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グローバル半導体supply chainを揺るがす動き:米国大統領令、水不足

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜27日昼前時点、世界全体で1億1328万人を超え、1週間前から約263万人増と横這いである。我が国では東京圏以外は緊急事態の解除が決定されたが、引き続き警戒を要する状況となっている。コロナ禍と同様、いつ明けるか、解消されるかが問題のグローバルな半導体の不足が続く中、グローバル半導体supply chainを揺るがす動きがあらわれている。米国では、SIAはじめ関連業界団体の働きかけを受けて、Biden大統領が半導体supply chainの弾力性を高める手段を講じる大統領令に署名、議会に対し半導体供給ニーズに短期的に応えるのに37 billionドルが必要と求めている。製造の中心、台湾では、水不足の事態である。

≪需要旺盛の中での激震≫

米国および我が国で自然災害に見舞われて、自動車用はじめ半導体逼迫の度合いに輪がかかる現時点である。

◇Chip plants halt work due to Texas storm and Japan earthquake (2月19日付け FierceElectronics)
→母なる自然がすでに自動車用半導体では重大に低下している半導体生産に大きな打撃を与えており、ここ何日でのTexasでの猛烈な冬の嵐および日本の海岸地域での強力な地震で何百人もの死者あるいは負傷者の旨。

メキシコの米国との国境にも影響が及んでいる。

◇Server supply from North America disrupted by cold weather-Sources: Cold weather disrupts server supply chain (2月22日付け DIGITIMES)
→上流サーバsupply chain筋が特に言及、TexasおよびMexico北部での最近の寒冷な天候でサーバsupply chainに問題があらわれているが、メーカー各社は来月出荷を取り戻す見込みの旨。Foxconn Technology Group, InventecおよびWistronの子会社、Wiwynnが、Mexicoの国境の街、Juarezにサーバ工場がある旨。

米国から半導体生産増強を託された台湾の経済担当大臣は、"やるべきことをやっている"との応答である。

◇Taiwan says receives U.S. letter on auto chips, firms are doing what they should-Taiwan "helping as much as we can," says minister about chip shortage (2月19日付け Reuters)
→台湾のEconomy Minister、Wang Mei-hua(王美花)氏が土曜20日、White Houseから自動車用半導体のグローバルな不足についての手紙を受け取り、台湾の半導体各社は該問題への対応で"やるべきことをやっている"旨。

この半導体不足の影響はどうか、いつ収まると見るか、関係各社、立場によりそれぞれさまざまな見方が、以下の通り続いている。

◇Foxconn chairman says expects 'limited impact' from chip shortage on clients-Foxconn chairman: Chip shortages won't have customer impact (2月20日付け Reuters)
→Apple社向けサプライヤ、Foxconnのchairman、Liu Young-way氏が土曜20日、同社およびそのclientsがグローバルな車載および半導体業界を混乱させている半導体の不足から直面する"インパクトは限定的"と見ている旨。

◇ON Semiconductor CEO expects auto chip backlog to end by third quarter-ON Semi CEO: Auto chip shortage will end by Q3 (2月22日付け CNBC)
→ON SemiconductorのCEO、Hassane El-Khoury氏が、車載用コンポーネントの世界的不足は今年第三四半期までに、あるいは明確に2021年後半の間に鎮まる、と見込む旨。「非常に力強い受注となって追いつけていないが、我々にはcapacityはある。」と、インタビューでEl-Khoury氏。

◇Automotive chip shortage may last all year-IHS Markit: Auto chip shortage might go to end of 2021 (2月24日付け Electronics360)
→IHS Markitのsenior principal analyst for automotive、Phil Amsrud氏。自動車業界が難局にあり、継続する半導体の不足に直面、OEMsが生産の一時停止および財務&数量の更新を余儀なくされて、2021年全体に及ぶ問題となる可能性の旨。該自動車での不足の根本原因はCOVID-19 pandemicによるもので、世界を混乱させている旨。消費者およびworkersが在宅にならざるを得ないだけでなく、数多くの会社に生産を一時的に減らしたり止めさせている旨。

◇Chip Shortages to Persist For at Least Another Year: Analysts-Demand exceeds supply by 30% (2月24日付け Tom's Hardware)
→半導体業界は、需要の急増への対応となると、名うての鈍さがある旨。あるアナリストは半導体需要が現在供給を約30%越えるとしており、供給が需要に追いつくのに3-4四半期かかる旨。事実上、半導体不足が2022年にかなり食い込むことになる旨。

◇Infineon hopes for chip tightness to ease in second half of 2021 -Infineon sees chip shortages easing during second half (2月25日付け Reuters)
→Infineon Technologiesは、microchipsの現状の不足は今年が終わる前に上手くいくとしている旨。「現状の受注状況は非常に張り詰めている。」と、同社のchief marketing officer(CMO)、Helmut Gassel氏が同社年次総会にて株主に対し。

現状分析、そして不足対応の難しさについての評論である。

◇Chip shortage: Tech pros talk supply chains, semiconductor design, and short-term expectations-What is causing the chip shortages? What comes next? (2月24日付け TechRepublic)
→半導体生産には、COVID-19 pandemicの2年目において新しい活力を与える必要があり、hyperscaleデータセンターサーバおよびwork-from-home/learn-from-home electronicsに入る半導体需要が牽引されている旨。microchipの不足が自動車製造および他の製品に影響を与えていることで、supply chain問題が顕わになっている旨。

◇Chipmakers Are Ramping Up Production to Address Semiconductor Shortage. Here's Why that Takes Time (2月26日付け SIA Blog)
→現下のグローバルな半導体不足の間の需要増加に対応、半導体業界は実質的にfab capacity稼働率を高めている旨。しかしながら、半導体capacity稼働率を高めるのは時間がかかる旨。"スイッチを入れる"および夜を徹して半導体outputを高めるほど容易ではない旨。

Samsungは、ファウンドリー対応が手一杯で、半導体製造を他社に委託する検討である。

◇Samsung Elec mulls outsourcing chipmaking as it runs out of space at foundry-Report: Samsung to outsource some chips to GlobalFoundries, UMC (2月26日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→Samsung Electronics Co.が、爆発的な需要から自身のファウンドリーが手一杯になって、汎用computer半導体のいくつかの台湾・UMCおよびCaliforniaのGlobalFoundariesへの委託を増やす可能性の旨。

このような半導体の不足を受けて、米国では国内での半導体製造を強化する気運、そして政府への働きかけが高まっている。まずは、中国発の記事から。

◇US-China tech war: calls for Biden to fund US semiconductors grow louder in Washington (2月21日付け South China Morning Post)
→北京の制裁リストに載っている対中国強硬論者、米国共和党上院議員、Tom Cotton氏が、中国とのハイテク戦争に勝利するより広範な活動の一環、米国の半導体製造業界への米国政府の支持を主張する業界団体およびthink tanksの間の公開討論に参加の旨。

半導体製造装置メーカーの業績の読みにも盛り込まれている。

◇Applied Materials Sees Rising Demand as US Eyes Subsidies for Chip Fabs-Applied Materials expects rising demand for IC gear -The Santa Clara, California-based giant said it expects the market for its advanced chip-making tools to grow to about $70 billion this year, giving it a big boost amid a global shortage of semiconductors. (2月22日付け Electronic Design)
→Applied Materials(Santa Clara, California)発。世界中でのcapacity拡大で、半導体製造装置の業界需要が牽引され、今四半期販売高が約$5.39 billionと前年同期の$3.96 billionに対して増加を予測の旨。またこの流れを支えているのは、Biden政権の米国におけるウェーハfab拠点を増やす推進にある旨。

Biden大統領の半導体supply chainの弾力性を高める手段を講じる大統領令署名に向けて、米国議会でも緊急出資を図る動きである。

◇Biden, Schumer push relief for chip shortage-Schumer pushes emergency funding for domestic chipmaking amid auto chip shortage (2月23日付け FierceElectronics)
→Biden大統領が水曜24日、半導体supply chain救済に重点化した大統領令に署名、議会は長期的国内製造を改善する新しい法制化の備えの旨。なかなか収まらない半導体不足を米国経済および国家安全における"危険な弱点"と呼んで、米国上院院内総務、Chuck Schumer氏(D-New York)が火曜23日、米国半導体outputを補強する緊急出資を求めた旨。

◇Growing computer-chip shortage alarms Biden and Congress-White House schedules meeting for Wednesday to confront issue, which has forced automakers and other manufacturers to trim production (2月23日付け The Washington Post)

SIAが、議会のこの動きを称賛している。

◇SIA Applauds Sen. Schumer Announcement on Promoting U.S. Competitiveness (2月23日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、米国の競争力強化についてのSchumer上院議員の発表を支持、president and CEO、John Neuffer氏ステートメントをリリースの旨。

そして、2月24日にBiden大統領の本件大統領令署名に至り、業界各紙の取り上げが関連含め以下の通り続いている。

◇Biden says Congress needs $37 billion to address short term chip needs--update (2月24日付け FierceElectronics)
→Biden大統領が水曜24日、半導体supply chainの弾力性を高める手段を講じる大統領令に署名、また、議会は半導体供給のニーズに短期的に応えるのに$37 billionを必要とする、とremarksの終わり近くで簡潔に触れている旨。

◇Biden to press for $37 billion to boost chip manufacturing amid shortfall-Biden administration seeks $37B for more US wafer fabs (2月24日付け Reuters)
→Biden政権が、米国におけるより多くのウェーハfab拠点の建設および装備を可能にするために、議会からの $37 billionの出資を要求の旨。「半導体の不足に向けた解決策同定に向けて、私の政権のsenior officialsを業界リーダーと協働するよう仕向けている。」とJoe Biden大統領。

◇Biden signs executive order to address chip shortage through a review to strengthen supply chains (2月24日付け CNBC)
→*Joe Biden大統領が水曜24日、医療用品から電気自動車に及ぶ業界にインパクトを与えているグローバルな半導体の不足に対応する大統領令に署名の旨。
 *この動きは、該不足がもたらす結果について警告する議会の超党派メンバーおよび業界リーダーからの呼びかけに従っている旨。
 *Covid pandemicにより、半導体製造など多くの領域での米国の海外supply chainsへの依存に纏わる問題が浮き彫りになっている旨。

◇Biden rushes to address global computer chip shortage via latest executive order-Biden plans executive order for auto chip shortages (2月24日付け Reuters)
→Joe Biden大統領が、自動車などの応用向けmicrochipsの世界的不足の救済に向けて設計されたいくつかの活動を始動させる大統領令に署名の旨。White Houseは該問題を議論する議会メンバーとのmeetingを主催、上院院内総務、Chuck Schumer氏(D-New York)は、米国におけるウェーハfab拠点の不足が"我々の経済および国家安全における危険な弱点"となる、としている旨。

SIAのchairmanが歓迎のステートメントである。

◇Semiconductor Industry Welcomes President Biden's Executive Order on Critical Supply Chains (2月24日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、半導体など重要製品のsupply chainsの見直しを求めるBiden大統領の大統領令に関して、Qorvoのpresident, CEO & directorで2021 SIA board chairであるBob Bruggeworth氏からの歓迎するステートメントをリリースの旨。

◇米、同盟国と供給網整備、半導体・EV電池で中国に対抗 (2月24日付け 日経 電子版 05:37)
→バイデン米政権は半導体や電池など重要部材のサプライチェーン(供給網)づくりで同盟国や地域と連携する旨。関連の動きを加速させる大統領令に月内にも署名する旨。日本などアジア各国・地域との協力を念頭に、安定して調達できる体制を整備する旨。対立する中国に依存する供給網からの脱却を目指す旨。

◇Executive Order Paves Way for $37bn to Boost U.S. Chip Capacity (2月25日付け EE Times)
→米国大統領の大統領令は、短期的半導体capacity不足への対応に$37 billionの追加投資を期待の旨。

◇米、供給網100日以内に見直し、半導体などで大統領令 (2月25日付け 日経 電子版 10:24)
→バイデン米大統領は24日、重要部材のサプライチェーン(供給網)を見直す大統領令に署名した旨。半導体や電池など重点4品目で安定した調達体制を整える旨。有力企業を抱える同盟国や地域と連携して、中国依存からの脱却を目指す旨。

◇米、半導体供給網を見直し、バイデン氏が大統領令署名へ (2月25日付け 日経 電子版 05:24)
→バイデン米大統領は24日、半導体など重要部材のサプライチェーン(供給網)を見直す大統領令に署名する旨。アジアなどの同盟国や地域と連携して、中国に依存しない調達体制をつくるよう指示する旨。ハイテクや軍事で激しく競う中国に対抗する旨。バイデン氏は24日午後(日本時間25日午前)、ホワイトハウスで与野党議員と供給網に関して協議した後、大統領令に署名する旨。大統領令は
  (1)半導体
  (2)電気自動車(EV)などに使う高容量電池
  (3)医薬品
  (4)レアアース(希土類)を含む重要鉱物
の重点4品目の供給網を100日以内に見直すよう求める旨。防衛やITなど6分野は1年以内に戦略をまとめる旨。

◇Chip Sales Remain Strong in Challenging Year (2月25日付け EE Times)
→Semiconductor Industry Association(SIA)のpresident and CEO、John Neuffer氏記事。半導体販売高はこの挑戦の年に依然力強いが、SIAは連邦製造&リサーチ投資が決定的なopportunityになると信じる旨。

100日以内の具体策打ち出しに向けて、我が国やオーストラリアなど同盟国との連携も謳われている。

◇米が基幹産業で脱中国、半導体など、同盟国と連携模索 (2月26日付け 日経 電子版 05:44)
→バイデン米政権が基幹産業を支える重要部材のサプライチェーン(供給網)見直しに乗り出した旨。半導体やレアアースなど4品目で中国に依存しない調達体制を築く旨。100日以内に具体策を打ち出す構えで、日豪など同盟国の企業との連携も模索する旨。電池のように中国が高い競争力を持つ分野もあり、実効性には課題も残る旨。

一方、半導体生産の当面の増強を託される台湾であるが、昨年夏からの雨量不足からTSMCはじめ水の調達、購入を迫られる事態が浮き彫りになってきており、以下の状況である。

◇TSMC buying trucked-in water in preparation for supply shortages-TSMC buys water by the truckload for its Taiwan foundries (2月23日付け Focus Taiwan)
→TSMCが火曜23日、台湾の同社ファウンドリーのいくつかに向けてtruckloadにより水の購入を開始、台湾各地の給水所が数ヶ月の降水不足に伴う水位低下に直面の旨。世界最大のcontract半導体メーカーの同社は現在、Hsinchu(新竹), Tainan(台南)およびTaichung(台中)など台湾のいくつかの拠点で稼働、この水の購入は供給不足の場合へのより良い備えのための旨。

◇Global chip supply to be hit, chipmakers in drought-hit Taiwan face water crisis (2月24日付け Live Mint)
→干ばつのために、Appleなど大手向けグローバルハイテクsupply chainのkey hub、台湾が木曜25日、主要science parksが位置する中部および南部の都市にある工場向けの水の供給のさらなる削減を始める旨。

◇Taiwan's chip industry under threat as drought turns critical-TSMC and UMC activate water-supply plans as reservoirs face depletion in 60 days (2月25日付け Nikkei Asia)

◇TSMCで水不足深刻、天候不順、半導体製造に課題 (2月25日付け 日経)
→半導体の製造工程で大量に使う水の不足問題が深刻化しつつある旨。昨夏からの雨不足が原因で、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、工場に給水車を使って水を供給し、製造を行う緊急対策を始めたことが、24日分かった旨。半導体不足が深刻化するなか、新たな課題が浮上してきた形。

米国、そして台湾はじめグローバル半導体supply chainを揺るがす動きに、当面目が離せないところである。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□2月22日(月)

半導体活況の台湾において、本年のGDP成長率が上方修正されている。

◇台湾、2021年成長率4.6%に上方修正 (日経)
→台湾の行政院(内閣)は20日、2021年の実質域内総生産(GDP)成長率が前年比で4.64%増加するとの見通しを発表、2020年11月時点の従来予想(3.83%増)から大幅に上方修正した旨。半導体を中心に輸出が特に好調で、設備投資や民間消費も伸びるとした旨。

□2月23日(火)

米国株式市場は、過去最高値を上回る上げから後半下げに転じる今週の動きである。

◇NYダウ、最高値上回って推移、経済対策の成立期待で (日経 電子版 05:18)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は上昇に転じ、15時現在は前週末比143ドル14セント高の3万1637ドル46セントと17日に付けた過去最高値を上回っている旨。米長期金利の上昇を嫌気する形で売りが先行したが、売り一巡後は米国の追加経済対策の成立や経済活動の正常化を期待した買いが優勢となった旨。

□2月24日(水)

◇NYダウ小幅高、金融緩和観測が支え、ナスダックは下落 (日経 電子版 05:18)
→23日の米ダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、15時現在は前日比6ドル53セント高の3万1528ドル22セントで推移している旨。米長期金利の上昇を警戒し、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に売りが広がった旨。ただ、23日に議会証言に臨んだ米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が金融緩和の継続姿勢を示すと、過度な懸念が和らいだ旨。

□2月25日(木)

◇NYダウ小反落で始まる、金利上昇、ハイテク株に売り (日経 電子版 00:07)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落して始まり、午前9時55分時点は前日比26ドル30セント安の3万1511ドル05セントで推移している旨。長期金利上昇を受けてハイテク株などに売りが出る一方、米国で新型コロナワクチンの普及が加速し経済活動の正常化を後押しするとの見方が相場を支えている旨。

ドイツの製造業が急回復しているが、中国向け輸出が引っ張っているとのこと。

◇ドイツ、製造業が急回復、ロックダウン下で2年ぶり水準、車・機械、中国需要牽引 (日経)
→ロックダウン(都市封鎖)が続くドイツで、製造業の回復が急速に進んでいる旨。自動車生産は新型コロナウイルス危機前の水準をほぼ回復し、景況感は2年3カ月ぶりの水準にまで上昇した旨。景気回復で先行する中国への輸出が牽引役。低迷が続く非製造業との二極化が加速し、財政・金融政策の難易度が増す可能性もある旨。

□2月26日(金)

Biden大統領から米通商代表部(USTR)代表に指名されているKatherine Tai氏が、通商は二の次ではないと、中国に約束履行を迫るスタンスをあらわしている。

◇USTR代表候補、第1段階合意「中国は約束履行を」 (日経 電子版 08:03)
→バイデン米大統領が米通商代表部(USTR)代表に指名した弁護士のキャサリン・タイ(Katherine Tai)氏は25日、上院財政委員会の承認公聴会に臨んだ旨。米中が結んだ「第1段階の合意」を巡り、「中国は約束を守る必要がある」と述べ、対米輸入拡大など合意事項の履行を求めた旨。

◇Trade won't be on 'back burner' for Biden, USTR pick Tai tells Senate-U.S. Trade Representative nominee Katherine Tai used the hearing to respond to those concerned of a trade policy pause. (Politico)

一方、米国の制裁を受けているHuaweiの米国ブランチからは、Biden政権と話したいとの声が聞かれている。

◇Huawei calls for talks with Biden administration on trade ban-Huawei wants to talk with the new US administration -Supply chain access is Chinese tech titan's 'priority,' says US-based vice president (Nikkei Asian Review (Japan))
→NikkeiAsia発。Huawei TechnologiesはTrump政権の通商の標的になった一方、追い詰められた同社はJoe Biden大統領のofficialsと話したいとしている旨。「我々は中国政府とは別に米国政権と議論を持ちたい。」と、Huawei Technologies USAのvice president of risk management and partner relations、Tim Danks氏。

□2月27日(土)

◇NYダウ250ドル超安で推移、ヘッジファンドなどが売り (日経 電子版 05:26)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落、15時現在は前日比269ドル95セント安の3万1132ドル06セントで推移している旨。今週に入ってからの相場下落を受けてヘッジファンドなどが損失限定目的の売りを出しているとの観測がある旨。一方、米長期金利の上昇が一服し、足元で売りが目立っていた高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入り、相場を支えている旨。


≪市場実態PickUp≫

【北米半導体装置メーカーbillings】
SEMIから毎月発表される北米半導体装置メーカーの世界billingsデータがこのほどあらわされて、この1月は初めて$3 billionの大台を越えている。米国国内の半導体製造を高める気運がここにも具体的にあらわされている形である。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts January 2021 Billings, Topping $3 Billion for First Time (2月22日付け SEMI)
→SEMIのJanuary Equipment Market Data Subscription (EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2021年1月の世界billingsが$3.04 billion(3ヶ月平均ベース)、初めて$3 billion台到達の旨。該billings figureは、前月、2020年12月billings、$2.68 billionを13.4%、前年同月、2020年1月のbillings、$2.34 billionを29.9%上回った旨。
「北米半導体装置メーカーの1月billingsは、業界史上最高の月次水準を示して、絶好調の今年のスタートとなった。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。「digital transformation(DX)の加速化が、半導体装置に向けた力強い持続的需要を焚きつけている。」

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
August 2020
$2,653.3
32.5%
September 2020
$2,743.3
40.0%
October 2020
$2,648.2
27.3%
November 2020
$2,611.6
23.1%
December 2020 (final)
$2,680.8
7.6%
January 2021 (prelim)
$3,040.2
29.9%
 [Source: SEMI (www.semi.org), February 2021]


◇Semi equipment growth up 30% in January for N. America manufacturers (2月23日付け FierceElectronics)

◇Semiconductor equipment billings hit record high in January 2021-SEMI: January equipment billings exceed $3B, a record (2月23日付け DIGITIMES)

【ウェーハcapacityランキング】

300-mm、200-mmおよび≦150-mmのウェーハ寸法についてグローバルなウェーハcapacityランキングが、IC Insightsによりあらわされている。300-mmのトップはSamsung、200-mmはTSMCであり、TSMCはすべてでトップ10入りなど、以下の概要である。

◇TSMC Ranks in Top-10 For Capacity in Three Wafer Size Categories-New Global Wafer Capacity report shows top-10 installed capacity leaders in three different wafer size categories. (2月24日付け IC Insights)
→3つのウェーハ寸法カテゴリーcapacityについて、すべてでTSMCがトップ10入りの旨。
       300-mm   200-mm   ≦150-mm
 TSMC     2位     1位     10位

◇Capacity leaders in each wafer size-IC Insights: Memories, foundries lead in 300mm capacity (2月25日付け Electronics Weekly (UK))
→驚くには当たらないが、300-mm capacityランキングの顔ぶれ:
 DRAMおよびNANDフラッシュメモリサプライヤ
 …Samsung, Micron, SK Hynix, およびKioxia/WD
 世界専業ファウンドリー最大手
 …TSMC, GlobalFoundries, UMC, およびPowerchip(Nexchipを含む)
 世界最大のmicroprocessors(MPUs)メーカー
 …Intel

【材料関係】

銅箔について2点。韓国国内産がSamsungの先端IC実装で使用、そして台湾での価格上昇についてである。

◇Samsung Electronics gets first homemade ultrathin copper foils-Iljin supplies ultrathin copper foils to Samsung (2月23日付け The Korea Herald (Seoul))
→Iljin Materials(Mapo-gu[麻浦区], Seoul)が、韓国製超薄銅箔を出荷、Samsung Electronicsが先端IC実装で用いる旨。「該製品の現地化により、我々の銅箔の品質がSamsung Electronicsにより認証されている。」と、Iljin MaterialsのCEO、Yang Jeom-sik氏。

◇CCL prices may rise further later in 1H21-Sources: CCL manufacturers plan to raise prices (2月24日付け DIGITIMES)
→業界筋発。銅箔価格上昇で、台湾のCCL(Copper Clad Laminate:銅張積層板)メーカーが今年前半の後の方で価格見積もりのさらに引き上げを急がされる様相の旨。

もう1つ、Appleから今後全製品をリサイクル材だけを使って生産していくという構想の表明である。

◇Apple、全製品をリサイクル材生産、株主総会で構想表明 (2月24日付け 日経 電子版 06:39)
→米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は23日、オンラインで開いた年次株主総会で将来的にすべての製品をリサイクル材だけを使って生産する構想を示した旨。素材の採掘や精錬などに伴う温暖化ガスの排出を抑えるとともに、発展途上国の鉱山における児童労働問題にも対処する狙いとみられる旨。

【Nvidiaの四半期業績】

ゲームとデータセンター向け半導体が引っ張って、Nvidiaの2020年11月〜21年1月期業績が、初めて$5 billionを上回る売上高、2四半期連続の過去最高と好調である。当面の増勢継続が予想されている。

◇Nvidia made $5 billion during a GPU shortage and expects to do it again in Q1-Nvidia posts quarterly revenue of $5B amid GPU shortage -It hasn't changed its outlook on GPU availability (2月24日付け The Verge)
→Nvidiaの2021年第四四半期業績は、同社のGPUs供給が非常に低いにも拘らず、損なわれていない様相。実際、売上げが最高となる$5 billionを記録、前年同期比61%増。さらに印象的、Nvidiaは2022年第一四半期の売上げもさらに$5 billionを見込んでいる旨。

◇米半導体NVIDIA、純利益53%増、11〜1月期、ゲーム好調 (2月25日付け 日経 電子版 07:15)
→米エヌビディアが24日発表した2020年11月〜21年1月期決算は、売上高が前年同期比61%増の$5.003 billion(約5300億円)。二本柱である、ゲームとデータセンター向け半導体をともに伸ばし、初めて$5 billionを上回った旨。純利益は同53%増の$1.457 billion、2四半期連続で過去最高となった旨。2021年2〜4月期は$5.3 billion前後の売り上げを予想する旨。

◇NVIDIA、売り上げ最高も、もろ刃の仮想通貨ブーム (2月25日付け 日経 電子版 12:05)
→米半導体大手のエヌビディアの好業績が目立っている旨。24日に発表した2020年11月〜21年1月期の売上高は、ゲーム向けが牽引して前年同期比61%増えた旨。なかには暗号資産(仮想通貨)を得るためにゲーム用半導体を購入した人もいる旨。過去の仮想通貨ブームの反動で痛い目にあった同社は対策に乗り出した旨。

【SEMICON West 2021】

気づくのに遅れたが、通常7月開催のSEMICON Westが、今年はDesign Automation Conference(DAC)とともに12月開催になるとのこと。コロナ禍が晴れて来年こそface-to-faceの元通りにとの切なる声があらわされている。

◇SEMICON West Rescheduled to December 2021 for Inaugural Colocation with Design Automation Conference (2月16日付け SEMI)
→SEMICON West 2021とDesign Automation Conference(DAC)が、ライブ展示&会議に戻れるようSan FranciscoのMoscone Centerにて初のcolocation開催に、次の通り計画変更の旨。
 SEMICON West 2021 12月7-9日 Moscone North and South
 第58回DAC     12月5-9日 Moscone West

◇Holy San Francisco Batman, SEMICON West 2021 will be held in December! (2月25日付け 3D InCites)
→SEMIが先週、SEMICON West 2021はlive conferenceおよびvirtual viewsが可能なhybrid affairになると発表、2021年12月7-9日開催。通常の7月の展示会はキャンセルされるが、SEMI AmericaのPresident、Dave Anderson氏によると2022年7月に再開される旨。同氏はlive展示会に向けた理由の1つとして、「社会および世界を支える課題&機会共有を探求するコラボ改善の手段として、この共催はみんなが再開を望む業界横断、face-to-face interactionsを通して革新をより早める新たな根底となる。」


≪グローバル雑学王−660≫

GAFAはじめ注目する11社がつくる3つのメガトレンドの3つ目、「データを制するものが未来を制す」について、

『2025年を制覇する破壊的企業』
 (山本 康正:SB新書 525) …2020年11月15日 初版第1刷発行

より迫っていく。2025年の近未来、データは新しい時代の石油として、まずは取った者勝ち、手間がかからず湧いて出てくることで、その活用如何が成否を決する状況が随所にあらわされている。データは個人、個々のものだが、そこはGive and Take承認で通用している現状であり、早く分かる便利さには変え難し、と納得せざるを得ないところもある。あれこれ問題意識を持たされながらも疾風のごとく突き進んで広がっていく展開であり、それに流されないよう、自分の本当に大事なものはちゃんと確保しておかなければ、という意識も強まっている。


第1部 2025年はどうなっているか

第4章 11社がつくるメガトレンド(3)
  データを制するものが未来を制す

◆データは「情報のバランス」を取るもの
・データがまだまだ活用されていない現代
 →情報の非対称性、不均等による無駄が多くなっている
・情報の非対称性による市場を経済学用語でレモン市場
 →データが活用されていない市場やビジネスでは、レモン市場になりがち
・度々紹介してきたレコメンデーションも、まさにデータを活用した未来の姿
 →あらゆるデータを包括的に取得・共有することで、ますます精度が高まっていく
  →ユーザにとってベストな情報が得られ、売り手にとっても無駄なく最短で商品やサービスが提供できる

◆アップル vs グーグルのデータ戦争
・10年ほど前から、データは新しい時代の石油と言われるように
 →まず取った者勝ちである、ということ
 →一定期間は手間がかからず湧いて出てくる
・データの価値が分かっている企業
 →データの取得ならびに囲い込みに躍起
・中でも2大巨頭は携帯電話のOSを握るAppleとGoogle
 →多くのデータは検索を介して流れていくから、Googleが得ているデータ量は、圧倒的
 →一方で、Appleも虎視眈々と施策を打ち出し
  →データを取得している先は、iPhoneが主
・Googleは検索、バナー、動画などのオンライン広告に活用
 →Appleは得たデータを広告に利用せず、iPhoneへの囲い込みのために使っている
・ボリュームではGoogleが圧倒的だが、質においてはAppleが有利
 →iPhoneの購買層は所得が高い傾向に
 →Appleはハイブランドな層をiPhoneに囲い込むことが、当面の戦略と見る
・AmazonやFacebookなど、vertical researchという施策に注力
 →直接自社のアプリに来てもらい、その中で検索をしてもらう
・Appleが打つ対抗策、2020年9月にiPhoneの最近OS、iOS14に搭載、「App Clips」
 →いわゆるミニアプリ。企業ごとに出しているアプリの機能をダウンロードすることなく、iPhone上で利用できる
 →App Clipsでアプリをまずは試してもらい、その上で気に入ったらダウンロードしてもらう
・別の視点で戦っている企業、Netflix
 →注視しているのは、ゲーム会社
・Google、Appleに限らず、データの取得戦争はこれからますます過熱していく

◆ハードは体験を届ける1つの手段でしかない
・Apple Watchだけでなく、AirPodsなど、人が常に身につけているようなデバイスを、Appleは意識して世に送り出している
 →Appleのハードは、極端な言い方をすると、良い体験を届け、データを取得するための手段でしか
・これから先の未来では、どこで収益を得るのかが分かりづらくなる
 →どこで利益を得るのかはあまり関係がなくなってくる
・日本でも、気になる、食べてみたい料理の写真をクリックすると、その店の予約サイトにつながるサービス
・Facebookはユーザの動向をデータとして取得しつつ、お店から紹介料ももらう
・本業以外でのデータのビジネスでの活用
 →eコマースか広告(リコメンデーションを含める)

◆データの権利は誰が握るか?
・「データは誰のものか」という論争
 →Googleが検索で得た膨大なデータは、匿名化されてGoogleのものとして活用
・精度が高い情報で広告が必要な場合はGoogleにお金を支払う
 →これが、今のデータの権利に関する構図
・ヨーロッパなどでは「データは私たちのもの」的な運動が度々起こっている、これに対して:
 →いま私たちが使っている便利なツールの多くが無料なのは、Googleが持つデータを活用しているから
・データを提供すれば、商品やサービスを安く受けられる世界
 →たとえばAmazon Go

◆旅館の女将が出す茶菓子が変わる
・データを活用することで、本業もカスタマイズしていく
 →大きいのは、サービスの部分
 →サービスを利用者個人により最適化
・大手スーパーチェーン、Walmartで実際にあったエピソード
 →以前からビールとおむつがセットで売れるとの情報
 →子どもが生まれたばかりの父親が、母親におむつの購入を頼まれ、スーパーを訪れて、その際に、自分が飲むためのビールも購入
・データの活用でよく例に挙がるのが、冷蔵庫
 →これからは何が入っているかを分析、もう少しでなくなる食材が分かれば、自動で注文するなどの進化
 →冷蔵庫内の食材の属性から、健康状態なども分析
 →未来の冷蔵庫は、食を基点として広がるさまざまなサービスを提供するための、重要なデータソースに
・おもてなしのさじ加減
 →かなり早い段階からデータがあれば、最適なバランスで行うことができる
 →データの持つ力

◆1分ごとに変化する航空券の値段
・時間や期間によって値段が変わる、ダイナミックプライシングという仕組み
 →データの活用により、航空券では1分ごとに、Amazonに関しては秒単位で変化
・eコマースでは、すでに導入しているスーパーもある、電子タグ
 →時間帯による値引き
 →買い手によっても値段を変える可能性
  →ライフタイムバリュー
   …長いスパンから見た値付け
  →いま買うとこの先1年間買い続けることが、データから分かっているとしたら、赤字覚悟の金額で販売してもよいことに

◆スマートウォッチで行動がバレる
・未来の世界ではありとあらゆるデバイスがインターネットとつながり、次々とデータを吸い上げていく
 →見えるようになってくる人の行動
・二酸化炭素の濃度で人数や状況を把握し、不審者の侵入を防ぐようなセキュリティシステムも
・データの取得は常にある
 →そのデータを提供するかどうかは、本人が選択できるような未来

◆100万車のデータに基づく「テスラ保険」
・Teslaもデータを大いに活用している企業の1つ
 →大胆なデータの取り方
 →搭載のカメラやセンサからデータを取得、より良い車両やサービスの開発に活用
・自動運転に関する試験ならびにアップデートで、100万台のデータが活躍
 →より良いソフトウェアにするために、自らのアセットを活かしている
・日本の自動車メーカーがTeslaに追いつけないのは、明白
 →両者には、データ量で圧倒的な差
 →Teslaは最初から電気自動車、データを獲得するためのプラットフォームを用意
・Teslaは得た膨大なデータを元に、自動車保険まで
 →一般的な自動車保険と比べ、同様の保障内容で20-30%安い

◆証券はレコメンデーションされる
・証券業界もデータの活用により、大きく様変わり
 →株や投資信託などのレコメンデーションサービス
・購買取引などのデータを、Robinhoodは積極的に活用
 →利用者が好みそうなそれでいて値上がりしそうな商品を、レコメンデーション
 →スマートフォンを活用、ゲーム感覚で楽しく提供
・Robinhoodが業界で台風の目になっている要因2点
 →スマートフォンで完結する従来にない画期的なシステムを提供
 →データを活用したレコメンデーションサービス提供
・VC(ベンチャーキャピタル)の存在も1つの要因
 →数百億円というお金が、アメリカにおいては1000億円を超える資金が、アイデアさえ優れていれば手に入る時代に

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