収提案、日本拠点に注目 (4月1日付け 日経 電子版 16:42)
→半導体メモリ大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)を巡り、米同業のマイクロン・テクノロジーやウエスタンデジタル(WD)が買収の可能性を探り始めた旨。米国はハイテク産業で中国が台頭するなか、自国陣営のサプライチェーン(供給網)の強化に動く旨。米中対立の地政学リスクが日本の半導体産業にも及んできた旨。

現下の最先端半導体の開発&製造を引っ張る様相となっている台湾・TSMCからは、米国政権の動きに呼応するように、強気の反応、打ち上げが以下の通りである。

◇US, Europe 'unrealistic' in fab expansion drive, says TSMC chair-TSMC chairman: Europe and US don't need more wafer fabs (3月31日付け DIGITIMES)
→TSMCのchairman、Mark Liu氏。米国と欧州がそれぞれのニーズを満たすために半導体fab capacityを拡大するのは、"経済的に現実的でない"旨。

向こう3年にわたって先端半導体に$100 billion注ぎ込む打ち上げが行われている。

◇Taiwan's TSMC is pouring $100 billion into chipmaking to prevent another shortage-World's largest chipmaker investing $100B to keep up with demand (4月1日付け CNN)
→世界最大のcontract半導体メーカー、TSMCが木曜1日、需要増大に追いつくよう向こう3年にわたって先端半導体に$100 billion注ぎ込む予定の旨。該投資は、TSMCが今年先端半導体製造に充てると予定した$25 billion to $28 billionに対し大規模な増加の旨。

◇TSMC to spend $100bn in three years-TSMC budgets $100B over 3 years for more capacity, R&D (4月1日付け Electronics Weekly (UK))
→TSMCが、重要コンポーネントの世界的不足に対応、生産capacity増加およびmicrochip research and development(R&D)に向けて3年間にわたり$100 billionを充てる旨。「TSMCは持続可能なやり方でニーズに対応、顧客と密接に働いていく。」と同社がステートメントにて。

◇Taiwan chip maker TSMC to invest $100B to grow capacity (4月1日付け The Associated Press)

◇TSMC announces US$100bn plan for R&D and expansion (4月2日付け Taipei Times)

顧客対応も強気の動きが続いている。

◇TSMC、半導体さらに値上げへ、3年間で11兆円投資計画 (4月1日付け 日経 電子版 13:36)
→半導体の受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が2021年末の受注分から、顧客への値引きを中止することが、1日分かった旨。事実上の数%の値上げとなる旨。世界的な半導体需要の拡大に対応し、今後3年間で1000億ドル(約11兆円)の大型投資に踏み切る計画を顧客に対して明らかにし、製造コストが膨らむことを理由にした旨。

◇TSMC、半導体供給契約を最長5年に条件変更、需給逼迫―強気の方針 (4月2日付け 日刊工業)
→半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が主要顧客に対して契約期間の単位を従来の1年間から3-5年間に変更すると通知したことが分かった旨。市況の需給逼迫を踏まえた強気の方針転換だが、半導体不足の深刻な自動車メーカーなどにとっては“条件改悪”となり、生産計画などの自由を奪われかねない旨。最近顕在化した産業界のパワーバランスの変化を如実に現す旨。

この機に乗じて米国の結集力を高める動きに感じるが、IntelとIBMの先端半導体R&Dでのコラボが発表されている。

◇Intel Teams with IBM for Advanced Semiconductor R&D (4月1日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→米国上院議員、Chuck Schumer氏のofficeが、国内半導体業界への大きな新しい投資に向けてIBMとIntelの間のコラボを発表、IBMのAlbany Research Centerおよび該地域でのリサーチ&業界パートナーにて数100の新しいjobsを加える予定の旨。同議員は、Intelが国内製造operationsを拡大、IBMのAlbany Semiconductor Research Facilityと協働して先端半導体技術リサーチを行う、としている旨。

◇IBM Exec on Intel Chipmaking Collab: 'Choose Your Strength' (4月1日付け IEEE Spectrum)
→ここ40年にわたって米国半導体業界のtitansの2社、IntelとIBMが、次世代ロジックおよび実装技術で協力の旨。

米国・SIAから半導体supply chainについての分析調査があらわされている。

◇Global chip supply chain increasingly vulnerable to massive disruption, study finds-SIA study: World can't expect Taiwan to make all the chips (4月1日付け Reuters)
→Semiconductor Industry Association(SIA)の最新の調査研究。グローバル半導体supply chainが、自然災害および地政学的混乱にますます脆弱性が高まっており、サプライヤが異なる地域にいっそう集中している旨。

◇Study Identifies Benefits and Vulnerabilities of Global Semiconductor Supply Chain, Recommends Government Actions to Strengthen It (4月1日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)がBoston Consulting Group(BCG)と連携、グローバル半導体supply chainの利点および脆弱性を分析、長期的強みと弾力性を確固とするよう政府の行動を推奨する調査研究、“Strengthening the Global Semiconductor Supply Chain in an Uncertain Era”をリリースの旨。

我が国はこの今こそ動くとき、との論調が以下の通りである。我が国そして我が業界の取り組みを問うている。

◇半導体を巡るゲームチェンジ、日本再浮上の活路は上級論説委員 西條 都夫 (3月29日付け 日経 電子版 02:00)
→・・・・・
20世紀の最重要の資源が石油だったのに対し、21世紀のそれはデータだといわれる。だが発見当初は「黒い水」と呼ばれた石油が真価を発揮し、社会を変えるためには、石油からエネルギーを取り出し、動力源に転換するエンジンが必要だった。その歴史に倣えば、半導体はビッグデータの山から価値ある情報を抽出する21世紀の内燃機関(エンジン)に相当する。
・・・・・
白熱する米中のせめぎ合いは「民間企業の投資は民間に任せる」というゲームのルールを書き換えつつある。米国では1月に国防権限法の一部として半導体強化のための通称CHIPS法が成立し、1プロジェクト当たり最大30億ドル(約3200億円)の補助金を支給できる仕組みを整えた。「敵同士は互いに似る」とは言い得て妙。中国に対抗するために、公的資金による中国流の民間支援が本格化し始めたのだ。
・・・・・
過去25年間、日本の半導体は負け戦を続けたが、いま進行中のゲームチェンジを奇貨として復活への足がかりをつかめるか。目を凝らしたい。

◇日本も半導体産業の再興に動くときだ(社説) (4月1日付け 日経)
→世界各国が半導体産業の強化に一斉に動いている。官民一体となって半導体振興をめざす中国に対抗し、バイデン米政権は巨額の公的助成を通じた自国内の生産基盤の強化に乗り出した。欧州連合(EU)も脱・海外依存を掲げ、先端半導体の一定の割合を域内でつくる目標を打ち出した。半導体は人工知能(AI)やビッグデータを駆使したデジタル社会を実現するために欠かせない戦略部品で、経済安全保障上の重要性も大きい。日本も官民挙げた取り組みを始めるときだ。・・・・・

来る4月16日に予定されている日米首脳会談にて、半導体supply chainの安定化に向けた取り組みの合意を目指している現時点である。

◇Japan and US aim for chip supply chain deal in April summit-Nikkei: Biden, Suga to meet this month, will discuss chips -Working group on strategic technologies planned ahead of Suga-Biden meeting (4月2日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇日米、半導体供給網で協力、首脳会談で合意へ【イブニングスクープ】 (4月2日付け 日経 電子版 18:00)
→日米両政府は半導体など重要部品の安定供給網(サプライチェーン)の構築で協力する調整に入った旨。研究開発や生産の体制を役割分担するため、関係省庁による作業部会を設置する旨。16日に予定する菅義偉首相とバイデン米大統領の首脳会談で合意をめざす旨。
両首脳は分散型の供給網をつくる重要性を確認する方向。地政学的なリスクが高い台湾や米国との対立が深まる中国など、特定の地域に生産拠点が偏らない体制を検討する旨。

グローバルな視点での日々の情勢分析&対応が引き続き求められてくる。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□3月30日(火)

米国の経済回復が欧州より早いとの見方があらわされている。

◇Real-economy stirrings show U.S. leaves Europe in the dust-Charts show extent of US economic recovery (Reuters)
→レストラン出かけ、流通行動、飛行機旅行および銀行預金などに重点化したトレンド図面データが、回復を示している旨。連邦出資およびコロナウィルスワクチン接種の速度とともに、このデータは米国が欧州より早く回復に動いていることを示す、とアナリストの見方。

米国株式市場は、先週からの最高値更新から下げて上げる推移の今週である。Biden政権のインフラ投資計画を受けた半導体関連株の上昇も見られている。なお、4月2日(金)は聖金曜日で米株式市場が休場となっている。

◇NYダウ続伸98ドル高、ワクチン期待で連日の最高値 (日経 電子版 05:38)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸、前週末比98ドル49セント(0.3%)高の3万3171ドル37セントで終え、連日で過去最高値を更新した旨。新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う経済活動の正常化期待から主力株に買いが入った旨。主力小型機の受注が伝わった航空機のボーイングが上昇し、ダウ平均を押し上げた旨。

□3月31日(水)

◇NYダウ反落、104ドル安、高値警戒や長期金利上昇で (日経 電子版 05:47)
→30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比104ドル41セント(0.3%)安の3万3066ドル96セントで終えた旨。前日まで連日で過去最高値を更新しており、高値警戒感から目先の利益を確定する売りが優勢だった旨。米長期金利が一時、1年2カ月ぶりの水準に上昇し、割高感が警戒されやすい高PER(株価収益率)の主力ハイテク株が売られた旨。

□4月1日(木)

フランスでの感染拡大への措置である。

◇仏、全土で3度目の外出制限、英国型変異ウイルス拡大で (日経 電子版 05:54)
→フランスのマクロン大統領は31日、新型コロナウイルス対策としてパリなど19地域で実施中の外出制限を4月3日夜から全土に広げると発表、全国規模の外出制限は3度目となる旨。学校も3〜4週間休校や遠隔授業とする旨。国民の1割強がワクチンを接種したが、感染力が強い英国型変異ウイルスの勢いを止める水準には達していない旨。

◇NYダウ続落85ドル安、景気敏感株に利益確定売り (日経 電子版 05:56)
→3月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比85ドル41セント(0.3%)安の3万2981ドル55セントで終えた旨。米国の景気回復期待でこのところ上昇が目立っていた景気敏感株の一角に、短期的な過熱感を警戒した利益確定売りが優勢だった旨。一方、米長期金利の上昇一服を受けて主力ハイテク株に押し目買いが入った旨。

米国製造業の回復の早さが数値的にあらわされている。

◇Manufacturing strongest since 1983-March factory activity highest since Dec. 1983-U.S. factory activity is the strongest it's been since 1983, implying an optimistic outlook for the manufacturing industry. (Fox Business/The Associated Press)
→米国製造業が3月に37年ぶりの早いペースでの拡大、pandemicが弱まり政府緊急救済が経済に流れて需要が強まる徴候の旨。購買managersの団体、Institute for Supply Managementが、先月の工場活動尺度が64.7、前月の60.8から飛躍、1983年12月以来最高の旨。

□4月2日(金)

◇NYダウ反発、171ドル高、S&P500は初の4000台 (日経 電子版 07:33)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比171ドル66セント(0.5%)高の3万3153ドル21セントで終えた旨。米長期金利が低下し、高PER(株価収益率)の主力ハイテク株に買いが入った旨。バイデン米大統領が前日に公表したインフラ投資計画を受けて、成長期待が高まった半導体株の上昇も相場を支えた旨。

◇米雇用91万人増、3月、ワクチン普及で復調−失業率は6%に改善 (日経 電子版 23:34)
→米労働省が2日発表した3月の雇用統計(速報値、季節調整済み)。景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から91万6000人増、市場予測(67万5000人程度)を上回り、失業率も6.0%と0.2ポイント改善した旨。新型コロナウイルスのワクチン普及が雇用復調を支えている旨。


≪市場実態PickUp≫

【ルネサスエレ工場火災関連】

ルネサスエレクトロニクスでの工場火災の被害が、当初の見方より拡大して、火災前の出荷水準回復には3〜4カ月必要との見通しが明らかにされている。以下関連する内容である。

◇Damage from fire at Renesas chip factory worse than first thought-Nikkei: Renesas fab fire damaged as many as 17 machines (3月28日付け Reuters)

◇Damage from fire at Renesas chip factory worse than first thought (3月29日付け Reuters)

◇ルネサス工場火災、半導体装置の被害拡大、すすなど影響 (3月29日付け 日経 電子版 11:00)
→ルネサスエレクトロニクスは29日、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災で使用不能になった半導体製造装置の台数が拡大していることを明らかにした旨。すすなどの影響が当初の想定より大きく、11台から17台前後に増えたもよう。自動車向けを中心に半導体不足の長期化につながる恐れがある旨。

◇Damage from Fire at Renesas Chip Factory Worse Than Initial Reports (3月30日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

日本政府が、台湾の半導体メーカーに代替生産の働きかけを行っている。

◇経産相、台湾メーカーに半導体生産要請、ルネサス火災で (3月30日付け 日経 電子版 12:05)
→梶山弘志経済産業相は30日の閣議後の記者会見で、半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場が火災で生産を停止したことを受け、台湾の半導体メーカーに政府から半導体の代替生産を要請していることを明らかにした旨。工場の多くの製造装置が使えなくなり、車載半導体不足の長期化が懸念されている旨。

◇ルネサス、火災前の出荷水準回復に3〜4カ月必要 (3月30日付け 日経 電子版 15:46)
→半導体大手のルネサスエレクトロニクスは30日、火災により生産停止中の那珂工場(茨城県ひたちなか市)について記者会見し、柴田英利社長は生産が再開して火災前の出荷水準に回復するのは火災が起きた19日から3〜4カ月かかるとの見通しを明らかにした旨。21日時点で「1カ月以内」としていた生産再開の目標については「達成確度は高まっている」と話した旨。

◇Fire-hit Renesas expects to resume full-scale chip output in June: CEO (3月31日付け The Japan Times)

自動車業界でのインパクトそして対応の動きである。

◇ルネサス出荷停止、影響拡大、トヨタや日産は減産検討 (3月31日付け 日経 電子版 05:14)
→半導体大手のルネサスエレクトロニクスの出荷の回復が夏ごろまでかかる見通しとなった旨。車載向け半導体でシェア2位の同社の供給が長期間止まることを受け、トヨタ自動車や日産自動車は一部車種の減産の検討に入った旨。車で使う半導体は米テキサス州の寒波もあり世界規模で供給難が生じている旨。「ルネサス・ショック」の余波で2021年4〜6月期の世界自動車生産が160万台減るとの試算もある旨。

◇自工会、TSMCに増産要請、車載半導体不足で (4月2日付け 日刊工業)
→日本自動車工業会(自工会)がルネサスエレクトロニクス・那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産ライン稼働停止による車載半導体の供給不足懸念に対処するため、台湾積体電路製造(TSMC)に代替生産を要請したことが判明した旨。ルネサスは火災発生から3-4カ月後に出荷水準を戻す見通しを示しているが、自動車メーカー各社の生産への影響を抑えるため、日本政府によるTSMCへの要請とは別に自工会として直接働きかけた格好。

【半導体の不足関連】

世界各国&各社での見方そして対応状況が以下続いている。

◇Fridges, microwaves fall prey to global chip shortage-Whirlpool: Chip shortages hit refrigerators, microwaves (3月29日付け Reuters)
→Whirlpool社(中国)発。自動車会社での生産ラインを混乱させ、gadgetメーカーでの備蓄品を搾取している半導体のグローバルな不足が、こんどはhome applianceメーカーを需要適合不可能にしている旨。

◇Semiconductor shortage could go on for 'a couple of years': Cisco CEO-Cisco CEO sees chip shortages going on for years to come (3月30日付け Yahoo)
→Cisco Systemsのchairman and CEO、Chuck Robbinsが、いくつかの観測筋が予想しているように、重要コンポーネントの世界的不足が今年すばやく打開されない、としている旨。「需要は増え続けており、対応に2-3年はかかると思う。」とインタビューで同氏。

寒波被害で止まったSamsungのTexas工場は、ほぼ通常の稼働に戻ったとのこと。

◇Samsung Electronics' Texas chip production returns to near-normal levels-Samsung: Chip production almost back to normal (3月30日付け Reuters)
→Samsung ElectronicsのAustin, Texasにある半導体工場での生産が、向こう数ヶ月にわたってスマートフォン生産の不足を生じる見込みの混乱の後、ほぼ通常の稼働に先週戻った旨。市場リサーチ会社、TrendForceは、該中断により4-6月におけるグローバルhandset生産が約5%減ると見ている旨。

◇Santa Clara-based GlobalFoundries plans big expansion, mulls IPO, amid chip shortage (4月2日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→GlobalFoundries(Santa Clara)のCEO、Tom Caulfield氏がCNBCに対し、同社は電話から自動車まですべての生産を妨げているグローバルな半導体の不足の中で全体埋まっている旨。

◇Industry chief warns 'severe' DRAM shortage won't be ending any time soon-Micron CEO: DRAM shortage is "severe," not ending soon -The limited supply will drive up prices (4月2日付け TechRadar)
→computerメモリ&データストレージメーカー、Micronが、現在の台湾の干ばつ対策がメモリ供給に長く続くインパクトになると認めた旨。

中国発の見方があらわされている。

◇Semiconductors supply woes deepen, global cooperation urgently needed to expand production-Analysis: Chip shortages get worse; global response needed (4月2日付け Global Times (China))
→苦境の半導体supply chainが、車載メーカー、consumer electronics会社およびテレコムシステムベンダーに依然混乱を生じており、半導体およびウェーハの価格が上昇、差し迫った事態打開に向けて世界的な協力拡大が求められている旨。「米国政府の禁止措置は中国の半導体生産拡大を制限し、グローバルに半導体供給が不十分となって、半導体業界の成長を重大に妨げている。」と、Cutting-Edge Technology Research Instituteのdirector、Zhang Xiaorong氏。

【M&A関連】

いろいろ相次ぐM&A関連の動きであり、まずは、前回本欄で示しているが、Applied MaterialsのKokusai Electric買収断念である。

◇Applied Materials kills $3.5B Kokusai Electric purchase after delayed Chinese approval (3月29日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Applied Materials社が月曜29日、Kokusai Electric社を買収する$3.5 billion提示を否決、約2年前に発表されたが、中国のregulatorsによる時宜を得た承認を得られなかった旨。

◇米アプライド、旧日立系買収を断念、中国の承認下りず (3月30日付け 日経 電子版 05:15)
→米半導体製造装置最大手のアプライドマテリアルズは29日、旧日立製作所系で米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)傘下のKOKUSAI ELECTRIC(東京・千代田)の買収を断念したと発表、中国の独禁法当局の承認が得られなかった旨。世界で半導体産業の重要性が高まるなか、米企業のM&A(合併・買収)に中国が待ったをかけた形。

中国のファンドによる韓国・Magnachip Semiconductorの買収である。韓国では技術漏洩を懸念する向きも見られている。

◇Nasdaq-listed Magnachip to be sold to Chinese fund-Private equity fund buys Magnachip Semi for $1.4B (3月29日付け The Korea Herald (Seoul))
→北京のprivate equityファンド、Wise Road Capitalが、Magnachip Semiconductorの$1.4 billion in cashでの買収に合意の旨。Magnachipは、電気自動車、スマートフォンおよびテレビなどの製品向けmicrochipsを製造。

◇Chip-asset purchase by Chinese firm causes concern (3月29日付け JoongAng Daily (South Korea))
→生産のすべてが韓国である米国上場の会社が中国の会社により買収されている旨。北京のWise Road CapitalによるMagnachip Semiconductorの$1.4 billion買収は、韓国で懸念を生じており、半導体およびディスプレイの製造で商用のライバルである国への技術漏洩の可能性を懸念する向きがある旨。

◇中国ファンド、韓国中堅半導体買収へ、1500億円規模で (3月30日付け 日経)
→韓国の中堅半導体メーカー、マグナチップ半導体は29日、中国系投資ファンドのワイズロードキャピタルの買収提案を受け入れると発表、ワイズ社はTOB(株式公開買い付け)を行い、直近株価に54%のプレミアムを乗せた1株29ドルでマグナチップの全株を取得する方針。取得金額は14億ドル(約1500億円)規模となる見通し。

日立製作所がソフトウェアへの軸足、米国・GlobalLogicを買収、以下の内容である。

◇Hitachi to buy U.S. software developer GlobalLogic for $9.6 billion (3月31日付け Reuters)

◇日立、米ITグローバルロジックの買収発表、1兆円規模 (3月31日付け 日経 電子版 18:12)
→日立製作所は31日、米IT企業のグローバルロジック(カリフォルニア州)を買収すると正式に発表、買収額は総額で96億ドル(約1兆500億円)で、電機業界では過去最大級となる旨。ITを軸とした成長戦略を掲げ、相乗効果の低いグループ企業の売却を進めてきた旨。モノの売り切りに依存してきた製造業ではソフトやサービスに軸足を移す動きが広がっている旨。

◇Hitachi to buy San Jose-based GlobalLogic for $9.6B (3月31日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→日立製作所は、Apax Partnersが2018年に該ソフトウェア開発サービスプロバイダーにおけるstakeを売却したときの4倍を上回る買収支払いの旨。

Analog Devices(Norwood, MA)によるMaxim Integrated(San Jose)の買収について、欧州連合(EU)が無条件で承認している。

◇Analog Devices get EU nod for $21 billion Maxim buy-EU gives OK for ADI's $21B purchase of Maxim Integrated (4月1日付け Reuters)
→木曜1日のEuropean Commission website上のfiling。米国の半導体メーカー、Analog Devices(ADI)が、同社史上最大の取引、ライバルのMaxim Integratedの$21 billion買収について無条件のEU antitrust承認を得た旨。

【Armのv9アーキテクチャー】

Armが10年ぶりの規模内容の更新、最新アーキテクチャー、Arm v9を打ち上げている。人工知能(AI)の能力を備えるほか、セキュリティーも強化するなど、以下の概要、そして市場投入の予定である。

◇Arm v9: First New Architecture in a Decade Doubles Down on AI and Security (3月30日付け EE Times)
→Armが、最新アーキテクチャー、Arm v9を打ち上げ、セキュリティ, 機密computingおよびAIに向けてfeatures追加が得られ、並びに全体性能が高まる旨。v9により、次の2つのモバイル&インフラ世代で30%を上回る性能向上が得られる期待の旨。

◇Arm launches v9 with Realms and Confidential Compute (3月30日付け FierceElectronics)
→Armが火曜30日、10年ぶりの主要半導体アーキテクチャー更新を打ち上げ、今年後半にサンプル配布の後、2022年に最初にモバイル機器であらわれ来る旨。

◇Arm's new chip architecture boosts security, speed for billions of processors-Armv9-based chips will arrive starting this year. (3月30日付け CNET)

◇Arm Announces Armv9 Architecture: SVE2, Security, and the Next Decade (3月30日付け AnandTech)
→Armが2011年10月に最初にArmv8アーキテクチャーを発表して約10年、
computingのまったく出来事の多い10年であり。該instruction set architecture(ISA)はモバイル空間からサーバ空間まで採用が高まって、今やlaptopsおよび来るdesktop machinesなどconsumer機器市場でも普通になり始めている旨。本日、ArmのVision Dayイベントの一環として、同社は新しいArmv9アーキテクチャーの詳細を初めて発表、次の10年における次の300 billion半導体に向けたcomputingプラットフォームと期待するものの基礎を置いている旨。
 (注) SVE=Scalable Vector Extensions

◇Arm unveils v9 architecture-Arm debuts its v9 architecture for design cores (3月31日付け New Electronics)
→1)Armv9 microchipアーキテクチャーの詳細がArmにより示され、system-on-a-chip(SoC)デバイス設計で実行されるcoresを開発の旨。Armの技術はスマートフォンなどモバイル機器において席巻している一方、同社は今後のサーバ半導体においてさらなる使用を期待の旨。
 2)Armが、ますます有能なセキュリティおよびartificial intelligence(AI)を備えたubiquitous specialized処理へのグローバルな需要に対応、Armv9アーキテクチャーを投入の旨。

◇アーム、半導体設計更新、10年ぶり、AI機能搭載 (4月1日付け 日経)
→英半導体設計大手アームは30日、最新版の仕様「Armv9」を発表、設計の更新は10年ぶり。人工知能(AI)の能力を備えるほか、セキュリティーも強化する旨。同社はスマートフォン向け半導体設計で世界で9割のシェアを占める旨。様々な分野でAIの存在感が増すとみて性能を高める旨。

【Apple関連】

以下、多岐にわたる内容であるが、まずは、当面そして来年のAppleオリジナル「A」シリーズプロセッサについてである。

◇iPhone 13 A15 chip entering production in May - but iPhone 14 sounds even better-iPhone 13 or 14: Will buyers wait on 4nm?-The iPhone 13 chipset is reportedly entering production in May, but something bigger is coming next year (3月30日付け Tom's Guide)
→AppleのA15 custom半導体設計が、今年後半にiPhone 13が出てくるかなり前に、TSMCにてまもなく量産に入る旨。しかしながら、TSMCは公には2021年終わりに向かって4-nanometer features搭載半導体の生産を始めるとしており、iPhoneファンは2022年に見込まれるiPhone 14を待つべきかどうか熟考させられている旨。

Appleの取引先の再生可能エネルギー対応があらわされている。

◇Apple pushes 100-plus manufacturing partners into renewable energy-Apple's partners commit to renewable energy use -The tech giant is also working on a solar farm project in California that'll reportedly use Tesla Megapack batteries. (3月31日付け CNET)

◇Apple commits to build “grid-scale” energy storage in California-110 of Apple's manufacturing partners are moving to 100 percent renewable energy. (3月31日付け Ars Technica)

◇Apple、取引先110社が再エネ100%を表明、村田製作所も (3月31日付け 日経 電子版 22:00)
→米アップルは31日、同社に納める製品の生産に使う電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうと表明したサプライヤーが110社を超えたと発表、同社の主な取引先の約半数に相当する旨。アップルは取引の条件として環境対策を重視しており、残るサプライヤーも対応を迫られる旨。

Apple本社の電力対応について、Teslaからの蓄電システム購入である。

◇Apple、テスラから蓄電システム大量購入、55億円超か (4月2日付け 日経 電子版 06:44)
→米アップルが本社の電力をまかなうために建設中の米国最大級の蓄電施設で、米テスラ製の蓄電システムを採用したことが1日、明らかになった旨。米メディアは購入額が5000万ドル(約55億円)超に上ると試算している旨。

Appleの株式時価総額が、世界首位を取り戻している。

◇Apple時価総額、3年ぶり世界首位、3月末2兆ドル超 (4月2日付け 日経 電子版 15:30)
→世界企業の株式時価総額で米アップルが3年ぶりに首位になった旨。3月末で唯一2兆ドルを超えた旨。新型コロナウイルスで市場が混乱していた1年前と比べて、8割以上増えた旨。上位にはコロナ禍でも稼ぐ力を高めている米巨大IT企業が並び、国別では米国が4割を占めるようになっている旨。


≪グローバル雑学王−665≫

スーパーリッチ(富裕層)の4つの新しい潮流、すなわち、激増するミリオネア、最も影響力があるチャイナ・リッチ、若く勢いのあるウーマン・リッチ、そして新しい価値観を持つミレニアル・リッチについて、

『スーパーリッチ――世界を支配する新勢力』
 (太田 康夫:ちくま新書 1524) …2020年10月25日 第2刷発行

より、今回は前の2つを見ていく前半である。金融資産が100万ドル以上の富裕層であるミリオネアも、この20年余りで4倍以上に。米国、中国、そしてロシア、インドが引っ張るが、我が国と欧州は比べて地盤沈下とのこと。そして、"爆買い"で我が国も恩恵を被ったもののコロナですっかり引けてしまったチャイナ・リッチについて、嗜好性、行く先などあらわされている。中国での2000年から2019年の間での2桁以上のミリオネアの増加にはまず驚かされる。そして、中国の富裕層を積極的に受け入れたカナダの実態。米中摩擦から米国の要請で逮捕された、カナダ在住の中国・Huaweiの副会長の1件もあらわれている。


第二章 スーパーリッチ(富裕層)の新潮流 …2分の1

(1)激増するミリオネア

◇ミリオネアの急増
・超富豪のビリオネアの増加とともに顕著なのが、ミリオネアの急増
 →金融資産が100万ドル以上の富裕層
 →20年余りで4倍以上に
・地域別にみて、ミリオネア拡大の原動力はやはり米国での増加
 →約20年の間、米国で株価が多少の上下動を伴いながらも、右肩上がり持続
 →資産価格の上昇が富裕層の増加に貢献

◇新興国で拡大する中間層
・国際化の波に乗って新興国が台頭、各国で中間層が増えたことも大きい
 →中国は言うまでもなく、次の通りそれぞれ国の経済を引っ張り上げ、富裕層が急増
  …ロシアはエネルギー
   インドはIT
・相対的に地盤沈下しているのが日欧
・ミリオネアの急増は、社会的には大きな意味
 →立派なマス(大衆)を形成
 →可処分所得が高いと想定されるため、新たなミリオネア市場が登場したことに

(2)最も影響力があるチャイナ・リッチ

◇コロナウィルスが示したぜいたく品市場への中国依存
・2020年1月20日、中国の湖北省武漢で新型コロナウイルスの感染が拡大
 →欧州のラグジュアリー商品セクターの株価が急落
 →強まっている中国の富裕層の影響
・中国の影響が大きいのは、富裕層の多さのため
 →ミリオネアは2000年の3万8000人から2019年には444万人と米国に次ぐミリオネア大国に
 →中国では各地の国営企業が民営化、株式上場、そうした会社の役員層がミリオネアに
 →国際的な有力企業や金融機関が進出、そうした企業の従業員も富裕層に
 →比較的優良な不動産を保有する層の資産も膨れ上がった

・中国のラグジュアリー好きの原点は、金への志向
 →価値の保存の手段として好まれてきたのが、金
 →毎年の金消費量(宝飾品と現物投資の合計重量)は、米国のほぼ4倍
 →こうした中国の富裕層の金好きに注目して古くからビジネスを展開してきたのが、周大福珠寶集団(チョウ・タイフック・ジュエリー)

◇資産保全は金からブランド物へ
・中国の経済が発展するにつれ、金だけでなく、価値ある物への志向の広がり
 →欧米の高級ブランド品へと拡大
・中国の富裕層のラグジュアリーな商品の購入意欲は旺盛
 →欧州ラグジュアリー商品の販売に占める中国向け(中国人旅行者の購入も含む)の比率は35%程度
 →1980年代の日本のバブル期に「ジャパン・マネー」にあかして欧米ブランド品を買いまくったが、それを上回るような「チャイニーズ・マネー」によるブランド購入
・中国のラグジュアリー消費額は2018年で7700億人民元(コンサルタント会社のマッキンゼー)
 →世界のラグジュアリー消費に占めるシェアは32%
 →2025年の中国のシェアは40%に達するという

◇旅行好きの中国人富裕層が変える観光マーケット――パンダ・トラベルの実態
・中国が海外旅行を解禁したのは1997年で、国民に新しい楽しみが追加
 →中間層にも海外旅行熱、日本などで「爆買い」と呼ばれるような物品購入を展開
 →欧州や日本で本物の高級品を買い求めたいという需要が強い
・中国のアウトバウンド旅行者は、2010年に5700万人
 →2015年には1億1700万人、2020年には1億6000万人になる見通しだったが、新型コロナウィルスで一時的に減
 →コロナが収束すれば再び増加へ

・中国の富裕層は旅行だけにとどまらず、海外に不動産を買い求める人が増加
 →経済、政治面での事情が絡んでいる
  →中国では不動産の利用権は得られるが、所有権は得られない
  →中国では現金を保有するメリットが少なく、世界中で値上がりを狙える不動産投資に余念がない
  →政治面での事情としては、逃避先の確保
  →息苦しい体制から抜け出し、より安定した生活を求める人も増加
  →海外で不動産を確保しておこうとする動きも後を絶たない

・中国の富裕層マネーにより翻弄されているのが、カナダの住宅市場
 →移民はカナダの重要な経済の担い手
 →とりわけ富裕層に対しては投資移民制度を設け、移民を促していた
・カナダはオーストラリアと並んで、中国人富裕層御用達の移住先に
 →温暖なバンクーバーは中国人が急増、市の人口の4人に1人は中国人という状況に
  →隣接するリッチモンドでは人口のほぼ半分が中国系
 →投資目的で購入され、空き家のままの住宅も増加
 →カナダ政府は投資移民制度を中断することを決めた
・2018年にはカナダが、米国政府からの要請で中国のファーウェイ(華為技術)の副会長、孟晩秋を逮捕
 →中国とカナダの外交関係が悪化
 →2018年のラグジュアリー住宅の価格変化が、バンクーバーは前年比11.5%下落
 →政治リスクに翻弄されている

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