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米国規制下のAppleの新型iPhone発表、スマホ&半導体市場への波紋

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新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜16日お昼前時点、世界全体で3870万人を超え、1週間前から約250万人増加と勢いが増している。感染再拡大が目立つ欧州は10月15日、地域別でも過去最多となる12万7770人の感染者が見つかっている。地域別では中南米が最も多く、アジア、北米、そして欧州と続いている。この9月、新型の「Apple Watch」と「iPad」などを発表したAppleが、米国西部時間13日午前からのオンライン特別イベントで「5G」に初めて対応する「iPhone」を発表、これで5G対応スマホの各社揃い踏みとなっている。時あたかも米国のHuawei、SMICなど対中輸出規制の影響が渦巻く中、スマホおよび半導体市場にさまざまな波紋が投げかけられている。

≪激動の兆しの業界鳥瞰図≫

2012年の「iPhone 5」から毎年9月に最新「iPhone」が発表されてきているが、今年は9月イベントでは打ち上げられず、続くこの10月13日のイベント発表が注目されたところである。以下、事前の関連記事である。

◇Global 5G Smartphone Sales Will Hit 250 Million in 2020 (10月9日付け EE Times India)
→Strategy Analyticsの最新調査。2020年のグローバル5Gスマートフォン販売が、1,300%増の250 million台に急増、Apple iPhone, Huawei, およびSamsungが該市場を今年引っ張っている旨。「グローバル5Gスマートフォンが、2019年の18 million台から2020年は1,300%増の250 million台と予測、5Gカテゴリーは今日および向こう10年のスマートフォンの伸びの主エンジンである。」と、Strategy AnalyticsのAssociate Director、Ville-Petteri Ukonaho氏。

◇5Gスマホそろい踏みへ、Apple、新型iPhone発表か (10月11日付け 日経 電子版 05:08)
→米アップルが米西部時間13日午前10時(日本時間14日午前2時)からオンラインで特別イベントを開く旨。高速通信規格「5G」に初めて対応する「iPhone」を発表するとみられている旨。韓国サムスン電子などのライバルに出遅れること約1年半。高いブランド力を持つ本命の登場で、5Gスマホの普及が一気に進みそうな旨。

9月発表の「iPad」そしてこのほど発表見込みの新型「iPhone」に搭載の新しいA14 BionicモバイルSoCが早々紹介されている。5-nmプロセス製造となっている。

◇Apple details new A14 chip and designing processors that range iPhone to Mac-Apple offers info on the A14 Bionic chip (10月12日付け 9to5Mac)
→Appleが、A14 Bionic半導体の詳細を提示、先月投入されたiPad Airモデルで用いられ、本日投入されていくiPhone 12モデルに搭載のcustomプロセッサの旨。該半導体は、11.8 billion個のトランジスタ、より高速および微細なfeaturesに向けて5-nanometerプロセスでの製造の旨。

そうして、13日のイベントが開催され、それを受けた業界各紙の取り上げが以下の通り続いていく。「5G」に初めて対応する「iPhone12」の打ち上げである。

◇Here's what could be coming down the channel at Apple's 'Hi, Speed' virtual event today (10月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→新しいiPhones, HomePodおよびAirTags、本日のAppleの'Hi, Speed' virtualイベントにて。

◇Apple enters the 5G market with new line of iPhones (10月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Apple Finally Joins The 5G Party (10月14日付け EE Times)
→1ヶ月足らずで第2ラウンドの発表、Appleが、新しいHomePod Mini smart speakerおよびiPhone 12 miniからiPhone 12 Pro Maxにわたる5G phonesの最初のlineupを投入の旨。技術レベルで分解すると、以下などが入っている旨。
 新しいintercom app
 新しいOLEDディスプレイ
 lidarセンサ
 新しいA14 BionicモバイルSoC

◇Apple、「つながる家」の中核にAIスピーカー99ドルで (10月14日付け 日経 電子版 04:01)
→米アップルは13日、人工知能(AI)スピーカーの新製品「HomePod mini(ホームポッド・ミニ)」を発表、2台以上を組み合わせて使いやすくするほか米国における価格は99ドル(約1万400円)と手ごろに設定し、「コネクテッドホーム(つながる家)」の中核機器として売り込む旨。

◇Appleが「iPhone12」発表、初の5G対応、各社出そろう (10月14日付け 日経 電子版 05:43)
→米アップルは13日、高速通信規格「5G」に初めて対応したスマートフォン「iPhone」の新機種を発表、画面サイズや背面カメラの台数が異なる4機種を用意し、10月下旬以降、世界各地で発売する旨。価格は最も低価格な機種が699ドル(約7万3千円)からとなる旨。韓国サムスン電子などが先行する中、本命のアップルが5Gスマホを投入することで競争は激しさを増しそうな旨。

◇新型iPhoneが導く5G時代、未整備インフラへの投資加速 (10月14日付け 日経 電子版 12:10)
→米アップルは13日、高速通信規格「5G」に初めて対応したスマートフォン「iPhone」の新機種を発表した旨。高速・大容量の通信が可能な5Gだが、スマホでの画期的な活用方法はなお見えず、インフラも未整備なまま。スマホ市場が低迷するなか、本命アップルの新製品投入で通信会社の投資が加速し、5G時代の到来を導くとの期待が高まっている旨。
5Gは2019年4月に米国と韓国で最初に商用化され、その後、日本でも2020年3月に携帯電話各社がサービスを始めた旨。ただ、当初の5Gスマホは日本円で10万円を超える機種が中心で、2020年1〜6月の米国のスマホ出荷台数に占める割合は10%に満たない旨。スウェーデンの通信機器大手エリクソンによると、世界の5Gの人口カバー率は2019年末で5%未満の旨。

まだ整備進行中の「5G」であり、どこまで市場浸透するか、冒頭のStrategy Analyticsの読みが参考になる。

◇iPhone12、5Gミリ波は米国のみ、最大毎秒4ギガ (10月15日付け 日経 電子版 11:57)
→米アップルは13日(現地時間)、オンライン発表会を開催し、次世代通信規格「5G」に対応した「iPhone 12」4機種を発表、発表会では高速通信可能な5G対応の意義を強調したほか、最新プロセッサーである「A14 Bionic」や新たな無線給電機能、強固なカバーガラス、カメラ機能、12 Proシリーズに搭載した高性能センサーのLiDAR(ライダー)などをアピールした旨。
5Gのうち、28ギガヘルツ帯や39ギガヘルツ帯といったミリ波帯に対応する地域は当初は米国のみ。

とはいえ、これで「5G」スマホ各社揃い踏みということで、米国の対中輸出規制の渦中、さまざまな評価そして波紋があらわれている。

まずは、Appleが強い我が国のスマホ市場である。

◇Apple優位の日本市場、5Gスマホ発表で牙城強固に (10月13日付け 日経 電子版 04:00)
→米アップルがスマートフォンの日本市場での牙城をより強固にしようとしている旨。世界では韓国サムスン電子に先行を許すが、日本はiPhoneのファンが特に多く、シェアは約5割と異例の高さ。シャープやソニーといった国内メーカーも次世代通信規格「5G」スマホを先行投入して対抗するが、アップルが5G対応の新機種を発表することで競争は激しくなりそうな旨。

今回の新型iPhoneの環境への配慮が評価されている。

◇Sustainability experts welcome Apple's move to scrap iPhone accessories, call for more action on e-waste-Apple's reduction in iPhone accessories is cheered (10月14日付け CNBC)
→Appleが今週、iPhone 12sが入る筐体には充電器およびヘッドフォンが含まれないと発表、世界中のelectronic廃棄物との軋轢で賞賛される動きの旨。「これは廃棄物を減らせるだけでなく、主要原材料の抽出、製品の製造&配達につながる上流環境インパクトを防ぐことになる。」と、University College LondonのInstitute for Sustainable Resources、Teresa Domenech氏。

米国の輸出規制に揺れる中国・Huaweiでは、低価格帯ブランドの売却が取り沙汰されている。

◇EXCLUSIVE-Huawei in talks to divest parts of Honor smartphone business, sources say-Report: Huawei may divest smartphone unit for $3.7B (10月14日付け Reuters)
→Reuters発。Huawei Technologiesが、同社Honorスマートフォン事業の$3.7 billion in cash売却についてDigital China Groupなどと交渉している旨。Huaweiは、higher-end Huawei brandスマートフォンは維持する一方、budget-conscious consumersおよび若年層向けのHonor brandを放棄の旨。

◇ファーウェイ、スマホ事業一部売却か、ロイター報道 (10月14日付け 日経 電子版 16:27)
→ロイター通信は14日、中国の華為技術(ファーウェイ)がスマートフォン事業の一部の売却を検討していると報じた旨。対象は低価格帯のブランド「HONOR(オナー)」で、売却額は最大で37億ドル(約3900億円)程度になる可能性がある旨。中国スマホ大手の小米(シャオミ)などが買収を検討中の旨。

中国のスマホメーカー、OPPOは、Huaweiがひるむ間の欧州市場狙いである。

◇中国スマホOPPO、欧州で攻勢、ファーウェイの間隙突く (10月14日付け 日経 電子版 12:15)
→中国の大手スマートフォンメーカー、OPPO(オッポ)が欧州市場で攻勢をかけている旨。海外販売を統括するアレン・ウー副社長は日本経済新聞の取材に応じ、現在3%のシェアを高め、今後3年でトッププレーヤーになる方針を示した旨。競合メーカーである華為技術(ファーウェイ)が米政府による制裁の逆風を受けるなか、オッポは急成長を目指す旨。

スマホの勢力図はどうなるか、「5G」新時代への移行は及ぼす変化に注目が集まっていく。

◇5Gで勢力図塗り替えも、アップルも対応4機種、米規制、ファーウェイ失速、スマホ首位争奪戦 (10月15日付け 日経産業)
→米アップルは米国時間13日、高速通信規格「5G」に対応した新製品「iPhone12」を発表、アップルは2007年に初代iPhoneを発売し、スマートフォン市場を開拓した旨。韓国サムスン電子との2強体制が長く続いたが、近年は中国企業が台頭する旨。栄枯盛衰の歴史を歩んだスマホ各社の勢力図が再び転換の節目を迎えている旨。
「きょうはiPhoneの新たな時代が始まる日だ」。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は13日、オンラインで開いた発表会でこう述べ、同社として初めて5Gに対応したスマホを披露した旨。

米国の制裁によるHuaweiの後退基調の中、スマホのライバルの増産の取り組みがあらわされている。

◇小米やApple、スマホ増産、ファーウェイ制裁で (10月16日付け 日経 電子版 05:01)
→スマートフォン市場で中国華為技術(ファーウェイ)が失速し始めた旨。米商務省が同社向けの半導体輸出規制を9月15日に課したことで、2020年の生産は前年比2割減となる見通し。一方で中国小米(シャオミ)などライバルは生産計画を1〜5割超上積みしシェア奪取を狙う旨。日本の部品メーカーへの発注も急増し、幅広い産業で競争環境が変わりつつある旨。

このような様変わり前夜の状況の中での中国関連の動き、論評が以下の通り見られている。

米国の制裁の中、中国・SMICの先端技術での中国顧客への対応状況である。

◇Tape-out based on SMIC's N+1 technology succeeds despite sanctions-Innosilicon tapes out design for SMIC's N+1 process (10月12日付け Global Times (China))
→one-stop intellectual property(IP)およびcustomized半導体設計に重点化する中国の会社、Innosiliconが月曜12日、中国最大の半導体メーカー、Semiconductor Manufacturing International Corp(SMIC)のFinFET N+1先端技術に基づく世界最初の半導体tape-outおよびテストを完了の旨。tape-outは、半導体設計の製造開始前の設計life cycleの最終段階の旨。

中国の半導体自立化について、2025年の目標達成はほぼないが、中国国内でのsupply chain、エコシステムの展開から活路が出てくる可能性の見方である。

◇中国、半導体自立に活路、「ムーアの法則」変質で 編集委員 小柳建彦 (10月12日付け 日経 電子版 05:30)
→米政府の輸出規制で、中国の半導体業界は窮地に追い込まれるのか――。
華為技術(ファーウェイ)や半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)などへ半導体や半導体製造装置、設計ソフトの供給を制限する措置で、世界の多くの関連企業が両社との取引を9月後半からストップした。
だが、迂回路がないとは言い切れない。中国には1000社を超える新興の半導体関連企業があるという。ファーウェイやSMICがそれらの企業によって輸入される半導体チップや設計ソフト、製造装置を買い集めれば、半導体の調達や製造設備拡充が事実上できるようになる。
・・・・・
たしかに2025年までに半導体自給率を7割に上げるという中国の国家目標の達成はほぼなくなった。しかし長期的にみると、米国による技術の「兵糧攻め」は中国の半導体産業の自立・育成をむしろ後押しする可能性がある。

一方、中国が半導体で台頭するには米国の支援が要るとの見解があらわされている。

◇China's semiconductor quest is likely to fail, leaving rapprochement with US the only way out-Opinion: China needs US help to lead in semiconductors (10月13日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→中国は、海外技術パートナーの助けがあっても自前の半導体業界の展開となると良い実績がない旨。中国の半導体メーカーは、TSMC, SamsungおよびIntelの製品と同等以上の性能の半導体を設計&製造する新しい方法を発明しなければならない旨。

IC Insightsが、今年の世界専業ファウンドリー市場での中国の比率が22%に伸びるとしている。

◇China Forecast to Represent 22% of the Foundry Market in 2020-However, market uncertainty looms as TSMC's shipments to HiSilicon ceased in mid-September (10月13日付け IC Insights)

◇China to have 22% of foundry market in 2020, says IC Insights-IC Insights: China's 2020 foundry business share to hit 22% (10月14日付け DIGITIMES)
→IC Insightsの予測。中国が、今年の世界専業ファウンドリー市場で22%を占め、10年前の5%との対比。HiSilicon Technologiesなど中国のファブレス半導体会社の役割増大が、中国における専業ファウンドリー市場を引っ張っている旨。

中国は世界最大の半導体市場、とIC China 2020での講演で強調する中国の半導体業界団体、CSIAのchairmanである。

◇China has become world's largest, fastest-growing IC market-China is the world's biggest consumer of semiconductors (10月14日付け Xinhua News Agency (China))
→今年の中国の半導体spendingが、2019年に対し15.8%増、$103.1 billionに達する見込み、とIC China 2020 expo(上海)にてエキスパート講演。
「今後、中国の半導体業界はグローバル半導体業界との協力およびcommunicationを引き続き強化、opening-upを拡大、そしてグローバル半導体業界発展の果実を共有する。」と、China Semiconductor Industry Association(CSIA)のchairman、Zhou Zixue氏。


コロナ禍のもと、いっそう収まらない状況推移に対して当面の警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□10月13日(火)

米国株式市場は、経済指標&対策の推移に敏感に反応する値動き、中3日続落の今週である。

◇NYダウ続伸し250ドル高、中国株高受け、主力ハイテクに買い (日経 電子版 05:53)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比250ドル62セント(0.9%)高の2万8837ドル52セントで終えた旨。9月2日以来の高水準。政策期待などで中国・上海株式相場が大幅に上昇し、米国株への買いにつながった旨。今週から本格化する米企業の決算内容が市場予想以上になるとの思惑から主力ハイテク株や金融株への買いが目立った旨。

中国の対米貿易の現時点、そして高圧スタンスが世界の警戒を呼ぶ変わらずの状況があらわされている。

◇中国の対米貿易黒字が最高に、7〜9月、医療品など輸出増 (日経 電子版 17:30)
→中国税関総署が13日発表した貿易統計によると、2020年7〜9月の対米貿易黒字は974億ドル(約10兆2000億円)となり、四半期ベースで過去最高となった旨。マスクなど新型コロナウイルス関連の輸出が増える一方、中国が2年間かけて2000億ドル拡大すると約束した輸入は伸び悩んでいるため。

◇中国の高圧外交、世界身構え、130カ国「最大貿易相手」-強権の中国 共存の終わり(1) (日経 電子版 05:08)
→中国が強権体制を深めている。新型コロナウイルスで混乱する他国をよそに、国内で統制を強め、周辺地域では拡張主義的な行動を止めない。政治、経済から科学技術まであらゆる分野で影響力を高める中国の挑戦とどう向き合うか。世界は選択の時を迎えた。
・・・・・
軍事力を支えるのは経済だ。中国の名目国内総生産(GDP)は2019年で米国の67%に迫る。旧ソ連は1970年代も4割どまり。中国が新型コロナを強権で封じた一方、米国は手間取る。米中がコロナ後に公表した最新の予測では2030年ごろには米中のGDPは肩を並べる。
・・・・・
世界が築いてきたルールに背を向ける中国とどう向き合うのか。貿易、医療、気候変動――。協調をつなぎ留める足がかりはどこにあるのか。日本が、世界が選択を迫られる。

□10月14日(水)

◇NYダウ5日ぶり反落157ドル安、コロナ治療巡る不透明感で (日経 電子版 05:47)
→13日の米株式相場は5営業日ぶりに反落、ダウ工業株30種平均は前日比157ドル71セント(0.5%)安の2万8679ドル81セントで終えた旨。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の臨床試験(治験)の中断が相次ぎ、投資家心理を冷やした旨。

□10月15日(木)

コロナ・インパクトの世界に及ぼす大きさが、IMFにより示されている。

◇世界の政府債務、GDPに匹敵、IMF2020年予測 (日経 電子版 05:04)
→国際通貨基金(IMF)は14日公表した報告書で、2020年の世界全体の政府債務が、世界の国内総生産(GDP、約90兆ドル)にほぼ匹敵する規模になると予測、GDP比で過去最大の98.7%となる旨。主要国は新型コロナウイルス対策として計12兆ドルの財政出動に踏み切ったが、膨らんだ債務をどう正常な水準に戻していくかがコロナ後に問われることになる旨。

1日の感染が最多更新となった欧州での緊急措置である。

◇フランス、パリなどで夜間外出禁止、大統領「感染第2波」 (日経 電子版 07:27)
→フランスのマクロン大統領は14日、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているとして、パリなどで午後9時から翌午前6時までの外出を原則禁止すると発表、経済復興を優先しようと厳しい対策に慎重だったが、重症者の増加などを背景に方針転換を迫られた旨。

◇NYダウ続落、165ドル安、追加の経済対策難航で (日経 電子版 07:33)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落、前日比165ドル81セント(0.6%)安の2万8514ドル00セントで終えた旨。追加経済対策の早期合意は困難との見方が広がり、市場心理が悪化した旨。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ハイテク株など足元で買われていた銘柄を中心に売りが優勢になった旨。

□10月16日(金)

◇NYダウ3日続落、19ドル安、経済対策への期待で下げ渋る (日経 電子版 05:33)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比19ドル80セント(0.1%)安の2万8494ドル20セントで終えた旨。新型コロナウイルスの感染急増で英仏が外出規制などを強め、投資家心理を冷やした旨。ただ、米政府の追加経済対策への期待から景気敏感株などが買い直され、ダウ平均は下げ渋った旨。

□10月17日(土)

◇NYダウ4日ぶり反発、112ドル高、小売売上高の伸び好感 (日経 電子版 06:20)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比112ドル11セント(0.4%)高の2万8606ドル31セントで終えた旨。朝方発表の9月の米小売売上高が市場予想を上回って伸び、米経済の底堅さを意識した買いが優勢となった旨。


≪市場実態PickUp≫

【TSMCの過去最高業績】

TSMCの第三四半期決算が発表され、売上高、純利益ともに四半期ベース過去最高となっている。今年全体では30%を上回る売上高の伸びと強気の読みである。Huawei駆け込み受注から「5G」に勢いづいてつながるかにかかると思われるが、以下関連の内容である。

◇TSMC expected to raise 2020 capex for high end technologies -US securities firm: TSMC to boost capex on 5nm/3nm tech (10月13日付け Focus Taiwan)
→米国brokerage発。TSMCが、先端5 nanometerおよび3nm技術の開発を高めるために2020年のcapital expenditure(capex)を上方修正する見込みの旨。

◇A bullish TSMC lifts revenue estimate as COVID transforms digital demand-TSMC predicts Q4 revenue of more than $12B (10月15日付け Reuters)
→TSMCが、第四四半期売上げについて$12.4 billion to $12.7 billion、2019年第四四半期の$10.4 billionから19%増を見込む旨。2020年年間では昨年から30%を上回る売上げを予測、coronavirus pandemicに対応するdigital transformation(DX)が大方引っ張る旨。

◇TSMCの7〜9月、売上高・純利益ともに過去最高 (10月15日付け 日経 電子版 17:10)
→台湾積体電路製造(TSMC)が15日発表した2020年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比22%増の3564億台湾ドル(約1兆3千億円)、純利益は同36%増の1373億台湾ドルと、いずれも四半期ベースで過去最高となった旨。米国による制裁強化を前に華為技術(ファーウェイ)からの駆け込み受注が膨らんだ旨。魏哲家(C.C.Wei)・最高経営責任者(CEO)は、同日開いたオンラインでの記者会見で、次世代通信規格「5G」対応のスマホ需要を中心に、今後も好調な受注環境が続くとの見通しを示した旨。そのうえで「(2020年12月期の)通期の売上高は前期比で30%の成長が見込める」と語った旨。

【シリコンウェーハ出荷】

SEMIが、年次シリコン出荷予測をあらわしており、2023年までの見通しである。メモリ半導体の活況から史上最高を記録した2018年であるが、2021年にはそれをさらに更新する読みとなっている。

◇Global Silicon Wafer Shipments on Track for 2020 Recovery and 2022 Record High, SEMI Reports (10月13日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMIの半導体業界に向けた年次シリコン出荷予測。2020年のグローバルシリコンウェーハ出荷は2.4%増、2021年は伸びが続き、2022年には史上最高の出荷に達する旨。
 ※2020年シリコン出荷予測(単位:MSI = Millions of Square Inches)
Actual Forecast
2018 2019 2020 2021 2022 2023
MSI 12,541 11,677 11,957 12,554 13,220 13,761
Annual Growth 8.0% -6.9% 2.4% 5.0% 5.3% 4.1%

◇Global Silicon Wafer Shipments on Track for Recovery and Record High (10月14日付け EE Times India)

◇Global silicon wafer shipments on track for growth-SEMI: 2020 silicon wafer shipments to rise 2.4% on year (10月15日付け DIGITIMES)

【chiplets技術】

チップを構成する微細なパーツをレゴのように組み合わせてプロセッサをつくる考え方のchiplets技術がこのところ注目されている。Intelが、米国国防総省を支援するchiplets技術を軸とする先端実装開発に取り組んでいるが、今後に向けての評論記事を取り出している。

◇Chiplets, Gum and other Things that Stick (10月8日付け EE Times)
→Qualcommおよびそのモバイル機器競争相手にとって、多くの前線で戦いがある旨。QualcommがICsに向けた最先端プロセス技術、並びに多くの多様なchiplet設計を合体させる最新実装技術の必要性を強調する事実は、新時代の半導体製品打ち上げに向けた広大な証拠の旨。

◇Protecting Chiplet Architectures With Hardware Security-Chip disaggregation means a larger attack surface, increasing the chances of a successful trojan or man-in-the-middle attack. (10月8日付け Semiconductor Engineering)
→Rambus Securityのtechnical director、Scott Best氏記事。chipletsは、半導体性能、コストおよびtime to marketを進める上で動かずにはいられない利益を与えることで、大きな牽引力を得ている旨。Moore's Lawが鈍化、より強力な半導体の構築はより大きな半導体の構築になっていく旨。しかし半導体寸法がreticle限界を押しやって、半導体の大きさの伸びはますます実用的でない旨。chipletsは、大きいmonolithic integrated circuits(ICs)をより小さなpiecesに分解して新しい道筋が得られ、system-in-package(SiP)で一緒に利用できる旨。

【ルネサスエレの設計IP採用】

ルネサスエレクトロニクスのArm IPを活用した製品開発拡充、そしてオープンソースの半導体設計IP「RISC-V(リスクファイブ)」を使った半導体デバイスの開発を始めると発表、両にらみの推進が行われている。

◇ルネサス、無償の設計IP採用 (10月13日付け 日経産業)
→ルネサスエレクトロニクスは、オープンソースの半導体設計IP「RISC-V(リスクファイブ)」を使った半導体デバイスの開発を始めると発表、リスクファイブは半導体設計IPで高いシェアを持つ英アームの対抗馬として存在感を高めている旨。ルネサスは将来の市場拡大を見据えて開発に乗り出す旨。ルネサスがリスクファイブを採用するのは初めて。台湾アンデス・テクノロジーがリスクファイブを使ってCPUのコアを設計し、ルネサスがそれを組み込んだ半導体デバイスを開発、2021年下期にサンプル出荷を始める予定。

◇ルネサスエレクトロニクス、アーム設計の半導体3割増 (10月15日付け 日経産業)
→ルネサスエレクトロニクスは英半導体設計大手のアームのIP(知的財産)を活用したマイコン製品群「RAファミリ」を拡充、処理速度が速いマイコン9種類を発売し、アームIPを採用した製品を3割増の42種類に増やす旨。対応ソフトやサービスが充実したアームIPの品ぞろえを拡充、主力のマイコン事業の拡大を狙う旨。
一方、2020年10月にはアームの対抗馬として存在感を高めているオープンソースの半導体設計IP「RISC-V(リスクファイブ)」の開発に着手すると発表。アームとリスクファイブへの対応を両にらみで進めることで、自社製品を幅広く普及させたい考え。

【米国半導体R&D強化計画】

世界の半導体業界を引っ張る米国が最先端技術R&Dの維持&強化を図る向こう10年の推進計画が、米国・SIAとSemiconductor Research Corporation(SRC)によりあらわされている。年間$3.4 billionの連邦投資が求められており、半導体技術の今後を形作る5つの"劇的な転換"がポイントである。

◇Semiconductor Industry Announces Research and Funding Priorities to Sustain U.S. Leadership in Chip Technology (10月15日付け SIA Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)とSemiconductor Research Corporation(SRC)が本日、来る“Decadal Plan for Semiconductors”のpreviewをリリース、米国半導体技術の強化およびartificial intelligence(AI), 量子computing, 先端ワイヤレス通信など新規途上技術における成長焚きつけを支える向こう10年にわたる半導体リサーチおよび出資優先順位を概説するレポートの旨。産官学リーダーが幅広く参画して開発された該Decadal Planは、半導体技術の今後を形作る5つの"劇的な転換"を同定、これら5つの領域にわたる半導体R&Dへの出資に向こう10年にわたって年間$3.4 billionの連邦投資を求めている旨。
※半導体およびICTの今後を定義づける5つの劇的な転換
 1.アナログハードウェアにおける基本的なブレイクスルーが、感じ、把握し、そして推論するよりスマートなworld-machineインタフェースに向けて必要
 2.メモリ需要の伸びがグローバルシリコン供給を上回り、根本的に新しいメモリおよびストレージソリューションに向けたopportunitiesがあらわれる
 3.いつでも使える通信が、通信capacity対データ生成速度のimbalanceに対応する新しいリサーチ方向性を必要とする
 4.ハードウェアリサーチにおけるブレイクスルーが、高度につながったシステムおよびAIにおける途上のセキュリティ課題への対応に必要
 5.computing対グローバルエネルギー生産に向けた絶えず増大するエネルギー需要が新しいリスクをつくり出しており、新しいcomputing paradigmsによりエネルギー効率を劇的に改善するopportunitiesが得られる

◇SIA and SRC publish $3.4bn plan for stimulating US semiconductor R&D-$3.4B plan for US chip R&D offered by SIA, SBC (10月16日付け Electronics Weekly (UK))
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)およびSemiconductor Research Corp.(SRC)が、Decadal Plan for Semiconductorsを披露、microchip技術における先端research and development(R&D)に$3.4 billion/年を連邦政府に求めている旨。該計画は、通信, エネルギー効率, メモリ&データストレージ, セキュリティおよびsmart sensingにおけるR&Dを強調の旨。


≪グローバル雑学王−641≫

アメリカそしてカルフォルニアの歴史から入ってシリコンバレーでの推移の事例に注目、ビジネスモデルの変遷そしていまを、

『シリコンバレーの金儲け』
 (海部 美知:講談社+α新書 831-1 C) …2020年7月20日 第1刷発行

より辿っていく期待である。著者は、以下の≪プロローグ≫の出だしにも自己紹介があるが、企業を経て、1999年にコンサルティング事業を設立、シリコンバレーに在住、米国と日本の新技術に関する戦略分析、事業開発支援、投資・提携斡旋、市場調査などを手掛ける女性である。半導体の起源、そして現在に至るかくも大規模な発展の中心舞台となったシリコンバレーであるが、いまやGAFAばかりが儲けている状況に。シリコンバレー型資本主義とは「失敗の肯定」である!、新型コロナで加速するビジネスの潮流、「日本型組織」からは2020年代の富は生まれない、と本書の帯に示してある。失われた何十年とか、長い停滞にある我が国。時代、時勢とともに変わる儲けられるための有り様は如何に?何らかの意識改革に向けて読み進めていく。


≪プロローグ≫

・私が最初にアメリカに来たのは、高校の交換留学生として東部の町で1年ほど滞在
 →43年も前のこと
・1987年、またアメリカに
 →スタンフォードで2年、ニューヨークで就職、1999年にシリコンバレーに戻ってきて、いまに至る
・最初にシリコンバレーに来た頃は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代
 →「日本から学ぼう」という空気が色濃く
・戦後の1950年あたりから50年が過ぎ、日本は長い停滞の時代に突入、いまやGAFAばかりが儲けている
・私は歴史研究が趣味、「シリコンバレーの歴女」を自称
 →子どもたちが最初に学ぶ郷土史、「カリフォルニアの歴史」
 →関連する他の歴史事項についてもネットで調べながら、いろいろなことを考察
 →いくつか「文明のビジネスモデル」、つまり「人はどうやって儲けるのか、何を富の源泉とするのか」が大きく変換した時代があった、と気づいた
・「どうやって儲けるか」の根本的な仕組みが変化、「バトルのステージ」が次に移ってしまったのに、日本企業がついていけなかった
 →次のバトルステージではシリコンバレーが繁栄を謳歌するように
・この本は、「文明のビジネスモデル」の変化の流れと、「いまのバトルステージとは何か、それを可能にした要因は何か」について、シリコンバレーの事例を挙げながら書いてみたもの
 →意外に知らなかったシリコンバレーの歴史を通じて、日本のビジネスパーソンが「次」について考える際のお役に少しでも立てば
・シリコンバレーという地理的な定義
 →この本ではサンフランシスコ市も含めた、「北カリフォルニアのテクノロジー産業クラスター」

第1部 儲け方の歴史

第1章 シリコンバレー誕生前のアメリカの金儲け

◆アメリカ大陸への「ベンチャー投資」と初期のビジネスモデル
・そもそもアメリカという国は、誕生当初から「ベンチャー投資」的な成立経緯を辿ってきた
 →古代フェニキアや中世ベネツィアなどでは、長期の航海による交易をファイナンスする仕組み
・「海のもの」でざくざく儲けた大航海時代の1492年、クリストファー・コロンブス(イタリア人)がヨーロッパ人として初めてアメリカ大陸を「発見」
 →投資家であったスペインは、巨大な植民地を手に入れ、ベンチャー投資が大成功した
 →果たしてスペインのイサベラ女王は、「投資に対する見返り」に何を期待していたのか?
・ここから先は、すべて私の個人的な見解
 →古代からの伝統的な農業をベースとしたビジネスモデル…「第1世代」
 →大航海時代とコロンブスの場合は、出発点は「アジアで安く香料や絹を仕入れ、欧州へ運んで高く売る」というアービトラージ(arbitrage)・ビジネス
  …サヤ(鞘)を取る「裁定取引」
   →「第2世代」のビジネスモデル
 →ポルトガルに後塵を拝していたスペインは一発逆転を狙って、コロンブスの怪しい儲け話に乗った

◆スペインの宝探しは「第2.5世代」
・スペインはアステカ王国やインカ帝国を滅ぼし、中南米を支配していった
 →豊富な銀が掘り出され、欧州に持ち込んで大儲け、16世紀には「太陽の沈まぬ国」の最盛期
 →「第2.5世代」のビジネスモデルと呼んでおこう
・当時、金銀の見つからなかった北米は、長いことほったらかしに

◆「土地開発」という第3世代のビジネスモデル
・北米で本格的な植民が始まるのは17世紀初頭、コロンブスから100年以上後
 →北米大陸では自然に産する金目の商品はせいぜい毛皮ぐらい
 →オランダの北米植民地は、わずか50年ほどでイギリスに攻め取られた
・イギリスは「産業型」の金儲けを始めていたことが、他国と大きく違っていた
 →植民地でも「民間資本による土地開発」が行われた
 →安く土地(または土地の開発権利)を入手し、土地に資本を投下して産物を開発し、付加価値をつける仕組み
・北米最初の本格的なイギリス植民地
 →1607年のバージニア(Virginia)州ジェームズタウン(Jamestown)
 →土地利用の権利をイギリス国王から許諾され、「バージニア会社(Virginia Company)」を設立
 →イギリスの金持ちの資金が、一攫千金を狙った海外投資に向けられた
・いくら探してもお宝は見つからず、飢餓や疫病や原住民との戦いで植民地は滅亡の危機に直面
 →何度かの「ピボット(pivot:ベンチャー企業が、当初想定した事業がうまくいかず、別の事業に変更すること)」を行った末、ようやくタバコの栽培に成功、収穫を欧州に輸出するというビジネスモデルができた
・1620年、かのメイフラワー号がマサチューセッツ(Massachusetts)州プリマス(Plymouth)に
 →結局ピューリタンたちも、「ロンドン会社」を設立、民間投資家から資金を調達
・1681年、イギリスがオランダから分捕ったばかりの地域にウィリアム・ペンがやってきてペンシルバニアを建設
 →これらイギリス植民地では、まとまった数の人が移住
 →新たに産業を興し、そのための港、水源・道路などのインフラ建設も行われ、住環境も整備
 →イギリスは「面」として広げていくスタイル
・13州が独立する1776年時点で、200万人まで人口が増えていた
 →大西洋沿岸の北米植民地(内陸は除く)はほとんどイギリスが制覇
 →さらに、植民地を「captive market(専属市場)」としてお茶などのイギリス商品を独占的に販売し、税金も徴収するという二重搾取構造を作り上げた
・「植民地で開発した商品・作物を他に持っていって売り、さらに完成品を宗主国から輸出して売りつける」
 →「第3世代」の文明ビジネスモデル
・その後できあがった合わせ技による荒稼ぎ金儲け体制
 →「プランテーションでの商業作物の栽培」
     +
  「captive marketでの宗主国製品独占販売」
     +
  「税金も徴収する二重搾取」
 →19世紀の「帝国主義」を駆動
・オランダは、「アジアの香辛料貿易」商売を、インド洋回りで行うというモデルの「最後の勝者」
 →その後の「土地開発投資」というステージへの移行ができなかった
・アメリカというのは「必死で金儲けをしようと頑張る人たち」が、事業として作り出した国

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