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「COVID-19」インパクト:半導体業界の危機打開&支援の動き継続

勢いが収まらない「COVID-19」インパクトであるが、感染のピークが越える兆しがあるとして米国および欧州で経済再開に向けた動きが見られる一方、封鎖を解除したばかりの中国では1〜3月の国内総生産(GDP)が6.8%減と、記録がある1992年以降で初めてのマイナスを記録、打撃の大きさがあらわれている。我が国も、緊急事態宣言が全国に拡大されて、医療体制の崩壊回避に向けた瀬戸際の状況である。半導体業界においては、技術的な手立てを駆使して危機の打開を図る具体的な動きが見られるとともに、寄付や支援の活動が引き続き行われている。個々には、在宅勤務によるパソコン需要の増加、急務の人工呼吸器供給への支援、などに注目している。

≪インパクト概況&半導体関連≫

「COVID-19」インパクトを受け激震が続く世界の概況について、以下日々の動きからの抽出である。封鎖解除ながら立ち直り加減に依然目が離せない中国の一方、危機感に覆われながらも経済再開の糸口を探る米国および欧州の対応に追われる状況を抜き出している。

□4月12日(日)

米国で制限緩和に向けた考え方が見られている。

◇Fauci: Gradual rollback of coronavirus restrictions could 'probably' start next month-Fauci: Some pandemic limits could be eased in May (The Hill)
→National Institute of Allergy and Infectious Diseases(NIAID:アメリカ国立アレルギー・感染症研究所)の所長、Dr. Anthony Fauci氏。米国で部分的に5月にコロナウィルスの制限を緩和し始めることが可能と見る旨。制限の除去は徐々でなければならず、現地の状況に依る旨。

米国および欧州での局面打開を目指す動きである。

◇抗体検査で局面打開狙う、米欧、外出制限緩和探る (日経 電子版 04:38)
→米国や欧州が、人がこれまでに新型コロナウイルスに感染していたかを調べる「抗体検査」の実施に乗り出す旨。感染からすでに回復し、ウイルスの免疫を持つ人を把握するのが目的。コロナウイルスは軽症者も多く、気づかぬうちに抗体を持っている人が多数いるとされる旨。こうした人たちを医学的に絞り込み外出制限を緩めれば、経済や医療の現場の状況改善につながるとの思惑がある旨。感染が世界に広がる一方、出口を模索する動きも始まっている旨。
現在、各国の医療現場では患者の体内にウイルスがあるかを調べるPCR検査が主体となっているが、一方の「抗体検査」は、既に感染を経て体にウイルスに対する免疫が備わったかを診る旨。

□4月14日(火)

IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)が、大恐慌以来の最悪の落ち込みを見通している。

◇Global economy to suffer worst blow since the 1930s, warns IMF (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→今年は1930年代の大恐慌以来最悪のグローバル経済収縮になると予測、IMFのchief economist、Gita Gopinath氏は、1月以降世界の見通しが"劇的に変化"としている旨。

欧米需要急減の中国に対する打撃である。

◇欧米需要急減、中国に打撃、1-3月輸出13%減−4-6月、一段と悪化も (日経 電子版 18:13)
→外需低迷が中国経済の回復の足かせとなりそうな旨。14日発表の2020年1〜3月の輸出額は前年同期比13%減の4782億ドル(約51兆円)。第1四半期の減少幅としてはリーマン・ショック直後の2009年1〜3月以来11年ぶりの大きさ。新型コロナウイルスの感染拡大で欧米企業から中国への発注が急減しており、4月以降は外需がさらに落ちこむ恐れがある旨。

米国株式市場も、その日の推移で振れる状況が続いている。

◇NYダウ反落、328ドル安、業績警戒の売り (日経 電子版 05:39)
→13日の米株式相場は3営業日ぶりに反落した旨。ダウ工業株30種平均は前週末比328ドル60セント(1.4%)安の2万3390ドル77セントで終えた旨。今週本格化する米主要企業の2020年1〜3月期決算発表を控え、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化を警戒した売りが出た旨。ダウ平均は前週に2666ドル上げた後で、反動の売りが出やすい面もあった旨。

◇国内工場、8割は「通常稼働」、社長100人アンケート (日経 電子版 05:06)
→新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業は事業継続に知恵を絞っている旨。「社長100人アンケート」で緊急事態宣言の期間中の工場稼働について聞いたところ、8割近くが「通常通り稼働」と答えた旨。感染リスクの軽減策をとりつつ、収束後の需要回復も見据えてサプライチェーンの維持を図る旨。オフィスについては約9割が在宅勤務を導入していると答えた旨。

□4月15日(水)

トランプ米大統領が、経済再開へ向けた協議会を設け、以下ハイテク分野からのメンバーである。

◇Trump names these Bay Area business leaders to 'Opening the Country' council (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→COVID-19の前代未聞の閉鎖の後で米国経済を如何に戻していくか、White Houseへの助言を得るために、Trump大統領が'Opening the Country' councilに約200人の米国executivesを指名、ハイテク関係、次の各氏:
 Apple Inc.            Tim Cook
 Google (Alphabet Inc)      Sundar Pichai
 Oracle Corp.           Larry Ellison
 Oracle Corp.           Safra Catz
 Salesforce.com Inc.       Marc Benioff
 Facebook Inc.          Mark Zuckerberg
 Intel Corp.           Bob Swan
 Cisco Systems Inc.        Chuck Robbins
 Advanced Micro Devices Inc.   Lisa Su
 Broadcom Inc.          Hock Tan

◇米、外出制限緩和の新指針策定へ、経済再開へ協議会 (日経 電子版 10:59)
→トランプ米大統領は14日、新型コロナウイルスの影響で停滞している経済活動の再開方法を話し合う協議会を設置したと発表、経営者や経済学者らと議論したうえで、感染者が少ない地域から外出制限の緩和を認める新指針を近く公表する旨。月内にも経済の一部再開に踏み切る意向を示したが、感染拡大を懸念する反対意見も多い旨。

◇NYダウ反発、558ドル高、米経済活動の早期再開期待 (日経 電子版 05:27)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比558ドル99セント(2.4%)高の2万3949ドル76セントと3月10日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた旨。新型コロナウイルスの感染拡大がピークに近づき、経済活動が早期に再開されるとの期待から大型ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが入った旨。

◇世界経済、500兆円超失う、IMFマイナス3%成長予測 (日経 電子版 05:42)
→新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が縮小の危機にある旨。移動制限などに伴う経済損失は500兆円を超す可能性もある旨。国際通貨基金(IMF)は14日公表した世界経済見通しで、2020年の世界経済の成長率予測をマイナス3.0%へ下げた旨。各国は800兆円超の財政出動で応戦するが、感染を早期に封じ込められるかは予断を許さない旨。感染抑制に力を尽くしつつ、将来の経済回復へ確かな手を打てるか。成否はここ数カ月にかかっている旨。

FRB(米連邦準備理事会)からも、経済活動の急激な縮小と最悪の様相の見方である。

◇Fed says economy contracted sharply with virus sweeping U.S.-Fed Beige Book shows plunge in economic activity (BNN Bloomberg (Canada))
→米国のすべての部分がコロナウィルス対抗対策で打撃を受け、ビジネスの今後が非常に不安定になっている、とFederal Reserve Beige Book発。該レポートは、経済活動の急激な縮小を示している旨。

□4月16日(木)

◇米景気指標「最悪」相次ぐ、FRB「経済が急激に縮小」 (日経 電子版 05:29)
→15日発表の米景気指標で過去最悪の落ち込みが相次いだ旨。全米の小売りや住宅建設、ニューヨークの製造業景況感は金融危機時の2008〜09年より急激に悪化した旨。新型コロナウイルスの流行拡大で人やモノの動きが一気に停滞。米連邦準備理事会(FRB)は15日公表の地区連銀経済報告(Beige Book[ベージュブック])で「全地域で経済活動は急激に縮小した」と指摘した旨。

各国政府が、人の接触追跡をスマホで行うアプローチを展開している。

◇How governments and Big Tech are looking to curb the spread of coronavirus with your smartphone (CNBC)
→世界中の政府が、“contact tracing”として知られる方法を用いてコロナウィルスの拡がり抑制に向けたモバイルアプリを展開している旨。

◇NYダウ反落、445ドル安、米景気悪化懸念の高まりで (日経 電子版 06:23)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比445ドル41セント安の2万3504ドル35セントで終えた旨。下げ幅は700ドルを超える場面もあった旨。過去最悪レベルの経済指標の発表が相次ぎ、リスク資産である株式を売る動きが強まった旨。大手銀行の大幅な減益決算の発表が相次いだのも、投資家心理の悪化につながった旨。

ドイツの規制緩和の内容である。

◇ドイツ、コロナ規制を緩和、店舗再開−正常化は遠く (日経 電子版 09:46)
→ドイツのメルケル首相は15日、新型コロナウイルス対策で導入した規制を一部緩和すると発表、20日から広さが800平方メートル以下の小・中規模の商店の営業再開を認める旨。代わりに店舗や公共交通機関でのマスク着用を促す旨。メルケル氏は「崩れやすい中間的な成功」だとも述べ、ウイルスとの戦いが長期戦になるとの考えを示した旨。
オーストリアなどに続き、欧州最大の経済大国も正常化に動き出した旨。
今回の営業再開はアパレルなどの専門店が対象になる見通し、一方、レストランは見送りとなった旨。

我が国の緊急事態宣言の全国への拡大である。

◇緊急事態宣言、対象を全国に拡大へ、首相調整 (日経 電子版 16:30)
→安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の対象をこれまでの7都府県から全国に広げる方向で調整に入った旨。
新型コロナ対策を担う西村康稔経済財政・再生相が同日午後、衆参両院の議院運営委員会に報告する旨。
期限は5月6日までで7日に発令した宣言に合わせる旨。近く専門家で構成する諮問委員会に諮り、政府の対策本部で正式に決める旨。宣言の対象を全国に拡大して外出自粛の徹底を促し、医療体制の崩壊回避につなげる旨。

□4月17日(金)

◇米、失業保険申請さらに524万件、4週で2200万件超す (日経 電子版 05:37)
→米労働省が16日発表した失業保険の新規申請件数(季節調整済み)は、11日までの1週間で524万5千件となり、前週(661万件)に近い高水準だった旨。
新型コロナウイルスの拡大で非常事態を宣言した3月中旬から、4週間で申請数は2200万件を突破した旨。米労働人口は1億6300万人だが、単純計算で8人に1人が職を離れたことになる旨。

◇NYダウ小反発33ドル高、ハイテク上昇、指標悪化が重荷 (日経 電子版 05:47)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比33ドル33セント(0.1%)高の2万3537ドル68セントで終えた旨。大型ハイテク株への物色が相場の支えとなり、取引終了にかけてこの日の高値を付けた旨。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で米景気の急激な落ち込みを示す経済指標の発表が相次いでおり、売りが膨らむ場面もあった旨。

中国の2020年1〜3月の国内総生産(GDP)が6.8%減と、データが遡れる1992年以降で初めてのマイナスとなっている。打撃の大きさを物語っている。

◇Hobbled by coronavirus, China's first-quarter GDP shrinks for first time on record (Reuters)

◇GDP contracts 6.8% due to economic disruption (China Daily (Beijing))

◇中国、初のマイナス成長、1〜3月6.8%減−新型コロナ、打撃大きく (日経 電子版 11:18)
→中国国家統計局が17日発表した2020年1〜3月の国内総生産(GDP)は物価の変動を除いた実質で前年同期と比べて6.8%減った旨。2019年10〜12月(プラス6.0%)から大きく落ちこみ、四半期の成長率としては記録がある1992年以降で初めてのマイナスだった旨。新型コロナウイルスの感染拡大で、1月下旬から2月に経済活動を全面的に停止した影響が出た旨。

米国での経済再開へ向けた指針があらわされている。

◇米、経済再開へ指針、感染少ない地域から3段階で (日経 電子版 10:39)
→トランプ米大統領は16日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から経済活動の再開を3段階で進める新指針を発表、地方政府が指針をもとに飲食店や学校の再開を決める旨。3月中旬から呼びかけてきた厳しい外出制限の緩和を初めて認めるが、感染の再拡大を懸念する声も多く、どこまで経済が戻るかは不透明。

□4月18日(土)

◇NYダウ続伸、704ドル高、経済再開と新薬期待で (日経 電子版 07:46)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸、前日比704ドル81セント(3.0%)高の2万4242ドル49セントと3月10日以来、1カ月ぶりの水準で終えた旨。新型コロナウイルスの治療法や検査体制の確立にむけた取り組みに前進がみられたと受け止められ、過度な懸念が後退した旨。コロナ問題収束への期待から幅広い銘柄に買いが入り、ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げた旨。

◇中国第1四半期のGDPがマイナス6.8%、どうみるか (人民網日本語版 14:08)
→国家統計局は17日に行われた国務院新聞弁公室の記者会見で、速報値の計算によると、第1四半期の国内総生産(GDP)は20兆6504億元(1元は約15.2円)となり、不変価格に基づく計算では前年同期比6.8%減少したことを発表した。第1四半期の経済運営状況をどのようにみればよいか。同局の毛盛勇報道官は、「突如発生した新型コロナウイルスによる肺炎は確かに中国の経済運営に大きな影響を与えた。第1四半期には、主要な経済指標が目に見えて低下したが、3月には回復の兆しをみせ、低下幅が明らかに縮小した」と述べた旨。

以上の世界の概況の中、半導体および関連業界におけるコロナウィルス関連の対応&動きについて、以下日々の動きの中からの抽出である。

□4月11日(土)

◇Siemens CEO rules out job cuts from coronavirus impact-Siemens won't lay off workers due to coronavirus pandemic (Reuters)
→ドイツで短期的working対策が延長されるけれども、Siemensは新型コロナウイルスが引き起こす経済低迷によるworkforce削減は行わない、とChief Executive、Joe Kaeser氏。

在宅勤務による半導体需要の増加の見方が続いている。

◇南亜科技、「DRAMは小幅上昇」、在宅勤務で需要増 (日経)
→DRAM大手、台湾の南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の李培瑛・総経理は10日、スマートフォン向けの需要落ち込みを補い「4-6月期はDRAM単価が1-3月期に比べ小幅に上昇する」との見通しを示した旨。同日開いた2020年1-3月期決算発表の電話会議で明らかにした旨。新型コロナウイルスの感染拡大で「在宅勤務に使う機器向けの半導体需要が増える」と理由を述べた旨。

□4月13日(月)

AppleとGoogleが、新型コロナウイルス世界的大流行を食い止めるためにそれぞれのiOSおよびAndroid operating systems(OSs)が顧客の電話を自動的に追跡できるようにする前代未聞のコラボ発表につながっていく動きである。

◇Q&A: Apple and Google discuss their coronavirus tracing efforts-Virus tracking plan gets more details from Google, Apple (TechCrunch)
→コロナウィルスの伝染を追跡する接触tracingソフトウェアが、AppleのiOS 13プラットフォームおよびAndroid 6.0以上のGoogleのPlay Storeで利用できる旨。また、公衆衛生当局が陽性診断を検証、該システムにデータが入る人々のプライバシーを安全に守ると主張の旨。

◇Apple, Google Covid-19 Contact Tracing to Require Verification (BNN Bloomberg (Canada))

◇Android phones will get the COVID-19 tracking updates via Google Play-The updates will come to Android 6.0 Marshmallow phones and above (The Verge)

◇Intel Unleashes 'Comprehensive' Coronavirus Relief Plan For Partners-Intel aids partners with coronavirus relief program (CRN (US))
→Intelが、新しい"包括的"救済packageをもって同社パートナーの低コスト化、supply chain問題の舵取りおよびパートナーtier levelの維持を支援の旨。

VLSIシンポもvirtual開催となっている。

◇The 2020 Symposia on VLSI Technology & Circuits Goes Virtual (SEMICONDUCTOR DIGEST)
→40年の歴史で初めてのこと、2020 Symposia on VLSI Technology & Circuitsが、グローバルなCOVID-19大流行を巡る懸念からvirtual conferenceでの開催、2020年6月14-19日。

第一四半期のPC出荷データは、2013年以来の落ち込みを示している。

◇Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 12.3% in the First Quarter of 2020 Due to Coronavirus Pandemic-Worldwide PC Market Experienced Sharpest Decline Since 2013 (Gartner)
→Gartner社速報データ。2020年第一四半期の世界PC出荷総計が51.6 million台、前年同期比12.3%減。3四半期連続伸びた後、世界PC市場はCOVID-19大流行から2013年以降で最も急激な低下となっている旨。

各社の寄付活動である。

◇Lam Research Commits $25 Million To COVID-19 Relief and Recovery Efforts (SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Lam Research社が、グローバルCOVID-19救済&回復活動に向けて$25 millionを託す旨。

◇Samsung To Support U.S. Communities in the Fight Against COVID-19 (SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Samsungが本日、米国従業員の大多数が住み働いている近隣の現地パートナーに向けてCOVID-19救済における$4.3 millionのcommunityにいる人々への寄付を発表、該寄付は、現在$33 millionを上回る今日までのグローバル活動に立脚の旨。

◇COVID-19 Pandemic May Disrupt 2H20 Server Shipment Schedule (EE Times India)
→サーバback-end製造の重要な地域、マレーシアおよびフィリピンの封鎖が続いて、サーバsupply chainに途切れを生じる可能性の旨。

医療機器関連の需要増、そして取り組みである。

◇Phison, Innodisk see ramp-up in demand for healthcare applications-Demand for health-care apps benefits Phison, Innodisk (DIGITIMES)
→Phison Electronics(Miaoli[苗栗市], Taiwan)およびInnodisk(新台北市)は、ヘルスケア応用に入る製品について短lead-time受注が増えている旨。Phisonの3月売上げは$184 millionで同社最高を記録の一方、Innodiskの3月売上げは前年同月比22.8%増。

◇Foxconn, Kinpo to make medical equipment-Foxconn and Kinpo partner for medical equipment production (DIGITIMES)
→Foxconn Technology Group(Hon Hai Precision Industry)およびNew Kinpo Groupなど台湾のelectronic manufacturing service(EMS)プロバイダーが、新型コロナウイルス世界的大流行との戦いを支える医療装置&機器を製造する活動に最近専心し始めている旨。Wisconsinで医療用マスクの生産ラインを構築しているFoxconnは4月8日、人工呼吸器の共同開発で米国の医療機器会社、Medtronicとの協力も発表の旨。該2社はすでに関連R&Dを始めており、量産プロセス前倒しを図っている旨。

□4月14日(火)

◇Apple shipped 2.5 million iPhones in China in March following virus slump: government data (Reuters)
→Apple社の3月の中国でのiPhones出荷が約2.5 million台、最悪の月々の1つの後で僅かに戻している旨。

Infineonの医療用人工呼吸器向けpower半導体の生産踏み上げである。

◇Infineon delivers millions of chips for medical ventilators-Infineon ramps up production of medical ventilator chips (DIGITIMES)
→Infineon Technologiesが、ResMedなど各社がつくる医療用人工呼吸器向けのpower半導体の製造を踏み上げの旨。「医療用人工呼吸器の生産に向けた約38 million個のpower半導体でこの危機克服に貢献できて喜んでいる。」と、InfineonのCMO、Helmut Gassel氏がステートメントにて。

◇2月半導体売上高、中国で前月比7.5%減 (日経産業)
→米国半導体工業会(SIA)が発表した2月の半導体売上高の統計によると、中国市場での売上高は前月比7.5%減。新型コロナウイルスの感染拡大で企業活動が停滞し、春節(旧正月)の休暇があった1月の水準を下回った旨。世界全体では2.4%減。足元では欧米で感染拡大の影響が深刻さを増しており、半導体市場の先行きは不透明の旨。

□4月15日(水)

Covid-19のテストなどに向けた取り組みが続いている。

◇Lab-on-Chip Covid-19 Test Expects Field Use Approval (EE Times)
→Covid-19を素早くテストするシステムを作る競争が、多くのbiomedical会社に高い優先順位となっている旨。このような会社の1つ、DnaNudge(英国)のfounder, Chris Toumazou氏は、同社のlab-on-chip-ベース・システムが認証テストを完了、数日以内にfield運用許可を獲得する見込みの旨。

◇Europe Tackles Covid-19 Cure with DARPA-Style Cash Prizes (EE Times)
→欧州プロジェクトにて、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)-型挑戦が打ち上げられ、賞金が最大2 million Euro(約$2.17m)、人体内でCovid-19の活動を阻止する分子を同定できる科学あるいは技術チームを対象の旨。

AppleとGoogleのコラボの発表である。

◇Apple & Google Prep Tech to Trace Covid-19 (EE Times)
→AppleとGoogleが、新型コロナウイルス世界的大流行を食い止めるためにそれぞれのiOSおよびAndroid operating systems(OSs)が顧客の電話を自動的に追跡できるようにする前代未聞のコラボを発表の旨。

AMDは、リサーチに向けてhigh-performance computing(HPC)システムを寄付している。

◇AMD Donates $15M In HPC Systems To Fight Coronavirus-For coronavirus relief, AMD donates HPC systems worth $15M (CRN (US))
→AMDが、新型コロナウイルスのリサーチ加速に向けて$15 million相当のhigh-performance computing(HPC)システムを寄付、同社は従業員の保護およびいろいろな救済活動の支援に動いている旨。

◇Blog: Coming Back to Life after Lockdown in Hubei (EE Times India)
→湖北省で隔離64日後、ついに良い知らせ、深センに戻れる!
“post-epidemic”の帰路の飛行の話。

◇Global 2020 silicon wafer market uncertain-SEMI: COVID-19 outbreak upends silicon wafer forecast (DIGITIMES)
→SEMI発。新型コロナウイルス世界的大流行が、世界シリコンウェーハ市場が今年どうなるかについて不安定性を生じている旨。該大流行が夏までには緩和すると信じて、ある顧客は第二四半期の間にウェーハ発注を増やす可能性の一方、SEMIは今年後半におけるビジネス低下を見込んでいる旨。

◇Taiwan IC firms upbeat about demand for servers-Sources: Server peripheral chip orders to surge in 2nd half (DIGITIMES)
→業界筋発。台湾のIC design housesが、サーバ周辺半導体の需要に依然楽観的、2020年後半にさらに強化される旨。特に高速伝送半導体に向けたサーバ周辺半導体需要が、遠隔作業, distance learningなどstay-at-home initiativesについて増加している旨。

◇東芝、国内全拠点を原則休業へ…発電所やエレベーター点検は続行 (讀賣 22:16)
→東芝は本社や工場を含む国内の全拠点を、20日から5月6日まで原則として休業にすることを決めた旨。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためで、大手メーカーでも異例の対応となる旨。グループ会社の従業員を含む約7万6000人が対象になる旨。
発電所やエレベーターの保守・点検などは続ける旨。東京五輪・パラリンピックの期間中に予定していた休日などを繰り上げ、年間の休業日数は基本的に変えないため、業績への影響は最小限に抑えられると判断した旨。

IBMの取り組みである。

◇新型コロナ/IBM、コロナに挑む オープンソース活用推進 (日刊工業)
→「コード(Code=プログラムの記述)の力を解き放て」―。オープンソースのムーブメントと軸を合わせて、米IBMが国際連合などと推進する自然災害救援プロジェクト「コール・フォー・コード(Call for Code)」が3年目に入った旨。目玉は社会課題をテーマに、20万人近くが参加するハッカソン(「Hack」と「Marathon」をあわせた造語。短期/集中的に共同作業でソフトウェアを開発する技術とアイデアを競い合う技術開発コンテストイベント)。2020年は新型コロナウイルス「COVID-19」を緊急テーマに加え、社会を揺るがす危機に立ち向かう旨。

□4月16日(木)

本年の半導体市場関連の予測が続いている。

◇Global Semiconductor Capex Forecast to Drop 3% in 2020 (EE Times)
→IC Insights発。半導体業界の今年のcapital spending(capex)予測は3%減であるが、Covid-19大流行により下げられていない旨。

◇Report: Chip Demand to Drop 5% to 15% in 2020 (EE Times)
→IMFがGreat Lockdownと呼ぶ状況下、半導体業界予測が下方修正されている中、McKinseyが、2020年のグローバル半導体市場における販売高が5%〜15%減少と見ている旨。

◇Broadcom Sounds Alarm on Unforeseen Tech Industry Disruptions-Broadcom's order lead time stretches to 6 months (Bloomberg)
→Broadcomが顧客に対し、受注遂行に通常の2-3ヶ月ではなく少なくとも6ヶ月かかると伝えている旨。マレーシア、フィリピン、シンガポールおよびタイにおける封鎖が生産計画を妨げている、としている旨。

コロナウィルス撲滅に向けた取り組みである。

◇Ultraviolet-LED Maker Demonstrates 30-Second Coronavirus Kill-Seoul Viosys shows UV-C LEDs are deadly, lays out path to better efficiency (IEEE Spectrum)
→今月始め、Seoul Viosys(京畿道安山市)が、ultraviolet LEDsによるCOVID-19を生じるコロナウィルス、SARS-COV-2の最初の99.9%殺菌を示した旨。

◇米マイクロン、新型コロナで従業員2万5000人に一時金 (日経 電子版 05:00)
→半導体大手、米マイクロン・テクノロジーは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全世界にいる従業員の3分の2にあたる約2万5千人に一時金を支給する旨。サプライチェーン(供給網)を支える中小メーカーや地域への支援を含め、総額3500万ドル(約37億円)を投じる旨。半導体産業は供給網が混乱しているが、テレワークの拡大などでデータセンター向けの半導体需要は堅調で、支援により供給網を整えたい考え。

◇学校PC特需、グーグル攻勢、無償OS武器にMS追う (日経 電子版 11:02)
→政府は全国の小中学生に1人1台のパソコンを配備する「GIGAスクール構想」を前倒しで完了させる方針を固めた旨。これを受けて攻勢をかけるのが米グーグル。無償の基本ソフト(OS)を武器にメーカーを取り込み、9割のシェアを占める日本マイクロソフト(MS)の牙城を切り崩す旨。テレワークの普及でパソコン需給が逼迫する中、さらに1千万台とされる特需が生まれる旨。メーカーのシェアだけでなく、OSの勢力図も大きく変わりそうな旨。

ルネサスエレクトロニクスが、人工呼吸器の設計仕様公開、開発期間の短縮を図る働きかけである。

◇Renesas creates ventilator reference design-Renesas develops open-source ventilator reference design (Electronics Weekly (UK))
→Renesas Electronicsが、医療用人工呼吸器製造で用いられるopen-source人工呼吸器reference設計を発案、該reference設計には20個のRenesas半導体があり、人工呼吸器に向けたprinted circuit boards(PCBs)のより素早い作成を可能にする旨。

◇Renesas Electronics Creates Open-Source Ventilator System Reference Design to Fight COVID-19 Pandemic (SEMICONDUCTOR DIGEST)

□4月17日(金)

◇ルネサスエレクトロニクス、人工呼吸器の設計仕様公開 (日経)
→ルネサスエレクトロニクスは16日、自宅などで利用できる移動式の人工呼吸器の回路設計の仕様を作成し、公開した旨。人工呼吸器の製造の参入を検討するメーカーに参考にしてもらい、設計・開発にかかる時間を短縮してもらう旨。

◇新型コロナ/ルネサス、人工呼吸器の参照設計作成、異業種参入支援 (日刊工業)
→ルネサスエレクトロニクスは16日、人工呼吸器システムのレファレンスデザイン(参照設計)を作成したと発表、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、医療現場では重症患者に装着する人工呼吸器が不足している旨。
供給拡大に向け異業種の企業も参入を表明、レファレンスデザインを活用すれば人工呼吸器の開発・製造の迅速化につながる旨。

◇Stay-at-Home Engineer & How We Work (EE Times)
→我々、エンジニアは今日すべて在宅仕事、多くの点で在宅orderは我々が如何に働くか、劇的な変化をもたらしている旨。我々の組織は、engineering tasksを遠隔でこなせるように、業務環境およびnetworkプロセスをディジタルに形を変える方策を取らなければならない旨。

◇Tim Cook to employees: Apple 'isn’t immune to worldwide economic trends' (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Apple社(Cupertino)のCEO、Tim Cook氏が、全社virtual staff meetingにて、「Appleがインパクトを受けないとは言わない」旨。

◇Global Semiconductor Capex Forecast to Drop 3% Again This Year (SEMICONDUCTOR DIGEST)
→IC InsightsのまもなくリリースされるMcClean Report-A Complete Analysis and Forecast of the Integrated Circuit Industryの2020年4月アップデート(MR20)。2020年半導体業界capital spending(capex)予測について、Covid-19 outbreakにより現在の-3%を下げていない旨。

◇Apple & Google to Turn Your Phone Into a Covid-19 Tracker-The two are collaborating on a technique for tracing the movements of infected persons while still respecting the privacy of those not suspected of spreading the disease or in danger of getting it... (EE Times India)

◇世界半導体売上高、0.9%減予測 (日経産業)
→米調査会社ガートナーは、2020年の世界の半導体売上高が前年比0.9%減の4154億ドルとなる見通しだと発表、12.5%増としていた前四半期の予測から一転し、減少する旨。新型コロナウイルスの影響で、自動車やスマートフォン向けの出荷減少が響く旨。データセンター向け需要が旺盛な半導体メモリは好調で、市場全体を下支えする旨。


≪市場実態PickUp≫

【Intel関連】

未確認情報ながらIntelの10-nmそして7-nm展開があらわされている。

◇Intel 10nm Roadmap Leaked: Alder Lake May Land This Year-This might turn out to be a good year for Intel. (4月9日付け Tom's Hardware)
→あるWeiboユーザによるIntelの2020年10-nm展開についての2枚のowerPointスライド。Intelは確認しておらず、懐疑論含みの情報。
最初のスライドのタイトルは、"Moore's Law: Return to a Two-YearCadence"。10-nm portfolioについて、歩留まり改善、生産capacity増および2020年に打ち上がる10-nm製品シリーズを訴えている旨。7-nm lineupに関しては、2021年に先行製品、2022年に完全な製品portfolioの見込み。
2枚目は、今年中にIntelから見えてくる10-nm製品打ち上げのすべてとしている旨。Alder Lakeは、Lakefieldのようなhybridアーキテクチャーを採用と噂されるIntelの次期10-nm desktop CPUsである旨。

AI開発に向けた取り組みの一端である。

◇Intel Wants to Train 1 Million Edge AI Developers (4月16日付け EE Times)
→AI運用がいろいろな業界分野にわたって急速に伸びる渦中、IntelがAIがわかる開発者におけるskills不足への対応を決定、開発者向けedge AIコース提示に向けてonline技術学習プラットフォーム、Udacityで連携の旨。

昨年の半導体サプライヤランキングでのIntelの首位、改めての確認である。

◇Intel reclaims top position in semiconductors-Gartner: 2019 global chip sales were $419B; Intel was No. 1 (4月16日付け DIGITIMES)
→Gartner発。2019年の世界半導体売上げが$419.1 billion、2018年から12%減、メモリ半導体の販売高急減によりIntelが、2017年および2018年に首位となったSamsung Electronicsを追い越して半導体販売高首位の座を取り戻した旨。「2019年のメモリ市場は半導体販売高の26.1%を占め、最も振るわないデバイス分野であった。」と、Gartnerのresearch VP、Andrew Norwood氏。

【TSMC関連】

TSMCの第一四半期業績が、以下の通りである。コロナ・インパクトで今年の販売高見込みが揺れる感じのあらわし方である。

◇TSMC Q1 profit almost doubles but trims full-year revenue estimate on pandemic-TSMC posts Q1 profit of $3.89B, increasing 90.6% on year (4月16日付け Reuters)
→TSMCの第一四半期net profitがほぼ倍増したが、新型コロナウイルスにより生じる需要の弱まりが高速化半導体の力強い売れ行きを打ち消して、full-year売上げ見通しを削減の旨。

◇TSMC forecasts 19% sales growth for 2020 (4月16日付け Focus Taiwan)

◇5G and HPC Drive 45% Q1 Revenue Growth at TSMC (4月17日付け EE Times)
→TSMCの2020年3月31日締め3ヶ月期間の売上げが$10.31 billion、前年同期比45.2%増、5Gおよびhigh-performance computing(HPC)製品が引っ張っている旨。しかしながら、2019年第四四半期と比べると僅かながら0.8%減、2020年第二四半期が横這いの見通しの旨。

◇Flat logic market expected with 7-13% growth for foundry-TSMC expects to outperform both the semiconductor and the foundry industry with growth of 14-19% this year. (4月17日付け Electronics Weekly (UK))
→TSMCが、新型コロナウイルス世界的大流行の難局にも拘らず、2020年に販売高19%増を予測の旨。

◇TSMC強気「18%増収」、今期、下方修正でもサーバ好調、「在宅」頼みに不安も(Asia300) (4月17日付け 日経)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は16日、2020年12月期の連結売上高が前期比で15〜18%増えるとの見通しを明らかにした旨。新型コロナウイルスの影響で2割増とした1月時点の予想を下方修正したが、依然として強気の姿勢を崩さなかった旨。スマートフォンの低迷を「在宅」需要の急伸で補えるとの読みだが、感染症の収束がみえないなか、中長期的な不安は拭えない旨。

TSMCの米国での最先端工場について、米中挟まれの中、積極的に取り組む方向が示されている。

◇米での最先端工場の建設、会長「積極的に検討」(Asia300) (4月17日付け 日経)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音董事長(会長)は16日、米国での最先端工場の建設について「積極的に検討している」と表明、工場建設を巡っては、米政府が米本土での生産を求めていた旨。ハイテク分野の覇権を巡る米中の争いが激化するなか、最先端の半導体製造技術を持つ同社は板挟みの状況にある旨。
TSMCは米の新型ステルス戦闘機「F35」などが搭載する機密性の高い半導体生産を担う旨。現状では生産基地の台湾から出荷しているが、米政府はセキュリティ上の懸念を深め、昨年後半から米本土で生産するよう繰り返し要求していた旨。

【Imagination関連】

グラフィックス&通信プロセッサintellectual property(IP)のImagination Technologies(本社 英国)の中国への移転を巡る動きが前回見られたが、結局CEOが交代、最大株主の中国投資家パートナーが暫定的に就任している。
英国議会筋では、中国への移転を防ぐ手を尽くすべきとの声が上がっている。

◇Imagination Drops CEO, What Next?-Imagination CEO steps down (4月13日付け EE Times)
→1.中国の投資家が所有する大手intellectual property(IP)会社、Imagination Technologiesが金曜10日、CEO、Ron Black氏の即日辞任を発表、現在executive chairmanでCanyon BridgeパートナーのRay Bingham氏が暫定CEOに就く旨。同じステートメントにて、米国、欧州およびアジアでの成長を引き続き求めて、英国での投資を増やしていく、ともしている旨。
 2.Imagination TechnologiesのCEO、Ron Black氏が即日退任、Imaginationの最大株主、Canyon Bridge Capital Partnersにおけるパートナーでexecutive chairmanのRay Bingham氏が暫定CEOに就く旨。
 Imaginationの前CEO、Hossein Yassaie氏は、「これはChina Reformがやっていること」と、Black氏退任について懸念をあらわしている旨。

◇Does China Have Imagination? (4月14日付け EE Times)
→Imagination Technologies(Kings Langley, the U.K.)にて繰り広げられるcorporate boardroomドラマについて。

◇UK urged to stop China taking control of Imagination Tech: lawmaker-Lawmaker Davis wants UK government to stop Imagination relocation (4月14日付け Reuters)
→英国lawmaker、David Davis氏が火曜14日、英国政府は、西欧の買い手を探すなどImagination Technologiesの技術ベースの中国への移転を防ぐすべてのmechanismを模索すべき旨。

◇What Will Imagination Do Next?-Imagination loses CEO and it gets one step closer to full control from China. Former Imagination CEO Hossein Yassaie decries... (4月15日付け EE Times India)

【128-層3D NANDフラッシュ】

フル稼働になったと伝えられたばかりの中国半導体大手、紫光集団傘下の長江存儲科技(長江メモリー・ テクノロジーズ、YMTC)から、最新の128-層3D NANDフラッシュメモリの開発が発表されている。湖北省武漢市が本拠地で封鎖の間も生産ラインの稼働に手を尽くしたとされ、その間含めたR&Dの成果と受け止めている。

◇China's top chipmaker says it can match Samsung on memory tech-Yangtze Memory asserts matching rivals on memory tech-Yangtze Memory plans to mass produce cutting-edge 3D flash chips within months(4月13日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→Yangtze Memory Technologiesが、同社の128-層3D NANDフラッシュメモリデバイスをサンプル配布、2020年末までに生産化の旨。該メモリは、SK Hynix, Samsung Electronics, Micron TechnologyおよびKioxia(前東芝メモリ)からの製品と競合できる、としている旨。

◇128層メモリ「開発成功」、中国・紫光系、年内にも量産 (4月14日付け 日経)
→中国半導体大手、紫光集団傘下の長江存儲科技(長江メモリー・テクノロジーズ、YMTC)は13日、データの保存に使われるNAND型フラッシュメモリで、最新型の「128層」の開発に成功したと発表、中国政府は海外依存度の高い半導体の国内開発を支援してきた旨。YMTCは最新型の量産を年内に始めるとしている旨。
YMTCは、新型コロナウイルスの感染が世界で初めて確認されて多数の犠牲者が出た湖北省武漢市を本拠地とするだけに、中国政府の後押しを受ける有力企業が新型コロナに打ち勝ったとする政治的な意味合いもありそうな旨。

【最先端微細化プロセス関連】

これもコロナ・インパクト、ASMLのEUV露光装置の輸出滞りによるSamsungおよびTSMCへの影響である。

◇ASML's EUV Equipment Exports Being Delayed:COVID-19 Disrupts Samsung's Plan to Mass Produce EUV-based 5-nm Semiconductors (4月13日付け Business Korea)
→オランダのASMLが半導体生産用extreme ultraviolet(EUV)露光装置の世界で唯一の生産者であるが、COVID-19により該装置輸出が困難となっており、Samsung ElectronicsおよびTSMCなど主要グローバル半導体生産者にマイナスの影響を与えている旨。ASML装置deliveryの該遅延で、TSMCは3-nm半導体のテスト生産を6月から10月に延期を検討、Samsung Electronicsは5-nm半導体の量産を2020年に開始予定であるが、遅れが避けられない様相の旨。TSMCは、2020年第二四半期内に5-nm半導体をApple,Qualcomm, Huawei, およびAMD向けに生産する予定、TSMCがSamsungに1ステップ先行の旨。

3-nm移行への取り組みがあらわされている

◇Making Chips At 3nm And Beyond-Fabricating 3nm chips and going farther in advanced nodes-Lots of new technologies, problems and uncertainty as device scaling continues. (4月16日付け Semiconductor Engineering)
→ファウンドリー各社が、5-nanometer features半導体を製造、complementary field-effect transistor(CFET)技術の取り組みなど3-nmデバイスのresearch and development(R&D)を行っている旨。
「gate-all-around(GAA)技術、そして特にstacked complementary nanowires(CFETs)などの技術を見ると、これらenabling技術が3nm, 2nmおよび1nm logic scalingに向かって変曲点をつくり出すと見えてくる。」
と、Lam Research/Coventorのvice president of computational products、David Fried氏。

TSMCが業績発表の場で表した5-nmおよび3-nmの現時点の線表である。

◇TSMC 3nm process development remains on track-TSMC continues progress in advanced process nodes (4月17日付け DIGITIMES)
→TSMCが、同社5-nanometerプロセスは満足な歩留まりで量産中、そして3-nanometerは来年risk生産に入り、量産は2022年後半予定、としている旨。

【各社連携から】

Googleの自前プロセッサの設計&製造について、Samsung Electronicsと協働と表わされているが、未確認ではある。

◇Scoop: Google readies its own chip for future Pixels, Chromebooks-Google crafts "Whitechapel" chip for Chromebooks, Pixels (4月14日付け Axios)
→GoogleがSamsung Electronicsと協働、PixelスマートフォンおよびChromebook computerで用いられるcustom "Whitechapel"プロセッサを設計&製造の旨。Googleのrepresentativeは本件コメントを控えている旨。

Qualcommが、中国パネル大手、BOEと、有機ELおよび5G関連での連携である。

◇米クアルコムと提携、中国BOE、有機ELや5G (4月17日付け 日経)
→中国パネル大手の京東方科技集団(BOE)は15日、米半導体大手のクアルコムと提携を結んだと発表、第1弾としてBOEは2020年後半にクアルコムの超音波を使った指紋センサの技術を採用した有機ELパネルを量産して出荷する旨。両社は次世代通信規格「5G」でも提携し、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や仮想現実(VR)などXR技術にも範囲を広げる旨。


≪グローバル雑学王−615≫

中南米の神話には、インカ神話、メキシコ神話(マヤ・アステカ神話)からの太陽神が登場する中、ここでは古代アステカ王国で伝えられた多神教の「世界のなりたち」に関する神話について、そして北米の神話として極北地方に住むエスキモー系先住民族(特にカナダのイヌイット)の神話について、

『世界の神話』
 (沖田 瑞穂 著:岩波ジュニア新書 902) …2019年8月22日第1刷発行

より触れていく。以下のアステカ神話で出てくる「ケツァルコアトル」はアステカ神話の文化神・農耕神であり、風の神とも考えられているとのこと。
壮大な世界のなりたち観が展開されていく。エスキモーに広く伝わる海の女神、セドナは、「海の女王」とも呼ばれ、海に住む動物の管理を行い、また人間の祖でもあるといういわれである。。


10 中南米の神話、北米の神話

◎中南米の神話
・メソアメリカ(Mesoamerica)
 …メキシコの東半分、グアテマラ、ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラス西部
→紀元前1200年ごろより、スペイン征服期(16世紀初頭)まで、オルメカ、サポテカ、テオティワカン、アステカ、マヤなどの特徴ある文明が興亡
→トウモロコシを基盤とする農耕定住生活
・メソアメリカの神話のキーワードは「犠牲」
 →神々も人間も、世界に対して犠牲を払って、世界を存続させる

〇アステカの「世界のなりたち」に関する神話
⇒「五つの太陽」
 …われわれが今住んでいる世界は、五番目の太陽の時代
 *最初はジャガーの時代
 *第二の時代は風の時代
 *三番目は雨の時代
 *四番目は水の時代
 *第五の時代は「動き」の時代
―世界は四度滅亡し、現代が五度目の太陽の時代
―時代とそこに住む人間の種類が変わっていく、という神話は、インドやギリシア、ケルトにも
―インド、ギリシアの場合、時代はだんだん悪くなり、それに伴い人間の性質も悪くなる
―アステカの五つの太陽の神話では、人間はだんだんと良くなる、とされている

⇒「大地の創造」
 *現在の世界が生まれる以前の話
 *四つの太陽が破壊された世界は、水で覆われ、ワニのような怪物がまたがっていた
 *世界を再創造するために地上に降りてきた二人の創造神、ケツァルコアトルとテスカトリポカは、怪物を強くねじって引き裂いた
 *半分で大地を作り、もう半分を天空へと押し上げた
 *大地の女神はトラルテクトリと呼ばれるように
 *神々は地上に降りてきて、この女神の身体から、世界を構成するさまざまなものを創った
 *しかしながら、人間の生けにえが与えられなければ、大地は人間のための食糧を産み出そうとしなかった
―原初のときの怪物の女神が、殺されて、その身体から大地や世界の構成要素が創られたという話
―女神は犠牲にされて、そして大地となった、とされている

⇒「人間の創造」
 *ケツァルコアトルは地獄へ降り、四つ目の時代に滅びた人々の残った骨と灰を集め、そこに自らの血をふりかけ、人間を創造した

⇒「第五の太陽」
 *人間が創造されたとき、まだ世界は暗闇だった
 *神々は集まって、誰が新しい時代を照らすべきか、議論した
 *月の神テクシステカトルは、傲慢にも簡単な任務だと思って引き受けた
 *他の神々は第二の志願者を募り、病をわずらうナナワツィンという神が謙虚に引き受けた
 *テクシステカトルとナナワツィンは四日間苦行をし、準備をしてから炉に火をつけ、供え物をした
 *真夜中になり、二人が火に飛び込むときが来た
 *テクシステカトルは四度試みたが、四回ともたじろいだ
 *ナナワツィンは勇気をふるいおこして突進し、火に身を投げた
 *テクシステカトルは恥ずかしくなって、ナナワツィンのあとにしたがって身を投げた
 *東から、ナナワツィンが姿を現し、輝かしい太陽であるトナティウになって、あたり一帯に光を降り注いだ
 *そのあとテクシステカトルも東の空に昇り、神々は彼の顔にウサギを一匹、投げつけた
 *彼は月となり、今でも満月にはウサギの姿が見える

―一連の世界のなりたちの神話で、現在の世界の前にあった四つの世界はすべて、天変地異により滅び去った
―アステカ人は、万物の死滅を一日でも遅らせるために、太陽に生けにえの心臓と血をささげ続けた
―創られた世界を存続させるために、自分たちも犠牲を払わなければならない、犠牲をささげ続けなければならない、と考えていた
―彼らはただ、自分たちの尊い神話を、生きていた

⇒「死と火の起源」
 …南アメリカのアピナイェ族に伝わる死の起源神話
 *大昔、人間は火も弓矢も知らず、ジャガーがその両方を持っていた
 *あるとき一人の少年が、ジャガーに命を助けてもらって、養子にされて家に連れていかれて、初めて「火」というものを見た
 *ジャガーは少年に焼き肉をたくさん持たせて、注意した上で、人間の村に帰らせた
 *ところが少年はこの注意を忘れてしまって、そのために人間の寿命も、朽ちてしまう木のように短くなってしまった
―ジャガーは、神話では文化を人間にもたらした聖なる動物
―人間がなぜ死ぬようになったのかを語る、死の起源神話
―火や、火を使った料理や、弓矢といった「文化」の起源も語られている
―人間は、不死という不自然な、しかし魅力的な状態と引き換えに、文化という、人間を他の動物と区別する大切な要素を手に入れた

◎北米の神話

⇒「セドナ」
 …エスキモーに広く伝わる「結婚したがらない娘」セドナの話
 *セドナは海と海の生物の女神
 *かつては美しい娘であり、求婚者がたくさんいたが、拒み続けていた
 *あるとき、とても美しい男がやって来て求婚、セドナも彼を気に入って結婚した
 *ところが男は人間に化けた鳥の悪霊だった
 *セドナの父がセドナを毛皮の下に隠した
 *探しに来た男は鳥の姿に戻り、叫び声をあげて去って行った
 *命の危険を感じた父は、セドナを海に投げ込んで自分だけ助かろうとした
 *父は斧でセドナの指先と、指全体を切り落とし、それらが海に落ちて、アシカやセイウチ、トド、クジラなどになった
 *セドナは海に落ち、海は静かになった
―女神セドナの指から海獣が生じたとするこの神話
 →インドの女神サティーの話と似ている
 ―女神の身体は別のものに変わり、その命は形を変えて、今も生きている

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