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新応用分野と微細化の相乗効果、半導体市場を盛り返す大きな期待

中国の2019年7〜9月国内総生産(GDP)の伸びが前年同期比6.0%増、2四半期連続の減速、約30年で最も弱いペースの鈍化、と米中貿易戦争の重しを改めて思い知らされる中であるが、5G、AI、IoTはじめ今後を担う応用分野の需要が力強く、半導体各社の最先端微細化の取り組みに一層の弾みが加わって、残り少ない本年ではあるものの今後の半導体市場を大きく盛り返す期待が高まっている。1つとして、動きを感知、触れずに操作できるグーグルの新しいスマートフォン「Pixel4」が発表され、つくる側では、7-nm需要で本年後半以降売上げを大きく伸ばしているTSMCが、さらに5-nm需要への対応に積極的に取り組んでいる。応用と微細化の相乗効果に引き続き注目である。

≪先陣先行の競合の様相≫

昨年終わりからの半導体市場の急降下を如何に盛り返していくか、最先端半導体技術および他社に先行する生産への投資が必須と取り組むSamsungとTSMCに前回注目したばかりであるが、うちTSMCについては以下の概要であった。

◇TSMC EUV process delivering customer products to market in high volume-TSMC ramps up production with its 7nm EUV process (10月8日付け DIGITIMES)
→TSMCが、同社7-nm EUV-ベースプロセス技術, N7+が顧客製品をhigh volumeで市場に届けている旨。該N7+ volume生産化は史上最高速の1つの旨。2019年第二四半期にvolume生産を始めたN7+プロセスは、1年以上volume生産にある元のN7プロセスに匹敵する歩留まりである旨。

◇TSMC posts record 3Q19 revenues-TSMC sets Q3 revenue record (10月9日付け DIGITIMES)
→TSMCの2019年9月連結売上げがNT$102.17 billion($3.3 billion)、前月比3.7%減、前年同月比7.6%増。第三四半期連結販売高がNT$293.05 billion、前四半期比21.6%増、前年同期比12.6%増。TSMCの2019年第三四半期売上げは、2018年第四四半期のこれまで最高そして同社のguidance範囲、$9.1 billion to $9.2 billionを上回っている旨。

このほど引き続きTSMCの決算がより細かく発表されており、第三四半期に続いて第四四半期も売上げが四半期最高を更新していく予測があらわされている。5Gスマートフォンはじめ急増する7-nm需要が原動力となっており、業界に先行する5-nm需要への対応を強化、本年の設備投資予算を5割踏み上げる取り組みである。

◇半導体市況 回復基調に、TSMC、5四半期ぶり増益 (10月17日付け 日経 電子版 22:00)
→世界の半導体業界の復調が鮮明になりつつある旨。大手の台湾積体電路製造(TSMC)が17日発表した2019年7〜9月期決算は、本業の稼ぐ力を示す営業利益が5四半期ぶりに増益に転じた旨。前年同期比13%増で同期として過去最高となった旨。米アップルの新型スマートフォンや次世代高速通信「5G」向けの受注が好調で、今期の設備投資も大幅に上方修正した旨。復調は今後、業界全体に広がる見通し。1年半ほど低迷した半導体業界は転換点を迎えた旨。売上高は2930億台湾ドル(約1兆円)、営業利益は1078億台湾ドル、純利益は1010億台湾ドルといずれも約13%の2ケタ増。純利益は英リフィニティブがまとめた事前のアナリスト予想の平均を5%も上回った旨。

◇TSMC expects 9% sales growth to hit another record in 4Q19 (10月17日付け DIGITIMES)
→TSMCがもう1つ最高売上げ四半期を見込む一方、full-year capital budgetに$4 billionを加えていく旨。2019年第四四半期の売上げが$10.2 billion〜$10.3 billionと見込んでおり、第三四半期に記録した最高から約9%増。

◇Chipmaker TSMC boosts capex by up to $5 billion, sees fourth-quarter sales jump on smartphones (10月17日付け Reuters)
→Apple社向けサプライヤ、TSMCが木曜17日、2019年capital spending計画を最大$5 billion引き上げ、モバイル半導体高速化および新しいhigh-endスマートフォンの力強い需要から第四四半期売上げ前年同期比約10%増を予測の旨。

◇TSMC Boosts Capital Expenditures on 5G Demand-Demand for 5G chips drives capex raise at TSMC (10月18日付け EE Times)
→TSMCが、今年のcapital expenditures(capex)を5Gスマートフォンおよび関連networking機器の好調から$15 billionに高める旨。7-nm需要が急増、当初の約$10 billionの目標から5割増。該新budgetの約$1.5 billionは7-nm半導体の生産増に充て、$2.5 billionが2020年前半に商用生産予定の5-nmに充てられる旨。

◇Robust 7nm and 5nm chip demand to drive TSMC 2020 growth (10月18日付け DIGITIMES)
→市場筋発。TSMCが2019年にまた最高記録の販売高となる見込み、しかし利益は昨年の最高を破りそうになく、今年前半の失望的な結果が主に効いている旨。しかしながら、2020年は年間利益が伸びに戻ると見ており、それだけの売上げの伸びを期待している旨。

半導体業界全体の見方でも、sub-10nmの先端nodeウェーハキャパシティの急増ぶりが示されている。

◇Wafer Capacity by Feature Size Shows Rapid Growth at <10nm-Cellphone and graphics processors drive demand for leading edge processes. (10月16日付け IC Insights)

◇Wafer capacity by feature size shows rapid growth at sub-10nm-IC Insights: Sub-10nm feature sizes are rapidly growing (10月17日付け DIGITIMES)
→IC Insightsの予測。sub-28-nanometerプロセスが今年末までに半導体業界の世界生産capacityの約半分となる一方、最も急成長のセグメントはsub-10nm featureサイズである旨。該最先端セグメントは2019年のグローバルcapacityの5%を占め、2023年までに25%に増大、最大capacityセグメントに伸びていく旨。

まずはTSMCを取り上げたが、先端プロセスnodeへの各社取り組み関連の動きが以下の通り相次いでいる。

◇Samsung & TSMC Develop 8nm & 7nm Automotive-Grade Nodes (10月14日付け Anand Tech)
→車が"よりsmart"になってautopilot capabilitiesを得ていくと、向こう何年かでより高性能でより複雑な車載用SoCsの需要が急速に伸びていくのは容易に予想される旨。該SoCsをつくるためには特殊化した製造ラインが必要となり、大手contract半導体メーカー、SamsungおよびTSMCが自動車をきっちり狙った新しいnodesおよびIPに取り組んでいる所以の旨。

◇TSMC to Discuss Their 5-nm CMOS Technology Platform at IEDM 2019 (10月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→来るInternational Electron Devices Meeting(IEDM)(2019年12月7-11日:San Francisco)でのTSMCの論文、“5nm CMOS Production Technology Platform Featuring Full-Fledged EUV and High-Mobility Channel FinFETs with Densest 0.021μm2 SRAM Cells for Mobile SoC and High-Performance Computing Applications”について。

◇TSMC Leads in Adoption of EUV (10月15日付け EE Times)
→EE Timesが調べた数人のアナリスト発。EUV lithography技術の商用化を初めて行ったというTSMCの誇りは、おそらく正当化される旨。

◇Intel to unveil discrete 10nm GPU by mid-2020 (10月16日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Intelが来年、同社Xeアーキテクチャーベース、10-nmプロセス製造のdiscrete graphics processing unit(GPU)を投入する旨。

◇Arm, Samsung and Synopsys partner to accelerate 5nm SoC development-Arm, Samsung, Synopsys team for 5nm SoC development (10月16日付け DIGITIMES)
→Arm, Samsung FoundryおよびSynopsysが連携、Armの次世代プロセッサ設計を利用、5-nmプロセスで製造されるsystem-on-a-chip(SoC)デバイスの開発を可能にする旨。該取り組みは、Arm Artisan Physical IPおよびPOP IP, Synopsys Fusion Design PlatformおよびSamsung Foundryの5LPEプロセスを合わせている旨。

◇Synopsys Design Platforms Enabled for Samsung Foundry 2.5D-IC Multi-Die Integration (10月17日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Synopsys社が、Samsung Foundryのextreme ultraviolet(EUV) lithography技術7-nm LPP(Low Power Plus)、7LPPで2.5D-IC Multi-Die Integration(MDI(TM))をサポートする設計ソリューションを発表の旨。

◇Cadence 3D-IC Advanced Packaging Integration Flow Certified by Samsung Foundry for its 7LPP Process Technology (10月17日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Cadence Design Systems社が、完全なCadence(R) 3D-IC先端実装統合フローについて7nm Low Power Process(7LPP)技術ベースSamsung Foundry MDI(TM)(Multi-Die-Integration)実装フローに対する認証が得られた旨。

IHS Markitの世界半導体売上げ予測でも、5Gインパクトがmicrochips需要を増大させて、2020年は5.9%増としている。

◇Global semiconductor market revenue forecast to rebound to 5.9% growth in 2020-IHS Markit forecasts 5.9% growth in 2020 chip sales (10月14日付け DIGITIMES)
→IHS Markitの予測。2019年の世界半導体売上げが2018年から12.8%減少の後、2020年は$448 billionに達し、今年から5.9%増。「5Gのインパクトがハイテク業界の境界に留まらず拡大、社会のあらゆる面にインパクトを与え、新しい経済活動を引っ張って、microchipsの需要増大を焚きつける。」と、IHS Markitの半導体製造、senior director、Len Jelinek氏。

応用関連に移って現時点の注目、Appleの5G可能なiPhone、そして廉価版の展望があらわされている。

◇Apple's 5G Modem Pegged for a 2022 Introduction-Apple said to prep 5G modem release in 2022 (10月14日付け Light Reading)
→Fast Company発。来年5Gが可能なiPhoneをつくるのにQualcommの半導体を用いるとしても、Appleは、2022年あるいは2023年はじめいずれかに5G modemを投入する計画の旨。同社はまた、長らく発表されているSE 2 budget phoneの価格を$399とする計画、とAppleアナリスト、Ming-Chi Kuo氏。

◇Long for a cheaper iPhone? New SE 2 with iPhone 11 chip 'due early 2020 for $399'-Apple will launch the iPhone SE 2 with the iPhone 11's processor for $399 next year, according to a new report. (10月14日付け ZDNet)
→Appleが噂のiPhone 8-like SE 2を$399で打ち上げる可能性、とAppleアナリスト、Ming-Chi Kuo氏が特に言及の旨。同氏は、budget iOS phoneをiPhone SE 2と呼んでおり、Appleが2016年に$399でリリースしたbudget iPhone SEの続編である旨。その当初の4-インチディスプレイiPhone SEにはそのときのA9プロセッサがあったが、iPhone 6sより小さな画面であった旨。

Googleからは、先進市場の開拓を目指して以下の通りスマートフォン新製品「Pixel4」が打ち上げられている。

◇Google unveils Pixel 4 phones with radar, more affordable laptop (10月15日付け Reuters)

◇グーグルが新スマホPixel4、動き感知、触れずに操作 (10月16日付け 日経 電子版 02:04)
→米グーグルは15日、スマートフォンの新製品「Pixel4(ピクセル4)」の受注を同日から米国で始めると発表、新たに開発した小型レーダーを内蔵し、本体に触れずに手をかざすといった動きで操作できるようにする旨。
人工知能(AI)など得意とするソフト技術を活用した製品を増やし、自社の技術の利用場面を増やす旨。
グーグルは独自ブランド「ピクセル」を冠した端末の販売を2013年に始めた旨。15日に発表した製品はスマホの4世代目で、日本などでも販売する予定。

◇スマホもAIも一体提供、Googleなど総力戦 (10月16日付け 日経 電子版 11:30)
→グーグルなどの米IT大手がスマートフォンをはじめとするハードウエアとソフトウエアを一体で提供する戦略を強めている旨。人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」の普及を視野に、新たな顧客体験の提供でしのぎを削る旨。ただ、各社にはプライバシーの保護などで厳しい視線が注がれており、不安解消が課題。
グーグルも15日の発表でAIの活用をハード事業の主軸に据える方針を示した旨。ピクセル4は利用者の顔を認識してロックを自動解除する技術などを売り物にしているが、これはレーダーと顔認識ソフトの連携で可能になる旨。バッズも音声認識の技術を使い、周囲の環境にあわせて音量を自動調整する機能などを搭載する旨。

MediaTekの5G SoC開発への取り組みも大きな期待である。

◇MediaTek boost likely thanks to 5G-Analysts see MediaTek benefiting from 5G transition (10月14日付け The Taipei Times (Taiwan))
→5G cellular通信への業界の移行により、MediaTekのsystem-on-a-chip(SoC)デバイスのaverage selling prices(ASPs)が高まり、利益が増加する、とアナリストの予測。「MediaTekの5G SoC開発は予定通りであり、2020年での5G時代へのスムーズな移行に道が開け、来る5G-driven handset買い換えサイクルにつながる需要を捉えていく。」と、SinoPac Securities Investment Serviceがclients向けリサーチnoteにて。

NVIDIAをはじめとするEdge AI Chipset市場の競合模様である。

◇NVIDIA Leads the Fast-Growing and Complex Edge AI Chipset Market but Competition is Intensifying (10月15日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→17の垂直市場におけるArtificial Intelligence(AI)開発に基づいて、ABI Researchの評価ではedge AIチップセット市場が2019年の$2.6 billionから2024年までに$7.6 billionに増大、どのベンダーも該市場のシェアが40%を上回らない旨。この市場のfrontrunnerはNVIDIAであり、2019年前半の売上げシェアが39%。該GPUベンダーは、車載、カメラシステム、robotics, およびsmart製造など現在のAI運用で主導しているkey AI verticalsで力強いプレゼンスがある旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

米中間の部分合意‘Phase One’、中国製品関税引き上げ先延ばしで一旦落ち着いているが、当面の手順とかスッキリしないのか、依然駆け引きが見られている。関連含め以下直後の反応、動きである。

◇U.S., China reach substantial 'phase one' trade deal: Trump-US, China agree on partial trade deal (10月11日付け BNN Bloomberg (Canada))
→米中貿易協議により合意が生み出され、中国はintellectual property(IP)保護を採用、米国農業製品の購入を高め、そして通貨および金融サービス問題で譲歩、とDonald Trump大統領。米国は、今週発効予定の中国製品への関税引き上げを先延ばしの旨。

◇SIA Statement on ‘Phase One’ U.S.-China Trade Agreement (10月11日付け Latest SIA News)

◇SIA Statement on ‘Phase One’ U.S.-China Trade Agreement (10月16日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Semiconductor Industry Association(SIA)が、米中貿易合意“phase one”についてSIAのpresident & CEO、John Neuffer氏ステートメント。「該‘phase one’合意は、半導体業界にとって歓迎すべきニュースであり、最終確定を期待する。」

◇China said to want more talks before signing Trump's 'phase one' deal-China reportedly not ready to sign initial trade deal (10月14日付け BNN Bloomberg (Canada))
→本件事情通発。習近平国家主席が署名に合意する前に、中国はDonald Trump大統領が謳う“phase one”貿易取引の詳細解明に今月さらなる協議をもちたい旨。

◇Forward steps in trade talks 'encouraging' (10月14日付け China Daily (Beijing))
→最近の貿易協議で中国と米国の間で達した予備的合意は"励みになる"もの、双方に長期にわたる係争を終わらせる道を開く、とエキスパートおよびビジネスleaders。

◇China ties agriculture binge to Trump reducing U.S. tariffs-China reportedly wants tariff cut before buying US farm goods (10月15日付け BNN Bloomberg (Canada))
→本件事情通発。中国がDonald Trump大統領の初期取引の一環として求めるアメリカ農業製品$50 billion相当の買い入れに合意する前に、貿易戦争における関税引き下げを北京は欲している旨。

◇米中、「部分合意」で温度差、交渉不調なら関税上げも (10月15日付け 日経 電子版 12:39)
→米中両国が10〜11日の閣僚級協議でかわした貿易交渉の「部分合意」を巡り、早くも温度差を露呈している旨。トランプ米大統領は「中国とのディールは歴史上で最高だ」と主張するが、中国側は「実質的な進展があった」とするだけで、合意内容を報じていない旨。米国側は12月の関税引き上げも再びちらつかせるなど、首脳会談に向けた神経戦が始まっている旨。

摩擦圧し掛かりで、市況&市場データの悪化が続いている。

◇China's trade with US shrinks again in September-US-Chinese trade down significantly in Sept. (10月14日付け The Associated Press)
→中国の最大顧客、米国との貿易が9月に急減、米国への輸出が前年比21.9%減の$36.5 billionで8月の16%減から悪化、米国製品の輸入は前年比15.7%減の$10.6 billion、8月の22%減からは改善の旨。

◇中国、対米輸出9月22%減、リーマン以来の減少幅 (10月14日付け 日経 電子版 13:45)
→中国税関総署が14日発表した2019年9月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比3%減の2181億ドル(約23兆円)、輸入は同9%減の1784億ドルだった旨。輸出・輸入がそろって前年同月の水準を下回るのは2カ月連続となる旨。米国向け輸出が同22%減とリーマン・ショック直後以来の減少幅を記録するなど、貿易戦争で対米貿易が急速に縮小したのが主因。

◇中国、鋼材需要に急ブレーキ、米中摩擦が招く「鉄冷え」 (10月15日付け 日経 電子版 15:40)
→世界鉄鋼協会は14日、2020年の中国の鋼材需要が2019年見込み比で1.0%増の9億900万トンになるとの見通しを発表、米中貿易戦争に伴う内需の停滞で、伸び率は2019年見込み(7.8%増)から急激に縮小する旨。一方、中国の鉄鋼大手は国内の景気対策を受けてあくまで増産を続ける構え。世界の鋼材市況が下落するなか、一段の供給過剰を懸念する声が出ている旨。

◇Weak U.S. retail sales cast shadow over slowing economy (10月16日付け Reuters)
→9月の米国流通売上げが7ヶ月ぶりに減少、製造主導の弱さがより広範な経済に拡がっていく可能性、Federal Reserve(FRB)に今月後半再びの利下げに門を開き続けている旨。

◇Fed survey finds US economy being hurt by trade battles-Fed survey: Trade tensions, slowing global growth hurting US economy (10月16日付け The Associated Press)
→Federal ReserveのBeige Book発。米国経済は"なかなか収まらない貿易摩擦およびグローバル成長の鈍化"に苦しんでいる旨。9月そして10月に入って控え目に拡大し続けているが、多くの会社は伸びの見通しを下方修正している旨。

◇Trump's China deal leaves the global economy as uncertain as ever (10月17日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Donald Trump大統領の中国との貿易休戦は、世界の2大経済圏の間の緊張を一時的に冷ましているかもしれないが、Trump氏の積極的なアプローチからくる損害が引き続きグローバル経済に圧し掛かっていく旨。

そして、週末金曜に発表された中国の2019年7〜9月国内総生産(GDP)データである。前年同期比6.0%増の伸び、2四半期連続の減速、約30年で最も弱いペースの鈍化、と米中貿易戦争の重しを改めて思い知らされる内容である。
半導体業界の盛り返しを阻害することのないよう、願い注目する当面である。

◇中国6.0%成長に減速、7〜9月、過去最低を更新−貿易戦争が打撃 (10月18日付け 日経 電子版 11:00)
→中国国家統計局が18日発表した2019年7〜9月の国内総生産(GDP)は物価の変動を考慮した実質で前年同期比6.0%増、伸び率は4〜6月より0.2ポイント縮小し、2期連続で減速した旨。四半期で統計を遡れる1992年以降の過去最低を更新した旨。米国との貿易戦争で輸出が低迷し、消費や投資にも力強さがない旨。成長減速は世界経済の波乱要因になりそうな旨。

◇中国「GDP倍増目標」に黄信号、自動車・電機が不振 (10月18日付け 日経 電子版 20:23)
→中国の景気減速が止まらない旨。2019年7〜9月の国内総生産(GDP)は前年同期比で実質6.0%の伸びにとどまり、2四半期連続で減速した旨。貿易戦争が長引き、自動車や電機など製造業に打撃が広がる旨。2020年のGDPを2010年比で倍増する長期目標の達成にも黄信号がともった旨。中国政府は過剰債務を抱え、大規模な景気対策を打ち出しにくい旨。

◇China's GDP growth grinds to near 30-year low as tariffs hit production (10月18日付け Reuters)
→中国の第三四半期経済成長が予想を上回って約30年で最も弱いペースの鈍化、貿易戦争が工場生産に打撃、北京の新たな支持政策展開の方向が高まっている旨。

【IMFの成長予測】

国際通貨基金(IMF)が、2019年のグローバル経済成長予測を7月時点の3.2%からこのほど3.0%に下方修正している。米中摩擦はじめ覆われる中、10年ぶりの低い伸び率となる。中国について、来年は30年ぶりに6%台を割り込む成長率とし、上記の中国の減速基調が深まる見方である。

◇IMF global growth outlook hits decade low of 3% amid trade woes-IMF cuts outlook for global economic growth (10月15日付け BNN Bloomberg (Canada))
→International Monetary Fund(IMF)が、2019年のグローバル経済成長を3%に下方修正、10年ぶりの低い拡大率となる旨。2020年については3.5%から3.4%に下げている旨。

◇Breakingviews - IMF crystal ball is cloudiest on what matters most (10月15日付け Reuters/Breakingviews)

◇世界成長率3.0%に減速、IMF、貿易戦争で予測下げ (10月15日付け 日経 電子版 22:00)
→国際通貨基金(IMF)は15日改定した世界経済見通し(WEO)で2019年の成長率を3.0%と予測し、7月時点から0.2ポイント下方修正した旨。米中の貿易戦争を受けて世界的に貿易や投資が減速しており、金融危機直後だった2009年以来、10年ぶりの低い伸び率となる旨。中国は2020年の成長率が30年ぶりに6%台を割り込むと予測した旨。

IMFのエコノミストが世界を覆う景気減速の警鐘を鳴らしている。

◇「世界の9割で景気減速」、IMFエコノミストが警鐘 (10月16日付け 日経 電子版 11:05)
→国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストのギータ・ゴピナート(Gita Gopinath)氏は15日、日本経済新聞の取材に「世界経済は90%の国・地域で景気が減速しており、貿易戦争などの地政学リスクが深刻になれば、世界景気は不況に近づく」と警鐘を鳴らした旨。先行きは緩やかな景気回復を見込むが「見通しは不確実で、政策面での失敗が許される余地はない」と指摘した旨。

【CEATEC 2019】

国内最大級の家電・IT見本市「CEATEC 2019」。昨年は足を運んでIoTの色合いを強く感じたが、今回について業界各紙の取り上げ~以下の通りである。
最先端技術を駆使した未来の生活、クルマなどの展開、という雰囲気はテレビでも目にしたところである。

◇「2030年のまち」提案―大手建設、ビル内AIで健康支援、他 (CEATEC 2019) (10月11日付け 日経産業)
→シーテックの今年の目玉の一つが企画展「Society 5.0 TOWN」。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)などが生活に浸透した次世代型の街を表現する旨。大手ゼネコン(総合建設会社)など異業種が多く出展し、「2030年のまち」を描く旨。「Society 5.0」は狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く第5の社会を意味する旨。IoTやAIなどを活用した自動制御システムが暮らしを支え、快適に暮らせる社会の到来を予想している旨。

◇IT見本市シーテック15日開幕、空飛ぶクルマやVR (10月14日付け 日経 電子版 17:45)
→国内最大級の家電・IT見本市「CEATEC 2019」が15日、幕張メッセで開幕、20回目の今年はANAホールディングス(HD)やジャパンタクシー(東京・千代田)など電機以外の展示が目立ち、初出展は全体の4割を占める旨。かつて家電の発表会として脚光を浴びてきたCEATECだが、「空飛ぶクルマ」や「仮想現実(VR)」など展示のテーマも様変わりしつつある旨。

◇IoT見本市開幕、「疑似旅行」ロボ出展、「5G」大容量データ念頭 (10月16日付け 日経)
→家電・IoT見本市「CEATEC 2019」が15日開幕、初出展のANAホールディングス(HD)は触覚などが操縦者に伝わるロボット、バンダイは新しい知育ロボットを発表した旨。次世代通信規格「5G」サービスが始まるのを見据えて、家電メーカーだけでなく運輸など新規参入組も、大容量データをやり取りして操縦するロボットの出展が目立った旨。
ANAHDは遠隔操作する操縦者に、視覚や聴覚、触覚などを伝えるロボット「アバター」を開発、飛行機に乗って旅行できない高齢者ら向けに、旅行した気分が味わえる体験型サービスでの使用を想定している旨。

◇「CEATEC」が描く先端ライフ、IoTから未来のまち、水素効率循環、無人で店舗 (10月17日付け 日経産業)
→15日に千葉市の幕張メッセで開幕した国内最大級のIT見本市「CEATEC 2019」の今年のテーマは「2030年のまち」。未来社会を想定した展示を各社が競った旨。初出展となる大林組はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用したまちづくりの事例を展示、日立製作所は買い物環境の可能性をアピールした旨。

◇シーテック、テック系ベンチャー奮闘、少し先の未来をAIで実現 (10月18日付け 日刊工業)
→「CEATEC 2019」では、テック系ベンチャーも奮闘している旨。少し未来の社会を実現するには、大企業には取れないリスクをベンチャー流のアプローチで突破することが期待される旨。仮想現実(VR)機器やカメラによるデータを人工知能(AI)で分析する技術が出展されている旨。

【パナソニックと日本IBMの協業】

パナソニック傘下のPanasonic Smart Factory Solutions Co., Ltd.と日本IBMが、顧客の半導体製造プロセスの有効性を最適化、高品質製造を実現することを目指す新しい高付加価値システムの開発&拡販に向けたコラボで合意している。dry etchers, 高精度bonding機器, plasma cleanersなど広範多彩な取り組みに映っている。

◇Panasonic to Team up with IBM Japan in Improving Semiconductor Manufacturing Processes  (10月15日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→IBM Japan, Ltd.とPanasonic Corporationの子会社, Panasonic Smart Factory Solutions Co., Ltd.が15日、顧客の半導体製造プロセスのoverall equipment effectiveness(OEE)を最適化、高品質製造を実現するために新しい高付加価値システムの開発&拡販に向けたコラボに合意の旨。回路形成プロセス事業の一環として、Panasonicは現在、先端実装の半導体製造の改善に寄与するedgeデバイスおよび製造方法を開発&拡販している旨。

◇Panasonic to Team up with IBM Japan in Improving Semiconductor Manufacturing Processes -Co-development of new high-value-added system to reduce engineering costs, stabilize product quality, and improve factory productivity (10月15日付け BusinessWire)

◇パナソニックと日本IBM、協業 (10月16日付け 日経)
→パナソニックと日本IBMは15日、半導体製造工程の省力化で協業すると発表、ウエハーを切り出す機器や、金属や樹脂の接合性を高めるため微細なごみを取り除く機器の省力化システムを開発する旨。パナソニックは新システムを採用した機器を2020年度末に発売する予定。2030年度に年間250億円規模の売り上げをめざす旨。

◇Panasonic, IBM to co-develop semi process-Panasonic and IBM team to develop microchip processes (10月17日付け Electronics Weekly (UK))
→PanasonicとIBMが、顧客拠点における半導体製造プロセスの有効性を最適化するシステム作りでコラボの旨。このsmart factory技術は、dry etchers, high-accuracy bonding devices, plasma cleanersおよびplasma dicersに狙いを定める旨。

【公正取引関連】

IT巨人に対する厳しい目が、米国および欧州で次の通りである。

◇The Justice Department is taking a closer look at Google's $2.6B purchase of Looker (10月14日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→GoogleによるLooker Data Sciences社(Santa Cruz)の$2.6 billion買収計画が、ハイテク大手および競合を巡る懸念がWashingtonで高まっていて、連邦antitrust当局の綿密な見直しがかかっている旨。Bloombergがunnamed筋を引用、米国司法省がGoogleの買収計画についてさらに情報を求めている旨。

◇Time running out to get off Amazon's addictive cloud French minister warns (10月16日付け Reuters)
→Amazonのcloud computingは“soft drug”のようなもの、とフランスのjunior economy minister、Agnes Pannier-Runacher氏。欧州が同社のサービスを引き離す時間が迫っていると警告の旨。

米国とEUの関税の応酬が見られる中であるが、米国・Broadcomに対してEUが独占的取引を中止するよう命令、Broadcomが従う動きが見られている。

◇EU orders chipmaker Broadcom to suspend exclusive deals (10月16日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→EUが、米国半導体メーカー、Broadcomに対し、anti-competitiveかどうか調査する間、6つのtelevisionおよびmodemメーカーとの独占的取引を中止するよう命令の旨。

◇EU tells Broadcom to stop certain business deals in unusual move-EU restricts Broadcom business deals with exclusivity (10月16日付け CNBC)
→European Union(EU)が、microchip市場における競合に害があるとして、Broadcomに顧客6社との独占的ビジネス取引を行うのを終わらせるよう求めている旨。

◇U.S. chipmaker Broadcom told to stop exclusivity deals till EU probe ends (10月16日付け Reuters)
→米国半導体メーカー、Broadcomが、最大3年の間の6つのTVおよびmodemメーカーとの独占取引を中止するよう指示する一方、EU antitrust enforcersはこれら合意がライバルを邪魔することを狙っているか調査する旨。


≪グローバル雑学王−589≫

引き続き「巨竜」、ファーウェイの「帝国」の全貌について、今回は社食はじめ同社の社員風景、アメリカへの敵愾心を煽る推薦図書『アメリカの罠』そしてスマートシティへのアプローチ実態、最後にプライバシーという言葉は将来死語になる、という内容について、

『ファーウェイと米中5G戦争』
 (近藤 大介 著:講談社+α新書 711−2 C) …2019年7月18日第一刷発行

よりファーウェイの実態、考え方というものにさらに触れていく。著者の目で、1970年代から1980年代にかけて、日本の大企業に社会科見学に行った時に見た光景そのものが、今のファーウェイの社員食堂はじめ熱い雰囲気にあらわれているとのこと。アメリカに当初は学び、それから追いつけ、追い越せでお互い切磋琢磨の日米関係に発展していったという思いがあるが、世界を締める米国から時代変わり世界二大経済圏の米中となると、政治、経済の入り組んでもつれた状況の中でのファーウェイを見つめていくことになる。


第1章 「ファーウェイ帝国」の全貌 …4分の3

■圧倒的に若い社員
・巨大な社食でいただいた15元(約230円)の牛肉麺
 →安い「社食メシ」かと思うほど絶品
・(著者が)若い頃、1970年代から1980年代にかけて、日本の大企業に社会科見学に行った時に見た光景そのもの
 →「日本が世界の技術立国になる」と、希望に満ち溢れていた技術者たち
 →「日本企業の原風景」を、いま中国でファーウェイが引き継いでいる
・当時の日本の大企業と現在のファーウェイでは、2つの異なる点
 →第1:社員に対する手厚いケア
  →入社すると、他社とは比較にならない年俸、深セン市の戸籍、自社株も賦与
  →ランチタイムが終わると、社内が一斉消灯、「お昼寝タイム」を実施
  →夜9時を過ぎると夜食が食べ放題に
  →J区に設けている研修センター、夜にさまざまな専門家たちの講演、社員は無料で聴講可
 →第2:社員の年齢構成ピラミッド
  →多数を占めるのは、「90後」(1990年代生まれ)の若者たち
  →入社すると「12級」を与えられ、25級以上がボードメンバー
  →何と、定年は45才!
   …45才を過ぎて一定の級数に達していないと、閑職に

■推薦図書『アメリカの罠』
・B区の財務センタービル1階にある「ファーウェイ図書館」
 →この5階、帳務管理部・集団財経人力資源部に、孟晩秋副会長兼CFOのオフィスがあるものと思われる
・荘厳な雰囲気の「ファーウェイ図書館」
 →プロが淹れたお茶、おしゃれなカフェも
・閲覧室のスペースの半分は「商業財経」コーナー
 →4分の1が「人文科学」、その残りが「文学詩歌」と「芸術美学」
・ファーウェイのいまの「敵」は、何と言ってもアメリカ
 →入口にこれ見よがしに立てかけてある『アメリカの罠(美国陥※(こざとへんに井))』
 →この著者は、フランス人のフレデリッグ・ピエルッチ氏
  …フランス最大の重機メーカー「アルストム」の元原発部門責任者
  …2013年4月14日、ケネディ国際空港に降り立った際、突然FBI(米連邦捜査局)に逮捕
   →その10年ほど前に中東などで行っていた取引が「反海外腐敗法」に違反したという容疑
 →同氏は、中央広播電視総台(CCTV)のインタビューにて
  …「今回のアメリカによるファーウェイ叩きは、2013年にアルストムが受けた仕打ちとまったく同じ。アメリカの水準を超えてしまったファーウェイの力を弱めて、アメリカの監視下に置くための策略なのだ。」
・図書館入口右手の巨大なスクリーンには、古ぼけた戦闘機が飛ぶ写真
 …ナチスドイツと戦った旧ソ連軍の戦闘機「イリューシン2型」
  →戦闘に遭い、渾身の力を振り絞って飛行を続け、ついに安全に帰還
 →まさに任CEOの思いを伝える写真  
  →トランプ政権の総攻撃に遭っている自分たちを見立てている

■スマートシティの実験場
・午前中のミクロな5Gの世界に続き、夕刻に、インダストリー・ソリューションズの部門を訪問
 →ファーウェイの5Gを駆使したマクロなスマートシティの未来像
 →入口のやはり任CEOの言葉:「この1秒が全世界の1万本の生産ラインの製造効率を上げる」
・以下、同部門の中堅幹部との一問一答
――ファーウェイの5Gスマートシティ構想の特徴は?
 →「他社がIoTを語る時、ファーウェイはすでに実践している」がスローガン
 →世界のスマートシティ建設の先頭ランナーになる
 →すでに世界160以上の都市に、スマートシティを建設中
――スマートシティの実例を教えてほしい
 →深セン市龍崗区で、2014年からファーウェイがスマートシティ作りを実践
 →目標は、「ある地域のすべてが一瞬にしてわかるようにすること」
 →2015年から深セン市役所と協力して、スマート政府の取り組みも
 →他にも、教育や医療分野での取り組み
  …スマート医療では、遠隔医療と医学ビッグデータの収集が可能に
――スマートシティに関して、中国以外ではどんな試みを行っているのか?
 →スマート航空、スマート鉄道、スマート運輸、スマート配達などを、世界中で推進
  …世界の10大空港中、北京、シンガポール、パリ、ドバイの4空港では、すでにファーウェイがスマート航空化
 →スマート電線は、サムスン、オラクル、中国南方電網などと共同で推進
 →AMI(エネルギー自動計量・課金)も推進、中国北部の冬場の集団暖房も、光熱費を支払った家庭に支払った分だけ供給できる
――スマートシティを構築する上で、ファーウェイの強みは何か?
 →最大の強みは、8万人の優秀な研究者
 →中国および世界に、計1146ヵ所のオフィス、各種のスマート計画が持ち上がると、まず自社のシステムで試す
 →社内での試行錯誤によって、世界のどんな環境下でも対応できる強力なシステムができていく

■個人のプライバシーがなくなる世界
・誰かが会議室の白板にペンで書くと、それが世界中の参加者のパソコン上に投影
 →1つの疑問:「市民の生活を便利にする」ことと「市民のプライバシーを放棄する」こととが、表裏一体になるのでは
・顔色一つ変えずに中堅幹部
 →「ファーウェイが目指しているのは『平安都市』(Safe City)」づくり。映像やデータはすべて、公安局(警察)や市役所など公的機関が管理」
・西側諸国ほど個人のプライバシーを重視しない社会主義国・中国
 →個人のビッグデータを集めやすい
 →14億人のビッグデータをフル活用できる中国は、AI技術が世界一進んでいく
 →さらに国民のプライバシーは奪われていく
・苦笑しながら中国人の若手科学者
 →「あと10年、20年すれば、あらゆる個人データも個人の行動も外部に捉えられ、この地球上からプライバシーという言葉は死語になる」

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