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米中摩擦の波及:HuaweiおよびTSMC関連、米国半導体業界関連

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜12日、世界全体で740万人に達し、経済再開で新規感染が加速、中南米など新興国が8割を占めている。
我が国では"東京アラート"は解除されたものの収まってはおらず、世界各地それぞれの警戒感が引き続いている。WTOトップ人事、デジタル通貨など米中対立摩擦に暇なく、TSMCに続いて米欧企業がその板挟みになる場面が見られている。英国政府との関係継続に向けたHuawei、そのHuaweiとのビジネスが米国政府に断たれても他の顧客で穴埋めできるとするTSMC、そして世界の半導体リーダーシップ確保に向けて議会の出資支援を働きかける米国半導体業界、と波及する米中摩擦の狭間で揺れる様々な動きに注目している。

≪米中摩擦に揺れる動き & 世界の概況≫

米国および中国の間で募りゆく摩擦関連の動きである。

◇WTOトップ人事でも米中対立、貿易ルール作りへ影響力 (6月8日付け 日経 電子版 20:14)
→米中対立が世界貿易機関(WTO)のトップである事務局長選びにも波及してきた旨。現職のロベルト・アゼベド氏(62才)の辞意に伴う選挙の立候補受け付けが8日、始まった旨。米国がニュージーランドの元貿易相を推す一方、中国はケニア元外相の擁立を目指しているとの観測も浮上する旨。新たな通商ルール作りの主導権を巡る争いは、欧州などの思惑も絡み、曲折しそうな旨。

◇デジタル通貨、覇権争い新局面に、官民が連携の兆し (6月9日付け 日経 電子版 11:00)
→デジタル通貨をめぐるグローバルな覇権争いが新たな局面に入った旨。中国では官民の二人三脚で人民元を核とする東アジア・デジタル通貨構想が浮上。米フェイスブックが主導するリブラは、ドル建ての発行など通貨当局の意向をくんだ計画に修正して再起を図る旨。日本はどう動くのか。

半導体の自給については、目標に程遠い中国の現時点である。

◇中国半導体、自給率20.7%、2024年予測、消費に生産追いつかず (6月8日付け 日経)
→米調査会社ICインサイツは、中国で生産する半導体で同国の半導体消費をどれだけまかなえるかを示す「自給率」が、2024年でも20.7%にとどまるとの予測を発表、中国は国を挙げて半導体の国産化に取り組んでおり、2019年実績の15.7%からは高まるものの、産業政策「中国製造2025」で掲げる70%の目標達成は遠い旨。

「5G」では最高制覇の意気上がる中国である。

◇コロナ禍、エベレストに異変、最高峰に中国が5G基地局 (6月11日付け 朝日新聞DIGITAL)
→今年は、チベット側からの登頂に中国隊が世界で初めて成功してから、ちょうど60年の節目。世界を驚かせたのは、4月末。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中国移動が、高速通信規格「5G」の基地局を世界最高所となる6500メートル地点に設置したと発表した旨。

次世代技術開発に向けた意気込みキャンペーンの中国である。

◇China's Trillion-Dollar Campaign Fuels a Tech Race With the U.S. -Beijing plans to spend $1.4 trillion in the next five years in sectors including 5G, artificial intelligence and data centers (6月11日付け WSJ)
→中国が、次世代技術の開発に向けた新しいtrillion-dollarキャンペーンに乗り出し、重要領域で米国に先行して勢いよく飛ばしたい旨。

最先端半導体工場の米国での建設およびHuaweiとのビジネス遮断で台湾・TSMCに迫り通した米国であるが、中国は中国で米欧企業に「踏み絵」を迫っている。米国の世界覇権に挑む中国の構図が生み出す動きとその勢力均衡への影響に、引き続き注目するところである。

◇米欧企業に中国の「踏み絵」、板挟み、間合いに苦慮 (6月13日付け 日経 電子版 05:27)
→米欧の有力企業が中国に「踏み絵」を迫られている旨。ビデオ会議システム「Zoom」の運営会社が中国の要請に応じて米国在住の人権活動家へのサービス提供を一時中止したことが11日、明らかになった旨。米国で批判が高まりかねない今回の措置の背景からは、中国との間合いに悩むグローバル企業の姿が浮かび上がる旨。

米国政府の規制措置で包囲されるHuaweiは、英国政府が同社のテレコム装置を除く動きを抑えるのに躍起な以下の内容である。

◇Government talking to NEC, Samsung and others about replacing Huawei switchgear-UK seeks to replace Huawei switchgear (6月8日付け Electronics Weekly (UK))
→英国政府が、同国のテレコムインフラから除かれてきているHuawei Technologies製ネットワーク装置の入れ替えについて、NEC, Samsung Electronicsなどテレコム装置ベンダーと交渉している旨。BT Groupは、ネットワークスにおける新規テレコム装置についてEricssonおよびNokiaに向いている旨。

◇Huawei Charms to Keep UK 5G Business (6月9日付け EE Times)
→月曜8日、Englandのほとんどすべての主要日刊紙に“Dear Britain,”と宛てた全ページ広告、サービスプロバイダーに“best equipment”を供給して20年、"英国の5Gにおける道筋を支援する我々の役割を疑問視する向き"と警告している旨。

また、部品生産を中国で行うよう働きかける動きである。

◇ファーウェイ、部品生産の現地化要請、半導体の最終工程で (6月11日付け 日経)
→中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が取引先に対し、半導体の最終工程を中国内で手掛けるように要請していることが10日までに分かった旨。米政府が同社に対する米国製品などの輸出規制を強めるなか、部品の生産を現地化することで影響を軽減する狙いがあるとみられる旨。ただ一部の取引先は生産の中国移転に難色を示しており進捗は遅れている旨。

米国での工場建設を決めたTSMCについて、先端微細化の線表に4-nmが加わる計画があらわされている。

◇TSMC Discloses ‘Secret’ 4nm Node (6月9日付け EE Times)
→TSMCが本日、すでに同社ロードマップにある5nmおよび3nm nodesの間の、これまで未発表の製造プロセスを明らかに、それは4-nmの旨。「N4はN5からの進化」と、新竹(Hsinchu, Taiwan)でのpressイベントにてTSMCのChairman、Mark Liu氏。「すでにN4について顧客とビジネス交渉している。」

米国政府とのやりとり、そしてHuaweiの穴は埋められるとの見方が、以下の通りである。

◇TSMC says could fill order gap if unable to sell chips to Huawei (6月9日付け Reuters)

◇TSMC Scores Subsidies and Picks Site for $12 Billion U.S. Plant (6月9日付け Bloomberg)
→*TSMCのChairman、Mark Liu氏は、補助金は議会の承認が必要としている旨。
 *Washingtonの抑制は、半導体ecosystemに混乱を与える恐れがある旨。

◇TSMC mulling plan for Taiwanese suppliers to set up plants in U.S.-TSMC gets subsidies for Ariz. wafer fab, selects site (6月9日付け Focus Taiwan)
→TSMCが、同社$12 billionウェーハfab拠点に向けてArizonaの用地を選択、該建設プロジェクトに向けて連邦政府および州の補助金を確保の旨。
同社はまた、台湾のサプライヤに対し米国での拠点設立を奨励、Huawei Technologiesの半導体設計部門、HiSilicon Technologiesからのビジネス逸失は他の顧客で容易に埋められるとしている旨。

実際には在庫過剰の雰囲気もうかがえている。

◇TSMC to Face Inventory Glut Caused by US-China Trade War (6月10日付け EE Times)
→TSMCおよび同社を受け持つアナリストが、electronics supply chainにおける在庫過剰を認めている旨。

米中の狭間での止む無き選択という状況が改めてうかがえるTSMCである。

◇TSMC、苦渋の米シフト、ファーウェイ制裁で (6月10日付け 日経 電子版 05:41)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が中国から米国へのシフトを強める旨。劉徳音董事長(会長に相当)は9日、米国の制裁強化で中国・華為技術(ファーウェイ)向けの受注を失う場合、米顧客などとの取引増で補う方針を明らかにした旨。米中ハイテク摩擦を受け米に「踏み絵」を踏まされた格好。影響は中国市場に期待してきた日本などのサプライヤにも及ぶ旨。

米国の半導体リーダーシップの確保と増強に向けて、米国議会が米国半導体業界に出資を図る動きが以下の通りであり、働きかけを続けてきている米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が歓迎している。

◇U.S. lawmakers propose $22.8 billion in aid to semiconductor industry-Bipartisan bills provide $22.8B for US chip industry (6月10日付け Reuters)
→米国議会メンバーがアメリカの半導体業界に$22.8 billionを供給する法案を提出、米国におけるさらなるウェーハfab拠点の建設を奨励の旨。超党派支持の該法制化提案により、新fabsに向けた国家initiativesへの$10 billionおよび半導体製造装置に向けた40%の還付所得税額控除とともにresearch and development(R&D)に$12 billionが与えられる旨。

◇Lawmakers propose billions to boost U.S. semiconductor manufacturing and research-Proposal calls chip production and design vital to U.S. economic and national security (6月10日付け The Washington Post)

◇CHIPS for America Act Would Strengthen U.S. Semiconductor Manufacturing, Innovation (6月10日付け SIA/Latest News)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors for America Act(CHIPS for America Act)の米国議会における提出を称賛、半導体技術におけるアメリカのリーダーシップの強化&維持に向けて向こう5-10年にわたって半導体製造incentivesおよびリサーチinitiativesにtens of billions of dollarsを投資する超党派法制化の旨。

◇Lawmakers Propose Spending Billions to Strengthen U.S. Chip Industry -Effort follows lobbying by semiconductor industry, broader concerns from those who see chips as important battleground with China (6月10日付け WSJ)

◇Lawmakers propose billions to boost U.S. semiconductor manufacturing and research-Proposal calls chip production and design vital to U.S. economic and national security (6月10日付け Washington Post)

◇Lawmakers unveil bill to boost semiconductor production (6月11日付け Politico)

◇U.S. Lawmakers Propose $25 Billion to Help Chip Industry (6月11日付け Bloomberg)

◇Lawmakers Push to Invest Billions in Semiconductor Industry to Counter China-New legislation aimed at supporting the semiconductor industry is a sign of shifting consensus in Washington, where industrial plans are now in vogue (6月11日付け NYT)

◇U.S. lawmakers propose $22.8 billion in aid to semiconductor industry (6月11日付け Reuters)

◇Sparking Innovation: How Federal Investments in Semiconductor Research Strengthen America's Economy and Tech Leadership (6月11日付け SIA Blog)
→SIAの最新レポート、“Sparking Innovation: How Federal Investment in Semiconductor R&D Spurs U.S. Economic Growth and Job Creation”。半導体リサーチへの連邦出資増が、米国経済にとっての利点を拡大の旨。

一方では、米国政府の政策について危機感もあらわされている。

◇Strategy Analytics: Huawei Sanctions Bad for US Economy & Semiconductor Competiveness (6月10日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Strategy Analyticsが、Huaweiを相手取って2020年5月に発表された新しい米国政府政策は米国半導体業界の輸出、革新およびグローバルleadershipを脅かす、としている旨。

米中対立の狭間で残る注目は韓国のSamsung。いまは「漁夫の利」の構図とあるが、米国の「踏み絵」が回ってくる雲行きも消せないところを感じている。

◇米制裁、サムスン「漁夫の利」、ファーウェイ打撃、スマホ首位固め追い風 (6月12日付け 日経)
→ハイテク産業を巡る米中対立が激しさを増すなか、韓国サムスン電子が「漁夫の利」を得る構図となっている旨。スマートフォンや半導体で中国勢に追われるサムスンにとって、米国の制裁が思わぬ援護射撃となったため。華為技術(ファーウェイ)らの先端半導体の開発・生産が足止めされ、サムスンの二本柱であるスマホと半導体事業は当面は盤石といえそうな旨。

コロナ禍、第2波懸念に覆われる世界の概況について、以下日々の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□6月8日(月)

◇Coronavirus roundup: Manufacturing is back | Outdoor dining allowed | Santa Cruz Beach Boardwalk reopens (sort of) (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Silicon Valleyの約200,000人の製造workersが、6月5日付けで大方が仕事復帰の旨。retail shoppingおよびレストランなど消費者に相対するビジネスの再活性化に大きな重点がある一方、Santa Clara Countyに向けた新しく修正されたshelter-in-place指令は、製造、warehousingおよび物流ビジネスに対してもCovid-19の拡がりを抑えるようsocial distancing protocolsなどの制限に従うことで再開を認めている旨。

□6月9日(火)

米国株式市場は、経済回復への期待にコロナ「第2波」が大きく被さっていく推移となっていく。

◇米国株、ダウ続伸し461ドル高、ナスダックは過去最高値 (日経 電子版 05:43)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比461ドル46セント(1.7%)高の2万7572ドル44セントと2月24日以来の高値で終えた旨。
米経済が早期に正常化するとの期待から、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった旨。
ナスダック総合株価指数は続伸し、110.66ポイント(1.1%)高の9924.75と
2月19日以来3カ月半ぶりに過去最高値を更新した旨。

□6月10日(水)

◇Coronavirus roundup: Fraud charges for Sunnyvale CEO | Apple Park reopening | Palo Alto to close California Ave (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*Sunnyvaleの医療技術会社の社長が、司法省が初のCovid-19-関連セキュリティ詐欺容疑で逮捕&起訴の旨。
 *Apple社のCupertino本社での従業員が、6月15日に復帰し始める旨。しかしながら、Bloombergによると大方は何ヶ月かApple Parkに戻って来ない旨。

OECDからは、世紀最悪の表現が入る経済見通しがあらわされている。

◇This is the worst peacetime recession in 100 years, OECD says-Global economy could contract 6% this year, OECD says (CNN)
→Organization for Economic Cooperation and Development(Paris)発。グローバル経済が、世紀最悪の平時景気後退に突入している旨。今年6%収縮して2021年に戻していく見方、multilateral金融機関が出している最も陰鬱な部類に位する予測の旨。

◇2020年の世界成長率、感染再拡大ならマイナス7.6%予測 (日経 電子版 17:00)
→経済協力開発機構(OECD)は10日、新型コロナウイルスの感染が年内に再び拡大した場合、2020年の世界の実質経済成長率がマイナス7.6%、2021年もマイナス0.5%と、2年連続のマイナス成長に陥ると見込む予測を公表した旨。感染がこのまま収束するシナリオでは2020年にマイナス6.0%まで落ち込んだ後、2021年にプラス5.2%に回復すると見込んだ旨。

◇NYダウ7日ぶり反落、300ドル安、ナスダックは一時10000台 (日経 電子版 05:25)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比300ドル14セント(1.1%)安の2万7272ドル30セントで終えた旨。機関投資家が運用の指標にするS&P500種株価指数は前日に年初来でプラスに転じており、上昇に一定の達成感が出ていた旨。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を10日に控え、持ち高調整の売りも出た旨。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比29.01ポイント(0.3%)高の9953.75と連日で過去最高値を更新、取引時間中には初めて10000台に乗せる場面があった旨。

□6月11日(木)

◇NYダウ続落、ナスダックは1万乗せ、FOMCで資金シフト (日経 電子版 05:57)
→米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けた10日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が続落し、前日比282ドル31セント(1.03%)安の2万6989ドル99セントで終えた旨。ゼロ金利政策の長期化に加え、雇用回復に時間がかかるとの見通しが示されたことが嫌気された旨。銀行株など景気に左右されやすい銘柄からハイテク株に資金が向かい、ナスダック総合株価指数は終値で初の1万台を達成した旨。

□6月12日(金)

「第2波」懸念の高まりが付きまとう以下の内容である。

◇経済再開、感染第2波呼ぶ、米景気の回復シナリオ暗雲 (日経 電子版 05:45)
→11日の米株式市場は、新型コロナウイルスの感染第2波が懸念され、ダウ工業株30種平均は過去4番目の下げ幅を記録した旨。経済再開を急いだテキサス州やアリゾナ州は、飲食店の客足が5割強に戻った一方、再び感染増に悩む旨。生活者の不安が強まれば、米景気はトランプ大統領が主張する「V字回復」どころか、底ばいが続く「L字型」になりかねない旨。

◇東京アラート解除、休業緩和「ステップ3」へ (日経 電子版 05:55)
→東京都は11日、新型コロナウイルスに関する独自の警戒情報「東京アラート」を解除、判断の目安となる数値が落ち着き、医療が逼迫する状況にはないと判断した旨。解除に伴う休業要請の緩和は不特定多数が集う施設も含まれ、感染の再拡大への警戒も必要。

◇NYダウ1800ドル安、「第2波」懸念、下げ幅史上4番目 (日経 電子版 06:55)
→11日の米株式市場はダウ工業株30種平均が3日続落し、前日比1861ドル82セント(6.89%)安の2万5128ドル17セントで引けた旨。下げ幅は一時1900ドルを超え、終値でも過去4番目の大きさだった旨。新型コロナウイルスの感染「第2波」と景気回復の遅れに懸念が強まり、投資家が一斉にリスク回避に動いた旨。

□6月13日(土)

◇NYダウ4日ぶり反発、477ドル高、前日急落の反動も上値重く (日経 電子版 05:53)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発し、前日比477ドル37セント(1.9%)高の2万5605ドル54セントで終えた旨。前日に1861ドル安と史上4番目に大きい下げとなった反動で、個人投資家などによる押し目買いが入った旨。もっとも、新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念は根強く、小幅に下げる場面もあった旨。


≪市場実態PickUp≫

【WSTS春季予測】

前回示した米国・SIAの月次世界半導体販売高発表4月分には通例、世界半導体市場統計(WSTS)の春季予測が盛り込まれていたが、今回は会議中止で以下の通りの作成&内容となっている。テレワーク需要の下支えなどあって、コロナ禍の渦中で今年も来年も小幅ながら伸び通す読みとなっている。

◇WSTS 2020年春季半導体市場予測について (6月9日付け JEITA)
→*WSTS春季半導体市場予測会議は、新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックの影響で中止となった旨。
 *今回は加盟会社が作成した成長率予測の平均値を基に作成した旨。
 *世界半導体市場

CY2017
CY2018
CY2019
CY2020(予測)
CY2021(予測)
412,221
468,778
412,307
425,966
452,252
3.3%増
6.2%増
0.7%減
(メモリ除く)

◇世界半導体2020年3%増、業界団体調査、コロナ響き下方修正 (6月10日付け 日経)
→主要メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)は9日、2020年の市場規模が前年比3.3%増の4259億ドル(約46兆円)になると発表、2019年12月時点では5.9%増と予想していたが、新型コロナウイルスによる景気減速の影響で下方修正した旨。
自動車市場の低迷やサプライチェーン(供給網)寸断が響いた旨。一方、テレワークの増加でデータセンター向け半導体などが需要を下支えし、影響は限定的だった旨。

【Appleの自前Mac半導体】

AppleのOS「macOS」を搭載したパソコン、「Mac」についてIntelの半導体を自前のArm-ベース・プロセッサに切り換える動きが取り上げられているが、来るWorldwide Developers Conference(WWDC)のvirtual開催の場で発表される模様となっている。

◇Apple to reveal plans for using its own chips in Macs at WWDC, report says-Report: Apple to unveil custom Mac chips at conference -The new chips, based on those that have powered iPhones and iPad for years, could reportedly lead to thinner, lighter Mac laptops. (6月9日付け CNET)
→長らく噂されているAppleのMacラインに向けたカスタム設計microchipsへの移行が来るWorldwide Developers Conference(WWDC)で披露とされるが、Appleはこの動きについてのコメントを控えている旨。同社は、Intel半導体をArm-ベース・プロセッサに切り換える見込みの旨。

◇Apple Plans to Announce Move to Its Own Mac Chips at WWDC (6月9日付け Bloomberg)
→Appleは、6月22日の週、WWDCのvirtual versionを開催の旨。

◇Apple could reportedly announce Mac shift to its own ARM-based chips this month (6月9日付け TechCrunch)

◇Apple to unveil move to its own Mac chips at WWDC (6月10日付け Taipei Times)

【Arm Chinaでの動き】

ソフトバンクグループ傘下、英国・Armの中国合弁について、executive chairman and CEO、 Allen Wu氏が地位を外れたのどうのと、内紛模様があらわれている。

◇SoftBank's Arm at loggerheads with Chinese venture over CEO-Arm China's CEO replaced, cause debated (6月9日付け Reuters)

◇Arm China CEO: Good or Gone? (6月10日付け EE Times)
→6月10日の朝、中国現地メディアがArm Chinaのexecutive chairman and CEO、 Allen Wu氏がその地位を外れたと報じた旨。Arm Chinaの役員会が、Allen Wu氏を引き継ぐ暫定co-CEOsとして2人を任命としている旨。これがArm Chinaから衝突する公式声明を引き出しており、該報道を1つは打ち消し、他方は確認している旨。

◇英アーム、中国合弁のトップ解任、内部対立か (6月11日付け 日経 電子版 05:45)
→ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは、中国の合弁会社のアレン・ウー最高経営責任者(CEO)が解任されたと発表、利益相反の開示を怠るなど不適切な行為が確認されたため。これに対し、合弁会社側はウー氏の解任を否定しており、説明が食い違っている旨。経営を巡り内部対立が深まっている可能性がある旨。

【SEMI関連】

コロナ・インパクトを受けて、半導体製造装置の今年の投資見込みをSEMIが昨年比プラスからこのほどマイナスに修正している。

◇半導体の前工程装置の投資額、4%減に下方修正、今年予測 (6月11日付け 日経)
→国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は10日、半導体をつくる前工程の装置の2020年の投資額が2019年比4%減の約546億ドル(約5兆9000億円)になるとの予測を発表、2月時点の予想では3%増の578億ドル(約6兆1000億円)と予想していたが、下方修正した旨。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、半導体メーカーが投資を控えた影響が出たもよう。

来年、2021年については最高更新の勢いの反転が期待されている。

◇Semiconductor Fabs to Log Record Spending of Nearly $68 Billion in 2021 After 2020 Lull, SEMI Reports (6月9日付け SEMI)

◇Semiconductor Fabs to Log Record Spending of Nearly $68 Billion in 2021 After 2020 Lull, SEMI Reports (6月9日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMI World Fab Forecastレポートの2020年第二四半期更新版。2021年はグローバルfab装置spendingの当たり年、24%増の$67.7 billionと最高となり、前回予測の$65.7 billionを上回ってすべての製品分野が堅調な伸び率を示す旨。メモリfabsが$30 billionの装置spendingで世界半導体segmentsを引っ張る一方、先端ロジックおよびファウンドリーが$29 billionの投資で続く見込みの旨。

◇Semiconductor fabs to log record spending of nearly US$68 billion in 2021, SEMI says-SEMI: Chipmakers will spend record $67.7B on gear in 2021 (6月10日付け DIGITIMES)

【業績関連】

TSMC関連の米中摩擦下の動きを上に示しているが、同社のこの5月の売上げ業績が次の通りである。昨年後半からの好調な盛り返しが堅調に維持されているが、波乱含みの今後に注目である。

◇TSMC May sales down over 2% from April (6月10日付け Focus Taiwan)
→TSMCの5月連結売上げがNT$93.82 billion($3.14 billion)、前月比2.3%減、前年同月比16.6%増。該販売高は、NT$93.39 billionであった2月に次いで今年2番目に低い水準。今年1-5月累計がNT$500.42 billion、前年同期比33.9%増。

TSMCと同じく台湾業界を引っ張るMediatekは、今年前半「1割増収」を見込んでいる。

◇メディアテック、1〜6月「1割増収」見通し、CPU伸び (6月12日付け 日経)
→半導体設計・開発世界大手、台湾・聯発科技(メディアテック)の蔡力行・最高経営責任者(CEO)は11日、2020年1〜6月期の売上高が前年同期比で約1割増える見通しだと明らかにした旨。次世代通信規格「5G」に対応したスマートフォン向けのCPUなどが伸びている旨。

【IntelおよびAMD関連】

本当に長年と感じるライバル関係のIntelとAMDについて、まずは両社間のプロセッサdriver更新中止の動きである。

◇AMD and Intel Kaby Lake-G collaboration falls apart with end of driver support-AMD stops updating drivers for Intel's Kaby Lake-G chips-AMD will no longer offer driver updates (6月8日付け TechRadar (UK))
→Advanced Micro Devices(AMD)が、IntelのKaby Lake-Gプロセッサに向けたdriverの更新を中止、Intelが昨年10月該半導体の生産を停止の旨。
Kaby Lake-Gは2018年に投入され、該プロセッサにおけるグラフィックス処理elementの貢献から該CPUに向けてAMDがdriver更新を行っている旨。

AMDそしてIntelそれぞれの最新の取り組みである。

◇AMD reveals more about PS5 and Xbox Series X graphics, plus its Zen 3 and 4 plans-AMD offers details on PS5 and Xbox Series X graphics -5nm rumors quashed (6月10日付け TechRadar (UK))
→Advanced Micro Devices(AMD)が、SonyのPlayStation 5 game consoleおよびMicrosoftのXbox Series Xにあるグラフィックスアーキテクチャーについてさらに情報を提供の旨。同社のZen 3プロセッサは引き続き7-nanometerプロセスでつくられる一方、2022年前に予定のZen 4半導体は5-nmプロセスでつくられる旨。

◇Intel's '3D' Lakefield chips arrive for foldables and ultrathin laptops-Intel debuts 3D Lakefield chips for foldables, laptops-It's Intel's first step into bold new chip designs. (6月10日付け Engadget)
→Intelが、Lakefieldプロセッサを投入、foldable機器, tablet computersおよびultrathin laptops用に低電力"Tremont" Atom coresとともに3D-stacking方式で対になる旨。「PC業界全体をどこへもっていく必要があるか、長期的視点からこれに注目している。」と、IntelのClient Computing Group、senior product manager、Ram Naik氏。

◇Intel's 3D-stacked Lakefield chips are here to take on ARM in laptops, tablets, and foldables-Intel is ready to take on ARM and Qualcomm (6月10日付け The Verge)

つい数週前に本欄でIntelのMPUを牽引する期待の人材とあらわされたばかりの設計のベテランが、同社を離れる動きが見られている。

◇Veteran chip engineer Jim Keller leaves Intel after just two years-IC designer Jim Keller departs Intel for "personal reasons" -He previously worked at AMD, Tesla, and Apple (6月12日付け The Verge)
→半導体設計veteran、Jim Keller氏が、Intelに2年だけで離れる旨。Intelは、Keller氏が"個人的理由"により即日辞任、としている旨。


≪グローバル雑学王−623≫

テレビのサスペンスで観る尾行、追跡、盗聴などハラハラドキドキのやり口は過去のもの、それに取って代わって世界各国の情報局、早い話、スパイ組織で行われてきているサイバー攻撃の実態に、

『サイバー戦争の今』
 (山田 敏弘 著:ベスト新書 607) …2020年1月5日 初版第一刷発行

より迫っていく。ソフトウェアの脆弱性を突いて入り込んで、スマートフォンが見えない敵に乗っ取られ、やることなすこと監視下に置かれる。結局、サイバーセキュリティを強化しなければ、私たちの生命や財産は守ることができなくなっていく。以下にある、自分たちで、サイバー攻撃には立ち向かうべき、自分たちの問題だと自覚しなければならない、というイスラエル諜報特務庁前長官の言葉を、染み入って受け止めている。


 第7章 変革期にある世界のスパイ工作
 −CIA、MI6、モサドほかスパイ組織のサイバー利用

◆イスラエル製監視システム「ペガサス」が、不都合なジャーナリストを徹底追跡
・世界には数多くのスパイ組織
 →米中央情報局:CIA:Central Intelligence Agency
  英秘密情報部:MI6:Military Intelligence 6
  フランス対外治安総局:DGSE:Direction Generale de la Securite Exterieure
  イスラエル諜報特務庁:モサド:Mossad(ヘブライ語で組織・施設・機関を意味する「モサッド」)
  ロシア対外情報庁:SVR:Service of the External Reconnaissance of Russian Federation[ラテン文字転写:Sluzhba vneshney razvedki Rossiyskoy Federatsii、略称:SVR]
  ロシア軍参謀本部情報総局:GRU:Main Intelligence Directorate of the General Staff[ラテン文字転写:Glavnoye Razvedyvatelnoye Upravleniye]
  ドイツ連邦情報局:BND:Bundesnachrichtendienst[英:Federal Intelligence Service]
  インド研究分析局:RAW:Research and Analysis Wing
  パキスタン軍統合情報局:ISI:Directorate for Inter-Services Intelligence
・今、変革期の中にあるこれらスパイ組織
 →工作員を駆使したこれまでのアナログなスパイ工作から、サイバー空間を活用したディジタルの工作が主流に
 →この変革期で世界をリードしている国々は、多くのスパイ工作を遠隔操作で難なくやってのける
・国外のスパイ工作に限らず、国家や警察当局による「国内」の監視活動でも、危険を冒す尾行や盗聴などは、サイバー攻撃による工作に取って代わられている
 →2014年11月、メキシコの著名な女性ジャーナリスト、カルメン・アリステギは、当時のペニャニエト大統領にとって大打撃となる汚職疑惑をスクープ
  →工事を落札した中国企業に絡んで、賄賂を受け取ったのではないかと指摘
 →翌年の1月から、アリステギの携帯などにいろいろと怪しいテキストメッセージが届くように
  →しばらくすると、16才になる彼女の息子にまで奇妙なテキストメールが届くように
 →さらに彼女の運営するウェブサイトも、繰り返しハッキング攻撃に
 →これらのサイバー攻撃は、すべてメキシコ政府の仕業だったと見られている
・メキシコ政府が、ジャーナリストや反体制派などをハッキングするための「監視システム」を使い始めたのは、2011年のこと
 →イスラエルのサイバー武器メーカー、NSOグループから監視システム、「ペガサス(Pegasus)」を約8000万ドルで購入したことが判明
  →搭載されたソフトウェアは、アップル社「iPhone」を動かすOS,「iOS」や、アンドロイドOSを搭載したスマホなどに潜入
  →すべての個人データを収集し、監視することが可能に
  →驚くことに、工作の形跡を一切残さない優れもの
 →2010年に設立されたNSOは、イスラエルのテルアビブに近いヘルツリーヤに本社
  →サイバーセキュリティ関連企業が多いエリア
  →現在、500人ほどの従業員、うち半分近くがハッキングに特化した製品に携わるエンジニアと言われている
  →サイバー防衛だけでなく、サイバー攻撃でも技術的な側面を支えると喧伝
・「ペガサス」の監視システムによるサイバー攻撃は、まず電子メールから始まる
 →知り合いを装ってメールが届き、リンクをクリックしたら一巻の終わり
・サウジアラビアも、NSOを導入していると知られている
 →米国に亡命していたサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ記者の件
  →2018年10月、トルコの首都、イスタンブールにあるサウジ総領事館を訪れた際に殺害された
  →サウジ政府は、ペガサスを使ってカショギを監視していたとされる
・UAE(アラブ首長国連邦)もNSOの顧客
 →狙われたのは、同国の著名な人権活動家、アーメッド・マンスールの「iPhone6」
  →まだ世の中に知られていないセキュリティの穴、「ゼロディ脆弱性」が使われていた
  →ゼロディ…これまで公に知られていないソフトウェアなどの「欠陥」または「穴」である脆弱性のこと
  →悪意のあるハッカーなどがその欠陥の存在を最初に知れば、他の誰かが見つけるまで悪用し放題に
   →専門家の間ではゼロディは強力な「サイバー兵器」であるとの認識
・NSOグループ以外にもある監視システムを提供している企業
 →イタリアのミラノに本部を置くハッキング・チーム(Hacking Team)という企業
  →遠隔操作スパイウェア「Galileo」などを販売
  →韓国国家情報院も該システムを導入していたことが判明
  →以下もシステム購入:
    CIA
    米麻薬取締局(DEA:Drug Enforcement Administration)
    スペインの情報機関、国家情報センター(CNI:Centro Nacional de Inteligencia)
    シンガポールの情報通信開発庁(IMDA:Info-communications Media Development Authority)
 →日本の情報機関もこのサイバー攻撃による監視システムの導入を検討していたことが判明
  →実際には導入に至らなかったという
 →同社の内部情報によれば、日本で爆発的に普及している「Line」も、少なくとも2014年の時点で監視が可能だった
 →英国のガンマ(Gamma International)は、「FinFisher」という監視ソフトウェアを提供
  →少なくとも世界の36ヵ国が導入
  →同社の内部情報リークによれば、日本も含まれているとの説明も

◆iPhoneのゼロディを兵器として活用し、ターゲットの情報を抜き出す
・監視システムのビジネス
 →2014年に2億5000万ドルのほどの市場規模、2022年には30億ドルを超える規模に
・著者の取材に、イスラエルの元政府関係者
 →監視をしたい人にしてみれば、スマホを覗き見さえすれば、その人物のすべてが手に取るようにわかってしまう
・元NSA(米国家安全保障局)のサイバー攻撃部隊にいた女性ハッカーの証言
 →2014年からUAE国内外にいるテロリストを狙ってサイバー攻撃によるスパイ工作に従事
 →攻撃ツール(サイバー兵器)、「カルマ(Karma)」を使用
  →2016年に導入、遠隔操作でiPhoneにアクセスできるというシステム
  →電話番号や電子メールアドレスなどをシステムに打ち込むだけで、当時使われていたデバイスの遠隔操作が可能になるというもの
 →電子メールやショートメッセージ、写真、位置情報までも簡単に入手できた、とこの女性ハッカー
・もしも当局があなたの携帯番号またはメールのアドレスを知ることができれば
 →スマホ内の情報は、すべて丸裸にされる
 →どうしてそんなことが可能なのか
 →アップルのスマホに搭載されている「iMessage」アプリのプログラムにあったゼロディを悪用
・2016年から2年間で、中東と欧州、米国で数百人に上る政府関係者や、UAEに対して批判的な人々をスパイ
 →米政府がツールなどをUAE側に提供
 →米政府でも同じような手法で個人へのハッキングや監視が実行できるということ
・一目置かれる凄腕ハッカーを数多く擁するNSAのTAO(Tailored Access Operation)も世界中で暗躍
 →現在はComputer Network Operations
 →米国のCIAやNSAのハッキング部門なら、どんなスマホにも侵入することができると考えていい
・現時点ではアップル社がソフトウェアをアップデート
 →それまでのようにiPhoneに対して「やり放題」はできなくなっているという
・UAEはNSOの「ペガサス」や、英防衛最大手BAEシステムズの「エビデント」と呼ばれる監視システムなども導入
 →サイバー空間で繰り広げられている、現代のスパイ工作や監視活動の実態

◆イスラエル前モサド長官が話すサイバーセキュリティの今
・筆者は最近、世界的に名の知れたイスラエルが誇る諜報機関、モサド(Mossad)を率いた人物と話をする機会
 →タミル・パルド前長官
  →2011年から2016年まで、第11代のモサド長官
  →スパイの世界から一般の世界まで、「今以上に、さらに重要になるのはサイバーセキュリティである」と主張」
・パルドが作ったサイバーセキュリティ製品
 →実際に巷間で起きているサイバー攻撃をシミュレーション、その脅威への対策を攻撃が来るより前に行うというもの
 →すべて自動で機能、24時間、365日、休むことなく動く
・イスラエルのサイバーセキュリティ
 →イスラエルがコンピュータ関連の事業に乗り出したのは、1970年代より前のこと
・イスラエルに「国家サイバー局」を立ち上げ、「イスラエルのサイバーセキュリティの父」と呼ばれるアイザック・ベンイスラエル(Isaac Ben-Israel)少将
 →「1990年代初めにはすでに、イスラエル軍の中でサイバー兵器を作るチームも存在していた」
 →2011年、包括的なサイバー対策を行える組織を首相官邸内に設置するよう要請
 →官邸や内閣に直接アドバイスをする「国家サイバー局」を立ち上げた
・モサド前長官のパルド
 →「イスラエルは建国以来、ずっと脅威にさらされてきた。すべては、ここイスラエルに安全をもたらすため」
 →「今日、私たちはサイバー脅威が現実のものであることにまず気がつく必要」
 →「過去を振り返ると、私の自宅は他人を簡単には侵入させない。まさに"城"。今はその"城"はスマートフォンに」
・結局、サイバーセキュリティを強化しなければ、私たちの生命や財産は守ることができなくなっていく
 →自分たちで、サイバー攻撃には立ち向かうべき、自分たちの問題だと自覚しなければならない

◆徹底した全国民監視網を敷く中国の例
・香港大学ジャーナリズム・メディア学センターのキングワ・フー准教授
 →中国最大のSNS、「Weibo(微博)」や、中国最大のチャットアプリ、「WeChat(微信)」で、当局またはサーバなどの検閲により削除される「単語」を拾って、検閲の実態を調べる研究
 →よく削除されていたもの
  →習近平国家主席が似ていると中国国内などでされている「くまのプーさん」
  →2018年3月の習近平の任期撤廃が決められた際の「憲法改正」「合意しない」
  →同12月のファーウェイ騒動の際には、「孟晩舟」「任正非」
・中国式のインターネット統治について学ぶセミナー
 →世界で36ヵ国の関係者たちが、「監視」トレーニングを受講
 →少なくとも18ヵ国が、中国の監視システムなどを導入
・中国が国内で、徹底した国民監視網を敷いているシステム導入
 →「金盾工程」(Great Firewall[GFW])
  「天網工程」(Project Sky Net)
   …監視カメラと顔認証技術、そしてAI(人工知能)を使って、国民の行動を逐一監視できるもの
   …2018年には、都市部を中心に1億8000万個ほどの監視カメラが設置。中国政府は2020年までに6億個に増やす計画。米国内の監視カメラの数は合計5000万個ほどだという。
  「雪亮工程」(Sharp Eyes)
   …地方都市をカバーする監視カメラ網
 →インターネットやSNSを検閲
 →もっとも、そうした中国国内企業は米国のネット企業を模倣
 →いくつかは米国からサイバー攻撃でソースコード(プログラムの設計図)を盗んで中国仕様に作り変えられたとも言われている
・これこそが、世界のサイバー空間の実態
 →サイバー攻撃は、スパイ作戦から国内監視などにも使われている
・泥棒はスマホなどのデバイスにサイバー攻撃で「侵入」すればいい
 →そんな時代に私たちは生きていることを、改めて自覚する必要

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